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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068557
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】飲食予約システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20230510BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20230510BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179768
(22)【出願日】2021-11-02
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】521481441
【氏名又は名称】株式会社イーストック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】南部 邦男
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】飲食店及び顧客の双方の協力によって飲食店における食品ロスを低減する。
【解決手段】飲食店における飲食予約システム100であって、顧客が操作するユーザ端末200と、ユーザ端末200にネットワークNTを介して互いに通信可能に接続されたサーバ400とを備え、ユーザ端末200は、飲食店が前記顧客に提供するメニューを前記飲食店の裁量で決定できるように、複数の予約候補メニューを含む予約情報を入力できるように構成された予約情報入力部202を有し、サーバ400は、予約情報入力部202に入力された予約情報を受け付ける予約情報受付部401とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店における飲食予約システムであって、
顧客が操作するユーザ端末と、当該ユーザ端末にネットワークを介して互いに通信可能に接続されたサーバとを備え、
前記ユーザ端末は、
前記飲食店が前記顧客に提供するメニューを前記飲食店の裁量で決定できるように、複数の予約候補メニューを含む予約情報を入力できるように構成された予約情報入力部を有し、
前記サーバは、
前記予約情報入力部に入力された前記予約情報を受け付ける予約情報受付部を有する、飲食予約システム。
【請求項2】
前記予約情報入力部は、複数のメニューが分類されたグループを選択することにより、前記複数の予約候補メニューを入力できるように構成されている、請求項1に記載の飲食予約システム。
【請求項3】
前記予約情報入力部は、前記複数の予約候補メニューに優先順位を付けて入力できるように構成されている、請求項1又は2に記載の飲食予約システム。
【請求項4】
前記予約情報入力部は、前記予約情報として、少なくとも飲食の希望時間又は希望席を入力することができる、請求項1乃至3の何れか一項に記載の飲食予約システム。
【請求項5】
前記ユーザ端末のディスプレイには、前記予約情報を入力するための予約入力画面が表示され、
前記予約入力画面には、各メニューの予約締め切り時間が表示される、請求項1乃至4の何れか一項に記載の飲食予約システム。
【請求項6】
前記顧客が前記飲食店に来店する直前から来店後に予約する場合、前記ユーザ端末のディスプレイには、提供までの所要時間に基づいて複数のメニュー一覧が表示される、請求項1乃至5の何れか一項に記載の飲食予約システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記予約情報受付部が受け付けた予約情報に基づいて、厨房又は管理本部に必要な食材の量の情報又は前記厨房に必要な人員配置の情報を出力する情報出力部をさらに有する、請求項1乃至6の何れか一項に記載の飲食予約システム。
【請求項8】
前記サーバは、前記予約情報受付部が受け付けた複数の顧客の予約情報に基づいて、前記顧客に提供されるメニュー又は飲食開始時間の通知等をするための通知信号を前記ユーザ端末に送信する、請求項1乃至7の何れか一項に記載の飲食予約システム。
【請求項9】
前記予約情報入力部は、前記顧客が利用できる飲食場所又は飲食店を前記飲食店の裁量で決定できるように、複数の候補場所又は複数の候補店を入力できるように構成されている、請求項1乃至8の何れか一項に記載の飲食予約システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食予約システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、食堂やレストランなどの飲食店における食品ロスをいかに低減するかが社会問題となっている。例えば、特許文献1では、レストランの予約時に、既存のメニュー及び前日の残り、余剰、期限切れが近い材料による代替メニューのいずれかを選択することができるレストラン予約時素材代替システムが考えられている。
