(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006807
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】機械収容用筐体
(51)【国際特許分類】
F24F 1/48 20110101AFI20230111BHJP
【FI】
F24F1/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109592
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】521362885
【氏名又は名称】コベルコ・コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100218132
【弁理士】
【氏名又は名称】近田 暢朗
(72)【発明者】
【氏名】坂口 雄紀
(72)【発明者】
【氏名】辻井 智行
(72)【発明者】
【氏名】福島 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】弥久保 修人
(72)【発明者】
【氏名】濱田 克徳
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA01
3L054BA02
3L054BA10
3L054BB02
3L054BB03
3L054BB10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】機械収容用筐体において、複数台設置時に隣接して設置された機械収容用筐体間での排気の吸込をなくす。
【解決手段】機械収容用筐体1は機械が収容された筐体本体3と、筐体本体3の上部に取り付けられた排気ダクト4とを備える。排気ダクト4には、正面から見て排気ダクト4の前部又は後部にのみ筐体本体3からの排気のための排気口43が設けられている。正面から見て筐体本体3の側部18にのみ筐体本体3への吸気のための吸気口25,26が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械が収容された筐体本体と、
前記筐体本体の上部に取り付けられた排気ダクトと
を備え、
排気ダクトには、正面から見て前記排気ダクトの前部又は後部にのみ前記筐体本体からの排気のための排気口が設けられ、
正面から見て前記筐体本体の側部にのみ前記筐体本体への吸気のための吸気口が設けられている、機械収容用筐体。
【請求項2】
前記排気ダクトは、
前記排気ダクトの前記前部及び前記後部のうちの一方を構成し、第1高さを有する第1前後壁と、
前記排気ダクトの前記前部及び前記後部のうちの他方を構成し、前記第1高さよりも低い第2高さを有する第2前後壁と、
前記第1前後壁の上部と前記第2前後壁の上部とを接続し、前記第1前後壁から前記第2前後壁に向かって下向きに傾斜する傾斜頂面と
を備える、請求項1に記載の機械収容用筐体。
【請求項3】
前記排気口は前記第1前後壁に設けられている、請求項2に記載の機械収容用筐体。
【請求項4】
前記排気ダクトの内部の上端面が、前記第1前後壁から前記第2前後壁に向かって下向きに傾斜する傾斜上端面である、請求項3に記載の機械収容用筐体。
【請求項5】
前記排気ダクトの内面に吸音材が取り付けられている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の機械収容用筐体。
【請求項6】
前記排気ダクトの前記第2前後壁に樋構造が設けられている、請求項2に記載の機械収容用筐体。
【請求項7】
前記排気ダクトは、前記排気口が設けられた前記第1前後壁が後方を向く後方排気姿勢と、前記排気口が設けられた前記第1前後壁が前方を向く前方排気姿勢との両方で、前記筐体本体に対して取付可能である、請求項3に記載の機械収容用筐体。
【請求項8】
前記排気ダクトは前記筐体本体に対して複数のねじ止め構造により連結されており、前記複数のねじ止め構造の位置は、前記後方排気姿勢と前記前方排気姿勢とで同じである、請求項7に記載の機械収容用筐体。
【請求項9】
