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特開2023-68399食器洗い機、食器洗い機の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068399
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】食器洗い機、食器洗い機の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/46 20060101AFI20230510BHJP
   A47L 15/44 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
A47L15/46 E
A47L15/46 A
A47L15/44
A47L15/46 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179487
(22)【出願日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 祐司
(72)【発明者】
【氏名】廣松 直樹
(72)【発明者】
【氏名】池添 郁也
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082CC02
3B082CC03
3B082CC04
3B082DB00
3B082DC00
3B082DC04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】食器洗い機から離れた場所でユーザが食器洗い機に係わる情報を把握できるようにする。
【解決手段】食器洗い機2は、無線通信モジュール39を有する食器洗い機であって、食器洗い機に係わる情報である食器洗い機情報を、無線通信モジュール39を介して、例えばタブレット端末である第1端末装置4や、例えばスマートフォンである第2端末装置6に送信することが出来る。これによれば、一例として、食器洗い機2の異常検知部334が検知した食器洗い機2の異常を示す異常情報を、食器洗い機情報として端末装置に送信することができ、ユーザは、食器洗い機2から離れた場所で、食器洗い機2に発生した異常の内容を把握できる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信モジュールを有する食器洗い機であって、
前記食器洗い機に係わる情報である食器洗い機情報を、前記無線通信モジュールを介して端末装置に送信する通信制御部を備える、
食器洗い機。
【請求項2】
洗浄槽に供給される液体洗剤を貯留する洗剤タンクと、
前記洗剤タンクが貯留する前記液体洗剤の残量を検知する残量検知部と、を備え、
前記通信制御部は、
前記残量検知部が検知した前記液体洗剤の残量を示す残量情報を、前記食器洗い機情報として前記端末装置に送信する、
請求項1に記載の食器洗い機。
【請求項3】
前記食器洗い機は、洗浄運転において、節水及び省エネルギーを行うための特定の運転を実行可能であり、
前記通信制御部は、
前記食器洗い機が前記特定の運転を実行しているか否かを示す実行有無情報を、前記食器洗い機情報として前記端末装置に送信する、
請求項1に記載の食器洗い機。
【請求項4】
前記通信制御部は、
洗浄運転に係わる前記食器洗い機の状態を示す状態情報を、前記食器洗い機情報として前記端末装置に送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の食器洗い機。
【請求項5】
前記食器洗い機の異常を検知する異常検知部を備え、
前記通信制御部は、前記異常検知部が検知した前記食器洗い機の異常を示す異常情報を、前記食器洗い機情報として前記端末装置に送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の食器洗い機。
【請求項6】
前記食器洗い機情報を表示する表示部を備え、
前記表示部は、前記食器洗い機が洗浄運転中、前記食器洗い機の内部に位置する位置に設けられる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の食器洗い機。
【請求項7】
無線通信モジュールを有する食器洗い機の制御方法であって、
前記食器洗い機に係わる情報である食器洗い機情報を、前記無線通信モジュールを介して端末装置に送信するステップを含む、
食器洗い機の制御方法。
【請求項8】
無線通信モジュールを有する食器洗い機のプロセッサを、
前記食器洗い機に係わる情報である食器洗い機情報を、前記無線通信モジュールを介して端末装置に送信する通信制御部として機能させる、
プログラム。
【請求項9】
筐体と、
前記筐体内に設けられ、被洗浄物を洗浄する洗浄槽と、
前記洗浄槽の前面に設けられた前方空間部と、
前記前方空間部に設けられ、食器洗い情報を所定の端末装置に送信する無線通信モジュールと、
前記前方空間部の前面を被覆する面材と、を備え、
前記面材の上端と、前記筐体の前端縁との間には、間隙部が形成されている、
食器洗い機。
【請求項10】
前記前方空間部には、前記洗浄槽に供給される液体洗剤を貯留し、内部に磁性体を備えた浮遊体を備えた洗剤タンクが設けられ、
前記無線通信モジュールは、
前記磁性体の移動範囲から外れた位置に配置されている、
請求項9に記載の食器洗い機。
【請求項11】
前記無線通信モジュールの上方には、水よけリブが設けられている、
請求項9または請求項10に記載の食器洗い機。
【請求項12】
前記前方空間部には、前記洗剤タンクを収容する洗剤タンク収納部が設けられ、
前記水よけリブは、前記洗剤タンク収納部の上部に設けられている、
請求項11に記載の食器洗い機。
【請求項13】
前記洗浄槽の前面側上部に、前記洗浄槽内の空気を放出する排気口が設けられ、
前記無線通信モジュールは、前記排気口の上下鉛直方向から外れた位置で、かつ前記排気口の左右水平位置から外れた位置に配置される、
請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の食器洗い機。
【請求項14】
前記前方空間部には、前記排気口から放出される空気を冷却する冷気送風ダクトと、前記冷気送風ダクトから外部空気を前記排気口に送る送風ファンと、が設けられ、
前記無線通信モジュールは、前記送風ファンから離隔した位置に配置されている、
請求項13に記載の食器洗い機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食器洗い機、食器洗い機の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、扉の前面に、システムキッチンの扉と同じ材質の化粧板を施しても運転状況が容易に確認できる食器洗い機を開示する。
また、特許文献2は、食器洗い機の食器洗い情報を情報端末機器に送信するための通信部70のアンテナ部71を、前面扉の内部かつ操作パネルの裏側に設ける技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-097804号公報
【特許文献2】特開2018-057479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本開示は、食器洗い機から離れた場所でユーザが食器洗い機に係わる情報を把握でき、かつ、無線通信モジュールの通信障害を抑制することができる食器洗い機、食器洗い機の制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における食器洗い機は、無線通信モジュールを有する食器洗い機であって、前記食器洗い機に係わる情報である食器洗い機情報を、前記無線通信モジュールを介して端末装置に送信する通信制御部を備える。
【0006】
また、本開示における食器洗い機の制御方法は、無線通信モジュールを有する食器洗い機の制御方法であって、前記食器洗い機に係わる情報である食器洗い機情報を、前記無線通信モジュールを介して端末装置に送信するステップを含む。
【0007】
また、本開示におけるプログラムは、無線通信モジュールを有する食器洗い機のプロセッサを、前記食器洗い機に係わる情報である食器洗い機情報を、前記無線通信モジュールを介して端末装置に送信する通信制御部として機能させる。
【0008】
本開示における食器洗い機は、筐体と、前記筐体内に設けられ、被洗浄物を洗浄する洗浄槽と、前記洗浄槽の前面に設けられた前方空間部と、前記前方空間部に設けられ、食器洗い情報を所定の端末装置に送信する無線通信モジュールと、前記前方空間部の前面を被覆する面材と、を備え、前記面材の上端と、前記筐体の前端縁との間には、間隙部が形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本開示における食器洗い機、食器洗い機の制御方法、及びプログラムは、端末装置が食器洗い機に係わる情報をユーザに通知できるようになる。そのため、食器洗い機から離れた場所でユーザが食器洗い機に係わる情報を把握できる。
