(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068458
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】システム及び実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20230510BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
H05K13/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179595
(22)【出願日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 由治
(72)【発明者】
【氏名】山口 秀行
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC01
5E353CC03
5E353EE03
5E353EE23
5E353GG01
5E353GG17
5E353HH11
5E353HH41
5E353HH51
5E353JJ21
5E353JJ48
5E353KK02
5E353QQ03
(57)【要約】
【課題】実装装置の外部において識別子を撮像する撮像装置の状態にからわらず基板を識別することができる技術を提供する。
【解決手段】システムは、第1撮像装置が識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて基板を識別する第1識別部と、第2撮像装置が前記識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて前記基板を識別する第2識別部と、前記第2撮像装置が前記識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて前記第2識別部により前記基板を識別するか否かを所定の情報に基づいて判断する判断部と、を備えている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板識別用の識別子(6)が付されている基板(2)に部品(4)を実装する実装装置(10)と、
前記部品(4)が実装される前の前記基板(2)を前記実装装置(10)の外部から前記実装装置(10)の内部へ搬送する搬送装置(20、30)と、
前記搬送装置(20、30)により前記実装装置(10)の内部へ前記基板(2)が搬送される前に、前記基板(2)に付されている前記識別子(6)を前記実装装置(10)の外部において撮像する第1撮像装置(40)と、
前記搬送装置(20、30)により前記実装装置(10)の内部へ前記基板(2)が搬送された後に、前記基板(2)に付されている前記識別子(6)を前記実装装置(10)の内部において撮像する第2撮像装置(22)と、
前記第1撮像装置(40)が前記識別子(6)を撮像することにより取得される情報に基づいて前記基板(2)を識別する第1識別部(50、90)と、
前記第2撮像装置(22)が前記識別子(6)を撮像することにより取得される情報に基づいて前記基板(2)を識別する第2識別部(50)と、
前記第2撮像装置(22)が前記識別子(6)を撮像することにより取得される情報に基づいて前記第2識別部(50)により前記基板(2)を識別するか否かを所定の情報(P)に基づいて判断する判断部(50)と、
前記判断部(50)が前記所定の情報(P)に基づいて前記第2識別部(50)により前記基板(2)を識別すると判断する場合に、前記第1識別部(50、90)により前記基板(2)を識別することができなかった場合であっても、前記搬送装置(20、30)による前記基板(2)の搬送を停止させずに、前記実装装置(10)の内部へ前記基板(2)を搬送する工程を前記搬送装置(20、30)に実行させる搬送制御部(50、90)と、を備えるシステム(100)。
【請求項2】
前記搬送制御部(50、90)は、前記判断部(50)が前記所定の情報(P)に基づいて前記第2識別部(50)により前記基板(2)を識別しないと判断する場合であって、前記第1識別部(50、90)により前記基板(2)を識別することができなかった場合は、前記搬送装置(20、30)による前記基板(2)の搬送を停止させる、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記第2撮像装置(22)は、前記判断部(50)が前記所定の情報(P)に基づいて前記第2識別部(50)により前記基板(2)を識別すると判断する場合は、前記第1識別部(50、90)により前記基板(2)を識別することができた場合であっても前記識別子(6)を撮像し、
