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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068104
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】装置先端部
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
A61B1/018 514
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045233
(22)【出願日】2023-03-22
(62)【分割の表示】P 2019547150の分割
【原出願日】2018-03-01
(31)【優先権主張番号】62/466,657
(32)【優先日】2017-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】キャラブリーズ、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウッド、マーク ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ヒューズ、グレゴリー トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ガフニー、ブライアン
(57)【要約】
【課題】内視鏡器具を位置決めする為の内視鏡先端部を提供する。
【解決手段】本発明の一態様において、装置は、遠位端を有するシャフトと、シャフトの遠位端に先端部とを有する。先端部は、先端部の表面に形成された開口部を備える。シャフト内を通って挿入された器具は、開口部の外部に遠位方向に延びる。装置は、器具に係合するために昇降部をさらに備える。昇降部は、先端部の表面に対して固定された近位端と、近位端から遠位方向に延びる近位部と、近位部から遠位方向に延びる遠位部とを備える。昇降部に付与された力は、近位部を湾曲させ、遠位部を湾曲させることなく遠位部を偏倚させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端を有するシャフトと、
前記シャフトの遠位端に配置された先端部と、
を備える装置において、前記先端部は、
前記先端部の表面に沿って配置された第1のチャンネルと、
前記先端部の前記表面に形成された開口部と、前記シャフトの中を貫通して挿入された器具が前記開口部の外部に遠位方向に延びることと、
前記器具に係合する昇降部と、を含んでおり、前記昇降部は、
前記先端部の前記表面に固定された近位端と、
前記近位端から遠位方向に延びる近位部と、
前記近位部から遠位方向に延びて、対向する両側壁の間に画定された幅を有する遠位部と、
前記遠位部の対向する両側壁のうちの少なくとも一方に沿って配置された第2のチャンネルと、
前記遠位部の前記幅を貫通して延びる通路と、を含んでおり、
前記昇降部が下降姿勢にあるとき、制御ワイヤは、前記第1のチャンネル、前記第2のチャンネル、および前記通路の内部に受け入れられており、前記昇降部に付与された力は、前記近位部を湾曲させて、前記遠位部を湾曲させることなく前記遠位部を上昇姿勢に偏倚させ、前記昇降部が前記上昇姿勢に移動するとき、前記制御ワイヤは、前記第2のチャンネルおよび前記通路の内部に保持された状態で、前記第1のチャンネルに沿って摺動する、装置。
【請求項2】
前記遠位部は、前記近位部よりも大きな断面積を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遠位部は、前-後方向に沿って前記近位部よりも厚く、前記前-後方向は、近位-遠位方向に直交する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記先端部は、単一材料から構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記昇降部は、単一材料から構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記昇降部の外面と前記先端部の前記表面とは、連続した表面の一部である、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記昇降部の遠位部の外面は、前記昇降部の近位部の外面に連続する、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記近位部は、前記昇降部が前記下降姿勢にあるとき、直線状の静止時形態を有し、前記昇降部が前記上昇姿勢にあるとき、湾曲時形態を有し、前記近位部は、前記近位部が前記静止時形態から前記湾曲時形態に移行した時に、前記遠位部を前方向と近位方向とにアーチ状の経路に沿って移動する、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
遠位端を有するシャフトと、
前記シャフトの遠位端に配置された先端部と、を備える装置において、前記先端部は、
器具開口部と、前記シャフトの中を貫通して挿入された器具が前記器具開口部の外部に遠位方向に延びることと、
前記先端部の対向する両面に配置された一対の第1のチャンネルと、
前記器具が前記器具開口部の外部に遠位方向に延びた時に前記器具に係合する昇降部と、前記昇降部が一対の第2のチャンネルと、前記昇降部の内部を貫通して延び且つ前記一対の第2のチャンネルの間に配置される通路とを備えることと、
前記昇降部に連結された制御ワイヤと、前記制御ワイヤに付与された近位方向に引く力が前記昇降部を偏倚することと、