また、本開示における食器洗い機は、無線通信モジュールからの電波が食器洗い機の外部に発信されやすくなり、無線通信モジュールによる通信を良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1における情報処理システムの構成を示す図
図2】実施の形態1における食器洗い機の概略側面図
図3】実施の形態1における食器洗い機の正面図
図4】実施の形態1における食器洗い機の斜視図
図5】実施の形態1における食器洗い機の概略正面図
図6】実施の形態1における食器洗い機の概略正面図
図7】実施の形態1における洗剤タンクの正面図
図8】実施の形態1における洗剤タンクの正面図
図9】実施の形態1における食器洗い機、第1端末装置、第2端末装置、及びサーバ装置の制御系の構成を示す図
図10】実施の形態1における食器洗い機及び第1端末装置の動作を示すフローチャート
図11】実施の形態1における表示画面の一例を示す図
図12】実施の形態1における食器洗い機及び第1端末装置の動作を示すフローチャート
図13】実施の形態1における表示画面の一例を示す図
図14】実施の形態1における食器洗い機及び第1端末装置の動作を示すフローチャート
図15】実施の形態1における表示画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、運転状況などの食器洗い機に係わる情報を食器洗い機が表示する技術があった。しかしながら、従来の技術のように、食器洗い機に係わる情報を食器洗い機が表示する構成では、食器洗い機から離れた場所でユーザが食器洗い機に係わる情報を把握できないと言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
また、食器洗い機に関わる情報をユーザが離れた場所で把握する際、無線により情報を送信する必要があるが、無線通信モジュールの通信障害が生じてしまうと、食器洗い機の情報を正確に取得することができないと言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、食器洗い機から離れた場所でユーザが食器洗い機に係わる情報を把握でき、かつ、無線通信モジュールの通信障害を抑制することができる食器洗い機、食器洗い機の制御方法、及びプログラムを提供する。
【0012】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明を省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0013】
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。
[1-1.構成]
[1-1.情報処理システムの構成]
図1は、情報処理システム1の構成を示す図である。
情報処理システム1は、食器洗い機2に係わる情報処理を行うシステムである。
【0014】
情報処理システム1は、食器洗い機2を備える。食器洗い機2は、ビルトイン式の食器洗浄機である。本実施の形態の食器洗い機2は、ユーザPの自宅Hに設けられたシステムキッチンSKに搭載されている。食器洗い機2は、無線通信モジュール39を有する。無線通信モジュール39は、通信装置3と通信接続する。食器洗い機2は、無線通信モジュール39によって、通信装置3と通信接続する第1端末装置4と通信する。また、食器洗い機2は、無線通信モジュール39によって、第1端末装置4及びサーバ装置5を介して第2端末装置6と通信する。
【0015】
情報処理システム1は、第1端末装置4を備える。第1端末装置4は、例えばタブレット端末である。第1端末装置4の設置場所は、システムキッチンSKを有する台所に限らず、寝室などの台所以外の場所でもよい。第1端末装置4は、食器洗い機2を含むHEMS(Home Energy Management System)を制御する制御装置として機能する。第1端末装置4は、第1端末タッチパネル402を備え、第1端末タッチパネル402に各種情報を表示する。なお、HEMSには、食器洗い機2の他に、照明器具や、空気調和装置、太陽光発電機などの他の機器が含まれてもよい。
【0016】
情報処理システム1は、ユーザPに使用される第2端末装置6を備える。第2端末装置6は、例えばスマートフォンやタブレット端末である。第2端末装置6は、表示アプリ621がインストールされている。表示アプリ621は、第2端末装置6にインストール可能なアプリケーションプログラムであり、各種情報を第2端末装置6に表示させる機能を有する。第2端末装置6は、表示アプリ621の機能によってサーバ装置5と通信する。
【0017】
図1では、在宅するユーザPを実線で示し、自宅Hから外出したユーザPを点線で示している。本実施の形態の第2端末装置6は、ユーザPの在宅の有無に関わらず、通信装置3を介すことなくサーバ装置5と通信する。
【0018】
以下の説明において、第1端末装置4と第2端末装置6と区別しない場合、「端末装置」といい「7」の符号を付す。
【0019】
通信装置3は、通信ネットワークNWに接続し、通信ネットワークNWを介してサーバ装置5と通信する。通信ネットワークNWは、公衆回線網、専用線、その他の通信回線、及び各種の通信設備で構成されるネットワークであり、具体的な態様は制限されない。例えば、通信ネットワークNWは、インターネットである。通信ネットワークNWは、無線通信回路及び有線通信回路の少なくともいずれかを含む構成でもよい。本実施の形態の通信装置3は、第1端末装置4を通信ネットワークNWに接続するためのインターフェイス装置として機能する。
【0020】
情報処理システム1は、サーバ装置5を備える。サーバ装置5は、第1端末装置4及び第2端末装置6をクライアントとして情報処理を行う。サーバ装置5は、通信ネットワークNWに接続する。なお、各図では、サーバ装置5を、1つのブロックによって表現するが、これは必ずしもサーバ装置5が単一のサーバ装置により構成されることを意味していない。例えば、サーバ装置5は、処理内容が異なる複数のサーバ装置を含んで構成されてもよい。
【0021】
[1-1-2.食器洗い機の構成]
次に、食器洗い機2の構成について説明する。
図2は、食器洗い機2の概略側面図である。図3は、食器洗い機2の正面図である。図4は、食器洗い機2の斜視図である。図5及び図6は、食器洗い機2の概略正面図である。
図2に示すように、洗浄槽20には、扉体21が取り付けられている。図2図3図5、及び図6において、前方は、扉体21及び洗浄槽20が引き出される方向であり、後方は、洗浄槽20が収納され扉体21が閉じられる方向である。また、食器洗い機2の洗浄槽20の開口部側が上方であり、反対側が下方であり、扉体21の正面から見て右側が右方、左側が左方である。
【0022】
洗浄槽20は、上方に開口部20Aを有し、内部に食器類8を収容するかご9が配置される。洗浄槽20は、図3に示すように、下方域に第1レール22を備える。食器洗い機2の筐体23は、内面に第2レール24を備える。第1レール22は、第2レール24に移動可能に支持される。洗浄槽20は、筐体23に対して、前後方向に出し入れ自在に支持される。
【0023】
扉体21の上部には、図2に示すように、扉体21の後面より後方であって洗浄槽20の開口部20Aの前方に形成された平面部25を備える。平面部25には、LED(Light Emitting Diode)やタッチパネルなどを備える表示操作部26が配置される。表示操作部26は、食器洗い機2の洗浄運転のコースの選択や、食器洗い機2の電源のオンオフなどの操作を受け付ける。また、表示操作部26は、洗浄運転における食器洗い機2の状態や、節水・省エネ運転を実行しているか否か、食器洗い機2が洗浄運転を完了するまでの所要時間などの情報を表示する。なお、節水・省エネ運転については、後述する。扉体21の上部には、前方に突出する取手27を備える。取手27は、ユーザPが把持して洗浄槽20を筐体23から出し入れする際に利用される。
節水・省エネ運転は、本開示の「特定の運転」に相当する。表示操作部26は、本開示の「表示部」に相当する。
【0024】
なお、表示操作部26は、扉体21が閉じられた状態においては、扉体21及び筐体23に覆い隠されるので、外部からの視認ができない。従って、扉体21が閉じられた状態においては、食器洗い機2の正面に配置される部品点数を少なくできるため、食器洗い機2の外観デザイン性の向上を図ることができる。
【0025】
洗浄槽20と扉体21との間の両側には側壁28が配置される。一対の側壁28は洗浄槽20と扉体21とを連結し、洗浄槽20と扉体21とは一体的に移動可能である。洗浄槽20と扉体21との間には、前方空間部29が形成される。前方空間部29は、洗浄槽20の前面側と、扉体21の後面側と、側壁28の内面側と、平面部25の下面側とで区画形成される。前方空間部29には、洗剤タンク収納部30が配置され、洗剤タンク収納部30には洗剤タンク31が出し入れ自在に収容される。洗剤タンク収納部30は、側壁28の片側に溶着、ネジ止め、または側壁28と一体成型で形成される。洗剤タンク収納部30は、洗浄槽20の前面に設けてもよい。