前記排気ダクトは、左右方向の位置を変更可能な仕切部を内部に備える、請求項7又は8に記載の機械収容用筐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械収容用筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、機械収容用筐体の一例である圧縮機の防音パッケージが開示されている。この防音パッケージは、筐体本体と屋根を備える。この種の防音パッケージには、筐体本体と筐本体の上部に取り付けられた排気ダクトを備えるものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の防音パッケージには、排気方向が平面視で3方向であって、吸気方向が平面視で2方向のものがある。例えば、防音パッケージを正面から見たときに、前方、右側方、及び左側方が排気方向となり、右側方、及び左側方が吸気口となる。このように3方向の排気方向であると、2台以上の防音パッケージを並べた配置する場合、1台の防音パッケージの排気を隣の防音パッケージが吸い込んでしまい内部が冷却されなくなることがある。
【0005】
本発明は、機械収容用筐体において、複数台設置時に隣接して設置された機械収容用筐体間での排気の吸込をなくすことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、機械が収容された筐体本体と、前記筐体本体の上部に取り付けられた排気ダクトとを備え、前記排気ダクトには、正面から見て前記排気ダクトの前部又は後部にのみ前記筐体本体からの排気のための排気口が設けられ、正面から見て前記筐体本体の側部にのみ前記筐体本体への吸気のための吸気口が設けられている、機械収容用筐体を提供する。
【0007】
排気口は排気ダクトの前部又は後部にのみ設けられ、吸気口は筐体本体の側部にのみ設けられている。そのため、複数台設置時に隣接して設置された機械収容用筐体間での排気の吸込をなくすことができる。
【0008】
排気口は排気ダクトの前部又は後部にのみ設けられているので、排気により発生する騒音に指向性を持たせることができる。
【0009】
前記排気ダクトは、前記排気ダクトの前記前部及び前記後部のうちの一方を構成し、第1高さを有する第1前後壁と、前記排気ダクトの前記前部及び前記後部のうちの他方を構成し、前記第1高さよりも低い第2高さを有する第2前後壁と、前記第1前後壁の上部と前記第2前後壁の上部とを接続し、前記第1前後壁から前記第2前後壁に向かって下向きに傾斜する傾斜頂面とを備えてもよい。
【0010】
排気ダクトは下向きに傾斜する傾斜頂面を有するので、排気ダクトの頂部に雨水や雪が堆積するのを防止ないし抑制できる。
【0011】
前記排気口は前記第1前後壁に設けられてもよい。
【0012】
第1前後壁の第1高さは、第2前後壁の第2高さよりも高く、第1前後壁の面積は第2前後壁の面積よりも大きい。排気口は排気ダクトにのみ設けられているが、第2前後壁と比較して面積の大きい第1前後壁に排気口を設けることにより、排気口の面積を大きく設定でき、排気効率を確保できる。
【0013】
前記排気ダクトの内部の上端面が、前記第1前後壁から前記第2前後壁に向かって下向きに傾斜する傾斜上端面であってもよい。
【0014】
排気口が設けられた第1前後壁から第2前後壁に向かって下向きに傾斜する傾斜上端面を排気ダクトの内部に設けることで、排気口に向かう排気の流れを促進することができ、排気効率を高めることができる。
【0015】
前記排気ダクトの内面に吸音材が取り付けられていてもよい。
【0016】
吸音材により排気による騒音のエネルギーを排気ダクト内で減衰させ、外部への騒音を低減できる。
【0017】
前記排気ダクトの前記第2前後壁に樋構造が設けられていてもよい。
【0018】
傾斜頂面上の雨水は下向きの傾斜により流れて樋構造に補足されるので、筐体本体への雨水の流入や、樋構造の下方で機械収容用筐体の傍にいる人(例えば樋構造側に設けられた操作パネルを操作している人)への雨水の落下を、防止ないし抑制できる。
【0019】
前記排気ダクトは、前記排気口が設けられた前記第1前後壁が後方を向く後方排気姿勢と、前記排気口が設けられた前記第1前後壁が前方を向く前方排気姿勢との両方で、前記筐体本体に対して取付可能であってもよい。
【0020】
この構成により、機械収容筐体の設置場所に応じて排気口の向きを前方又は後方に変更できる。
【0021】
例えば、前記排気ダクトは前記筐体本体に対して複数のねじ止め構造により連結されており、前記複数のねじ止め構造の位置は、前記後方排気姿勢と前記前方排気姿勢とで同じであってもよい。