前記第2識別部(50)は、前記第2撮像装置(22)が前記識別子(6)を撮像することにより取得される情報に基づいて前記基板(2)を識別する、請求項1または2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記所定の情報(P)は、前記実装装置(10)、および/または、前記第2撮像装置(22)に所定の工程を実行させる命令を含む制御プログラム(P)であり、
前記判断部(50)は、
前記第2撮像装置(22)に前記識別子(6)を撮像する工程を実行させる命令が前記制御プログラム(P)に含まれている場合は、前記第2識別部(50)により前記基板(2)を識別すると判断し、
前記第2撮像装置(22)に前記識別子(6)を撮像する工程を実行させる命令が前記制御プログラム(P)に含まれていない場合は、前記第2識別部(50)により前記基板(2)を識別しないと判断する、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
基板識別用の識別子(6)が付されている基板(2)に部品(4)を実装する実装装置(10)であって、
前記基板(2)に付されている前記識別子(6)を前記実装装置(10)の内部において撮像する撮像装置(22)と、
前記基板(2)に付されている前記識別子(6)が前記実装装置(10)の外部において撮像されることにより取得される情報を受信する受信部(50)と、
前記実装装置(10)に所定の工程を実行させる命令を含む制御プログラム(P)に基づいて、前記撮像装置(22)が前記識別子(6)を撮像することにより取得される情報に基づいて前記基板(2)を識別するか、前記受信部(50)により受信される情報に基づいて前記基板(2)を識別するかを判断する判断部(50)と、を備え、
前記判断部(50)は、
前記撮像装置(22)に前記識別子(6)を撮像する工程を実行させる命令が前記制御プログラム(P)に含まれている場合は、前記撮像装置(22)が前記識別子(6)を撮像することにより取得される情報に基づいて前記基板(2)を識別すると判断し、
前記撮像装置(22)に前記識別子(6)を撮像する工程を実行させる命令が前記制御プログラム(P)に含まれていない場合は、前記受信部(50)により受信される情報に基づいて前記基板(2)を識別すると判断する、実装装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、基板を識別するシステム及び実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されているシステムは、基板に部品を実装する実装装置と、実装装置の外部から実装装置の内部へ基板を搬送する搬送装置と、基板に付されている識別子を実装装置の外部において撮像する撮像装置とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、撮像装置が識別子を明確に撮像することができないときに、基板を識別することができないという問題が考えられる。例えば、撮像装置の設置位置や設置角度が不適正な状態であるときに、基板を識別することができないという問題が考えられる。また、この場合に、搬送装置による基板の搬送が停止することも考えられる。そこで本明細書は、実装装置の外部において識別子を撮像する撮像装置の状態にからわらず基板を識別することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示されるシステムは、基板識別用の識別子が付されている基板に部品を実装する実装装置と、前記部品が実装される前の前記基板を前記実装装置の外部から前記実装装置の内部へ搬送する搬送装置と、前記搬送装置により前記実装装置の内部へ前記基板が搬送される前に、前記基板に付されている前記識別子を前記実装装置の外部において撮像する第1撮像装置と、前記搬送装置により前記実装装置の内部へ前記基板が搬送された後に、前記基板に付されている前記識別子を前記実装装置の内部において撮像する第2撮像装置と、前記第1撮像装置が前記識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて前記基板を識別する第1識別部と、前記第2撮像装置が前記識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて前記基板を識別する第2識別部と、前記第2撮像装置が前記識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて前記第2識別部により前記基板を識別するか否かを所定の情報に基づいて判断する判断部と、前記判断部が前記所定の情報に基づいて前記第2識別部により前記基板を識別すると判断する場合に、前記第1識別部により前記基板を識別することができなかった場合であっても、前記搬送装置による前記基板の搬送を停止させずに、前記実装装置の内部へ前記基板を搬送する工程を前記搬送装置に実行させる搬送制御部と、を備えている。
