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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068576
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】車両用開閉体駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/603 20150101AFI20230510BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20230510BHJP
   H02K 7/06 20060101ALI20230510BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
E05F15/603
H02K7/116
H02K7/06 Z
B60J5/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179833
(22)【出願日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一幸
(72)【発明者】
【氏名】野口 貴一
【テーマコード(参考)】
2E052
5H607
【Fターム(参考)】
2E052AA09
2E052CA06
5H607AA12
5H607BB01
5H607CC03
5H607DD03
5H607EE31
5H607EE36
5H607EE54
(57)【要約】
【課題】車両用開閉体駆動装置の各モジュールを共用してコストを低減しながら、車両へのレイアウト性を向上させることができる車両用開閉体駆動装置を提供する。
【解決手段】車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400と出力モジュール500とを備える。車両用開閉体駆動装置100は、入力される回転動力の回転軸とは異なる回転軸の回転動力を出力する変換モジュール600をさらに備える。車両用開閉体駆動装置100は、動力伝達経路上に変換モジュール600を組み込んで、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400と出力モジュール500とを連結可能であり、且つ、変換モジュール600を省略して、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400と出力モジュール500とを連結可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転動力を出力可能な電動機モジュールと、
動力伝達経路に設けられ、接続状態と非接続状態とに切替可能な断接モジュールと、
回転動力を減速する減速機モジュールと、
出力モジュールと、を備え、
前記電動機モジュールから出力された回転動力が、前記断接モジュール及び前記減速機モジュールを介して前記出力モジュールに伝達されて、前記出力モジュールが動作することによって、車両に設けられた開閉体を駆動する、車両用開閉体駆動装置であって、
回転動力が入力される変換入力部と、前記変換入力部に入力される回転動力の回転軸とは異なる回転軸の回転動力を出力する変換出力部と、を有する変換モジュールをさらに備え、
前記電動機モジュールから出力される回転動力が前記出力モジュールへと伝達する動力伝達経路上に前記変換モジュールを組み込んで、前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能であり、
且つ、前記変換モジュールを省略して、前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能である、車両用開閉体駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用開閉体駆動装置であって、
前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールとを収容し、前記出力モジュールと前記変換モジュールとに連結可能な第1ハウジングと、
前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールとを収容し、前記出力モジュールに連結可能な第2ハウジングと、をさらに備え、
前記車両用開閉体駆動装置は、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングの任意の一方を選択可能であり、
前記電動機モジュールから前記出力モジュールへと回転動力が伝達する動力伝達経路上に前記変換モジュールを組み込む場合、前記第1ハウジングに前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールとが収容され、前記第1ハウジングに前記変換モジュールと前記出力モジュールとが組み付けられ、
前記変換モジュールを省略する場合、前記第2ハウジングに前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールとが収容され、前記第2ハウジングに前記出力モジュールが組み付けられる、車両用開閉体駆動装置。
【請求項3】
回転動力を出力可能な電動機モジュールと、
回転動力を減速する減速機モジュールと、
出力モジュールと、を備え、
前記電動機モジュールから出力された回転動力が、前記減速機モジュールを介して前記出力モジュールに伝達されて、前記出力モジュールが動作することによって、車両に設けられた開閉体を駆動する、車両用開閉体駆動装置であって、
回転動力が入力される変換入力部と、前記変換入力部に入力される回転動力の回転軸とは異なる回転軸の回転動力を出力する変換出力部と、を有する変換モジュールをさらに備え、
前記電動機モジュールから出力される回転動力が前記出力モジュールへと伝達する動力伝達経路上に前記変換モジュールを組み込んで、前記電動機モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能であり、
且つ、前記変換モジュールを省略して、前記電動機モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能である、車両用開閉体駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用開閉体駆動装置であって、
前記電動機モジュールと前記減速機モジュールとを収容し、前記出力モジュールと前記変換モジュールとに連結可能な第1ハウジングと、
前記電動機モジュールと前記減速機モジュールとを収容し、前記出力モジュールに連結可能な第2ハウジングと、をさらに備え、
前記車両用開閉体駆動装置は、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングの任意の一方を選択可能であり、
前記電動機モジュールから前記出力モジュールへと回転動力が伝達する動力伝達経路上に前記変換モジュールを組み込む場合、前記第1ハウジングに前記電動機モジュールと前記減速機モジュールとが収容され、前記第1ハウジングに前記変換モジュールと前記出力モジュールとが組み付けられ、
前記変換モジュールを省略する場合、前記第2ハウジングに前記電動機モジュールと前記減速機モジュールとが収容され、前記第2ハウジングに前記出力モジュールが組み付けられる、車両用開閉体駆動装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用開閉体駆動装置であって、
前記出力モジュールは、複数種類の出力モジュールを有し、
前記車両用開閉体駆動装置は、前記複数種類の出力モジュールのうちの任意の1つを選択可能である、車両用開閉体駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられたドアやテールゲート等の開閉体を駆動する車両用開閉体駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両に設けられたドアやテールゲート等の開閉体を駆動する車両用開閉体駆動装置が知られている。一般に、車両用開閉体駆動装置は、回転動力を出力可能な電動機モジュールと、動力伝達経路に設けられ、接続状態と非接続状態とに切替可能な断接モジュールと、回転動力を減速する減速機モジュールと、出力モジュールと、を備える。そして、車両用開閉体駆動装置は、電動機モジュールから出力された回転動力が、断接モジュール及び減速機モジュールを介して出力モジュールに伝達されて、出力モジュールが動作することによって、車両に設けられた開閉体を駆動する。
