(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068459
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】ケーブルグランド
(51)【国際特許分類】
H02G 3/22 20060101AFI20230510BHJP
H02G 15/013 20060101ALI20230510BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
H02G3/22
H02G15/013
H05K7/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179598
(22)【出願日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000195029
【氏名又は名称】星和電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷上 拓也
(72)【発明者】
【氏名】森 康夫
(72)【発明者】
【氏名】安藤 嘉高
【テーマコード(参考)】
4E352
5G363
5G375
【Fターム(参考)】
4E352AA01
4E352BB02
4E352BB10
4E352CC02
4E352CC12
4E352CC32
4E352CC52
4E352CC56
4E352DD05
4E352DD11
4E352DR02
4E352DR14
4E352DR15
4E352DR25
4E352DR26
4E352DR40
4E352DR46
4E352EE03
4E352FF04
4E352GG04
4E352GG10
4E352GG11
5G363AA01
5G363AA12
5G363BA01
5G363CB01
5G363CB08
5G375AA02
5G375AA08
5G375BA02
5G375BB03
5G375DA16
5G375DA33
(57)【要約】
【課題】異物の侵入を抑制しながら、ケーブルを回転しないように保持することが可能なケーブルグランドを提供する。
【解決手段】ケーブルグランド1は、グランド本体2と、キャップ3と、スリーブ4と、コレット5とを備える。グランド本体2の内周面には、スリーブ4が接触される第1テーパ面が形成されるとともに、コレット5の回り止め用の溝部26が形成されている。キャップ3は、周壁部31と、前壁部32と、周壁部31と前壁部32との間の内側隅部に形成された第2テーパ面とを有する。コレット5は、溝部26と嵌合される突部51bがベース部51に形成され、チャック部52がベース部51から軸方向に延びる複数の保持アーム521を有する。ケーブルグランド1は、ケーブルと第1テーパ面との間にスリーブ4が圧入されて異物の侵入が抑制され、第2テーパ面により保持アーム521が径方向内側に変形されてケーブルを保持する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの挿通が可能な筒状の部材であって、円筒形状のケーブル保持部を有し、そのケーブル保持部の外周面に雄ねじが形成されたグランド本体と、
前記グランド本体のケーブル保持部の雄ねじに噛み合う雌ねじが形成されたキャップとを備えるケーブルグランドにおいて、
ケーブルを通す挿通孔を有し、前記グランド本体のケーブル保持部に嵌め込まれる円筒形状のスリーブと、
円環状のベース部と前記ベース部に形成されたチャック部とを有し、前記グランド本体のケーブル保持部に嵌め込まれるコレットとを備え、
前記グランド本体の内周面には、前記スリーブが接触される第1テーパ面が形成されるとともに、前記コレットの回り止め用の溝部が形成され、
前記キャップは、前記雌ねじが形成された筒状の周壁部と、前記周壁部の一端に一体形成された前壁部と、前記周壁部と前記前壁部との間の内側隅部に形成された第2テーパ面とを有し、前記前壁部にケーブルを通す開口孔が形成され、
前記コレットは、前記溝部と嵌合される突部が前記ベース部に形成され、前記チャック部が前記ベース部から軸方向に延びる複数の保持アームを有し、