【0006】
この構成によれば、第1撮像装置が識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて基板を識別することができなかった場合であっても、搬送装置により実装装置の内部へ基板が搬送された後に、第2撮像装置が識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて基板を識別することができる。そのため、実装装置の外部において識別子を撮像する第1撮像装置の状態にからわらず基板を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】実施例のシステムを模式的に示す図(
図1のII-II断面図)。
【
図3】実施例のシステムを模式的に示す図(
図1のIII-III断面図)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。
【0009】
本技術の一実施形態では、搬送制御部は、判断部が所定の情報に基づいて第2識別部により基板を識別しないと判断する場合であって、第1識別部により基板を識別することができなかった場合は、搬送装置による基板の搬送を停止させてもよい。
【0010】
本技術の一実施形態では、第2撮像装置は、判断部が所定の情報に基づいて第2識別部により基板を識別すると判断する場合は、第1識別部により基板を識別することができた場合であっても識別子を撮像してもよい。第2識別部は、第2撮像装置が識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて基板を識別してもよい。
【0011】
本技術の一実施形態では、所定の情報は、実装装置、および/または、第2撮像装置に所定の工程を実行させる命令を含む制御プログラムであってもよい。判断部は、第2撮像装置に識別子を撮像する工程を実行させる命令が制御プログラムに含まれている場合は、第2識別部により基板を識別すると判断し、第2撮像装置に識別子を撮像する工程を実行させる命令が制御プログラムに含まれていない場合は、第2識別部により基板を識別しないと判断してもよい。
【0012】
本明細書に開示される実装装置は、基板識別用の識別子が付されている基板に部品を実装する実装装置であって、基板に付されている識別子を実装装置の内部において撮像する撮像装置と、基板に付されている識別子が実装装置の外部において撮像されることにより取得される情報を受信する受信部と、実装装置に所定の工程を実行させる命令を含む制御プログラムに基づいて、第2撮像装置が識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて基板を識別するか、受信部により受信される情報に基づいて基板を識別するかを判断する判断部と、を備えている。判断部は、撮像装置に識別子を撮像する工程を実行させる命令が制御プログラムに含まれている場合は、撮像装置が識別子を撮像することにより取得される情報に基づいて基板を識別すると判断し、撮像装置に識別子を撮像する工程を実行させる命令が制御プログラムに含まれていない場合は、受信部により受信される情報に基づいて基板を識別すると判断する。
【0013】
(実施例)
実施例に係るシステム100について図面を参照して説明する。
図1から
図3示すように、システム100は、管理サーバ90と、実装装置10と、第1搬送装置30と、第1撮像装置40とを備えている。管理サーバ90は、システム100の全体を管理するための制御を実行する。
図4に示すように、管理サーバ90と実装装置10と第1搬送装置30と第1撮像装置40とは、通信線92により通信可能に接続されている。
【0014】
実装装置10は、プリント基板等の回路基板2に電子部品4(例えば、ICチップ)を実装する装置である(
図1から
図3参照)。回路基板2の上面には、複数の回路基板2から各回路基板2を識別するための識別子6が付されている。識別子6は、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)である。実装装置10は、複数の部品フィーダ12と、フィーダ保持部14と、装着ヘッド16と、ヘッド移動装置18とを備えている。
【0015】
