(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068519
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】保護カバー
(51)【国際特許分類】
E04G 21/30 20060101AFI20230510BHJP
F16L 57/00 20060101ALI20230510BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20230510BHJP
H02G 9/00 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
E04G21/30 B
F16L57/00 A
H02G3/04 087
H02G9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179700
(22)【出願日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】507060516
【氏名又は名称】ジャパン スチールス グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】與那原 一郎
【テーマコード(参考)】
3H024
5G357
5G369
【Fターム(参考)】
3H024AA01
3H024AB07
3H024AC03
5G357DA10
5G357DB01
5G357DB02
5G357DB10
5G357DC04
5G357DD06
5G357DE03
5G369AA06
5G369BA01
5G369DA01
(57)【要約】
【課題】建築物の建設工事現場における仮設部材と付設部材のいずれをも保護するための走行面の保護カバーを提供する。
【解決手段】走行面の保護カバー10は、被保護部材を覆う天板14および天板14の両側辺に設けられる側板15、16を備えたカバー本体13と、天板14とともに走行面を形成する傾斜板11、12と、傾斜板11、12を床面に据え付ける据え付け部材と、側板15、16の内側に沿って延びる支持板31、32および支持板31、32と一体の底板33を備え、カバー本体13の内側に着脱自在に配置される収容トレイ30とを有し、仮設部材は収容トレイ30に収容され、付設部材は天板14により覆われる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被保護部材の上方を横切って配置され走行面を形成する保護カバーであって、
前記被保護部材に沿って延び前記被保護部材を覆う天板、前記天板の一方側に設けられ床面に接触する第1の側板、および前記天板の他方側に設けられ前記床面に接触する第2の側板を備えたカバー本体と、
前記第1の側板に連なって前記床面に配置される第1の傾斜板と、
前記第2の側板に連なって前記床面に配置され、前記天板と前記第1の傾斜板とにより前記走行面を形成する第2の傾斜板と、
前記第1の傾斜板および前記第2の傾斜板を前記床面に据え付ける据え付け部材と、
前記第1の側板の内側に沿って延びる第1の支持板、前記第2の側板の内側に沿って延びる第2の支持板、および前記第1の支持板と前記第2の支持板とに一体の底板を備え、前記カバー本体の内側に着脱自在に配置される収容トレイと、を有し、
前記収容トレイと前記カバー本体とにより形成される収容空間に仮設部材からなる被保護部材を収容して前記天板により覆い、前記収容トレイを取り外して前記カバー本体の前記天板により付設部材からなる被保護部材を覆うようにした、保護カバー。
【請求項2】
請求項1記載の保護カバーにおいて、
床面に取り付けられる締結部材が貫通する取付孔をそれぞれの前記第1の傾斜板と前記第2の傾斜板に設け、前記締結部材は前記据え付け部材を構成する、保護カバー。
【請求項3】
請求項1または2に記載の保護カバーにおいて、
前記第1の支持板に取り付けられ、前記第1の傾斜板に連結される第1の連結ロッドと、前記第2の支持板に取り付けられ前記第2の傾斜板に連結される第2の連結ロッドと、を備え、
前記第1の連結ロッドと前記第2の連結ロッドは、前記第1の傾斜板と前記第2の傾斜板を前記収容トレイに連結して前記床面に据え付ける据え付け部材を構成する、保護カバー。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の保護カバーにおいて、