【0003】
しかしながら、このレストラン予約時素材代替システムでは、前日の残り、余剰、期限切れが近い材料による代替メニューを選択することができるものの、ユーザがその代替メニューを選択しなければ、前日の残り、余剰、期限切れが近い材料を消費することができない。つまり、上記のレストラン時素材代替システムでは、根本的に食品ロスの低減を実現することが難しいことに加えて、相互に複数回のやり取りをする必要があり煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-316781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、飲食店及び顧客の双方の協力によって食品ロスを低減するという発想からなされたものであり、飲食店における食品ロスを低減することを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明に係る飲食予約システムは、飲食店における飲食予約システムであって、顧客が操作するユーザ端末と、当該ユーザ端末にネットワークを介して互いに通信可能に接続されたサーバとを備え、前記ユーザ端末は、前記飲食店が前記顧客に提供するメニューを前記飲食店の裁量で決定できるように、複数の予約候補メニューを含む予約情報を入力できるように構成された予約情報入力部を有し、前記サーバは、前記予約情報入力部に入力された前記予約情報を受け付ける予約情報受付部を有することを特徴とする。
【0007】
この飲食予約システムであれば、飲食店は顧客からの予約情報に基づいて、飲食店が複数の予約候補メニューから提供側の裁量によって顧客に提供するメニューを決定することができる。そのため、予め食材の準備を行うことに留まらず、同一メニューの一括調理や、在庫食材の提供側都合によるメニュー決定により、在庫食材のロス削減が実現できる。その結果、飲食店における食品ロスを低減することができる。このように本発明では、飲食店及び顧客の双方の協力によって、飲食店の都合と顧客の希望の合意点を見出し、顧客に提供されるメニューの決定が可能となる。その他、飲食店は顧客からの予約情報に基づいて、早期の調理等が実施でき厨房での作業の効率を高められると共に繁忙時の調理時間の短縮なども可能となる。
【0008】
前記予約情報入力部は、複数のメニューが分類されたグループを選択することにより、前記複数の予約候補メニューを入力できるように構成されていることが望ましい。
このようにグループ毎に入力できるようにすることで、顧客は複数の予約候補メニューを1つ1つ入力する必要がなく、顧客の利便性を向上することができる。また、飲食店は、顧客により選択されたグループに含まれる複数の予約候補メニューから裁量によって提供するメニューを決定することができる。
【0009】
前記予約情報入力部は、前記複数の予約候補メニューに優先順位を付けて入力できるように構成されていることが望ましい。
このようにすることで、顧客の食べたい順番(例えば第1希望、第2希望など)に予約候補メニューを入力することができ、ユーザの利便性を向上することができる。また、飲食店は、例えば食品ロスが生じる可能性がある食材を優先的に使用するメニューに決定することができる。
【0010】
顧客の利便性をより一層向上させるためには、前記予約情報入力部は、少なくとも飲食の希望時間又は希望席を入力することができることが望ましい。
また、前記予約情報入力部は、前記飲食店が前記顧客の飲食開始時間又は飲食席を前記飲食店の裁量で決定できるように、複数の予約候補時間又は複数の予約候補席を入力できるように構成されていても良い。
【0011】
飲食店が準備する食材を調整しやすくするとともに、顧客が飲食店の準備する食材に合わせたメニューを予約できるようにするためには、前記ユーザ端末のディスプレイには、前記予約情報を入力するための予約入力画面が表示され、前記予約入力画面には、各メニューの予約締め切り時間が表示されることが望ましい。
この構成であれば、顧客がメニューを予約する際に、予約可能か否かが一目で分かり、顧客の利便性を向上することができる。
その他、ユーザ端末のディスプレイは、「今なら早くできるものはどれか」という提供の早い順にメニューを表示するようにして、顧客のその時の様々な事情に対応するようにしてもよい。
【0012】
顧客がメニューを予約するタイミングによっては、所望のメニューを提供するための食材が準備できない場合がある。このタイミングとしては、前記顧客が前記飲食店に来店する直前から来店後に予約する場合が考えられる。
このとき、前記ユーザ端末のディスプレイには、改めて食材を準備すること無く、今ある食材で提供できるメニューを表示することが望ましい。