前記グランド本体のケーブル保持部内に前記スリーブおよび前記コレットを嵌め込んだ状態で、前記キャップを前記ケーブル保持部の雄ねじにねじ込むことにより、ケーブルと前記第1テーパ面との間に前記スリーブが圧入されて異物の侵入が抑制されるとともに、前記第2テーパ面により前記保持アームが径方向内側に変形されてケーブルを保持するように構成されていることを特徴とするケーブルグランド。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブルグランドにおいて、
前記保持アームの先端には、径方向外側に突出する外側突出部が形成されるとともに、径方向内側に突出する内側突出部が形成されていることを特徴とするケーブルグランド。
【請求項3】
請求項1または2に記載のケーブルグランドにおいて、
前記ケーブル保持部の外周面に、軸方向に延びる溝状のバイパス通路が形成されていることを特徴とするケーブルグランド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルを保持するケーブルグランドに関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器にケーブルを接続する際、電気機器の筐体等に取り付けたケーブルグランドを介してケーブルを保持する技術が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ケーブルグランドは、ケーブルの挿通が可能な筒状の部材であって鍔部およびその鍔部を挟んだ両側に雄ねじが形成されたグランド本体、このグランド本体に嵌め込まれるスリーブ、グランド本体の一方側(スリーブが嵌め込まれる側)の雄ねじにねじ込まれるキャップ(袋ナット)、およびグランド本体を壁体に固定するロックナットなどを備えている。
【0004】
このようなケーブルグランドでは、グランド本体の他方側の雄ねじを、電気機器の筐体の壁体に形成された取付孔に差し込んだ状態で、その他方側の雄ねじにロックナットをねじ込むことによってグランド本体を壁体に取り付ける。その後に、スリーブの挿通孔にケーブルを挿通した状態でスリーブをグランド本体に嵌め込み、そのグランド本体の一方側の雄ねじにキャップをねじ込んでスリーブを締め付ける。このようにしてキャップにてスリーブを締め付けることにより、スリーブが縮径方向に変形し、スリーブの挿通孔の内周面とケーブルの外周面とが密着する。これによって、電気機器の筐体内に異物(例えば、水、油、塵、埃など)が侵入するのを防止することができるとともに、ケーブル自体をしっかりと保持・固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記した従来のケーブルグランドでは、スリーブにより、異物の侵入が抑制されるとともに、ケーブルが保持されているが、ケーブルにトルクが加えられた場合に回転するおそれがある。
【0007】
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、異物の侵入を抑制しながら、ケーブルを回転しないように保持することが可能なケーブルグランドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるケーブルグランドは、ケーブルの挿通が可能な筒状の部材であって、円筒形状のケーブル保持部を有し、そのケーブル保持部の外周面に雄ねじが形成されたグランド本体と、前記グランド本体のケーブル保持部の雄ねじに噛み合う雌ねじが形成されたキャップと、ケーブルを通す挿通孔を有し、前記グランド本体のケーブル保持部に嵌め込まれる円筒形状のスリーブと、円環状のベース部と前記ベース部に形成されたチャック部とを有し、前記グランド本体のケーブル保持部に嵌め込まれるコレットとを備える。前記グランド本体の内周面には、前記スリーブが接触される第1テーパ面が形成されるとともに、前記コレットの回り止め用の溝部が形成されている。前記キャップは、前記雌ねじが形成された筒状の周壁部と、前記周壁部の一端に一体形成された前壁部と、前記周壁部と前記前壁部との間の内側隅部に形成された第2テーパ面とを有し、前記前壁部にケーブルを通す開口孔が形成されている。前記コレットは、前記溝部と嵌合される突部が前記ベース部に形成され、前記チャック部が前記ベース部から軸方向に延びる複数の保持アームを有する。ケーブルグランドは、前記グランド本体のケーブル保持部内に前記スリーブおよび前記コレットを嵌め込んだ状態で、前記キャップを前記ケーブル保持部の雄ねじにねじ込むことにより、ケーブルと前記第1テーパ面との間に前記スリーブが圧入されて異物の侵入が抑制されるとともに、前記第2テーパ面により前記保持アームが径方向内側に変形されてケーブルを保持するように構成されている。