前記第1の側板と前記第1の傾斜板とを連結する第1の連結レバーと、前記第2の側板と前記第2の傾斜板とを連結する第2の連結レバーと、を備え、
前記第1の連結レバーと前記第2の連結レバーは、カバー本体を前記第1の傾斜板と前記第2の傾斜板とに連結して前記床面に据え付ける据え付け部材を構成する、保護カバー。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の保護カバーにおいて、
前記第1の傾斜板および前記第2の傾斜板の内面に、前記カバー本体の側の段差端部から前記床面に接触する接触端部に向けて走行方向に延びる複数の縦補強板と、当該縦補強板を横切る方向に延びる複数の横補強板とが設けられた、保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設工事現場に設けられた配管類等の被保護部材を覆って走行面を形成する保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の建設工事現場においては、建築物の床面や建築物周囲の路面等に配管類が仮設される場合があり、これらの仮設部材を横切る方向に作業台車や作業者を走行させることがある。この場合には、作業台車等を走行させるために、配管類等の仮設部材を被保護部材としてこれを保護するために保護カバーが仮設部材を跨ぐように配置される。配管類としては、電線ケーブル等の電線管や液体や空気等を案内する流体案内管等があり、これらは建築終了後には撤去される。また、建築物の建築工事現場においては、ドアを案内するために既に建築物に付設されて建築物の一部を構成するドアドレール等の付設部材を横切る方向に作業台車や作業者を走行することがある。この場合には、作業台車等を走行させるために、付設部材を被保護部材としてこれを保護するための保護カバーが付設部材を跨ぐように配置される。
【0003】
仮設部材である電線等の配管類を保護するための保護カバーが特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された保護カバーは、配管類を収容する収容室を形成する基部と、基部の両側に配置される2枚の傾斜板と、傾斜板の間に配置されて収容室を覆う開閉板とを有している。この保護カバーは、配管類を被保護部材として、これを保護するために使用され、走行台車等は保護カバーにより配管類を踏み付けることなく、走行することができる。
【0006】
しかし、この保護カバーは建築物に既に付設つまり建築物の一部として建設されたドアレール等の付設部材を保護することができない。なぜならば、配管類を収容するための基部に付設部材を位置させることができないからである。このため、特許文献1に記載される保護カバーは、ドアレール等の付設部材を横切るための領域には、付設部材を保護するための保護カバーとして使用することができない。
【0007】
本発明の目的は、建築物の建設工事現場における仮設部材と付設部材のいずれをも保護して走行台車等の走行を案内する保護カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被保護部材の上方を横切って配置され走行面を形成する保護カバーであって、前記被保護部材に沿って延び前記被保護部材を覆う天板、前記天板の一方側に設けられ床面に接触する第1の側板、および前記天板の他方側に設けられ前記床面に接触する第2の側板を備えたカバー本体と、前記第1の側板に連なって前記床面に配置される第1の傾斜板と、前記第2の側板に連なって前記床面に配置され、前記天板と前記第1の傾斜板とにより前記走行面を形成する第2の傾斜板と、前記第1の傾斜板および前記第2の傾斜板を前記床面に据え付ける据え付け部材と、前記第1の側板の内側に沿って延びる第1の支持板、前記第2の側板の内側に沿って延びる第2の支持板、および前記第1の支持板と前記第2の支持板とに一体の底板を備え、前記カバー本体の内側に着脱自在に配置される収容トレイと、を有し、前記収容トレイと前記カバー本体とにより形成される収容空間に仮設部材からなる被保護部材を収容して前記天板により覆い、前記収容トレイを取り外して前記カバー本体の前記天板により付設部材からなる被保護部材を覆うようにした。
【発明の効果】
【0009】
この保護カバーは、建築物を建築しているときに、建設のために使用される配管類等の仮設部材を横切る方向に作業台車を走行させる場合には、仮設部材を保護するために使用される。建築物を構成するドアレール等の付設部材を横切り方向に作業台車等を走行させる場合には、保護カバーは付設部材を保護するために使用される。このように、保護カバーは仮設部材と付設部材のいずれをも被保護部材としてこれら選択的に保護して走行台車等の走行を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】床面に配置された仮設部材を保護するために使用されている状態における一実施の形態である保護カバーを示す斜視図である。