具体的に前記ユーザ端末のディスプレイには、提供までの所要時間に基づいて複数のメニュー一覧が表示されることが望ましい。
【0013】
前記サーバは、前記予約情報受付部が受け付けた予約情報に基づいて、厨房又は管理本部に必要な食材の量の情報等を出力する情報出力部をさらに有することが望ましい。
この構成であれば、必要な量の食材を予め準備することができ、食品ロスを低減することができる。
【0014】
また、情報出力部が、前記予約情報受付部が受け付けた予約情報に基づいて、前記厨房又は管理本部に必要な人員配置の情報等を出力するものであれば、最適な人員配置が可能となり、飲食店の収益を向上させることができる。
【0015】
顧客が入力した複数の予約候補メニューのうち、飲食店が裁量により決定したメニューを、顧客に事前に通知して、顧客の利便性を向上するためには、前記サーバは、前記予約情報受付部が受け付けた複数の顧客の予約情報に基づいて、前記顧客に提供されるメニューの通知をするための通知信号を前記ユーザ端末に送信することが望ましい。
【0016】
また、飲食店の混雑を平準化して、飲食店を利用する顧客の混雑によるストレスを低減するためには、前記サーバは、前記予約情報受付部が受け付けた複数の顧客の予約情報に基づいて、前記顧客の飲食開始時刻の通知をするための通知信号を前記ユーザ端末に送信することが望ましい。
【0017】
前記予約情報入力部は、前記顧客が利用できる飲食場所又は飲食店を前記飲食店の裁量で決定できるように、複数の候補場所又は複数の候補店を入力できるように構成されていることが望ましい。
この構成であれば、飲食店が準備している食材の量や種類、又は、飲食店の繁忙具合等により、顧客を複数の候補場所又は複数の候補店において振り分けることができる。その結果、食品ロスを低減するだけでなく、各飲食店において飲食する顧客の数を調整することができる。その結果、飲食店及び顧客の双方の利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0018】
このように構成した本発明によれば、飲食店及び顧客の双方の協力によって飲食店における食品ロスを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る飲食予約システムのシステム構成図である。
図2】同実施形態の飲食予約システムの機能構成図である。
図3】同実施形態のユーザ端末に表示される予約入力画面の一例である。
図4】同実施形態の飲食店端末に表示される予約集計画面の一例である。
図5】同実施形態の出力情報が印字された案内用紙の一例である。
図6】変形実施形態のトップ画面の一例である。
図7】変形実施形態のユーザ端末に表示される予約入力画面の一例である。
図8】変形実施形態のユーザ端末に表示される予約入力画面の一例である。
図9】変形実施形態のユーザ端末に表示される予約入力画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る飲食予約システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
本実施形態の飲食予約システム100は、例えば、予め定められた顧客(ユーザ)が利用する飲食店に用いられるものである。飲食店は、食品衛生法施行令に定められるものであり、大学や会社内の食堂又はレストランを含む。
【0022】
具体的に飲食予約システム100は、図1に示すように、顧客が操作するユーザ端末200と、飲食店に設けられた飲食店端末300と、ユーザ端末200及び飲食店端末300にネットワークNTを介して双方向に互いに通信可能に接続されたサーバ400とを備えている。
【0023】
ユーザ端末200は、顧客が飲食店に対してメニュー等を予約するための端末装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、パソコン等である。なお、本実施形態のメニューとは、飲食物であり、食べ物(主として料理)及び飲み物を含む。
【0024】
飲食店端末300は、飲食店が提供可能なメニュー等の顧客が予約する上で必要な情報を設定し、顧客がユーザ端末200に入力した予約情報を受け取るための端末装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、パソコン等である。
【0025】
サーバ400は、ユーザ端末200及び飲食店端末300との間で、顧客がメニュー等を予約する予約処理及び当該予約を確定する確定処理などを行うコンピュータである。
【0026】
以下に、ユーザ端末200、飲食店端末300及びサーバ400の機能について説明する。
【0027】
ユーザ端末200は、図2に示すように、予約情報を入力するための予約入力画面W1をディスプレイに表示する入力画面表示部201と、当該予約入力画面W1を用いて予約情報を入力する予約情報入力部202とを有している。
【0028】