各部品フィーダ12は、複数の電子部品4を収容している。部品フィーダ12は、フィーダ保持部14に着脱可能に取り付けられ、装着ヘッド16へ電子部品4を供給する。部品フィーダ12の具体的な構成は特に限定されない。各部品フィーダ12は、例えば、テープ上に収容された複数の電子部品4を供給するテープ式フィーダ、トレイ上に収容された複数の電子部品4を供給するトレイ式フィーダ、又は、容器内にランダムに収容された複数の電子部品4を供給するバルク式フィーダのいずれであってもよい。
【0016】
フィーダ保持部14は、複数のスロットを備えており、複数のスロットのそれぞれには部品フィーダ12を着脱可能に設置することができる。フィーダ保持部14は、実装装置10に固定されたものであってもよいし、実装装置10に対して着脱可能なものであってもよい。
【0017】
装着ヘッド16は、電子部品4を吸着するノズル16aを有する。ノズル16aは、装着ヘッド16に着脱可能に取り付けられている。装着ヘッド16は、ノズル16aをZ方向(ここでは鉛直方向)に移動可能であり、部品フィーダ12や回路基板2に対して、ノズル16aを接近及び離間させる。装着ヘッド16は、部品フィーダ12から電子部品4をノズル16aによって吸着すると共に、ノズル16aに吸着された電子部品4を回路基板2上に装着することができる。なお、装着ヘッド16は、単一のノズル16aを有するものに限られず、複数のノズル16aを有するものであってもよい。
【0018】
ヘッド移動装置18は、部品フィーダ12と回路基板2との間で装着ヘッド16を移動させる。一例ではあるが、本実施例のヘッド移動装置18は、移動ベース18aをX方向及びY方向に移動させるXYロボットであり、移動ベース18aに対して装着ヘッド16が固定されている。なお、装着ヘッド16は、移動ベース18aに固定されるものに限られず、移動ベース18aに着脱可能に取り付けられるものであってもよい。
【0019】
実装装置10は、更に、第2搬送装置20と、第2撮像装置22と、通信インターフェース24(以下「通信I/F24」という)と、制御部50とを備えている。第2搬送装置20は、実装装置10の内部に配置されている。第2搬送装置20は、実装装置10の内部において回路基板2を搬送する装置である。第2搬送装置20は、回路基板2の搬入、位置決め及び搬出を行う。一例ではあるが、実施例の第2搬送装置20は、一対のベルトコンベアと、回路基板2を下方から支持する支持装置(図示省略)とを有する。
【0020】
第2撮像装置22は、実装装置10の内部に配置されている。第2撮像装置22は、例えば、装着ヘッド16に固定されており、回路基板2の上方に配置されている。第2撮像装置22は、実装装置10の内部において、回路基板2の上方から回路基板2を撮像する。第2撮像装置22は、回路基板2の上面に付されている識別子6を撮像することができる。第2撮像装置22は、機内カメラと呼ばれることもある。以下では、第2撮像装置22が識別子6を撮像する工程を第2撮像工程という。また、第2撮像工程により取得される識別子6の画像情報を第2画像情報という。第2撮像工程により取得される識別子6の第2画像情報は、第2撮像装置22から制御部50へ送信される。なお、第1撮像工程および第1画像情報については後述する。
【0021】
通信I/F24は、実装装置10と他の装置(管理サーバ90、第1搬送装置30、第1撮像装置40等)との通信を可能にするインターフェースである。実装装置10は、通信I/F24を介して、他の装置との情報の送受信を実行する。
【0022】
制御部50は、CPU(図示省略)と、記憶部52(例えば、ROMやRAM)とを備えている(
図4参照)。記憶部52には、所定の制御プログラムPが記憶されている。制御プログラムPは、実装装置10に所定の制御や処理を実行させるための命令を含んでいる。例えば、制御プログラムPは、第2撮像装置22に第2撮像工程を実行させるための命令を含んでいる。制御部50は、記憶部52に記憶されている制御プログラムPに従って、所定の制御や処理を実行する。制御部50が実行する制御や処理については後述する。
【0023】
第1搬送装置30は、実装装置10の外部に配置されている(
図1から
図3参照)。第1搬送装置30は、実装装置10の外部において回路基板2を搬送する装置である。第1搬送装置30は、実装装置10の内部の第2搬送装置20と協働して、回路基板2を実装装置10の外部から実装装置10の内部へ搬送する。第1搬送装置30と第2搬送装置20により、電子部品4が実装される前の回路基板2が、実装装置10の外部から内部へ搬送される。一例ではあるが、実施例の第1搬送装置30は、一対のベルトコンベアと、回路基板2を下方から支持する支持装置(図示省略)とを有する。
【0024】
