(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068556
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】人工知能タスク管理サーバコンピュータ、ユーザ端末装置、プログラム、及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230510BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179765
(22)【出願日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】512066288
【氏名又は名称】BeeCombGrid株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 正成
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】ユーザのタスク実行能力に適したタスク管理技術を提供する。
【解決手段】システムは、AIタスク管理サーバ10,管理者端末14,及びユーザ端末16を備え、これらは通信ネットワーク12で接続される。AIタスク管理サーバ10のプロセッサは、通信ネットワーク12で接続されたユーザ端末16を操作するユーザのタスク実行レベルを評価し、評価したタスク実行レベルに応じて1日当たりのタスクデータを生成し、生成したタスクデータをユーザ端末16に送信し、ユーザ端末16から右スワイプ操作信号を受信した場合に、右スワイプ操作信号に関連するタスクデータを完了処理する。また、ユーザ端末16から左スワイプ操作信号を受信した場合に、左スワイプ操作信号に関連するタスクデータをそのステータスを進捗中に維持しつつユーザに応じてスキップ処理する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工知能タスク管理サーバコンピュータであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、プログラムを実行することで、
通信ネットワークで接続されたユーザ端末を操作するユーザのタスク実行レベルを評価し、
評価した前記タスク実行レベルに応じて1日当たりのタスクデータを生成し、
生成した前記タスクデータを前記ユーザ端末に送信し、
前記ユーザ端末から右スワイプ操作信号を受信した場合に、前記右スワイプ操作信号に関連するタスクデータを完了処理し、
前記ユーザ端末から左スワイプ操作信号を受信した場合に、前記左スワイプ操作信号に関連するタスクデータを前記ユーザに応じてスキップ処理する、
人工知能タスク管理サーバコンピュータ。
【請求項2】
請求項1に記載の人工知能タスク管理サーバコンピュータにおいて、
前記タスクデータのステータスは、進捗中と完了の2つの状態を含み、
前記プロセッサは、前記完了処理では前記タスクデータのステータスを進捗中から完了に更新し、前記スキップ処理では前記タスクデータのステータスを進捗中に維持するとともに、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に高い場合には前記タスクデータを前記1日当たりのタスクデータで構成されるタスクキューの最後に移動し、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に低い場合には前記タスクデータを前記タスクキューの最後以外に移動する、
人工知能タスク管理サーバコンピュータ。
【請求項3】
人工知能タスク管理システム用のユーザ端末装置であって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、プログラムを実行することで、
通信ネットワークで絶族された人工知能タスク管理サーバコンピュータから1日当たりのタスクデータを受信し、
受信したタスクデータを表示装置に表示し、
表示された前記タスクデータに対するユーザからのスワイプ操作を受け付け、右スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータが完了したものとして前記1日当たりのタスクデータから削除し、左スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータをユーザに応じてスキップ処理する、
ユーザ端末装置。
【請求項4】
請求項3に記載のユーザ端末装置において、
前記タスクデータのステータスは、進捗中と完了の2つの状態を含み、
前記プロセッサは、前記完了処理では前記タスクデータのステータスを進捗中から完了に更新し、前記スキップ処理では前記タスクデータのステータスを進捗中に維持するとともに、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に高い場合には前記タスクデータを前記1日当たりのタスクデータで構成されるタスクキューの最後に移動し、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に低い場合には前記タスクデータを前記タスクキューの最後以外に移動する、
ユーザ端末装置。
【請求項5】
ユーザ端末装置のプロセッサに、
通信ネットワークで絶族された人工知能タスク管理サーバコンピュータから1日当たりのタスクデータを受信するステップと、
受信したタスクデータを表示装置に表示するステップと、
表示された前記タスクデータに対するユーザからのスワイプ操作を受け付け、右スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータが完了したものとして前記1日当たりのタスクデータから削除し、左スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータをユーザに応じてスキップ処理するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムにおいて、
前記タスクデータのステータスは、進捗中と完了の2つの状態を含み、
前記プロセッサは、前記完了処理では前記タスクデータのステータスを進捗中から完了に更新し、前記スキップ処理では前記タスクデータのステータスを進捗中に維持するとともに、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に高い場合には前記タスクデータを前記1日当たりのタスクデータで構成されるタスクキューの最後に移動し、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に低い場合には前記タスクデータを前記タスクキューの最後以外に移動する、
プログラム。
【請求項7】
人工知能タスク管理方法であって、
通信ネットワークで接続された人工知能タスク管理サーバコンピュータ及びユーザ端末を備え、
前記人工知能タスク管理サーバコンピュータは、
前記ユーザ端末を操作するユーザのタスク実行レベルを評価し、
評価した前記タスク実行レベルに応じて1日当たりのタスクデータを生成し、
生成した前記タスクデータを前記ユーザ端末に送信し、
前記ユーザ端末は、
前記人工知能タスク管理サーバコンピュータから前記1日当たりのタスクデータを受信し、
受信したタスクデータを表示装置に表示し、
表示された前記タスクデータに対するユーザからのスワイプ操作を受け付け、右スワイプ操作信号又は左スワイプ操作信号を前記人工知能タスクコンピュータに送信し、
前記人工知能タスク管理サーバコンピュータは、
前記ユーザ端末から右スワイプ操作信号を受信した場合に、前記右スワイプ操作信号に関連するタスクデータを完了処理し、
前記ユーザ端末から左スワイプ操作信号を受信した場合に、前記左スワイプ操作信号に関連するタスクデータをユーザに応じてスキップ処理し、
