(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068106
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】非たばこ材料の複数の長軸方向に細長い要素を備えたロッドを有するエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
A24B 15/167 20200101AFI20230509BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20230509BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20230509BHJP
【FI】
A24B15/167
A24F40/42
A24F40/70
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023045280
(22)【出願日】2023-03-22
(62)【分割の表示】P 2020506932の分割
【原出願日】2018-08-08
(31)【優先権主張番号】17185602.4
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】リーヴェル トニー
(57)【要約】
【課題】加熱により吸入可能なエアロゾルを生成するためのエアロゾル発生物品(10)を提供する。
【解決手段】加熱式エアロゾル発生物品(10)は、エアロゾル発生基体(12)のロッドを含み、エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む、かつ少なくとも一つのエアロゾル形成体を放出するように適合された非たばこ材料の約20~約200本のストランド(30)を含み、各ストランド(30)は少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有する。複数のストランド(30)は、ストランドが長軸方向に延びるように組み立てられている。さらに、エアロゾル発生基体(12)は、複数のストランド(30)を囲むラッパー(32)を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを生成するための加熱式エアロゾル発生物品であって、前記加熱式エアロゾル発生物品がエアロゾル発生基体のロッドを備え、前記エアロゾル発生基体のロッドが、
少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む、かつ少なくとも一つのエアロゾル形成体を放出するように適合された非たばこ材料の約20~約200本のストランドであって、各ストランドが少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有し、前記ストランドが前記長軸方向に延びるように組み立てられているストランドと、
前記ストランドを囲むラッパーとを備える、加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記非たばこ材料が、その表面上に前記エアロゾル形成体を吸着するように、またはその構造内に前記エアロゾル形成体を吸着するように適合された、請求項1に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項3】
非たばこ材料の各ストランドが約1ミリメートル未満の等価直径を有する、請求項1または2に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項4】
非たばこ材料の各ストランドが前記エアロゾル発生基体のロッドの長さと実質的に等しい長さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項5】
非たばこ材料の前記複数のストランドが、前記エアロゾル発生基体内で互いに実質的に平行に整列している、請求項1~4のいずれか一項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項6】
前記ストランドが、実質的に正方形の横断断面、実質的に長方形の横断断面、または実質的に楕円形の横断断面である、請求項1~5のいずれか一項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記ストランドが、前記エアロゾル形成体で被覆されたまたは前記エアロゾル形成体に浸された耐熱材料を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項8】
エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体として使用するためのロッドを作製する方法であって、前記方法が、
エアロゾル形成体を保持および放出するように適合された非たばこ材料の複数のストランドを提供する工程であって、各ストランドが少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有する工程と、
前記組み立てられたストランドが前記長軸方向に延びるように、約20~約200本のストランドを組み立てる工程と、
前記組み立てられたストランドをラッパーで囲んで連続的なロッドを形成する工程と、
前記連続的なロッドを複数の個別のロッドに切断する工程と、を含む方法。
【請求項9】
前記複数のストランドを組み立てる工程の前に、少なくとも一つのエアロゾル形成体を前記複数のストランドに塗布する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも一つのエアロゾル形成体を前記ストランドに塗布する工程の後で、前記複数のストランドを組み立てる工程の前に、前記複数のストランドを乾燥する工程をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記連続的なロッドを切断する工程の後に、前記複数のストランドに少なくとも一つのエアロゾル形成体を塗布する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体として使用するためのロッドであって、前記ロッドが、