第1撮像装置40は、実装装置10の外部に配置されている。第1撮像装置40は、支持部材(図示省略)により支持されており、第1搬送装置30の上方に配置されている。第1撮像装置40は、実装装置10の外部において、回路基板2の上方に配置されており、回路基板2の上方から回路基板2を撮像する。第1撮像装置40は、回路基板2の上面に付されている識別子6を撮像することができる。第1撮像装置40は、機外カメラと呼ばれることもある。以下では、第1撮像装置40が識別子6を撮像する工程を第1撮像工程という。また、第1撮像工程により取得される識別子6の画像情報を第1画像情報という。第1撮像工程により取得される識別子6の第1画像情報は、第1撮像装置40から制御部50へ送信される。
【0025】
第1撮像装置40が回路基板2に付されている識別子6を撮像するときに、識別子6を明確に撮像できるときと、識別子6を明確に撮像できないときとがある。例えば、第1撮像装置40の設置位置や設置角度が適正な状態であるときは、第1撮像装置40が識別子6を明確に撮像することができる。この場合は、第1画像情報において識別子6を明確に認識することができる。一方、例えば、第1撮像装置40の設置位置や設置角度が不適正な状態であるときは、第1撮像装置40が識別子6を明確に撮像することができない。この場合は、第1画像情報において識別子6を明確に認識することができない。
【0026】
(基板識別処理;
図5)
次に、実施例の基板識別処理について説明する。基板識別処理は、例えば、システム100のスタートボタン(図示省略)が押されると開始される。
図5に示すように、基板識別処理のS10では、制御部50が、制御プログラムPに従って、第1撮像装置40に第1撮像工程を実行させるための撮像実行信号を送信する。変形例では、S10の処理は、管理サーバ90が実行してもよい。第1撮像装置40は、制御部50(または、管理サーバ90)から撮像実行信号を受信することに応じて第1撮像工程を実行する。第1撮像装置40は、第1撮像工程において、回路基板2に付されている識別子6を実装装置10の外部において撮像する。第1撮像工程が実行されることにより、第1画像情報が取得される。第1画像情報は、第1撮像装置40から制御部50(または、管理サーバ90)に送信される。
【0027】
S12では、制御部50が、第1撮像工程による第1画像情報を取得する。変形例では、S12の処理は、管理サーバ90が実行してもよい。第1画像情報は、第1撮像装置40が識別子6を撮像することにより取得される情報である。制御部50は、通信I/F24を介して第1撮像装置40から第1画像情報を受信する。
【0028】
続くS14では、制御部50が、S12で取得する第1画像情報により回路基板2を識別することができるか否かを判断する。例えば、制御部50は、第1画像情報において識別子6を明確に認識することができる場合は、第1画像情報により回路基板2を識別することができると判断する。一方、制御部50は、第1画像情報において識別子6を明確に認識することができない場合は、第1画像情報により回路基板2を識別することができないと判断する。第1画像情報により回路基板2を識別することができる場合(YESの場合)は、処理はS16に進む。一方、第1画像情報により回路基板2を識別することができない場合(NOの場合)は、処理はS30に進む。S14でYESの後のS16では、制御部50が、第1画像情報により回路基板2を識別する。識別結果は記憶部52に記憶される。変形例では、S14、S16の処理は、管理サーバ90が実行してもよい。
【0029】
続くS18では、制御部50が、制御プログラムPに従って、第1搬送装置30と第2搬送装置20に搬送工程を実行させるための搬送実行信号を送信する。変形例では、S18の処理は、管理サーバ90が実行してもよい。あるいは、管理サーバ90が第1搬送実行信号を第1搬送装置30に送信し、制御部50が第2搬送実行信号を第2搬送装置20に送信してもよい。第1搬送装置30と第2搬送装置20は、制御部50(または、管理サーバ90)から搬送実行信号を受信することに応じて搬送工程を実行する。搬送工程において、第1搬送装置30と第2搬送装置20は、協働して、実装装置10の外部から実装装置10の内部へ回路基板2を搬送する。第1搬送装置30と第2搬送装置20は、電子部品4が実装される前の回路基板2を実装装置10の内部へ搬送する。S18の処理が実行されると、実装装置10により電子部品4を回路基板2に実装する実装工程が実行可能な状態になる。また、S18の処理が実行されると、第2撮像装置22により識別子6を撮像する第2撮像工程が実行可能な状態になる。
【0030】