【0003】
例えば、特許文献1には、電動機モジュールと、2つの減速機モジュールと、出力モジュールとが、略同一軸上に並んで配置された、車両用開閉体駆動装置が開示されている。また、例えば、特許文献2には、第1軸上に電動機モジュールが配置され、第1軸と平行な第2軸上にアクチュエータモジュールが配置された、車両用開閉体駆動装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6458923号公報
【特許文献2】特許第6676512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の車両用開閉体駆動装置は、電動機モジュールと、2つの減速機モジュールと、出力モジュールとが、略同一軸上に並んで配置されているため、当該軸線方向の寸法が大きくなる。このとき、特許文献1に記載の車両用開閉体駆動装置において、電動機モジュールと、2つの減速機モジュールと、出力モジュールとは、略同一軸上に並んで配置可能なように専用設計されている。そのため、当該軸線方向の寸法を小さくするために、例えば、電動機モジュールと、2つの減速機モジュールとを異なる軸上に配置可能にするには、電動機モジュール及び2つの減速機モジュールの設計を変更する必要がある。
【0006】
一方、特許文献2に記載の車両用開閉体駆動装置は、第1軸上に電動機モジュールが配置され、第1軸と平行な第2軸上にアクチュエータモジュールが配置されているため、第1軸及び第2軸と垂直な方向の寸法が大きくなる。このとき、特許文献2に記載の車両用開閉体駆動装置において、電動機モジュールとアクチュエータモジュールとは、第1軸上に電動機モジュールが配置され、第2軸上にアクチュエータモジュールが配置可能なように専用設計されている。そのため、第1軸及び第2軸と垂直な方向の寸法を小さくするために、例えば、電動機モジュールとアクチュエータモジュールとを略同一軸線上に配置可能にするには、電動機モジュール及びアクチュエータモジュールの設計を変更する必要がある。
【0007】
このように、特許文献1及び特許文献2に記載の車両用開閉体駆動装置は、各モジュールの設計を変更しなければ、車両用開閉体駆動装置の全体形状を変更できないため、コストを低減しながら、車両へのレイアウト性を向上させることが困難であった。
【0008】
本発明は、車両用開閉体駆動装置の各モジュールを共用してコストを低減しながら、車両へのレイアウト性を向上させることができる車両用開閉体駆動装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1は、
回転動力を出力可能な電動機モジュールと、
動力伝達経路に設けられ、接続状態と非接続状態とに切替可能な断接モジュールと、
回転動力を減速する減速機モジュールと、
出力モジュールと、を備え、
前記電動機モジュールから出力された回転動力が、前記断接モジュール及び前記減速機モジュールを介して前記出力モジュールに伝達されて、前記出力モジュールが動作することによって、車両に設けられた開閉体を駆動する、車両用開閉体駆動装置であって、
回転動力が入力される変換入力部と、前記変換入力部に入力される回転動力の回転軸とは異なる回転軸の回転動力を出力する変換出力部と、を有する変換モジュールをさらに備え、
前記電動機モジュールから出力される回転動力が前記出力モジュールへと伝達する動力伝達経路上に前記変換モジュールを組み込んで、前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能であり、
且つ、前記変換モジュールを省略して、前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能である。
【0010】
本発明の第2は、
回転動力を出力可能な電動機モジュールと、
回転動力を減速する減速機モジュールと、
出力モジュールと、を備え、
前記電動機モジュールから出力された回転動力が、前記減速機モジュールを介して前記出力モジュールに伝達されて、前記出力モジュールが動作することによって、車両に設けられた開閉体を駆動する、車両用開閉体駆動装置であって、
回転動力が入力される変換入力部と、前記変換入力部に入力される回転動力の回転軸とは異なる回転軸の回転動力を出力する変換出力部と、を有する変換モジュールをさらに備え、
前記電動機モジュールから出力される回転動力が前記出力モジュールへと伝達する動力伝達経路上に前記変換モジュールを組み込んで、前記電動機モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能であり、
且つ、前記変換モジュールを省略して、前記電動機モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各モジュールを共用してコストを低減しながら、車両へのレイアウト性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置における、電動機モジュール、断接モジュール、及び、減速機モジュールの斜視図である。
図2】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置における、出力モジュール、及び、変換モジュールの斜視図である。
図3】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置において、動力伝達経路上に変換モジュールを組み込んで、電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールと出力モジュールとを連結した状態を示す図である。
図4】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置において、変換モジュールを省略して、電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールと出力モジュールとを連結した状態を示す図である。
図5】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置における第1ハウジングの斜視図(その1)である。
図6】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置における第1ハウジングの斜視図(その2)である。
図7】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置において、第1ハウジングに電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを収容して、第1ハウジングに出力モジュールが組み付けられた状態を示す要部断面図である。
図8】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置において、第1ハウジングに電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを収容して、第1ハウジングに変換モジュールと出力モジュールとが組み付けられた状態を示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置における第2ハウジングの斜視図(その1)である。
図10】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置における第2ハウジングの斜視図(その2)である。
図11】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置において、電動機モジュールと、連結部材と、コネクタモジュールと、が連結した状態を示す斜視図である。
図12】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置において、第2ハウジングに電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを収容して、第2ハウジングに出力モジュールが組み付けられた状態を示す要部断面図である。
図13】本発明の一実施形態の車両用開閉体装置において、第2ハウジングに電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを収容して、第2ハウジングに出力モジュールが組み付けられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の車両用開閉体駆動装置の一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。