入力画面表示部201は、少なくとも予約メニューを含む予約情報を入力するための予約入力画面W1(図3参照)を表示する。具体的に予約入力画面W1は、図3に示すように、顧客ID(例えば社員コード)、飲食人数、飲食日時、予約メニューを入力することができるものである。
【0029】
なお、顧客IDは、顧客が入力する構成であっても良いし、顧客がシステムにログインすることにより自動的に認識する構成であっても良いし、顧客が操作しているユーザ端末200から自動的に認識する構成であっても良い。
【0030】
ここで、予約入力画面W1に表示される提供可能なメニューは、飲食店端末300によって予め設定されたものである。この飲食店端末300により設定されたメニューに応じて、予約入力画面W1に表示されるメニューは変更することができる。その他、予約入力画面W1によって入力可能な希望席(希望テーブル)及び希望時間も、飲食店端末300によって予め設定されたものである。
【0031】
予約情報入力部202は、飲食店が提供するメニューを飲食店の裁量で決定できるように、予約入力画面W1には複数の予約候補メニュー(予約候補メニュー)を入力できるように構成されている。
【0032】
具体的には、予約情報入力部202は、複数のメニューが分類されたグループを選択することにより、複数の予約候補メニューを一括して入力できるように構成されている。このグループ分けは、飲食店端末300によって予め設定されている。
【0033】
ここでは、「グループA」には、トンカツ定食、カツカレー定食、牛丼定食が分類され、「グループB」には、天ぷら定食、煮魚定食、刺身定食が分類され、「グループC」には、カレーライス、チャーハンが分類され、「グループD」には、天ぷらうどん、天ぷらそばが分類され、「グループE」には、うどん、そば、ごはんが分類され、「グループF」には、みそ汁、卵が分類された例を示している。例えば、「グループA」を選択することによって、3つの予約候補メニュー(トンカツ定食、カツカレー定食、牛丼定食)を一括して入力することができる。これらメニューのグループ分けも飲食店端末300により変更することができる。
【0034】
また、予約入力画面W1には、各メニューの予約締め切り時間が表示されている。ここでは、各グループに対して締め切り時間が表示された例を示している。この予約締め切り時間は、飲食店端末300によって予め設定されている。
【0035】
図3に示す例では、「グループA」、「グループB」の締め切り時間は、「前日15時」であり、「グループC」の締め切り時間は、「当日10時」であり、「グループD」、「グループE」、「グループF」の締め切り時間は、「締切無」である。なお、各メニューに対して締め切り時間を表示しても良い。また、締め切り時間が過ぎているメニューに対しては、網掛け表示等によって、締め切り時間が過ぎている表示をしても良いし、入力ができないように構成しても良い。また、締め切り時間までの残り時間に応じて色分け表示などしても良い。
【0036】
また、図3では、飲食人数2人で、一人が「グループA」のトンカツ定食を1食予約し、もう一人が「グループB」から1食を予約した(「グループB」を複数の予約候補メニューとした)例を示している。この場合、飲食店は、トンカツ定食を1食提供するとともに、「グループB」に分類された天ぷら定食、煮魚定食、刺身定食の中から提供するメニューを裁量により決定し、その決定したメニューを1食提供することになる。「グループB」を予約した顧客は、提供されるメニューを飲食店の都合に委ねており、当日飲食店(食堂)に行くまで、「グループB」の中から提供されるメニューが分からない。なお、このように「グループB」の中から裁量により決定されたメニューを通知する通知信号を、サーバ400を介して予約者のユーザ端末200に事前に送信しても良い。
【0037】
また、本実施形態の予約入力画面W1は、飲食の希望時間及び希望席(希望テーブル)を入力することもできる。なお、図3における「希望テーブル」において「区域」は飲食スペースを仕切ること無く区分けしたものであり、「区画」とは飲食スペースを仕切った領域又は部屋を示す。また、「シート」は座席番号指定する場合に使用する。ここで、希望時間又は希望席を入力せずに予約した場合には、サーバ400側又は飲食店側で裁量により、混雑を避けるために飲食時間の指定又は飲食席の指定を行うようにしても良い。このように飲食時間の指定又は飲食席の指定を行う場合には、指定された飲食時間又は飲食席を通知する通知信号を、サーバ400を介して予約者のユーザ端末200に事前に送信しても良い。
【0038】
サーバ400は、図2に示すように、予約情報入力部202により入力された予約情報を受け付ける予約情報受付部401と、予約情報受付部401が受け付けた複数の顧客の予約情報を集計する予約情報集計部402と、当該予約情報集計部402により集計された予約情報を飲食店端末300に送信する予約情報送信部403とを有している。
【0039】