【0026】
洗浄槽20の前面下方には、食器洗い機制御装置32が配置される。食器洗い機制御装置32は、例えば循環ポンプ33、排水ポンプ34、給水ポンプ35、洗剤ポンプ36などの駆動を制御する。食器洗い機制御装置32は、洗剤ポンプ36の回転速度及び駆動時間などを制御する。当該制御により、食器類8などの洗浄時においては、必要な量の液体洗剤が洗剤タンク31から洗浄槽20に供給される。
【0027】
図2に示すように、扉体21の前面側には、前方空間部29を被覆する面材21Aが設けられている。面材21Aすなわち扉体21の上端と筐体23の前端縁との間には、間隙部60が形成されている。
図4に示すように、扉体21の平面部には、間隙部60に開口する排気口61が設けられている。排気口61は、洗浄槽20の内部に連通し、洗浄槽20の内部空気を外部に放出するように構成されている。
図3図4に示すように、前方空間部29の前面視左側には、外気送風ダクト62が設けられている。外気送風ダクト62の上端部は、排気口61に連通している。外気送風ダクト62の中途部には、排気口61に外気を送るための送風ファン42が設けられている。
【0028】
そして、送風ファン42を駆動することで、外気送風ダクト62を介して排気口61に外気を送風するように構成されている。これにより、洗浄中に比較的高温となる内部空気を排気口61から排気する際に、内部空気を冷却することができ、洗浄槽20の内部空気が高温のまま排出されることを抑制することができる。
【0029】
また、洗浄槽20には、以下の経路で食器類8を洗浄する洗浄水が給水される。具体的には、システムキッチンSK上の分岐水栓などから給水ホースなどの給水経路に、水道水などの洗浄水が供給される。供給された洗浄水は、給水ポンプ35や給水弁などにより、給水経路を経て、洗浄槽20内に必要な水位や必要量の給水がなされる。
【0030】
洗浄槽20の外側下方には、循環ポンプ33が配置される。循環ポンプ33は、洗浄槽20内に給水された洗浄水を、循環経路を経て循環させ、洗浄ノズル37から洗浄水を噴射させる。食器類8は、噴射された洗浄水で洗浄される。洗浄水を加熱するヒータ38が、洗浄槽20の底部近傍に配置される。
【0031】
食器洗い機2は、洗浄槽20から洗浄水を排水する排水経路を備える。排水経路は、排水ポンプ34と図示せぬ排水ホースなどで構成される。食器類8の洗浄やすすぎが終了すると、排水ポンプ34が駆動され、洗浄水は、排水ホースを介して外部に排水される。排水は、洗浄槽20内の洗浄水を排水ホースを介して、接続されている排水管などへと送られることで、排水可能である。
【0032】
図5は、洗剤タンク31を収納した状態を示し、図6は、洗剤タンク31を収納途中もしくは引出途中の状態を示す。図6に示すように、洗剤タンク収納部30は右方が開口した空洞状の空間を有する。空洞状の空間には洗剤タンク31が出し入れ自在に収納される。洗剤タンク収納部30は、例えば洗浄槽20の中央部側から右方側に配置され、平面部25の略下方(下方を含む)で、洗剤タンク31を収納する。
【0033】
図5及び図6では、洗剤タンク収納部30から洗剤タンク31を右方向に引き出す構成を図示しているが、これに限られない。例えば、洗剤タンク収納部30及び洗剤タンク31を、図5及び図6とは左右対称の反対の位置に配置してもよい。この場合、洗剤タンク収納部30から洗剤タンク31を左方向に引き出す構成が望ましい。
【0034】
洗剤タンク31の底面の奥側端部には、図6に示すように、タンク側逆止弁311が設けられる。タンク側逆止弁311の出口は、洗剤タンク31の洗剤吐出口312に連通する。洗剤タンク収納部30には、底面の奥側端部に本体側逆止弁301が設けられる。洗剤タンク収納部30に洗剤タンク31を収納すると、図5に示すように、洗剤タンク収納部30の本体側逆止弁301とタンク側逆止弁311とが係合する。これにより、洗剤タンク31の収納が完了し、洗剤吐出口312から洗剤タンク収納部30側への液体洗剤を送る経路が構成される。
【0035】
洗剤タンク31は、図2に示すように、洗浄槽20を前方に少なくとも距離A(図2の点線矢印)以上、引き出された状態において、洗剤タンク収納部30から洗剤タンク31を左右方向に出し入れ自在に構成される。距離Aは、扉体21の背面と筐体23の最前面との合わせ面と、洗剤タンク収納部30の洗浄槽20側の面の最短距離である。
【0036】
図7及び図8は、洗剤タンク収納部30に収容された状態の洗剤タンク31の正面図である。図7は、洗剤タンク31に液体洗剤が貯留されていない状態を示し、図8は、洗剤タンク31に液体洗剤が貯留されている状態を示す。図8では、破線によって液体洗剤の液位を表している。液体洗剤は、洗剤入れ蓋部313を開けて貯留される。洗剤タンク31は側面側の少なくとも一部に透明部を有し、洗剤タンク収納部30に収納された状態で、ユーザPが洗剤タンク31内の液体洗剤の残量を目視可能とする。透明部は、液体洗剤の洗剤量を示す目盛りを有し、液体洗剤の減り具合、補充のタイミングなどを目視により推測できる。洗剤タンク31は、タンク取手314を有する。タンク取手314は側面側の少なくとも一部に設けられる。
【0037】
洗剤タンク31の内部には、液体洗剤内で浮遊する浮遊体の一例であるフロート315が設けられる。フロート315は、洗剤タンク31の開口を覆うカバー316に設けられた回動軸317に、アーム318を介して軸支される。フロート315は、液体洗剤に発生する波を打ち消すために設けられ、液体洗剤に浮く材料で形成される。フロート315は、熱可塑性樹脂や金属などによって形成されてもよい。フロート315を金属によって形成する場合には、フロート315が液体洗剤に浮くようにするために、内部に空洞が設けられてもよい。フロート315とアーム318は、一体的に形成されてもよいし、別々に形成されて接合されてもよい。アーム318は、洗浄槽20を筐体23に対して出し入れする方向と直交する方向に回動する。アーム318の回動はストッパリブ319にせき止められる。ストッパリブ319はカバー316に形成される。
【0038】
フロート315には磁性体320が設けられ、磁性体320の磁気を検知する磁気センサユニット302が、洗剤タンク収納部30の側面に設けられる。磁気センサユニット302が磁性体320の磁気を検知することで、洗剤タンク31は、洗剤タンク収納部30に収納されていることが検知される。
【0039】
図7に示すように、洗剤タンク31に液体洗剤が貯留されていないときには、フロート315およびアーム318は自重により鉛直下方に垂れ下がる。洗剤タンク31に液体洗剤が貯留されると、図8に示すように、フロート315は液体洗剤の液位に応じて浮上し、アーム318は回動軸317を中心として上方に回動する。磁気センサユニット302により磁性体320の位置を検知することにより、洗剤タンク31内の液体洗剤の液位を検知することができる。磁気センサユニット302は、例えば、洗剤タンク31内の液体洗剤の複数の液位に対応する磁性体320の位置の近傍に設けられた複数のホール素子で構成される。磁気センサユニット302は、磁気抵抗効果素子、磁気インピーダンス素子など、任意の方式で磁性体320の磁気を検知可能なセンサであってもよい。
【0040】
洗剤タンク31の奥側底部には爪321が設けられる。洗剤タンク31を洗剤タンク収納部30に挿入すると、爪321が洗剤タンク収納部30の側面に設けられた爪受け部と嵌合し、洗剤タンク31が洗剤タンク収納部30内に安定して支持される。洗剤タンク31は天面が開口され、開口部分はカバー316により覆われる。カバー316には洗剤投入口322が設けられ、洗剤投入口322は洗剤入れ蓋部313により覆われる。カバー316には投入補助斜面323が設けられる。液体洗剤は、投入補助斜面323に沿って流れて安定投入される。
【0041】
図3図4に示すように、前方空間部29の洗剤タンク収納部30の上方には、水よけリブ70が形成されている。水よけリブ70は、屋根型に形成されている。
本実施の形態においては、無線通信モジュール39は、洗剤タンク収納部30の水よけリブ70の下方であって磁性体320の移動範囲からから離隔した位置に配置されている。
また、無線通信モジュール39は、送風ファン42からも離隔した位置に配置されている。
さらに、排気口61の上下鉛直方向から外れた位置で、かつ排気口61の左右水平位置から外れた位置に配置されている。
これにより、無線通信モジュール39は、洗剤タンク31の磁性体320および送風ファン42に内蔵されたマグネットの磁力の影響を受けることを抑制することができる。また、無線通信モジュール39を排気口61の上下鉛直方向、左右水平方向から外れた位置に配置することで、洗浄槽20からの排気の影響を抑制することができる。
【0042】
[1-1-3.情報処理システムの各部の制御系の構成]
次に、食器洗い機2、第1端末装置4、第2端末装置6、及びサーバ装置5の制御系の構成について説明する。
図9は、食器洗い機2、第1端末装置4、第2端末装置6、及びサーバ装置5の制御系の構成を示す図である。