【0022】
前記排気ダクトは、左右方向の位置を変更可能な仕切部を内部に備えていてもよい。
【0023】
この構成により、排気ダクトが後方排気姿勢と前方排気姿勢であるのかに応じて、排気口を仕切ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかる機械収容用筐体によれば、複数台設置時に隣接して設置された機械収容用筐体間での排気の吸込をなくすことができる。また、本発明にかかる機械収容用筐体によれば、排気により発生する騒音に指向性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態にかかる圧縮機収容用筐体の前面から見た斜視図(後方排気)。
【
図2】本発明の実施形態にかかる圧縮機収容用筐体の後面から見た斜視図(後方排気)。
【
図9】パネルを取り外した状態での筐体本体の前面から見た斜視図。
【
図12】パネルを取り外した状態での一方側から見た排気ダクトの斜視図。
【
図13】パネルを取り外した状態での他方側から見た排気ダクトの斜視図。
【
図14】本発明の実施形態にかかる圧縮機収容筐体の前面から見た斜視図(前方排気)。
【
図15】本発明の実施形態にかかる圧縮機収容筐体の後面から見た斜視図(前方排気)。
【
図16】本発明の実施形態のかかる排気ダクトの模式的な断面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1から
図6は、流体機械の一例である油冷式スクリュー圧縮機に本発明を適用した例、つまり、本発明の実施形態にかかる圧縮機用収容筐体(機械収容筐体)1を示す。
【0027】
圧縮機収容用筐体1には、油冷式スクリュー圧縮機本体、油冷式スクリュー圧縮機本体を駆動する電動機、ドライヤを含む圧縮機ユニット2が収容されている(
図9の符号2参照)。圧縮機収容用筐体1は、屋外用の筐体であり、屋外に設置される。
【0028】
図1及び
図2を参照すると、圧縮機収容用筐体1は、圧縮機ユニット1が収容された筐体本体3と、筐体本体3の上部に取り付けられた排気ダクト4とを備える。圧縮機収容用筐体1は、屋外用の筐体であり、屋外に設置される。
【0029】
後に詳述するように、排気ダクト4は、排気口43が後方を向く後方排気姿勢(
図1及び
図2参照)と、排気口43が前方を向く前方排気姿勢(
図3及び
図4参照)との両方で、筐体本体3に対して取付可能である。
【0030】
【0031】
筐体本体3の外観は直方体状であり、前述のように、筐体本体3内には圧縮機ユニット2が収容されている。
【0032】
図9を参照すると、筐体本体3は、地面又は床に配置される土台ないし基部11、基部11上にフレーム12が固定されている。フレーム12は、基部11に立設された8本の支柱13に加え、支柱13の上端の軒桁14と梁15とを備える。
【0033】
図7から
図9を併せて参照すると、フレーム12にパネルを固定することで、筐体本体3の壁が構成されている。具体的には、正面から見たときに、筐体本体3は前面の前壁16、背面の背壁17、左面の左側壁18、右面の右側壁19、及び頂壁20を備える。これらの壁16~20で囲まれた筐体本体3内の空間は、
図9において符号21で示す圧縮機本体3が位置している空間(筐体本体3を正面から見たときに相対的に右側の空間)と、同じく
図9において符号22で示すドライヤが位置している空間(筐体本体3を正面から見たときに相対的に左側の空間)とを含む。
【0034】
図7及び
図8を参照すると、前壁16には、操作パネル24が設けられている。左側壁18には、ドライヤのための吸気口25と、圧縮機本体のための吸気口26とが設けられている。右側壁19には圧縮機本体のための吸気口27が設けられている。頂壁20の中央に主に圧縮機本体のための排気口28が設けられ、正面から見て頂壁20の左側に主にドライヤのための排気口29が設けられている。背壁17には、吸排気口は設けられてない。
【0035】
圧縮機収容用筐体1において、筐体本体3に排気ダクト4が取り付けられている状態では、後述するように、筐体本体3の排気口28,29はいずれも排気ダクト4を介して圧縮機収容用筐体1の外部と開放ないし連通する。従って、筐体本体3に排気ダクト4が取り付けられている状態では、筐体本体3は吸気口25,26,27が設けられているが、直接、外部に開放ないし連通した排気口は設けられていないと言える。