少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む、かつ少なくとも一つのエアロゾル形成体を放出するように適合された非たばこ材料の約20~約200本のストランドであって、各ストランドが少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有し、前記ストランドが前記長軸方向に延びるように組み立てられているストランドと、
前記ストランドを囲むラッパーとを備える、ロッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生基体を備えるエアロゾル発生物品と、こうしたエアロゾル発生物品の製造方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品が当業界で周知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって生成され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源に接触して、または熱源の中に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置していてもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物は冷えるにつれて、凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
多数の先行技術文献では、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置が開示されている。こうした装置には、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式のエアロゾル発生装置が含まれる。
【0004】
加熱式エアロゾル発生物品用の基体はこれまで典型的に、たばこ材料の無作為な向きの断片、ストランド、または細片を使用して生産されてきた。たばこ材料の断片から加熱式の喫煙物品またはエアロゾル発生物品用のロッドを形成することには、多くの不利益がある。例えば、たばこ材料の破砕のプロセスは、望ましくないことに、たばこの微粉およびその他の廃棄物を生成する。たばこ材料の断片を含むロッドでは、「端部の緩み」、すなわちロッドの端部からのたばこ材料断片の喪失が見られうる。たばこ材料の断片を含むロッドでは、部分的にロッドが端部の緩みを見せる傾向にあることから、重量に大きい標準偏差が見られうる。また、たばこ材料の断片を含むロッドは均一でない密度を示す傾向にある、すなわちロッドに沿った異なる位置でのたばこ材料の分量の変動のため、ロッドの長さに沿った密度は一貫性に欠ける傾向にある。さらに、端部の緩みは不利なことに、エアロゾル発生物品とともに使用するエアロゾル発生装置や製造設備のより頻繁な清掃の必要性につながりうる。
【0005】
一例として、国際特許出願第WO-A-2012/164009号は、たばこ材料シートの集合体から形成された加熱式エアロゾル発生物品用のロッドを開示している。WO-A-2012/164009号で開示されたロッドは、空気がロッドを通して引き出されることを可能にする長軸方向の空隙率を有する。事実上、たばこ材料シートの集合体内の折り目は、ロッドを通した長軸方向のチャネルを画定する。均質化したたばこ材料シートの集合体から形成されたロッドの使用は、細断されたたばこからエアロゾル発生基体を形成することに関連する問題の一部に対処する。ところが、こうしたシートは典型的に、比較的低い引張強さを有するため、ロッドを形成するためにシートを集合させることには欠点がありうる。国際特許出願WO-A-2011/101164は、均質化したたばこ材料のストランドから形成された、加熱式エアロゾル発生物品のための代替的なロッドを開示していて、これは粒子状たばこおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む混合物の鋳造、圧延、カレンダ成形、または押し出しによって形成されて、均質化したたばこ材料シートを形成しうる。代替的な実施形態において、WO-A-2011/101164号のロッドは、粒子状たばこおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む混合物を押し出すことによって得られた均質化したたばこ材料のストランドから形成されて、均質化したたばこ材料の連続的な長さを形成しうる。
【0006】
ところが、上述のタイプのロッド内でのたばこ基体の量の一貫した正確な制御を達成することは、特に高速で動作する時に困難でありうる。さらに、均質化したたばこのシートまたはストランドの形状および配設に応じて、エアロゾル発生物品の空隙率および引き出し抵抗(RTD)を制御することが困難でありうる。さらに、細断されたたばこからエアロゾル発生基体を形成することに関連する一部の問題に対処する一方で、均質化したたばこ材料シートの集合体から形成されたロッドは、こうしたシートが典型的に、比較的低い引張強さを有するため、取り扱いおよび製造中に欠点を有しうる。
【0007】
従って、たばこシート材料を使用しないエアロゾル発生物品を提供することが望ましいことになる。同時に、使用中に基体へのヒーターの挿入を容易にする、一つのこうしたエアロゾル発生物品のための基体を提供することが望ましいことになる。効率的かつ高速で製造できる一つのこうした基体またはロッドを提供すること、かつこうしたロッドを製造する方法を提供することが同様に望ましいことになる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の態様によれば、吸入可能なエアロゾルを生成するための加熱式エアロゾル発生物品が提供されており、加熱式エアロゾル発生物品はエアロゾル発生基体のロッドを備え、エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む、かつ少なくとも一つのエアロゾル形成体を放出するように適合された、非たばこ材料の約20~約200本のストランドであって、各ストランドが少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有し、ストランドが長軸方向に延びるように組み立てられているストランドと、ストランドを囲むラッパーとを含む。
