(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068137
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)の調製のための合成方法
(51)【国際特許分類】
C07D 455/06 20060101AFI20230509BHJP
A61K 31/4745 20060101ALI20230509BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20230509BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
C07D455/06 CSP
A61K31/4745
A61P25/14
A61P43/00 111
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023046558
(22)【出願日】2023-03-23
(62)【分割の表示】P 2021000076の分割
【原出願日】2016-12-22
(31)【優先権主張番号】62/387,442
(32)【優先日】2015-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】398005054
【氏名又は名称】ニューロクライン バイオサイエンシーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ケビン マギー
(72)【発明者】
【氏名】リ ビン-フェン
(57)【要約】
【課題】化合物の調製のための合成方法を提供すること。
【解決手段】(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキ
シ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネー
ト)またはその溶媒和物、水和物もしくは多形を調製するためのプロセスが、本明細書中
に提供される。他の実施形態において、それらの方法は、95%を超える純度の(S)-
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,
7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-ア
ミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多動障害。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2015年12月23日に出願された米国仮出願第62/387,442号
の利益を主張し、その開示は、その全体が本明細書において参考として援用される。
【0002】
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を調製するためのプロセスが、
本明細書中に提供される。
【背景技術】
【0003】
多動障害は、過剰で異常な不随意運動を特徴とする。これらの神経障害には、振戦、ジ
ストニア、バリズム、チック、静座不能、常同症、舞踏病、ミオクローヌスおよびアテト
ーシスが含まれる。これらの運動障害の病態生理学は、十分に理解されていないが、基底
核における神経伝達物質の調節不全が、重要な役割を果たしていると考えられている(K
enneyら、Expert Review Neurotherapeutics,2
005,6,7-17)。典型的な神経遮断薬(neuropletics)または中枢
作用性ドーパミン受容体遮断制吐薬の慢性使用および高用量投薬により、患者が遅発性症
候群を発症しやすくなる。遅発性ジスキネジアは、後者の症候群のサブタイプの1つであ
り、顔面、肢または体幹の速い反復性かつ常同性の不随意運動を特徴とする(Mulle
r,Expert Opin.Investig.Drugs,2015,24,737
-742)。
【0004】
テトラベナジン(TBZ)としても知られる3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-
1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン
-2-オンによる小胞モノアミントランスポーター-2系(VMAT2)の可逆的阻害は
、様々な多動運動障害の処置を改善する。しかしながら、かかる処置の欠点は、応答が変
動すること、TBZの迅速な代謝に起因して頻繁な摂取を必要とすること、および副作用
である。TBZに関連する副作用としては、鎮静、うつ、静座不能およびパーキンソニズ
ムが挙げられる。
【0005】
TBZは、2つのキラル中心を含むため、2つの立体異性体のラセミ混合物であり、イ
ンビボでは、その還元型であるジヒドロテトラベナジン(DHTBZ)としても知られる
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-
2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールに迅速かつ広く代謝される。DH
TBZは、4つの個別の異性体:(±)アルファ-DHTBZおよび(±)ベータ-DH
TBZとして存在すると考えられている。(2R,3R,11bR)または(+)アルフ
ァ-DHTBZが、活性な代謝産物の絶対配置であると考えられている(Kilbour
nら、Chirality,1997,9,59-62)。テトラベナジンは、米国では
オーファンドラッグの状態であり、ある特定の欧州諸国では承認されている。その使用は
、ハンチントン病(Hungtington’s disease)を有する患者におけ
る舞踏病の治療に対しても認められている。しかしながら、テトラベナジンは、迅速に代
謝されるので、終日にわたって頻繁に投与しなければならない(Muller,Expe
rt Opin.Investig.Drugs,2015,24,737-742)。
ゆえに、当該分野では、遅発性ジスキネジアを含む多動運動障害を処置するために有効な
治療薬を開発する必要があり、そのニーズはまだ満たされていない。
ジヒドロテトラベナジンの(+)-α-異性体のプロドラッグであるバルベナジン、す
なわち、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブ
チル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルが、最近、遅発性ジスキネジアの症候
を含む多動運動障害の処置において、薬物動態学的プロファイルおよび耐容性プロファイ
ルの改善を伴う際立った改善を示した。
(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イルエステルを合成するための方法は、米国特許第8,0
39,627号および同第8,357,697号(この各開示の全体が参照により本明細
書中に援用される)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,039,627号明細書
【特許文献2】米国特許第8,357,697号明細書
【非特許文献】
【0007】
【特許文献1】Kenneyら、Expert Review Neurotherapeutics,2005,6,7-17
【特許文献2】Muller,Expert Opin.Investig.Drugs,2015,24,737-742
【特許文献3】Kilbournら、Chirality,1997,9,59-62
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を調製するための、安全で、効
率的で、費用効果が高く、かつ/または容易に拡張可能な方法が、本明細書中に提供され
る。他の実施形態において、それらの方法は、95%を超える純度の(S)-(2R,3
R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b
-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-
メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)を提供する。
【0009】
本明細書中に提供される方法は、(a)(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソ
ブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピ
リド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)ア
ミノ)-3-メチルブタノエートを形成するのに適した条件下において、(2R,3R,
11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘ
キサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩を、適
切に保護されたL-バリンと反応させること;(b)(S)-(2R,3R,11bR)
-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ
-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカル
ボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを脱保護して、(S)-(2R,3R,11
bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサ
ヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブ
タノエート二塩酸塩またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を形
成すること;および(c)(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-(
2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7
,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミ
ノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学的に
許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形に変換することに広く関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
別段定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学用語は、
当業者が通常理解している意味と同じ意味を有する。本明細書中で言及されるすべての刊
行物および特許は、それらの全体が参照により本明細書中に援用される。
定義
【0011】
本明細書中に示される開示の理解を容易にするために、いくつかの用語を下記で定義す
る。
【0012】
通常、本明細書中で使用される命名法、ならびに本明細書中に記載される有機化学、医
薬品化学および薬理学における検査手技は、当該分野において周知かつ通常使用されてい
るものである。別段定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および
科学用語は、通常、本開示が属する分野の当業者が通常理解している意味と同じ意味を有
する。
【0013】
用語「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖の一価の飽和炭化水素ラジカルのことを指し
、ここで、そのアルキルは、本明細書中の他の箇所に記載されるような1つまたは複数の
置換基Qで、任意選択で置換される。例えば、C1-6アルキルとは、1~6個の炭素原
子の直鎖の一価の飽和炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素原子の分枝鎖の一価の飽和
炭化水素ラジカルのことを指す。ある特定の実施形態において、アルキルは、1~20個
(C1-20)、1~15個(C1-15)、1~10個(C1-10)もしくは1~6
個(C1-6)の炭素原子を有する直鎖の一価の飽和炭化水素ラジカル、または3~20
個(C3-20)、3~15個(C3-15)、3~10個(C3-10)もしくは3~
6個(C3-6)の炭素原子の分枝鎖の一価の飽和炭化水素ラジカルである。本明細書中
で使用されるとき、直鎖のC1-6アルキル基および分枝鎖のC3-6アルキル基は、「
低級アルキル」とも称される。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(す
べての異性体を含む)、n-プロピル、イソプロピル、ブチル(すべての異性体を含む)
、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル(すべての異性体を
含む)およびヘキシル(すべての異性体を含む)が挙げられるが、これらに限定されない
。
【0014】
用語「アルケニル」とは、1つまたは複数の、1つの実施形態では1~5個、別の実施
形態では1個の、炭素-炭素二重結合(複数可)を含む、直鎖または分枝鎖の一価の炭化
水素ラジカルのことを指し、ここで、そのアルケニルは、本明細書中の他の箇所に記載さ
れるような1つまたは複数の置換基Qで、任意選択で置換される。用語「アルケニル」は
、当業者が認識するような、「cis」もしくは「trans」配置またはそれらの混合
物、またはあるいは、「Z」もしくは「E」配置またはそれらの混合物を有するラジカル
を包含する。例えば、C2-6アルケニルとは、2~6個の炭素原子の直鎖の一価の不飽
和炭化水素ラジカルまたは3~6個の炭素原子の分枝鎖の一価の不飽和炭化水素ラジカル
のことを指す。ある特定の実施形態において、アルケニルは、2~20個(C2-20)
、2~15個(C2-15)、2~10個(C2-10)もしくは2~6個(C2-6)
の炭素原子の直鎖の一価の炭化水素ラジカル、または3~20個(C3-20)、3~1
5個(C3-15)、3~10個(C3-10)もしくは3~6個(C3-6)の炭素原
子の分枝鎖の一価の炭化水素ラジカルである。アルケニル基の例としては、エテニル、プ
ロペン-1-イル、プロペン-2-イル、アリル、ブテニルおよび4-メチルブテニルが
挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
用語「アルキニル」とは、1つまたは複数の、1つの実施形態では1~5個、別の実施
形態では1個の、炭素-炭素三重結合(複数可)を含む、直鎖または分枝鎖の一価の炭化
水素ラジカルのことを指し、ここで、そのアルキニルは、本明細書中の他の箇所に記載さ
れるような1つまたは複数の置換基Qで、任意選択で置換される。例えば、C2-6アル
キニルとは、2~6個の炭素原子の直鎖の一価の不飽和炭化水素ラジカルまたは3~6個
の炭素原子の分枝鎖の一価の不飽和炭化水素ラジカルのことを指す。ある特定の実施形態
において、アルキニルは、2~20個(C2-20)、2~15個(C2-15)、2~
10個(C2-10)もしくは2~6個(C2-6)の炭素原子の直鎖の一価の炭化水素
ラジカル、または3~20個(C3-20)、3~15個(C3-15)、3~10個(
C3-10)もしくは3~6個(C3-6)の炭素原子の分枝鎖の一価の炭化水素ラジカ
ルである。アルキニル基の例としては、エチニル(-C=CH)、プロピニル(すべての
異性体、例えば、1-プロピニル(-C=CCH3)およびプロパルギル(-CH2C=
CH)を含む)、ブチニル(すべての異性体、例えば、1-ブチン-1-イルおよび2-
ブチン-1-イルを含む)、ペンチニル(すべての異性体、例えば、1-ペンチン-1-
イルおよび1-メチル-2-ブチン-1-イルを含む)およびヘキシニル(すべての異性
体、例えば、1-ヘキシン-1-イルを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
用語「シクロアルキル」とは、一価の環状炭化水素ラジカルのことを指し、ここで、そ
のシクロアルキルは、本明細書中の他の箇所に記載されるような1つまたは複数の置換基
Qで、任意選択で置換される。1つの実施形態において、シクロアルキル基は、飽和であ
っても不飽和であってもよいが、非芳香族および/またはスピロおよび/または非スピロ
および/または架橋および/または非架橋および/または縮合二環式基であり得る。ある
特定の実施形態において、シクロアルキルは、3~20個(C3-20)、3~15個(
C3-15)、3~10個(C3-10)または3~7個(C3-7)の炭素原子を有す
る。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロ
ヘプチル、シクロヘプテニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1
]ヘプチル、デカリニルおよびアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
用語「アリール」とは、少なくとも1つの芳香族炭素環を含む、一価の単環式芳香族基
および/または一価の多環式芳香族基のことを指し、ここで、そのアリールは、本明細書
中の他の箇所に記載されるような1つまたは複数の置換基Qで、任意選択で置換される。
ある特定の実施形態において、アリールは、6~20個(C6-20)、6~15個(C
6-15)または6~10個(C6-10)の環原子を有する。アリール基の例としては
、フェニル、ナフチル、フルオレニル、アズレニル、アントリル、フェナントリル、ピレ
ニル、ビフェニルおよびテルフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。用語「ア
リール」は、二環式または三環式の炭素環のことも指し、ここで、それらの環のうちの1
つは、芳香族であり、その他の環は、飽和であっても、部分不飽和であっても、芳香族で
あってもよく、例えば、ジヒドロナフチル、インデニル、インダニルまたはテトラヒドロ
ナフチル(テトラリニル)であり得る。
【0018】
用語「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、1つまたは複数のアリール基で
置換された一価のアルキル基のことを指し、ここで、そのアラルキルまたはアリールアル
キルは、本明細書中の他の箇所に記載されるような1つまたは複数の置換基Qで、任意選
択で置換される。ある特定の実施形態において、アラルキルは、7~30個(C7-30
)、7~20個(C7-20)または7~16個(C7-16)の炭素原子を有する。ア
ラルキル基の例としては、ベンジル、2-フェニルエチルおよび3-フェニルプロピルが
挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
用語「ヘテロアリール」とは、少なくとも1つの芳香環を含む、一価の単環式芳香族基
および/または一価の多環式芳香族基のことを指し、ここで、少なくとも1つの芳香環は
、O、S、NおよびPから独立して選択される1つまたは複数のヘテロ原子をその環に含
む。ヘテロアリール基は、芳香環を通じて分子の残りの部分に結合される。ヘテロアリー
ル基の各環は、1もしくは2個のO原子、1もしくは2個のS原子、1~4個のN原子お
よび/または1もしくは2個のP原子を含み得るが、但し、各環におけるヘテロ原子の総
数は、4またはそれ未満であり、各環は、少なくとも1つの炭素原子を含む。ある特定の
実施形態において、ヘテロアリールは、5~20個、5~15個または5~10個の環原
子を有する。単環式ヘテロアリール基の例としては、フラニル、イミダゾリル、イソチア
ゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラ
ジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリ
ル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリル、トリアジニルおよびトリアゾリルが挙げられ
るが、これらに限定されない。二環式ヘテロアリール基の例としては、ベンゾフラニル、
ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアジアゾリル
、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フロ
ピリジル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インドリジニル、インドリル、イ
ンダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニ
ル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジニル、フタラジニル、プテリジ
ニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナ
ゾリニル、チアジアゾロピリミジルおよびチエノピリジルが挙げられるが、これらに限定
されない。三環式ヘテロアリール基の例としては、アクリジニル、ベンズインドリル、カ
ルバゾリル、ジベンゾフラニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナントリジニ
ル、フェナルサジニル(phenarsazinyl)、フェナジニル、フェノチアジニ
ル、フェノキサジニルおよびキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されない。ある
特定の実施形態において、ヘテロアリールは、本明細書中の他の箇所に記載されるような
1つまたは複数の置換基Qで、任意選択で置換される。
【0020】
用語「ヘテロシクリル」または「複素環式」とは、少なくとも1つの非芳香環を含む、
一価の単環式非芳香環系および/または一価の多環式環系のことを指し、ここで、それら
の非芳香環原子のうちの1つまたは複数の非芳香環原子は、O、S、NおよびPから独立
して選択されるヘテロ原子であり;残りの環原子は、炭素原子である。ある特定の実施形
態において、ヘテロシクリル基または複素環式基は、3~20個、3~15個、3~10
個、3~8個、4~7個または5~6個の環原子を有する。ヘテロシクリル基は、非芳香
環を通じて分子の残りの部分に結合される。ある特定の実施形態において、ヘテロシクリ
ルは、スピロ、縮合または架橋であり得る、単環式、二環式、三環式または四環式環系で
あり、ここで、窒素原子または硫黄原子は、任意選択で酸化され得、窒素原子は、任意選
択で四級化(quatemized)され得、いくつかの環は、部分的または完全に飽和
していてもよいし、芳香族であってもよい。ヘテロシクリルは、安定した化合物の生成を
もたらす任意のヘテロ原子または炭素原子において主要構造物に結合され得る。そのよう
な複素環式基の例としては、アゼピニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベ
ンゾフラノニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベ
ンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾオキサジニル、13-カルボリ
ニル、クロマニル、クロモニル、シンノリニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル
、ジヒドロベンゾイソチアジニル、ジヒドロベンゾイソオキサジニル、ジヒドロフリル、
ジヒドロイソインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピラジニル
、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1
,4-ジチアニル、フラノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イ
ソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソクロマニル、イ
ソクマリニル、イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホ
リニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、
オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピ
ラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、テトラヒド
ロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル
、チアモルホリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニルおよび1,3,5-トリ
チアニルが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、ヘテロ
シクリルは、本明細書中の他の箇所に記載されるような1つまたは複数の置換基Qで、任
意選択で置換される。
【0021】
用語「アルケン」とは、1つまたは複数の、1つの実施形態では1~5個、別の実施形
態では1個の、炭素-炭素二重結合(複数可)を含む直鎖または分枝鎖の炭化水素のこと
を指し、ここで、そのアルケンは、本明細書中の他の箇所に記載されるような1つまたは