前記ユーザ端末は、前記右スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータを前記1日当たりのタスクデータから削除し、前記左スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータをユーザに応じてスキップ処理する、
人工知能タスク管理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の人工知能タスク管理方法において、
前記タスクデータのステータスは、進捗中と完了の2つの状態を含み、
前記完了処理では前記タスクデータのステータスを進捗中から完了に更新し、
前記スキップ処理では前記タスクデータのステータスを進捗中に維持するとともに、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に高い場合には前記タスクデータを前記1日当たりのタスクデータで構成されるタスクキューの最後に移動し、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に低い場合には前記タスクデータを前記タスクキューの最後以外に移動する、
人工知能タスク管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工知能タスク管理サーバコンピュータ、ユーザ端末装置、プログラム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、営業担当者個人で留まりがちな顧客情報や案件の進捗、商談事例等の営業活動に関わる情報をデータ化して活用することで、営業の生産性を上げ、効率化を進めることを目的とした営業支援システムSFA(Sales Force Automation)が開発されている。
【0003】
但し、従来のSFAでは、データ入力の手間、セットアップの手間、及び管理の手間がかかり、営業担当及び管理者双方の負担が大きい。
【0004】
特許文献1には、複数のスタッフにタスクを割り当てその進行を管理するシステムであって、タスクの割り当て、対応状況、完了などの情報をスタッフ間で共有し、スタッフ同士の連携を促すことができるタスク管理システムが記載されている。具体的には、複数の携帯端末を利用したタスク管理システムであって、一の携帯端末からの操作により、タスクに関する指示情報を含むタスクキューを生成させ、所定の携帯端末に送信する手段と、所定の携帯端末において、一の携帯端末により生成されたタスクキューを表示する手段と、タスクキューを受信した携帯端末において、当該タスクキューへの対応の入力を受け付ける手段と、タスクキューを受信し、当該タスクキューへの対応の入力を受け付けた携帯端末において、当該タスクキューについて、他の対応中の携帯端末との間で情報の送受信を行わせる手段と、タスクキューを生成させた携帯端末又はタスクキューへの対応を入力した携帯端末から、当該タスクキューへの対応完了の入力を受け付け、当該入力された対応完了の情報を他の携帯端末に通知する手段とを有し、タスクキューへの対応完了を通知された携帯端末において、当該タスクキューを表示しなくするタスク管理システムが記載されている。
【0005】
特許文献2には、ユーザの訓練およびタスク管理のための適応型人工知能のための方法およびデバイスが記載されている。具体的には、ユーザを訓練する人工知能モジュールをデバイスによって特定するステップと、人工知能モジュールを使用して、複数のタスクからユーザに提供する第1セットのタスクをデバイスによって選択するステップと、デバイスによって、ユーザに第1セットのタスクを提供するステップと、デバイスによって、ユーザによる第1セットのタスクの実行に関連する複数のパフォーマンスパラメータを監視するステップと、デバイスによって、ユーザによる第1セットのタスクの実行に関連する複数のパフォーマンスパラメータを監視するステップと、デバイスによって、且つ複数のパフォーマンスパラメータを機械学習モデルに対する入力として使用して、ユーザの技能のレベルが技能閾値を満たさないと判断するステップと、人工知能モジュールを使用して、且つユーザの技能のレベルが技能閾値を満たさないと判断するステップに基づいて、複数のタスクからユーザに提供する第2セットのタスクをデバイスによって選択するステップと、デバイスによって、第2セットのタスクをユーザに提供するステップと、デバイスによって、ユーザによる第2セットのタスクの実行に関連する複数のパフォーマンスパラメータを監視するステップと、デバイスによって、且つ複数のパフォーマンスパラメータを機械学習モデルに対する入力として使用して、ユーザの技能のレベルが技能閾値を満たすと判断するステップと、デバイスによって、且つユーザの技能のレベルが技能閾値を満たすと判断するステップに基づいて、ユーザを訓練する第2の人工知能モジュールを特定するステップと、デバイスによって、且つ第2の人工知能モジュールを使用して、複数のタスクからユーザに提供する第3セットのタスクを選択するステップと、デバイスによって、第3セットのタスクを前記ユーザに提供するステップとを含む方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6263668号
【特許文献2】特開2020-98325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
タスクの生成、進行、完了等を管理するタスク管理サーバとユーザが利用する携帯端末とをネットワークで接続し、ユーザの携帯端末にタスクキューを送信して当該携帯端末にタスクキューを表示する構成することで、タスクを効率的に管理することができるが、ユーザ毎にタスク実行能力が異なるのが実情である。従って、ユーザ毎に一律にタスクを割り当ててタスクキューを表示する構成では、効率的にタスクを管理できない。特に、本日中に遂行されるべきタスクキューを表示した場合において、タスクキューを構成する個々のタスクが完了した場合のみならず、当該タスクが未完了の場合にも、当該ユーザに適応したタスク管理が求められる。
【0008】
本発明は、ユーザのタスク実行能力に適したタスク管理技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、人工知能タスク管理サーバコンピュータであって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、プログラムを実行することで、通信ネットワークで接続されたユーザ端末を操作するユーザのタスク実行レベルを評価し、評価した前記タスク実行レベルに応じて1日当たりのタスクデータを生成し、生成した前記タスクデータを前記ユーザ端末に送信し、前記ユーザ端末から右スワイプ操作信号を受信した場合に、前記右スワイプ操作信号に関連するタスクデータを完了処理し、前記ユーザ端末から左スワイプ操作信号を受信した場合に、前記左スワイプ操作信号に関連するタスクデータを前記ユーザに応じてスキップ処理する、人工知能タスク管理サーバコンピュータである。
【0010】
第2の態様は、第1の態様において、前記タスクデータのステータスは、進捗中と完了の2つの状態を含み、前記プロセッサは、前記完了処理では前記タスクデータのステータスを進捗中から完了に更新し、前記スキップ処理では前記タスクデータのステータスを進捗中に維持するとともに、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に高い場合には前記タスクデータを前記1日当たりのタスクデータで構成されるタスクキューの最後に移動し、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に低い場合には前記タスクデータを前記タスクキューの最後以外に移動する。
【0011】
