IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社フジタの特許一覧 ▶ 大和ハウス工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図1
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図2
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図3
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図4
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図5
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図6
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図7
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図8
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図9
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図10
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図11
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図12
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図13
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図14
  • 特開-断熱パネル及び断熱パネルの接合構造 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068585
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】断熱パネル及び断熱パネルの接合構造
(51)【国際特許分類】
   E04C 2/30 20060101AFI20230510BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
E04C2/30 D
E04B1/76 400C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179849
(22)【出願日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一郎
(72)【発明者】
【氏名】富田 泰宇
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 優斗
(72)【発明者】
【氏名】森田 隆司
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 一
【テーマコード(参考)】
2E001
2E162
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001FA03
2E001GA11
2E001HA03
2E001HB01
2E001HD01
2E162CA16
2E162CB01
2E162CD01
(57)【要約】
【課題】断熱パネル及び断熱パネルの接合構造を提供する。
【解決手段】断熱パネルは、第1面及び第1面と反対側に第2面を有する断熱材本体と、断熱材本体の第1面に接する第1無機系不燃材料と、第1無機系不燃材料を覆い、第1無機系不燃材料の第1端面を外側から囲むように折り曲げられ、第1面と略平行な第1側面板部が形成され、先端が第1無機系不燃材料の第1端面に略平行な第1折曲部が形成されるように折り曲げられた第1金属板と、第2面側を覆い、断熱材本体の第1端面を外側から囲むように折り曲げられ、第2面と略平行な第2側面板部が形成され、先端が断熱材本体の第1端面に略水平な第2折曲部が形成されるように折り曲げられた第2金属板と、第1金属板と第2金属板とを固定する固定具と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面及び前記第1面と反対側に第2面を有する断熱材本体と、
前記断熱材本体の前記第1面に接する第1無機系不燃材料と、
前記第1無機系不燃材料を覆い、前記第1無機系不燃材料の第1端面を外側から囲むように折り曲げられ、前記第1面と略平行な第1側面板部が形成され、先端が前記第1無機系不燃材料の第1端面に略平行な第1折曲部が形成されるように折り曲げられた第1金属板と、
前記第2面側を覆い、前記断熱材本体の第1端面を外側から囲むように折り曲げられ、前記第2面と略平行な第2側面板部が形成され、先端が前記断熱材本体の第1端面に略水平な第2折曲部が形成されるように折り曲げられた第2金属板と、
前記第1金属板と前記第2金属板とを固定する固定具と、を有する、断熱パネル。
【請求項2】
前記第1金属板は、前記第1折曲部に設けられた第1切り欠き部を有し、
前記第2金属板は、前記第2折曲部に設けられた第2切り欠き部を有し、
前記第1切り欠き部及び前記第2切り欠き部は、互いに対向する、請求項1に記載の断熱パネル。
【請求項3】
前記第1折曲部は、前記第1無機系不燃材料の第1端面に略平行に前記第1面側へ略垂直に折り曲げられ、前記第2折曲部は、前記断熱材本体の第1端面に略平行に前記第2面側へ略垂直に折り曲げられる、請求項1又は2に記載の断熱パネル。