複数の置換基Qで、任意選択で置換される。用語「アルケン」は、当業者によって認識さ
れるような、「cis」もしくは「trans」配置またはそれらの混合物、またはある
いは、「Z」もしくは「E」配置またはそれらの混合物を有する化合物を包含する。例え
ば、C2-6アルケンとは、2~6個の炭素原子の直鎖の不飽和炭化水素または3~6個
の炭素原子の分枝鎖の不飽和炭化水素のことを指す。ある特定の実施形態において、アル
ケンは、2~20個(C2-20)、2~15個(C2-15)、2~10個(C2-1
0)もしくは2~6個(C2-6)の炭素原子の直鎖の炭化水素、または3~20個(C
3-20)、3~15個(C3-15)、3~10個(C3-10)もしくは3~6個(
C3-6)の炭素原子の分枝鎖の炭化水素である。
【0022】
用語「シクロアルケン」とは、1つまたは複数の、1つの実施形態では1~5個、別の
実施形態では1個の、炭素-炭素二重結合(複数可)を含む環状炭化水素のことを指し、
ここで、そのシクロアルケンは、本明細書中の他の箇所に記載されるような1つまたは複
数の置換基Qで、任意選択で置換される。1つの実施形態において、シクロアルケンは、
非芳香族および/またはスピロおよび/または非スピロおよび/または架橋および/また
は非架橋および/または縮合二環式であり得る。ある特定の実施形態において、シクロア
ルケンは、3~20個(C3-20)、3~15個(C3-15)、3~10個(C3-
10)または3~7個(C3-7)の炭素原子を有する。
【0023】
用語「アレーン」とは、少なくとも1つの芳香族炭素環を含む、単環式芳香族化合物お
よび/または多環式芳香族化合物のことを指し、ここで、そのアレーンは、本明細書中の
他の箇所に記載されるような1つまたは複数の置換基Qで、任意選択で置換される。ある
特定の実施形態において、アレーンは、6~20個(C6-20)、6~15個(C6-
15)または6~10個(C6-10)の環原子を有する。用語「アレーン」は、二環式
炭素環または三環式炭素環のことも指し、ここで、それらの環のうちの1つは、芳香族で
あり、その他(複数可)は、飽和、部分不飽和または芳香族であり得る。
【0024】
用語「ヘテロアレーン」とは、少なくとも1つの芳香環を含む、単環式芳香族化合物お
よび/または多環式芳香族化合物のことを指し、ここで、少なくとも1つの芳香環は、O
、S、NおよびPから独立して選択される1つまたは複数のヘテロ原子をその環に含む。
ヘテロアレーンの各環は、1もしくは2個のO原子、1もしくは2個のS原子、1~4個
のN原子および/または1もしくは2個のP原子を含み得るが、但し、各環におけるヘテ
ロ原子の総数は、4またはそれ未満であり、各環は、少なくとも1つの炭素原子を含む。
ある特定の実施形態において、ヘテロアレーンは、5~20個、5~15個または5~1
0個の環原子を有する。ある特定の実施形態において、ヘテロアレーンは、本明細書中の
他の箇所に記載されるような1つまたは複数の置換基Qで、任意選択で置換される。
【0025】
用語「複素環」とは、単環式非芳香環系および/または多環式非芳香環系のことを指し
、ここで、1つまたは複数の非芳香環原子は、ヘテロ原子であり、それらの各々は、独立
して、O、S、NおよびPから選択され;残りの環原子は、炭素原子である。ある特定の
実施形態において、複素環は、3~20個、3~15個、3~10個、3~8個、4~7
個または5~6個の環原子を有する。ある特定の実施形態において、複素環は、スピロ、
縮合または架橋であり得る、単環式、二環式、三環式または四環式環系であり、ここで、
窒素原子または硫黄原子は、任意選択で酸化され得、窒素原子は、任意選択で四級化され
得、いくつかの環は、部分的に飽和していてもよいし、完全に飽和していてもよい。ある
特定の実施形態において、複素環は、本明細書中の他の箇所に記載されるような1つまた
は複数の置換基Qで、任意選択で置換される。
【0026】
用語「アルコール」とは、アルキル-OH、アルケニル-OH、アルキニル-OH、シ
クロアルキル-OH、アリール-OH、アラルキル-OH、ヘテロアリール-OHまたは
ヘテロシクリル-OHのことを指し、ここで、そのアルキル、アルケニル、アルキニル、
シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、それ
ぞれ本明細書中で定義されるとおりである。
【0027】
用語「カルボン酸」とは、アルキル-COOH、アルケニル-COOH、アルキニル-
COOH、シクロアルキル-COOH、アリール-COOH、アラルキル-COOH、ヘ
テロアリール-COOHまたはヘテロシクリル-COOHのことを指し、ここで、そのア
ルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリ
ールおよびヘテロシクリルは、それぞれ本明細書中で定義されるとおりである。
【0028】
用語「カルボン酸エステル」または「エステル」とは、アルキル-COOR’、アルケ
ニル-COOR’、アルキニル-COOR’、シクロアルキル-COOR’、アリール-
COOR’、アラルキル-COOR’、ヘテロアリールCOOR’またはヘテロシクリル
-COOR’のことを指し、各R’は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、
シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルであり;
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、
ヘテロアリールおよびヘテロシクリルは、それぞれ本明細書中で定義されるとおりである
。
【0029】
用語「任意選択で置換される」は、基または置換基(例えば、アルキル、アルケニル、
アルキニル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシク
リル基)が、1つまたは複数の置換基Qで置換され得ることを意味すると意図されており
、それらの置換基Qの各々は、独立して、例えば、(a)オキソ(=O)、ハロ、シアノ
(-CN)およびニトロ(-NO2);(b)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、
C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C1-15アラ
ルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル(これらの各々は、さらに、1つまたは複
数の、1つの実施形態では、1、2、3または4個の、置換基Qaで、任意選択で置換さ
れる);および(c)-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-C
(NRa)NRbRc、-ORa、-OC(O)Ra、-OC(O)ORa、-OC(O
)NRbRc、-OC(=NRa)NRbRc、-OS(O)Ra、-OS(O)2Ra
、-OS(O)NRbRc、-OS(O)2NRbRc、-NRbRc、-NRaC(O
)Rd、-NRaC(O)ORd、-NRaC(O)NRbRc、-NRaC(=NRd
)NRbRc、-NRaS(O)Rd、-NRaS(O)2Rd、-NRaS(O)NR
bRc、-NRaS(O)2NbRc、-P(O)RaRd、-P(O)(ORa)Rd
、-P(O)(ORa)(ORd)、-SRa-S(O)Ra、-S(O)2Ra、-S
(O)NRbRcおよび-S(O)2NRbRc(ここで、Ra、Rb、ReおよびRd
は、それぞれ独立して、(i)水素;(ii)C1-6アルキル、C2-6アルケニル、
C2-6アルキニル、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、C7-15アラ
ルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル(これらの各々は、1つまた複数の、1つ
の実施形態では、1、2、3または4個の、置換基Qaで、任意選択で置換される);ま
たは(iii)結合しているN原子と一体となってヘテロアリールまたはヘテロシクリル
を形成するRbおよびRe(このRbおよびReの各々は、1つまたは複数の、1つの実
施形態では、1、2、3または4個の、置換基Qaで、任意選択で置換される)である)
から選択される。本明細書中で使用されるとき、別段特定されない限り、置換され得るす
べての基が、「任意選択で置換される」。
【0030】
用語「同位体的に富化された」とは、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を
有する原子のことを指す。「同位体的に富化された」は、その原子の天然の同位体組成以
外の同位体組成を有する少なくとも1つの原子を含む化合物のことも指し得る。
【0031】
本明細書中に提供される化合物に関して、特定の原子位置が、重水素または「D」を有
すると明示されるとき、その位置における重水素の存在度は、重水素の天然存在度(約0
.015%である)よりも実質的に高いと理解される。重水素を有すると明示される位置
は、代表的には、特定の実施形態では、明示された各重水素位置に、少なくとも1000
(15%の重水素の取り込み)、少なくとも2000(30%の重水素の取り込み)、少
なくとも3000(45%の重水素の取り込み)、少なくとも3500(52.5%の重
水素の取り込み)、少なくとも4000(60%の重水素の取り込み)、少なくとも45
00(67.5%の重水素の取り込み)、少なくとも5000(75%の重水素の取り込
み)、少なくとも5500(82.5%の重水素の取り込み)、少なくとも6000(9
0%の重水素の取り込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素の取り込み)、少
なくとも6466.7(97%の重水素の取り込み)、少なくとも6600(99%の重
水素の取り込み)または少なくとも6633.3(99.5%の重水素の取り込み)とい
う最小の同位体富化係数(isotopic enrichment factor)を
有する。
【0032】
本明細書中に提供される化合物の同位体富化は、質量分析、核磁気共鳴分光法および結
晶学をはじめとした当業者に公知の従来の分析方法を用いて決定され得る。
【0033】
薬物動態(「PK」)プロファイル、薬力学(「PD」)プロファイルおよび毒性プロ
ファイルを改善するための医薬の同位体富化(例えば、重水素化)は、一部のクラスの薬
物で以前に実証されている。例えば、Lijinskyら、Food Cosmet.T
oxicol.,20:393(1982);Lijinskyら、J.Nat.Can
cer Inst.,69:1127(1982);Mangoldら、Mutatio
n Res.308:33(1994);Gordonら、Drug Metab.Di
spos.,15:589(1987);Zelloら、Metabolism,43:
487(1994);Gatelyら、J.Nucl.Med.,27:388(198
6);Wade D,Chem.Biol.Interact.117:191(199
9)を参照のこと。
【0034】
薬物の同位体富化は、例えば、(1)望まれない代謝産物を減少させるためもしくは排
除するため、(2)親薬物の半減期を延長するため、(3)所望の効果を達成するために
必要な投薬回数を減少させるため、(4)所望の効果を達成するために必要な投薬量を減
少させるため、(5)少しでも形成される場合、活性な代謝産物の形成を増加させるため
、ならびに/あるいは(6)特定の組織において有害な代謝産物の生成を減少させるため
、および/または併用療法が意図されているかいないかに関わらず併用療法にとってより
有効な薬物および/もしくはより安全な薬物を生成するために使用され得る。
【0035】
ある原子をその同位体のうちの1つの代わりに用いると、化学反応の反応速度が変化す
ることが多い。この現象は、速度論的同位体効果(「KIE」)として知られている。例
えば、C-H結合が、ある化学反応の律速段階(すなわち、最も高い遷移状態エネルギー
を有する段階)において壊れる場合、その水素の代わりに重水素を用いると、反応速度が
低下し、そのプロセスは、減速する。この現象は、重水素速度論的同位体効果(「DKI
E」)として知られている(例えば、Fosterら、Adv.Drug Res.,v
ol.14,pp.1-36(1985);Kushnerら、Can.J.Physi
ol.Pharmacol.,vol.77,pp.79-88(1999)を参照のこ
と)。
【0036】
DKIEの規模は、C-H結合が壊れる所与の反応の速度と、水素の代わりに重水素を
用いた同じ反応の速度との間の比として表現され得る。DKIEは、約1(同位体効果な
し)から非常に大きな数値(例えば、50またはそれより大きな数値(これは、水素の代
わりに重水素を用いたとき、その反応が50倍またはそれを上回って遅くなり得ることを
意味する))の範囲に及び得る。高DKIE値は、不確定性原理の結果であるトンネリン
グとして知られる現象に部分的に起因し得る。トンネリングは、水素原子の小さい質量が
原因であるとされており、プロトンが関わる遷移状態が、時折、必要とされる活性化エネ
ルギーの非存在下において生じ得るので、トンネリングが生じる。重水素は、水素よりも
大きな質量を有するので、この現象を起こす確率が統計的にかなり低い。
【0037】
トリチウム(「T」)は、研究、核融合炉、中性子発生装置および放射性医薬品におい
て使用される、水素の放射性同位体である。トリチウムは、2つの中性子を核に有し、3
に近い原子量を有する、水素原子である。トリチウムは、天然には環境中に非常に低い濃
度で存在し、最も一般的には、T2Oとして見出される。トリチウムは、ゆっくり崩壊し
(半減期=12.3年)、ヒトの皮膚の外層を透過できない低エネルギーベータ粒子を放
出する。内部被曝が、この同位体に関連する主な害であるが、有意な健康上のリスクをも
たらすためには、大量に摂取されなければならない。重水素と比べて、トリチウムは、危
険なレベルに到達するまでに、より少ない量が消費されるはずである。水素の代わりにト
リチウム(「T」)を用いることによって、重水素よりもさらに強い結合がもたらされ、
数値的により大きな同位体効果がもたらされる。同様に、他の元素の代わりに同位体を用
いること(炭素の代わりの13Cまたは14C、硫黄の代わりの33S、34Sまたは3
6S、窒素の代わりの15N、および酸素の代わりの17Oまたは18Oが挙げられるが
これらに限定されない)によって、同様の速度論的同位体効果がもたらされ得る。
【0038】
例えば、おそらく塩化トリフルオロアセチルなどの反応種の生成を制限することによっ
て、ハロタンの肝毒性を低下させるために、DKIEが用いられた。しかしながら、この
方法は、すべての薬物クラスに当てはまらない可能性がある。例えば、重水素の取り込み
は、代謝スイッチングをもたらし得る。代謝スイッチングの概念は、異物(xenoge
n)が、第I相酵素によって隔離されたとき、一過性に結合し、種々の立体配座で再結合
した後、化学反応(例えば、酸化)を生じ得ると主張する。この仮説は、多くの第I相酵
素における比較的大きなサイズの結合ポケットおよび多くの代謝反応の無差別な(pro
miscuous)性質によって支持される。代謝スイッチングは、潜在的に異なる比率
の公知の代謝産物ならびに全く新しい代謝産物をもたらし得る。この新しい代謝プロファ
イルは、多かれ少なかれ毒性をもたらし得る。
【0039】
動物の身体は、治療薬などの外来物質をその循環系から排除する目的で種々の酵素を発
現する。そのような酵素の例としては、これらの外来物質と反応してこれらの外来物質を
腎排泄に向けてより極性の中間体または代謝産物に変換するための、シトクロムP450
酵素(「CYP」)、エステラーゼ、プロテアーゼ、レダクターゼ、デヒドロゲナーゼお
よびモノアミンオキシダーゼが挙げられる。薬学的化合物の最も一般的な代謝反応のいく
つかは、炭素-水素(C-H)結合を炭素-酸素(C-O)または炭素-炭素(C-C)
π結合のいずれかに酸化することを含む。得られる代謝産物は、生理学的条件下において
安定である場合もあるし、不安定である場合もあり、親化合物と比べて実質的に異なる薬
物動態学的プロファイル、薬力学的プロファイルならびに急性毒性プロファイルおよび長
期毒性プロファイルを有し得る。多くの薬物の場合、そのような酸化は、速い。ゆえに、
これらの薬物は、複数用量の投与または高い日用量の投与を必要とすることが多い。
【0040】
ゆえに、本明細書中に提供される化合物のある特定の位置における同位体富化は、天然
の同位体組成を有する同様の化合物と比較して、本明細書中に提供される化合物の薬物動
態学的プロファイル、薬理学的プロファイルおよび/または毒物学的プロファイルに影響
する検出可能なKIEをもたらし得る。
【0041】
用語「同位体バリアント」とは、治療薬を構成する1つまたは複数の原子において非天
然の比率の同位体を含む、そのような治療薬のことを指す。ある特定の実施形態において
、「同位体バリアント」の治療薬は、非天然の比率の1つまたは複数の同位体を含み、そ
れらの同位体としては、水素(1H)、重水素(2H)、トリチウム(3H)、炭素-1
1(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C)、
窒素-13(13N)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-14(1
4O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-
18(18O)、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)、リン-31(31
P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-32(32S)、硫黄-3
3(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S)、
塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-7
9(79Br)、臭素-81(81Br)、ヨウ素123(123I)、ヨウ素-125
(125I)、ヨウ素-127(127I)、ヨウ素-129(129I)およびヨウ素
-131(131I)が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態にお
いて、「同位体バリアント」の治療薬は、非天然の比率の1つまたは複数の同位体を含み
、それらの同位体としては、水素(1H)、重水素(2H)、トリチウム(3H)、炭素
-11(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C
)、窒素-13(13N)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-14
(14O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸
素-18(18O)、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)、リン-31(
31P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-32(32S)、硫黄
-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S
)、塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素
-79(79Br)、臭素-81(81Br)、ヨウ素123(123I)、ヨウ素-1
25(125I)、ヨウ素-127(127I)、ヨウ素-129(129I)およびヨ
ウ素-131(131I)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
当業者の判断に従って実施可能である場合、ある治療薬において、任意の水素が、例え
ば2Hであり得るか、または任意の炭素が、例えば13Cであり得るか、または任意の窒
素が、例えば15Nであり得るか、または任意の酸素が、例えば18Oであり得ることが
理解される。ある特定の実施形態において、「同位体バリアント」の治療薬は、非天然の
比率の重水素(D)を含む。
【0043】
本明細書および添付の請求項において使用されるとき、不定冠詞「a」および「an」
ならびに定冠詞「the」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、単数の指示対
象のみならず複数の指示対象も含む。
【0044】
用語「約」または「およそ」は、当業者が決定したときの特定の値に対する許容され得
る誤差を意味し、それは、その値がどのように測定または決定されたかに部分的に依存す
る。ある特定の実施形態において、用語「約」または「およそ」は、1、2、3または4
標準偏差以内を意味する。ある特定の実施形態において、用語「約」または「およそ」は
、所与の値または範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、
6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%または0.05%以内を意味する。ある
特定の実施形態において、温度に関する「約」または「およそ」は、±0.5℃以内を意
味する。
【0045】
用語「溶媒和物」とは、化学量論量または非化学量論量で存在する、1つまたは複数の
溶質の分子、例えば、本明細書中に提供される化合物、および1つまたは複数の溶媒の分
子によって形成される複合体または凝集物のことを指す。好適な溶媒としては、水、メタ
ノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールおよび酢酸が挙げられるが、
これらに限定されない。ある特定の実施形態において、溶媒は、薬学的に許容され得る溶
媒である。1つの実施形態において、その複合体または凝集物は、結晶形態である。別の
実施形態において、その複合体または凝集物は、非結晶形態である。溶媒が、水である場
合、溶媒和物は、水和物である。水和物の例としては、半水和物、一水和物、二水和物、
三水和物、四水和物および五水和物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
化合物の「結晶形態」という用語は、遊離酸としての化合物の、遊離塩基としての化合
物の、化合物の酸付加塩、化合物の塩基付加塩、化合物の複合体、化合物の溶媒和物(水
和物を含む)または化合物の共結晶としての、任意の結晶形態のことを指し得る。化合物
の「固体形態」という用語は、化合物の任意の結晶形態、または遊離酸としての化合物の
、遊離塩基としての化合物の、化合物の酸付加塩、化合物の塩基付加塩、化合物の複合体
、または化合物の溶媒和物(水和物を含む)としての、任意の非晶質形態、または化合物
の共沈殿物のことを指し得る。多くの場合において、用語「結晶形態」および「固体形態
」は、薬学的に許容され得る結晶形態および固体形態(例えば、薬学的に許容され得る付
加塩、薬学的に許容され得る複合体、薬学的に許容され得る溶媒和物、薬学的に許容され
得る共結晶および薬学的に許容され得る共沈殿物の結晶形態および固体形態を含む)のこ
とを指し得る。
【0047】
用語「多動障害」または「多動運動障害」または「多動」とは、過剰で異常な不随意運
動を特徴とする障害または疾患のことを指す。これらの神経障害としては、振戦、ジスト
ニア、バリズム、チック、静座不能、常同症、舞踏病、ミオクローヌスおよびアテトーシ
スが挙げられるがこれらに限定されない。
【0048】
用語「VMAT2」とは、モノアミン、特に、神経伝達物質(例えば、ドーパミン、ノ
ルエピネフリン、セロトニンおよびヒスタミン)を細胞のサイトゾルからシナプス小胞内
に輸送するように作用する内在性膜タンパク質であるヒトモノアミントランスポーターア
イソフォーム2のことを指す。
【0049】
「薬学的に許容され得る塩」とは、その生物学的特性を保持し、薬学的使用にとって毒
性でないかまたはそうでなければ望ましくなくない、本明細書中に提供される化合物の任
意の塩のことを指す。そのような塩は、当該分野で周知の種々の有機対イオンおよび無機
対イオンから得られ得る。そのような塩としては、(1)有機酸または無機酸(例えば、
塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ト
リクロロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸
、グルタル酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、
リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシ
ベンゾイル)安息香酸、ピクリン酸、桂皮酸、マンデル酸、フタル酸、ラウリン酸、メタ
ンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンス
ルホン酸、4-トルエンスルホン酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、4-メチル
ビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-
フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコ
ン酸、安息香酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、シ