第1の制御ワイヤ開口部と、第2の制御ワイヤ開口部と、前記制御ワイヤの第1の部分が前記第1の制御ワイヤ開口部から前記一対の第1のチャンネルのうちの一方、前記一対の第2のチャンネルのうちの一方、および前記通路まで延びることと、前記制御ワイヤの第2の部分が前記第2の制御ワイヤ開口部から前記一対の第1のチャンネルのうちの他方、前記第2のチャンネルのうちの他方、および前記通路まで延びることと、前記制御ワイヤの第3の部分が前記通路の中を貫通して延びて前記制御ワイヤの第1の部分を前記制御ワイヤの第2の部分に連結することと、を備えており、
前記制御ワイヤの第1の部分は、前記昇降部が下降姿勢にあるとき、前記一対の第1のチャンネルのうちの一方、前記一対の第2のチャンネルのうちの一方、および前記通路の内部に受け入れられており、前記昇降部が上昇姿勢に移動するとき、前記制御ワイヤの第1の部分は、前記一対の第2のチャンネルのうちの一方および前記通路の内部に保持された状態で、前記一対の第1のチャンネルの一方に沿って摺動する、装置。
【請求項10】
前記シャフトの近位端にハンドルをさらに備え、前記ハンドルは、前記制御ワイヤに近位方向に力を及ぼす為の駆動機構を備え、前記駆動機構は、前記制御ワイヤの第1の部分と前記制御ワイヤの第2の部分とに動作可能に接続されて、前記制御ワイヤの第1の部分と第2の部分とに対して近位方向の引く力を同時に及ぼす、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記昇降部は、対向する側面を備え、前記側面の少なくとも一方は、前記制御ワイヤの少なくとも第2の部分を受承する前記一対の第2のチャンネルのうちの少なくとも一方を備える、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記通路内の少なくとも1つの開口部は、前記一対の第2のチャンネルの各チャンネル内にある、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記先端部は、前記昇降部の対向する側部に側壁を備える、請求項9~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
各側壁の少なくとも一方は、前記制御ワイヤの少なくとも第1の部分を受承する前記一対の第1のチャンネルのうちの少なくとも一方を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記先端部は、単一部材であって、単体のポリマー性の構成要素である、請求項9~14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置用先端部に関する。より詳細には、本発明は、内視鏡器具を位置決めする為の内視鏡先端部に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)は、膵胆管疾患を患う患者を治療するための技術である。いくつかの場合には、ERCPは、側視内視鏡を用いて実施される。側視内視鏡の先端部は、側視光学系と、光学レンズ洗浄系と、側視用光源と、側出ワーキングチャンネルと、側出ワーキングチャンネルの外部に延びる器具を持ち上げる為の昇降センブリとを備える。上記特徴により、診断や治療の為の器具を用いて、患者の乳頭にカニューレ挿管して患者の膵臓の標的部位にアクセスする際に、装置使用者を支援することができる。しかしながら、昇降センブリは複数の構成要素を含む複雑な構成を有する為に、製造や維持(例えば、洗浄や修理)に費用がかかっている。昇降センブリの複雑な構成を改善することにより、内視鏡の使用に伴う全体的な費用を抑えられる可能性がある。また、全体的な費用が一定の金額に収まれば、使用する内視鏡を使い捨てとすることが可能になり得る。内視鏡を廃棄する前に一度だけ使用することにより、内視鏡を維持することに伴う費用や時間を削減することができ、内視鏡の不適切な洗浄による感染に患者をさらすリスクを排除して予後を改善できる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、特に装置用先端部に関する。本明細書で説明する態様はそれぞれ、開示されている別の任意の態様に関連して説明されている1つ以上の要素を備えることができる。
本発明の一態様において、装置は、遠位端を有するシャフトと、シャフトの遠位端における先端部と、を備える。先端部は、先端部の表面に形成された開口部を備える。シャフトの中を貫通して挿入された器具は、開口部の外部に遠位方向に延びる。装置は、器具に係合する昇降部も備える。昇降部は、先端部の表面に固定されている近位端と、近位端から遠位方向に延びる近位部と、近位部から遠位方向に延びる遠位部とを備える。昇降部に付与される力によって、近位部は湾曲し、遠位部を湾曲させることなく遠位部を偏倚することができる。
【0004】
本発明の別の態様では、装置は、1つ以上の下記の要素を備える。遠位部は、近位部よりも大きな断面積を有する。遠位部は、前-後方向に近位部よりも厚みを有し、前-後方向は、近位-遠位方向に直交する方向である。先端部は、単一材料から構成され得る。昇降部は、単一材料から構成され得る。昇降部の外面と、先端部の表面とは、連続した面の一部である。昇降部の遠位部の外面は、昇降部の近位部の外面に連続する。近位部は、ほぼ直線状の静止時形態と湾曲時形態とを有する。近位部が静止時形態から湾曲時形態に移行すると、近位部は、前方向と近位方向にアーチ状の経路に沿って遠位部を移動させる。
【0005】