【0009】
本発明のさらなる態様によれば、エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体として使用するためのロッドを作製する方法が提供されており、方法は、エアロゾル形成体を保持および放出するように適合された非たばこ材料の複数のストランドを提供する工程であって、各ストランドが少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有する工程と、組み立てられたストランドが長軸方向に延びるように、約20~約200本のストランドを組み立てる工程と、組み立てられたストランドをラッパーで囲んで連続的なロッドを形成する工程と、連続的なロッドを複数の個別のロッドに切断する工程とを含む。
【0010】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体として使用するためのロッドが提供されており、ロッドは、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む、かつ少なくとも一つのエアロゾル形成体を放出するように適合された非たばこ材料の約20~約200本のストランドであって、各ストランドが少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有し、ストランドが長軸方向に延びるように組み立てられているストランドと、ストランドを囲むラッパーとを含む。
【0011】
非たばこ材料のストランドの0.1ミリメートルの等価直径は、ロッド内に存在するストランドの集合容積とロッド内に存在するストランドの表面積との比が増大するため、ストランドのより小さな直径よりも利点を有する。
【0012】
各ストランドの外表面積は、直径の増加と共に直線的に増加する。一方、断面の表面積およびそれぞれの個別のストランドの容積は、個別のストランドの直径と実質的に二次式に増加する。理論に束縛されることを望むものではないが、個別のストランドそれぞれの直径が増加すると、所与の直径のロッド内に存在するストランドの数が減少することが理解される。したがって、ロッド内のストランド数の減少による効果は、個別のストランドの断面積の増加によって実質的に取り消されるため、個別のストランドの直径の増加は、ロッド内に含まれるストランドの集合容積の非常に小さい、またはほぼ無視できる変化を一般的に伴う。対照的に、各ストランドの表面積の線形成長は、ロッド内のストランド数の減少による効果を補うのに十分ではないため、個別のストランド直径の増加は、複数のストランドの集合外表面の減少と一般的に関連付けられる。発明者は、0.1ミリメートル以上の等価直径では、ストランドの集合容積に比例する、ストランドの内部に捕捉されうる材料の量(例えば、エアロゾル形成体の量)が、ストランド間のギャップに捕捉されうる材料の量よりも著しく改善されることを見出した。ストランド内に捕捉された材料の放出は、ストランドの外表面上に捕捉された材料の放出よりも良好に制御することができる。したがって、大きめの等価直径は概して、本発明によるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成体の放出の制御改善につながる。
【0013】
当然のことながら、本発明の一つの態様に関連して説明した任意の特徴は、本発明のその他の任意の態様にも等しく適用できる。
【0014】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾル発生基体が加熱される物品と、エアロゾル発生基体が燃焼される物品(従来的な紙巻たばこなど)との両方を意味するために使用される。本明細書で使用される「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱時に揮発性化合物を放出してエアロゾルを生成する能力を有する基体を意味する。
【0015】
加熱式エアロゾル発生物品では、エアロゾルは風味発生基体(たばこなど)を燃焼することなく加熱することによって発生させられる。周知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば電気加熱式エアロゾル発生物品、およびエアロゾルが可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱の伝達によって生成されるエアロゾル発生物品が挙げられる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの中に挿入されるように適合されている内部ヒーターブレードを有する電気加熱式のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにおいて特定の用途がある。このタイプのエアロゾル発生物品は、先行技術、例えば欧州特許第EP 0822670号に記載されている。本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生するヒーター要素を備える装置を意味する。別の方法として、本発明によるエアロゾル発生物品は、使用中にエアロゾル発生基体を加熱するための可燃性炭素熱源を備えうる。このタイプのエアロゾル発生物品は、先行技術、例えば国際特許出願第WO 2009/022232号に記載されている。また、ニコチン含有エアロゾルが、燃焼を用いずに、また一部の場合には加熱を用いずに、例えば化学反応によって、たばこ材料、たばこ抽出物、またはその他のニコチン供与源から生成されるエアロゾル発生物品も周知である。喫煙中、揮発性化合物は、燃料要素からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷えるにつれて、凝縮してエアロゾルを形成する。
【0016】
本明細書で使用される「ストランド」という用語は、細片、断片、フィラメント、ロッドまたはその他の細長い要素を意味する。
【0017】
「長さ」という用語は、長軸方向におけるエアロゾル発生物品の構成要素の寸法を意味する。例えば、長軸方向におけるロッドまたは非たばこ材料のストランドの寸法を意味するために使用されうる。
【0018】