【0009】
このように構成することによって、スリーブにより異物の侵入を抑制しながら、コレットによりケーブルを回転しないように保持することができる。
【0010】
上記ケーブルグランドにおいて、前記保持アームの先端には、径方向外側に突出する外側突出部が形成されるとともに、径方向内側に突出する内側突出部が形成されていてもよい。
【0011】
上記ケーブルグランドにおいて、前記ケーブル保持部の外周面に、軸方向に延びる溝状のバイパス通路が形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のケーブルグランドによれば、異物の侵入を抑制しながら、ケーブルを回転しないように保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態によるケーブルグランドを示した斜視図である。
【
図2】
図1のケーブルグランドの分解斜視図である。
【
図3】
図2のケーブルグランドを別の角度から見た図である。
【
図4】
図1のケーブルグランドを説明するための断面図である。
【
図5】
図2のケーブルグランドのグランド本体をキャップ取付側から見た図である。
【
図6】
図2のケーブルグランドのコレットを別の角度から見た図である。
【
図7】
図2のケーブルグランドのキャップを別の角度から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0015】
本発明のケーブルグランドの一例を
図1~
図7を参照して説明する。
【0016】
ケーブルグランド1は、
図2および
図3に示すように、グランド本体2、キャップ3、スリーブ4、コレット5、ロックナット6、ワッシャ7、およびパッキン8などを備えている。
【0017】
グランド本体2は、略円筒形状の部材(例えば樹脂製)であって、軸方向(円筒の軸方向)の中央部に略六角形状の鍔部21が形成されており、この鍔部21を挟んだ両側(軸方向の両側)に、それぞれ円筒形状のケーブル保持部22と取付部23とが形成されている。
【0018】
ケーブル保持部22の外周面には雄ねじ22aが形成されている。また、取付部23の外周面には雄ねじ23aが形成されている。取付部23は、電気機器の筺体の壁体100(以下、電気機器の壁体100ともいう)に形成された取付孔101に差し込まれる。
【0019】
なお、以下の説明では、グランド本体2のケーブル保持部22側(ケーブルグランド1のキャップ3側)を前方側(X1方向側)といい、その反対側を後方側(X2方向側)という。
【0020】
グランド本体2には、ケーブル挿通用の挿通孔(貫通孔)24が軸方向に沿って形成されている。挿通孔24は段付き孔であって、当該挿通孔24の軸方向の途中には、後述するスリーブ4を内方(縮径方向)に向けて押圧するための円錐状の第1テーパ面25(
図4参照)が形成されている。第1テーパ面25は、後方側に向かうにしたがって径が縮小するテーパ面である。そして、挿通孔24の前方側には、後述するスリーブ4およびコレット5が嵌め込まれる。
【0021】
また、挿通孔24の内周面には、コレット5のグランド本体2に対する回り止め用の溝部26が形成されている。溝部26は、軸方向に延びるように形成され、ケーブル保持部22の前方側の端部から第1テーパ面25に到達するまで延びるように形成されている。溝部26(
図5参照)は、周方向に所定の間隔を隔てて複数(例えば3つ)設けられている。
【0022】
また、ケーブル保持部22の外周面には、軸方向に延びる溝状のバイパス通路27(
図2参照)が形成されている。このバイパス通路27は、ケーブル保持部22の前方側の端部から鍔部21に到達するまで延びるように形成されている。バイパス通路27は、
図4に示すように、ケーブルCとグランド本体2とキャップ3とスリーブ4とにより形成される内部空間を外部に連通させるように構成されている。また、この内部空間は、後述するキャップ3の開口孔32aとケーブルCとの間の隙間を介して外部に連通されている。このため、その隙間から内部空間に水圧が加えられた場合に、その水圧がバイパス通路27から逃がされるようになっている。つまり、バイパス通路27は、キャップ3の前方側から水が高圧噴射された場合に、水圧を逃がすために設けられている。例えば、バイパス通路27が1つ設けられている。
