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特開2023-68437分析装置に用いられる流路部材および液体クロマトグラフ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068437
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】分析装置に用いられる流路部材および液体クロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/26 20060101AFI20230510BHJP
【FI】
G01N30/26 L
G01N30/26 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179561
(22)【出願日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】今枝 航大
(72)【発明者】
【氏名】軍司 昌秀
(57)【要約】
【課題】分析装置における分析精度を高く維持することのできる流路部材を提供することを課題とする。
【解決手段】分析装置において試料が流れる流路部材10は、配管11と、配管11を被覆する被覆部材13とを備える。配管11は、流路部材の延びる方向D1と直交する第1の方向DAを少なくとも進行方向の成分として含む第1部112Aと、第1の方向DAとは逆の方向である第2の方向DBを少なくとも進行方向の成分として含む第2部112Bと、第1部112Aから第2部112Bへと進行方向が変わる第1屈曲部113Aと、第2部112Bから第1部112Aへの進行方向が変わる第2屈曲部113Bとを有する。被覆部材13と配管11との間は、少なくとも第1部112Aおよび第2部112Bにおいて空間15が形成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置において試料が流れる流路部材であって、
配管と、
前記配管を被覆する被覆部材と、
を備え、
前記配管は、
前記流路部材の延びる方向と直交する第1の方向を少なくとも進行方向の成分として含む第1部と、
前記第1の方向とは逆の方向である第2の方向を少なくとも進行方向の成分として含む第2部と、
前記第1部から前記第2部へと進行方向が変わる第1屈曲部と、
前記第2部から前記第1部への進行方向が変わる第2屈曲部と、
を有し、
前記被覆部材と前記配管との間は、少なくとも前記第1部および前記第2部において空間が形成される、分析装置に用いられる流路部材。
【請求項2】
前記分析装置は、オートサンプラおよび分離カラムを含み、
前記流路部材は、前記オートサンプラおよび前記分離カラムを接続する、請求項1に記載の分析装置に用いられる流路部材。
【請求項3】
前記流路部材の前記分離カラムに接続される端部は、カラムオーブン内に配置される、請求項2に記載の分析装置に用いられる流路部材。
【請求項4】
前記被覆部材は、弾性部材で構成される、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の分析装置に用いられる流路部材。
【請求項5】
前記配管の端部には、前記第1部および前記第2部よりも径の大きいスリーブが設けられ、前記被覆部材は、前記スリーブと前記第1部、または、前記スリーブと前記第2部に、跨って設けられる、請求項4に記載の分析装置に用いられる流路部材。
【請求項6】
前記被覆部材の内部に前記空間の体積を縮小させるための充填部材が配置される、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の分析装置に用いられる流路部材。
【請求項7】
前記充填部材は前記流路部材の延びる方向に略平行に延びる棒部材である、請求項6に記載の分析装置に用いられる流路部材。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の分析装置に用いられる流路部材を備える液体クロマトグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置に用いられる流路部材およびその流路部材を備える液体クロマトグラフに関する。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフでは、近年粒子径の小さい分離カラムが登場し、従来と比較してクロマトグラムに現れるピークがシャープになり、試料の高分離が可能となっている。このような分離カラムを使用することで、短時間で多くの分離度の優れた結果が得られる。しかし、一方で、カラム外拡散(システム拡散)が、理論段数やピークの分離度に与える影響が大きくなり、超高速液体クロマトグラフにおいて、システムの拡散性能が重視されるようになっている。