【0014】
本実施形態の車両用開閉体駆動装置100は、車両に設けられたドア等の開閉体を駆動する装置である。
【0015】
図1及び図2に示すように、車両用開閉体駆動装置100は、回転動力を出力可能な電動機モジュール200と、動力伝達経路に設けられ、接続状態と非接続状態とに切替可能な断接モジュール300と、回転動力を減速する減速機モジュール400と、出力モジュール500と、を備える。さらに、車両用開閉体駆動装置100は、回転動力が入力される入力ギヤ610と、入力ギヤ610に入力される回転動力の回転軸とは異なる回転軸の回転動力を出力する出力ギヤ620と、を有する変換モジュール600を備える。
【0016】
車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200から出力された回転動力が断接モジュール300及び減速機モジュール400を介して出力モジュール500に伝達されて、出力モジュール500が動作することによって、車両に設けられた開閉体を駆動する。
【0017】
図1の(a)に示すように、電動機モジュール200は、電動機ケース210と、電動機ケース210の内部に収容された不図示の電動機と、当該電動機のロータと一体に回転して回転動力を出力する駆動軸220と、を有する。電動機ケース210は、駆動軸220と略同軸の略円筒形状を有する。駆動軸220は、略円筒形状を有する電動機ケース210の一方側の軸方向端面である出力側面201から軸方向一方側に突出する。
【0018】
図1の(b)に示すように、断接モジュール300は、入力軸310及び出力軸320を有する。断接モジュール300は、動力伝達経路に設けられ、接続状態と非接続状態とに切替可能なクラッチ機構を有する。本実施形態では、入力軸310及び出力軸320は同一軸となるように設けられている。入力軸310は、断接モジュール300の入力軸310及び出力軸320の軸方向の一方側の端面である入力側面301から入力軸310及び出力軸320の軸方向の一方側に突出している。出力軸320は、断接モジュール300の入力軸310及び出力軸320の軸方向の他方側の端面であり入力側面301と対向する出力側面302から入力軸310及び出力軸320の軸方向の他方側に突出している。断接モジュール300は、クラッチ機構が接続状態のとき、断接モジュール300の動力伝達経路が連結状態となり、入力軸310に入力された回転動力が伝達されて出力軸320から出力される。断接モジュール300は、クラッチ機構が非接続状態のとき、断接モジュール300の動力伝達経路は遮断状態となり、入力軸310に入力された回転動力が出力軸320に伝達されない。入力軸310の下端部の外周面には、外歯スプライン311が形成されている。出力軸320は、後述する減速機モジュール400における1段目の遊星歯車機構のサンギヤと一体となっている。
【0019】
図1の(c)に示すように、減速機モジュール400は、出力軸420を有する。本実施形態では、減速機モジュール400は、例えば、2段の遊星歯車機構を有する。減速機モジュール400は、断接モジュール300の出力軸320から入力された回転動力を減速して、出力軸420に出力する。本実施形態では、減速機モジュール400は、2段の遊星歯車機構である。本実施形態の2段の遊星歯車機構は、リングギヤが共通となっている。リングギヤは、後述する第1ハウジング700又は第2ハウジング800に固定される。1段目の遊星歯車機構のサンギヤは、断接モジュール300の出力軸320に設けられている。断接モジュール300の出力軸320は、入力側面401から減速機モジュール400に連結される。出力軸420は、入力側面401と対向する出力側面402から突出している。本実施形態では、減速機モジュール400は、断接モジュール300の出力軸320と減速機モジュール400の出力軸420とが同一軸となるようにして、断接モジュール300と連結する。そして、断接モジュール300の出力軸320から出力された回転動力は、1段目の遊星歯車機構のサンギヤに伝達される。2段目の遊星歯車機構のサンギヤは、1段目の遊星歯車機構の遊星キャリヤに連結されており1段目の遊星歯車機構の遊星キャリヤと一体に回転する。出力軸420は、2段目の遊星歯車機構の遊星キャリヤに連結されており2段目の遊星歯車機構の遊星キャリヤと一体に回転する。したがって、減速機モジュール400は、断接モジュール300の出力軸320から入力された回転動力を、2段の遊星歯車機構によって2段階減速して、出力軸420から出力する。
【0020】
図2の(a1)から(a3)に示すように、出力モジュール500は、複数種類の出力モジュール500を有する。そして、車両用開閉体駆動装置100は、複数種類の出力モジュール500のうちの任意の1つを選択可能である。
【0021】
本実施形態では、出力モジュール500は、減速機モジュール400の出力軸420から入力される回転動力によって回動する出力アーム511を有する第1出力モジュール510(図2の(a1)参照)と、減速機モジュール400の出力軸420から入力される回転動力によって回転する出力ギヤ521を有する第2出力モジュール520(図2の(a2)参照)と、減速機モジュール400の出力軸420から入力される回転動力によって動作するラックアンドピニオン機構531を有する第3出力モジュール530(図2の(a3)参照)と、を有する。そして、第1出力モジュール510、第2出力モジュール520、及び、第3出力モジュール530は、いずれも減速機モジュール400の出力側面402に連結可能である。
【0022】
例えば、車両用開閉体駆動装置100でヒンジドア(スイングドア)を駆動する場合には、第1出力モジュール510を選択して、ヒンジドアのヒンジ機構を出力アーム511に連結する。また、例えば、車両用開閉体駆動装置100でベルトユニットによってスライドするスライドドアを駆動する場合には、第2出力モジュール520を選択して、スライドドアのベルト駆動装置に出力ギヤ521を連結する。また、例えば、車両用開閉体駆動装置100でラックアンドピニオンによってスライドするスライドドアを駆動する場合には、ラックアンドピニオン機構531のラック部をスライドドアに固定する。
【0023】
図2の(b)に示すように、変換モジュール600は、入力ギヤ610に入力される回転動力の回転軸と平行且つ別軸の回転軸の回転動力を出力する。変換モジュール600は、入力ギヤ610及び出力ギヤ620を収容する変換モジュールハウジング630を備える。
【0024】
入力ギヤ610は、入力ギヤ610に入力される回転動力の回転軸と平行且つ別軸の回転軸心を有する円柱状の大径ギヤ部611と、大径ギヤ部611の軸方向一端面から大径ギヤ部611と同一の回転軸心を中心とする円柱状に延出し、大径ギヤ部611と同一の回転軸心を有し、大径ギヤ部611よりも小径の小径ギヤ部612と、を有する。大径ギヤ部611及び小径ギヤ部612は、いずれも外周面に歯部が形成された外歯歯車となっている。入力ギヤ610は、変換モジュールハウジング630に設けられた不図示の入力ギヤ軸に回動自在に軸支されている。
【0025】
出力ギヤ620は、入力ギヤ610に入力される回転動力の回転軸、及び、入力ギヤ610の回転軸心と平行且つ別軸の回転軸心を有する円柱状のギヤ部621と、ギヤ部621の軸方向一端面からにギヤ部621の回転軸心を中心とする中空円筒状に延出し、ギヤ部621よりも小径の中空円筒形状を有する結合部622と、を有する。ギヤ部621は、外周面に歯部が形成された外歯歯車となっている。中空円筒状の結合部622の内周面には、スプライン溝が形成されている。出力ギヤ620は、変換モジュールハウジング630に設けられた不図示の出力ギヤ軸に回動自在に軸支されている。
【0026】
変換モジュール600に入力される回転動力は、入力ギヤ610の大径ギヤ部611に入力される。出力ギヤ620のギヤ部621は、入力ギヤ610の小径ギヤ部612と噛合している。したがって、変換モジュール600に回転動力が入力されて入力ギヤ610が回転すると、それに伴って出力ギヤ620も回転する。このとき、変換モジュール600に入力される回転動力は、入力ギヤ610の大径ギヤ部611に入力されるのに対し、出力ギヤ620のギヤ部621は、入力ギヤ610の小径ギヤ部612と噛合しているので、変換モジュール600に入力された回転動力は、入力ギヤ610及び出力ギヤ620で減速されて伝達される。したがって、変換モジュール600は、入力された回転動力を減速して、入力ギヤ610に入力される回転動力の回転軸と平行且つ別軸であり、出力ギヤ620の回転軸と同軸の回転軸の回転動力を出力する。