本発明の別の態様において、装置は、遠位端を有するシャフトを備える。装置は、シャフトの遠位端に先端部を備える。先端部は、器具開口部を備える。シャフトの中を貫通して挿入された器具は、器具開口部から外部に遠位方向に延びる。先端部は、器具が器具開口部の外部に遠位方向に延びた時に器具に係合する昇降部を備える。昇降部は、内部を貫通して延びる通路を備える。装置は、昇降部に連結された制御ワイヤを備える。制御ワイヤに加えられた近位方向に引く力により、昇降部は偏倚される。装置は、第1の制御ワイヤ開口部と第2の制御ワイヤ開口部とを備える。制御ワイヤの第1の部分は、第1の制御ワイヤ開口部から通路まで延びる。制御ワイヤの第2の部分は、第2の制御ワイヤ開口部から通路まで延びる。制御ワイヤの第3の部分は、通路を貫通して延びて制御ワイヤの第1の部分を制御ワイヤの第2の部分に連結する。
【0006】
本発明の別の態様において、装置は、以下の1つ以上の特徴を備える。シャフトの近位端のハンドルである。ハンドルは、制御ワイヤに近位方向に引く力を付与する駆動機構を備える。駆動機構は、制御ワイヤの第1の部分と制御ワイヤの第2の部分に動作可能に接続されて、制御ワイヤの第1の部分と第2の部分とに対して同時に近位方向に引く力を付与し得る。昇降部は、対向する側面を備える。側面の少なくとも一方は、制御ワイヤの少なくとも一部を受承するチャンネルを備える。通路内の開口は、チャンネル内にある。先端部は、昇降部の対向する側面に側壁を備える。側壁の少なくとも一方は、制御ワイヤの少なくとも一部を受承するチャンネルを備える。先端部は、一部材であって、単体のポリマー性の構成要素である。
【0007】
本発明の別の態様では、装置は、遠位端を有するシャフトを備える。装置は、シャフトの遠位端に先端部も備える。先端部は、昇降部を備える。シャフトの中を貫通して挿入された器具は、遠位方向に延びて昇降部に係合する。装置は、駆動装置を備え、昇降部を偏倚し得る。昇降部は、シャフトに対して固定された近位端を有する近位部を備える。昇降部は、近位部から遠位方向に延びる遠位部も備える。近位部は、遠位部よりも小さな断面積を有する為、昇降部に付与された力は、近位部を湾曲して遠位部を偏倚し得る。昇降部は、単一の、材料が連続している部材で形成される。
【0008】
本発明の別の態様では、装置は、1つ以上の以下の要素を備える。単一の、材料が連続している部材は、射出成形されたポリマーからなる一続きの部材である。近位部は、1つ以上の凹部を備える為、近位部は、1つ以上の薄い部分と1つ以上の厚い部分とを有し、1つ以上の薄い部分に沿って近位部分を湾曲し易くし得る。先端部は、単一であって、材料が連続している部材に連結された少なくとも1つの部分を備える。少なくとも1つの部分は、単一であって、材料が連続している部材よりもより堅固な材料で形成され得る。駆動装置は、昇降部に連結された制御ワイヤを備える。
【0009】
上記一般的な説明と以下の詳細な説明は、例示であるとともに単なる説明であって、請求項に係る発明を制限するものではないことに留意されたい。
添付の図面は、この明細書の一部に取り込まれてその一部をなし、詳細な説明と共に本発明の態様を例示して本発明の本質を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の態様に係る内視鏡を示す図。
図2】本発明の態様に係る図1の内視鏡の先端部を示す斜視図。
図3】本発明の態様に係る図1の内視鏡の先端部を示す正面図。
図4】本発明の態様に係る図1の内視鏡の先端部を第1の形態で示す側面図。
図5】本発明の態様に係る図1の内視鏡の先端部を第2の形態で示す側面図。
図6】本発明の態様に係る代替的な内視鏡の先端部を示す正面図。
図7A】本発明の態様に係る内視鏡の先端部のリビングヒンジを示す正面図。
図7B】本発明の態様に係る内視鏡の先端部のリビングヒンジを示す側面図。
図8A】本発明の態様に係る昇降部を示す上面図。
図8B】本発明の態様に係る昇降部を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、装置用先端部に関し、より具体的には、内視鏡用器具を位置決めする為の内視鏡先端部に関する。以下に本発明の態様について詳細に説明し、添付の図面に実施例を示す。可能な限り、同一または類似の部品を説明する際には、複数の図面において同一の参照番号を使用する。「遠位」という用語は、器具を患者の体内に導入する時に装置使用者から最も遠く離れた部分を指す。これに対して、「近位」という用語は、患者の体内に器具を配置する際に、装置使用者に最も近い部分を指す。「前」および「後」の用語は、近位方向および遠位方向に直交して延びる方向や領域を指す。以下の説明は、「内視鏡」または「内視鏡観察」についてのものであるが、本明細書の本質または態様は、導入シースまたは装置が、「内視鏡」に一般に関係する1つ以上の特徴を備えない場合であっても、任意の好適な導入シースまたは装置と共に使用することができる。以下の一般的な説明及び詳細な説明は、例示であるとともに単なる説明であって、請求項に記載の特徴を限定するものではない。加えて、本明細書に使用するように、「comprises(からなる)」「comprising(を含む)」、またはその異形語は、一連の要素からなる工程、方法、部材、または装置が、必ずしもそのような要素だけを含むのではなく、明記されていない別の要素、またはそのような工程、方法、部材、または装置に本質的な別の要素も含むことができるように、非排他的な包含をカバーすることを意図している。また、「例示的」という用語は、「最良」よりもむしろ「例」の意味で使用する。
【0012】