【0043】
まず、第1端末装置4の構成について説明する。
第1端末装置4は、第1端末制御装置400を備える。第1端末制御装置400は、第1端末プロセッサ410、第1端末メモリ420、及び第1端末I/F430を備える。
【0044】
第1端末プロセッサ410は、CPUやMPC等のプロセッサである。第1端末プロセッサ410は、第1端末メモリ420が記憶する制御プログラム421を読み出して実行することにより、第1端末通信制御部411及び第1端末処理部412として機能する。
【0045】
第1端末メモリ420は、プログラムやデータを記憶するメモリである。第1端末メモリ420は、制御プログラム421、第1端末プロセッサ410に処理されるデータを記憶する。第1端末メモリ420は、不揮発性の記憶領域を有する。また、第1端末メモリ420は、揮発性の記憶領域を備え、第1端末プロセッサ410のワークエリアを構成してもよい。
【0046】
第1端末I/F430は、コネクタや通信回路等の所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、第1端末通信ユニット401及び第1端末タッチパネル402と通信する。
【0047】
第1端末装置4は、第1端末通信ユニット401及び第1端末タッチパネル402を備える。第1端末通信ユニット401及び第1端末タッチパネル402は、第1端末制御装置400に接続される。
【0048】
第1端末通信ユニット401は、通信回路等の所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、第1端末制御装置400の制御に従って食器洗い機2及びサーバ装置5と通信する。なお、第1端末通信ユニット401の通信規格は、無線通信規格でも有線通信規格でもよい。
【0049】
第1端末タッチパネル402は、タッチパネルである。
【0050】
上述したように、第1端末プロセッサ410は、第1端末通信制御部411及び第1端末処理部412として機能する。
【0051】
第1端末通信制御部411は、第1端末通信ユニット401を介して食器洗い機2及びサーバ装置5と通信する。
【0052】
第1端末処理部412は、第1端末タッチパネル402に各種情報を表示させる。
【0053】
次に、第2端末装置6について説明する。
第2端末装置6は、第2端末制御装置600を備える。第2端末制御装置600は、第2端末プロセッサ610、第2端末メモリ620、及び第2端末I/F630を備える。
【0054】
第2端末プロセッサ610は、CPUやMPC等のプロセッサである。第2端末プロセッサ610は、第2端末メモリ620が記憶する表示アプリ621を読み出して実行することにより、アプリ実行部611として機能する。
【0055】
第2端末メモリ620は、プログラムやデータを記憶するメモリである。第2端末メモリ620は、表示アプリ621、第2端末プロセッサ610に処理されるデータを記憶する。第2端末メモリ620は、不揮発性の記憶領域を有する。また、第2端末メモリ620は、揮発性の記憶領域を備え、第2端末プロセッサ610のワークエリアを構成してもよい。
【0056】
第2端末I/F630は、コネクタや通信回路等の所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、第2端末通信ユニット601及び第2端末タッチパネル602と通信する。
【0057】
第2端末装置6は、第2端末通信ユニット601及び第2端末タッチパネル602を備える。第2端末通信ユニット601及び第2端末タッチパネル602は、第2端末制御装置600に接続される。
【0058】
第2端末通信ユニット601は、無線通信回路等の所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、第2端末制御装置600の制御に従ってサーバ装置5と通信する。
【0059】
第2端末タッチパネル602は、タッチパネルである。
【0060】
上述したように、第2端末プロセッサ610は、アプリ実行部611として機能する。
アプリ実行部611は、第2端末通信ユニット601を介して、サーバ装置5と通信する。アプリ実行部611は、第2端末タッチパネル602に各種情報を表示させる。
【0061】
次に、サーバ装置5の構成について説明する。
サーバ装置5は、サーバプロセッサ51、サーバメモリ52、及びサーバI/F53を備える。
【0062】
サーバプロセッサ51は、CPUやMPC等のプロセッサである。サーバプロセッサ51は、サーバメモリ52が記憶する制御プログラムを読み出して実行することにより、各種の情報処理を行う。
【0063】
サーバメモリ52は、プログラムやデータを記憶するメモリである。サーバメモリ52は、管理データ521、その他のデータを記憶する。管理データ521は、第1端末装置4のアドレスと第2端末装置6のアドレスとの対応関係を管理するデータである。
【0064】
サーバI/F53は、コネクタや通信回路等の所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、通信ネットワークNWに接続する第1端末装置4及び第2端末装置6と通信する。
【0065】
次に、食器洗い機2の構成について説明する。
食器洗い機2は、食器洗い機2の各部を制御する食器洗い機制御装置32を備える。食器洗い機制御装置32は、食器洗い機プロセッサ330、食器洗い機メモリ340、及び食器洗い機I/F350を備える。I/Fは、インターフェイスを示す。
食器洗い機プロセッサ330は、本開示の「プロセッサ」に相当する。
【0066】
食器洗い機プロセッサ330は、CPU(Central Processing Unit)やMPC(Micro Processing Unit)等のプロセッサである。食器洗い機プロセッサ330は、食器洗い機メモリ340が記憶する制御プログラム341を読み出して実行することにより、食器洗い機通信制御部331、運転制御部332、残量検知部333、及び異常検知部334として機能する。
食器洗い機通信制御部331は、本開示の「通信制御部」に相当する。制御プログラム341は、本開示の「プログラム」に相当する。
【0067】
食器洗い機メモリ340は、プログラムやデータを記憶するメモリである。食器洗い機メモリ340は、制御プログラム341、食器洗い機プロセッサ330に処理されるデータを記憶する。食器洗い機メモリ340は、不揮発性の記憶領域を有する。また、食器洗い機メモリ340は、揮発性の記憶領域を備え、食器洗い機プロセッサ330のワークエリアを構成してもよい。
【0068】
食器洗い機I/F350は、コネクタや通信回路等の所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備える。食器洗い機I/F350は、無線通信モジュール39、循環ポンプ33、排水ポンプ34、給水ポンプ35、洗剤ポンプ36、ヒータ38、磁気センサユニット302、温度センサ40、開閉センサ41、送風ファン42、静電霧化装置43、表示操作部26、及び濁度検知センサ44と接続し、これらデバイスと通信する。
なお、食器洗い機制御装置32に接続するデバイスは、これらデバイスに限定されず、他のデバイスが接続してもよい。
【0069】
無線通信モジュール39は、アンテナや無線通信回路などの通信ハードウェアを備え、食器洗い機制御装置32の制御に従って所定の無線通信規格で通信する。
【0070】
循環ポンプ33は、食器洗い機制御装置32の制御に従って回転し、洗浄槽20内に給水された洗浄水を、循環経路を経て循環させ、洗浄ノズル37から洗浄水を噴射させる。
【0071】
排水ポンプ34は、食器洗い機制御装置32の制御に従って回転し、洗浄槽20から洗浄水を排水する。
【0072】
給水ポンプ35は、食器洗い機制御装置32の制御に従って回転し、給水経路から供給された洗浄水を洗浄槽20内に給水する。
【0073】
洗剤ポンプ36は、食器洗い機制御装置32の制御に従って駆動回転し、液体洗剤を洗剤タンク31から洗浄槽20に供給する。
【0074】
ヒータ38は、食器洗い機制御装置32の制御に従って加熱し、洗浄水を加熱する。
【0075】
磁気センサユニット302は、ホール素子で構成された第1磁気センサ及び第2磁気センサを備える。第1磁気センサ及び第2磁気センサの各々は、磁性体320のN極S極の各々を検知し、対応する検知信号を食器洗い機制御装置32に出力する。すなわち、磁気センサユニット302は、4種の検知信号を出力する。液体洗剤の液位に応じて、磁性体320と磁気センサユニット302との位置関係が変化するため、磁気センサユニット302は、食器洗い機制御装置32に出力する検知信号の組み合わせが変わる。本実施の形態では、磁気センサユニット302が出力する検知信号の組み合わせは、7つある。
【0076】
温度センサ40は、洗浄槽20内の洗浄水の温度を検知し、検知信号を食器洗い機制御装置32に出力する。
【0077】
開閉センサ41は、扉体21の開閉を検知する。開閉センサ41は、検知信号を食器洗い機制御装置32に出力する。