【0036】
【0037】
排気ダクト4は、側方から見て、倒台形状の外観を有する。排気ダクト4は、筐体本体3に取り付けたときに前部又は後部となる第1前後壁31と第2前後壁32に加え、同じく筐体本体3に取り付けたときに左側部又は右側部となる第1側壁33と第2側壁34を備える。また、排気ダクト4は、筐体本体3に取り付けたときに頂部となる頂壁44を備える。
【0038】
図12及び
図13を参照すると、排気ダクト4のフレーム35は、第1前後壁31の部分を構成する外形輪郭が長方形状のサブフレーム36、第2前後壁32の部分を構成する細長い長方形状で開口なしの板材37、及び第1及び第2左右壁33,32の部分を構成する倒台形状で開口なしの板材38,39を備える。また、フレーム35は排気ダクト4の幅を概ね三等分する位置に、第1前後壁31(サブフレーム36)の上部と第2前後壁32(板材)の上部とをそれぞれ連結する梁41,42を備える。フレーム35の下部は大面積の開口40である。
【0039】
前述のように、フレーム35の第1前後壁31の部分はサブフレーム36により構成されており、大面積の開口が設けられている。この開口が排気ダクト4の排気口43を構成している。この排気口43の部分を覆うように、2個のルーバー部材30がサブフレーム36に固定されている。言い換えれば、第1前後壁31に、ルーバー部材30を備える大面積の排気口43が設けられている。
【0040】
図10及び
図11を参照すると、排気口43が設けられた第1前後壁31の高さH1(第1高さ)は、前述のように開口なし、つまり排気口が設けられてない第2前後壁32の高さH2より十分に高い(第2前後壁32の高さH2は第1前後壁31の高さH2よりも十分に低い)。従って、排気口43が設けられた第1前後壁31の面積は、排気口が設けられてない第2前後壁32の面積よりも十分に大きい
【0041】
図10から
図13を参照すると、排気ダクト4では、フレーム35の頂壁44を構成する部分に3枚のパネル45A,45B,45Cが取り付けられている。
【0042】
排気ダクト4の頂壁44は、第1前後壁31の上部と第2の前後壁32の上部とを接続しており、第1前後壁31から第2の前後壁32に向かって下向きに傾斜している。
【0043】
本実施形態では、排気ダクト4の頂壁44の外側面は、排気ダクト4の最上端の外側面である傾斜頂面44aを構成している。傾斜頂面44aは、第1前後壁31から第2の前後壁32に向かって下向きに傾斜している。
【0044】
また、本実施形態では、排気ダクト4の頂壁44の内側面が、排気ダクトの内部の上端面である傾斜上端面44bを構成している。傾斜上端面44bも、第1前後壁31から第2の前後壁32に向かって下向きに傾斜している。
【0045】
排気ダクト4の頂壁44(パネル45A~44C)の内側面、つまり傾斜上端面44bには、吸音材50が取り付けられている。
【0046】
例えば、
図1及び
図2を併せて参照すると、開口40は、排気ダクト4を筐体本体3に取り付けた状態では、筐体本体3の頂壁20により閉じられ、筐体本体3の排気口28,29が排気ダクト4の内部の空間に開放ないし連通する。つまり、筐体本体3に取り付けた状態では、排気ダクト4の内部の空間は第1前後壁31、第2前後壁、第1側壁33、第2側壁34、及び筐体本体3の頂壁20により画定される。
【0047】
排気ダクト4の第1前後壁31に排気口43が設けられているが、第2前後壁32、第1左右壁38、及び第2左右壁39のいずれにも吸排気口は設けられていない。つまり、排気ダクト4には排気口43のみが設けられている。
【0048】
図12及び
図13を参照すると、排気ダクト4のフレーム35の梁41には、排気ダクト4の内部の空間を、相対的に容積の大きい空間46と相対的に容積の小さい空間47とに幅方向に仕切るための仕切板(仕切部)48が固定されている。仕切板48は梁42にも取り付けることができる。
【0049】
図10及び
図11を参照すると、第2前後壁32、具体的には第2前後壁32の上部に、水平方向に延びる雨樋(樋構造)49が設けられている。
【0050】
図1、
図2、
図12、及び