本明細書で使用される「長軸方向」という用語は、エアロゾル発生物品の上流端と下流端の間に延びる、エアロゾル発生物品の主要な長軸方向軸に対応する方向を指す。使用中、空気はエアロゾル発生物品を通して長軸方向に引き出される。「横断方向」という用語は、長軸方向に対して直角を成す方向を指す。エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素の「断面」への言及はすべて、別途明記がない限り、横断断面を指す。
【0019】
本明細書で使用される「ストランドの等価直径」という用語は、ストランドの横断方向の断面と同じ表面積を有する円の直径を意味する。円形の横断方向の断面を有するストランドについては、等価直径は、ストランドの断面の直径である。
【0020】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、使用中にエアロゾル発生物品を通してエアロゾルが搬送される方向に対する、エアロゾル発生物品の要素(または要素の部分)の相対的な位置を記述する。
【0021】
上記に簡単に説明した通り、本発明のエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドを組み込む。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む、かつ少なくとも一つのエアロゾル形成体を放出するように適合された非たばこ材料の約20~約200本のストランドを含み、各ストランドは少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有する。ストランドは、ストランドが長軸方向に延びるように組み立てられる。
【0022】
ロッド内の非たばこ材料のストランドのサイズおよび数を調整することによって、ロッドの密度および空隙率を調節することが有利に可能である。一般的に、本発明による非たばこ材料の複数のストランドを含むエアロゾル発生基体はまた有利なことに、たばこ材料の断片を含むエアロゾル発生基体よりも均一な密度を示す。このように、RTDおよびロッドの気流に対する浸透性を、一貫して微調整することができる。
【0023】
さらに、ストランドが形成される非たばこ材料の組成物および内部空隙率を変化させることによって、ロッドに充填できるエアロゾル形成体の量を変化させることが可能である。
【0024】
非たばこ材料のストランドを含むエアロゾル発生基体の重量は、ストランドの数、サイズ、密度および間隔によって決定される。このように、非たばこ材料の複数のストランドを含むエアロゾル発生基体の重量は、ストランドの密度、寸法、エアロゾル形成体の充填量、およびロッド内のストランドの配設を制御することによって調節できる。これは、たばこ材料の断片を含むエアロゾル発生基体と比較して、同じ寸法のエアロゾル発生基体間の重量の不一致を低減する。
【0025】
ロッド内のストランドの規則正しい配設は、使用中のロッドを通したヒーターからの熱伝達を最適化する。同時に、ロッド内のストランドのサイズ、幾何学的形状、および配設は、発熱体の挿入を容易にするように容易に適合されうる。例として、ストランドをロッド内に実質的に直線状に、かつ長軸方向に延びるように配設することによって、ヒーターブレードなどの長軸方向に延びるヒーター要素の挿入が大幅に容易になる。
【0026】
たばこ材料の断片を備えるエアロゾル発生基体の中へのエアロゾル発生装置のヒーター要素の挿入と、たばこ材料の断片を備えるエアロゾル発生基体へのエアロゾル発生装置のヒーター要素の引き出しとは、エアロゾル発生基体からたばこ材料の断片を外す傾向がありうる。これは不利なことに、外れた断片を取り除くために、エアロゾル発生装置のヒーター要素およびその他の部分のより頻繁な掃除の必要性を生じさせうる。対照的に、非たばこ材料の複数のストランドを含むエアロゾル発生基体へのエアロゾル発生装置のヒーター要素の挿入および引き出しは有利なことに、材料が外れる傾向を著しく低減させる。
【0027】
本発明によるロッドは、高速で効率的に実施でき、かつ加熱式エアロゾル発生物品の製造用の既存の生産ラインに都合良く組み込むことができる連続的なプロセスで作成できる。
【0028】
エアロゾル発生基体のロッドは、エアロゾル発生物品の外径にほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0029】
エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも5ミリメートルの外径を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~およそ12ミリメートル、例えば約5ミリメートル~約10ミリメートル、または約6ミリメートル~約8ミリメートルの外径を有しうる。一つの好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは7.2ミリメートル±10パーセントの外径を有する。
【0030】
エアロゾル発生基体のロッドは、約5ミリメートル~約100 mmの長さを有しうる。エアロゾル発生基体のロッドは、少なくとも約5ミリメートルの長さを有することが好ましく、少なくとも約7ミリメートルの長さを有することがより好ましい。追加的に、または別の方法として、エアロゾル発生基体のロッドは、約25ミリメートル未満の長さを有することが好ましく、約20ミリメートル未満の長さを有することがより好ましい。一つの実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約10ミリメートルの長さを有してもよい。一つの好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、約12ミリメートルの長さを有する。
【0031】
エアロゾル発生基体のロッドは、ロッドの長さに沿って実質的に均一な断面を有することが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、実質的に円形の断面を有することが特に好ましい。
【0032】