クロヘキシルスルファミン酸、キナ酸、ムコン酸などの酸)と形成される酸付加塩;また
は(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、(a)金属イオン、例えば、アルカリ金属
イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオン、またはアルカリ金属水酸化物
もしくはアルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化亜鉛
および水酸化バリウム)、アンモニアによって置き換えられるか、または(b)有機塩基
(例えば、脂肪族、脂環式または芳香族の有機アミン(例えば、アンモニア、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリ
ン、N,N’-ジベンジルエチレン-ジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン
、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、N-メチルグルカミン ピペラジン、ト
リス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウムなど))と
配位するかのいずれかの場合に形成される塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
薬学的に許容され得る塩の単なる例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩など、および化合
物が塩基性官能基を含むときは、無毒性の有機酸または無機酸の塩(例えば、ヒドロハラ
イド(hydrohalide)、例えば、塩酸塩および臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、スルファミン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、ヘキサン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、グリコール酸塩、グルタル
酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ソルビン酸塩、アスコルビン酸
塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、3-
(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸塩、ピクリン酸塩、桂皮酸塩、マンデル酸塩、フ
タル酸塩、ラウリン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩、1
,2-エタン-ジスルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン
酸塩(ベシル酸塩)、4-クロロベンゼンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、
4-トルエンスルホン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、4-メチルビシ
クロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸塩、グルコヘプトン酸塩、3-
フェニルプロピオン酸塩、トリメチル酢酸塩、tert-ブチル酢酸塩、ラウリル硫酸塩
、グルコン酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチル酸塩
、ステアリン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩、ムコン酸塩など)が挙
げられるが、これらに限定されない。
【0051】
用語「アミノ酸」とは、天然に存在するアミノ酸、および合成のα、β、γまたはδア
ミノ酸のことを指し、それらとしては、タンパク質に見出されるアミノ酸、すなわち、グ
リシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、
トリプトファン、プロリン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン
、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニンおよびヒスチジンが
挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、アミノ酸は、L-配置
である。あるいは、アミノ酸は、アラニル、バリニル、ロイシニル、イソロイシニル(is
oleuccinyl)、プロリニル、フェニルアラニニル(phenylalaninyl)、ト
リプトファニル、メチオニニル(methioninyl)、グリシニル、セリニル、ト
レオニニル、システイニル、チロシニル、アスパラギニル、グルタミニル、アスパルトイ
ル、グルタロイル、リシニル、アルギニル(argininyl)、ヒスチジニル、β-
アラニル、β-バリニル、β-ロイシニル、β-イソロイシニル、β-プロリニル、β-
フェニルアラニル、β-トリプトファニル、β-メチオニニル、β-グリシニル、β-セ
リニル、β-トレオニル、β-システイニル、β-チロシニル、β-アスパラギニル、β
-グルタミニル、β-アスパルトイル、β-グルタロイル、β-リジニル、β-アルギニ
ルまたはβ-ヒスチジニルの誘導体であり得る。
【0052】
用語「実質的に含まない」は、ある化合物を「実質的に含まない」組成物について言及
しているとき、その組成物が、約20重量%以下の、約10重量%以下の、約5重量%以
下の、約3重量%以下の、約1重量%以下の、約0.5重量%以下の、約0.2重量%以
下の、約0.1重量%以下の、約0.01重量%以下の、約0.001重量%以下の、ま
たは約0.0001重量%以下の、その化合物を含むことを意味している。
【0053】
用語「実質的に純粋な」は、ある化合物または組成物について言及しているとき、その
化合物または組成物が、約80重量%以上、約90重量%以上、約95重量%以上、約9
6重量%以上、約97重量%以上、約98重量%以上、約99重量%以上、約99.5重
量%以上、約99.9重量%以上、約99.95重量%以上、約99.99重量%以上、
約99.995重量%以上、約99.999重量%以上(g no less than)、約99.9
995重量%以上または約99.9999重量%以上の純度を有することを意味する。
【0054】
用語「プロセス」および「方法」は、化合物を調製するための本明細書中に開示される
方法のことを指すために交換可能に使用される。当業者に周知の、本明細書中に開示され
るプロセスおよび方法に対する改変(例えば、出発材料、試薬、保護基、溶媒、温度、反
応時間および/または精製)も、本開示に包含される。
【0055】
用語「加える」「反応させる」および「混合する」は、1つの反応成分(reactant)、
試薬、溶媒、触媒または反応基を、別の反応成分、試薬、溶媒、触媒または反応基と接触
させることを指すために交換可能に使用される。別段特定されない限り、反応成分、試薬
、溶媒、触媒および反応基は、個別に、同時に、もしくは別々に加えられ得、かつ/また
は任意の順序で加えられ得る。それらは、熱の存在下または非存在下において加えられ得
、任意選択で、不活性雰囲気(例えば、N2またはAr)下で加えられ得る。ある特定の
実施形態において、用語「反応させる」とは、反応基が同じ分子に存在する場合、インサ
イチュ形成または分子内反応のことも指し得る。
【0056】
用語「実質的に完了する」は、反応について言及しているとき、その反応物(reaction
)が、約50%以下の、約40%以下の、約30%以下の、約20%以下の、約10%以
下の、約5%以下の、約4%以下の、約3%以下の、約2%以下の、約1%以下の、約0
.5%以下の、約0.1%以下の、または約0.05%以下の残留出発材料を含むことを
意味する。
【0057】
ある構造またはその一部の立体化学が、例えば太線または破線で示されていない場合、
その構造またはその一部は、その構造のすべての立体異性体を包含していると解釈される
べきである。
【0058】
句「その薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物または多形」は、句「そこに言及
されている化合物の薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物もしくは多形;またはそ
こに言及されている化合物のエナンチオマーもしくはエナンチオマー混合物の薬学的に許
容され得る塩、溶媒和物、水和物もしくは多形」と同じ意味を有する。
プロセス
【0059】
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少なくとも約95%の純度で
調製するための方法が、本明細書中に提供される。ある特定の実施形態において、本明細
書中に提供される方法は、安全で、効率的で、費用効果が高く、かつ/または容易に拡張
可能である。ある特定の実施形態において、本明細書中に提供される方法は、(S)-(
2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7
,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミ
ノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学的に
許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形の大規模なまたは商業的な生成に適している
。
【0060】
1つの実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,
10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1
-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベン
ゼンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少
なくとも約95%の純度で調製するための方法が、本明細書中に提供され、その方法は、
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,
4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イ
ル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-(2R,3R,11bR)-
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-
1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエー
トジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水
和物もしくは多形に変換する工程を含む。
【0061】
1つの実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,
10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1
-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,
7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-ア
ミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)に変換する工程は
、(a)(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-
2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン
-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を塩基と反応させる工程、およ
び(b)(a)の生成物をp-トルエンスルホン酸と反応させる工程を含む。
【0062】
別の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩は、第1の溶
媒中で塩基と接触される。
【0063】
ある特定の実施形態において、上記塩基は、無機塩基を含む。いくつかの実施形態にお
いて、上記塩基は、炭酸塩基を含む。いくつかの実施形態において、上記塩基は、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウムを含む。いくつか
の実施形態において、上記塩基は、炭酸水素ナトリウムである。
【0064】
いくつかの実施形態において、工程(a)(すなわち、(S)-(2R,3R,11b
R)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒ
ドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタ
ノエート二塩酸塩を塩基と反応させる工程)における溶媒は、炭化水素、塩素化炭化水素
、アルコール、エーテル、エステル、カーボネート、アミド、ニトリル、スルホキシド、
スルホン、ニトロ化合物、ヘテロアレーン、複素環、水またはそれらの混合物である。あ
る特定の実施形態において、その溶媒は、塩素化炭化水素である。なおも他の実施形態に
おいて、その溶媒は、ジクロロメタンである。
【0065】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩と塩基
との反応は、約0~約30℃、約5~約25℃、約5~約20℃の範囲の温度において行
われる。いくつかの実施形態において、その反応は、約20~約30℃の範囲の温度にお
いて行われる。なおも他の実施形態において、その反応は、約25℃の温度において行わ
れる。
【0066】
別の実施形態において、(a)の生成物とp-トルエンスルホン酸(p-toluen
sufonic acid)との反応は、第2の溶媒中で行われる。
【0067】
いくつかの実施形態において、上記溶媒は、炭化水素、塩素化炭化水素、アルコール、
エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アミド、ニトリル、スルホキシド、スルホ
ン、ニトロ化合物、ヘテロアレーン、複素環、カルボン酸、ホスホルアミド、硫化炭素、
水またはそれらの混合物である。
【0068】
ある特定の実施形態において、上記溶媒は、石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クメン、ジクロロメタン(DCM)、
1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、1,2-ジクロロエテン、クロロホ
ルム、トリクロロエタン、トリクロロエテン、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフルオ
ロメチルベンゼン、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1-プロパ
ノール、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、3-メチル-1-ブタノー
ル、1-ペンタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレング
リコール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(M
TBE)、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ビ(2-メトキシエチル)
エーテル、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソール、アセ
トン、ブタノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルブ
チルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭
酸プロピレン、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメ
チルアセトアミド、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ス
ルホラン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、N-メチルピロリドン(methyl py
rrolindone)、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン(THF
)、ジオキサン、ピリジン、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサメ
チルホスホルアミド、硫化炭素、水;またはそれらの混合物である。
【0069】
ある特定の実施形態において、上記溶媒は、塩素化炭化水素、ニトリルまたはそれらの
混合物である。他の実施形態において、上記溶媒は、ジクロロメタン、アセトニトリルま
たはそれらの混合物である。なおも他の実施形態において、上記溶媒は、ジクロロメタン
とアセトニトリルとの混合物である。なおも他の実施形態において、上記溶媒は、アセト
ニトリルである。
【0070】
ある特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対アセトニトリルの体積比は、
約1~約100、約2~約50、約5~約50、約5~約25、約10~約25または約
15~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対ア
セトニトリルの体積比は、約1~約100の範囲である。ある特定の実施形態において、
p-トルエンスルホン酸対アセトニトリルの体積比は、約2~約50の範囲である。ある
特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対アセトニトリルの体積比は、約5~
約50の範囲である。ある特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対アセトニ
トリルの体積比は、約5~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、p-トル
エンスルホン酸対アセトニトリルの体積比は、約10~約25の範囲である。ある特定の
実施形態において、p-トルエンスルホン酸対アセトニトリルの体積比は、約15~約2
5の範囲である。ある特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対アセトニトリ
ルの体積比は、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約
23、約24または約25である。
【0071】
1つの実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,
10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1
-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,
7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-ア
ミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)に変換する工程は
、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩をp-トルエンスルホン酸と反応させ
る工程を含む。
【0072】
別の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-(
2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7
,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミ
ノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)に変換する工程は、
溶媒を含む。
【0073】
ある特定の実施形態において、上記溶媒は、石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クメン、ジクロロメタン(DCM)、
1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエテン、1,2-ジクロロエテン、クロロホ
ルム、トリクロロエタン、トリクロロエテン、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフルオ
ロメチルベンゼン、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1-プロパ
ノール、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、3-メチル-1-ブタノー
ル、1-ペンタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレング
リコール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(M
TBE)、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ビ(2-メトキシエチル)
エーテル、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソール、アセ
トン、ブタノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルブ
チルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭
酸プロピレン、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメ
チルアセトアミド、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ス
ルホラン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、N-メチルピロリドン、2-メチルテトラヒ
ドロフラン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ピリジン、ギ酸、酢酸、トリ
クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサメチルホスホルアミド、硫化炭素、水;またはそ
れらの混合物である。
【0074】
ある特定の実施形態において、上記溶媒は、炭化水素、ニトリルまたはそれらの混合物
である。他の実施形態において、上記溶媒は、酢酸エチル、アセトニトリルまたはそれら
の混合物である。なおも他の実施形態において、上記溶媒は、酢酸エチルである。
【0075】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S
)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2
-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)に変換する工
程は、約15~約70℃、約20~約70℃、約25~約70℃の範囲の温度において行
われる。なおも別の実施形態において、その反応は、約70℃の温度において行われる。
【0076】
ある特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対(S)-(2R,3R,11
bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサ
ヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブ
タノエート二塩酸塩のモル比は、約0.1~約10、約0.2~約5、約0.5~約5、
約1~約4、約1~約3または約1~約2の範囲である。ある特定の実施形態において、
p-トルエンスルホン酸対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩のモル比は、
約1~約4の範囲である。ある特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対(S
)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2
-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩のモル比は、約4、約4.1、約4.2、約
4.3、約4.4または約4.5である。ある特定の実施形態において、p-トルエンス
ルホン酸対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩のモル比は、約約4、約4.