図1は、器具102を配置する為の装置100を示す。装置100は、十二指腸鏡などの任意の種類の内視鏡であってよい。器具102には、例えば、ガイドワイヤ、カッティングまたは把持鉗子、生検装置、スネアループ、注入針、切開刃、はさみ、格納可能なバスケット、回収装置、アブレーションや電気生理学カテーテル、ステント配置装置、外科用ステープル装置、バルーンカテーテル、レーザー照射装置などの好適な器具が含まれる。一例では、装置100は、ERCP術中に患者の乳頭をカニューレ挿管して、その内部に器具102を配置し易くする。
【0013】
装置100は、シャフト104を備える。シャフト104には、患者の体内の標的部位まで患者の蛇行する生体構造の中や内部を貫通して挿入するとともに、曲げたり回転したりねじることができるように十分な可撓性を備える管106が含まれる。シャフト104は、同シャフト内を貫通して延びる1つ以上の管腔(図示略)を備える。管腔には、例えば、1つ以上の制御ワイヤを受承する為の制御ワイヤ管腔や、器具102を受承する為のワーキング管腔や、流体を搬送する為の流体管腔や、照明アセンブリ(図示略)の少なくとも一部を受承する為の照明管腔や、イメージングアセンブリ(図示略)の少なくとも一部を受承する為のイメージングアセンブリが含まれる。
【0014】
装置100は、シャフト104の遠位端に先端部108も備える。先端部108は、シャフト104の遠位端に取り付けられる。例えば、先端部108は、シャフト104の遠位端を受承するように構成されたキャップである。先端部108は、シャフト104の管腔に連通する1つ以上の開口部を備え得る。例えば、先端部108は、1つ以上の制御ワイヤがシャフト104の制御ワイヤ管腔を出る際において貫通する制御ワイヤ開口部110,112や、器具102がシャフト104のワーキング管腔を出る際において貫通するワーキング開口部114や、流体がシャフト104の流体管腔を出る際において貫通する流体開口部すなわち流体ノズル116や、光が放射される際において貫通する照明開口部すなわち照明ウインドウ118や、画像を形成するためにイメージング装置によって使用される光を受承するイメージング開口部すなわちイメージングウインドウ120を備え得る。図1には示していないが、照明開口部118は、シャフト104の照明管腔の中を貫通して延びるケーブルまたはワイヤに接続された光放出部(例えば、光放出ダイオードなど)を備え、イメージング開口部120は、シャフト104のイメージング管腔の中を貫通して延びるケーブルまたはワイヤに接続された撮像装置(例えば、CCD撮像素子や、相補型金属酸化膜イメージ半導体など)などを備え得る。
【0015】
制御ワイヤ開口部110,112は、先端部108の遠位に対面する面124にある。ワーキング開口部114は、先端部108の遠位に対面する面126にある。遠位に対面する面126は、遠位に対面する面124から近位方向に後退した位置にある。照明開口部118とイメージング開口部120とは、前方に対面する面128にある。流体開口部116は、遠位に対面する面124にあり、例えば体液やデブリを流し去る為に、照明開口部118やイメージング開口部120を横断して洗浄液を流すために、照明開口部118とイメージング開口部120に向かって開口している。
【0016】
ワーキング開口部114は、先端部108の腔所130の中に開口する。腔所130は、昇降部140の遠位に対面する面126と、側方に対面する側壁132,134と、後方に対面する面136と、前方に対面する面138とで形成される。器具102は、ワーキング開口部114の外部に出て腔所130の中に遠位方向に延び、昇降部140の前方に面する面138に係合するように配置される。昇降部140の前方に面する面138は、例えば、内部に形成された凹部168(例えば、スロット、溝、腔所など)を備える。凹部168は、器具102の少なくとも一部を受承して、器具102に保持力または把持力を及ぼすことができる。
【0017】
昇降部140は、片持ち状に形成され、遠位に対面する面126に固定された近位端142と、自由遠位端144とを有する。昇降部140は、近位部146と遠位部148とを備える。近位部146は、近位部146を曲がりやすくする為に遠位部148よりも薄い。これは、その厚みのために、遠位部148が近位部146よりも堅いためである。いくつかの例では、近位部146は湾曲するが、遠位部148は湾曲しない状態で維持される。
【0018】
近位部146は、前後方向に沿って曲がりやすくする為に、長方形の断面形状を有しうる。追加的にまたは代替的に、近位部146の長さ(近位-遠位方向に沿って)は、近位部146の幅(近位-遠位方向に直交して横方向に沿って)より大きく、近位部146の幅は、近位部146の高さ/厚み(前-後方向に沿って)よりも大きい。追加的にまたは代替的に、近位部146は、遠位に対面する面126から遠位部148の近位端までずっとほぼ一定の厚みを有するが、遠位部の近位端において、昇降部140は厚みが急に大きくなってもよい。前方に対面する面138は、前方に対面する面138と器具102との間の係合を促進する為に近位部146に対して角度を有する(例えば、傾斜している)。追加的にまたは代替的に、近位部146の後方に対面する面と近位部146の前方に対面する面の1つ以上は、側方に面する側壁132,134の1つ以上に対してほぼ平面的であるか、ほぼ直交する。
【0019】
近位部146は、昇降部140の遠位部148が先端部108のそれ以外の部分に対して移動可能にするリビングヒンジとして機能する。近位部146が湾曲すると、遠位部148は、近位-遠位方向と前-後方向において一定の距離をカバーするアーチ状の経路に沿って移動する。いくつかの例では、昇降部140は、先端部108のそれ以外の部分と一体である。例えば、図2に示すように、先端部108は、単一であって、単体の、射出成形された構成要素である。先端部108は、ポリエチレンや、ポリプロピレンや、その他の好適なポリマーなどのポリマー材料で形成されてよい。同一材料スループットからなる単一部材として先端部108を形成するために、先端部材108は、その他の好適な工程や好適な材料で形成されてよい。
