(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068421
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】人形遊び用玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 3/52 20220101AFI20230510BHJP
【FI】
A63H3/52 B
A63H3/52 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179539
(22)【出願日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000128234
【氏名又は名称】株式会社エポック社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神山 圭
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA12
2C150BB01
2C150CA06
2C150EH21
(57)【要約】
【課題】形や大きさが異なる複数種類の人形であっても楽しく遊べる人形遊び用玩具を提供する。
【解決手段】人形遊び用玩具1は、回転自在に設けられる回転体320と、回転体320に設けられて人形を保持する人形保持体310と、を備える人形遊び用玩具であって、人形保持体310は、人形が配置される座面318と、座面318の第一方向側に立設して座面318に向かって膨出する膨出部311aを有する第1壁部311と、第1壁部311と対向するように座面318の第二方向側に立設して膨出部311aに対応する凹部312aを有する第2壁部312と、第1壁部311に設けられて座面318側に回動自在に設けられるアーム部材317と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転自在に設けられる回転体と、
前記回転体に設けられて人形を保持する人形保持体と、
を備える人形遊び用玩具であって、
前記人形保持体は、人形が配置される座面と、前記座面の第一方向側に立設して前記座面に向かって膨出する膨出部を有する第1壁部と、前記第1壁部と対向するように前記座面の第二方向側に立設して前記膨出部に対応する凹部を有する第2壁部と、前記第1壁部に設けられて前記座面側に回動自在に設けられるアーム部材と、
を有することを特徴とする人形遊び用玩具。
【請求項2】
前記第1壁部及び前記第2壁部は、前記回転体の回転方向に沿うように設けられることを特徴とする請求項1に記載の人形遊び用玩具。
【請求項3】
前記アーム部材は、T字状に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の人形遊び用玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々のイメージに合わせた形態を呈して人形と共に遊ぶことがでる人形遊び用玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、種々のイメージに合わせた形態を呈して人形遊びをすることができる人形遊び用玩具が提供されている。例えば、特許文献1に開示される人形遊び用玩具としてのメリーゴーランド式乳母車は、乳母車の走行と共に回転し、人形を載せて保持する座席フレームを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用者である子供は、複数種類の人形を用いて遊ぶことがある。すると、従来の人形遊び用玩具は、大きさが異なる人形に対応することが難しく、例えば座席フレームに対して小さい人形を載せた場合には座席フレームから人形が脱落することとなり、人形遊びが面白みに欠けるものとなってしまうことがあった。
【0005】
本発明は、形や大きさが異なる複数種類の人形であっても楽しく遊べる人形遊び用玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様に係る人形遊び用玩具は、回転自在に設けられる回転体と、前記回転体に設けられて人形を保持する人形保持体と、を備える人形遊び用玩具であって、前記人形保持体は、人形が配置される座面と、前記座面の第一方向側に立設して前記座面に向かって膨出する膨出部を有する第1壁部と、前記第1壁部と対向するように前記座面の第二方向側に立設して前記膨出部に対応する凹部を有する第2壁部と、前記第1壁部に設けられて前記座面側に回動自在に設けられるアーム部材と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様によれば、形や大きさが異なる複数種類の人形であっても楽しく遊べる人形遊び用玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の全体斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の人形保持体を前方側から見た斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の人形保持体を後方側から見た斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具のアーム部材の斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具のアーム部材を省略した人形保持体の上面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具のアーム部材を省略した人形保持体の