【0003】
カラム外拡散を抑えるためには、装置に用いられる配管その他の部品での拡散を抑えることが重要である。下記特許文献1においては、インジェクションポート周辺の流路の内容積を減らすことでカラム外拡散を抑え、分離性能に優れた液体クロマトグラフを提供することを試みている。また、カラム外拡散を抑える方法として、配管を波形にするといった手法もある。波形の配管においては、配管壁面部と中心部との間で流速差を抑えることが可能であり、カラム外拡散を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-276355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように波形配管を用いることで分析装置における分析精度を向上させることができる。しかし、波形配管がカラムオーブン内に配置されるとき、波形配管を流れる試料の温度が上昇する。試料の温度が上昇すると分離カラムでの試料の保持特性が低下するという問題がある。このように、波形配管を利用した場合であっても、分析装置における分析精度の向上を阻害する要因がある。
【0006】
本発明の目的は、分析装置における分析精度を高く維持することのできる流路部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に従う分析装置に用いられる流路部材であって、分析装置において試料が流れる流路部材であり、配管と、配管を被覆する被覆部材とを備え、配管は、流路部材の延びる方向と直交する第1の方向を少なくとも進行方向の成分として含む第1部と、第1の方向とは逆の方向である第2の方向を少なくとも進行方向の成分として含む第2部と、第1部から第2部へと進行方向が変わる第1屈曲部と、第2部から第1部への進行方向が変わる第2屈曲部とを有し、被覆部材と配管との間は、少なくとも第1部および第2部において空間が形成される。
【0008】
本発明は、また、上記の分析装置に用いられる流路部材を備える液体クロマトグラフにも向けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、分析装置における分析精度を高く維持することのできる流路部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係る液体クロマトグラフの全体図である。
図2】第1の実施の形態に係る流路部材を示す側面図である。
図3】第1の実施の形態に係る流路部材の端部の側面断面図である。
図4】被覆部材のある波形配管と被覆部材のない波形配管のクロマトグラムを比較する図である。
図5】第2の実施の形態に係る流路部材の端部の側面断面図である。
図6図5に示す流路部材のVI-VI断面図である。
図7】第2の実施の形態の変形例に係る流路部材の断面図である。
図8】被覆部材および充填部材のある波形配管と被覆部材のない波形配管のクロマトグラムを比較する図である。
図9】波形配管の効果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態に係る流路部材および液体クロマトグラフについて説明する。
【0012】
[1]第1の実施の形態
(1)液体クロマトグラフの構成
図1は、本実施の形態の分析装置である液体クロマトグラフ1を示す図である。液体クロマトグラフ1は、溶液槽2、送液ポンプ3、オートサンプラ4、カラムユニット5および検出器6を備える。カラムユニット5は、分離カラム50およびカラムオーブン51を備える。オートサンプラ4と分離カラム50とは、流路部材10により接続される。流路部材10は、カラムオーブン51内に延びて分離カラム50の端部に接続される。
【0013】
溶液槽2は、移動相である溶媒を貯留する。送液ポンプ3は、溶液槽2に貯留された溶媒を分析流路に圧送する。オートサンプラ4は、分析流路に試料を注入する。オートサンプラ4において注入された試料は、溶媒とともに流路部材10内を流れ、分離カラム50に送られる。分離カラム50において、試料に含まれる成分が固定相の相互作用の大きさの違いによって分離される。分離カラム50において分離された試料の成分が、検出器6において検出される。