1または約4.2である。ある特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対(S
)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2
-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩のモル比は、約4である。ある特定の実施形
態において、p-トルエンスルホン酸対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブ
チル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩
のモル比は、約4.1である。ある特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,
4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イ
ル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩のモル比は、約4.2である。いくつか
の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対(S)-(2R,3R,11bR)-3
-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1
H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート
二塩酸塩のモル比は、約4.5である。ある特定の実施形態において、p-トルエンスル
ホン酸対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-
2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン
-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩のモル比は、約1~約3の範囲
である。ある特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対(S)-(2R,3R
,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-
ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メ
チルブタノエート二塩酸塩のモル比は、約1~約2の範囲である。ある特定の実施形態に
おいて、p-トルエンスルホン酸対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル
-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[
2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩のモ
ル比は、約2、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4または約2.5である。ある特
定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対(S)-(2R,3R,11bR)-
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-
1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエー
ト二塩酸塩のモル比は、約約2、約2.1または約2.2である。ある特定の実施形態に
おいて、p-トルエンスルホン酸対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル
-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[
2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩のモ
ル比は、約2である。ある特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対(S)-
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,
7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-ア
ミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩のモル比は、約2.1である。ある特定の実施形
態において、p-トルエンスルホン酸対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブ
チル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩
のモル比は、約2.2である。いくつかの実施形態において、p-トルエンスルホン酸対
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,
4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イ
ル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩のモル比は、約2.5である。
【0077】
別の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩とp-トルエ
ンスルホン酸との反応は、約0~約100℃、約5~約90℃、約5~約80℃、約10
~約70℃、約10~約60℃、約10~約50℃、約10~約40℃、約10~約30
℃の範囲の温度において行われる。いくつかの実施形態において、(S)-(2R,3R
,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-
ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メ
チルブタノエート二塩酸塩とp-トルエンスルホン酸との反応は、約20~約60℃、約
30~約60℃、約40~約60℃、約50~約60℃の範囲の温度において行われる。
なおも他の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9
,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,
1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩とp-ト
ルエンスルホン酸との反応は、約40~約50℃、約45~約50℃、約40~約55℃
、約45~約55℃の範囲の温度において行われる。別の実施形態において、(S)-(
2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7
,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミ
ノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩とp-トルエンスルホン酸との反応は、約50℃の
温度において行われる。
【0078】
1つの実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,
10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1
-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,
7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-ア
ミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)に変換する工程は
、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を単離する工程を含む。
【0079】
なおも別の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S
)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2
-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)に変換する工
程は、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を単離せずに行われる。
【0080】
ある特定の実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される(S)
-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-
アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学
的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形は、約95重量%以上、約96重量%以
上、約97重量%以上、約97.5重量%以上、約98重量%以上、約98.5重量%以
上、約99重量%以上、約99.5重量%以上、約99.6重量%以上、約99.7重量
%以上、約99.8重量%以上または約99.9重量%以上の純度を有する。
【0081】
他の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼ
ンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少な
くとも約95%の純度で調製するための方法が、本明細書中に提供され;その方法は、(
S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4
,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル
2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を塩基と反応させる工程の前に、(S)-
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,
7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-ア
ミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を形成するのに適した条件下で、脱保護工程を介
して(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,
3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2
-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを反
応させる工程を含む。
【0082】
他の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼ
ンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少な
くとも約95%の純度で調製するための方法が、本明細書中に提供され;その方法は、(
S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4
,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル
2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩をp-トルエンスルホン酸(p-tole
nesulfonic acid)と反応させる工程の前に、(S)-(2R,3R,1
1bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキ
サヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチル
ブタノエート二塩酸塩を形成するのに適した条件下で、脱保護工程を介して(S)-(2
R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,
11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((t
ert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを反応させる工程を含
む。
【0083】
いくつかの実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-
3-メチルブタノエートの脱保護工程は、酸の存在下において行われる。ある特定の実施
形態において、その酸は、無機酸である。いくつかの実施形態において、その酸は、塩化
水素の溶液を含む。いくつかの実施形態において、その酸は、塩化水素・エーテル溶液(
a solutionofhydrogen chloride in an ether)を含む。いくつかの実施形態において
、その酸は、塩化水素・ジオキサン溶液(a solution of hydrogen chloride in dioxane
)を含む。
【0084】
いくつかの実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-
3-メチルブタノエートの脱保護工程は、溶媒の存在下において行われる。
【0085】
いくつかの実施形態において、上記溶媒は、炭化水素、塩素化炭化水素、アルコール、
エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アミド、ニトリル、スルホキシド、スルホ
ン、ニトロ化合物、ヘテロアレーン、複素環、カルボン酸、ホスホルアミド、硫化炭素、
水またはそれらの混合物である。ある特定の実施形態において、上記溶媒は、塩素化炭化
水素である。ある特定の実施形態において、上記溶媒は、ジクロロメタンである。
【0086】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-
3-メチルブタノエートの脱保護工程は、約0~約25℃、約0~約30℃、約5~約2
5℃、約5~約20℃の範囲の温度において行われる。いくつかの実施形態において、そ
の反応は、約20~約30℃の範囲の温度において行われる。なおも他の実施形態におい
て、その反応は、約25℃の温度において行われる。
【0087】
いくつかの実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を形成
するための(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエー
トの反応は、塩基を加える工程をさらに含む。
【0088】
ある特定の実施形態において、上記塩基は、無機塩基を含む。いくつかの実施形態にお
いて、上記塩基は、炭酸塩基を含む。いくつかの実施形態において、上記塩基は、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウムを含む。いくつか
の実施形態において、上記塩基は、炭酸水素ナトリウムである。
【0089】
なおも別の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を形成
するための(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエー
トの反応は、水溶液から溶媒を分離する工程をさらに含む。ある特定の実施形態において
、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を形成するための(S)-(2R,3
R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b
-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert
-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートの反応は、第2の溶媒を加え
る工程をさらに含む。
【0090】
いくつかの実施形態において、第2の溶媒は、石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クメン、ジクロロメタン(DCM)
、1,2-ジクロロエタン、1、1-ジクロロエテン、1,2-ジクロロエテン、クロロ
ホルム、トリクロロエタン、トリクロロエテン、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフル
オロメチルベンゼン、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1-プロ
パノール、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、3-メチル-1-ブタノ
ール、1-ペンタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレン
グリコール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(
MTBE)、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ビ(2-メトキシエチル
)エーテル、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソール、ア
セトン、ブタノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチル
ブチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、
炭酸プロピレン、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジ
メチルアセトアミド、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、
スルホラン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、N-メチルピロリドン、2-メチルテトラ
ヒドロフラン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ピリジン、ギ酸、酢酸、ト
リクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサメチルホスホルアミド、硫化炭素、水;または
それらの混合物である。
【0091】
ある特定の実施形態において、第2の溶媒は、塩素化炭化水素、ニトリルまたはそれら
の混合物である。他の実施形態において、その溶媒は、ジクロロメタン、アセトニトリル
またはそれらの混合物である。なおも他の実施形態において、その溶媒は、ジクロロメタ
ン、アセトニトリルまたはそれらの混合物である。なおも他の実施形態において、その溶
媒は、ジクロロメタンである。
【0092】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を形成
するための(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエー
トの反応は、酸を加える工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、その酸は、塩
化水素の溶液を含む。いくつかの実施形態において、その酸は、塩化水素・エーテル溶液
を含む。いくつかの実施形態において、その酸は、塩化水素・ジオキサン溶液を含む。い
くつかの実施形態において、その酸は、塩化水素・C1-6アルコール溶液(a solution
ofhydrogenchloride in a C1-6 alcohol)を含む。
【0093】
ある特定の実施形態において、C1-6アルコールは、第一級または第二級C1-6ア
ルコールであり、その各々は、1つまたは複数の置換基Qで、任意選択で置換される。あ
る特定の実施形態において、C1-6アルコールは、1つまたは複数の置換基Qで、任意
選択で置換される第一級C1-6アルコールである。ある特定の実施形態において、水素
供与体は、1つまたは複数の置換基Qで、任意選択で置換される第二級C1-6アルコー
ルである。ある特定の実施形態において、水素供与体は、メタノール、エタノール、プロ
パン-1-オール、プロパン-2-オール(IPA)、ブタン-1-オール、ブタン-2
-オール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、メントール
またはそれらの混合物である。1つの実施形態において、C1-6アルコールは、プロパ
ン-2-オールである。
【0094】
いくつかの実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を形成
するための(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエー
トの反応は、別の溶媒を加える工程をさらに含む。
【0095】
ある特定の実施形態において、上記溶媒は、塩素化炭化水素、ニトリル、エステルまた
はそれらの混合物である。他の実施形態において、上記溶媒は、ニトリルである。なおも
他の実施形態において、上記溶媒は、アセトニトリルである。
【0096】
ある特定の実施形態において、塩化水素対ジクロロメタンの体積比は、約1~約100
、約2~約50、約5~約50、約5~約25、約10~約25または約15~約25の
範囲である。ある特定の実施形態において、塩化水素対ジクロロメタンの体積比は、約1
~約100の範囲である。ある特定の実施形態において、塩化水素対ジクロロメタンの体
積比は、約2~約50の範囲である。ある特定の実施形態において、塩化水素対ジクロロ
メタンの体積比は、約5~約50の範囲である。ある特定の実施形態において、塩化水素
対ジクロロメタンの体積比は、約5~約25の範囲である。ある特定の実施形態において
、塩化水素対ジクロロメタンの体積比は、約10~約25の範囲である。ある特定の実施
形態において、塩化水素対ジクロロメタンの体積比は、約15~約25の範囲である。あ
る特定の実施形態において、p-トルエンスルホン酸対アセトニトリルの体積比は、約1
5~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、塩化水素対ジクロロメタンの体
積比は、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、
約24または約25である。
【0097】
ある特定の実施形態において、塩化水素対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イ
ソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-
ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)
アミノ)-3-メチルブタノエートのモル比は、約0.1~約10、約0.2~約5、約
0.5~約5の範囲である。ある特定の実施形態において、塩化水素対(S)-(2R,
3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11
b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((ter
t-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートのモル比は、約0.1~約
5の範囲である。ある特定の実施形態において、塩化水素対(S)-(2R,3R,11
bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサ
ヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキ
シカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートのモル比は、約0.2~約5の範囲で
ある。ある特定の実施形態において、塩化水素対(S)-(2R,3R,11bR)-3
-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1
H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニ
ル)アミノ)-3-メチルブタノエートのモル比は、約0.5~約5の範囲である。ある
特定の実施形態において、塩化水素対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチ
ル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド
[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ
)-3-メチルブタノエートのモル比は、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4また
は約5.5である。ある特定の実施形態において、塩化水素対(S)-(2R,3R,1
1bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキ
サヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブト
キシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートのモル比は、約5、約5.1または
約5.2である。ある特定の実施形態において、塩化水素対(S)-(2R,3R,11
bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサ
ヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキ
シカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートのモル比は、約5である。ある特定の
実施形態において、塩化水素対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9
,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,
1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3
-メチルブタノエートのモル比は、約5.1である。ある特定の実施形態において、塩化
水素対(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートの
モル比は、約5.2である。いくつかの実施形態において、塩化水素対(S)-(2R,
3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11
b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((ter
t-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートのモル比は、約5.5であ
る。
【0098】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を形成
するための(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエー
トの反応は、約0~約30℃、約5~約80℃、約5~約70℃、約5~約60℃、約5
~約50℃、約5~約40℃、約5~約30℃、約5~約25℃、約5~約20℃の範囲
の温度において行われる。いくつかの実施形態において、その反応は、約5~約80℃の
範囲の温度において行われる。いくつかの実施形態において、その反応は、約50~約7
0℃の範囲の温度において行われる。
【0099】
他の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を形成するた
めの(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,
3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2
-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートの反
応は、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を結晶化する工程をさらに含む。
【0100】
ある特定の実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される(S)
-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-
アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水
和物もしくは多形は、約95重量%以上、約96重量%以上、約97重量%以上、約97
.5重量%以上、約98重量%以上、約98.5重量%以上、約99重量%以上、約99
.5重量%以上、約99.6重量%以上、約99.7重量%以上、約99.8重量%以上
または約99.9重量%以上の純度を有する。
【0101】
なおも他の実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される(S)
-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-
アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水
和物もしくは多形は、約99.5%以上、約99.6%以上、約99.7%以上、約99
.8%以上、約99.9%以上純粋な純度を有する。
【0102】
他の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼ
ンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少な
くとも約95%の純度で調製するための方法が、本明細書中に提供され;その方法は、(
S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4
,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル
2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを形成する
のに適した条件下において、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジ
メトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イ
ソキノリン-2-オールまたはその塩をtert-ブトキシカルボニルで保護されたアミ
ノ酸と反応させる工程を含む。
【0103】
いくつかの実施形態において、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10
-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a