第3の態様は、人工知能タスク管理システム用のユーザ端末装置であって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、プログラムを実行することで、通信ネットワークで絶族された人工知能タスク管理サーバコンピュータから1日当たりのタスクデータを受信し、受信したタスクデータを表示装置に表示し、表示された前記タスクデータに対するユーザからのスワイプ操作を受け付け、右スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータが完了したものとして前記1日当たりのタスクデータから削除し、左スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータをユーザに応じてスキップ処理する、ユーザ端末装置である。
【0012】
第4の態様は、第3の態様において、前記タスクデータのステータスは、進捗中と完了の2つの状態を含み、前記プロセッサは、前記完了処理では前記タスクデータのステータスを進捗中から完了に更新し、前記スキップ処理では前記タスクデータのステータスを進捗中に維持するとともに、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に高い場合には前記タスクデータを前記1日当たりのタスクデータで構成されるタスクキューの最後に移動し、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に低い場合には前記タスクデータを前記タスクキューの最後以外に移動する。
【0013】
第5の態様は、ユーザ端末装置のプロセッサに、通信ネットワークで絶族された人工知能タスク管理サーバコンピュータから1日当たりのタスクデータを受信するステップと、受信したタスクデータを表示装置に表示するステップと、表示された前記タスクデータに対するユーザからのスワイプ操作を受け付け、右スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータが完了したものとして前記1日当たりのタスクデータから削除し、左スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータをユーザに応じてスキップ処理するステップと、を実行させるプログラムである。
【0014】
第6の態様は、第5の態様において、前記タスクデータのステータスは、進捗中と完了の2つの状態を含み、前記プロセッサは、前記完了処理では前記タスクデータのステータスを進捗中から完了に更新し、前記スキップ処理では前記タスクデータのステータスを進捗中に維持するとともに、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に高い場合には前記タスクデータを前記1日当たりのタスクデータで構成されるタスクキューの最後に移動し、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に低い場合には前記タスクデータを前記タスクキューの最後以外に移動する。
【0015】
第7の態様は、人工知能タスク管理方法であって、通信ネットワークで接続された人工知能タスク管理サーバコンピュータ及びユーザ端末を備え、前記人工知能タスク管理サーバコンピュータは、前記ユーザ端末を操作するユーザのタスク実行レベルを評価し、評価した前記タスク実行レベルに応じて1日当たりのタスクデータを生成し、生成した前記タスクデータを前記ユーザ端末に送信し、前記ユーザ端末は、前記人工知能タスク管理サーバコンピュータから前記1日当たりのタスクデータを受信し、受信したタスクデータを表示装置に表示し、表示された前記タスクデータに対するユーザからのスワイプ操作を受け付け、右スワイプ操作信号又は左スワイプ操作信号を前記人工知能タスクコンピュータに送信し、前記人工知能タスク管理サーバコンピュータは、前記ユーザ端末から右スワイプ操作信号を受信した場合に、前記右スワイプ操作信号に関連するタスクデータを完了処理し、前記ユーザ端末から左スワイプ操作信号を受信した場合に、前記左スワイプ操作信号に関連するタスクデータをユーザに応じてスキップ処理し、前記ユーザ端末は、前記右スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータを前記1日当たりのタスクデータから削除し、前記左スワイプ操作を受け付けた場合に、表示された前記タスクデータをユーザに応じてスキップ処理する、人工知能タスク管理方法である。
【0016】
第8の態様は、第7の態様において、前記タスクデータのステータスは、進捗中と完了の2つの状態を含み、前記完了処理では前記タスクデータのステータスを進捗中から完了に更新し、前記スキップ処理では前記タスクデータのステータスを進捗中に維持するとともに、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に高い場合には前記タスクデータを前記1日当たりのタスクデータで構成されるタスクキューの最後に移動し、前記ユーザのタスク実行レベルが相対的に低い場合には前記タスクデータを前記タスクキューの最後以外に移動する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザのタスク実行能力に適したタスク管理技術を提供することができる。特に、本発明によれば、ユーザは、スワイプ操作という簡易な操作によりタスクの実行状況を入力することができるので、入力漏れを無くすとともにユーザの負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】実施形態のAIタスク管理サーバの機能ブロック図である。
【
図3】実施形態のAIタスク管理サーバの構成ブロック図である。
【
図4】実施形態のユーザ端末の機能ブロック図である。
【
図5】実施形態のユーザ端末の構成ブロック図である。
【
図6】実施形態のタスク生成モジュールの詳細ブロック図である。
【
図7】実施形態のタスク実行レベル評価の模式図である。
【
図9】実施形態のユーザ毎のタスク割り当て説明図である。
【
図11】実施形態のユーザ端末に表示されるタスク画面説明図(その1)である。
【
図12】実施形態のユーザ端末に表示されるタスク画面説明図(その21)である。
【
図13】実施形態の右スワイプ操作及び左スワイプ操作の説明図である。
【
図14】実施形態の右スワイプ操作に伴うタスク処理説明図である。
【
図15】実施形態の左スワイプ操作に伴うタスク処理説明図(その1)である。
【
図16】実施形態の左スワイプ操作に伴うタスク処理説明図(その2)である。
【
図17】実施形態の左スワイプ操作に伴うタスク処理説明図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1は、実施形態のタスク管理システムの全体構成図を示す。タスク管理システムは、人工知能(AI)タスク管理サーバ10、管理者端末14、及びユーザ端末16を備え、これらは通信ネットワーク12でデータ送受信可能に接続される。ユーザ端末16は、本システムを利用する複数のユーザがそれぞれ携帯するスマートフォン等の携帯情報端末であり、図では一例としてユーザ端末16a,16b,16cを示す。勿論、ユーザ端末16の個数に制限はない。本システムを利用する複数のユーザは、典型的には案件を処理する営業担当者等であるが、特に制限されない。
【0021】