【
図4】仮設部材としての配管類を覆っている状態における保護カバーの断面図である。
【
図5】付設部材としてのドアレールを覆っている状態における保護カバーの断面図である。
【
図6】
図5における傾斜板を取り除いた状態における保護カバーの走行方向の中央部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は保護カバー10が建築物の床面Fつまり建築作業面に配置された状態を示し、
図2は保護カバー10の分解斜視図である。保護カバー10は建築物の建設工事現場において作業台車や作業者を走行させるために床面Fに配置される。
図1に示す床面Fには配管類Pが仮設部材として配置されている。このように配置された被保護部材としての仮設部材を保護するために、保護カバー10が被保護部材を跨ぐようにして床面Fに配置される。建築物の建設が完了すると、保護カバー10は床面Fから撤去される。配管類Pは保護チューブの内部に電線ケーブルが収容された部材であり、建築物を建設するときに使用される電気機器に対して電力を供給するために使用され、建築物の建設が完了すると、配管類Pは撤去される。
【0012】
保護カバー10は、第1の傾斜板11と第2の傾斜板12の2枚の傾斜板11、12と、これらの傾斜板11、12の間に配置されるカバー本体13とを有している。それぞれの傾斜板11、12の表面と天板14の表面とにより、作業台車等が走行する走行面が形成される。傾斜板11、12およびカバー本体13は金属製であり、傾斜板11、12としては、
図1において部分的に点を付して示すように、滑り止め鉄板が使用されている。滑り止め鉄板は、チェッカープレートや縞鋼板とも言われている。
【0013】
カバー本体13は、
図2に示されるように、配管類Pからなる被保護部材に沿って延びて配管類Pを覆う天板14と、天板14の幅方向の一方側に一体に設けられた第1の側板15と、天板14の他方側に一体に設けられた第2の側板16とを備えている。それぞれの側板15、16は水平方向の天板14に対してほぼ直角方向に上下方向に延びており、側板15、16の下側辺は床面Fに突き当てられて接触する。それぞれの側板15、16の長手方向の両端部には、切欠き部17が設けられている。切欠き部17が設けられているので、側板15、16の下側部分における天板14に沿う方向の長さは、天板14よりも短く設定されている。
【0014】
2枚の傾斜板11、12は相互に同一形状であり、一方を第1の傾斜板11とすると、他方は第2の傾斜板12となる。一方の傾斜板11は、カバー本体13の一方の側板15に連なって床面Fに配置され、他方の傾斜板12は、他方の側板16に連なって床面Fに配置される。それぞれの傾斜板11、12の走行方向におけるカバー本体13側の一端部は側板15、16の上下方向の高さ寸法にほぼ対応した高さの段差端部21であり、他端部は床面Fに接触する接触端部22である。接触端部22は走行方向に所定の幅を有している。
【0015】
図3は
図1の一部切欠き平面図であり、傾斜板11、12と天板14の一部が切り欠かれた状態で示されている。
図4は保護カバー10の断面図である。
【0016】
それぞれの傾斜板11、12の内面つまり下面には、
図3に示されるように、走行方向に延びる5つの縦補強板23が溶接されている。それぞれの縦補強板23はカバー本体13の側の段差端部21から接触端部22の近くにまで延びており、ほぼ三角形である。それぞれの縦補強板23を横切る方向に延びる横補強板24が傾斜板11、12の内面に溶接されており、それぞれの横補強板24は縦補強板23の間に位置している。縦補強板23と横補強板24は金属製であり、複数の縦補強板23と複数の横補強板24とが格子状となってそれぞれの傾斜板11、12の内面に溶接されており、傾斜板11、12の重量を高めることなく、その強度を高めている。さらに、傾斜板11、12の傾斜角度は縦補強板23により設定される。
【0017】
縦補強板23を横切る方向を傾斜板11、12の幅方向とすると、幅方向の最も外側に位置する縦補強板23には、
図3に示されるように、符号aがカッコ付きで示されている。
【0018】
傾斜板11、12の接触端部22には取付孔25が設けられており、