]イソキノリン-2-オールをtert-ブトキシカルボニルで保護されたアミノ酸と反
応させて、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエー
トを形成する工程は、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキ
シ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2-オールの塩を用いて行われる。ある特定の実施形態において、その塩は、スル
ホン酸塩を含む。なおも他の実施形態において、その塩は、カンファースルホン酸塩であ
る。いくつかの実施形態において、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-オール塩は、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,
10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1
-a]イソキノリン-2-オール(S)-(+)-カンファースルホン酸塩である。
【0104】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-
3-メチルブタノエートを形成するための(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩とtert-ブトキシカルボニルで保
護されたアミノ酸との反応は、バリンまたはアラニンアミノ酸を含む。いくつかの実施形
態において、アミノ酸は、バリンである。なおも他の実施形態において、tert-ブト
キシカルボニルで保護されたアミノ酸は、L-バリンである。
【0105】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-
3-メチルブタノエートを形成するための(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩の反応は、塩基の存在下において行わ
れる。
【0106】
いくつかの実施形態において、上記塩基は、有機塩基である。ある特定の実施形態にお
いて、上記塩基は、無機塩基である。ある特定の実施形態において、上記塩基は、有機塩
基である。ある特定の実施形態において、上記塩基は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは4-ジメチルアミ
ノピリジンである。いくつかの実施形態において、上記塩基は、水酸化ナトリウムである
。いくつかの実施形態において、上記塩基は、水酸化カリウムである。いくつかの実施形
態において、上記塩基は、4-ジメチルアミノピリジンである。
【0107】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-
3-メチルブタノエートを形成するための(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩とtert-ブトキシカルボニルで保
護されたアミノ酸との反応は、カップリング試薬をさらに含む。
【0108】
ある特定の実施形態において、上記カップリング試薬は、カルボジイミド、1,1’-
カルボニルジイミダゾール(CDI)、ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホス
フィン酸クロリド(BOP-Cl)、ヘキサフルオロホスフェート(BOP試薬)、PC
h、PClまたは1-プロパンホスホン酸環状無水物である。ある特定の実施形態におい
て、上記カップリング試薬は、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカル
ボジイミド(EDCまたはEDCI)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エ
チルカルボジイミド塩酸塩(EDC塩酸塩)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]
-3-エチルカルボジイミドメチオジド(EDCメチオジド)、1-シクロヘキシル-3
-(2-モルホリノエチル)カルボジイミドメト-p-トルエンスルホネートまたは1,
3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)である。ある特定の実施形態において、
上記カップリング試薬は、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジ
イミド(EDCまたはEDCI)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチル
カルボジイミド塩酸塩(EDC塩酸塩)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3
-エチルカルボジイミドメチオジド(EDCメチオジド)、1-シクロヘキシル-3-(
2-モルホリノエチル)カルボジイミドメト-p-トルエンスルホネートまたは1,3-
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)である。いくつかの実施形態において、上記
カップリング試薬は、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミ
ド(EDCまたはEDCI)である。
【0109】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-
3-メチルブタノエートを形成するための(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩の反応は、溶媒の存在下において行わ
れる。
【0110】
いくつかの実施形態において、上記溶媒は、炭化水素、塩素化炭化水素、アルコール、
エーテル、エステル、カーボネート、アミド、ニトリル、スルホキシド、スルホン、ニト
ロ化合物、ヘテロアレーン、複素環、水またはそれらの混合物である。ある特定の実施形
態において、上記溶媒は、塩素化炭化水素溶媒である。ある特定の実施形態において、上
記溶媒は、ジクロロメタンである。ある特定の実施形態において、上記溶媒は、エーテル
である。いくつかの実施形態において、上記溶媒は、シクロアルキルエーテルである。あ
る特定の実施形態において、上記溶媒は、2-メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)
である。
【0111】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-
3-メチルブタノエートを形成するための(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩の反応は、約0~約20℃、約0~約
30℃、約5~約80℃、約5~約70℃、約5~約60℃、約5~約50℃、約5~約
40℃、約5~約30℃、約5~約25℃、約5~約20℃の範囲の温度において行われ
る。いくつかの実施形態において、その反応は、約0~約20℃の範囲の温度において行
われる。
【0112】
いくつかの実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される(S)
-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-
((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートは、ジクロロメ
タン中の溶液として得られる。
【0113】
他の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼ
ンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少な
くとも約95%の純度で調製するための方法が、本明細書中に提供され;その方法は、3
-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1
H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールをキラル分割剤と反応させて、(2
R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,
11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールまたはそ
の塩を形成した後、tert-ブトキシカルボニルで保護されたアミノ酸と反応させる工
程を含む。
【0114】
ある特定の実施形態において、上記キラル剤は、アミノカプロラクタム酸(amino capr
olactamic acid)、アミノプロパノール、アントリルトリフルオロエタノール、アスパラ
ギン酸、ベンゾジオキサンカルボン酸、ベンジルアミノシクロヘキサンメタノール(be
nzylamiocyclohexanemethanol)、ナフチルエチルアミン、
リン酸水素ビナフチル、ビス-O-クロロベンジル(chlorobenxzyl)-L
-トレイトール、ビス-ヒドロキシフェニルエチレンジアミン、ビス-フェニルエチルア
ミン、ビス-フェニルエチルフタルアミド酸、ブロモカンファースルホン酸、カンファー
スルホン酸、ブロモフェニルエチルアミン、ブルシン、2-ブタノール、カンファン酸、
ショウノウ酸、クロロメチルベンジルアミン、シンコニジン、シンコニン、デヒドロアビ
エチルアミン(dehydroabityl amine)、ジアセチル(diacet
il)酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジベンジル酒石酸(dibenzyl tartaric acid)、酒
石酸ジエチル、酒石酸ジイソプロピル、酒石酸、キニン、キナ酸、ストリキニン、N,N
-ジメチルフェニルエチルアミン、ジメチルフェニルテトラヒドロピリミジン、ピログル
タミン酸、フェニルプロピオン酸、ナフチルエチルスクシンアミド酸、イソシアン酸ナフ
チルエチル、リンゴ酸、マンデル酸、クロロギ酸メンチル、グルタミン酸またはエフェド
リンを含む。ある特定の実施形態において、上記キラル剤は、酸を含む。いくつかの実施
形態において、その酸は、スルホン酸である。なおも他の実施形態において、その酸は、
カンファースルホン酸である。なおも他の実施形態において、その酸は、(1S)-(+
)-カンファースルホン酸である。
【0115】
他の実施形態において、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメ
トキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソ
キノリン-2-オールまたはその塩を形成するための3-イソブチル-9,10-ジメト
キシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキ
ノリン-2-オールとキラル分割剤との反応は、溶媒の存在下において行われる。いくつ
かの実施形態において、その溶媒は、水およびアルコールを含む。ある特定の実施形態に
おいて、そのアルコールは、本明細書中で定義されるようなC1-6アルコールである。
なおも他の実施形態において、溶媒混合物は、水およびエタノールを含む。ある特定の実
施形態において、溶媒混合物は、水およびエタノールを、約0.1~約100、約0.2
~約50、約0.5~約25、約1~約20、約1~約10、約1~約5または約1~約
2の範囲の体積比で含む。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約20の範囲である。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約19の範囲である。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約18の範囲である。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約17の範囲である。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約16の範囲である。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約15の範囲である。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約14の範囲である。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約13の範囲である。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約12の範囲である。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約11の範囲である。ある特定の実施形態において、水とエタノールの体積比は、約
1~約10の範囲である。
【0116】
ある特定の実施形態において、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10
-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a
]イソキノリン-2-オールまたはその塩を形成するための3-イソブチル-9,10-
ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]
イソキノリン-2-オールとキラル分割剤との反応は、約0~約100℃、約5~約90
℃、約5~約80℃、約10~約70℃、約10~約60℃、約10~約50℃、約10
~約40℃、約10~約30℃の範囲の温度において行われる。いくつかの実施形態にお
いて、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4
,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オー
ルまたはその塩を形成するための3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール
とキラル分割剤との反応は、約20~約80℃、約20~約70℃、約20~約60℃、
約20~約70℃の範囲の温度において行われる。他の実施形態において、その反応は、
約20~約65℃または約20~約75℃の範囲の温度において行われる。
【0117】
他の実施形態において、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメ
トキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソ
キノリン-2-オールまたはその塩を形成するための3-イソブチル-9,10-ジメト
キシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキ
ノリン-2-オールとキラル分割剤との反応は、(2R,3R,11bR)-3-イソブ
チル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩を結晶化する工程をさらに含む
。
【0118】
ある特定の実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される(2R
,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,1
1b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールもしくはそ
の薬学的に許容され得る塩、またはその溶媒和物、水和物もしくは多形は、約95重量%
以上、約96重量%以上、約97重量%以上、約97.5重量%以上、約98重量%以上
、約98.5重量%以上、約99重量%以上、約99.1重量%以上、約99.2重量%
以上、約99.3重量%以上、約99.4重量%以上、約99.5重量%以上、約99.
6重量%以上、約99.7重量%以上、約99.8重量%以上または約99.9重量%以
上の純度を有する。
【0119】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチル
ベンゼンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形
を少なくとも約95%の純度で調製するための方法が、本明細書中に提供され;その方法
は、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピ
リド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンを還元して、3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-オールを形成した後、キラル剤と反応させる工程を含む。
【0120】
他の実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7
,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールを形成
するための3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1
H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの還元は、酸の存在下に
おいて行われる。いくつかの実施形態において、その酸は、ルイス酸を含む。他の実施形
態において、そのルイス酸としては、四塩化チタン(TiCl4);二塩化亜鉛(ZnC
l2);三フッ化ホウ素(BF3);ハロゲン化アルミニウムおよびハロゲン化アルキル
アルミニウム(AlX3およびRnAlX3-n);五フッ化リンおよび五フッ化アンチ
モン(PF5およびSbF5);ならびに二塩化スズおよび四塩化スズ(SnCl2およ
びSnCl4);ハロゲン化リチウム(LiX)(塩化リチウムおよび臭化リチウム(L
iClおよびLiBr)を含む)、ハロゲン化銅(CuX2)(塩化銅および臭化銅(C
uCl2およびCuBr2)を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定
の実施形態において、その酸は、ハロゲン化リチウムである。他の実施形態において、そ
の酸は、塩化リチウムである。
【0121】
他の実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7
,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールを形成
するための3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1
H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの還元は、有機酸の存在
下において行われる。ある特定の実施形態において、その有機酸は、カルボン酸である。
ある特定の実施形態において、その有機酸は、1つまたは複数の置換基Qで、任意選択で
置換されるC1-14カルボン酸である。ある特定の実施形態において、その酸は、1つ
または複数の置換基Qで、任意選択で置換される2-ヒドロキシ-C1-14カルボン酸
である。ある特定の実施形態において、水素供与体は、酢酸、ギ酸、シュウ酸、マレイン
酸、乳酸、アスコルビン酸、マンデル酸またはそれらの混合物である。ある特定の実施形
態において、その有機酸は、酢酸である。
【0122】
いくつかの実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール
を形成するための3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒド
ロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの還元は、還元剤
の存在下において行われる。他の実施形態において、その還元剤は、ホウ水素化物である
。ある特定の実施形態において、その還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素
リチウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素マグネシウム、水素化ホウ素カリウム
、9-BBN、シアノボロヒドリド、水素化ホウ素ビス-トリフェニルホスフィン、水素
化トリエチルホウ素ナトリウム、テトラブチルアンモニウムボロヒドリド、テトラメチル
アンモニウムボロヒドリド、テトラエチルアンモニウムボロヒドリドまたは水素化トリエ
チルホウ素リチウムである。他の実施形態において、その還元剤は、水素化ホウ素ナトリ
ウムである。
【0123】
いくつかの実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール
を形成するための3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒド
ロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの還元は、溶媒の
存在下において行われる。いくつかの実施形態において、その溶媒は、ジクロロメタンお
よびアルコールを含む。ある特定の実施形態において、そのアルコールは、本明細書中で
定義されるようなC1-6アルコールである。なおも他の実施形態において、溶媒混合物
は、ジクロロメタンおよびエタノールを含む。ある特定の実施形態において、溶媒混合物
は、ジクロロメタンおよびエタノールを、約0.1~約100、約0.2~約50、約0
.5~約25、約1~約20、約1~約10、約1~約5または約1~約2の範囲の体積
比で含む。ある特定の実施形態において、ジクロロメタンとエタノールの体積比は、約2
~約30の範囲である。ある特定の実施形態において、ジクロロメタンとエタノールの体
積比は、約2~約20の範囲である。ある特定の実施形態において、ジクロロメタンとエ
タノールの体積比は、約2~約10の範囲である。ある特定の実施形態において、ジクロ
ロメタンとエタノールの体積比は、約2~約19、約2~約18、約2~約17、約2~
約16、約2~約15、約2~約14、約2~約13、約2~約12、約2~約11、約
2~約10の範囲である。ある特定の実施形態において、ジクロロメタンとエタノールの
体積比は、約2~約14の範囲である。ある特定の実施形態において、ジクロロメタンと
エタノールの体積比は、約2~約16の範囲である。
【0124】
ある特定の実施形態において、水素化ホウ素ナトリウム対3-イソブチル-9,10-
ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン
-2(11bH)-オンのモル比は、約0.5~約100、約1~約100、約1~約5
0、約1~約25、約1~約20、約1~約10、約2~約50、約5~約50、約5~
約25、約10~約25または約15~約25の範囲である。ある特定の実施形態におい
て、水素化ホウ素ナトリウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7
-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモ
ル比は、約1~約100の範囲である。ある特定の実施形態において、水素化ホウ素ナト
リウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H
-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約1~約50
の範囲である。ある特定の実施形態において、水素化ホウ素ナトリウム対3-イソブチル
-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]
イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約1~約25の範囲である。ある特定
の実施形態において、水素化ホウ素ナトリウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11
bH)-オンのモル比は、約1~約20の範囲である。ある特定の実施形態において、水
素化ホウ素ナトリウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テト
ラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は
、約1~約10の範囲である。ある特定の実施形態において、水素化ホウ素ナトリウム対
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド
[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約2~約50の範囲で
ある。ある特定の実施形態において、水素化ホウ素ナトリウム対3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2(11bH)-オンのモル比は、約5~約50の範囲である。ある特定の実施形
態において、水素化ホウ素ナトリウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4
,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-
オンのモル比は、約5~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、水素化ホウ
素ナトリウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ
-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約10
~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、水素化ホウ素ナトリウム対3-イ
ソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,
1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約15~約25の範囲である
。ある特定の実施形態において、水素化ホウ素ナトリウム対3-イソブチル-9,10-
ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン
-2(11bH)-オンのモル比は、約1、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、
約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9または約2.0である。ある特定の
実施形態において、水素化ホウ素ナトリウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-
3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11b
H)-オンのモル比は、約1.2である。
【0125】
ある特定の実施形態において、酢酸対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4
,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-
オンのモル比は、約0.5~約100、約1~約100、約1~約50、約1~約25、
約1~約20、約1~約10、約2~約50、約5~約50、約5~約25、約10~約
25または約15~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、酢酸対3-イソ
ブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1
-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約1~約100の範囲である。
いくつかの実施形態において、酢酸対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,
6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オ
ンのモル比は、約1~約50の範囲である。ある特定の実施形態において、酢酸対3-イ
ソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,
1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約1~約25の範囲である。
ある特定の実施形態において、酢酸対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,
6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オ
ンのモル比は、約1~約20の範囲である。ある特定の実施形態において、酢酸対3-イ
ソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,
1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約1~約10の範囲である。
ある特定の実施形態において、酢酸対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,
6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オ
ンのモル比は、約2~約50の範囲である。ある特定の実施形態において、酢酸対3-イ
ソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,
1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約5~約50の範囲である。
ある特定の実施形態において、酢酸対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,
6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オ
ンのモル比は、約5~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、酢酸対3-イ
ソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,
1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約10~約25の範囲である
。ある特定の実施形態において、酢酸対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4
,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-
オンのモル比は、約15~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、酢酸対3
-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[
2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約1、約1.1、約1.