図5のIV-IV断面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る人形遊び用玩具の人形保持体に種々の大きさの人形を保持させた状態を示す側面図であり、(a)は人形遊び用玩具で遊ばれる中程度の人形を保持させた状態を示し、(b)は大きい人形を保持させた状態を示し、(c)は小さい人形を保持させた状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1は、海底のお城をイメージした人形遊び用玩具1の正面側を示す図である。人形遊び用玩具1は、床上等に載置する板状のベース部2及びベース部2の上に設けられている支持本体部3を有する人形玩具本体5を備える。支持本体部3は、中央支持板31が高く形成されて、中央支持板31の頂部には遊技部としての第1遊技部100が設けられる。第1遊技部100は、気球部110を備える船120が着脱自在に設けられる。第1遊技部100の下方の支持本体部3には、お城をイメージさせる扉3aや階段3b、所定の位置に海藻3c等が配置される。人形遊び用玩具1は、船120が載置される支持本体部3の中央頂部の波形の波部130よりも下方が、海底に在るお城をイメージしている。なお、人形遊び用玩具1では、扉3aの高さよりも小さい、例えば扉3aの高さの約2/3程度までの高さの人形で遊ぶよう設定されている。
【0010】
図1を見て左側の支持本体部3には、支柱32の上部に第2遊技部200が設けられ、右側には枝状に延びる枝状支持部33の上部に第3遊技部300が設けられる。第2遊技部200は、回転体210と、回転体210に懸下され人形を載置可能な3つの懸下体220を有する。回転体210は、手動で回転させることができ、人形が載置された懸下体220を揺動させて楽しむ遊技部である。第3遊技部300は、カニやイルカ、魚の形態の3つの人形保持体310を有する略円盤状の回転体320を手動で回転させて、メリーゴーランド遊びを行うことができる遊技部である。
【0011】
次に、
図2~
図6に基づいて、本発明の要部である第3遊技部300の人形保持体310について詳細に説明する。なお、回転体320には、3つの人形保持体310が設けられているが、イルカの形状の人形保持体310を例にして以下説明する。
【0012】
図2及び
図3に示すように、人形保持体310は、人形を載置して配置することができるように、平坦面状に形成される座面318を有する。座面318は、床面318aよりも若干盛り上がって形成される。これにより、座面318は、使用者である子供にとって、人形が載置される場所であることが認識され易い。座面318の第一方向側であるイルカの頭部側(以下、「前側」ともいう。)には、第1壁部311が座面318に対して略垂直な壁面を有するように立設している。換言すれば、第1壁部311は、イルカの頭部の背面側(以下、「後側」ともいう。)に設けられている。
【0013】
第1壁部311の略中央部(人形が座面318に着座したときの左右方向の略中央部)には、座面318に向かって膨出する膨出部311aが設けられている。膨出部311aは、第1壁部311の上端から下端に亘って形成されている。膨出部311aには、イルカの頭部上面から第1壁部311の下端に亘る膨出部311aが開口された開口部311a1が形成されている。この開口部311a1には、アーム部材317が設けられている。
【0014】
図4に示すように、アーム部材317は、略T字状に形成されている。アーム部材317は、T字の横棒部分に相当する当接バー317aと、T字の縦棒部分に相当する回動バー317bとを有する。左右方向に延設される当接バー317aは、若干程度に凹湾曲状に形成されている。回動バー317bの先端部には、左右方向に突出する円柱状の回動軸317cが対向して2か所に設けられている。
【0015】
図6に示すように、膨出部311aの開口部311a1には、両側方(人形が座面318に着座したときの左右両側)に、開口部311a1の上端から下方に向けて、開口部311a1における上下方向の略中間位置まで延びる支持板311cが設けられている。支持板311cの下端には、上側を半円状とする上下方向に長い角丸長矩形状の軸支部311dが設けられている。軸支部311dは、アーム部材317の回動軸317cを回動自在に支持する。
【0016】
また、
図6及び
図5にも示すように、支持板311cの座面318側には、上下方向に長い略長矩形状に突出する摺接抵抗部311eが設けられる。摺接抵抗部311eは、対向して2か所の支持板311cのそれぞれに設けられている。向かい合う摺接抵抗部311e間の距離S1は、
図4に示すアーム部材317の回動バー317bの横幅S2よりも若干程度狭く設定されている。従って、アーム部材317は、摺接抵抗部311eに回動バー317bの側面が圧接しながら摺接し、回動する。従って、アーム部材317は、摺接抵抗部311eから所定の抵抗力を受けながら座面318側に回動される。