【0014】
(2)流路部材10の構成
図2は、第1の実施の形態に係る流路部材10の側面図である。流路部材10は、配管11、配管11の両端部を覆うスリーブ12,12、および、両端の一部を除く配管11を覆う被覆部材13を備える。配管11は、ストレート配管111と波形配管112とを含む。ストレート配管111は、配管11の両端部に設けられ、流路部材10の長手方向にストレートに延びる。波形配管112は、流路部材10の長手方向に波形状に延びる。波形配管112の長手方向の両端にストレート配管111,111が接続されている。
【0015】
図3は、第1の実施の形態に係る流路部材10の端部を示す側面断面図である。図3は、流路部材10の一方側の端部を示すが、流路部材10の両端部の構造は同様である。スリーブ12は、筒型状の部材である。ストレート配管111は、スリーブ12の内部に配置される。流路部材10は、一方側の端部のスリーブ12によってオートサンプラ4に接続され、他方側の端部のスリーブ12によって分離カラム50に接続される。被覆部材13は、波形配管112の全域とスリーブ12の一部を覆っている。被覆部材13がスリーブ12を覆う部分は、その径が広くなる拡径部131が形成されている。被覆部材13は、熱収縮チューブなどの弾性部材で構成されている。例えば被覆部材13としてポリオレフィン樹脂が用いられる。
【0016】
波形配管112は、図3に示すように、第1部112Aおよび第2部112Bを含む。第1部112Aは、流路部材10の延びる方向D1と直交する第1の方向DAを少なくとも進行方向の成分として含む。第2部112Bは、第1の方向DAとは逆の方向である第2の方向DBを少なくとも進行方向の成分として含む。第1屈曲部113Aにおいて、第1部112Aから第2部112Bへと波形配管112の進行方向が変わる。第2屈曲部113Bにおいて、第2部112Bから第1部112Aへと波形配管112の進行方向が変わる。本実施の形態においては、波形配管112は、第1の方向DAと第2の方向DBとを含む平面内で方向を変えながら方向D1に向かって延びる。また、第1屈曲部113Aおよび第2屈曲部113Bが多数設けられているので、波形配管112は複数回に亘ってその進行方向を変えながら延びる。
【0017】
図9は、波形配管112の効果を示す図である。図のA1,A2およびA3は、波形配管112を流れる移動相の流速を矢印の長さで示す。A1で示すように、配管11がストレートに延びる部分では、壁面部の流速が中心部の流速より遅くなっている。この流速差はカラム外拡散の原因となる。A2で示すように、第2屈曲部113Bでは、配管内部で生じる移動相の渦により、カーブの外側の流速が内側より早くなる。A3で示すように、第1屈曲部113Aでは、配管内部で生じる移動相の渦により、カーブの外側の流速が内側より早くなる。このような構成により、波形配管112の壁面部と中心部との流速が平均化され、その流速差が小さくなる。これにより、カラム外拡散を抑えることができる。
【0018】
図2に示すように、波形配管112の全域は被覆部材13で覆われている。これにより、図3に示すように、波形配管112と被覆部材13との間には、空間15が形成される。上述したように、流路部材10の一部は、カラムオーブン51の中に配置される。カラムオーブン51内に配置される流路部材10は、カラムオーブン51のヒーターにより熱を受ける。カラムオーブン51は、例えば40度など高い温調が行われることが一般的である。しかし、波形配管112と被覆部材13との間に空間15が形成されているので、この空間15が空気層を形成し、カラムオーブン51の熱に対して断熱層として機能する。これにより、分離カラム50へと至る流路部材10内の試料の温度が上昇することを抑制することが可能であり、分離カラム50における分離性能を高く維持することができる。つまり、試料の温度が上昇し、カラム粒子に試料成分が保持され難くなる現象を回避することができる。このように、本実施の形態の流路部材10は、波形配管112を有することによってカラム外拡散を抑制しながら、被覆部材13によって空気層を形成することで、分離カラム50における分離性能を高く維持することができる。
【0019】