2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9または約
2.0である。ある特定の実施形態において、酢酸対3-イソブチル-9,10-ジメト
キシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(
11bH)-オンのモル比は、約1.1である。
【0126】
ある特定の実施形態において、塩化リチウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11
bH)-オンのモル比は、約0.5~約100、約1~約100、約1~約50、約1~
約25、約1~約20、約1~約10、約2~約50、約5~約50、約5~約25、約
10~約25または約15~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、塩化リ
チウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H
-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約1~約10
0の範囲である。いくつかの実施形態において、塩化リチウム対3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2(11bH)-オンのモル比は、約1~約50の範囲である。ある特定の実施形
態において、塩化リチウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-
テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル
比は、約1~約25である。ある特定の実施形態において、塩化リチウム対3-イソブチ
ル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a
]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約1~約20である。ある特定の実
施形態において、塩化リチウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,
7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの
モル比は、約1~約10である。ある特定の実施形態において、塩化リチウム対3-イソ
ブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1
-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約2~約50である。ある特定
の実施形態において、塩化リチウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,
6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オ
ンのモル比は、約5~約50の範囲である。ある特定の実施形態において、塩化リチウム
対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約5~約25の範囲
である。ある特定の実施形態において、塩化リチウム対3-イソブチル-9,10-ジメ
トキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2
(11bH)-オンのモル比は、約10~約25の範囲である。ある特定の実施形態にお
いて、塩化リチウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラ
ヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、
約15~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、塩化リチウム対3-イソブ
チル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル比は、約1、約1.1、約1.2、約1
.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9または約2.0で
ある。ある特定の実施形態において、塩化リチウム対3-イソブチル-9,10-ジメト
キシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(
11bH)-オンのモル比は、約1である。
【0127】
ある特定の実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール
を形成するための3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒド
ロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの還元は、約-5
~約-15℃、約-5~約-10℃、約-5~約-5℃、約-5~約0℃、約0~約5℃
、約0~約10℃、約0~約15℃、約0~約20℃、約0~約25℃、約5~約25℃
、約5~約15℃、約5~約10℃の範囲の温度において行われる。いくつかの実施形態
において、その還元(redaction)は、約-5~約-15℃の範囲の温度におい
て行われる。ある特定の実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-オールを形成するための3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-
テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの還元
は、約-20℃、約-15℃、約-10℃、約-5℃の温度範囲で行われる。ある特定の
実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11
b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールを形成するた
めの3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピ
リド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの還元は、約-10℃の温度範
囲で行われる。
【0128】
他の実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7
,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールを形成
するための3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1
H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの反応は、3-イソブチ
ル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド
[2,1-a]イソキノリン-2-オールを結晶化する工程をさらに含む。
【0129】
ある特定の実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される3-イ
ソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-
ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールもしくはその薬学的に許容され得る塩、
またはその溶媒和物、水和物もしくは多形は、約95重量%以上、約96重量%以上、約
97重量%以上、約97.5重量%以上、約98重量%以上、約98.5重量%以上、約
99重量%以上の純度を有する。いくつかの実施形態において、本明細書中に提供される
方法によって調製される3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,
11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールもしくは
その薬学的に許容され得る塩、またはその溶媒和物、水和物もしくは多形は、約97.5
重量%以上、約97.6重量%以上、約97.7重量%以上、約97.8重量%以上、約
97.9重量%以上、約98.1重量%以上、約98.2重量%以上、約98.3重量%
以上、約98.4重量%以上、約98.5重量%以上、約98.6重量%以上、約98.
7重量%以上、約98.8重量%以上または約98.9重量%以上の純度を有する。いく
つかの実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される3-イソブチ
ル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド
[2,1-a]イソキノリン-2-オールもしくはその薬学的に許容され得る塩、または
その溶媒和物、水和物もしくは多形は、約97.6重量%以上または約98.1重量%以
上の純度を有する。
【0130】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチル
ベンゼンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形
を少なくとも約95%の純度で調製するための方法が、本明細書中に提供され;その方法
は、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩を3-((ジメチ
ルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンまたはその塩と反応させて、3-イ
ソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,
1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンを形成した後、還元工程を行う工程を含む
。
【0131】
いくつかの実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,
7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンを
形成するための6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩と3-
((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンまたはその塩との反応は
、溶媒の存在下において行われる。
【0132】
いくつかの実施形態において、上記溶媒は、炭化水素、塩素化炭化水素、アルコール、
エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アミド、ニトリル、スルホキシド、スルホ
ン、ニトロ化合物、ヘテロアレーン、複素環、カルボン酸、ホスホルアミド、硫化炭素、
水またはそれらの混合物である。
【0133】
ある特定の実施形態において、上記溶媒は、石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、クメン、ジクロロメタン(DCM)、
1,2-ジクロロエタン、1、1-ジクロロエテン、1,2-ジクロロエテン、クロロホ
ルム、トリクロロエタン、トリクロロエテン、四塩化炭素、クロロベンゼン、トリフルオ
ロメチルベンゼン、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、1-プロパ
ノール、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール、3-メチル-1-ブタノー
ル、1-ペンタノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、エチレング
リコール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt-ブチルエーテル(M
TBE)、ジフェニルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ビ(2-メトキシエチル)
エーテル、1,1-ジメトキシメタン、2,2-ジメトキシプロパン、アニソール、アセ
トン、ブタノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン、メチルブ
チルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸メチル、ギ酸エチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭
酸プロピレン、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメ
チルアセトアミド、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ス
ルホラン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、N-メチルピロリドン(N-methyl pyrrolind
one)、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、
ピリジン、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、硫化炭素、水;またはそれらの混合物である。
【0134】
ある特定の実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,
7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンを
形成するための6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩と3-
((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンまたはその塩との反応に
おける溶媒は、炭化水素と水との混合物を含む。ある特定の実施形態において、その溶媒
は、ヘプタンと水との混合物を含む。
【0135】
ある特定の実施形態において、溶媒混合物は、ヘプタンおよび水を、約0.1~約10
0、約0.2~約50、約0.5~約25、約1~約20、約1~約10、約1~約5、
約1~約3または約1~約2の範囲の体積比で含む。ある特定の実施形態において、ヘプ
タンと水の体積比は、約2~約30の範囲である。ある特定の実施形態において、ヘプタ
ンと水の体積比は、約2~約20の範囲である。ある特定の実施形態において、ヘプタン
と水の体積比は、約2~約10の範囲である。ある特定の実施形態において、ヘプタンと
水の体積比は、約1~約2、約1~約2、約1~約5、約1.1~約2、約1.1~約3
、約1.2~約2、約1.2~約3、約1.3~約2、約1.3~約3、約1.4~約2
、約1.4~約3、約1.5~約2、約1.5~約3の範囲である。ある特定の実施形態
において、ヘプタンと水の体積比は、約1.5~約3の範囲である。
【0136】
ある特定の実施形態において、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンま
たはその塩対3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンのモル
比は、約0.5~約100、約1~約100、約1~約50、約1~約25、約1~約2
0、約1~約10、約2~約50、約5~約50、約5~約25、約10~約25または
約15~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、6,7-ジメトキシ-3,
4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩対3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチ
ルヘキサン-2-オンのモル比は、約1~約100の範囲である。ある特定の実施形態に
おいて、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩対3-((ジ
メチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンのモル比は、約1~約50の範
囲である。ある特定の実施形態において、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキ
ノリンまたはその塩対3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オ
ンのモル比は、約1~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、6,7-ジメ
トキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩対3-((ジメチルアミノ)メチル
)-5-メチルヘキサン-2-オンのモル比は、約1~約20の範囲である。ある特定の
実施形態において、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩対
3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンのモル比は、約1~
約10の範囲である。ある特定の実施形態において、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒ
ドロイソキノリンまたはその塩対3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサ
ン-2-オンのモル比は、約2~約50の範囲である。ある特定の実施形態において、6
,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩対3-((ジメチルアミ
ノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンのモル比は、約5~約50の範囲である。
ある特定の実施形態において、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまた
はその塩対3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンのモル比
は、約5~約25の範囲である。ある特定の実施形態において、6,7-ジメトキシ-3
,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩対3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メ
チルヘキサン-2-オンのモル比は、約10~約25の範囲である。ある特定の実施形態
において、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩対3-((
ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンのモル比は、約15~約25
の範囲である。ある特定の実施形態において、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイ
ソキノリンまたはその塩対3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2
-オンのモル比は、約1、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.
6、約1.7、約1.8、約1.9または約2.0である。ある特定の実施形態において
、水素化ホウ素ナトリウム対3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-
テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンのモル
比は、約1.1である。
【0137】
いくつかの実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,
7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンを
形成するための6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩と3-
((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンまたはその塩との反応は
、約0~約100℃、約5~約90℃、約5~約80℃、約10~約70℃、約10~約
60℃、約10~約50℃、約10~約40℃、約10~約30℃の範囲の温度において
行われる。いくつかの実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,
4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)
-オンまたはその塩を形成するための6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリ
ンまたはその塩と3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンま
たはその塩との反応は、約20~約80℃、約20~約70℃、約20~約60℃、約2
0~約50℃の範囲の温度において行われる。他の実施形態において、その反応は、約3
0~約80℃、約30~約70℃、約30~約60℃、約30~約40℃、約30~約5
0℃の範囲の温度において行われる。いくつかの実施形態において、3-イソブチル-9
,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソ
キノリン-2(11bH)-オンまたはその塩を形成するための6,7-ジメトキシ-3
,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩と3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メ
チルヘキサン-2-オンまたはその塩との反応は、約30~約40℃の範囲の温度におい
て行われる。
【0138】
ある特定の実施形態において、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,
7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンを
形成するための6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩と3-
((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンまたはその塩との反応は
、3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オン塩を塩基と反応さ
せた後、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩と反応させる
工程をさらに含む。
【0139】
いくつかの実施形態において、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン塩
は、無機酸塩を含む。ある特定の実施形態において、その無機酸塩は、塩化水素を含む。
【0140】
いくつかの実施形態において、3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサ
ン-2-オン塩は、カルボン酸塩を含む。ある特定の実施形態において、そのカルボン酸
塩は、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩またはマレイン酸塩を含む。他の実施形態に
おいて、そのカルボン酸塩は、シュウ酸塩またはクエン酸塩を含む。
【0141】
いくつかの実施形態において、3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサ
ン-2-オン塩と塩基との反応は、無機塩基を含む。なおも他の実施形態において、その
塩基は、炭酸塩基、炭酸水素塩基または水酸化物塩基(hydroxide base)である。他の実
施形態において、その塩基は、炭酸ナトリウムである。
【0142】
いくつかの実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチル
ベンゼンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形
を少なくとも約95%の純度で調製するための方法が、本明細書中に提供され;その方法
は、(a)(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
オールまたはその塩を(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-
ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]
イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩に変換する工程;
および(b)(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキ
シ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-(2R,3R,
11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘ
キサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチ
ルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る
溶媒和物、水和物もしくは多形に変換する工程を含む。
【0143】
ある特定の実施形態において、工程(a)(すなわち、(2R,3R,11bR)-3
-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1
H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩を(S)-(2R,3
R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b
-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-
メチルブタノエート二塩酸塩に変換する工程)および工程(b)(すなわち、(S)-(
2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7
,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミ
ノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブ
チル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-
メチルベンゼンスルホネート)に変換する工程)は、本明細書中に記載されるように行わ
れる。
【0144】
他の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼ
ンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少な
くとも約95%の純度で調製するための方法が、本明細書中に提供され;その方法は、(
a)(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール
またはその塩を、保護された好適なL-バリンと反応させて、(S)-(2R,3R,1
1bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキ
サヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブト
キシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを形成する工程;(b)(S)-(
2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7
,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((
tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを脱保護して、(S
)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2
-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、
水和物もしくは多形を形成する工程;および(c)(S)-(2R,3R,11bR)-
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-
1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエー
ト二塩酸塩を(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキ
シ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネー
ト)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形に変換する工程を含
む。
【0145】
ある特定の実施形態において、工程(b)(すなわち、(S)-(2R,3R,11b
R)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒ
ドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシ
カルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを脱保護する工程)および工程(c)(
すなわち、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-(2R,3R,1
1bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキ
サヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチル
ブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)に変換する工程)は、本明細書中に
記載されるように行われる。
【0146】
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少なくとも約95%の純度で
調製するための方法であって;その方法は、(a)(S)-(2R,3R,11bR)-
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-
1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエー
ト二塩酸塩を結晶化する工程;(b)(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチ
ル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド
[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩ま
たはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を塩基と反応させる工程;
および(c)工程(b)の生成物をp-トルエンスルホン酸と反応させて、(S)-(2
R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,
11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ
-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学的に許
容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を形成する工程を含む。
【0147】
いくつかの実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩の結晶
化工程は、本明細書中に記載されるように行われる。
【0148】
他の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-
a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩の結晶化工程
は、2015年10月30日に出願された米国仮出願第62/249,074号(この開
示はその全体が参照により本明細書中に援用される)に記載されているように行われる。
【0149】
ある特定の実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される(S)
-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-
アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水
和物もしくは多形は、実質的に純粋である。ある特定の実施形態において、本明細書中に
提供される方法によって調製される(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル
-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[
2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩また