【0078】
送風ファン42は、食器洗い機制御装置32の制御に従って回転する。送風ファン42は、洗浄槽20内に外気を送り、食器類8を乾燥させる。
【0079】
静電霧化装置43は、例えば、供給される水分に放電して帯電微粒子水を含むミストを生成する放電部と、放電部に印加する高電圧を発生させる電源回路とを備える。放電部及び電源回路の図示は省略する。静電霧化装置43は、帯電微粒子水を含むミストを発生させることで、洗浄槽20内を脱臭したり、洗浄槽20内に発生する菌を抑制したりする。帯電微粒子水には、除菌作用や脱臭作用などを発揮する静電霧等の有効成分が含まれる。静電霧化装置43が発生させたミストは、所定のファンによって洗浄槽20内に送られる。
【0080】
表示操作部26は、LEDやタッチパネルを備え、食器洗い機制御装置32の制御に従って各種の情報を表示する。また、表示操作部26は、具備するタッチパネルを介して、ユーザPから各種の操作を受け付ける。
【0081】
濁度検知センサ44は、例えば光学式のセンサで構成され、循環経路に配置される所定の配管中を流れる洗浄水の濁度を検出し、検出信号を食器洗い機制御装置32に出力する。
【0082】
上述したように、食器洗い機プロセッサ330は、食器洗い機通信制御部331、運転制御部332、残量検知部333、及び異常検知部334として機能する。
【0083】
食器洗い機通信制御部331は、無線通信モジュール39を介して、第1端末装置4と通信する。
【0084】
運転制御部332は、食器洗い機制御装置32に接続する各種のデバイスを制御して、食器洗い機2の洗浄運転を制御する。運転制御部332が制御する洗浄運転は、洗浄工程、すすぎ工程、乾燥工程、及び保管工程をこの順で連続して実行する運転でもよいし、いずれかの工程のみを実行する運転でもよいし、いずれか2つ異常の工程を任意の順序で実行する運転でもよい。ここで、保管工程とは、扉体21が閉状態である場合において食器類8を洗浄槽20内で保管する工程である。保管工程は、乾燥保管工程、及び除菌保管工程の少なくともいずれかを含む。乾燥保管工程は、送風ファン42によって食器類8を乾燥保管する工程である。除菌保管工程は、静電霧化装置43が生成したミストを洗浄槽20内に送り、食器類8を除菌保管する工程である。
【0085】
運転制御部332は、洗浄運転において、節水・省エネ運転を実行可能である。節水・省エネ運転は、洗浄運転において、節水及び省エネルギーを行うための運転である。節水・省エネ運転を伴う洗浄運転は、節水・省エネ運転を伴わない洗浄運転より、節水及び省エネルギーが可能である。運転制御部332は、洗浄運転において、温度センサ40が検出する単位時間あたりの温度変化、及び、濁度検知センサ44の検出信号に基づいて、節水・省エネ運転を実行するか否かを判定する。そして、運転制御部332は、節水・省エネ運転を実行すると判定した場合、洗浄運転において節水・省エネ運転を実行する。
【0086】
運転制御部332は、洗浄運転における食器洗い機2の状態を示す状態情報JJを食器洗い機通信制御部331に出力する。本実施の形態において、運転制御部332が出力する状態情報JJは、洗浄運転における食器洗い機2の状態として、運転開始前、洗浄中、乾燥中、保管中、及び運転完了のいずれかを示す。
【0087】
残量検知部333は、洗剤タンク31に貯留される液体洗剤の残量を検知する。残量検知部333は、液体洗剤の残量を、無、少、中、多の4段階で検知する。食器洗い機メモリ340には、磁気センサユニット302が出力する検出信号の組み合わせごとに、当該組み合わせを、無、小、中、及び多のいずれかに分類した分類データを記憶している。残量検知部333は、当該分類データを参照し、磁気センサユニット302が出力する検出信号の組み合わせが、無、小、中、及び多のどれに分類されているかを特定し、特定した分類を液体洗剤の残量として検知する。残量検知部333は、今回検知した液体洗剤の残量が、前回検知した液体洗剤の残量と異なる場合、今回検知した液体洗剤の残量を示す残量情報ZJを、食器洗い機通信制御部331に出力する。
【0088】
異常検知部334は、食器洗い機2の異常を検知する。本実施の形態の異常検知部334は、食器洗い機2の異常として、洗浄運転の運転開始指示があったとき及び洗浄運転中に、扉体21が開状態であることを検知する。異常検知部334は、開閉センサ41の検出信号に基づいて、扉体21が開状態であるか否かを検知する。異常検知部334は、食器洗い機2の異常を検知した場合、検知した食器洗い機2の異常を示す異常情報を、食器洗い機通信制御部331に出力する。異常情報は、検知された食器洗い機2の異常に対応するコードを含む。
【0089】
上述した通り、食器洗い機2は、無線通信モジュール39によって、端末装置7と通信可能である。そのため、食器洗い機2は、食器洗い機2に係わる情報である食器洗い機情報を端末装置7に送信する。本実施の形態において、食器洗い機2は、食器洗い機情報として、状態情報JJ、残量情報ZJ、異常情報、及び実行有無情報GJを送信する。実行有無情報GJとは、洗浄運転中に節水・省エネ運転を実行しているか否かを示す情報である。
【0090】
[1-2.動作]
次に、情報処理システム1の各部の動作について説明する。
[1-2-1.残量情報に係わる動作]
図10は、食器洗い機2と第1端末装置4の動作を示すフローチャートである。図10において、フローチャートFAは食器洗い機2の動作を示し、フローチャートFBは第1端末装置4の動作を示す。
【0091】
なお、フローチャートFA、FBに示す動作は、食器洗い機2が洗浄運転を実行しているときに行われてもよいし、食器洗い機2が運転していないときに行われてもよい。
【0092】
フローチャートFAで示すように、食器洗い機2の残量検知部333は、洗剤タンク31が貯留する液体洗剤の残量を検知する(ステップSA1)。
【0093】
次いで、残量検知部333は、ステップSA1で検知した液体洗剤の残量が前回検知した残量と異なるか否かを判定する(ステップSA2)。
【0094】
前回検知した残量と同じであると判定した場合(ステップSA2:NO)、食器洗い機プロセッサ330は、再度、ステップSA1の処理を行う。
【0095】
一方、前回検知した残量と異なると判定した場合(ステップSA2:YES)、食器洗い機通信制御部331は、ステップSA1で検知された液体洗剤の残量を示す残量情報ZJを、第1端末装置4に送信する(ステップSA3)。
【0096】
フローチャートFBで示すように、第1端末装置4の第1端末通信制御部411は、残量情報ZJを食器洗い機2から受信したか否かを判定する(ステップSB1)。
【0097】
第1端末通信制御部411は、残量情報ZJを受信していないと判定した場合(ステップSB1:NO)、再度、ステップSB1の判定を行う。
【0098】
一方、第1端末通信制御部411が残量情報ZJを受信したと判定した場合(ステップSB1:YES)、第1端末処理部412は、ステップSB1で受信された残量情報ZJを第1端末タッチパネル402に表示させる(ステップSB2)。
【0099】
図11は、残量情報ZJを表示する表示画面HGの一例を示す図である。
図11で示す表示画面HGは、液体洗剤の残量が無いことを示す残量情報ZJを表示している。また、図11に示す表示画面HGは、液体洗剤の残量が無いことに対する対処を示す対処情報TJも併せて表示している。
【0100】
以上のように、食器洗い機2は、食器洗い機情報として残量情報ZJを第1端末装置4に送信する。そして、第1端末装置4は、受信した残量情報ZJを表示する。これにより、ユーザPは、台所でない、第1端末装置4が設置される部屋に居る場合でも、液体洗剤の残量を把握できる。また、本実施の形態の食器洗い機2は洗浄運転中、表示操作部26が食器洗い機2の内部に位置する構成であるが、食器洗い機2が洗浄運転中であっても、ユーザPは、第1端末装置4によって液体洗剤の残量を把握できる。
【0101】
以上の説明では、フローチャートFBに示す動作主体が、第1端末装置4である場合を例示した。しかしながら、フローチャートFBの動作主体は、第2端末装置6でもよい。この場合、食器洗い機2から送信された残量情報ZJは、第1端末装置4及びサーバ装置5を介して、第2端末装置6に到達する。なお、サーバ装置5のサーバプロセッサ51は、管理データ521を参照して、第1端末装置4から受信した残量情報ZJを、適切な第2端末装置6に送信する。フローチャートFBの動作主体が第2端末装置6である場合、アプリ実行部611は、ステップSB1の判定を行い、ステップSB1で肯定判定した場合にサーバ装置5から受信した残量情報ZJを第2端末タッチパネル602に表示させる。
【0102】
フローチャートFBの動作主体が第2端末装置6の場合、食器洗い機2は、食器洗い機情報として残量情報ZJを第1端末装置4に送信する。そして、第2端末装置6は、サーバ装置5から受信した残量情報ZJを表示する。これにより、ユーザPは、自宅Hから外出中でも液体洗剤の残量を把握できる。よって、ユーザPは、例えば、買い物中に液体洗剤の残量を把握できる。