また、波形配管112の全域が被覆部材13で覆われるので、波形配管112を保護することが可能である。これにより、流路部材10の耐久性を高くすることができる。また、被覆部材13は、スリーブ12と第1部112A、または、スリーブ12と第2部112Bに跨って設けられる。これにより、スリーブ12と波形配管112の過度な折れ曲がりを防止し、流路部材10が破損することが防止される。
【0020】
(3)測定結果
図4は、第1の実施の形態の液体クロマトグラフ1と、被覆部材により被覆されていない波形配管を有する液体クロマトグラフとにおいて、同一の分析条件で、同一の試料を測定した測定結果を比較する図である。図4の下側のクロマトグラムC1は、被覆部材により被覆されていない波形配管を有する液体クロマトグラフにおいて測定された分析結果を示す。図4の上側のクロマトグラムC2は、第1の実施の形態の液体クロマトグラフ1、つまり、被覆部材により被覆された波形配管を用いて測定された分析結果を示す。クロマトグラムC2におけるピークP2が、クロマトグラムC1におけるピークP1よりも保持時間が長くなっており、理論段数およびピーク分離度が向上していることが分かる。また、クロマトグラムC2における各ピークのピーク高さも、クロマトグラムC1における各ピークと比べて同等かそれ以上の結果が得られたことが分かる。
【0021】
[2]第2の実施の形態
(1)流路部材10の構成
図5は、第2の実施の形態に係る流路部材10Mの端部を示す側面断面図である。第2の実施の形態の流路部材10Mは、第1の実施の形態の流路部材10と異なり、被覆部材13の中に充填部材14が設けられる。充填部材14が設けられる以外、流路部材10Mの構成は、図2で示した流路部材10と同様である。液体クロマトグラフ1の他の構成も、充填部材14が設けられる以外は、図1で示した構成と同様である。充填部材14は、図5に示すように、流路部材10の延びる方向D1に略平行にストレートに延びる。充填部材14は、例えば金属部材である。
【0022】
図6は、図5に示す流路部材10MのVI-VI断面図である。図に示すように、充填部材14は、波形配管112の側部に配置されている。充填部材14は、空間15内に配置されているので、第1の実施の形態と比べて空間15の空間体積は小さくなっている。あるいは、図7で示すように、波形配管112を挟んで両側に2つの充填部材14,14を配置するようにしよい。これにより、空間15の空間体積はさらに小さくなる。
【0023】
このように第2の実施の形態の流路部材10Mは、被覆部材13の内部に形成される空気層の体積を小さくすることができる。第1の実施の形態においては、被覆部材13の内部に空気層を確保し、カラムオーブン51の熱から試料の温度上昇を抑制することを達成した。しかし、従来の液体クロマトグラフから第1の実施の形態の液体クロマトグラフ1に装置を交換したユーザは、ある特定の分析処理においては、従来の測定結果と同じ条件で比較したいという要望がある。そこで、そのようなユーザの要望に対しては、流路部材10Mを用いることで、従来の測定結果との比較を可能とする。また、被覆部材13内に充填部材14を挿入することで、流路部材10Mの強度を向上させることもできる。
【0024】
(2)測定結果
図8は、第2の実施の形態の液体クロマトグラフ1と、被覆部材により被覆されていない波形配管を有する液体クロマトグラフとにおいて、同一の分析条件で、同一の試料を測定した測定結果を比較する図である。図8の下側のクロマトグラムC1は、被覆部材により被覆されていない波形配管を有する液体クロマトグラフにおいて測定された分析結果を示す。図8の上側のクロマトグラムC3は、第2の実施の形態の液体クロマトグラフ1、つまり、被覆部材により被覆されるとともに充填部材が設けられた波形配管を用いて測定された分析結果を示す。クロマトグラムC3におけるピークP3が、クロマトグラムC1におけるピークP1と殆ど保持時間が等しくなっていることが分かる。
【0025】
[3]変形例
上記実施の形態においては、波形配管112の第1部112Aおよび第2部112Bは、第1の方向DAおよび第2の方向DBが含まれる平面内に配置される場合を例に説明した。しかし、第1部112Aおよび第2部112Bは、同一の平面内に配置されなくてもよい。第1部112Aは、第1の方向DAを少なくとも進行方向の成分として含めばよく、第2部112Bは、第2の方向DBを少なくとも進行方向の成分として含めばよい。