はその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形は、ヒトにおいて使用するた
め(例えば、疾患、障害または状態を処置、予防および/または管理するため)に適して
いる。
【0150】
ある特定の実施形態において、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-
9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2
,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチル
ベンゼンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形
を調製するための本明細書中に提供される方法の全収率は、約30%以上、約40%以上
、約50%以上、約55%以上、約60%以上、約65%以上、約70%以上、約75%
以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上または約95%以上であり、ここで、
その収率は、出発材料に基づいて算出される。
【0151】
ある特定の実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される(S)
-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-
アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学
的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形は、実質的に純粋である。ある特定の実
施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される(S)-(2R,3R
,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-
ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メ
チルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学的に許容され得
る溶媒和物、水和物もしくは多形は、ヒトにおいて使用するため(例えば、疾患、障害ま
たは状態を処置、予防および/または管理するため)に適している。
【0152】
ある特定の実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される(S)
-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-
アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学
的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物もしくは多形中の全不純物は、約5重量%以下、
約4重量%以下、約3重量%以下、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量
%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、または約0.1重量%以下である。
【0153】
ある特定の実施形態において、上記不純物は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー
)によって検出可能である。ある特定の実施形態において、上記不純物としては、(2R
,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,1
1b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその
塩、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,
3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2
-イル2-アミノプロパノエートおよび(S)-(2S,3R,11bR)-3-イソブ
チル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートが挙げら
れるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、上記不純物は、(R)-
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10,11b-トリメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートである。いくつかの実施形態において、上記不
純物は、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンである。いくつかの実施形
態において、上記不純物は、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,
10-ジメトキシ-7-オキソ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピ
リド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートである
。
【0154】
ある特定の実施形態において、上記不純物は、金属ベースの不純物である。ある特定の
実施形態において、上記不純物は、揮発性有機化合物である。ある特定の実施形態におい
て、上記不純物は、有機溶媒である。ある特定の実施形態において、上記不純物は、スル
ホネート、ジメチルアミン(dimethylaminne)、ホルムアルデヒド、塩化エチルまたは塩
化イソプロピルである。
【0155】
ある特定の実施形態において、本明細書中に提供される方法によって調製される(S)
-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-
アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学
的に許容され得る塩、溶媒和物、水和物もしくは多形の乾燥減量(LOD)は、約5重量
%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.9
重量%以下、約0.8重量%以下、約0.7重量%以下、約0.6重量%以下、約0.5
重量%以下、約0.4重量%以下、約0.3重量%以下、約0.2重量%以下、または約
0.1重量%以下である。
【実施例0156】
ある特定の実施形態が、以下の非限定的な例によって例証される。
【0157】
下記の実施例では、別段示されない限り、すべての温度が、摂氏温度で示され、すべて
の部およびパーセンテージは、重量による。試薬は、商業的供給業者(例えば、Sigm
a-Aldrich(登録商標)Chemical Co.など)から購入され得、別段
示されない限り、さらに精製せずに使用され得る。試薬は、また、当業者に公知の標準的
な文献手順に従って調製され得る。溶媒は、例えば、Sigma-Aldrich(登録
商標)から購入され得、別段示されない限り、受け取ったまま使用され得るか、または当
業者に公知の標準的な方法を用いて精製され得る。
【0158】
別段特定されない限り、下記に示される反応は、通常、周辺温度または室温において行
われた。反応物を、HPLCによってアッセイし、出発材料の消費によって判断したとき
、終結させた。
【0159】
下記の実施例における化合物の構造および純度は、以下の方法:プロトン核磁気共鳴(
1H NMR)分光法、
13C NMR分光法、質量分析、赤外分光法、融点、X線結晶
構造解析および/またはHPLCのうちの1つまたは複数の方法によって確認した。ある
特定の場の強度で作動するNMR分光計を用いて、
1H NMRスペクトルを測定した。
化学シフトを、標準、例えば、TMSなどの内部標準からの百万分率(ppm,δ)低磁
場でもって報告する。あるいは、
1H NMRスペクトルは、以下のとおり、重水素化溶
媒中の残留プロトンからのシグナルが参照された:CDCl
3=7.26ppm;DMS
Od
6=2.50ppm;C
6D
6=7.16ppm;CD
3OD=3.31ppm(J
.Org.Chem.1997,62,7513)。ピーク多重度を以下のとおり指定す
る:s、シングレット;d、ダブレット;dd、ダブレットのダブレット;t、トリプレ
ット;dt、トリプレットのダブレット;q、カルテット;br、広がった(broadened
);およびm、マルチプレット。結合定数は、Hertz(Hz)で示される。質量スペ
クトル(MS)データは、APCIまたはESIイオン化を備えた質量分析計を用いて得
た。
実施例1
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)の調製
A.3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-
ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの調製
【化1】
【0160】
3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンオキサレート(1
74kg)をn-ヘプタン(184L)と水(757L)との混合物に懸濁した。水(9
08L)中の水酸化ナトリウム(75.7kg)の溶液を加え、温度を15~25℃の間
で安定させ、混合物をこの温度で撹拌した。先の水酸化ナトリウム/水の溶液を加えるこ
とによって、pHを8~10に調整し、その混合物を30~60分間撹拌した。次いで、
水層を廃棄した。あるいは、3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-
2-オンオキサレートの代わりに3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサ
ン-2-オンシトレート(242.1kg)を使用し、反応を、本明細書中に記載された
ものと同じ様式で行った。
【0161】
3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オン-ヘプタン溶液を
水(315.2L)中の6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン塩酸塩(1
26.1kg)の溶液に加え、その混合物を約30℃で撹拌した。標準溶液に対して10
%未満の6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンが残っている場合に、その
反応は完了したと判断した。その混合物を室温に冷却し、固体を濾過し、水(176.5
L)、次いでn-ヘプタン(277.4L)(両方とも15~20℃の温度で安定させた
)で洗浄し、次いで、真空下で乾燥させることにより、3-イソブチル-9,10-ジメ
トキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2
(11bH)-オンを得た(139kg、79%収率)。
A1.3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オン遊離塩基か
ら開始する3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1
H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンの調製
【0162】
6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン塩酸塩(118.2kg)を水(
3容(volume))に溶解した。n-ヘプタン(1.5容)中の3-((ジメチルアミノ)
メチル)-5-メチルヘキサン-2-オン(99.1kg)を加え、標準溶液に対して1
0%未満の6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンしか残らなくなるまで、
その混合物を少なくとも48時間、約35℃で激しく撹拌した。固体を濾過し、水、次い
でヘプタンで洗浄し、次いで、真空下で乾燥させることにより、3-イソブチル-9,1
0-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2(11bH)-オンを得た(141.1kg、85.6%収率)。
B.3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒ
ドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールの調製
【化2】
【0163】
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オン(69.5kg)をジクロロメタ
ン(145.9L、2.1容)に溶解した。酢酸(13.9L、1.1当量)、塩化リチ
ウム(9kg、1当量)およびエタノール(208.5L、14容)を加えた。その混合
物を-10±5℃に冷却し、エタノール(139L、5容)中の水素化ホウ素ナトリウム
(9.73kg、1.2当量)の溶液を-10±5℃においてゆっくり加えた。その反応
物を数時間撹拌し、完了についてHPLCによってモニターした。反応が完了したら、そ
の混合物を25℃に加温し、飽和塩化アンモニウム水溶液(69.5kg)を加えて、反
応をクエンチした。その反応混合物を真空下、40±5℃において蒸留して、最小体積ま
で濃縮した。水(139L)を加え、最小体積まで蒸留を繰り返した。ジクロロメタン(
549L)および1N水酸化ナトリウム(10.4kgを250.2Lの水に溶解した)
を20±5℃において加えた後、少なくとも15分間撹拌した。層を分離させ、有機層を
回収し、一方、水層をジクロロメタンで逆抽出した。合わせた有機物を水で洗浄し、分離
し、次いで、最小体積まで真空下で蒸留した。酢酸イソプロピル(347.5L)を加え
、その混合物を、合計およそ3体積になるまで真空下で蒸留し、繰り返した。スラリーを
85±5℃に加熱し、0.5~1時間保持し、次いで65℃に冷却して、結晶化を開始さ
せた。その混合物をさらに20℃に冷却し、1時間保持した。固体を濾過し、酢酸イソプ
ロピルでリンスし、次いで、真空下で乾燥させることにより、3-イソブチル-9,10
-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a
]イソキノリン-2-オールを得た(60kg、86%収率)。別のバッチについて、3
-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリド[
2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オン(69.5kg)から開始して、本明
細書中に記載される手順と同じ手順を用いて行うことにより、3-イソブチル-9,10
-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a
]イソキノリン-2-オールを得た(59.7kg、85%収率)。
C.(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4
,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オー
ル(S)-(+)-カンファースルホネートの調製
【化3】
【0164】
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ
-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール(59.8kg)および(1S
)-(+)-カンファースルホン酸(46kg、1当量)を19:1エタノール:水(v
/v)に懸濁し、次いでそれを、溶液が形成されるまで約75℃において加熱した。その
混合物を53±2℃に冷却し、結晶化が生じるまで保持した。核生成が生じない場合は、
そのバッチに(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,
3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2
-オール(1S)-(+)-カンファースルホネートの種晶を加えた。その混合物を少な
くとも14時間にわたって25±5℃に冷却した。そのスラリーを濾過し、エタノールで
洗浄し、次いで、真空下で乾燥させることにより、(2R,3R,11bR)-3-イソ
ブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピ
リド[2,1-a]イソキノリン-2-オール(1S)-(+)-カンファースルホネー
トを結晶性固体として得た(38.7、38%収率)。別のバッチについて、3-イソブ
チル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2-オール(59.6kg)から開始して、本明細書中
に記載された手順と同じ手順を用いて行うことにより、(2R,3R,11bR)-3-
イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H
-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール(1S)-(+)-カンファースルホ
ネートを得た(39.5kg、38%収率)。
D.(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートの
調製
【化4】
【0165】
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール(
1S)-(+)-カンファースルホネート(25.9kg)をジクロロメタン(129.
5L、5容)および1N水酸化ナトリウム(11.1kgを282.2Lの水に溶解した
)(pH>10)に溶解し、次いで、その混合物を25±5℃で撹拌した。有機物を回収
し、さらなる水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、次いで、水で洗浄した。有機相を回収し、
硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、濾過して固体を除去した。Boc-L-バリン(1
2.2kg、1.2当量)および4-ジメチルアミノピリジン(1.55kg、0.3当
量)をその有機相に投入し、次いで、その混合物をおよそ0℃に冷却した。N-(3-ジ
メチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(15.8kg、1.8当
量)を投入し、反応物を>3時間撹拌した。その反応混合物を0±5℃で維持し、完了に
ついてHPLCによってモニターした。完了したら、水を加え、内容物を撹拌した。静置
させた後、水層を廃棄した。有機層を、クエン酸水溶液(101Lの水中5.2kgのク
エン酸から調製した)、次いで、水で洗浄することにより、(S)-(2R,3R,11
bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサ
ヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキ
シカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートをジクロロメタン中の溶液として得た
。
E.(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩の調製
【化5】
【0166】
塩化水素・ジオキサン溶液(4M、57L、5当量)を、温度を5~10℃の間で維持
しながら、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエー
トのジクロロメタン中の溶液にゆっくり加えた。添加が完了したら、その混合物を25±
5℃で>12時間撹拌した。完了したら、炭酸水素ナトリウム水溶液(217.6kg)
をゆっくり加え、その混合物を、pH>7になるまで25±5℃で撹拌した。有機物を回
収し、さらなる炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで、水で洗浄した。有機層に硫酸ナトリ
ウムを加え、次いで、その混合物を濾過して固体を除去した。次いで、撹拌に必要な最小
体積まで有機層を蒸留した。アセトニトリル(70L)を加え、その混合物を再度、最小
体積まで蒸留した。その溶液が合計10体積になるまでアセトニトリルを加え、次いで、
その溶液を10±5℃に冷却した。塩化水素のイソプロパノール溶液(3.7M、26.
4L、2.1当量)をゆっくり加えた後、酢酸エチル(57L)を加え、次いで、その混
合物を50±5℃に加熱した。さらなる酢酸エチルを加えた後、(S)-(2R,3R,
11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘ
キサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチ
ルブタノエート二塩酸塩の種晶を加え、その混合物を>1時間、75±5℃に加熱した。
そのスラリーをゆっくり25±5℃まで冷却し、固体を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、次
いで、真空下で乾燥させることにより、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブ
チル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩
を得た(16.8kg、73%収率)。別のバッチについて、(S)-(2R,3R,1
1bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキ
サヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-((tert-ブト
キシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエート(24.4kg)から開始して、本
明細書中に記載される手順と同じ手順を用いて行うことにより、(S)-(2R,3R,
11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘ
キサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチ
ルブタノエート二塩酸塩を得た(17kg、79%収率)。
F.(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)の
調製
【化6】
【0167】
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩(10.2kg)をジクロロメタン(
9容)および炭酸水素ナトリウム水溶液に溶解した。その混合物を約25℃で撹拌した。
有機物を回収し、さらなる炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで、水で洗浄した。
有機層を回収し、ジクロロメタン中の溶液にアセトニトリルを加えた。その溶液を撹拌に
必要な最小体積まで蒸留した。さらなるアセトニトリルを加え、その混合物を最小体積ま
で蒸留した。その混合物を水分含有量について試験し、次いで、約50℃に加温した。こ
の混合物に、p-トルエンスルホン酸(2当量)のアセトニトリル溶液をゆっくり加え、
内容物を約50℃で>8時間撹拌した。次いで、そのスラリーを約25℃に冷却し、固体
を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、次いで、真空下で乾燥させることにより、(S)-
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,
7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-ア
ミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)を得た(14.7
kg、92.8%収率、99.9%純粋)。
F1.(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-
2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン
-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)
の調製
【0168】
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩(15kg)をジクロロメタン(13
6.5L、9容)に懸濁し、pH>6.5になるまで炭酸水素ナトリウム水溶液(245
kg)を加え、次いで、その混合物を25±5℃で撹拌した。有機物を回収し、さらなる
炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで、水で洗浄した。次いで、その溶液を撹拌に
必要な最小体積まで蒸留した。アセトニトリル(54L)を加え、その混合物を最小体積
まで蒸留し、これを繰り返した。アセトニトリルを加え、その混合物を水分含有量につい
て試験し、規格以内になったら、それを50±5℃に加温した。この混合物に、アセトニ
トリル(55.5L)中p-トルエンスルホン酸(11.7kg、2当量)の溶液をゆっ
くり加え、内容物を50±5℃で>8時間撹拌した。次いで、そのスラリーを25±5℃
に冷却し、固体を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、次いで、真空下で乾燥させることに
より、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)を
得た(20.6kg、88%収率、≧98%純粋)。
G.(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)の
調製
【化7】
【0169】
エルレンマイヤーフラスコに、2-メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)中(2R
,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,1
1b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール(1S)-
(+)-カンファースルホネート(20g)(100mL)を投入した後、KOH水溶液
(2M、110mL)を投入した。その混合物を15分間撹拌した。得られた二相溶液を
分液漏斗に移し、層を分離させた。エマルジョン層が形成し、ブラインでこの層を分配さ
せ、より良好に分離させた。水層を廃棄した。有機層に、H2O(20mL)を加えた後
、数回振盪した。15分後、層を分離し、水層を廃棄した。
【0170】
丸底フラスコに、遊離塩基化された上記材料(the free based material)のMeTH
F溶液(約100mL;上記から)を、さらなるMeTHF(40mL)とともに加えた
。N-Boc-(L)-Val-OH(1.2当量)およびDMAP(0.27当量)を
加えたところ、その後、透明の黄色溶液が生じた。その溶液を、アセトン氷/H2O浴を
用いて0~-10℃に冷却した。温度に達した後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミ
ノプロピル)カルボジイミド(EDCI)(1.77当量)を加え、撹拌を0~-10℃
で3時間続けた。3時間後、氷浴を除去し、反応物を少なくとも5時間撹拌した。18時
間後、分析データは、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-
ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]
イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル
ブタノエートへの完全な変換を示した。その反応物を5%クエン酸水溶液(78mL)で
クエンチした後、有機層をH2O(60mL)で洗浄した。得られた有機溶液は、(S)
-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-
((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートからなり、それ
をさらに精製せずに脱保護工程に進めた。代替手順では、上記有機溶液を蒸発させること
によって、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエー
トを単離した。
【0171】
上記からの(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキ
シ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエ
ート溶液を、さらなるMeTHF(110mL)とともに、清浄な丸底フラスコに移した
。その溶液に、EtOAc(44mL)および3.7N HCl/イソプロパノール(2
1mL;他のHCl溶液を使用することもできる)を加えた。その溶液を45℃に加熱し
、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩の種晶を加え、半時間撹拌した。半時
間後、さらなるEtOAc(30mL)を加え、1時間にわたって温度を70℃に上げた
。1時間後、HPLCは、まだ8%の出発材料が残っていることを示した。その反応物に
、さらなる3.7N HCl/イソプロパノール(3mL)を加えた後、70℃で2時間
加熱した。2時間後、反応が完了した。飽和NaHCO3水溶液(30mL)をゆっくり
加え、その混合物を半時間撹拌し、次いで、H2O(60mL)で洗浄した。得られた遊
離塩基化された材料の溶液(HPLC>95%純度)を、さらに精製せずにトシレート塩
形成に進めた。
【0172】
上記からの遊離塩基溶液を蒸発させ、アセトニトリル(2×40mL)を用いて溶媒交
換を完了した。黄色残渣をアセトニトリル(67mL)に溶解し、45~55℃に加熱し
た後、p-TsOH/アセトニトリル(8.3g/139mL)の溶液を一度に加えた。
45℃で18時間撹拌した後、スラリーを25℃に冷却し、白色固体を濾過し、EtOA
c(2×10mL)で洗浄し、次いで、50℃の真空オーブン内で18時間乾燥させるこ
とにより、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ
-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリ
ン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート
)を得た(14.5g、53%全単離収率)。分析HPLCデータによって、純度(99
.68%)およびキラリティ(99.77%)が確認された。
【0173】
代替手順では、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメ
トキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソ
キノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を濾過によって単離し
た後、遊離塩基化し、次いで、上に記載されたように二トシル酸塩に変換した。
H.(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)の
調製
【化8】
【0174】
単離された(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキ
シ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩(10g、0.02mol
)をEtOAc(500mL)に懸濁し、次いで、70℃に加熱した。その混合物を加熱
しながら、p-TsOH(14g、4当量)を加えた。加熱中に、その混合物は、均一な
透明溶液になった。その溶液を70℃で2~3時間寝かせた。2~3時間後、白色固体が
沈殿し、熱源を除去した。その懸濁液を18時間撹拌し、次いで、濾過した。固体をEt
OAcで洗浄し、次いで、50℃の真空オーブン内で18時間乾燥させることにより、(
S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4
,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル
2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)(13.2
g、88%単離収率)を白色固体として得た。このサンプル(sampe)のH1-NM
Rは、工程Gから得られたものと一致した。
【0175】
本明細書中に記載される実施形態は、単に例示であると意図されており、当業者は、単
なる日常的な実験法を用いて、特定の化合物、材料および手順の数多くの等価物を認識す
るかまたは確かめることができる。そのような等価物のすべてが、本開示の範囲内である
と見なされる。
【0176】
本明細書中で参照されたすべての特許、特許出願および刊行物はその全体が本明細書中
に援用される。本願におけるいずれの参考文献の引用または特定も、そのような参考文献
が、本願に対する従来技術として利用可能であることを自認するものではない。本開示の
全範囲は、添付の特許請求の範囲に照らして、より良く理解される。
本開示の実施形態の例として以下の項目が挙げられる。
(項目1)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少なくとも約95%の純度で
調製するための方法であって、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9