予約情報送信部403により送信された予約情報は、飲食店端末300の集計情報受付部301により受け付けられる。そして、飲食店端末300の集計画面表示部302は、図4に示すように、集計された予約情報を示す予約集計画面W2をディスプレイに表示する。
【0040】
ここでは、前日15時までの予約注文が、「グループA」のトンカツ定食の注文数が3、カツカレー定食の注文数が5、牛丼定食の注文数が10であり、「グループA」内のメニューを選択しない注文数が8である。この注文数に対して、例えば料理長等の権限者が調理するメニューの数を決定する。ここでは、各メニューの調理数は、とんかつ定食が3食、カツカレー定食が13食、牛丼定食が10食とした例を示している。そして、権限者が飲食店端末300を用いて、調理するメニューの数を入力する。この入力に基づいて、飲食店端末300の予約決定部303が顧客の予約を決定し、その決定信号をサーバの通知情報出力部405に送信する。なお、各メニューの調理数は、料理長等の権限者が決定する他に、人工知能(AI)等のコンピュータにより食材の在庫情報に基づいて自動的に行っても良い。
【0041】
なお、図4では、顧客の来店時間(希望時間)を指定していない例であるが、顧客の来店時間(希望時間)を指定している場合には、来店時間(希望時間)別に、各メニューの調理数を表示することができる。
【0042】
さらに、本実施形態のサーバ400は、図2に示すように、顧客が飲食店に到着したことを示す到着情報を受け付ける到着情報受付部404と、到着情報受付部404が到着情報を受け付けると、顧客に提供されるメニューの受け取り場所を顧客に通知する通知情報を出力する通知情報出力部405とを有する。
【0043】
到着情報受付部404は、例えば、顧客のIDカード(例えば社員証)を読み取る読み取り機(カードリーダ)500から到着情報を受け付けるものである。この読み取り機500は、例えば飲食店の入口に設置することができる。
【0044】
その他、顧客がユーザ端末200を操作する、ユーザ端末200を飲食店に設けられたQRコード等の識別子を読み込む、又は、飲食店に設けられた顔認証等の生体認証装置で生体認証することによって、ユーザ端末200から到着したことを示す到着情報をサーバ400に送信する構成としても良い。
【0045】
そして、通知情報出力部405は、到着情報受付部404が到着情報を受け付けると、例えば、図5に示す通知情報を出力する。ここで、通知情報には、確定した予約内容が含まれている。具体的に通知情報には、提供されるメニュー及び数、受け取り場所(受取口)、座席が含まれている。その他、通知情報には、顧客情報(顧客ID、氏名)、予約日時(注文日時)、到着日時などが含まれている。この通知情報は、読み取り機500に隣接したプリンタ(不図示)から印字して案内用紙として出力しても良いし、顧客のユーザ端末200に送信して、当該ユーザ端末200のディスプレイに表示するようにしても良いし、読み取り機500に隣接したディスプレイに表示するようにしても良い。
【0046】
本実施形態の飲食店には、図1に示すように、厨房から各受け取り場所までの配膳を自動的に行う配膳機構600が設けられている。この配膳機構600は、分配コンベアであり、メニューを各受け取り場所に搬送することができるとともに、各受け取り場所から飲食後の食器を回収することができるものである。
【0047】
<本実施形態の効果>
本実施形態の飲食予約システム100によれば、飲食店は顧客からの予約情報に基づいて、飲食店が複数の予約候補メニューから裁量によって顧客に提供するメニューを決定することができる。そのため、この飲食予約システム100であれば、予め食材の準備を行うことに留まらず、同一メニューの一括調理や、在庫食材の提供側都合によるメニュー決定により、在庫食材のロス削減が実現できる。その結果、飲食店における食品ロスを低減することができる。このように本実施形態の飲食予約システム100では、飲食店及び顧客の双方の協力によって、飲食店の都合を優先して、顧客に提供されるメニューの決定が可能となる。その他、飲食店は顧客からの予約情報に基づいて、早期の調理等が実施でき調理時間の短縮なども可能となる。
【0048】
<本発明の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0049】
例えば、予約情報入力部202は、複数の予約候補メニューに優先順位を付けて入力できるように構成しても良い。具体的には、図6に示すように、第1希望、第2希望などの希望順位を入力できるように構成しても良い。図6では、第1希望がトンカツ定食であり、第2希望がカツカレー定食又は牛丼定食であり、第3希望がカレーライスであり、この希望順位に対して、第1希望を1食、第2希望を1食、第3希望を1食注文した例を示している。なお、図6において、網掛け表示は売り切れを示している。
【0050】