図4および
図5に示すように、止めネジや釘等からなる締結部材26が取付孔25を貫通して床面Fに締結される。これにより、傾斜板11、12は締結部材26により床面Fに締結されて移動しないように据え付けられる。つまり、締結部材26は据え付け部材を構成している。
【0019】
被保護部材として配管類P等の仮設部材が床面Fを横切って配置され、仮設部材を保護するときには、仮設部材としての配管類Pは収容トレイ30に収容される。収容トレイ30は、第1の側板15の内側に沿って延びる第1の支持板31と、第2の側板16の内側に沿って延びる第2の支持板32と、両方の支持板31、32と一体となった底板33とを備えている。収容トレイ30は、カバー本体13の内側に着脱自在に配置され、収容トレイ30に配管類P等の仮設部材が収容される。仮設部材は、
図4に示されるように、収容トレイ30とカバー本体13とにより形成される収容空間34に配置される。
【0020】
支持板31の長手方向両端部には、収容トレイ30の幅方向外方に突出して第1の連結ロッド35が設けられている。同様に、支持板32の長手方向両端部には、収容トレイ30の幅方向外方に突出し第2の連結ロッド36が設けられている。それぞれの連結ロッド35の先端部には、
図2に示されるように、取付孔37が形成されており、それぞれの連結ロッド36にも取付孔37が形成されている。それぞれの傾斜板11、12に設けられた幅方向外側の縦補強板23(a)には取付孔37に対応させて取付孔38が形成されている。取付孔38に対応させて縦補強板23(a)の内面にはナット39が溶接されている。ボルト41をそれぞれの連結ロッド35、36の取付孔37と、縦補強板23(a)に設けられた取付孔38とを貫通させて、ナット39にねじ結合すると、2つの連結ロッド35は傾斜板11に連結され、2つの連結ロッド36は傾斜板12に連結される。ボルト41には、ワッシャ42とスプリングワッシャ43が装着される。
【0021】
これにより、2枚の傾斜板11、12は、連結ロッド35、36により収容トレイ30に連結され、傾斜板11、12と収容トレイ30とを含めた重量つまり自重により、傾斜板11、12は床面Fに動かないように据え付けられる。したがって、収容トレイ30に仮設部材が収容されるときには、連結ロッド11,12は収容トレイ30を傾斜板11、12に連結して床面Fに据え付ける据え付け部材を構成する。これにより、床面Fに止めネジ等からなる締結部材26を取り付けなくとも、傾斜板11、12が移動することを防止することができるが、連結ロッド35、36により傾斜板11、12と収容トレイ30とを連結するとともに、締結部材26を
図4に示すように、傾斜板11、12に取り付けるようにしてもよい。その場合には、それぞれ据え付け部材を構成する連結ロッド35、36と、締結部材26とにより傾斜板11、12は床面Fに据え付けられる。
【0022】
連結ロッド35、36は、ボルト41により縦補強板23(a)に取り付けられるが、傾斜板11、12の走行方向に延びる取付面が設けられた部材を、連結ロッド35、36の連結のためにそれぞれの傾斜板11、12に取り付けるようにしてもよい。つまり、縦補強板23(a)以外の部材でも、傾斜板11、12と収容トレイ30とを連結することができる。さらに、ボルト41を縦補強板23(a)に溶接されたナット39にねじ結合するようにしているが、取付孔38をねじ孔とすれば、ナット39を用いることなく、ボルト41を縦補強板23(a)等の部材にねじ結合することができる。
【0023】
図5は付設部材としてのドアレールRを覆っている状態における保護カバー10の断面図であり、
図6は
図5における傾斜板11、12を取り除いた状態における保護カバーの走行方向の中央部を示す平面図である。
図6においては、傾斜板11、12は取り除かれた状態で二点鎖線により示されている。
【0024】
図6におけるドアレールRは建築物の内部の2つの領域を仕切る部分に付設されており、建設中においては、付設部材としてのドアレールRを横切る方向に作業台車や作業者が走行することがある。この場合には、収容トレイ30を用いることなく、カバー本体13により付設部材としてのドアレールRが覆われる。カバー本体13の走行方向の両側には、
図5に示されるように、傾斜板11、12が配置される。傾斜板11、12の段差端部21は、カバー本体13の側板15、16に接触するか、または数mm程度の隙間を介して側板15、16に連なっている。
【0025】
それぞれの傾斜板11、12の接触端部22に形成された取付孔25に、