AIタスク管理サーバ10は、案件毎のタスクを自動生成して複数のユーザの各ユーザに割り当て、通信ネットワーク12を介してユーザ端末16a,16b,16cに提供する。案件毎にワークフローが存在し、ワークフローは複数のステップから構成され、各ステップは実行されるべき複数のタスクから構成される。本実施形態では、各ユーザが1日当たりに実行すべき複数のタスクに分割して提供される。例えば、本システムを利用するユーザa,b,cが存在し、ユーザaがユーザ端末16aを操作し、ユーザbがユーザ端末16bを操作し、ユーザcがユーザ端末16cを操作するものとすると、AIタスク管理サーバ10は、ユーザa,b,cにそれぞれ1日当たりのタスクを割り当て、ユーザ端末16a,16b,16cにそれぞれ提供する。ユーザ毎のタスクの割り当ては、ユーザ毎のタスク実行レベルに応じて割り当てられる。すなわち、タスク実行レベルが相対的に高いユーザに対して、相対的に難易度が高く、より多くのタスクが割り当てられる。AIタスク管理サーバ10は、学習データを用いて機械学習モデルを学習し、学習済の機械学習モデルを用いてタスクを自動生成し、各ユーザに割り当てる。AIタスク管理サーバ10は、例えばニューラルネットワーク(NN)を用いた深層学習により機械学習を行うが、これに限定されず、タスクを自動あるいは半自動で生成し得る任意の機械学習モデルを用い得る。
【0022】
管理者端末14は、本システムを利用するユーザのタスク実行状況及びワークフローの進捗状況を一括管理する管理者が操作する端末である。管理者は、管理者端末14を操作して本システムを利用するユーザのユーザデータや顧客データ、学習データ、案件データ等をAIタスク管理サーバ10に登録する。また、管理者は、管理者端末14に表示されるタスクマネジメントビュー等を視認し、各ユーザのタスク実行状況を管理する。
【0023】
ユーザ端末16は、ユーザが操作する端末であり、AIタスク管理サーバ10で自動生成された1日当たりのタスクを受信して表示部に表示する。ユーザは、ユーザ端末16に表示された1日当たりのタスクを視認して、その日に処理すべき複数のタスクを認識する。また、ユーザは、ユーザ端末16を操作することで1日当たりの複数のタスクの実行状況を入力する。入力されたタスク実行状況は、通信ネットワーク12を介してAIタスク管理サーバ10に提供され、さらには管理者端末14に提供される。
【0024】
タスクの実行状況を入力する際、入力項目が多い場合や入力操作が煩雑な場合には入力漏れが生じる場合が少なくない。本実施形態では、ユーザ端末16の表示部に表示された個々のタスクを示すタスクデータの簡易な操作、具体的にはスワイプ操作によってタスク実行状況の入力を可能とすることで、入力漏れを確実に防止するとともに、ユーザの負担を軽減する。
【0025】
図2は、AIタスク管理サーバ10の機能ブロック図を示す。AIタスク管理サーバ10は、機能ブロックとして、ユーザ管理モジュール18、タスク生成モジュール20、タスク管理モジュール22,及び案件管理モジュール24を備える。
【0026】
ユーザ管理モジュール18は、本システムを利用するユーザを管理するモジュールである。ユーザ管理モジュール18は、管理者端末14から提供されたユーザデータを受信し、ユーザ毎にユーザテーブルを作成して管理する。ユーザデータは、タスクを処理するユーザの、タスク処理に関連するデータである。具体的には、ユーザ識別情報、担当業務情報、担当エリア情報、保有技能情報、経験年数情報等である。また、これ以外にもユーザのタスク実行能力に関連する任意の履歴情報も含まれる。これらの情報は、後述するように、ユーザのタスク実行能力パラメータとしてユーザのタスク実行レベルを評価するために用いられる。
【0027】
タスク生成モジュール20は、案件のワークフローの各ステップに対応するタスクを自動生成し、本システムを利用するユーザ毎に、1日当たりのタスクとして割り当てるモジュールである。タスク生成モジュール20は、機械学習モデルを用いて案件のワークフローの各ステップに対応する複数のタスクを自動生成する。また、タスク生成モジュール20は、機械学習モデルを用いてユーザ毎にそのタスク実行レベルを評価する。また、タスク生成モジュール20は、機械学習モデルあるいはその他の最適化手法を用いて、自動生成したタスクを各ユーザのタスク実行レベルに応じて割り当てる。タスク生成モジュール20は、割り当てたタスクをタスクカードのデータとしてユーザ端末16に送信する。
【0028】
タスク管理モジュール22は、ユーザ毎のタスク実行状況(ステータス)を管理するモジュールである。タスク管理モジュール22は、ユーザ端末16から提供されるタスクカードの操作データを受信し、タスクカードの操作データに応じてタスクのステータスを管理する。タスクのステータスは、大別して「進捗中」、「完了」の2つである。タスクカードの操作データは、具体的にはユーザによるタスクカードのスワイプ操作であり、右スワイプ操作と左スワイプ操作が存在する。
【0029】
右スワイプ操作は、ユーザが当該タスクカードで示されるタスクの実行が完了した場合の操作である。タスク管理モジュール22は、タスクカードの右スワイプ操作データを受信すると、当該タスクカードの実行完了処理を行う。すなわち、当該タスクカードで示されるタスクのステータスを「進捗中」から「完了」に更新する。
【0030】
他方、左スワイプ操作は、ユーザが当該タスクカードで示されるタスクの実行が完了しておらず保留する場合の操作である。タスク管理モジュール22は、タスクカードの左スワイプ操作データを受信すると、当該タスクカードのスキップ処理を行う。すなわち、当該タスクカードで示されるタスクのステータスを「進捗中」のまま維持し、その順番を変更する。順番の変更については、さらに後述する。
【0031】
案件管理モジュール24は、案件の管理を行うモジュールである。案件管理モジュール24は、案件のワークフローの各ステップの進捗状況をタスクの完了状況により管理する。すなわち、案件のワークフローの各ステップは、そのステップに対応するタスクの完了に連動して自動的に進んでいく。案件管理モジュール24は、管理者端末14に案件管理状況を送信する。
【0032】
図3は、AIタスク管理サーバ10の構成ブロック図を示す。AIタスク管理サーバ10は、プロセッサ26、ROM28、RAM30、入出力インターフェイス(I/F)32、通信I/F34、及び記憶装置36を備える。
【0033】
プロセッサ26は、1個又は複数個のCPUあるいはGPUを備え、ROM28その他のプログラムメモリに記憶されたプログラムを読み出して実行し、RAM30をワーキングメモリとして用いて所定の処理を実行する。プログラムには、機械学習モデルを学習するための学習プログラムが含まれる。プロセッサ26がプログラムを実行することにより
図2に示す各モジュールが実現する。すなわち、プロセッサ26は、プログラムを実行することで、ユーザデータからユーザテーブルを作成する。また、プロセッサ26は、学習データを用いて機械学習モデルを学習し、学習済の機械学習モデルを用いてユーザ毎にタスク実行レベルを評価する。また、プロセッサ26は、学習済の機械学習モデルを用いてタスクを自動生成し、評価したタスク実行レベルに応じてユーザ毎にタスクを割り当ててユーザ端末16に提供する。また、プロセッサ26は、ユーザ端末16からのタスクカード操作データを受信し、ユーザ毎にタスクの実行状況を管理する。さらに、プロセッサ26は、案件の進捗状況を管理して管理者端末14に送信する。
【0034】
1個又は複数個のCPUあるいはGPUから構成されるプロセッサ26は、
図2の各モジュール18~24を実現するが、タスク生成モジュール20を実現する際に、過去の複数の案件について優秀な営業担当者が処理しているタスクを収集して学習データとして用い、案件に関するデータが入力されるとタスクデータを出力するように機械学習する。また、複数のユーザのタスクの実行能力に関わるデータを学習データとして用い、ユーザのタスク実行能力パラメータが入力されるとユーザのタスク実行レベルを出力するように機械学習する。プロセッサ26をGPUで構成し、機械学習モデルとしてニューラルネットワークを用いた場合、GPUのメモリにはニューラルネットワークのモデル構成、重み、及び閾値の各データが記憶される。機械学習についてはさらに後述する。
【0035】
入出力I/F32は、機械学習に必要な各種データを入出力する。
【0036】