【0020】
遠位部148は、通路150の為の部位を設ける為に、近位部146よりも厚くてよい。遠位部148の厚みは、遠位部148が曲がらないことを保障するために、昇降部140の湾曲は、近位部146に限定される。通路150は、昇降部140の対向する側方に対面する面152,154の間に延びる貫通孔であり得る。通路150は、制御ワイヤ122を受承する。例えば、制御ワイヤ122の第1の部分156は、制御ワイヤ開口部110から側方に対面する面152と通路150まで遠位方向に延びる(図3参照)。制御ワイヤ122の第2の部分158は、制御ワイヤ開口部112から側方に面する面154と通路150まで遠位方向に延びる。制御ワイヤ122の第3の部分(図示略)は、通路150を貫通して延びる。制御ワイヤ122の第1の部分156と、第2の部分158と、第3の部分とは、制御ワイヤ122のU字形状領域を形成する。
【0021】
チャンネル160,162,164,166は、制御ワイヤ122の一部を受承する為に、側壁132と、側方に対面する面152と、側方に対面する面154と、側壁134とに設けられる。制御ワイヤ122の受承される部分は、制御ワイヤ122が制御ワイヤの開口部110,112の中に格納されたり外部に延ばされたりすると、チャンネル160,166に沿って摺動する。図に示す例では、通路150は、チャンネル162,164に開口する。制御ワイヤ122は、後方向に昇降部140を偏倚して側壁132,134の背後から通路150を露出すること、制御ワイヤ122を通路150の中を貫通して挿入すること、制御ワイヤ122をチャンネル160,162,164,166に位置合わせすること、制御ワイヤ122を制御ワイヤ開口部110,112の中に挿入することによって、通路150の中を貫通して張られる。
【0022】
制御ワイヤ122の第1の部分156と第2の部分158の一方または双方を引くことによって、使用者は、制御ワイヤ122を制御ワイヤ開口部110,112の中に後退し得る。この後退により、昇降部140の近位部146は、昇降部140の遠位部148が遠位に対面する面124に向かって引っ張られるにつれて湾曲される。図3,4は、昇降部140が静止状態にある時の先端部108を示し、図5は、制御ワイヤ122によって昇降部140の遠位部148に力が付与されて、昇降部140の近位部146が湾曲されている時の先端部108を示す。昇降部140の両側の第1の部分156と第2の部分158の双方を引くと、昇降部140は、ほとんどまたは全くねじれたりトルクがかかったりすることなく遠位に対面する面124に向かって確実に引っ張られて、器具102は、確実に所望する部位に配置される。
【0023】
器具102は、遠位部148が遠位に対面する面124に向かって引かれるにつれて遠位部148の凹部168に保持され得る。遠位部148が偏倚されると、遠位部148は、器具102を偏倚し、器具102の位置を調節する。器具102は、遠位部148によって偏倚される前や、偏倚されている間や、偏倚された後において、シャフト104のワーキング管腔やワーキング開口部114の外に延びたり、中に後退されたり、回転(ねじれ)される。制御ワイヤ122を引っ張り続けると、遠位部148は、遠位に対面する面124上の突出部170に対して器具102を動かないようにし得る。これにより、器具102を先端部108に対してその場にロックし得る。ロックされると、器具102は、延びること、後退すること、回転することが妨げられ、またはこれらの作用が不能になる。一例では、突出部170は、突出部170と遠位部148との間に器具102を保持したり、ロックしたりし易くする為に、凹部168の形状に相補的な形状を有する。例えば、突出部170は、くさび形状を有する。使用者が、制御ワイヤ122を引くのを止めたり遠位方向に延ばしたりすると、近位部146は、非湾曲形状に本質的に移行しようとする為、遠位部148は、遠位に対面する面124から離間する方向であって図2~4に示す姿勢の方に向かって戻る。これにより、器具102は、ロック解除される。
【0024】
装置100は、シャフト104の近位端に連結されたハンドル172を備える。ハンドル172は、シャフト104の管腔と連通する1つ以上の管腔(図示略)を備え得る。ハンドル172は、ハンドル172の1つ以上の管腔の中に開口する1つ以上のポートも備え得る。例えば、器具102は、シャフト104のワーキング管腔の前にポート174に挿入される。一例では、ハンドル172は、ケーブル176を備える。ケーブル176は、1つ以上の外部システム(図示略)を装置100に接続する。ケーブル176は、例えば、ハンドル172を流体サプライや、照明源や、イメージング処理装置や、ディスプレイ等に接続し得る。
【0025】
ハンドル172も、駆動機構178を備え得る。駆動機構178は、シャフト104の偏倚や、流体の搬送や、照明の照射や、撮像機能のうちの少なくとも1つを制御する為に、1つ以上のノブや、ボタンや、レバーや、スイッチや、その他の好適な駆動装置を備える。一例では、駆動機構178は、制御ワイヤ開口部110,112からハンドル172の中に近位方向に延びる制御ワイヤ122の近位部に動作可能に接続され得る。装置使用者は、駆動機構178を操作して、昇降部140の位置を調節するために、制御ワイヤ122に引く力と押す力のうちの少なくともいずれか一方を選択的に及ぼして器具102の位置を調節し得る。
【0026】