【0023】
また、取付部23の外周面には、グランド本体2のワッシャ7に対する回り止め用の溝部28(
図3参照)が形成されている。溝部28は、軸方向に延びるように形成され、取付部23の後方側の端部から鍔部21に到達するまで延びるように形成されている。例えば、溝部28が1つ設けられている。
【0024】
キャップ3は、外周面が略六角形状の筒状の周壁部31と、その周壁部31の前方側を覆う前壁部32とを有する袋ナット状の部材(例えば樹脂製)である。キャップ3の周壁部31の内周面には、グランド本体2のケーブル保持部22の雄ねじ22aに噛み合う雌ねじ31a(
図7参照)が形成されている。キャップ3の前壁部32の中央には、ケーブルCを通すための円形の開口孔32aが形成されている。開口孔32aの内径は、スリーブ4の外径およびコレット5の外径よりも小さい。また、キャップ3は、周壁部31と前壁部32との間の内側隅部に形成された第2テーパ面33を有する。この第2テーパ面33は、後述するコレット5のチャック部52をケーブルCに押し付けて保持させるために設けられている。
【0025】
スリーブ4は、電気機器の筐体内に異物(例えば、水、油、塵、埃など)が侵入するのを抑制するために設けられている。このスリーブ4は、例えばゴム製であり、弾性変形可能に構成されている。スリーブ4は、円筒状に形成され、ケーブルCが挿通される挿通孔4aを有する。そして、スリーブ4は、グランド本体2の第1テーパ面25とケーブルCとの間に圧入されるように構成されている。
【0026】
コレット5は、ケーブルCを強固に保持するために設けられている。具体的に、コレット5は、ケーブルCを軸方向(X1およびX2方向)に移動しないように保持するとともに、ケーブルCを回転しないように保持するように構成されている。コレット5は、スリーブ4に対して前方側(X1方向側)に配置されている。
【0027】
このコレット5は、例えば合成樹脂からなり、
図6に示すように、円環状のベース部51と、ベース部51に形成されたチャック部52とを有する。ベース部51は、ケーブルCが挿通される挿通孔51aを有し、外径がスリーブ4と略同じに設定されている。ベース部51には、溝部26と嵌合される突部51bが形成されている。突部51bは、ベース部51から径方向外側に突出するように形成されている。突部51bは、周方向に所定の間隔を隔てて複数(例えば3つ)設けられている。この突部51bが溝部26に嵌合されることにより、コレット5がグランド本体2に対して回転されないようになっている。
【0028】
チャック部52は、ベース部51から前方側(X1方向側)に軸方向に延びる複数(例えば12本)の保持アーム521を有する。複数の保持アーム521は、周方向に所定の間隔を隔てて配置されている。各保持アーム521の先端には、径方向外側に突出する外側突出部521aが形成されるとともに、径方向内側に突出する内側突出部521bが形成されている。保持アーム521は、第2テーパ面33によって外側突出部521aが径方向内側に押されて変形することにより、内側突出部521bがケーブルCに接触されるようになっている。
【0029】
図2および
図3に示すように、壁体100には、ケーブルグランド1が取り付けられる円形の取付孔101が形成されている。この取付孔101の周縁には、切欠き101aが形成されている。
【0030】
ロックナット6は、グランド本体2を電気機器の壁体100に固定するためのナット(例えば樹脂製)であって、グランド本体2の取付部23の雄ねじ23aに噛み合う雌ねじ6aが形成されている。すなわち、ロックナット6と鍔部21とで壁体100を挟持させることにより、ケーブルグランド1(
図1参照)が壁体100に取り付けられる。
【0031】
ワッシャ7は、壁体100とロックナット6との間に挟み込まれるワッシャ本体71と、突起部72および舌片73とを含んでいる。このワッシャ7は、壁体100に対してグランド本体2を回り止めするように構成されている。ワッシャ本体71は、円形孔7aを有する円環板状に形成されている。突起部72および舌片73は、ワッシャ本体71の円形孔7aの周縁に形成されている。
【0032】