【0017】
図2、
図3に戻り、人形保持体310には、座面318の第二方向側に立設する第2壁部312が設けられている。ここで、第二方向側とは、第一方向側と異なる方向側であり、本実施形態においては第一方向側と反対側とされている。第2壁部312は、第1壁部311と対向して座面318側に凹曲面状に設けられている。第2壁部312には、第2壁部312の上面から座面318側の面に亘って凹球面状の凹部312aが形成されている。凹部312aは、第1壁部311の膨出部311aに対応して、略中央部(人形が座面318に着座したときの左右方向の略中央部)に設けられている。
【0018】
なお、人形保持体310は、座面318の側方(すなわち、第1壁部311と第2壁部312の間)は開放されて、人形が載置し易くされている。また、第1壁部311と第2壁部312は、回転体320の回転方向(
図1における回転体320の中心周りの回転方向)に沿って、人形保持体310の前後方向に配置される。
【0019】
図7(a)~(c)に示すように、人形保持体310は、種々の形や大きさの人形を保持することができる。例えば、
図7(a)では、動物を擬人化させた人形D1は、脚部を第1壁部311に当接させて、背中を第2壁部312に当接させる。そして、アーム部材317を回動させて人形D1の胸部から腹部の辺りに当接させる。湾曲したアーム部材317の当接バー317aにより、通常は断面形状を略円形とする人形D1の腹部や胸部を好適に当接して人形D1を押えることができる。人形D1の形態によっては、人形D1の脚部の間に膨出部311aを押し当てることができる。このようにして、人形D1は、容易に人形保持体310から脱落しないように保持することができる。
【0020】
また、
図7(b)では、大きめの人形D2が人形保持体310により保持されている。人形D2の場合には、アーム部材317を起立させて、膨出部311aを人形D2の脚部の間に当接させて、背中を第2壁部312に当接させることで、膨出部311aと第2壁部312とで挟み込むように人形D2を保持することができる。
【0021】
また、
図7(c)では、小さめの人形D3が人形保持体310により保持されている。人形D3の場合には、第1壁部311や膨出部311aまで人形D3の脚部等が届いていなくても、人形D3の頭部を第2壁部312の凹部312aに当接させて、アーム部材317を腹部周辺に押し当てれば、人形D3を保持することができる。
【0022】
以上のような本発明の実施形態によれば、下記の態様の人形遊び用玩具を提供することができる。
【0023】
第1の態様に係る人形遊び用玩具は、回転自在に設けられる回転体と、前記回転体に設けられて人形を保持する人形保持体と、を備える人形遊び用玩具であって、前記人形保持体は、人形が配置される座面と、前記座面の第一方向側に立設して前記座面に向かって膨出する膨出部を有する第1壁部と、前記第1壁部と対向するように前記座面の第二方向側に立設して前記膨出部に対応する凹部を有する第2壁部と、前記第1壁部に設けられて前記座面側に回動自在に設けられるアーム部材と、を有する。
【0024】
この構成によれば、種々の形や大きさの人形を確実に保持することができるので、回転体から人形が脱落することなく、メリーゴーランドのような遊技部を備える人形遊び用玩具を提供することができる。特に、動物を擬人化させた人形の場合には、様々な動物をモチーフとするためその形状も異なり、また、小さい赤ちゃん状態の人形から成長した状態の人形など多種多様の人形を用いても、人形保持体から人形を脱落することなく遊ぶことができる。
【0025】
第2の態様に係る人形遊び用玩具は、前記第1壁部及び前記第2壁部は、前記回転体の回転方向に沿うように設けられる
【0026】
この構成によれば、第1壁部を前側とし、第2壁部を後側として人形を座面に配置することができるので、例えばメリーゴーランドのような遊技部を備えた人形遊び用玩具を提供することができる。
【0027】
第3の態様に係る人形遊び用玩具は、前記アーム部材は、T字状に形成される。
【0028】
この構成によれば、人形の形態によっては、T字状の横棒部分を腹部や胸部に当接させることができるので、より確実に人形を保持することができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、回転体310には、3つの人形保持体310を設けたが、1つ以上の人形保持体310を設ければよい。
【符号の説明】
【0030】
1 人形遊び用玩具 2 ベース部
3 支持本体部 3a 扉
3b 階段 3c 海藻
5 人形玩具本体 31 中央支持板
32 支柱 33 枝状支持部
100 第1遊技部 110 気球部
120 船 130 波部
200 第2遊技部 210 回転体
220 懸下体 300 第3遊技部
310 人形保持体 311 第1壁部
311a 膨出部 311a1 開口部
311c 支持板 311d 軸支部
311e 摺接抵抗部 312 第2壁部
312a 凹部 317 アーム部材
317a 当接バー 317b 回動バー
317c 回動軸 318 座面
318a 床面 320 回転体