本発明によるエアロゾル発生物品は、ラッパーによって囲まれた非たばこ材料のストランドを含むロッドとして提供されうるエアロゾル発生基体を備える。本明細書で使用される「ロッド」という用語は、実質的に円形、長円形、または楕円形の断面の概して円筒状の要素を示すために使用される。原則として、星形、X字型、またはY字型など、ストランドの他のより複雑な断面も可能である。ところが、本発明の文脈では、ストランドを合理的にきつく詰めることを可能にするが、同時にストランドの断面に囲まれた円の表面積とストランドの断面の有効な表面積との間に好都合な比を有する断面形状が好ましい。これは、本発明の文脈では、ロッド内により大きな集合ストランド容積を詰めることを可能にする形状は、ストランドのより大きな集合外表面積に対応する形状よりも一般的に好ましいためである。これに関して、円形状、または準円形状(長円形または楕円形など)が理想的である。三角形および長方形の断面も可能である。しかしながら、三角形および長方形の断面では、ストランドは、きつく詰められ過ぎて、ストランド間の気流のために利用可能な空間を減少させることなどがありうる。
【0033】
ストランドは、エアロゾル形成体で被覆された、またはエアロゾル形成体内に浸された耐熱性材料から形成されうる。「耐熱性材料」という用語は、本明細書で使用される場合、加熱式エアロゾル発生物品の少なくとも典型的な動作温度以上の温度に曝された時に耐えることができ、熱によって実質的に影響を受けないままでありうる材料を説明するために使用される。例として、ストランドは押出プロセスによって形成されうる。
【0034】
本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生物品の動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である、任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を説明する。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましくはグリセリン)またはその混合物である。
【0035】
エアロゾル形成体は、液体またはゲルとして提供されうる。一部の実施形態では、エアロゾル形成体は、ニコチンまたは風味剤または両方をさらに含む組成物中に提供されうる。
【0036】
例として、耐熱性材料はセラミック材料であってもよい。耐熱性材料は、ガラス繊維の形態などのガラスであってもよい。
【0037】
一部の実施形態では、非たばこ材料は、柔軟なロッドなど、コイルまたはロール上に提供されうる柔軟なひも様の材料を含みうる。これは、ガラス繊維を含んでもよく、または繊維性材料を含む、押し出された、柔軟な、非たばこ担体であってもよい。
【0038】
ストランドは、多少柔軟性であってもよい。エアロゾル形成体は、ストランド間を吸い上げてもよく、またはストランド間を吸い上げないように実質的に粘性であってもよい。
【0039】
ストランドの非たばこ材料は、その表面上にエアロゾル形成体を吸着するように、またはその構造内にエアロゾル形成体を吸着するように適合されることが好ましい。言い換えれば、ストランドの非たばこ材料は、エアロゾル形成体が、吸着によってストランドに付着し、脱着によって放出されうるようなものである。一部の実施形態では、エアロゾル形成体(吸着質)がストランド(吸着剤)の表面に可逆的に接着して、その上に表面膜を形成するように、ストランドは非たばこ材料から形成されうる。これは、弱いファンデルワールス力(物理吸着)または共有結合(化学吸着)または静電引力など、エアロゾル形成体分子とストランドの表面の間の結合の形成に基づいている。その他の実施形態では、エアロゾル形成体(吸着質)がストランドの容積に可逆的に浸透するように、ストランドは非たばこ材料から形成されてもよい。このプロセスは、化学的であってもよく、すなわち、エアロゾル形成体とストランドの非たばこ材料との間の反応を伴ってもよく、またはプロセスは純粋に物理的(非反応性)であってもよく、またはプロセスは化学的および物理的プロセスの組み合わせであってもよい。
【0040】
これにより、有利なことに、エアロゾル形成体の充填量、つまり本発明によるエアロゾル発生物品のロッドに提供されるエアロゾル形成体の量の制御の改善が可能になる。理論に束縛されることを望むものではないが、これはまた有利なことに、放出プロファイルの制御を容易にしうることが理解される。例として、どの条件下(例えば、温度に関して)または使用中のどの段階において、ストランドからのエアロゾルの放出が好都合であるか、または最大化されるかを制御するのがより容易となりうる。
【0041】
これは、酢酸セルローストウなどのエアロゾル発生物品で一般的に使用される他の非たばこ材料に対する改善である。エアロゾル形成体は、収着によって酢酸セルロース繊維に付着せず、単に隣接した繊維間の空隙およびギャップを占める。
【0042】
一部の実施形態では、ストランドからのエアロゾル形成体の放出、またはストランドからのエアロゾル形成体の強化された反復的または長時間の放出のために、エアロゾル形成体と共に充填された非たばこ材料のストランドの圧縮または締め付けが必要となりうる。
【0043】
一部の実施形態では、非たばこ材料のすべてのストランドは、エアロゾル形成体と均等に充填される。これにより、エアロゾル発生基体のロッドの断面全体にわたるエアロゾル形成体の実質的に均質な分布がもたらされる。当然のことながら、隣接したストランド間のギャップおよび空隙は一般的にありうるため、本明細書で使用される「均質な分布」という用語は、エアロゾル発生基体のロッドの断面全体にわたって完全に一定ではないエアロゾル形成体の濃度プロファイルを説明するために使用される。
【0044】
他の実施形態では、複数のストランドは、第一のエアロゾル形成体充填量を有するストランドの第一の群と、第二のエアロゾル形成体充填量を有するストランドの第二の群とを含み、第二のエアロゾル形成体充填量は第一のエアロゾル形成体充填量よりも大きい。これにより、有利なことに、エアロゾル発生基体のロッドの断面全体にわたる不均質なエアロゾル形成体分布の達成が可能になる。言い換えれば、エアロゾル発生基体のロッドの断面にわたるエアロゾル形成体の濃度プロファイルは、所定の方法で調整されうる。例として、ロッドのコアに配設されたストランドは、ロッドの周辺に配設されたストランドよりも大きなエアロゾル形成体充填量を有しうる。