【0103】
[1-2-2.異常情報に係わる動作]
図12は、食器洗い機2と第1端末装置4の動作を示すフローチャートである。図12において、フローチャートFCは食器洗い機2の動作を示し、フローチャートFDは第1端末装置4の動作を示す。
【0104】
フローチャートFCで示すように、食器洗い機2の運転制御部332は、洗浄運転を開始する運転開始指示を表示操作部26を介して受け付けたか否かを判定する(ステップSC1)。
【0105】
運転制御部332は、運転開始指示を受け付けていないと判定した場合(ステップSC1:NO)、再度、ステップSC1の判定を行う。
【0106】
一方、運転制御部332が運転開始指示を受け付けたと判定した場合(ステップSC1:YES)、異常検知部334は、扉体21が開状態か否かを判定する(ステップSC2)。
【0107】
扉体21が開状態であると異常検知部334が判定した場合(ステップSC2:YES)、食器洗い機通信制御部331は、異常検知部334から出力された異常情報を第1端末装置4に送信する(ステップSC3)。
【0108】
次いで、異常検知部334は、扉体21が閉状態か否かを判定する(ステップSC4)。異常検知部334は、扉体21が閉状態でないと判定した場合(ステップSC4:NO)、再度、ステップSC4の判定を行う。
【0109】
一方、異常検知部334が、扉体21が閉状態であると判定した場合(ステップSC4:YES)、食器洗い機通信制御部331は、異常が無いことを示す異常無し情報を第1端末装置4に送信する(ステップSC5)。
【0110】
運転制御部332は、ステップSC2で肯定判定された場合、又は、ステップSC5の処理が行われた場合、洗浄運転を開始する(ステップSC6)。
【0111】
次いで、異常検知部334は、扉体21が閉状態か否かを判定する(ステップSC7)。異常検知部334が、扉体21が閉状態でない、換言すると扉体21が開状態であると判定した場合(ステップSC7:NO)、運転制御部332は、洗浄運転を一時停止する(ステップSC8)。
【0112】
次いで、食器洗い機通信制御部331は、異常検知部334から出力された異常情報を第1端末装置4に送信する(ステップSC9)。
【0113】
次いで、異常検知部334は、扉体21が閉状態か否かを判定する(ステップSC10)。異常検知部334は、扉体21が閉状態でないと判定した場合(ステップSC10:NO)、再度、ステップSC10の判定を行う。
【0114】
一方、異常検知部334が、扉体21が閉状態であると判定した場合(ステップSC10:YES)、食器洗い機通信制御部331は、異常無し情報を第1端末装置4に送信する(ステップSC11)。
【0115】
次いで、運転制御部332は、一時停止していた洗浄運転を再開する(ステップSC12)。
【0116】
運転制御部332は、ステップSC7で肯定判定された場合、又は、ステップSC12の処理を行った場合、洗浄運転が完了したか否かを判定する(ステップSC13)。
【0117】
運転制御部332が洗浄運転を完了していないと判定した場合(ステップSC13:NO)、食器洗い機プロセッサ330は、処理をステップSC7に戻し、再度、ステップSC7の処理を行う。
【0118】
一方、運転制御部332が洗浄運転を完了したと判定した場合(ステップSC13:YES)、食器洗い機プロセッサ330は、本処理を終了する。
【0119】
フローチャートFDで示すように、第1端末装置4の第1端末通信制御部411は、異常情報を受信したか否かを判定する(ステップSD1)。
【0120】
第1端末通信制御部411が異常情報を受信したと判定した場合(ステップSD1:NO)、第1端末処理部412は、異常情報が含むコードに対応する異常の内容を示す異常内容情報INJを第1端末タッチパネル402に表示させる(ステップSD2)。本実施の形態では、扉体21が開状態であることのコードを含む異常情報が送信される。よって、ステップSD2では、扉体21が開状態であることを示す異常内容情報INJが表示される。
【0121】
フローチャートFDで示すように、第1端末通信制御部411は、異常無し情報を受信したか否かを判定する(ステップSD3)。
【0122】
第1端末通信制御部411が異常無し情報を受信したと判定した場合(ステップSD3:YES)、第1端末処理部412は、表示している異常内容情報INJを削除する(ステップSD4)。すなわち、ステップSD4において、第1端末処理部412は、異常内容情報INJを非表示にする。
【0123】
図13は、異常内容情報INJを表示する表示画面HGの一例を示す図である。
図13で示す表示画面HGは、異常内容情報INJを表示した後、異常内容情報INJが削除された場合を示している。
【0124】
以上のように、食器洗い機2は、食器洗い機情報として異常情報を第1端末装置4に送信する。そして、第1端末装置4は、受信した異常情報に基づいて異常内容情報INJを表示する。これにより、ユーザPは、台所でない、第1端末装置4が設置される部屋に居る場合でも、食器洗い機2に発生した異常の内容を把握できる。また、ユーザPは、異常内容を把握できるため、食器洗い機2に発生した異常の内容を把握するために、食器洗い機2の取扱説明書を閲覧したり、食器洗い機2のサービスセンタに連絡したりする必要がない。
【0125】
以上の説明では、フローチャートFDに示す動作主体が、第1端末装置4である場合を例示した。しかしながら、フローチャートFDの動作主体は、第2端末装置6でもよい。この場合、食器洗い機2から送信された異常情報は、第1端末装置4及びサーバ装置5を介して、第2端末装置6に到達する。フローチャートFDの動作主体が第2端末装置6である場合、アプリ実行部611は、ステップSD1、SD3の判定を行い、ステップSD1で肯定判定した場合に異常内容情報INJを第2端末タッチパネル602に表示させ、ステップSD3で肯定判定した場合に異常内容情報INJを削除(非表示)する。
【0126】
フローチャートFDの動作主体が第2端末装置6の場合、食器洗い機2は、食器洗い機情報として異常情報を第1端末装置4に送信する。そして、第2端末装置6は、サーバ装置5から受信した異常情報に基づいて異常内容情報INJを表示する。これにより、ユーザPは、自宅Hから外出中でも、食器洗い機2に発生した異常の内容を把握できる。
【0127】
[1-2-3.状態情報、及び実行有無情報に係わる動作]
図14は、食器洗い機2と第1端末装置4の動作を示すフローチャートである。図14において、フローチャートFEは食器洗い機2の動作を示し、フローチャートFFは第1端末装置4の動作を示す。
【0128】
フローチャートFEで示すように、食器洗い機2の食器洗い機通信制御部331は、運転開始前を示す状態情報JJを第1端末装置4に送信する(ステップSE1)。
【0129】
扉体21が開状態にされ、食器洗い機2の電源が投入され、食器洗い機2に運転開始指示がなされると、食器洗い機通信制御部331は、洗浄中を示す状態情報JJを第1端末装置4に送信する(ステップSE2)。
【0130】
次いで、運転制御部332は、開閉センサ41の検出信号に基づいて、扉体21が閉状態か否かを判定する(ステップSE3)。
【0131】
運転制御部332は、扉体21が閉状態であると判定した場合(ステップSE3:NO)、再度、ステップSE3の判定を行う。
【0132】
一方、運転制御部332は、扉体21が閉状態であると判定した場合(ステップSE3:YES)、洗浄運転を開始する(ステップSE4)。
【0133】
食器洗い機通信制御部331は、要求情報を第1端末装置4から受信する(ステップSE5)。要求情報は、実行有無情報GJを要求する情報である。
【0134】
次いで、食器洗い機通信制御部331は、要求情報の応答として、実行有無情報GJを第1端末装置4に送信する(ステップSE6)。食器洗い機通信制御部331は、運転制御部332が節水・省エネ運転を実行している場合、節水・省エネ運転を実行していることを示す実行有無情報GJを第1端末装置4に送信する。食器洗い機通信制御部331は、運転制御部332が節水・省エネ運転を実行していない場合、節水・省エネ運転を実行していないことを示す実行有無情報GJを第1端末装置4に送信する。
【0135】
次いで、洗浄運転が乾燥工程に移行すると、食器洗い機通信制御部331は、乾燥中を示す状態情報JJを第1端末装置4に送信する(ステップSE7)。
【0136】
次いで、洗浄運転が保管工程に移行すると、食器洗い機通信制御部331は、保管中を示す状態情報JJを第1端末装置4に送信する(ステップSE8)。
【0137】
次いで、洗浄運転が完了すると、食器洗い機通信制御部331は、運転完了を示す状態情報JJを第1端末装置4に送信する(ステップSE9)。
【0138】
次いで、食器洗い機通信制御部331は、開閉センサ41の検出信号に基づいて、扉体21が開状態になったか否かを判定する(ステップSE10)。
【0139】
食器洗い機通信制御部331は、扉体21が開状態になっていないと判定した場合(ステップSE10:NO)、再度、ステップSE10の判定を行う。