【0027】
変換モジュールハウジング630は、入力ギヤ610及び出力ギヤ620の軸方向一方側を覆うカバー壁部631と、カバー壁部631の外縁から屈曲して入力ギヤ610及び出力ギヤ620の軸方向他方側に向かって延在し、入力ギヤ610及び出力ギヤ620の側方を覆う側壁部632と、入力ギヤ610及び出力ギヤ620の軸方向他方側の側壁部632の端部から入力ギヤ610及び出力ギヤ620の軸方向と略垂直に延在するフランジ部633と、を有する。カバー壁部631と、側壁部632と、フランジ部633とは、一体成形されており、例えば、樹脂によって形成されている。変換モジュールハウジング630は、入力ギヤ610及び出力ギヤ620の軸方向他端側が開口している。
【0028】
(各モジュールの組付)
図3及び図4に示すように、電動機モジュール200の出力側面201は、断接モジュール300の入力側面301に連結可能であり、且つ、変換モジュール600に連結可能となっている。断接モジュール300の入力側面301は、電動機モジュール200の出力側面201に連結可能であり、且つ、変換モジュール600に連結可能となっている。断接モジュール300の出力側面302は、減速機モジュール400の入力側面401に連結可能となっている。減速機モジュール400の出力側面402は、出力モジュール500に連結可能となっている。
【0029】
したがって、図3に示すように、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200の出力側面201を変換モジュール600に連結し、断接モジュール300の入力側面301を変換モジュール600に連結し、断接モジュール300の出力側面302を減速機モジュール400の入力側面401に連結し、減速機モジュール400の出力側面402を出力モジュール500に連結することが可能となっている。
【0030】
その際、電動機モジュール200の駆動軸220に駆動ギヤ230を取り付けて、駆動ギヤ230が、変換モジュール600の入力ギヤ610の大径ギヤ部611に噛合するようにして、電動機モジュール200が変換モジュール600に連結される。さらに、断接モジュール300の入力軸310に形成された外歯スプライン311が、変換モジュール600の出力ギヤ620の結合部622にスプライン結合するようにして、断接モジュール300が変換モジュール600に連結される。そして、断接モジュール300の出力軸320が減速機モジュール400と連結するようにして、断接モジュール300と減速機モジュールとが連結され、減速機モジュール400の出力軸420が出力モジュール500に連結するようにして、減速機モジュール400と出力モジュール500とが連結される。
【0031】
このようにして、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200から出力される回転動力が出力モジュール500へと伝達する動力伝達経路上に変換モジュール600を組み込んで、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400と出力モジュール500とを連結可能となっている。
【0032】
このとき、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200と断接モジュール300とが、電動機モジュール200の駆動軸220、並びに、断接モジュール300の入力軸310及び出力軸320の軸方向に対して垂直な方向に並んで配置される。そして、車両用開閉体駆動装置100において、電動機モジュール200の駆動軸220は、第1軸L1を形成している。一方、断接モジュール300の入力軸310及び出力軸320、並びに、減速機モジュール400の出力軸420は、同一軸となっており、第1軸L1と平行且つ別軸の第2軸L2を形成している。そして、電動機モジュール200は、断接モジュール300、減速機モジュール400、及び出力モジュール500の少なくとも1つと、少なくとも一部が第1軸L1及び第2軸L2の軸方向においてオーバーラップするように配置される。これにより、車両用開閉体駆動装置100における第1軸L1及び第2軸L2の軸方向の寸法を短縮することができる。
【0033】
一方、図4に示すように、車両用開閉体駆動装置100は、変換モジュール600を省略して、電動機モジュール200の出力側面201を断接モジュール300の入力側面301に連結し、断接モジュール300の出力側面302を減速機モジュール400の入力側面401に連結し、減速機モジュール400の出力側面402を出力モジュール500に連結することが可能となっている。
【0034】
その際、電動機モジュール200には、電動機モジュール200の駆動軸220と、断接モジュール300の入力軸310とを連結する連結部材240が取り付けられる。本実施形態では、連結部材240は2段の遊星歯車機構である。1段目の遊星歯車機構のサンギヤは、電動機モジュール200の駆動軸220に連結している。1段目の遊星歯車機構の遊星キャリヤは、後述する第2ハウジング800に固定されている。1段目の遊星歯車機構のリングギヤは、2段目の遊星歯車機構のサンギヤと連結しており、2段目の遊星歯車機構のサンギヤは、1段目の遊星歯車機構のリングギヤと一体に回転する。2段目の遊星歯車機構の遊星キャリヤは、1段目の遊星歯車機構の遊星キャリヤと同様、後述する第2ハウジング800に固定されている。2段目の遊星歯車機構のリングギヤは、内周面にスプライン溝が形成された中空軸に連結しており、当該中空軸は、2段目の遊星歯車機構のリングギヤと一体に回転する。そして、当該中空軸の内周面に形成されたスプライン溝に断接モジュール300の入力軸310に形成された外歯スプライン311が噛合して、電動機モジュール200の駆動軸220は、連結部材240を介して断接モジュール300の入力軸310と連結する。
【0035】
このようにして、車両用開閉体駆動装置100は、変換モジュール600を省略して、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400と出力モジュール500とを連結可能となっている。
【0036】
このとき、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200と、断接モジュール300と、減速機モジュール400と、出力モジュール500とが、任意の一方向に並んで配置される。これにより、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200と、断接モジュール300と、減速機モジュール400と、出力モジュール500とが並んで配置される方向と垂直方向な方向の寸法を短縮することができる。なお、本実施形態では、車両用開閉体駆動装置100において、電動機モジュール200の駆動軸220、断接モジュール300の入力軸310及び出力軸320、並びに、減速機モジュール400の出力軸420は、同一軸となっており、第3軸L3を形成している。そして、車両用開閉体駆動装置100は、第3軸L3と垂直方向な方向の寸法を短縮することができる。
【0037】
このように、車両用開閉体駆動装置100は、変換モジュール600を組み込むか省略するかを選択可能である。
【0038】
さらに、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを収容し、出力モジュール500と変換モジュール600とに連結可能な第1ハウジング700(図5及び図6参照)と、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを収容し、出力モジュール500に連結可能な第2ハウジング800(図9及び図10参照)と、をさらに備える。そして、車両用開閉体駆動装置100は、第1ハウジング700及び第2ハウジング800の任意の一方を選択可能となっている。本実施形態では、電動機モジュール200から出力モジュール500へと回転動力が伝達する動力伝達経路上に変換モジュール600を組み込む場合に、第1ハウジング700が選択され、変換モジュール600を省略する場合に、第2ハウジング800が選択される。
【0039】
最初に、第1ハウジング700が選択された場合、すなわち、電動機モジュール200から出力モジュール500へと回転動力が伝達する動力伝達経路上に変換モジュール600を組み込む場合について説明する。
【0040】
図5及び図6に示すように、第1ハウジング700は、底壁部701と、底壁部701から第1方向D1に延在する筒形状を有する第1収容部710と、第1方向D1と垂直な方向に隣接して、底壁部701から第1収容部710と平行に第1方向D1に延在する筒形状を有する第2収容部720と、を備える。