通信I/F34は、ユーザ端末16及び管理者端末14と通信ネットワーク12を介してデータを送受信する。すなわち、プロセッサ26で作成されたタスクカードデータをユーザ端末16に送信する。また、ユーザ端末16からのタスクカード操作データを受信する。また、管理者端末14からユーザデータを受信し、管理者端末14に案件の進捗データを送信する。
【0037】
記憶装置36は、HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ)等で構成され、ユーザテーブルや学習データ、さらにはユーザ毎に割り当てられたタスクデータを記憶する。
【0038】
図4は、ユーザ端末16の機能ブロック図を示す。ユーザ端末16は、機能ブロックとして、タスクカードデータ受信部38と、タスクカード表示部40と、タスクカード入力/操作部42を備える。
【0039】
タスクカードデータ受信部38は、AIタスク管理サーバ10で作成されたタスクカードデータを通信ネットワーク12を介して受信する。タスクカードデータは、ユーザ毎にそのユーザのタスク実行レベルに応じて割り当てられているので、ユーザ端末16毎にその内容は異なり得る。例えば、ユーザaが操作するユーザ端末16aでは、1日当たりのタスクカードデータとして
タスクカードa1
タスクカードa2
タスクカードa3
タスクカードa4
が割り当てられて受信され、ユーザbが操作するユーザ端末16bでは、1日当たりのタスクカードデータとして
タスクカードb1
タスクカードb2
が割り当てられて受信される。
【0040】
タスクカード表示部40は、タスクカードデータ受信部38で受信したタスクカードデータを表示する。タスクカード表示部40は、ユーザ操作に応じ、1日当たりのタスクカードデータを一覧表示し、あるいはタスクカードデータをカード単位で順次表示する。カード単位で表示する場合、例えば「今日のタスク」とのタイトルを表示しつつ、タスクカードデータを所定の順番で表示する。表示する順番は、タスクカードデータが実行されるべき順番であり、当該実行の順番は、AIタスク管理サーバ10のプロセッサ26にて決定される。この意味で、AIタスク管理サーバ10のプロセッサ26は、1日当たりのタスクカードデータを、その実行順序を含めてタスクカードキューデータとして生成するといえる。
【0041】
タスクカード入力/操作部42は、ユーザからの新規のタスクカード入力、あるいはタスクカード表示部40で表示されたタスクカードに対する操作を受け付ける。タスクカード入力/操作部42は、ユーザから受け付けた新規のタスクカード入力データ、あるいはタスクカード操作データを通信ネットワーク12を介してAIタスク管理サーバ10に送信する。AIタスク管理サーバ10は、新規のタスクカード入力データを用いてユーザに対する新たなタスクの自動生成に反映させる。また、AIタスク管理サーバ10は、タスクカード操作データを用いてタスクの実行状況を管理する。
【0042】
図5は、ユーザ端末16の構成ブロック図である。ユーザ端末16は、CPU44、ROM46、RAM48、入力部50、表示部52、通信I/F54、及びストレージ56を備える。
【0043】
CPU44は、ROM46に記憶されたプログラムを読み出して実行し、RAM48をワーキングメモリとして用いて
図4に示された各機能ブロックを実現する。
【0044】
入力部50は、ボタンやキーボード、あるいはタッチパネルで構成され、ユーザ操作を受け付ける。特に、入力部50は、1日当たりのタスクカードデータを一覧表示するか、あるいはカード単位で表示するかのユーザ操作、及びタスクカードに対するスワイプ操作を受け付ける。
【0045】
表示部52は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成され、タスクカードデータを表示する。入力部50及び表示部52をともにタッチパネルで構成してもよい。
【0046】
通信I/F54は、AIタスク管理サーバ10から送信されたタスクカードデータを通信ネットワーク12を介して受信する。また、新規のタスクカードデータ、あるいはタスクカード操作データを通信ネットワーク12を介してAIタスク管理サーバ10に送信する。
【0047】
ストレージ56は、SSD等で構成され、受信したタスクカードデータを記憶する。
【0048】
このように、本実施形態では、AIタスク管理サーバ10でユーザ毎に1日当たりのタスクカードデータを作成してユーザ端末16に送信し、ユーザ端末16では受信した1日当たりのタスクカードデータを表示する。ユーザは、ユーザ端末16に表示されたタスクカードを視認することで1日当たりのタスクカードを確認し、どのようなタスクをどの順番で実行すべきかを確実に把握し得る。作成されたタスクカードデータは、優秀な営業担当者のタスク実行実績に応じて学習済の機械学習モデルから自動生成されたものであり、かつ、ユーザのタスク実行レベルに応じて割り当てられたものであるから、ユーザ毎に最適化されたタスクデータであることが想定される。また、ユーザは、ユーザ端末16に表示されたタスクカードに対してスワイプ操作を行うことで、タスクの実行及び保留を入力する。具体的には、タスクカードを右スワイプすることで当該タスクカードの完了を入力する。また、タスクカードを左スワイプすることで当該タスクカードの保留を入力する。AIタスク管理サーバ10は、これらタスクカードの完了/保留の操作に応じてタスクのステータスを更新して管理する。
【0049】
すなわち、あるタスクカードが右スワイプされて完了が入力されると、AIタスク管理サーバ10は、当該タスクカードの完了処理を行う。また、ユーザ端末16のCPU44は、その日のうちに実行されるべき次のタスクカードをストレージ56(あるいはRAM48)から読み出して表示部52に表示する。
【0050】
他方で、あるタスクカードが左スワイプ処理されて保留が入力されると、AIタスク管理サーバ10は、当該タスクカードのスキップ処理を実行する。スキップ処理は、当該タスクカードデータのステータスを「進捗中」に維持するとともに、その日の実行順序を変える処理であり、具体的にはユーザのタスク実行レベルに応じて決定される。一般には、タスク実行レベルが相対的に高いユーザは、その日の最後の実行順序に変更されてもその日のうちに実行し得る可能性が高いことからその日の最後に変更される。これに対し、タスク実行レベルが相対的に低いユーザは、その日の最後以外に変更され、当該タスクの実行の可能性を高めておく。要するに、AIタスク管理サーバ10は、ユーザのタスク実行レベルに応じてタスクカードキューを変更する。
【0051】
以下、これらの処理について、より詳細に説明する。
【0052】
図6は、AIタスク管理サーバ10におけるタスク生成モジュール20の詳細を示す。タスク生成モジュール20は、さらに、機能モジュールとして、タスク実行レベル評価モジュール58、タスク分割モジュール60、及びタスク割り当てモジュール62を備える。
【0053】
タスク実行レベル評価モジュール58は、本システムを利用するユーザのタスク実行レベルを機械学習で学習済の機械学習モデルを用いて評価する。機械学習モデルは任意であり、例えばニューラルネットワーク(NN)で構成され得る。
【0054】
図7は、タスク実行レベル評価モジュール58で用いられるニューラルネットワークを模式的に示す。ニューラルネットワークは、深層学習(ディープラーニング)に用いられる多層構造のニューラルネットワークであり、入力から順に、入力層、中間層(隠れ層)、及び出力層を備える。入力層の出力が中間層の入力となり、中間層の出力が出力層の入力となる。中間層は2層以上でもよい。
【0055】
入力層、中間層、及び出力層は、それぞれ複数のニューロンを備える。隣接する層のニューロン同士は結合され、各結合の重みは機械学習により設定される。また、各ニューロンの閾値も機械学習により設定される。各入力と各重みとの積の和が閾値を超えているか否かによって各ニューロンの出力が決定される。