図5に示すように、止めネジ等の締結部材26を取り付けると、締結部材26により傾斜板11、12は床面Fに据え付けられる。
【0026】
一方、
図5および
図6に示されるように、縦補強板23(a)には取付孔38が形成されており、取付孔38を利用して、第1の連結レバー44と第2の連結レバー45によりそれぞれの傾斜板11、12をカバー本体13に連結することができる。連結レバー44、45は相互に同一の形状である。
【0027】
連結レバー44は、取付孔46が形成された基部47と、基部47の先端部に設けられ基部47に対して直角に折り曲げられた係合部48とを有し、平面L字形状となっている。係合部48をカバー本体13の第1の側板15の内面に係合させてボルト41により連結レバー44を傾斜板11に連結すると、傾斜板11はカバー本体13の側板15に固定される。同様に、連結レバー45は、取付孔46が形成された基部47と、基部47の先端部に設けられて基部47に対して直角に折り曲げられた係合部48とを有し、平面L字形状となっている。係合部48をカバー本体13の第2の側板16の内面に係合させてボルト41により連結レバー45を傾斜板12に連結すると、傾斜板12はカバー本体13の側板15に固定される。
【0028】
図6に示されるように、2枚の傾斜板11、12は、連結レバー44、45によりカバー本体13に連結され、傾斜板11、12とカバー本体13とを含めた重量により、傾斜板11、12は床面Fに動かないように据え付けられる。したがって、カバー本体13により付設部材を覆うときには、連結レバー44、45はカバー本体13を傾斜板11、12に連結して床面Fに据え付ける据え付け部材を構成する。これにより、床面Fに止めネジ等からなる締結部材26を取り付けなくとも、傾斜板11、12が移動することが防止されるが、連結レバー44、45により傾斜板11、12とカバー本体13とを連結するとともに、締結部材26を
図5に示すように、傾斜板11、12に取り付けるようにしてもよい。その場合には、それぞれ据え付け部材を構成する連結レバー44、45と、締結部材26とにより傾斜板11、12は床面Fに据え付けられる。
【0029】
保護カバー10は、走行台車や走行者のために被保護部材の上方を跨ぐ走行面を形成するために配置される。保護カバー10は、
図4に示されるように、建築物を建設しているときに、建設のために使用される配管類P等の仮設部材を横切って作業台車等を走行させなければならない場合に、仮設部材を保護するために使用される。つまり、保護カバー10は建築物を建設するために使用する部材を保護するために使用される。
【0030】
さらに、保護カバー10は、建築物を構成するドアレールR等の付設部材を横切って建築作業中に作業台車等を走行させなければならない場合に、付設部材を保護するために使用される。つまり、建築物として建設された付設部材が建設工事により損傷することを防止してこれを保護するために保護カバー10は使用される。
【0031】
この明細書においては、建築物を建設するために使用し、建設後には撤去される部材を仮設部材とし、建築物の一部を構成する部材を付設部材としている。上述のように、保護カバー10は、仮設部材と付設部材のいずれをも被保護部材としてこれらを保護しつつ、被保護部材を横切る方向の走行台車等の走行を案内することができる。したがって、建築現場や土木工事現場に多数の保護カバー10を準備しておけば、同種の保護カバーを仮設部材と付設部材のいずれにも選択的に適用させることができる。保護カバー10が配置される床面とは、建築物の床面に限られず、被保護部材を跨いで走行台車等を走行させる際における路面等の建築作業の作業領域面の意味である。
【0032】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。被保護部材としての仮設部材は、配管類Pのみならず、液体供給用のホース等であってもよい。被保護部材としての付設部材は、ドアレールRのみならず、敷居等の横木や床面に突出した部材等であってもよい。
【符号の説明】
【0033】
11、12 傾斜板
13 カバー本体
14 天板
15、16 側板
21 段差端部
22 接触端部
23 縦補強板
24 横補強板
25 取付孔
26 締結部材
30 収容トレイ
31、32 支持板
33 底板
34 収容空間
35、36 連結ロッド
37、38 取付孔
39 ナット
41 ボルト
44、45 連結レバー
46 取付孔
47 基部
48 係合部
F 走行面
P 配管類
R ドアレール