【請求項4】
前記固定具は、中間部と、前記中間部の両端に接続して設けられた折り返し部と、を有し、
前記中間部と前記折り返し部との間の一方に前記第1折曲部が挟み込まれ、他方に前記第2折曲部が挟み込まれる、請求項3に記載の断熱パネル。
【請求項5】
前記第1側面板部と前記第2側面板部との間に、前記固定具の前記中間部に接するように設けられた第1不燃ボードをさらに有する、請求項4に記載の断熱パネル。
【請求項6】
前記第1折曲部は、前記第1無機系不燃材料の第1端面に略平行に前記第2面側へ略垂直に折り曲げられ、前記第2折曲部は、前記断熱材本体の第1端面に略平行に前記第1面側へ略垂直に折り曲げられる、請求項1又は2に記載の断熱パネル。
【請求項7】
前記固定具は、中間部と、前記中間部の両端に接続して設けられた第1折り返し部と、第2折り返し部と、を有し、
前記中間部の両端における前記第1折り返し部と前記第2折り返し部との間に、前記第1折曲部及び前記第2折曲部が設けられる、請求項6に記載の断熱パネル。
【請求項8】
前記第1側面板部と前記第2側面板部との間に、前記第1折曲部及び前記第2折曲部に接するように設けられた第1不燃ボードをさらに有する、請求項7に記載の断熱パネル。
【請求項9】
前記第1側面板部と前記第1無機系不燃材料との間に設けられた補強鋼板をさらに有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の断熱パネル。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の断熱パネルを、幅方向に複数並べて接合された断熱パネルの接合構造であって、
隣接する断熱パネルのうち、一方の断熱パネルの第1不燃ボードと、他方の断熱パネルの第2不燃ボードと接するように、第3不燃ボードが設けられる、断熱パネルの接合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、断熱パネル、断熱パネルの施工方法、及び断熱パネルの接合構造に関し、より詳細にはウレタン系断熱材などの有機系断熱材を金属板で挟んだサンドイッチパネル、サンドイッチパネルの施工方法、及びサンドイッチパネルの接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍冷蔵倉庫等の建物やコンテナにおいて、断熱性に優れるウレタン系断熱材などの有機系断熱材を金属板で挟んだサンドイッチパネルが、断熱パネルとして外壁や建物の内部を区画する壁材として広く用いられている。従来、このような有機系断熱材を用いた断熱パネルを複数並べ、断熱パネルの端部どうしを嵌合させる嵌合部を介して接合させて壁として提供されている。また、嵌合部には、石膏ボードが設けられている。石膏ボードは、ビスによって断熱パネルに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61-57736号公報
【特許文献2】実公昭61-15122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
断熱パネルの嵌合部に不燃ボードを設け、ビスによって固定する場合、金属板においてビスやビス孔が露出していた。そのため、断熱パネルのデザイン性を損ね、意匠性が低くなるという問題があった。また、有機系断熱材を挟む金属板は、断熱パネルの厚さ方向における強度が低いという問題があった。
【0005】
上記問題に鑑み、本発明の一実施形態では、意匠性に優れるとともに、強度が向上した断熱パネルを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る断熱パネルは、第1面及び第1面と反対側に第2面を有する断熱材本体と、断熱材本体の第1面に接する第1無機系不燃材料と、第1無機系不燃材料を覆い、第1無機系不燃材料の第1端面を外側から囲むように折り曲げられ、第1面と略平行な第1側面板部が形成され、先端が第1無機系不燃材料の第1端面に略平行な第1折曲部が形成されるように折り曲げられた第1金属板と、第2面側を覆い、断熱材本体の第1端面を外側から囲むように折り曲げられ、第2面と略平行な第2側面板部が形成され、先端が断熱材本体の第1端面に略水平な第2折曲部が形成されるように折り曲げられた第2金属板と、第1金属板と第2金属板とを固定する固定具と、を有する。
【0007】
上記断熱パネルにおいて、第1金属板は、第1折曲部に設けられた第1切り欠き部を有し、第2金属板は、第2折曲部に設けられた第2切り欠き部を有し、第1切り欠き部及び第2切り欠き部は、互いに対向する。
【0008】
上記断熱パネルにおいて、第1折曲部は、第1無機系不燃材料の第1端面に略平行に第1面側へ略垂直に折り曲げられ、第2折曲部は、断熱材本体の第1端面に略平行に第2面側へ略垂直に折り曲げられる。
【0009】
上記断熱パネルにおいて、固定具は、中間部と、中間部の両端に接続して設けられた折り返し部と、を有し、中間部と折り返し部との間の一方に第1折曲部が挟み込まれ、他方に第2折曲部が挟み込まれる。
【0010】
上記断熱パネルにおいて、第1側面板部と第2側面板部との間に、固定具の中間部に接するように設けられた第1不燃ボードをさらに有する。
【0011】
上記断熱パネルにおいて、第1折曲部は、第1無機系不燃材料の第1端面に略平行に第2面側へ略垂直に折り曲げられ、第2折曲部は、断熱材本体の第1端面に略平行に第1面側へ略垂直に折り曲げられる。
【0012】
上記断熱パネルにおいて、固定具は、中間部と、中間部の両端に接続して設けられた第1折り返し部と、第2折り返し部と、を有し、