【0041】
第1収容部710における第1方向D1の底壁部701側の端部には、底壁部701から第1方向D1に開口する第1開口部711が形成されている。第1収容部710における第1方向D1の底壁部701側と反対側の端部には、第2開口部712が形成されている。第1開口部711は、電動機モジュール200の駆動軸220が挿通可能である一方、電動機ケース210が挿通不可能な大きさ及び形状である。第2開口部712は、電動機ケース210を含む電動機モジュール200が挿通可能な大きさ及び形状である。
【0042】
第2収容部720における第1方向D1の底壁部701側の端部には、底壁部701から第1方向D1に開口する第1開口部721が形成されている。第2収容部720における第1方向D1の底壁部701側と反対側の端部には、第2開口部722が形成されている。第1開口部721は、断接モジュール300の入力軸310が挿通可能である一方、断接モジュール300が挿通不可能な大きさ及び形状である。第2開口部722は、断接モジュール300及び減速機モジュール400が挿通可能な大きさ及び形状である。
【0043】
図7及び図8に示すように、まず、第1収容部710に電動機モジュール200を収容する。このとき、電動機モジュール200を、出力側面201が底壁部701と対向するようにして、第2開口部712から第1収容部710に収容する。そして、電動機モジュール200の駆動軸220が底壁部701に形成された第1収容部710の第1開口部711から第1収容部710の外側に向かって第1方向D1に突出するようにして、電動機モジュール200を第1ハウジング700に組み付ける。
【0044】
次に、第2収容部720に断接モジュール300を収容する。このとき、断接モジュール300を、入力側面301が底壁部701と対向するようにして、第2開口部722から第2収容部720に収容する。そして、断接モジュール300の入力軸310が、底壁部701に形成された第2収容部720の第1開口部721から第2収容部720の外側に向かって第1方向D1に突出するようにして、断接モジュール300を第1ハウジング700に組み付ける。
【0045】
次に、第2収容部720に減速機モジュール400を収容する。このとき、減速機モジュール400を、入力側面401が断接モジュール300の出力側面302と対向するようにして、第2開口部712から第1収容部710に収容する。そして、減速機モジュール400を断接モジュール300の出力軸320と連結させ、減速機モジュール400の出力軸420を第2収容部720の第2開口部722から第2収容部720の外側に向かって第1方向D1に突出するようにして、減速機モジュール400を第1ハウジング700に組み付ける。
【0046】
これにより、第1ハウジング700に電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とが収容され、第1ハウジング700に電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400が組み付けられるので、第1ハウジング700と電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とが一体化される。
【0047】
そして、変換モジュール600を第1ハウジング700に組み付ける。このとき、変換モジュールハウジング630のフランジ部633が、第1ハウジング700の第1収容部710及び第2収容部720が延出する側と反対側で底壁部701と対向するようにして、変換モジュールハウジング630は、ネジ等の締結部材によって、第1ハウジング700の底壁部701に組み付けられる。その際、電動機モジュール200の駆動軸220に駆動ギヤ230を取り付けて、駆動ギヤ230が変換モジュール600の入力ギヤ610の大径ギヤ部611に噛合し、断接モジュール300の入力軸310に形成された外歯スプライン311が出力ギヤ620の結合部622の内周面に形成されたスプライン溝にスプライン結合するようにして、変換モジュール600を第1ハウジング700に組み付ける。
【0048】
本実施形態では、変換モジュールハウジング630のフランジ部633と第1ハウジング700の底壁部701との間に第1車体取付用ブラケット110が介装され、第1車体取付用ブラケット110は、変換モジュールハウジング630及び第1ハウジング700と共締めされている。
【0049】
次に、出力モジュール500を第1ハウジング700に組み付ける。出力モジュール500は、第2収容部720の第2開口部722を塞ぐようにして、第1ハウジング700に組み付けられる。このとき、減速機モジュール400の出力軸420が出力モジュール500に連結するようにして、出力モジュール500は、第1ハウジング700に組み付けられる。
【0050】
本実施形態では、出力モジュール500と、第1ハウジング700における第2収容部720の第2開口部722の形成面との間に第2車体取付用ブラケット120が介装され、第2車体取付用ブラケット120は、出力モジュール500及び第1ハウジング700と共締めされている。
【0051】
第1収容部710の第2開口部712には、コネクタモジュール910が組付けられる。コネクタモジュール910は、コネクタケース911と、外部機器と電気的に接続するハーネス等の導線部材が接続する接続端子部912と、を有する。第1ハウジング700の内部には、複数の配線部材(不図示)が配索されている。第1ハウジング700の内部を配索する複数の配線部材は、接続端子部912と電動機モジュール200の電動機とを電気的に接続する配線部材、及び、接続端子部912と断接モジュール300のクラッチ機構とを電気的に接続する配線部材、を含む。そして、コネクタモジュール910は、接続端子部912が第1ハウジング700の内部を配索する複数の配線部材と電気的に接続するようにして、第1収容部710の第2開口部712に組み付けられる。これにより、電動機モジュール200の電動機と、断接モジュール300のクラッチ機構とは、接続端子部912を介して外部から供給される電力によって動作可能となる。
【0052】
このようにして、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200から出力モジュール500へと回転動力が伝達する動力伝達経路上に変換モジュール600を組み込む場合、第1ハウジング700に電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを収容し、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを第1ハウジング700に組み付けた後、第1ハウジング700に変換モジュール600及び出力モジュール500を組み付けることによって、組み付けられる。このように、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを第1ハウジング700に組み付けることによって、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを一体化できるので、車両用開閉体駆動装置100の組付性が向上する。
【0053】
そして、第1車体取付用ブラケット110及び第2車体取付用ブラケット120を車両の車体に固定することによって、車両用開閉体駆動装置100は、車両の車体に固定される。このとき、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とが第1ハウジング700に組み付けられ、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とが一体化されているので、車両用開閉体駆動装置100を車両の車体に組み付ける際の取り回し性が向上する。
【0054】
続いて、第2ハウジング800が選択された場合、すなわち変換モジュール600を省略する場合について説明する。
【0055】
図9及び図10に示すように、第2ハウジング800は、第2方向D2に延在する筒形状を有し、第2方向D2の一方側の第1端部801と、第2方向D2の他方側の第2端部802と、を有する。第2ハウジング800には、第2方向D2に延びる有底略円筒形状の収容部810が形成されている。収容部810の第2方向D2の一方側の端部には、底壁部811が形成されており、収容部810第2方向D2の他方側の端部は開口部812となっている。収容部810の底壁部811は、第2ハウジング800の第1端部801に形成されており、開口部812は、第2ハウジング800の第2端部802に形成されている。