図6は、先端部108’の別の実施形態を示す。先端部108’は、先端部108’が、別々の構成要素で形成されて結合部109’で共に接続されていること以外は、先端部108に類似する。一例では、結合部109’の第1の側の先端部108’は、単一の、単体の構成要素であるが、結合部109’の第2の側の先端部108’は、別の単一の、単体の構成要素である。構成要素を別々に形成した後、連結することによって、一の材料を一方の構成要素に使用して、別の材料(異なる性質を備える)を他方の構成要素に使用することができる。例えば、昇降部が湾曲し易くする為に、接続部109’の左側の構成要素は、接続部109’の右側の構成要素の形成に使用される材料よりもより可撓性が高い材料で形成し得る。
【0027】
図6に示す例では、結合部109’の左側の構成要素は、先端部108におけるものと同様に、昇降部や、ワーキング開口部や、制御ワイヤ開口部や、遠位に対面する面や、側方に対面する側壁や、後方に対面する面を備える。接続部109’の右側の構成要素は、先端部108におけるものと同様に、流体開口部や、側方に対面する側壁や、前方に対面する面や、イメージング開口部や、照明用開口部を備える。しかしながら、結合部109’は、任意の他の好適な方法で先端部108’を分離することができると理解されたい。結合部109’は、先端部108’を横断する直線に沿っていてもよいし、先端部108’を横断する際に1つ以上の湾曲部や角部を備えていてもよいと考えられる。結合部109’は、先端部108’を複数の構成要素に分断し得ると考えられる。
【0028】
図7A,7Bは、昇降部の近位部の別の実施形態146’を示す。近位部146’は、近位部146’の湾曲を正確に調節するために、近位部146’上に1つ以上の要素を備え得る。一例では、近位部146’は、近位部146’のより薄い部分を形成することによって、切り取りまたは凹部147’(例えば、切り欠き、溝、スロット、孔など)を備え、湾曲し易くし得る。追加的にまたは代替的に、近位部146’は、近位部146’の厚みのある部分を形成することによって、突出(例えば、隆起、スパインなど)(図示略)を備え、湾曲を制限する。切り取りや凹部や突出は、近位部146’の後方に対面する面や、近位部146’の前方に対面する面や、近位部146’の1つ以上の側方に対面する面にあってもよい。
【0029】
図8A,8Bは、複数の凹部168’,169’を備える昇降部140’の別の実施形態を示す。凹部168’,169’は、異なる性質を有し得る。例えば、凹部168’,169’のうちの一方は、他方よりも幅が広かったり、深くかったり、長かったりしてもよい。凹部168’は、より大きな器具を保持する寸法にされ、凹部169’は、より小さな器具を保持する寸法にされ得る。
【0030】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、開示されたシステムや方法において様々な変更やバリエーションが可能であることが理解できる。また、当業者であれば、本明細書を考慮してこの明細書で説明した特徴の実施することにより、本開示の別の態様も理解できる。したがって、本明細書および実施例は、単なる例示である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
【手続補正書】
【提出日】2023-04-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
遠位側先端部であって、前記遠位側先端部は、
前記遠位側先端部の内側壁に設けられた第1のチャンネル、及び
第1姿勢と第2姿勢との間で移動するように構成された昇降部を含み、前記昇降部は、
前記昇降部の外側壁に設けられた第2のチャンネル、及び
前記昇降部の内部に設けられた第3のチャンネルを含む、
遠位側先端部と、
を備え、
前記第1のチャンネル、前記第2のチャンネル及び前記第3のチャンネルはそれぞれ、前記昇降部が前記第1姿勢に位置するとき、制御ワイヤの少なくとも一部を受け入れるように構成され、且つ前記昇降部が前記第2姿勢に移動するとき、前記制御ワイヤは前記第1のチャンネルから移動し、前記第2のチャンネル及び前記第3のチャンネル内に維持されるように構成されている、
装置。
【請求項2】
前記遠位側先端部は、前記シャフトの内に挿入された器具が前記遠位側先端部から出て遠位方向に延びるように、前記器具を受け入れる開口部を備え、
前記昇降部は、前記制御ワイヤが前記第1のチャンネルから移動して前記昇降部が前記第2姿勢に移動するとき、前記器具が前記遠位側先端部に対して偏倚するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記昇降部は、
前記内側壁に対して固定された近位部と、
前記近位部に対して移動可能であり、且つ前記内側壁と前記昇降部の対向する側壁との間に画定される幅を備える、遠位部と、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第3のチャンネルは、前記遠位部の前記幅よりも短い長手方向の長さを有しており、前記第3のチャンネルは、前記遠位部に囲まれている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記昇降部は、前記第1姿勢から前記第2姿勢へと移動するとき、前記近位部及び前記遠位部を湾曲させることなく、前記近位部及び遠位部の中間の部分で湾曲するように構成されている、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記昇降部は、前記外側壁において、且つ前記第2のチャンネル内に設けられた開口部を含み、前記開口部が前記外側壁から前記第3のチャンネルへの進入を可能にするように、前記第3のチャンネルは、前記開口部で前記第2のチャンネルに開口している、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記昇降部は、前記外側壁に対向する第2の外側壁に設けられた第2の開口部を含み、前記第2の開口部が前記第2の外側壁から前記第3のチャンネルへの進入を可能にするように、前記第3のチャンネルは、前記第2の開口部に開口している、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のチャンネル内に受け入れられた前記制御ワイヤは、前記開口部を通って前記第3のチャンネル内に延び、且つ前記第2の開口部で前記第3のチャンネルから出る、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