続くS20では、制御部50が、第2撮像装置22に第2撮像工程を実行させるための命令が制御プログラムPに含まれているか否かを判断する。第2撮像工程を実行させるための命令が制御プログラムPに含まれている場合(YESの場合)は、処理はS22に進む。第2撮像工程を実行させるための命令が制御プログラムPに含まれていない場合(NOの場合)は、処理はS28に進む。
【0031】
S20でYESの後のS22では、制御部50が、制御プログラムPに従って、第2撮像装置22に第2撮像工程を実行させる。第2撮像装置22は、第2撮像工程により、回路基板2に付されている識別子6を撮像する。第2撮像装置22は、実装装置10の内部において識別子6を撮像する。第2撮像工程が実行されることにより第2画像情報が取得される。
【0032】
続くS24では、制御部50が、第2撮像工程による第2画像情報を取得する。第2画像情報は、第2撮像装置22が識別子6を撮像することにより取得される情報である。続くS26では、制御部50が、第2画像情報により回路基板2を識別する。識別結果は記憶部52に記憶される。
【0033】
続くS28では、制御部50が、制御プログラムPに従って、実装装置10に実装工程を実行させる。実装装置10は、実装工程により、回路基板2に電子部品4を実装する。
【0034】
続いて、上記のS14でNOの後の処理について説明する。S14でNOの後のS30では、制御部50が、第2撮像装置22に第2撮像工程を実行させるための命令が制御プログラムPに含まれているか否かを判断する。第2撮像工程を実行させるための命令が制御プログラムPに含まれている場合(YESの場合)は、処理はS32に進む。第2撮像工程を実行させるための命令が制御プログラムPに含まれていない場合(NOの場合)は、処理はS40に進む。
【0035】
S30でYESの後のS32では、制御部50が、制御プログラムPに従って、第1搬送装置30と第2搬送装置20に搬送工程を実行させるための搬送実行信号を送信する。制御部50は、S32の処理では、第1搬送装置30と第2搬送装置20による回路基板2の搬送を停止させない。S32の処理については、上記のS20の処理と同様の処理なので説明を省略する。
【0036】
続くS34では、制御部50が、制御プログラムPに従って、第2撮像装置22に第2撮像工程を実行させる。S36では、制御部50が、第2撮像工程による第2画像情報を取得する。S38では、制御部50が、第2画像情報により回路基板2を識別する。S34、S36、およびS38の処理については、上記のS22、S24、およびS26の処理と同様の処理なので説明を省略する。
【0037】
続くS28では、制御部50が、制御プログラムPに従って、実装装置10に実装工程を実行させる。実装装置10は、実装工程により、回路基板2に電子部品4を実装する。
【0038】
続いて、上記のS30でNOの後の処理について説明する。S30でNOの後のS40では、制御部50が、第1搬送装置30に回路基板2の搬送を停止させるための搬送停止信号を送信する。変形例では、S40の処理は、管理サーバ90が実行してもよい。第1搬送装置30は、制御部50(または、管理サーバ90)から搬送停止信号を受信することに応じて回路基板2の搬送を停止する。S40の処理が実行されると、第1搬送装置30による回路基板2の搬送が停止し、実装装置10の外部から実装装置10の内部へ回路基板2が搬送されなくなる。
【0039】
(効果)
以上、実施例に係るシステム100について説明した。上記のシステム100では、制御部50が、第2撮像装置22が識別子6を撮像することにより取得される第2画像情報に基づいて回路基板2を識別するか否かを制御プログラムPに基づいて判断する(S30参照)。制御部50は、制御プログラムPに基づいて第2画像情報により回路基板2を識別すると判断する場合に、第1画像情報により回路基板2を識別することができなかった場合であっても、第1搬送装置30と第2搬送装置20による回路基板2の搬送を停止させずに、実装装置10の内部へ回路基板2を搬送する工程を第1搬送装置30と第2搬送装置20に実行させる(S30、S32参照)。制御部50は、第1搬送装置30と第2搬送装置20により実装装置10の内部へ回路基板2が搬送された後に、第2撮像装置22が識別子6を撮像することにより取得される第2画像情報に基づいて回路基板2を識別する(S34、S36、S38参照)。
【0040】
この構成によれば、第1撮像装置40が識別子6を撮像することにより取得される第1画像情報に基づいて回路基板2を識別することができなかった場合であっても、実装装置10の内部へ回路基板2が搬送された後に、第2撮像装置22が識別子6を撮像することにより取得される第2画像情報に基づいて回路基板2を識別することができる。そのため、実装装置10の外部において識別子6を撮像する第1撮像装置40の状態にからわらず回路基板2を識別することができる。