【0056】
図7(a)は、このようなニューラルネットワークによる機械学習を模式的に示す。予め収集された学習データ群64をタスク実行レベル評価モジュール58としてのニューラルネットワークの入力層に与える。学習データ群64は、与えられた複数のタスクを実行した複数のユーザの、タスクの実行に関連する実行能力パラメータと、当該複数のユーザのそれぞれに対し、例えば人事部やチームリーダ等の管理者により付与されたタスク実行レベルのセットで構成される。タスクの実行に関連する実行能力パラメータは、具体的には、
・タスクを実行するときの速度
・タスクを実行するときの精度
・タスクを実行するときの効率
・タスクを実行するときの当該タスクの難易度
・ユーザの保有する資格や技能
・ユーザの経験年数
等である。勿論、これらに限定されず、タスクを実行する際の能力を評価するための任意のタスク属性あるいはユーザ属性を使用し得る。この中には、ユーザがタスクを実行するときのストレスレベルや集中力レベルも含まれ得る。また、タスク実行レベルは、複数段階、例えばL1,L2,L3,L4の4段階で評価され得る。学習データ群64を構成する1つの学習データは、(タスク実行能力パラメータ、タスク実行レベル)の対で構成される。タスク実行レベルデータは、教師データとして機能する。
【0057】
まず、プロセッサ26は、学習処理を行う対象となるニューラルネットワークの各ニューロン間の結合の重みの初期値、及び各ニューロンの閾値の初期値を与える。初期値は、学習プログラムのデフォルト値でもよく、あるいは管理者が管理者端末14を操作して通信ネットワーク12を介して入力してもよい。
【0058】
そして、プロセッサ26は、学習データ群64のタスク実行能力パラメータを入力データとし、タスク実行レベルデータを教師データとしてニューラルネットワークの学習処理を行う。すなわち、タスク実行能力パラメータを入力層に入力して、順伝搬の方向に各層に含まれる各ニューロンの発火判定を行う。次に、出力層から得た出力値と、入力したタスク実行能力パラメータの対になっているタスク実行レベルデータに対応する値との誤差を算出し、誤差逆伝搬法により、算出した出力値の誤差を用いて、各ニューロン間の結合の重み及び各ニューロンの閾値それぞれの誤差を算出する。算出した各誤差に基づいて、各ニューロン間の結合の重み及び各ニューロンの閾値それぞれの値の更新を行う。学習データ群64を構成する全ての学習データについて、出力層から出力される出力値が対応するタスク実行レベルデータの値と一致するまでこの一連の処理を繰り返すことにより、ニューラルネットワークの機械学習を実施する。
【0059】
これにより、タスク実行能力パラメータを入力すると、入力したタスク実行能力パラメータと対になっているタスク実行レベル値(L1~L4のいずれか)を出力する学習済のニューラルネットワークが得られる。
【0060】
図7(b)は、学習済のニューラルネットワーク60を用いた、ユーザのタスク実行レベルの評価を模式的に示す。管理者は、管理者端末14から本システムを利用するユーザのタスク実行能力パラメータを入力すると、学習済のニューラルネットワーク60は、タスク実行能力パラメータに応じた出力として、タスク実行レベル値(L1~L4のいずれか)を出力する。これにより、ユーザのタスク実行レベルが、
ユーザa:タスク実行レベルL1
ユーザb:タスク実行レベルL2
ユーザc:タスク実行レベルL3
等と個別に評価される。
【0061】
なお、ユーザの習熟度は時間の経過とともに変化し、タスク実行能力パラメータも変動するから、これに応じてユーザのタスク実行レベルも当然に変動し得る。従って、プロセッサ26は、定期的あるいは不定期にユーザのタスク実行レベルを再評価して更新する。
【0062】
タスク分割モジュール60は、案件データからタスクキューを自動生成するモジュールである。
【0063】
図8は、タスク分割モジュール60で用いられるニューラルネットワークを模式的に示す。このニューラルネットワークは、
図7に示したタスク実行レベル評価モジュール58で用いたニューラルネットワークと同様にいわゆる深層学習(ディープラーニング)に用いられる多層構造のニューラルネットワークであり、入力から順に、入力層、中間層(隠れ層)、及び出力層を備える。入力層の出力が中間層の入力となり、中間層の出力が出力層の入力となる。中間層は2層以上でもよい。
【0064】
入力層、中間層、及び出力層は、それぞれ複数のニューロンを備える。隣接する層のニューロン同士は結合され、各結合の重みは機械学習により設定される。また、各ニューロンの閾値も機械学習により設定される。各入力と各重みとの積の和が閾値を超えているか否かによって各ニューロンの出力が決定される。
【0065】
図8は、このようなニューラルネットワークによる機械学習を模式的に示す。予め収集された学習データ群66をタスク分割モジュール60としてのニューラルネットワークの入力層に与える。学習データ群66は、過去の複数の案件について、優秀な営業担当者が実行した複数のタスクキューから構成される。例えば、ある案件が「営業支援ツールの導入」であり、経験豊富で優秀な営業担当者が、この案件のために、基本的なワークフローのステップに基づいて、
・営業訪問
・営業訪問後連絡
・企業調査
・スケジュール調整
・資料準備
・提案資料作成
等のタスクをあるタイミングである時間内に実行することで成功裏に案件を成立させた場合、案件データとこれらのタスクキューデータが収集され、学習データ群66を構成する1つの学習データとなる。個々のタスクは、
・実行についての時間情報
・実行についての場所情報
・実行についての実行者情報
・実行についての内容情報
を含む。学習データには、これらの情報が含まれる。例えば、上記のタスクのうち営業訪問については、いつ営業訪問したか、訪問時間はどの程度か、どこに訪問したか、訪問者及び非訪問者の情報、訪問での営業事項等が含まれる。営業訪問後連絡については、いつ連絡したか、連絡に要した時間はどの程度か、どこに連絡したか、連絡者の情報、連絡内容が含まれる。
【0066】
学習データ群66を構成する1つの学習データは、(案件データ、タスクキューデータ)の対で構成される。案件データは、
・取引先情報
・取引内容
・取引条件
等から構成される。取引条件には、時間的及び費用的条件が含まれる。また、案件データには、その案件に応じた基本的なワークフローがテンプレートとして含まれていてもよい。
タスクキューデータは、教師データとして機能する。
【0067】
プロセッサ26は、学習処理を行う対象となるニューラルネットワークの各ニューロン間の結合の重みの初期値、及び各ニューロンの閾値の初期値を与える。初期値は、学習プログラムのデフォルト値でもよく、あるいは管理者が管理者端末14を操作して通信ネットワーク12を介して入力してもよい。
【0068】
そして、プロセッサ26は、学習データ群66の案件データを入力データとし、タスクキューデータを教師データとしてニューラルネットワークの学習処理を行う。すなわち、案件データを入力層に入力して、順伝搬の方向に各層に含まれる各ニューロンの発火判定を行う。次に、出力層から得た出力値と、入力した案件データの対になっているタスクキューデータに対応する値との誤差を算出し、誤差逆伝搬法により、算出した出力値の誤差を用いて、各ニューロン間の結合の重み及び各ニューロンの閾値それぞれの誤差を算出する。算出した各誤差に基づいて、各ニューロン間の結合の重み及び各ニューロンの閾値それぞれの値の更新を行う。学習データ群66を構成する全ての学習データについて、出力層から出力される出力値が対応するタスクキューデータの値と一致するまでこの一連の処理を繰り返すことにより、ニューラルネットワークの機械学習を実施する。
【0069】
これにより、案件データを入力すると、入力した案件データと対になっているタスクキューデータを出力する学習済のニューラルネットワーク60が得られる。