,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,
1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)
-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-
アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学
的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形に変換する工程を含む、方法。
(項目2)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-(2R,3R,11bR)
-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ
-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエ
ートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)に変換する前記工程が、(a)(S)-(2
R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,
11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ
-3-メチルブタノエート二塩酸塩を塩基と反応させる工程、および(b)(a)の生成
物をp-トルエンスルホン酸と反応させる工程を含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記塩基が、無機塩基を含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記塩基が、炭酸塩基を含む、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記塩基が、炭酸水素ナトリウムである、項目4に記載の方法。
(項目6)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を塩基と接触させる前記工程が、第1
の溶媒中で行われる、項目2~5のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記第1の溶媒が、塩素化炭化水素を含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記第1の溶媒が、ジクロロメタンである、項目7に記載の方法。
(項目9)
(a)の生成物とp-トルエンスルホン酸との前記反応が、第2の溶媒中で行われる、
項目1~8のいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記第2の溶媒が、ニトリルを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記第2の溶媒が、アセトニトリルを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
(a)の生成物とp-トルエンスルホン酸との前記反応が、約40~約60℃の範囲の
温度において行われる、項目1~11のいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記反応が、約45~約55℃の範囲の温度において行われる、項目12に記載の方法
。
(項目14)
単離工程をさらに含む、項目1~13のいずれかに記載の方法。
(項目15)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-(2R,3R,11bR)
-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ
-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエ
ートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)に変換する前記工程が、(S)-(2R,3
R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b
-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-
メチルブタノエート二塩酸塩を単離せずに行われる、項目1~14のいずれかに記載の方
法。
(項目16)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形が、約96%以上、約97%以
上、約98%以上、約99%以上純粋である、項目1~15のいずれかに記載の方法。
(項目17)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形が、約99.5%以上、約99
.6%以上、約99.7%以上、約99.8%以上、約99.9%以上純粋である、項目
16に記載の方法。
(項目18)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を塩基と反応させる前記工程の前に、
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,
4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イ
ル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を形成するのに適した条件下で、脱保護
工程を介して(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキ
シ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエ
ートを反応させる工程をさらに含む、項目1~17のいずれかに記載の方法。
(項目19)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートの前記
脱保護工程が、酸の存在下において行われる、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記酸が、塩化水素・ジオキサン溶液または2-メチルテトラヒドロフラン溶液を含む
、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記反応が、溶媒の存在下において行われる、項目19または20のいずれかに記載の
方法。
(項目22)
前記溶媒が、塩素化炭化水素を含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記溶媒が、ジクロロメタンを含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記脱保護工程が、約0~約25℃の範囲の温度において行われる、項目19~23の
いずれかに記載の方法。
(項目25)
塩基を加える工程をさらに含む、項目18~24のいずれかに記載の方法。
(項目26)
前記塩基が、カーボネートを含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記塩基が、炭酸水素ナトリウムである、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記水溶液から前記溶媒を分離する工程をさらに含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
第2の溶媒を加える工程をさらに含む、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記第2の溶媒が、ニトリル溶媒を含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記第2の溶媒が、アセトニトリルを含む、項目30に記載の方法。
(項目32)
酸を加える工程をさらに含む、項目18~31のいずれかに記載の方法。
(項目33)
前記酸が、塩化水素の溶液を含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記酸が、塩化水素・C1-6アルコール溶液を含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記酸が、塩化水素・プロパン-2-オール溶液である、項目34に記載の方法。
(項目36)
別の溶媒を加える工程をさらに含む、項目32~35のいずれかに記載の方法。
(項目37)
前記溶媒が、アセトニトリルまたは酢酸エチルを含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記反応が、約5~約80℃の範囲の温度において行われる、項目32~38のいずれ
かに記載の方法。
(項目39)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を結晶化する工程をさらに含む、項目
18~38のいずれかに記載の方法。
(項目40)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩またはその薬学的に許容され得る溶媒
和物、水和物もしくは多形が、実質的に純粋である、項目18~39のいずれかに記載の
方法。
(項目41)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩またはその薬学的に許容され得る溶媒
和物、水和物もしくは多形が、約96%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以
上純粋である、項目18~40のいずれかに記載の方法。
(項目42)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩またはその薬学的に許容され得る溶媒
和物、水和物もしくは多形が、約99.5%以上、約99.6%以上、約99.7%以上
、約99.8%以上、約99.9%以上純粋である、項目18~41のいずれかに記載の
方法。
(項目43)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを形成
するのに適した条件下において、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10
-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a
]イソキノリン-2-オールまたはその塩を、tert-ブトキシカルボニルで保護され
たアミノ酸と反応させる工程をさらに含む、項目1~42のいずれかに記載の方法。
(項目44)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを形成
するための(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
オールの前記反応が、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキ
シ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノ
リン-2-オールの塩を用いて行われる、項目43に記載の方法。
(項目45)
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールの
前記塩が、スルホン酸塩を含む、項目44に記載の方法。
(項目46)
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールの
前記塩が、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
オール(S)-(+)カンファースルホン酸塩である、項目45に記載の方法。
(項目47)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを形成
するための、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,
3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2
-オールまたはその塩とtert-ブトキシカルボニルで保護されたアミノ酸との前記反
応が、バリンまたはアラニンを含む、項目43~46のいずれかに記載の方法。
(項目48)
前記tert-ブトキシカルボニルで保護されたアミノ酸が、L-バリンである、項目
47に記載の方法。
(項目49)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを形成
するための(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
オールまたはその塩の前記反応が、塩基の存在下において行われる、項目43~48のい
ずれかに記載の方法。
(項目50)
前記塩基が、4-ジメチルアミノピリジンである、項目49に記載の方法。
(項目51)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを形成
するための、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,
3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2
-オールまたはその塩とtert-ブトキシカルボニルで保護されたアミノ酸との前記反
応が、カップリング試薬の存在下において行われる、項目43~50のいずれかに記載の
方法。
(項目52)
前記カップリング試薬が、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミドである、項目51に記載の方法。
(項目53)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを形成
するための(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
オールまたはその塩の前記反応が、溶媒中で行われる、項目42~52のいずれかに記載
の方法。
(項目54)
前記溶媒が、ジクロロメタンを含む、項目53に記載の方法。
(項目55)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを形成
するための(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
オールまたはその塩の前記反応が、約0~約25℃の範囲の温度において行われる、項目
43~54のいずれかに記載の方法。
(項目56)
前記(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートが
、ジクロロメタン中の溶液として得られる、項目43~55のいずれかに記載の方法。
(項目57)
tert-ブトキシカルボニルで保護されたアミノ酸との前記反応の前に、(2R,3
R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b
-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩を
形成するために3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-
ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールをキラル分割剤と
反応させる工程をさらに含む、項目1~41のいずれかに記載の方法。
(項目58)
前記キラル剤が、酸を含む、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記酸が、カンファースルホン酸を含む、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記酸が、(1S)-(+)-カンファースルホン酸である、項目59に記載の方法。
(項目61)
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールま
たはその塩を形成するための、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールと
キラル分割剤との前記反応が、溶媒の存在下において行われる、項目57~60のいずれ
かに記載の方法。
(項目62)
前記溶媒が、水およびアルコールを含む、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記溶媒が、水およびエタノールを含む、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記水とエタノールの溶媒比が、約1:17または約1:19である、項目63に記載
の方法。
(項目65)
前記反応が、約20~約75℃の範囲の温度において行われる、項目61~64のいず
れかに記載の方法。
(項目66)
前記反応が、約20~約65℃の範囲の温度において行われる、項目61~65のいず
れかに記載の方法。
(項目67)
前記反応が、約20~約50℃の範囲の温度において行われる、項目61~66のいず
れかに記載の方法。
(項目68)
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール(
1S)-(+)-カンファースルホン酸を結晶化する工程をさらに含む、項目57~67
のいずれかに記載の方法。
(項目69)
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールも
しくはその塩またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形が、実質的
に純粋である、項目57~68のいずれかに記載の方法。
(項目70)
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールも
しくはその塩またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形が、約96
%以上、約97%以上、約98%以上、約99%以上純粋である、項目57~69のいず
れかに記載の方法。
(項目71)
(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6
,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールも
しくはその塩またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形が、約99
.2%以上、約99.3%以上、約99.4%以上、約99.5%以上、約99.6%以
上、約99.7%以上、約99.8%以上、約99.9%以上純粋である、項目57~7
0のいずれかに記載の方法。
(項目72)
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンを還元して、3-イソブチル-9
,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,
1-a]イソキノリン-2-オールを形成した後、キラル剤と反応させる工程をさらに含
む、項目1~71のいずれかに記載の方法。
(項目73)
前記還元が、酸の存在下において行われる、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記酸が、ルイス酸を含む、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記ルイス酸が、塩化リチウムである、項目74に記載の方法。
(項目76)
前記酸が、酢酸、ギ酸、シュウ酸、マレイン酸、乳酸、アスコルビン酸、マンデル酸ま
たはそれらの混合物から選択される有機酸である、項目72に記載の方法。
(項目77)
前記酸が、酢酸である、項目76に記載の方法。
(項目78)
前記還元が、還元剤の存在下において行われる、項目72~77のいずれかに記載の方
法。
(項目79)
前記還元剤が、ホウ水素化物を含む、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カルシ
ウム、水素化ホウ素マグネシウム、水素化ホウ素カリウム、9-BBN、シアノボロヒド
リド(cyano boroydride)、水素化ホウ素ビス-トリフェニルホスフィ
ン、水素化トリエチルホウ素ナトリウム、テトラブチルアンモニウムボロヒドリド、テト
ラメチルアンモニウムボロヒドリド、テトラエチルアンモニウムボロヒドリドまたは水素
化トリエチルホウ素リチウムから選択される、項目79に記載の方法。
(項目81)
前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウムである、項目80に記載の方法。
(項目82)
前記還元が、溶媒の存在下において行われる、項目72~81のいずれかに記載の方法
。
(項目83)
前記溶媒が、ジクロロメタンおよびアルコールを含む、項目72~82のいずれかに記
載の方法。
(項目84)
前記溶媒が、ジクロロメタンおよびエタノールを含む、項目83に記載の方法。
(項目85)
前記反応が、約-5~約-15℃の範囲の温度において行われる、項目72~84のい
ずれかに記載の方法。
(項目86)
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ
-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールを結晶化させる(crysta
llyzing)工程をさらに含む、項目72~85のいずれかに記載の方法。
(項目87)
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ
-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールもしくはその塩またはその薬学
的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形が、実質的に純粋である、項目72~8
6のいずれかに記載の方法。
(項目88)
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ
-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールもしくはその塩またはその薬学
的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形が、約96%以上、約97%以上、約9
8%以上、約99%以上純粋である、項目72~87のいずれかに記載の方法。
(項目89)
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ
-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールもしくはその塩またはその薬学
的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形が、約97.6%以上または約98.1
%以上純粋である、項目72~88のいずれかに記載の方法。
(項目90)
前記還元工程の前に、3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テト
ラヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンを形成する
ために6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩を3-((ジメ
チルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オンまたはその塩と反応させる工程を
さらに含む、項目1~89のいずれかに記載の方法。
(項目91)
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンを形成するための、6,7-ジメ
トキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩と3-((ジメチルアミノ)メチル
)-5-メチルヘキサン-2-オンまたはその塩との前記反応が、溶媒の存在下において
行われる、項目90に記載の方法。
(項目92)
前記溶媒が、ヘプタンを含む、項目90または91のいずれかに記載の方法。
(項目93)
3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-3,4,6,7-テトラヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2(11bH)-オンを形成するための、6,7-ジメ
トキシ-3,4-ジヒドロイソキノリンまたはその塩と3-((ジメチルアミノ)メチル
)-5-メチルヘキサン-2-オンまたはその塩との前記反応が、約30~約40℃の範
囲の温度において行われる、項目90~92のいずれかに記載の方法。
(項目94)
3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オン塩を塩基と反応さ
せた後、6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン塩酸塩と反応させる工程を
さらに含む、項目90~93のいずれかに記載の方法。
(項目95)
前記3-((ジメチルアミノ)メチル)-5-メチルヘキサン-2-オン塩が、カルボ
ン酸塩を含む、項目93に記載の方法。
(項目96)
前記カルボン酸塩が、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩またはマレイン酸塩を含む
、項目95に記載の方法。
(項目97)
前記塩が、シュウ酸塩またはクエン酸塩である、項目95に記載の方法。
(項目98)
前記塩基が、炭酸ナトリウムである、項目94~97のいずれかに記載の方法。
(項目99)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少なくとも約95%の純度で
調製するための方法であって、(a)(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,
10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1
-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩を(S)-(2R,3R,11bR)-3
-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1
H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート
二塩酸塩に変換する工程;および(b)(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブ
チル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリ
ド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩
を(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形に変換する工程を含む、方法。
(項目100)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少なくとも約95%の純度で
調製するための方法であって、(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-
ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]
イソキノリン-2-オールまたはその塩を(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソ
ブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピ
リド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸
塩にして、それをp-トルエンスルホン酸と反応させる工程を含む、方法。
(項目101)
前記反応が、約20~約70℃の範囲の温度において行われる、項目100に記載の方
法。
(項目102)
濾過工程をさらに含む、項目101または102に記載の方法。
(項目103)
単離工程をさらに含む、項目100~102のいずれか1項に記載の方法。
(項目104)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少なくとも約95%の純度で
調製するための方法であって、(a)(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,
10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1
-a]イソキノリン-2-オールまたはその塩を、保護された好適なL-バリンと反応さ
せて、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2
,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-
2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタノエートを
形成する工程;(b)(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-
ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]
イソキノリン-2-イル2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチル
ブタノエートを脱保護して、(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,
10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1
-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩またはその
薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を形成する工程;および(c)(S
)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,
6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2
-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を(S)-(2R,3R,11bR)-3-
イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H
-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ
(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物
もしくは多形に変換する工程を含む、方法。
(項目105)
(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3
,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-
イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)または
その薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を少なくとも約95%の純度で
調製するための方法であって、(a)(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチ
ル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド
[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩を
結晶化する工程;(b)(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10
-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a
]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエート二塩酸塩またはその薬学
的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形を塩基と反応させる工程;および(c)
工程(b)の生成物をp-トルエンスルホン酸と反応させて、(S)-(2R,3R,1
1bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキ
サヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イル2-アミノ-3-メチル
ブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホネート)またはその薬学的に許容され得る溶
媒和物、水和物もしくは多形を形成する工程を含む、方法。
(項目106)
前記調製された(S)-(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメ
トキシ-2,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-1H-ピリド[2,1-a]イソ
キノリン-2-イル2-アミノ-3-メチルブタノエートジ(4-メチルベンゼンスルホ
ネート)またはその薬学的に許容され得る溶媒和物、水和物もしくは多形が、不純物を実
質的に含まない、項目1~101のいずれかに記載の方法。