【0140】
次いで、食器洗い機通信制御部331は、扉体21が開状態になったと判定した場合(ステップSE10:YES)、再度、ステップSE1の処理を行う。
【0141】
フローチャートFFで示すように、第1端末装置4の第1端末通信制御部411は、運転開始前を示す状態情報JJを受信したか否かを判定する(ステップSF1)。
【0142】
第1端末処理部412は、運転開始前を示す状態情報JJを第1端末タッチパネル402に表示させる(ステップSF2)。
【0143】
次いで、第1端末通信制御部411は、洗浄中を示す状態情報JJを受信したか否かを判定する(ステップSF3)。
【0144】
第1端末通信制御部411は、洗浄中を示す状態情報JJを受信していないと判定した場合(ステップSF3:NO)、再度、ステップSF3の判定を行う。
【0145】
一方、第1端末通信制御部411が、洗浄中を示す状態情報JJを受信したと判定した場合(ステップSF3:YES)、第1端末処理部412は、洗浄中を示す状態情報JJを第1端末タッチパネル402に表示させる(ステップSF4)。
【0146】
次いで、第1端末通信制御部411は、要求情報を食器洗い機2に送信する(ステップSF5)。
【0147】
第1端末通信制御部411は、実行有無情報GJを食器洗い機2から受信する(ステップSF6)。
【0148】
次いで、第1端末処理部412は、ステップSF6で受信された実行有無情報GJを第1端末タッチパネル402に表示させる(ステップSF7)。
【0149】
次いで、第1端末通信制御部411は、乾燥中を示す状態情報JJを受信したか否かを判定する(ステップSF8)。
【0150】
第1端末通信制御部411は、乾燥中を示す状態情報JJを受信していないと判定した場合(ステップSF8:NO)、再度、ステップSF8の判定を行う。
【0151】
一方、第1端末通信制御部411が、乾燥中を示す状態情報JJを受信したと判定した場合(ステップSF8:YES)、第1端末処理部412は、乾燥中を示す状態情報JJを第1端末タッチパネル402に表示させる(ステップSF9)。
【0152】
次いで、第1端末通信制御部411は、保管中を示す状態情報JJを受信したか否かを判定する(ステップSF10)。
【0153】
第1端末通信制御部411は、保管中を示す状態情報JJを受信していないと判定した場合(ステップSF10:NO)、再度、ステップSF10の判定を行う。
【0154】
一方、第1端末通信制御部411が、保管中を示す状態情報JJを受信したと判定した場合(ステップSF10:YES)、第1端末処理部412は、保管中を示す状態情報JJを第1端末タッチパネル402に表示させる(ステップSF11)。
【0155】
次いで、第1端末通信制御部411は、運転完了を示す状態情報JJを受信したか否かを判定する(ステップSF12)。
【0156】
第1端末通信制御部411は、運転完了を示す状態情報JJを受信していないと判定した場合(ステップSF12:NO)、再度、ステップSF12の判定を行う。
【0157】
一方、第1端末通信制御部411が、運転完了を示す状態情報JJを受信したと判定した場合(ステップSF12:YES)、第1端末処理部412は、運転完了を示す状態情報JJを第1端末タッチパネル402に表示させる(ステップSF12)。
【0158】
図15は、状態情報JJ及び実行有無情報GJを表示する表示画面HGの一例を示す図である。
図15では、洗浄運転開始前から洗浄運転完了までの表示画面HGの画面遷移の一例を示している。洗浄運転開始前では、表示画面HGには、運転開始前の状態情報JJが表示される。洗浄運転が開始すると、表示画面HGには、運転開始前の状態情報JJが非表示になり、代わりに洗浄中の状態情報JJが表示される。その後、食器洗い機2から受信した実行有無情報GJが節水・省エネ運転を実行していることを示す情報である場合、表示画面HGには、節水・省エネ運転を実行していることを示す実行有無情報GJが表示される。その後、食器洗い機2が乾燥工程を始めると、表示画面HGには、洗浄中の状態情報JJが非表示になり、代わりに、乾燥中の状態情報JJが表示される。その後、食器洗い機2が保管工程を始めると、表示画面HGには、乾燥中の状態情報JJが非表示になり、代わりに、保管中の状態情報JJが表示される。その後、洗浄運転が完了すると、表示画面HGには、運転完了の状態情報JJが表示される。
【0159】
以上のように、食器洗い機2は、食器洗い機情報として状態情報JJを第1端末装置4に送信する。そして、第1端末装置4は、受信した状態情報JJを表示する。これにより、ユーザPは、台所でない、第1端末装置4が設置される部屋に居る場合でも、食器洗い機2が洗浄運転においてどのような状態であるかを把握できる。また、食器洗い機2は、食器洗い機情報として実行有無情報GJを第1端末装置4に送信する。そして、第1端末装置4は、受信した実行有無情報GJを表示する。これにより、ユーザPは、台所でない、第1端末装置4が設置される部屋に居る場合でも、食器洗い機2が洗浄運転において節水・省エネ運転を実行しているか否かを把握できる。
【0160】
以上の説明では、フローチャートFFに示す動作主体が、第1端末装置4である場合を例示した。しかしながら、フローチャートFFの動作主体は、第2端末装置6でもよい。この場合、第2端末装置6と食器洗い機2とは、第1端末装置4及びサーバ装置5を介して通信する。フローチャートFFの動作主体が第2端末装置6である場合、アプリ実行部611は、ステップSF1からステップSF13の処理を行う。アプリ実行部611は、状態情報JJ及び実行有無情報GJを第2端末タッチパネル602に表示させる。
【0161】
フローチャートFFの動作主体が第2端末装置6の場合、食器洗い機2は、食器洗い機情報として状態情報JJ及び実行有無情報GJを第1端末装置4に送信する。そして、第2端末装置6は、サーバ装置5から受信したこれら情報を表示する。これにより、ユーザPは、自宅Hから外出中でも、食器洗い機2が洗浄運転においてどのような状態であるかを把握でき、また、食器洗い機2が洗浄運転において節水・省エネ運転を実行しているか否かを把握できる。
【0162】
[1-3.効果等]
以上、説明したように、無線通信モジュール39を有する食器洗い機2は、食器洗い機2に係わる情報である食器洗い機情報を、無線通信モジュール39を介して端末装置7に送信する食器洗い機通信制御部331を備える。
【0163】
これにより、端末装置7が食器洗い機2に係わる情報をユーザPに通知できるようになる。そのため、食器洗い機2から離れた場所でユーザPが食器洗い機2に係わる情報を把握できる。
【0164】
食器洗い機2は、洗浄槽20に供給される液体洗剤を貯留する洗剤タンク31と、洗剤タンク31が貯留する液体洗剤の残量を検知する残量検知部333と、を備える。食器洗い機通信制御部331は、残量検知部333が検知した液体洗剤の残量を示す残量情報ZJを、食器洗い機情報として端末装置7に送信する。
【0165】
これによれば、端末装置7が液体洗剤の残量をユーザPに通知できるようになる。そのため、食器洗い機2から離れた場所でユーザPが液体洗剤の残量を把握できる。
【0166】
食器洗い機2は、節水及び省エネルギーを行うための節水・省エネ運転を実行可能である。食器洗い機通信制御部331は、食器洗い機2が節水・省エネ運転を行っているか否かを示す実行有無情報GJを、食器洗い機情報として端末装置7に送信する。
【0167】
これによれば、端末装置7が節水・省エネ運転を実行しているか否かをユーザPに通知できるようになる。そのため、食器洗い機2から離れた場所でユーザPが節水・省エネ運転を実行しているか否かを把握できる。
【0168】
食器洗い機通信制御部331は、洗浄運転に係わる食器洗い機2の状態を示す状態情報JJを、食器洗い機情報として端末装置7に送信する。
【0169】
これによれば、端末装置7が、洗浄運転における食器洗い機2の状態をユーザPに通知できるようになる。そのため、食器洗い機2から離れた場所で、洗浄運転における食器洗い機2の状態を把握できる。
【0170】
食器洗い機2は、食器洗い機2の異常を検知する異常検知部334を備える。食器洗い機通信制御部331は、異常検知部334が検知した食器洗い機2の異常を示す異常情報を、食器洗い機情報として端末装置7に送信する。
【0171】
これによれば、端末装置7が食器洗い機2の異常の内容をユーザPに通知できるようになる。そのため、食器洗い機2から離れた場所で、ユーザPが、食器洗い機2に発生した異常の内容を把握できる。
【0172】
食器洗い機2は、食器洗い機情報を表示する表示操作部26を備える。表示操作部26は、食器洗い機2が洗浄運転中、食器洗い機2の内部に位置する位置に設けられる。
【0173】
これによれば、洗浄運転中、表示操作部26が食器洗い機2の内部に位置する構成であっても、食器洗い機2が洗浄運転中に、ユーザPは、第1端末装置4によって液体洗剤の残量を把握できる。よって、外観デザイン性の向上を図りつつ、ユーザPが食器洗い機2に係わる情報を把握できることを実現できる。