図13を参照すると、排気ダクト4の幅方向の寸法(第1左右壁38と第2左右壁39との距離)は、筐体本体3の幅方向の寸法(左側壁17と右側壁19との距離)と概ね同じに設定している。また、排気ダクト4の前後方向の寸法(第1前後壁31と第2前後壁33との距離)は、筐体本体3の前後方向の寸法(前壁16と背壁17との距離)よりも小さく設定している。従って、平面視において、排気ダクト4の外形輪郭は、筐体本体3の外形輪郭内に収まっており、排気ダクト4の外形輪郭は、筐体本体3の外形輪郭から突出してない。
【0051】
以下、筐体本体3に対する排気ダクト4の取り付け構造を説明する。
【0052】
前述のように、排気ダクト4は、排気口43が後方を向く後方排気姿勢(
図1及び
図2参照)と、排気口43が前方を向く前方排気姿勢(
図14及び
図15参照)との両方で、筐体本体3に対して取付可能である。つまり、排気ダクト4は、筐体本体3に対して、2種類の姿勢で取り付けることができる。本実施形態では、以下によって、このような2種類の姿勢での取り付けを実現している。
【0053】
排気ダクト4は、筐体本体3への取り付けのために、
図1,3に示す第2前後壁32に設けられたねじ止め部51、
図2,5に示す第1前後壁31に設けられたねじ止め部52、
図1,4に示す第1左右壁33に設けられたねじ止め部53、及び
図2,6に示す第2左右側壁34に設けられたねじ止め部54を備える。
【0054】
図7及び
図8を参照すると、筐体本体3は、排気ダクト4の取り付けのために、頂壁20の前部に設けられたねじ止め座61、背壁17の上部に設けられたねじ止め座62、第1側壁33に設けられたねじ止め座63、及び第1側壁33に設けられたねじ止め座64を備える。
【0055】
本実施形態では、ねじ止め部51,52とねじ止め座61,62は、いずれも2個のねじ孔を備える。また、本実施形態では、ねじ止め部53,54とねじ止め座63,64は、いずれも4個のねじ孔を備える。
【0056】
図1から
図6を参照すると、排気ダクト4を筐体本体3に対して後方排気の姿勢で取り付ける場合には、排気ダクト4のねじ止め部52と筐体本体3のねじ止め座61とが一対のL状金具65とねじ71により連結され、排気ダクト4のねじ止め部51と筐体本体3のねじ止め座62とが一対の短い板状の金具66とねじ71により連結される。また、排気ダクト4のねじ止め部53と筐体本体3のねじ止め座63とが長尺な板状の金具67とねじ71により連結され、排気ダクト4のねじ止め部54と筐体本体3のねじ止め座64とが長尺な板状の金具67とねじ71により連結される。
【0057】
ねじ止め部51,52のねじ孔の寸法とピッチは同一に設定され、ねじ止め座61,62のねじ孔の寸法とピッチは同一に設定されている。また、ねじ止め部53,54のねじ孔の寸法とピッチは同一に設定され、ねじ止め座63,64のねじ孔の寸法とピッチは同一に設定されている。そのため、
図14及び
図15に示すように、排気ダクト4を筐体本体3に対して前方排気の姿勢で取り付ける場合にも、同じ金具65~67とねじ71を使用できる。具体的には、排気ダクト4を筐体本体3に対して前方排気の姿勢で取り付ける場合、排気ダクト4のねじ止め部51と筐体本体3のねじ止め座61とが一対の金具65とねじ71により連結され、排気ダクト4のねじ止め部52と筐体本体3のねじ止め座62とが一対の金具66とねじ71により連結される。また、排気ダクト4のねじ止め部54と筐体本体3のねじ止め座63とが金具67とねじ71により連結され、排気ダクト4のねじ止め部53と筐体本体3のねじ止め座64とが金具67とねじ71により連結される。
【0058】
本実施形態の圧縮機収容用筐体1の特徴は以下を含む。
【0059】
筐体本体3から外部への排気のための排気口43は排気ダクト4の第1前後壁31にのみ設けられ、筐体本体3への吸気口25,26,27は筐体本体3の左側及び右側側部18,19にのみ設けられている。そのため、複数台設置時に隣接して設置された圧縮機収容用筐体1間での排気の吸込をなくすことができる。
【0060】
筐体本体3から外部への排気のための排気口43は排気ダクト4の第1前後壁31にのみ設けられているので、排気により発生する騒音に指向性を持たせることができる。
【0061】
排気ダクト4の傾斜頂面44aは下向きの傾斜を有するので、排気ダクト4の頂部に雨水や雪が堆積するのを防止ないし抑制できる。傾斜頂面44aの傾斜は、雨水や雪の堆積するのを防止ないし抑制を確実にするために、例えば20度に設定される。
【0062】