シャフトと、
遠位側先端部であって、前記遠位側先端部は、
前記遠位側先端部の内面に沿って延びる第1のチャンネル、及び
下降姿勢と上昇姿勢との間で移動するように構成された昇降部を含み、前記昇降部は、
前記昇降部の外面に沿って延びる第2のチャンネル、及び
前記昇降部を貫通して延びる第3のチャンネルを含む、
遠位側先端部と、
を備え、
前記昇降部が前記下降姿勢にあるとき、前記第1のチャンネルは制御ワイヤの第1の部分を受け入れ、前記第2のチャンネルは前記制御ワイヤの第2の部分を受け入れ、及び前記第3のチャンネルは前記制御ワイヤの第3の部分を受け入れるように構成されており、
前記昇降部が前記上昇姿勢にあるとき、前記第1のチャンネルは、前記制御ワイヤの前記第1の部分が前記第1のチャンネルの外に案内し、前記第2のチャンネルは、前記制御ワイヤの前記第2の部分を前記第2のチャンネル内に維持し、且つ前記第3のチャンネルは、前記制御ワイヤの第3の部分を前記第3のチャンネル内に維持するように構成されている、
装置。
【請求項10】
前記第1のチャンネルは、前記遠位側先端部の前記内面に開口し、前記第2のチャンネルは、前記昇降部の前記外面に開口し、及び前記第3のチャンネルは前記昇降部内に囲まれている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記昇降部は、前記制御ワイヤが前記シャフトに対して近位方向に移動することに応じて移動するように構成されており、前記シャフト内に挿入され且つ前記昇降部に受け入れられる器具は、前記昇降部が前記下降姿勢から前記上昇姿勢へと移動したとき、偏倚する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記遠位側先端部は、第1の開口部及び第2の開口部を含み、前記第1の開口部及び前記第2の開口部はそれぞれ、前記遠位側先端部の外面に設けられ、且つ前記第1の開口部のサイズは前記第2の開口部より大きい、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の開口部は、前記シャフトから前記器具を受け入れるように構成され、前記第2の開口部は、前記シャフトから前記制御ワイヤの前記第1の部分を受け入れるように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のチャンネルは、前記昇降部が前記下降姿勢から前記上昇姿勢へと移動したとき、前記制御ワイヤの前記第1の部分が前記第1のチャンネルから径方向外方に移動するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のチャンネルは、前記昇降部が前記上昇姿勢から前記下降姿勢に移動したとき、前記制御ワイヤの第1の部分が前記第1のチャンネルの中に径方向内方に移動するように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
シャフトと、
遠位側先端部と、を備え、前記シャフトは、前記遠位側先端部から遠位方向に外方に延びる制御ワイヤを受け入れるように構成され、前記遠位側先端部は、
前記遠位側先端部の対向する両内面に配置された第1のチャンネル、及び
前記遠位側先端部の前記対向する両内面の間に配置された昇降部であって、前記昇降部の対向する両外面に第2のチャンネルを有する、昇降部を含み、
前記第1のチャンネル及び前記第2のチャンネルは、前記昇降部が前記対向する両内面に対して偏倚していないとき、前記制御ワイヤを受け入れ、前記昇降部が前記両内面に対して偏倚するとき、前記第1のチャンネルは前記制御ワイヤを解放し、前記制御ワイヤは前記第1のチャンネルから移動し、且つ前記第2のチャンネル内に維持される、
装置。
【請求項17】
前記第1のチャンネルは、前記制御ワイヤが前記シャフトに対して近位方向に移動して前記昇降部を偏倚するとき、前記制御ワイヤが前記第1のチャンネルから退出するように構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のチャンネルは、前記遠位側先端部の前記対向する両内面に沿って半円形状を規定する弧長を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記第2のチャンネルは、前記昇降部の前記対向する両外面に沿って半円形状を規定する弧長を有する、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記遠位側先端部の前記対向する両内面は、前記遠位側先端部において前記シャフトの開口部を少なくとも部分的に画定するため、前記開口部は前記対向する両内面の間に位置し、