【0045】
非たばこ材料のストランドは、使用中にロッドを通した長軸方向の空気の流れを許容するように適合されうる。ストランドの数、サイズおよび相互配設は、ロッドが要求される空隙率を有し、エアロゾル発生物品のRTDが消費者にとって許容可能な値の範囲内にあることを確実にするように調整されうる。
【0046】
非たばこ材料の各ストランドは、約1ミリメートル未満の等価直径を持つことが好ましい。非たばこ材料の各ストランドは、約0.5ミリメートル未満の等価直径を持つことがさらにより好ましい。
【0047】
一部の実施形態では、複数のストランドは、第一の等価直径を有するストランドの第一の群と、第二の等価直径を有するストランドの第二の群とを含み、第二の等価直径は第一の等価直径よりも小さい。これは、有利なことに、ロッドの空隙率のより細かい制御を可能にしうるが、ここでエアロゾル発生基体のロッドの異なる部分は異なる空隙率の値を有する。
【0048】
例として、ストランドの第一の群は、ロッドの中央位置に配設され、ストランドの第二の群はロッドの周辺に配設されてもよい。ストランドの第一の群は、ストランドの第二の群のストランドによって実質的に囲まれていることが好ましい。こうして、より大きな空隙がロッド内の実質的に軸方向の位置に提供される一方、隣接したストランド間のより小さな間隙がロッドの周辺に提供される。
【0049】
各ストランドは、エアロゾル発生基体のロッドの長さと実質的に等しい長さを有することが好ましい。一実施形態において、各ストランドは約5ミリメートル~約80ミリメートルの長さを有する。一つの好ましい実施形態において、それぞれの管状要素は約7ミリメートル~約40ミリメートルの長さを有し、それぞれの管状要素は約8ミリメートル~約28ミリメートルの長さを有することが最も好ましい。
【0050】
エアロゾル発生基体のロッドは、非たばこ材料の約200本未満のストランドを含む。エアロゾル発生基体のロッドは、非たばこ材料の約150本未満のストランドを含むことが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、非たばこ材料の約100本未満のストランドを含むことがより好ましい。
【0051】
エアロゾル発生基体のロッドは、非たばこ材料の少なくとも約20本のストランドを含む。エアロゾル発生基体のロッドは、非たばこ材料の少なくとも約30本のストランドを含むことが好ましい。エアロゾル発生基体のロッドは、非たばこ材料の少なくとも約40本のストランドを含むことがより好ましい。特に好ましい実施形態において、エアロゾル発生基体のロッドは、非たばこ材料の約20~約100本のストランドを含む。
【0052】
一部の実施形態で、非たばこ材料の複数のストランドは、エアロゾル発生基体内で互いに実質的に平行に整列している。非たばこ材料のストランドは、エアロゾル発生基体のロッドの実質的に長軸方向に延びることが好ましい。これは、ロッドの空隙率の正確な決定および制御、すなわち、ストランド間の空隙の全体容量の正確な決定および制御を可能にするという点で有利である。これは、エアロゾル発生基体のロッド内に保持されうるエアロゾル形成体の総量に影響を与えうる。
【0053】
さらに、空隙の全体容量の一部は、一般的にエアロゾル形成体によって塞がれることになり、したがって、これはエアロゾル発生物品のRTDに影響を与えうる。ストランドの非たばこ材料が、その表面上にエアロゾル形成体を吸着するように、またはその構造内にエアロゾル形成体を吸着するように適合された実施形態では、エアロゾルもまた、または実質的に完全にストランドの材料に付着しているため、これは有利に取り消される。
【0054】
好ましい実施形態において、ストランドは実質的に正方形の横断断面、実質的に長方形の横断断面、または実質的に楕円形の横断断面である。実質的に楕円形の横断断面のストランドは、実質的に楕円形または円形断面のストランドでありうる。
【0055】
一部の実施形態では、ロッド内の非たばこ材料のストランドは、隣接したストランド間に所定の間隔で配設されることが好ましい。例として、これは、隣接したストランドが互いから一定の距離にあるように、ストランドの外表面上に配設された粒子状物質(炭素など)を提供することによって達成されうるが、距離は粒子の平均サイズ(例えば、平均等価直径)の実質的な関数である。
【0056】
上述の通り、エアロゾル発生基体のロッドを形成する非たばこ材料の複数のストランドは、ラッパーによって囲まれている。ラッパーは、多孔性または非多孔性のシート材料で形成されうる。ラッパーは任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されうる。ラッパーは紙ラッパーであることが好ましい。ラッパーは随意に、複数のストランドの外側端に接着されうる。例えば、ラッパーの内表面および複数のストランドの外側端のうちの少なくとも一つは、包装プロセス中に内側ラッパーがストランドの端に接着するように、製造プロセス中に湿らされうる。別の方法として、接着剤は、包装工程の上流で、ラッパーの内表面および複数のストランドの外側端のうちの少なくとも一つに塗布されうる。複数のストランドおよびラッパーの接着は有利なことに、複数のストランドの位置および間隔をロッド内に保持するのに役立ちうる。
【0057】
ラッパーは随意に、ロッドの上流端および下流端でストランドの上に少なくとも部分的に折り畳まれて、複数のストランドをロッド内に保持しうる。ラッパーは、ストランドの残りの部分が露出されるように、ロッドの上流端および下流端で複数のストランドの周辺部上にあることが好ましい。ところが、一部の実施形態において、ラッパーはロッドの上流端および下流端の全体上にあってもよい。こうした実施形態において、気流は有利なことに、十分な空隙率を有するラッパーを提供して、ロッドの端部を通る気流を可能にすることによって可能にしうる。
【0058】
非たばこ材料の上流および下流ストランドの上にラッパーの端部を折り畳む代わりに、紙またはその他の材料の個別のリムセクションは、上述の通り、ストランドの上流端および下流端の少なくとも周辺部上にあるように、ラッパーに取り付けられうる。ラッパーがロッドの端部の上で折り畳まれるか、または別個のリムセクションが提供される、こうした実施形態において、複数のストランドを囲むラッパーを覆う追加的な外側ラッパーが提供されうる。