【0041】
また、制御部50は、制御プログラムPに基づいて第2画像情報により回路基板2を識別しないと判断する場合であって、第1画像情報により回路基板2を識別することができなかった場合は、第1搬送装置30と第2搬送装置20による回路基板2の搬送を停止させる(S30、S40参照)。
【0042】
この構成によれば、第2画像情報により回路基板2を識別しない場合であって、第1画像情報により回路基板2を識別することができない場合に、回路基板2の搬送を停止させることができる。第1画像情報と第2画像情報のいずれによっても回路基板2の識別が実行されない場合に、回路基板2の搬送を停止させることができる。そのため、識別されない回路基板2が搬送されることを抑制することができる。
【0043】
また、第2撮像装置22は、制御部50が制御プログラムPに基づいて第2画像情報により回路基板2を識別すると判断する場合は、第1画像情報により回路基板2を識別することができた場合であっても識別子6を撮像する。制御部50は、第2撮像装置22が識別子6を撮像することにより取得される第2画像情報に基づいて回路基板2を識別する(S14、S16、S18、S20、S22、S24、S26参照)。
【0044】
この構成によれば、第1画像情報と第2画像情報のいずれによっても回路基板2を識別することができる。これにより、識別精度を高めることができる。例えば、第1画像情報による識別結果と、第2画像情報による識別結果とを照合することにより、識別精度を高めることができる。
【0045】
また、制御部50は、第2撮像装置22に識別子6を撮像する工程を実行させる命令が制御プログラムPに含まれている場合は、第2画像情報により回路基板2を識別すると判断する。また、制御部50は、第2撮像装置22に識別子6を撮像する工程を実行させる命令が制御プログラムPに含まれていない場合は、第2画像情報により回路基板2を識別しないと判断する(S20、S30参照)。
【0046】
この構成によれば、第2画像情報により回路基板2を識別するか否かを制御プログラムPに基づいて判断することができる。そのため、制御部50が判断用の追加の情報を記憶しておく必要がなく、簡潔な構成で第2画像情報により回路基板2を識別するか否かを判断することができる。
【0047】
また、制御部50は、第2撮像装置22に識別子6を撮像する工程を実行させる命令が制御プログラムPに含まれていない場合(S20でNO)は、通信I/F24を介して受信される第1画像情報に基づいて回路基板2を識別すると判断してもよい。
【0048】
(対応関係)
S16の処理を実行する制御部50が、「第1識別部」の一例である。S26またはS38の処理を実行する制御部50が、「第2識別部」の一例である。S20またはS30の処理を実行する制御部50が、「判断部」の一例である。S18、S32またはS40の処理を実行する制御部50が、「搬送制御部」の一例である。第1搬送装置30と第2搬送装置20が、「搬送装置」の一例である。制御プログラムPが、「所定の情報」の一例である。通信I/F24を介して第1画像情報を受信する制御部50が、「受信部」の一例である。
【0049】
(変形例)
上記の実施例では、制御プログラムPが、「所定の情報」の一例であったが、この構成に限定されない。「所定の情報」は、第2撮像装置22が識別子6を撮像することにより取得される第2画像情報に基づいて回路基板2を識別するか否かを判断するための情報であれば、特に限定されない。例えば、「所定の情報」は、第2画像情報に基づいて回路基板2を識別することを示すフラグファイルであってもよい。制御部50は、フラグファイルが存在する場合は、第2画像情報に基づいて回路基板2を識別すると判断し、フラグファイルが存在しない場合は、第2画像情報に基づいて回路基板2を識別しないと判断する。
【0050】
上記の実施例では、制御部50が基板識別処理(
図5参照)を実行していたが、変形例では、基板識別処理の一部または全部を管理サーバ90が実行してもよい。
【0051】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0052】
2:回路基板、4:電子部品、6:識別子、10:実装装置、12:部品フィーダ、14:フィーダ保持部、16:装着ヘッド、16a:ノズル、18:ヘッド移動装置、18a:移動ベース、20:第2搬送装置、22:第2撮像装置、24:通信インターフェース、30:第1搬送装置、40:第1撮像装置、50:制御部、52:記憶部、90:管理サーバ、92:通信線、100:システム、P:制御プログラム