前記昇降部は、前記昇降部の前記対向する両外面が前記対向する両内面の間に配置されないように前記開口部から遠位方向に配置されている、請求項16に記載の装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、開示されたシステムや方法において様々な変更やバリエーションが可能であることが理解できる。また、当業者であれば、本明細書を考慮してこの明細書で説明した特徴の実施することにより、本開示の別の態様も理解できる。したがって、本明細書および実施例は、単なる例示である。
(付記1)
遠位端を有するシャフトと、
前記シャフトの遠位端に配置された先端部と、を備える装置において、前記先端部は、
前記先端部の表面に沿って配置された第1のチャンネルと、
前記先端部の前記表面に形成された開口部と、前記シャフトの中を貫通して挿入された器具が前記開口部の外部に遠位方向に延びることと、
前記器具に係合する昇降部と、を含んでおり、前記昇降部は、
前記先端部の前記表面に固定された近位端と、
前記近位端から遠位方向に延びる近位部と、
前記近位部から遠位方向に延びて、対向する両側壁の間に画定された幅を有する遠位部と、
前記遠位部の対向する両側壁のうちの少なくとも一方に沿って配置された第2のチャンネルと、
前記遠位部の前記幅を貫通して延びる通路と、を含んでおり、
前記昇降部が下降姿勢にあるとき、制御ワイヤは、前記第1のチャンネル、前記第2のチャンネル、および前記通路の内部に受け入れられており、前記昇降部に付与された力は、前記近位部を湾曲させて、前記遠位部を湾曲させることなく前記遠位部を上昇姿勢に偏倚させ、前記昇降部が前記上昇姿勢に移動するとき、前記制御ワイヤは、前記第2のチャンネルおよび前記通路の内部に保持された状態で、前記第1のチャンネルに沿って摺動する、装置。
(付記2)
前記遠位部は、前記近位部よりも大きな断面積を有する、付記1に記載の装置。
(付記3)
前記遠位部は、前-後方向に沿って前記近位部よりも厚く、前記前-後方向は、近位-遠位方向に直交する、付記1または2に記載の装置。
(付記4)
前記先端部は、単一材料から構成される、付記1~3のいずれか1つに記載の装置。
(付記5)
前記昇降部は、単一材料から構成される、付記1~4のいずれか1つに記載の装置。
(付記6)
前記昇降部の外面と前記先端部の前記表面とは、連続した表面の一部である、付記1~5のいずれか1つに記載の装置。
(付記7)
前記昇降部の遠位部の外面は、前記昇降部の近位部の外面に連続する、付記1~6のいずれか1つに記載の装置。
(付記8)
前記近位部は、前記昇降部が前記下降姿勢にあるとき、直線状の静止時形態を有し、前記昇降部が前記上昇姿勢にあるとき、湾曲時形態を有し、前記近位部は、前記近位部が前記静止時形態から前記湾曲時形態に移行した時に、前記遠位部を前方向と近位方向とにアーチ状の経路に沿って移動する、付記1~7のいずれか1つに記載の装置。
(付記9)
遠位端を有するシャフトと、
前記シャフトの遠位端に配置された先端部と、を備える装置において、前記先端部は、
器具開口部と、前記シャフトの中を貫通して挿入された器具が前記器具開口部の外部に遠位方向に延びることと、
前記先端部の対向する両面に配置された一対の第1のチャンネルと、
前記器具が前記器具開口部の外部に遠位方向に延びた時に前記器具に係合する昇降部と、前記昇降部が一対の第2のチャンネルと、前記昇降部の内部を貫通して延び且つ前記一対の第2のチャンネルの間に配置される通路とを備えることと、
前記昇降部に連結された制御ワイヤと、前記制御ワイヤに付与された近位方向に引く力が前記昇降部を偏倚することと、
第1の制御ワイヤ開口部と、第2の制御ワイヤ開口部と、前記制御ワイヤの第1の部分が前記第1の制御ワイヤ開口部から前記一対の第1のチャンネルのうちの一方、前記一対の第2のチャンネルのうちの一方、および前記通路まで延びることと、前記制御ワイヤの第2の部分が前記第2の制御ワイヤ開口部から前記一対の第1のチャンネルのうちの他方、前記第2のチャンネルのうちの他方、および前記通路まで延びることと、前記制御ワイヤの第3の部分が前記通路の中を貫通して延びて前記制御ワイヤの第1の部分を前記制御ワイヤの第2の部分に連結することと、を備えており、
前記制御ワイヤの第1の部分は、前記昇降部が下降姿勢にあるとき、前記一対の第1のチャンネルのうちの一方、前記一対の第2のチャンネルのうちの一方、および前記通路の内部に受け入れられており、前記昇降部が上昇姿勢に移動するとき、前記制御ワイヤの第1の部分は、前記一対の第2のチャンネルのうちの一方および前記通路の内部に保持された状態で、前記一対の第1のチャンネルの一方に沿って摺動する、装置。
(付記10)
前記シャフトの近位端にハンドルをさらに備え、前記ハンドルは、前記制御ワイヤに近位方向に力を及ぼす為の駆動機構を備え、前記駆動機構は、前記制御ワイヤの第1の部分と前記制御ワイヤの第2の部分とに動作可能に接続されて、前記制御ワイヤの第1の部分と第2の部分とに対して近位方向の引く力を同時に及ぼす、付記9に記載の装置。
(付記11)
前記昇降部は、対向する側面を備え、前記側面の少なくとも一方は、前記制御ワイヤの少なくとも第2の部分を受承する前記一対の第2のチャンネルのうちの少なくとも一方を備える、付記9または10に記載の装置。
(付記12)
前記通路内の少なくとも1つの開口部は、前記一対の第2のチャンネルの各チャンネル内にある、付記11に記載の装置。
(付記13)
前記先端部は、前記昇降部の対向する側部に側壁を備える、付記9~12のいずれか1つに記載の装置。
(付記14)
各側壁の少なくとも一方は、前記制御ワイヤの少なくとも第1の部分を受承する前記一対の第1のチャンネルのうちの少なくとも一方を備える、付記13に記載の装置。
(付記15)
前記先端部は、単一部材であって、単体のポリマー性の構成要素である、付記9~14のいずれか1つに記載の装置。