突起部72は、前方側(X1方向側)に突出し、壁体100の切欠き101aに嵌合可能に構成されている。舌片73は、後方側(X2方向側)に折り曲げられ、取付部23の溝部28に嵌合可能に構成されている。このため、突起部72が切欠き101aに嵌合されることによって壁体100に対するワッシャ7の回転が規制され、舌片73が溝部28に嵌合されることによってワッシャ7に対するグランド本体2の回転が規制される。
【0033】
パッキン8は、円形孔8aを有する円環状の部材(例えばゴム製)であって、グランド本体2の鍔部21と電気機器の壁体100との間に挟み込まれる。パッキン8の内径(円形孔8aの直径)は、グランド本体2の取付部23の雄ねじ23aの外径と略等しい。
【0034】
次に、以上の構造のケーブルグランド1の取付手順について
図1~
図7を参照して説明する。
【0035】
(S1)まず、グランド本体2の取付部23にパッキン8を嵌め込み、その取付部23を電気機器の壁体100の取付孔101に当該壁体100の表側(電子機器の筐体の表側)から差し込む。
【0036】
(S2)壁体100の取付孔101に差し込んだグランド本体2の取付部23にワッシャ7を嵌め込む。このとき、舌片73が溝部28に差し込まれ、突起部72が切欠き101aに嵌め合わされる。そして、取付部23の雄ねじ23a(壁体100の裏側に突出している部分の雄ねじ23a)にロックナット6をねじ込むことによって、グランド本体2を壁体100に取り付ける(固定する)。
【0037】
(S3)グランド本体2の挿通孔24にケーブルCを挿通させるとともに、グランド本体2に対して前方側のケーブルCにスリーブ4、コレット5およびキャップ3を通す。そして、スリーブ4およびコレット5を挿通孔24の前方側に嵌め込む。このため、スリーブ4が第1テーパ面25に接触される。
【0038】
(S4)キャップ3の雌ねじ31aをグランド本体2のケーブル保持部22の雄ねじ22aに合わせてキャップ3をグランド本体2にねじ込んでゆく。このキャップ3のねじ込み過程において、キャップ3にてコレット5およびスリーブ4が後方側に押圧される。このとき、スリーブ4ではコレット5を介してキャップ3によって後方側に押圧されるため、スリーブ4が第1テーパ面25とケーブルCとの間に圧入される。また、コレット5では保持アーム521の先端がキャップ3の第2テーパ面33に接触されるため、第2テーパ面33により保持アーム521の先端が径方向内側へと移動するように変形される。すなわち、チャック部52の前方側が縮径するように変形される。このため、保持アーム521の先端によりケーブルCが保持される。
【0039】
-効果-
以上説明したように、本実施形態のケーブルグランド1によれば、異物侵入抑制用のスリーブ4と、ケーブル保持用のコレット5とが、個別に設けられることによって、スリーブ4により異物の侵入を抑制しながら、コレット5によりケーブルCを回転しないように保持することができる。その結果、JIS C 61215-2、JIS C 62790、および、IP69Kに適合するケーブルグランド1を得ることができる。
【0040】
さらに、本実施形態のケーブルグランド1では、ケーブル保持部22の外周面にバイパス通路27が形成されることによって、キャップ3の前面側から高圧水噴射を受けても、その圧力を逃がすことができる。また、バイパス通路がキャップに形成される場合に比べて、異物侵入の抑制機能の低下を抑制することができる。
【0041】
-他の実施形態-
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、電気機器等にケーブルを保持する際に使用されるケーブルグランドに有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 ケーブルグランド
2 グランド本体
3 キャップ
4 スリーブ
4a 挿通孔
5 コレット
6 ロックナット
6a 雌ねじ
7 ワッシャ
7a 円形孔
8 パッキン
8a 円形孔
21 鍔部
22 ケーブル保持部
22a 雄ねじ
23 取付部
23a 雄ねじ
24 挿通孔
25 第1テーパ面
26 溝部
27 バイパス通路
28 溝部
31 周壁部
31a 雌ねじ
32 前壁部
32a 開口孔
33 第2テーパ面
51 ベース部
51a 挿通孔
51b 突部
52 チャック部
71 ワッシャ本体
72 突起部
73 舌片
100 壁体
101 取付孔
101a 切欠き
521 保持アーム
521a 外側突出部
521b 内側突出部