【0070】
タスク割り当てモジュール62は、タスク分割モジュール60で自動生成されたタスクキューを、複数のユーザに自動的に割り当てるモジュールである。このタスク割り当てモジュール62では、タスク実行レベル評価モジュールで評価されたユーザのタスク実行レベルと、タスク分割モジュール60で生成されたタスクキューデータとに基づいて、タスクキューデータを構成する個々のタスクデータを複数のユーザに割り当てる。具体的には、タスク実行レベル評価モジュールで評価されたユーザのタスク実行レベルL1~L4と、タスク分割モジュール60で生成されたタスクキューデータの各タスクデータの実行者情報とに基づいて割り当てる。例えば、入力した案件データに対して、タスクキューデータとして
・タスクT1(実行者のタスク実行レベルL2)
・タスクT2(実行者のタスク実行レベルL2)
・タスクT3(実行者のタスク実行レベルL1)
・タスクT4(実行者のタスク実行レベルL2)
・タスクT5(実行者のタスク実行レベルL1)
が生成され、ユーザaの評価レベルがL1、ユーザbの評価レベルがL2であるときに、タスクT3及びタスクT5をユーザaに割り当て、それ以外のタスクT1,T2,T4をユーザbに割り当てる等である。なお、各タスクには既述した通り、
・実行についての時間情報
・実行についての場所情報
・実行についての実行者情報
・実行についての内容情報
が含まれるから、複数のユーザに割り当てる際に、実行者情報に加えて場所情報等を加味してもよい(ユーザの担当エリアが場所情報に一致しているか否か)。
【0071】
図9は、タスク生成モジュール20での処理を模式的に示す。タスク生成モジュール20は、案件データが入力されると、当該案件データを処理すべき複数のユーザのそれぞれにタスクデータを割り当てる。複数のユーザとしてユーザ15a、ユーザ15b、ユーザ15cが存在し、タスク生成モジュール20は、ユーザ15aに対してタスクデータ70aを割り当て、タスクカードデータとしてユーザ15aが操作するユーザ端末16aに送信する。また、ユーザ15bに対してタスクデータ70bを割り当て、タスクカードデータとしてユーザ15bが操作するユーザ端末16bに送信する。さらに、ユーザ15cに対してタスクデータ70cを割り当て、タスクカードデータとしてユーザ15cが操作するユーザ端末16cに送信する。
【0072】
図10は、各ユーザに割り当てられるタスクデータ70の内容を示す。タスクデータ70は、タスク名、属性情報、日時、見積時間、及びタスク詳細情報を含む。タスク名は、タスクの名称であり、例えば「営業訪問」、「ヒアリング訪問」等である。属性情報は、タスクの種別、タスクの実行エリア、タスクの実行チーム、タスクの実行に必要な実行レベル、緊急度等の情報である。日時は、タスクの開始日時やタスクの終了日時等である。見積時間は、タスクの実行開始から実行完了までの見積時間である。タスク詳細情報は、タスクに関連するその他の情報であり、タスクが「営業訪問」であれば営業先の名称、住所、訪問相手先の名前、電話番号、メールアドレス等である。これらのタスクデータ70は、カード形式でユーザ端末16の表示部52に表示される。
【0073】
図11は、ユーザ端末16のうち、例えばユーザ15aが操作するユーザ端末16aの表示部52に表示されるタスクカードデータの一例を示す。AIタスク管理サーバ10からユーザ端末16aが受信した1日当たりのタスクカードデータ70aの一覧表示である。「タスク一覧」の項目名72が表示され、その下に1日当たりのタスクカードデータ70aとしてタスクカードデータ70a1~70a6が表示される。各タスクカードデータ70a1~70a6は、
図10に示すようなデータ内容を含んでおり、一覧表示ではそのうち「タスク名」及び「見積時間」が表示される。例えば、タスクカードデータ70a1のタスク名は「ヒアリング訪問」であり、見積時間は「120分」である。また、表示部52の画面上部には、「進捗中」、「完了」のいずれかを選択する選択ボタン74が表示され、画面下部にはメニュー76が表示される。メニュー76には「今日のタスク」のボタンが表示され、ユーザがこれを選択することで、タスク一覧から今日のタスクがカード形式に切り替わって表示される。
【0074】
画面にはさらに追加ボタン78が表示される。この追加ボタンは、ユーザ15aが表示されたタスク以外にタスクを追加作成するときに操作される。ユーザ15aは、基本的には画面に表示されたタスクカードデータに従ってタスクを順次実行していくが、これ以外にもタスクが必要と考える場合もあり、このようなときに新規にタスクデータを生成する。追加ボタン78を操作すると、新たにタスクデータを生成するための画面が表示され、
図10に示すようなデータ内容を入力する。新規作成されたタスクデータは、ユーザ端末16aから通信ネットワーク12を介してAIタスク管理サーバ10に送信される。AIタスク管理サーバ10のプロセッサ26は、新規作成されたタスクデータをユーザ端末16aのタスクキューに反映させるとともに、新たに案件データに基づいてタスクキューデータを生成する際の学習データに反映させる。これにより、タスクキューデータの最適化が図られる。
【0075】
図12は、ユーザ15aが「今日のタスク」を選択した場合のユーザ端末16aの表示部52に表示される画面例を示す。1日当たりのタスクカードデータ70aが順次表示される。
図12では、その日の最初のタスクカードデータ70a1が表示された状態を示す。タスクカードデータ70a1のタスク名、属性情報、日時、見積時間、及びタスク詳細情報が表示される。ユーザ15aは、このタスクカードを視認し、タスク内容を確認して当該タスクを実行する。そして、当該タスクを実行完了すると、画面に表示された当該タスクカードを右スワイプ操作する。あるいは、当該タスクを何らかの理由で実行できない場合には、画面に表示された当該タスクカードを左スワイプ操作する。ユーザ15aのタスクカードに対する右スワイプ操作あるいは左スワイプ操作は、当該タスクカードの実行状況(ステータス)を表す信号としてAIタスク管理サーバ10に送信される。
【0076】
図13は、タスクカードに対する右スワイプ操作と左スワイプ操作を模式的に示す。ユーザ15aがタスクカードデータ70aのうち、画面に表示されたタスクカードで示されるタスクを完了すると、当該タスクカードを右スワイプ操作する。この右スワイプ操作は、当該タスクカードが完了したことを意味し、AIタスク管理サーバ10のタスク管理モジュール22は、右スワイプ操作を受信すると、この右スワイプ操作に係るタスクカードデータの実行状況(ステータス)を完了処理する。
【0077】
他方で、ユーザ15aがタスクカードデータ70aのうち、画面に表示されたタスクカードで示されるタスクを何らかの理由で完了せず、保留あるいは後回しにすることを決定すると、当該タスクカードを左スワイプ操作する。この左スワイプ操作は、当該タスクカードの保留を意味し、AIタスク管理サーバ10は、左スワイプ操作を受信すると、この左スワイプ操作に係るタスクカードデータの実行状況(ステータス)をスキップ処理する。
【0078】
図14は、タスクカードデータ70a1の完了処理を模式的に示す。ユーザ15aが、タスクカードデータ70a1の右スワイプ操作を行うと、当該タスクカードデータ70a1は完了したものとして、そのステータスを「進捗中」から「完了」に変更する。このことは、
図14に示すように、その日のタスクキューから当該タスクカードデータ70a1を削除することに相当する。物理的にデータを消去するのではなく、ステータスが「進捗中」のデータからステータスが「完了」のデータに遷移することを意味する。従って、
図11の選択ボタン74において、「完了」ボタンを操作すると、ステータスが「完了」となったタスクカードデータ70a1が画面に表示される。進捗中のタスクキューは、
(1)タスクカードデータ70a1
(2)タスクカードデータ70a2