【0056】
図11に示すように、第2ハウジング800が選択された場合、すなわち変換モジュール600を省略する場合、まず、電動機モジュール200と連結部材240とを連結する。連結部材240は、電動機モジュール200の出力側面201と対向するように連結され、電動機モジュール200の駆動軸220が連結部材240の1段目の遊星歯車機構のサンギヤと連結される。
【0057】
次に、コネクタモジュール920を電動機モジュール200に係止する。コネクタモジュール920は、電動機モジュール200の電動機ケース210と略同径の略円盤形状を有する基板ユニット921と、外部機器と電気的に接続するハーネス等の導線部材が接続する接続端子部922と、を有する。基板ユニット921は、導線等の配線部材によって接続端子部922と電気的に接続している。第2ハウジング800の内部には、複数の配線部材(不図示)が配索されている。基板ユニット921は、電動機モジュール200の出力側面201と反対側の面に係止され、第2ハウジング800の内部を配索する複数の配線部材と接続する。第2ハウジング800の内部を配索する複数の配線部材は、電動機モジュール200の電動機と接続する配線部材と、断接モジュール300のクラッチ機構に接続する配線部材と、を含む。したがって、基板ユニット921が電動機モジュール200の出力側面201と反対側の面に係止され、第2ハウジング800の内部を配索する複数の配線部材と接続することによって、電動機モジュール200の電動機と、断接モジュール300のクラッチ機構とは、接続端子部922を介して外部から供給される電力によって動作可能となる。また、コネクタモジュール920は、基板ユニット921が電動機モジュール200の出力側面201と反対側の面に係止されることによって、電動機モジュール200に係止される。コネクタモジュール920の接続端子部922は、基板ユニット921を挟んで電動機モジュール200と反対側に配置される。
【0058】
これにより、電動機モジュール200と、連結部材240と、コネクタモジュール920とは、一体化する。
【0059】
図12及び図13に示すように、続いて、電動機モジュール200、連結部材240、及び、コネクタモジュール920が一体化したユニットを、第2ハウジング800の収容部810に収容する。このとき、コネクタモジュール920が底壁部811側、連結部材240が開口部812側となるようにして、電動機モジュール200、連結部材240、及び、コネクタモジュール920が一体化したユニットを、開口部812から収容部810に収容する。第2ハウジング800の収容部810の底壁部811には、コネクタモジュール920の接続端子部922が嵌合可能な貫通孔811aが形成されている。そして、コネクタモジュール920の接続端子部922を底壁部811に形成された貫通孔811aに嵌合し、コネクタモジュール920の接続端子部922が貫通孔811aから第2ハウジング800の外部に露出するようにして、電動機モジュール200、連結部材240、及び、コネクタモジュール920が一体化したユニットを、第2ハウジング800に組み付ける。電動機モジュール200、連結部材240、及び、コネクタモジュール920が一体化したユニットが第2ハウジング800に組み付けられた状態において、連結部材240の1段目及び2段目の遊星歯車機構の遊星キャリヤは、いずれも第2ハウジング800に係止される。
【0060】
次に、収容部810に断接モジュール300を収容する。このとき、断接モジュール300を、入力側面301が底壁部811側、出力側面302が開口部812側となるようにして、開口部812から収容部810に収容する。断接モジュール300は、入力側面301が連結部材240と対向するようにして、収容部810に収容される。そして、断接モジュール300の入力軸310に形成された外歯スプライン311を、連結部材240の2段目の遊星歯車機構のリングギヤと一体に回転する中空軸の内周面に形成されたスプライン溝に噛合させて、断接モジュール300を、第2ハウジング800に組み付ける。
【0061】
次に、収容部810に減速機モジュール400を収容する。このとき、減速機モジュール400を、入力側面401が底壁部811側、出力側面402が開口部812側となるようにして、開口部812から収容部810に収容する。減速機モジュール400は、入力側面401が、断接モジュール300の出力側面302と対向するようにして、収容部810に収容される。そして、減速機モジュール400を断接モジュール300の出力軸320と連結させ、減速機モジュール400の出力軸420を第2ハウジング800の第2端部802から第2方向D2に突出するようにして、減速機モジュール400を第2ハウジング800に組み付ける。
【0062】
次に、出力モジュール500を第2ハウジング800に組み付ける。出力モジュール500は、収容部810の開口部812を塞ぐようにして、第2ハウジング800に組み付けられる。このとき、減速機モジュール400の出力軸420が出力モジュール500に連結するようにして、出力モジュール500は、第2ハウジング800に組み付けられる。
【0063】
このようにして、車両用開閉体駆動装置100は、変換モジュール600を省略する場合、第2ハウジング800に電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを収容し、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを第2ハウジング800に組み付けた後、第2ハウジング800に出力モジュール500を組み付けることによって、組み付けられる。このように、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを第2ハウジング800に組み付けることによって、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを一体化できるので、車両用開閉体駆動装置100の組付性が向上する。
【0064】
そして、第2ハウジング800には、ナット部材が埋め込まれた取付部820が複数設けられており、取付部820に締結されるボルト等の締結部材によって、第2ハウジング800を車両の車体に固定する。これにより、車両用開閉体駆動装置100は、車両の車体に固定される。このとき、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とが第2ハウジング800に組み付けられ、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とが一体化されているので、車両用開閉体駆動装置100を車両に組み付ける際の取り回し性が向上する。
【0065】
以上説明したように、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200から出力される回転動力が出力モジュール500へと伝達する動力伝達経路上に変換モジュール600を組み込んで、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400と出力モジュール500とを連結可能であり、且つ、変換モジュール600を省略して、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400と出力モジュール500とを連結可能である。
【0066】
これにより、車両用開閉体駆動装置100は、車両に取り付けられる空間の形状に応じて、変換モジュール600を組み込むか変換モジュール600を省略するかを選択することによって、電動機モジュール200、断接モジュール300、及び、減速機モジュール400を設計変更することなく、全体形状を変更することができる。これにより、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを共用してコストを低減しながら、車両へのレイアウト性を向上させることができる。
【0067】