【0174】
無線通信モジュール39を有する食器洗い機2の制御方法は、食器洗い機2に係わる情報である食器洗い機情報を、無線通信モジュール39を介して端末装置7に送信するステップを含む。
【0175】
これによれば、上述した食器洗い機2の効果と同様の効果を奏する。
【0176】
制御プログラム341は、無線通信モジュール39を有する食器洗い機2の食器洗い機プロセッサ330を、食器洗い機2に係わる情報である食器洗い機情報を、無線通信モジュール39を介して端末装置7に送信する食器洗い機通信制御部331として機能させる。
【0177】
これによれば、上述した食器洗い機2の効果と同様の効果を奏する。
【0178】
また、食器洗い機2は、前方空間部29に設けられ、食器洗い情報を所定の端末装置に送信する無線通信モジュール39と、前方空間部29の前面を被覆する扉体21(面材21A)と、を備え、面材21Aの上端と、筐体23の前端縁との間には、間隙部60が形成されている。
【0179】
これによれば、扉体21の上端と、筐体23の前端縁との間に間隙部60を形成しているので、無線通信モジュール39からの電波が食器洗い機2の外部に発信されやすくなり、無線通信モジュール39による通信を良好に行うことができる。
【0180】
また、前方空間部29には、洗浄槽20に供給される液体洗剤を貯留し、内部に磁性体320を備えた浮遊体を備えた洗剤タンクが設けられ、無線通信モジュール39は、磁性体320の移動範囲から外れた位置に配置されている。
【0181】
これによれば、無線通信モジュール39を磁性体320の移動範囲から外れた位置に配置しているので、磁性体320により無線通信モジュール39の通信が阻害されることを抑制することができる。
【0182】
無線通信モジュール39の上方には、水よけリブ70が設けられている。
【0183】
これによれば、水よけリブ70により、無線通信モジュール39への水滴の滴下を抑制することができる。
【0184】
前方空間部29には、洗剤タンクを収容する洗剤タンク収納部が設けられ、水よけリブ70は、洗剤タンク収納部30の上部に設けられている。
【0185】
これによれば、洗剤タンク収納部30に形成された水よけリブ70の下方に無線通信モジュール39を設置することで、無線通信モジュール39への水滴の滴下を抑制することができる。
【0186】
洗浄槽20の前面側上部に、洗浄槽20内の空気を放出する排気口61が設けられ、無線通信モジュール39は、排気口61の上下鉛直方向から外れた位置で、かつ排気口61の左右水平位置から外れた位置に配置される。
【0187】
これによれば、無線通信モジュール39を排気口61の上下鉛直方向、左右水平方向から外れた位置に配置することで、洗浄槽20からの排気の影響を抑制することができる。
【0188】
前方空間部29には、排気口61から放出される空気を冷却する冷気送風ダクトと、冷気送風ダクトから外部空気を排気口61に送る送風ファン42と、が設けられ、無線通信モジュール39は、送風ファン42から離隔した位置に配置されている。
【0189】
これによれば、無線通信モジュール39は、送風ファン42に内蔵されたマグネットの磁力の影響を受けることを抑制することができる。
【0190】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する例示として、上記実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0191】
上述した実施の形態1は、異常検知部334が検知する異常として、洗浄運転の運転開始指示があったとき及び洗浄運転中に、扉体21が開状態であることを例示した。しかしながら、異常検知部334が検知する異常は、これに限定されない。異常検知部334は、例えば、排水の異常や、洗剤漏れ、給水の異常などの他の異常を検知してもよい。この場合、異常検知部334は、検知した異常に対応するコードを含む異常情報を生成して、食器洗い機通信制御部331に出力する。
【0192】
上述した実施の形態1は、食器洗い機情報として、状態情報JJ、残量情報ZJ、異常情報、及び実行有無情報GJを例示した。しかしながら、食器洗い機2が送信する食器洗い機情報は、この4種の情報に限定されない。食器洗い機2は、食器洗い機2の電源がオンかオフかを示す情報を、食器洗い機情報として端末装置7に送信してもよい。また、食器洗い機2は、洗浄運転の予約が設定されているか否かを示す情報を、食器洗い機情報として端末装置7に送信してもよい。また、食器洗い機2は、洗浄運転の運転開始指示が行われてからどのくらいの時間が経過した後に洗浄運転を開始するかの情報を、食器洗い機情報として端末装置7に送信してもよい。また、食器洗い機2は、洗浄工程における洗浄方法を示す情報を、食器洗い機情報として端末装置7に送信してもよい。また、食器洗い機2は、乾燥工程における乾燥方法を示す情報を、食器洗い機情報として端末装置7に送信してもよい。また、食器洗い機2は、保管工程における保管方法を示す情報を、食器洗い機情報として端末装置7に送信してもよい。また、食器洗い機2は、洗浄運転が完了するまでの所要時間を示す情報を、食器洗い機情報として端末装置7に送信してもよい。また、食器洗い機2は、保管工程における所要時間を示す情報を、食器洗い機情報として端末装置7に送信してもよい。また、食器洗い機2は、ヒータ38で加熱した加熱水で洗浄運転した場合における洗浄運転が完了するまでの所要時間を示す情報を、食器洗い機情報として端末装置7に送信してもよい。
【0193】
例えば、第2端末装置6は、サーバ装置5を介さずに通信ネットワークNWを介して第1端末装置4と通信してもよい。
【0194】
例えば、食器洗い機プロセッサ330、第1端末プロセッサ410、第2端末プロセッサ610、及びサーバプロセッサ51は、単一のプロセッサにより構成されてもよいし、複数のプロセッサにより構成されていてもよい。食器洗い機プロセッサ330、第1端末プロセッサ410、第2端末プロセッサ610、及びサーバプロセッサ51は、対応する機能部を実現するようプログラムされたハードウェアでもよい。すなわち、食器洗い機プロセッサ330、第1端末プロセッサ410、第2端末プロセッサ610、及びサーバプロセッサ51は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成される。
【0195】
図9に示した食器洗い機2、第1端末装置4、第2端末装置6、及びサーバ装置5の構成は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施の形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、食器洗い機2、第1端末装置4、第2端末装置6、及びサーバ装置5の他の各部の具体的な細部構成についても、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0196】
図10図12、及び図14に示す動作のステップ単位は、動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、動作が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本開示の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0197】
食器洗い機プロセッサ330が実行する制御プログラム341は、可搬型の情報記録媒体に制御プログラム341を記録させた状態で実現することも可能である。情報記録媒体は、ハードディスク等の磁気的記録媒体、CD等の光学的記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶デバイスが挙げられるが、その他の記録媒体を用いることも可能である。
【0198】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本発明は、食器洗い機に係わる情報を送信する食器洗い機に適用可能である。具体的には、ビルトイン式の食器洗い機の他、卓上式の食器洗い機などにも、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0200】
1 情報処理システム
2 食器洗い機
4 第1端末装置
5 サーバ装置
6 第2端末装置
7 端末装置
20 洗浄槽
26 表示操作部(表示部)
29 前方空間部
30 洗剤タンク収納部
31 洗剤タンク
32 食器洗い機制御装置
39 無線通信モジュール
42 送風ファン
60 間隙部
61 排気口
62 外気送風ダクト
70 水よけリブ
302 磁気センサユニット
320 磁性体
331 食器洗い機通信制御部(通信制御部)
332 運転制御部
333 残量検知部
334 異常検知部
341 制御プログラム(プログラム)
GJ 実行有無情報
JJ 状態情報
ZJ 残量情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15