排気ダクト4の第1前後面31の高さH1は、第2前後面32の高さH2よりも高く、第1前後面31の面積は第2前後面32の面積よりも大きい。排気口43は排気ダクト4にのみ設けられているが、面積の大きい第1前後面31に排気口を設けることにより、排気口の面積を大きく設定でき、排気効率を確保できる。
【0063】
排気口43が設けられた第1前後面31から対向する第2前後面32に向かって下向きに傾斜する傾斜上端面44bを排気ダクト4の内部に設けることで、排気口43に向かう排気の流れを促進することができ、排気効率を高めることができる。
【0064】
排気ダクト4の傾斜上端面44bに取り付けられた吸音材50により排気による、騒音のエネルギーを排気ダクト4内で減衰させ、外部への騒音を低減できる。
【0065】
傾斜頂面44a上の雨水は下向きの傾斜により流れて雨樋49に捕捉されるので、筐体本体3への雨水の流入や、雨樋49の下方で圧縮機収容用筐体1の傍にいる人(例えば、後方排気時に雨樋49側、つまり前面側にある操作パネル24を操作している人)への雨水の落下を、防止ないし抑制できる。
【0066】
排気ダクト4は、後方排気の姿勢(
図1及び
図2)と前方排気の姿勢(
図14及び
図15)の両方で、筐体本体3に対して取り付け可能である。そのため、圧縮機収容用筐体1の設置場所に応じて排気口43の向きを前方又は後方に変更できる。
【0067】
仕切板48は、排気ダクト4が後方排気の姿勢で筐体本体3に取り付けられる場合には梁41に取り付けられ、排気ダクト4が前方排気の姿勢で筐体本体3に取り付けられる場合には梁42に取り付けられる。そのため、排気ダクト4が後方排気姿勢と前方排気姿勢であるのかに応じて、排気口43を仕切ることができる。具体的には、排気ダクト4が後方排気姿勢と前方排気姿勢のいずれの場合にも、筐体本体3内の圧縮機本体3が位置している空間21が、排気ダクト4内の相対的に容積の大きい空間46と連通し、筐体本体3うちのドライヤが位置している空間22が、排気ダクト4内の相対的に容積の小さい空間47と連通する。
【0068】
排気ダクト4は、後方排気の姿勢(
図1及び
図2)と前方排気の姿勢(
図14及び
図15)のいずれにおいても、平面視での外形輪郭が、筐体本体3の外形輪郭内に収まり、排気ダクト4の外形輪郭は、筐体本体3の外形輪郭から突出してない。そのため、圧縮機収容用筐体1に近づいて人が排気ダクト4と接触ないし干渉するのを防止ないし抑制できる。
【0069】
以下、本実施形態の代案について説明する。
【0070】
排気ダクト4は筐体本体3に対して、ねじと金具以外の手段、例えば、ハンドル、内掛、バーラッチ、落し棒等で取り付けられてもよい。
【0071】
図16を参照すると、本実施形態では、排気ダクト4の頂壁44の上面が傾斜頂面44aを構成し、同じ頂壁44の下面が傾斜上端面44bを構成している。しかし、
図17に示すように、排気ダクト4は頂壁44の下方に追加の壁81を備えていてもよい。この場合、頂壁44の上面が傾斜頂面44aを構成し、追加の壁81の下面が傾斜を有しない上端面81aを構成する。また、
図18に示すように、排気ダクト4は頂壁44の上方に追加の壁82を備えてもよい。この場合、追加の壁82の上面が傾斜を有しない頂面82aを構成し、頂壁44の下面が傾斜上端面44bを構成する。
【符号の説明】
【0072】
1 圧縮機収容用筐体
2 圧縮機ユニット
3 筐体本体
4 排気ダクト
11 基部
12 フレーム
13 支柱
14 軒桁
15 梁
16 前壁
17 背壁
18 左側壁
19 右側壁
20 頂壁
21 空間(圧縮機本体)
22 空間(ドライヤ)
24 操作パネル
25,26,27 吸気口
28,29 排気口
30 ルーバー部材
31 第1前後壁
32 第2前後壁
33 第1側壁(第1左右壁)
34 第2側壁(第2左右壁)
35 フレーム
36 サブフレーム
37,38,39 板材
40 開口
41,42 梁
43 排気口
44 頂壁
44a 傾斜頂面
44b 傾斜上端面
45A,45B,45C パネル
46,47 空間
48 仕切板
49 雨樋(樋構造)
50 吸音材
51,52,53,54 ねじ止め部(ねじ止め構造)
61,62,63,64 ねじ止め座(ねじ止め構造)
65,66,67 金具
71 ねじ
81 壁
81a 傾斜を有しない上端面
82 壁
82a 傾斜を有しない頂面