【0059】
本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドに加えて一つ以上の要素を備えることが好ましく、ロッドおよび一つ以上の要素は基体ラッパー内に組み立てられる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、マウスピース、エアロゾル冷却要素、および中空のアセテート管などの支持要素のうちの少なくとも一つをさらに備えうる。例えば、一つの好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は直線の連続的な配設で、上述の通りのエアロゾル発生基体のロッドと、エアロゾル形成基体のすぐ下流に位置する支持要素と、支持要素の下流に位置するエアロゾル冷却要素と、ロッド、支持要素およびエアロゾル冷却要素を囲む外側ラッパーとを備える。
【0060】
本発明の一実施形態では、エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体として使用するためのロッドは、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む、かつ少なくとも一つのエアロゾル形成体を放出するように適合された非たばこ材料の約20~約200本のストランドであって、各ストランドが少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有し、ストランドが長軸方向に延びるようにストランドが組み立てられているストランドと、ストランドを囲むラッパーとを含む。
【0061】
こうした一つのロッドは、上記で定義されたように、本発明の別の態様による方法によって製造されうる。本発明による方法の第一の工程では、エアロゾル形成体を保持および放出するように適合された非たばこ材料の複数のストランドが提供されており、各ストランドは少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有する。第二の工程では、組み立てられたストランドが長軸方向に延びるように、複数のストランドの約20~約200本が一緒に組み立てられる。例として、これは、複数のストランドが実質的に円筒状のクラスター内にグループ化されるように、漏斗要素を通して複数のストランドを供給することによって達成されうる。複数のストランドは、異なるリールから供給されてもよい。
【0062】
第三の工程では、組み立てられたストランドがラッパーで囲まれて連続的なロッドを形成する。第四の工程において、連続的なロッドは複数の個別のロッドに切断される。
【0063】
方法は、複数のストランドを組み立てる工程の前に、少なくとも一つのエアロゾル形成体をストランドに塗布するさらなる工程を含むことが好ましい。方法は、少なくとも一つのエアロゾル形成体をストランドに塗布した後で、複数のストランドを組み立てる工程の前に、複数のストランドを乾燥する工程をさらに含むことがより好ましい。
【0064】
別の方法として、方法は、複数のストランドが組み立てられた後に、少なくとも一つのエアロゾル形成体を複数のストランドに塗布するさらなる工程を含んでもよい。好ましい一実施形態において、こうした一つの方法は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を組み立てられたストランドに塗布する工程の後に、複数のストランドを乾燥する工程をさらに含みうる。
【0065】
さらなる代替方法として、方法は、連続的なロッドを個別のロッドに切断する工程の後で、少なくとも一つのエアロゾル形成体を複数のストランドに塗布する工程を含みうる。切断手段は、連続的なロッドが供給される切断ステーションで提供される。
【0066】
複数のストランドをラッパーで囲んで連続的なロッドを形成する工程、および連続的なロッドを切断して個別のロッドを形成する工程は、既存の装置および技術を使用して実行されうるが、これは当業者に周知である。
【0067】
ここで、図を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】ヒーター要素を備えるエアロゾル発生装置で使用するためのエアロゾル発生物品の概略的な長軸方向断面図を示す。
【
図2】本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生基体の概略斜視図を示し、ラッパーは取り除かれている。
【
図3】
図2のエアロゾル発生基体の概略斜視図を示し、ラッパーは所定位置にある。
【
図4】電気的に作動するエアロゾル発生装置と、
図1に示すエアロゾル発生物品とを備えるエアロゾル発生システムの長軸方向断面図を示す。
【0069】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体12のロッド、中空のセルロースアセテートチューブ14、スペーサー要素16およびマウスピースフィルター18を備える。これら四つの要素は連続的に、かつ同軸に整列して配設されていて、基体ラッパー20によって囲まれていて、エアロゾル発生物品10を形成する。エアロゾル発生物品10は、口側端22と、口側端22に対して物品の反対側の端に位置する遠位端24とを有する。
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッドを加熱するためのヒーターを備える電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するのに特に適切である。
【0070】
エアロゾル発生基体12のロッドは、約12ミリメートルの長さ、および約7ミリメートルの直径を有する。ロッド12は円筒状の形状であり、実質的に円形の断面を有する。
【0071】
図1のエアロゾル発生物品10で使用するためのエアロゾル発生基体12のロッドの実施形態を
図2および
図3に示す。ロッド12は、紙ラッパー32によって囲まれた非たばこ材料の複数のストランド30を含む。
図2では、ラッパー32を取り外した状態で非たばこ材料の複数のストランド30が示されている。
【0072】