さらに、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200から出力モジュール500へと回転動力が伝達する動力伝達経路上に変換モジュール600を組み込む場合、第1ハウジング700を選択して、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを第1ハウジング700に組み付けることによって、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを一体化できる。また、車両用開閉体駆動装置100は、変換モジュール600を省略する場合、第2ハウジング800を選択して、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを第2ハウジング800に組み付けることによって、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを一体化できる。このように、車両用開閉体駆動装置100は、変換モジュール600を組み込むか変換モジュール600を省略するかに応じて、第1ハウジング700及び第2ハウジング800のいずれか一方を選択して、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを第1ハウジング700及び第2ハウジング800のいずれか一方に組み付けることによって、いずれの場合も、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを一体化できるので、車両用開閉体駆動装置100の組付性が向上し、且つ、車両用開閉体駆動装置100を車両の車体に組み付ける際の取り回し性が向上する。
【0068】
また、出力モジュール500は、第1出力モジュール510と、第2出力モジュール520と、第3出力モジュール530とを有し、第1出力モジュール510、第2出力モジュール520、及び、第3出力モジュール530は、いずれも、減速機モジュール400の出力軸420と連結して、第1ハウジング700及び第2ハウジング800のいずれにも組み付け可能である。したがって、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200から出力される回転動力が出力モジュール500へと伝達する動力伝達経路上に変換モジュール600を組み込んで、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400と出力モジュール500とを連結する場合、変換モジュール600を省略して、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400と出力モジュール500とを連結する場合、のいずれの場合も、第1出力モジュール510、第2出力モジュール520、及び、第3出力モジュール530のうちの任意の1つを選択可能となっている。
【0069】
なお、図3図7及び図8においては、出力モジュール500として、第1出力モジュール510を選択した場合を示しているが、第2出力モジュール520及び第3出力モジュール530も選択可能である。同様に、図4図12及び図13においては、出力モジュール500として、第2出力モジュール520を選択した場合を示しているが、第1出力モジュール510及び第3出力モジュール530も選択可能である。
【0070】
これにより、車両用開閉体駆動装置100は、駆動する開閉体の種類に応じて、複数種類の出力モジュール500のうちの任意の1つを選択することができる。したがって、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200と断接モジュール300と減速機モジュール400とを共用して、異なる種類の開閉体を駆動することができる。これにより、電動機モジュール200、断接モジュール300、及び、減速機モジュール400を設計変更することなく、異なる種類の開閉体を駆動することができるので、コストを低減できる。
【0071】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0072】
例えば、本実施形態では、変換モジュール600は、電動機モジュール200から出力される回転動力が出力モジュール500へと伝達する車両用開閉体駆動装置100の動力伝達経路において、電動機モジュール200と断接モジュール300との間に連結されるものとしたが、変換モジュール600は、例えば、車両用開閉体駆動装置100の動力伝達経路において、断接モジュール300と減速機モジュール400との間に連結されるものであってもよいし、減速機モジュール400と出力モジュール500との間に連結されるものであってもよい。
【0073】
また、例えば、本実施形態では、車両用開閉体駆動装置100の動力伝達経路において、電動機モジュール200、断接モジュール300、減速機モジュール400、出力モジュール500の順に連結されるものとしたが、車両用開閉体駆動装置100の動力伝達経路において、電動機モジュール200、減速機モジュール400、断接モジュール300、出力モジュール500の順に連結されるものであってもよい。このとき、変換モジュール600は、例えば、車両用開閉体駆動装置100の動力伝達経路において、電動機モジュール200と減速機モジュール400との間に連結されるものであってもよいし、減速機モジュール400と断接モジュール300との間に連結されるものであってもよいし、断接モジュール300と出力モジュール500との間に連結されるものであってもよい。
【0074】
また、例えば、本実施形態では、第2ハウジング800が選択された場合、すなわち変換モジュール600を省略する場合、電動機モジュール200と連結部材240とを連結し、断接モジュール300の入力軸310と連結部材240とを連結して、電動機モジュール200と断接モジュール300とは、連結部材240を介して連結されるものとしたが、連結部材240は省略可能である。すなわち、電動機モジュール200の駆動軸220が断接モジュール300の入力軸310と直接連結されていてもよい。
【0075】
また、例えば、本実施形態では、連結部材240は、2段の遊星歯車機構であるものとしたが、連結部材240は、要求される出力等の仕様に応じて、電動機モジュール200から出力される回転動力を所定の減速比で減速する減速機構であってもよい。
【0076】
また、例えば、本実施形態では、断接モジュール300は、クラッチ機構を有するものとしたが、断接モジュール300は、動力伝達経路に設けられ、接続状態と非接続状態とに切替可能なブレーキ機構を有していてもよい。断接モジュール300がブレーキ機構を有している場合、断接モジュール300のブレーキ機構を接続状態(ブレーキ状態)とすることで、動力伝達回路が回転動作しないように制動され、ドアを任意の位置に保持可能となり、断接モジュール300のブレーキ機構を非接続状態とすることで、動力伝達回路が自在に回転動作可能な状態となり、ドアを手動開閉操作及び電動開閉操作することが可能となる。
【0077】
また、例えば、本実施形態では、車両用開閉体駆動装置100は、電動機モジュール200と、断接モジュール300と、減速機モジュール400と、出力モジュール500と、を備えるものとしたが、車両用開閉体駆動装置100は、断接モジュール300が省略されていてもよい。
【0078】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0079】
(1) 回転動力を出力可能な電動機モジュール(電動機モジュール200)と、
動力伝達経路に設けられ、接続状態と非接続状態とに切替可能な断接モジュール(断接モジュール300)と、
回転動力を減速する減速機モジュール(減速機モジュール400)と、
出力モジュール(出力モジュール500)と、を備え、
前記電動機モジュールから出力された回転動力が、前記断接モジュール及び前記減速機モジュールを介して前記出力モジュールに伝達されて、前記出力モジュールが動作することによって、車両に設けられた開閉体を駆動する、車両用開閉体駆動装置(車両用開閉体駆動装置100)であって、
回転動力が入力される変換入力部(入力ギヤ610)と、前記変換入力部に入力される回転動力の回転軸とは異なる回転軸の回転動力を出力する変換出力部(出力ギヤ620)と、を有する変換モジュール(変換モジュール600)をさらに備え、
前記電動機モジュールから出力される回転動力が前記出力モジュールへと伝達する動力伝達経路上に前記変換モジュールを組み込んで、前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能であり、
且つ、前記変換モジュールを省略して、前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能である、車両用開閉体駆動装置。
【0080】
(1)によれば、車両用開閉体駆動装置は、車両に取り付けられる空間の形状に応じて、変換モジュールを組み込むか変換モジュールを省略するかを選択することによって、電動機モジュール、断接モジュール、及び、減速機モジュールを設計変更することなく、全体形状を変更することができる。これにより、車両用開閉体駆動装置は、電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを共用してコストを低減しながら、車両へのレイアウト性を向上させることができる。