ここで、図6において、優先順位が入力されない場合、又は、特定の数字や記号が入力された場合には、「このメニューを予約候補メニューから除外」、つまり、予約候補メニューにしないでとの顧客側の意思表示であるとの意味付けをすることも可能である。優先順位の入力又はメニューの除外は、グループ毎に行うこともできるし、メニュー毎に行うこともできる。このようにして、飲食店が提供するグループ又はメニューを顧客側で調整できるようにしても良い。
【0051】
また、メニューを予約するための予約入力画面としては、飲食店の裁量を大きくするために、図7に示すものであっても良い。ここでは、顧客が選択可能なメニューとして「おまかせ満腹」、「おまかせ普通」、「おまかせ小食」であり、メニューの内容は、飲食店が裁量で決定することができ、ここでは、さんま焼き又はアジフライである。なお、図7には、「いつものやつ」を選択することもできる。この「いつものやつ」は、顧客の過去の注文メニューの履歴データを用いて、当該顧客の注文メニューの傾向から自動的に決定することができる。また、予約入力画面W1を表示した後に予約入力が所定時間経過してもされない場合には、顧客の過去の注文メニューの履歴データを用いて、当該顧客の好みにあったメニューを提案する構成としても良い。
【0052】
さらに、顧客が飲食店に来店する直前から来店後に予約する場合、ユーザ端末200のディスプレイには、提供までの所要時間に基づいて複数のメニュー一覧が表示されるように構成しても良い。この場合、図8に示すように、飲食予約システムのトップページには、「現在時間でのサービス可リスト」のボタンが表示され、この「現在時間でのサービス可リスト」のボタンを選択すると、提供までの所要時間に基づいて複数のメニュー一覧を表示するメニュー一覧画面(サービス可リスト画面)が表示される。例えば、ユーザ端末200のディスプレイに、提供までの時間が短い順に複数のメニューを一覧表示することが考えられる。例えば、今なら早い定食メニューは「グループAのカキフライ定食、煮魚定食、トンカツ定食」、「グループBで天ぷらうどん、天ぷらそば、きつねうどん、キツネそば」と言う具合である。顧客(注文者)は、「グループB 2個」と予約注文すれば、例えば、天ぷらそばが2個提供される。なお、「グループB 2個」と予約注文した場合には、もちろんきつねうどん1個、天ぷらうどん1個などのように、グループBの中から提供者の裁量によって提供されるメニューは異なる。
【0053】
また、図8の「食堂、飲食予約注文」のボタンを押すと、前記実施形態の予約入力画面W1が表示され、前記実施形態に説明したメニューの事前予約をすることができる。
【0054】
さらに、図8の「食事ミーティング主催登録」のボタンを押すと、食事ミーティングを計画することができる。この「食事ミーティング主催登録」のボタンを押すと、登録画面が表示され、当該登録画面により主催者(例えば本部長)及び出席者(例えば社員)、開催日時、開催される飲食場所、及び、費用負担(会社負担、部長負担、各自負担等)を登録することができる。また、登録された出席者には、メールが送信されるなどの連絡が行き、出席者が予約入力画面W1を開くと、図9に示すように、例えば「その日は[飲食スペースA]で本部長主催の食事ミーティングです」等のミーティング情報が表示される。そして、出席者は、この予約入力画面W1から食事ミーティングのメニューを予約する。
【0055】
その上、図8の「持ち帰り注文メニュー」のボタンを押すと、顧客は持ち帰りメニューを注文することができる。この「持ち帰り注文メニュー」のボタンを押すと、注文画面が表示され、当該注文画面により、持ち帰りメニュー及び引き取り時間などを入力することができる。ここで、注文できるメニューは、その日に余りそうな食材を用いたものとすることが考えられる。これにより、顧客(例えば社員)が飲食店(例えば社員食堂)を有効に活用し、顧客の満足度を増すとともに、食品ロスも低減することができる。
【0056】
前記実施形態では、飲食の希望時間及び希望席(希望テーブル)を予約するように構成していたが、飲食の希望時間及び希望席(希望テーブル)を予約しない構成としても良い。また、学校又は会社の食堂の場合には、学生間又は社員間の交流を図るべく、学生又は社員の所属や役職等(これらの情報は顧客IDと紐付けられている。)に応じて、サーバ側で学生又は社員の飲食時間及び飲食席を決定するようにしても良い。これにより、食堂をコミュニーケーションの場として活用することができ、組織の活性化に資することができる。
【0057】
飲食予約システムに登録される顧客情報に、誕生日又は記念日(入社日又は結婚記念日等)を含めることにより、顧客の誕生日又は記念日に合わせて、メニューを優先的に予約できたり、メニューの値段を割り引いたり、メニューを豪華(例えば一品増やす等)にしたりすることが考えられる。これにより、顧客の満足度を向上することができる。
【0058】