図2で分かる通り、ストランドのそれぞれは長軸方向に延び、かつロッド12の長さに実質的に相当する長さを有する。ストランド30は相互に平行であり、隣接したストランドが互いにゆるく接触するように積み重ねられている。ストランド30は、実質的に円形断面および約1ミリメートルの等価直径を有する。ロッド12を通って延びる長軸方向のチャネルは、ストランドの間に画定されている。それ故に、ロッド12は、下記に説明する通り、エアロゾル発生装置のヒーターブレードを受容するように適合されていて、また使用中にロッド12を通して引き出されうる空気が通る気流経路を提供するように適合されている。
【0073】
図4は、
図1に示すエアロゾル発生物品10のエアロゾル発生基体12のロッドを加熱するためのヒーターブレード210を利用する電気的に作動するエアロゾル発生システム200の一部分を示す。ヒーターブレード210は、電気的に作動するエアロゾル発生装置212のハウジング内にあるエアロゾル発生物品チャンバー内に取り付けられている。エアロゾル発生装置212は、
図4に矢印で図示されている通り、空気がエアロゾル発生物品10に流れることを可能にするための複数の空気穴214を画定する。エアロゾル発生装置212は、電源および電子部品を備えるが、これらは
図4で図示されていない。
【0074】
図1に示すエアロゾル発生物品10は消費されるために、
図4に示すエアロゾル発生装置212と係合するように設計されている。ユーザーは、ヒーターブレード210が非たばこ材料30のストランドを通してエアロゾル発生基体12のロッドの中に挿入されるように、エアロゾル発生物品10をエアロゾル発生装置212に挿入する。マウスピースフィルター18は、装置212の口側端から外向きに突き出す。エアロゾル発生物品10がエアロゾル発生装置212と係合すると、ユーザーはエアロゾル発生物品10の口側端22を吸い、エアロゾル発生基体12のロッドはヒーターブレード210によってエアロゾル発生基体12のロッドからエアロゾルを発生させるのに十分な温度に加熱される。エアロゾルは口側端フィルター18を通して引き出され、ユーザーの口に入る。
【0075】
当然のことながら、
図1に示すエアロゾル発生物品10はまた、その他のタイプのエアロゾル発生装置で使用するのに適しうる。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能なエアロゾルを生成するための加熱式エアロゾル発生物品であって、前記加熱式エアロゾル発生物品がエアロゾル発生基体のロッドを備え、前記エアロゾル発生基体のロッドが、
ロッドを形成するように組み立てられた非たばこ材料の複数の細片であって、非たばこ材料の前記細片が、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む、かつ少なくとも一つのエアロゾル形成体を放出するように適合され、前記エアロゾル形成体がゲルとして提供され、各細片が少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有し、前記ストランドが前記長軸方向に延びるように組み立てられている細片と、
前記細片を囲むラッパーとを備える、加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記エアロゾル形成体が、ニコチンまたは風味剤または両方をさらに含むゲル組成物として提供される、請求項1に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項3】
非たばこ材料の各ストランドが、約1ミリメートルの未満の等価直径を有する、請求項1または2に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項4】
非たばこ材料の各ストランドが、約0.5ミリメートルの未満の等価直径を有する、請求項1または2に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項5】
非たばこ材料の各細片が、約5ミリメートル~約80ミリメートルの長さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項6】
非たばこ材料の各細片が、約7ミリメートル~約40ミリメートルの長さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項7】
非たばこ材料の各細片が、約8ミリメートル~約28ミリメートルの長さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記ロッドが、非たばこ材料の約200個未満の細片を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記ロッドが、非たばこ材料の少なくとも約20個の細片を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の加熱式エアロゾル発生物品。
【請求項10】
エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体として使用するためのロッドを作製する方法であって、前記方法が、
エアロゾル形成体を保持および放出するように適合された非たばこ材料の複数の細片を提供する工程であって、前記エアロゾル形成体がゲルとして提供され、各細片が少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有する工程と、
組み立てられた細片が長軸方向に延びるように、前記複数の細片を組み立てる工程と、
前記組み立てられた細片をラッパーで囲んで連続的なロッドを形成する工程と、
前記連続的なロッドを複数の個別のロッドに切断する工程と、を含む方法。
【請求項11】
エアロゾル発生物品内のエアロゾル発生基体として使用するためのロッドであって、前記ロッドが、
非たばこ材料の複数の細片であって、非たばこ材料の前記細片が、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む、かつ少なくとも一つのエアロゾル形成体を放出するように適合され、前記エアロゾル形成体がゲルとして提供され、各細片が少なくとも約0.1ミリメートルの等価直径を有し、前記細片が前記長軸方向に延びるように組み立てられている細片と、
前記細片を囲むラッパーとを備える、ロッド。