【0026】
本実施の形態においては、空間15は、第1部112Aおよび第2部112Bの外周だけでなく、第1屈曲部113Aおよび第2屈曲部113Bの外周部にも形成されている。つまり、図3において、第1屈曲部113Aに対して第1の方向DA側、および、第2屈曲部113Bに対して第2の方向DB側にも空間15が形成されている。しかし、これは一例であり、少なくとも第1部112Aおよび第2部112Bの外周において空間15が形成されればよい。
【0027】
第2の実施の形態において、充填部材14は断面略円形の棒部材である場合を例に説明した。これは一例であり、充填部材14の断面形状は他の形状であってもよい。例えば、空間15の断面積に近い形状とすることでさらに空気層の体積を小さくすることも可能である。
【0028】
[4]態様
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0029】
(第1項)
一態様に係る分析装置に用いられる流路部材は、
分析装置において試料が流れる流路部材であって、
配管と、
前記配管を被覆する被覆部材と、
を備え、
前記配管は、
前記流路部材の延びる方向と直交する第1の方向を少なくとも進行方向の成分として含む第1部と、
前記第1の方向とは逆の方向である第2の方向を少なくとも進行方向の成分として含む第2部と、
前記第1部から前記第2部へと進行方向が変わる第1屈曲部と、
前記第2部から前記第1部への進行方向が変わる第2屈曲部と、
を有し、
前記被覆部材と前記配管との間は、少なくとも前記第1部および前記第2部において空間が形成される。
【0030】
分析装置における分析精度を高く維持することのできる流路部材を提供することができる。
【0031】
(第2項)
第1項に記載の分析装置に用いられる流路部材であって、
前記分析装置は、オートサンプラおよび分離カラムを含み、
前記流路部材は、前記オートサンプラおよび前記分離カラムを接続してもよい。
【0032】
オートサンプラおよび分離カラムとの間の流路におけるカラム外拡散を低減することができる。
【0033】
(第3項)
第2項に記載の分析装置に用いられる流路部材であって、
前記流路部材の前記分離カラムに接続される端部は、カラムオーブン内に配置されてもよい。
【0034】
被覆部材の内部に形成された空間が断熱層として機能し、カラムオーブンの熱によって試料の温度が上昇することを低減することができる。
【0035】
(第4項)
第1項~第3項のいずれか一項に記載の分析装置に用いられる流路部材であって、
前記被覆部材は、弾性部材で構成されてもよい。
【0036】
流路部材の形状に合わせて被覆部材を取り付けることが可能である。
【0037】
(第5項)
第4項に記載の分析装置に用いられる流路部材であって、
前記配管の端部には、前記第1部および前記第2部よりも径の大きいスリーブが設けられ、前記被覆部材は、前記スリーブと前記第1部、または、前記スリーブと前記第2部に、跨って設けられてもよい。
【0038】
配管がスリーブに対して過度に折り曲げられることを防止し、流路部材の耐久性を向上させることができる。
【0039】
(第6項)
第1項~第5項のいずれか一項に記載の分析装置に用いられる流路部材であって、
前記被覆部材の内部に前記空間の体積を縮小させるための充填部材が配置されてもよい。
【0040】
この流路部材を備える分析装置による分析結果と、従来の分析装置により得られた分析結果との比較が容易となる。
【0041】
(第7項)
第6項に記載の分析装置に用いられる流路部材であって、
前記充填部材は前記流路部材の延びる方向に略平行に延びる棒部材であってもよい。
【0042】
流路部材に沿って充填部材を挿入することができる。
【0043】
(第8項)
本発明の別の態様に係る液体クロマトグラフは、第1項~第7項のいずれか一項に記載の分析装置に用いられる流路部材を備える。
【符号の説明】
【0044】
1…液体クロマトグラフ、4…オートサンプラ、5…カラムユニット、50…分離カラム、51…カラムオーブン、10…流路部材、11…配管、111…ストレート配管、112…波形配管、112A…第1部、112B…第2部、113A…第1屈曲部、113B…第2屈曲部、12…スリーブ、13…被覆部材、131…拡径部、14…充填部材、15…空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9