サーバ400は、予約情報受付部401が受け付けた予約情報に基づいて、厨房に必要な食材の量の情報を出力する食材情報出力部をさらに有していても良い。この食材情報出力部の情報に基づいて、飲食店は食材の調達を行うことができる。
【0059】
また、サーバ400は、予約情報受付部401が受け付けた予約情報に基づいて、厨房に必要な人員の情報を出力する人員情報出力部をさらに有していても良い。この人員情報出力部の情報に基づいて、飲食店は人員を最適に配置することができる。
【0060】
その他、情報出力部によって、飲食時間やメニューのみならず昼食等の顧客が集中する際にメニューを受け取る場所や窓口等の情報を通知して混雑の緩和をはかることもできる。
【0061】
予約情報入力部202は、飲食店が顧客の飲食開始時間又は飲食席を飲食店の裁量で決定できるように、複数の予約候補時間又は複数の予約候補席を入力できるように構成されていても良い。
【0062】
また、サーバ400は、予約情報受付部401が受け付けた複数の顧客の予約情報に基づいて、飲食開始時刻の通知をするための通知信号をユーザ端末200に送信しても良い。この場合、顧客の希望飲食時間とは異なる飲食開始時間を通知した顧客には、メニューの値段を割り引いたり、メニューを豪華(例えば一品増やす等)にしたりすることが考えられる。これにより、飲食店の混雑を平準化して、飲食店を利用する顧客の混雑によるストレスを低減することができ、また、飲食開始時刻の変更を要請した顧客の満足度を向上することができる。
【0063】
さらに、予約情報入力部202は、顧客が利用できる飲食場所又は飲食店を飲食店の裁量で決定できるように、複数の候補場所又は複数の候補店(例えば大学構内における食堂A、食堂B等)を入力できるように構成しても良い。この場合、飲食予約システム100には、複数の飲食場所又は複数の飲食店が登録されている。そして、顧客が入力した複数の候補場所又は複数の候補店に対して、権限者が顧客の飲食する飲食場所又は飲食店を決定する。
【0064】
例えば、個室でランチョンミーティングをしたい等の一定の条件下で食事をする場所を探索するのは煩雑で時間がかかる場合がある。このような場合に、予約情報入力部202により一定の条件を付加して入力できるようにしておけば、店舗側に決定を任せることができる。これにより、顧客側にとって探す手間を省くことができ、店舗側は顧客獲得の機会を増やすことができる。
そして、この決定信号は、ユーザ端末に事前に送信され、顧客は決定された飲食場所又は飲食店でメニューを飲食することになる。なお、顧客が飲食する飲食店は、権限者が決定する他に、人工知能(AI)等のコンピュータにより各飲食店の予約情報や各飲食店の食材の在庫情報に基づいて自動的に行っても良い。この構成であれば、飲食店が準備している食材の量や種類、又は、飲食店の繁忙具合等により、顧客を振り分けることができる。その結果、食品ロスを低減するだけでなく、各飲食店において飲食する顧客の数を調整することができる。その結果、飲食店及び顧客の双方の利便性を向上することができる。
【0065】
前記実施形態の飲食予約システムにおける決済のタイミングは、予約入力時であっても良いし、予約確定時であっても良いし、飲食店の来店時であっても良い。特に予約入力時又は予約確定時に決済する場合には、電子決済システムを用いることが考えられる。
【0066】
さらに、前記実施形態の飲食予約システム100において、飲食のピーク時間帯が過ぎた段階において、当日残りそうな食材又は残っている食材を用いた残り物定食(食品ロス防止定食)の提供通知(提供可能数量を含む。)をユーザ端末200に送信するように構成しても良い。
【0067】
前記実施形態では、飲食店端末300とは別にサーバ400を設けた構成であったが、飲食店端末300にサーバ400の機能を備えさせても良い。
【0068】
また、受け取り場所は、飲食店内(食堂内)に限られず、例えば会社の会議室等のように食堂外の飲食スペース又は場所であっても良い。
【0069】
さらに、前記実施形態では、例えば社員等の予め定められた顧客(登録されたメンバー)が利用する飲食店に適用した例を説明したが、誰でも利用できる飲食店に適用することもできる。
【0070】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0071】
100・・・飲食予約システム
NT ・・・ネットワーク
200・・・ユーザ端末
201・・・入力画面表示部
202・・・予約情報入力部
W1 ・・・予約入力画面
300・・・飲食店端末
301・・・集計情報受付部
302・・・集計画面表示部
303・・・予約決定部
400・・・サーバ
401・・・予約情報受付部
402・・・予約情報集計部
403・・・予約情報送信部
404・・・到着情報受付部
405・・・通知情報出力部
W2 ・・・予約集計画面
500・・・読み取り機
600・・・配膳機構
図1
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