(3)タスクカードデータ70a3
(4)タスクカードデータ70a4
であったものが、完了処理により
(1)タスクカードデータ70a2
(2)タスクカードデータ70a3
(3)タスクカードデータ70a4
となり、画面にはタスクカードデータ70a1に代えてタスクカードデータ70a2が表示される。ユーザは、この画面を視認することで、次に実行すべきタスクの内容を容易に確認し得る。
【0079】
図15及び
図16は、タスクカードデータ70a1のスキップ処理を模式的に示す。
図15において、ユーザ15aが、タスクカードデータ70a1の左スワイプ操作を行うと、AIタスク管理サーバ10は、当該タスクカードデータ70a1をその日のタスクキューの最後に移行する。進捗中のタスクキューが
(1)タスクカードデータ70a1
(2)タスクカードデータ70a2
(3)タスクカードデータ70a3
(4)タスクカードデータ70a4
であったものが、スキップ処理により、
(1)タスクカードデータ70a2
(2)タスクカードデータ70a3
(3)タスクカードデータ70a4
(4)タスクカードデータ70a1
となり、画面にはタスクカードデータ70a1に代えてタスクカードデータ70a2が表示される。また、タスクカードデータ70a4が完了すると、次に再びタスクカードデータ70a1が画面に表示される。
【0080】
また、
図16において、ユーザ15aが、タスクカードデータ70a1の左スワイプ操作を行うと、AIタスク管理サーバ10は、当該タスクカードデータ70a1をその日のタスクキューの最後以外に移行する。進捗中のタスクキューが
(1)タスクカードデータ70a1
(2)タスクカードデータ70a2
(3)タスクカードデータ70a3
(4)タスクカードデータ70a4
であったものが、スキップ処理により、
(1)タスクカードデータ70a2
(2)タスクカードデータ70a1
(3)タスクカードデータ70a3
(4)タスクカードデータ70a4
となり、画面にはタスクカードデータ70a1に代えてタスクカードデータ70a2が表示される。また、タスクカードデータ70a2が完了すると、次に再びタスクカードデータ70a1が画面に表示される。勿論、これ以外にも、スキップ処理により、
(1)タスクカードデータ70a2
(2)タスクカードデータ70a3
(3)タスクカードデータ70a1
(4)タスクカードデータ70a4
としてもよい。
【0081】
図15あるいは
図16のいずれのスキップ処理を行うかは任意に決定し得、常に
図15に示すようにタスクキューの最後に移行させてもよいが、本実施形態では、ユーザのタスク実行レベルに応じて
図15と
図16のいずれかを切り替えて決定する。すなわち、ユーザ15aのタスク実行レベルが相対的に高い(例えばタスク実行レベルがL1)場合には、後続のタスクカードデータも円滑に実行される可能性が高いから
図15に示されるようにタスクキューの最後に移行してもその日のうちに実行されることが期待される。他方で、ユーザ15aのタスク実行レベルが相対的に低い(例えばタスク実行レベルがL4)場合には、後続のタスクカードデータも円滑に実行されない可能性があるから
図16に示されるようにタスクキューの最後以外に移行する。
【0082】
図17は、本実施形態におけるユーザ毎のスキップ処理を模式的に示す。ユーザ15a、15bがそれぞれタスクカードデータ70a、70bのうち、画面に表示されたタスクカードを左スワイプ操作してスキップ処理した場合である。AIタスク管理サーバ10のタスク管理モジュール22は、ユーザ15aのタスク実行レベルに応じて左スワイプ操作に係るタスクカードデータをタスクキューの最後に移行する。また、ユーザ15bのタスク実行レベルに応じて左スワイス操作に係るタスクカードデータをタスクキューの最後以外に移行する。同じ左スワイプ操作でも、ユーザ毎にタスクキューにおける移行先が変化することに留意されたい。
【0083】
図18は、本実施形態の全体処理フローチャートを示す。管理者端末14、AIタスク管理サーバ10、及びユーザ端末16の処理である。
【0084】
管理者は、管理者端末14からユーザ情報及び顧客情報を入力してAIタスク管理サーバ10に登録する(S101)。ユーザ情報は、ユーザの識別情報(ID)、所属チーム情報、担当業務情報、担当エリア情報、経験年数等である。これらのユーザ情報は、ユーザテーブルとして登録され管理される。なお、AIタスク管理サーバ10で評価されたユーザのタスク実行レベルは、ユーザ情報の一つとしてユーザテーブルに登録される。
【0085】
次に、管理者は、管理者端末14から案件データを入力してAIタスク管理サーバ10に登録する(S102)。
【0086】
AIタスク管理サーバ10は、機械学習で学習済のニューラルネットワークを用いて案件データからタスクデータを自動生成する(S201)。また、機械学習で学習済のニューラルネットワークを用いてユーザ毎にタスク実行レベルを評価し、ユーザ毎にユーザのタスク実行レベルに応じてタスクデータを割り当ててタスクカードデータとしてユーザ端末16に送信する(S202)。なお、管理者が管理者端末14から基本的なワークフローを入力して登録し、このワークフローの各ステップにおける案件データからタスクデータを自動生成してユーザ毎に割り当ててもよい。
【0087】
ユーザ端末16は、AIタスク管理サーバ10からタスクカードデータを受信して表示部52にタスクカードとして表示する(S301)。ユーザは、このタスクカードの内容に従ってタスクを実行する。
【0088】
次に、ユーザ端末16は、ユーザが右スワイプ操作を行ったか否かを判定する(S302)。ユーザ端末16は、右スワイプ操作を検知すると、右スワイプ操作信号をAIタスク管理サーバ10に送信する(S302でYES)。このとき、AIタスク管理サーバ10は、当該タスクカードデータのステータスを「進捗中」から「完了」に更新する(S203)。
【0089】
ユーザ端末16は、右スワイプ操作を検知しない場合(S302でNO)、続いてユーザが左スワイプ操作を行ったか否かを判定する(S303)。ユーザ端末16は、左スワイプ操作を検知すると、左スワイプ操作信号をAIタスク管理サーバ10に送信する(S303でYES)。このとき、AIタスク管理サーバ10は、当該タスクカードデータのステータスを「進捗中」のまま維持してスキップ処理する(S204)。
【0090】
AIタスク管理サーバ10は、以上の処理を繰り返し、1日経過すると新たなタスクキューに更新する(S205)。すなわち、1日当たりのタスクデータを全て完了し、そのステータスが全て「完了」となったユーザに対しては、ワークフローの次のステップにおける新たなタスクデータが自動生成されて送信される。また、AIタスク管理サーバ10は、1日のタスク実行状況を管理者端末14に送信する。管理者端末14は、タスク実行状況をタスクマネジメントビューとして表示する。このタスクマネジメントビューには、ユーザ毎のタスク実行状況(ステータス)が表示される。管理者は、管理者端末14に表示されたタスクマネジメントビューを視認することで、案件の進捗状況を管理するとともに、一部のユーザのタスク実行が滞っている場合には、そのユーザの残余のタスクカードを同一チームの他のユーザに振り分ける等の調整を行い得る。
【0091】
以上説明したように、本実施形態では、複数のユーザのそれぞれに1日当たりのタスクデータを自動生成してタスクカード形式でユーザ端末16に表示し、ユーザは右スワイプ操作あるいは左スワイプ操作するのみで簡易にタスクの実行状況(ステータス)を入力できる。そして、左スワイプ操作してステータスを「進捗中」に維持しつつスキップ処理する場合でも、ユーザのタスク実行レベルに応じてスキップ処理することで、当該タスクの実行可能性を高めることができる。
【符号の説明】
【0092】
10 人工知能(AI)タスク管理サーバ、12 通信ネットワーク、14 管理者端末、16 ユーザ端末。