【0081】
(2) (1)に記載の車両用開閉体駆動装置であって、
前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールとを収容し、前記出力モジュールと前記変換モジュールとに連結可能な第1ハウジング(第1ハウジング700)と、
前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールとを収容し、前記出力モジュールに連結可能な第2ハウジング(第2ハウジング800)と、をさらに備え、
前記車両用開閉体駆動装置は、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングの任意の一方を選択可能であり、
前記電動機モジュールから前記出力モジュールへと回転動力が伝達する動力伝達経路上に前記変換モジュールを組み込む場合、前記第1ハウジングに前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールとが収容され、前記第1ハウジングに前記変換モジュールと前記出力モジュールとが組み付けられ、
前記変換モジュールを省略する場合、前記第2ハウジングに前記電動機モジュールと前記断接モジュールと前記減速機モジュールとが収容され、前記第2ハウジングに前記出力モジュールが組み付けられる、車両用開閉体駆動装置。
【0082】
(2)によれば、電動機モジュールから出力モジュールへと回転動力が伝達する動力伝達経路上に変換モジュールを組み込む場合、電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを第1ハウジングに組み付けることによって、電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを一体化できるので、車両用開閉体駆動装置の組付性が向上し、且つ、車両用開閉体駆動装置を車両の車体に組み付ける際の取り回し性が向上する。また、変換モジュールを省略する場合、電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを第2ハウジングに組み付けることによって、電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを一体化できるので、車両用開閉体駆動装置の組付性が向上し、且つ、車両用開閉体駆動装置を車両の車体に組み付ける際の取り回し性が向上する。このように、車両用開閉体駆動装置は、変換モジュールを組み込むか変換モジュールを省略するかに応じて、第1ハウジング及び第2ハウジングのいずれか一方を選択して、電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを第1ハウジング及び第2ハウジングのいずれか一方に組み付けることによって、いずれの場合も、電動機モジュールと断接モジュールと減速機モジュールとを一体化できるので、車両用開閉体駆動装置の組付性が向上し、且つ、車両用開閉体駆動装置を車両の車体に組み付ける際の取り回し性が向上する。
【0083】
(3) 回転動力を出力可能な電動機モジュール(電動機モジュール200)と、
回転動力を減速する減速機モジュール(減速機モジュール400)と、
出力モジュール(出力モジュール500)と、を備え、
前記電動機モジュールから出力された回転動力が、前記減速機モジュールを介して前記出力モジュールに伝達されて、前記出力モジュールが動作することによって、車両に設けられた開閉体を駆動する、車両用開閉体駆動装置(車両用開閉体駆動装置100)であって、
回転動力が入力される変換入力部(入力ギヤ610)と、前記変換入力部に入力される回転動力の回転軸とは異なる回転軸の回転動力を出力する変換出力部(出力ギヤ620)と、を有する変換モジュール(変換モジュール600)をさらに備え、
前記電動機モジュールから出力される回転動力が前記出力モジュールへと伝達する動力伝達経路上に前記変換モジュールを組み込んで、前記電動機モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能であり、
且つ、前記変換モジュールを省略して、前記電動機モジュールと前記減速機モジュールと前記出力モジュールとを連結可能である、車両用開閉体駆動装置。
【0084】
(3)によれば、車両用開閉体駆動装置は、車両に取り付けられる空間の形状に応じて、変換モジュールを組み込むか変換モジュールを省略するかを選択することによって、電動機モジュール、及び、減速機モジュールを設計変更することなく、全体形状を変更することができる。これにより、車両用開閉体駆動装置は、電動機モジュールと減速機モジュールとを共用してコストを低減しながら、車両へのレイアウト性を向上させることができる。
【0085】
(4) (3)に記載の車両用開閉体駆動装置であって、
前記電動機モジュールと前記減速機モジュールとを収容し、前記出力モジュールと前記変換モジュールとに連結可能な第1ハウジング(第1ハウジング700)と、
前記電動機モジュールと前記減速機モジュールとを収容し、前記出力モジュールに連結可能な第2ハウジング(第2ハウジング800)と、をさらに備え、
前記車両用開閉体駆動装置は、前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングの任意の一方を選択可能であり、
前記電動機モジュールから前記出力モジュールへと回転動力が伝達する動力伝達経路上に前記変換モジュールを組み込む場合、前記第1ハウジングに前記電動機モジュールと前記減速機モジュールとが収容され、前記第1ハウジングに前記変換モジュールと前記出力モジュールとが組み付けられ、
前記変換モジュールを省略する場合、前記第2ハウジングに前記電動機モジュールと前記減速機モジュールとが収容され、前記第2ハウジングに前記出力モジュールが組み付けられる、車両用開閉体駆動装置。
【0086】
(4)によれば、電動機モジュールから出力モジュールへと回転動力が伝達する動力伝達経路上に変換モジュールを組み込む場合、電動機モジュールと減速機モジュールとを第1ハウジングに組み付けることによって、電動機モジュールと減速機モジュールとを一体化できるので、車両用開閉体駆動装置の組付性が向上し、且つ、車両用開閉体駆動装置を車両の車体に組み付ける際の取り回し性が向上する。また、変換モジュールを省略する場合、電動機モジュールと減速機モジュールとを第2ハウジングに組み付けることによって、電動機モジュールと減速機モジュールとを一体化できるので、車両用開閉体駆動装置の組付性が向上し、且つ、車両用開閉体駆動装置を車両の車体に組み付ける際の取り回し性が向上する。このように、車両用開閉体駆動装置は、変換モジュールを組み込むか変換モジュールを省略するかに応じて、第1ハウジング及び第2ハウジングのいずれか一方を選択して、電動機モジュールと減速機モジュールとを第1ハウジング及び第2ハウジングのいずれか一方に組み付けることによって、いずれの場合も、電動機モジュールと減速機モジュールとを一体化できるので、車両用開閉体駆動装置の組付性が向上し、且つ、車両用開閉体駆動装置を車両の車体に組み付ける際の取り回し性が向上する。
【0087】
(5) (1)~(4)のいずれかに記載の車両用開閉体駆動装置であって、
前記出力モジュールは、複数種類の出力モジュール(第1出力モジュール510、第2出力モジュール520、第3出力モジュール530)を有し、
前記車両用開閉体駆動装置は、前記複数種類の出力モジュールのうちの任意の1つを選択可能である、車両用開閉体駆動装置。
【0088】
(5)によれば、車両用開閉体駆動装置は、駆動する開閉体の種類に応じて、複数種類の出力モジュールのうちの任意の1つを選択することができる。したがって、車両用開閉体駆動装置は、各モジュールを共用して、異なる種類の開閉体を駆動することができる。これにより、各モジュールを設計変更することなく、異なる種類の開閉体を駆動することができるので、コストを低減できる。
【符号の説明】
【0089】
100 車両用開閉体駆動装置
200 電動機モジュール
300 断接モジュール
400 減速機モジュール
500 出力モジュール
600 変換モジュール
610 入力ギヤ(変換入力部)
620 出力ギヤ(変換出力部)
700 第1ハウジング
800 第2ハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図13