中間部の両端における第1折り返し部と第2折り返し部との間に、第1折曲部及び第2折曲部が設けられる。
【0013】
上記断熱パネルにおいて、第1側面板部と第2側面板部との間に、第1折曲部及び第2折曲部に接するように設けられた第1不燃ボードをさらに有する。
【0014】
上記断熱パネルにおいて、第1側面板部と第1無機系不燃材料との間に設けられた補強鋼板をさらに有する。
【0015】
本発明の一実施形態に係る断熱パネルの接合構造は、上記に記載の断熱パネルを幅方向に複数並べて接合された断熱パネルの接合構造であって、隣接する断熱パネルのうち、一方の断熱パネルの第1不燃ボードと、他方の断熱パネルの第2不燃ボードと接するように、第3不燃ボードが設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態によれば、断熱パネルの表面にビス及びビス孔を設ける必要がないため、断熱パネルの意匠性を向上させることができる。また、断熱パネルの厚さ方向における機械的強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る断熱パネルの施工方法によって施工された断熱構造体を示す斜視図である。
図2】(A)本発明の一実施形態に係る断熱パネルを示す平面図である。(B)断熱パネルをA1-A2線に沿って切断したときの端面図である。
図3】(A)断熱パネルを第3方向から見たときの固定具の形状を示す図である。(B)断熱パネルを、第2方向において不燃ボードから見たときの固定具の形状を示す図である。(C)断熱パネルを、第2方向において断熱材本体から見たときの固定具の形状を示す図である。
図4】2つの金属板が対向している様子を示す斜視図である。
図5】(A)2つの金属板を、第2方向において断熱材本体から見たときの図である。(B)2つの金属板を、第3方向から見たときの図である。
図6】(A)2つの金属板を、第2方向において断熱材本体から見たときの図である。(B)2つの金属板を、第3方向から見たときの図である。
図7】(A)2つの金属板を、第2方向において断熱材本体から見たときの図である。(B)2つの金属板を、第3方向から見たときの図である。
図8】(A)本発明の一実施形態に係る断熱パネルを複数並べて接合したときの平面図である。(B)本発明の一実施形態に係る断熱パネルを複数並べて接合したときの端面図である。
図9】(A)本発明の一実施形態に係る断熱パネルを示す平面図である。(B)断熱パネルをA1-A2線に沿って切断したときの端面図である。
図10】(A)断熱パネルを第3方向から見たときの固定具の形状を示す図である。(B)断熱パネルを、第2方向において不燃ボードから見たときの固定具の形状を示す図である。(C)断熱パネルを、第2方向において断熱材本体から見たときの固定具の形状を示す図である。
図11】2つの金属板が対向している様子を示す斜視図である。
図12】(A)2つの金属板を、第2方向において断熱材本体から見たときの図である。(B)2つの金属板を、第3方向から見たときの図である。
図13】(A)2つの金属板を、第2方向において断熱材本体から見たときの図である。(B)2つの金属板を、第3方向から見たときの図である。
図14】(A)2つの金属板を、第2方向において断熱材本体から見たときの図である。(B)2つの金属板を、第3方向から見たときの図である。
図15】(A)本発明の一実施形態に係る断熱パネルの平面図である。(B)本発明の一実施形態に係る断熱パネルを複数並べて接合したときの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の趣旨を保っての適宜変更によって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(又は数字の後にA、Bなどを付した符号)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。さらに各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
【0019】
(第1実施形態)
本発明の一実施形態に係る断熱パネルについて、図1図8を参照して説明する。
【0020】
[1.概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100の施工方法によって施工された断熱構造体1000を示す斜視図である。図1に示す断熱構造体1000は、例えば、冷凍冷蔵倉庫やコンテナに施工されるものである。断熱構造体1000は、複数の断熱パネル100_1~100_4を備えている。以降の説明において、断熱パネル100_1~100_4は、配置箇所が異なること以外は同じ構造を有する。そのため、断熱パネル100_1~100_4を区別して説明する必要がない場合には、単に断熱パネル100と記載する。
【0021】
断熱構造体1000は、断熱パネル100_1~100_4を左右方向(図1においては、第2方向D2)に並べて配置される。例えば、冷凍冷蔵倉庫の建物の屋内において、隣接する断熱パネル100は、不燃ボード146を用いて接合されている。例えば、断熱パネル100_1は、接合に用いる不燃ボード146によって断熱パネル100_2と接続されている。また、断熱パネル100_1と断熱パネル100_2との隙間には、シール材110a、110bが充填されている。
【0022】
以下、断熱パネル100の構造について詳細に説明する。
【0023】
[2.断熱パネルの構造]
図2(A)は、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100の平面図であり、図2(B)は、断熱パネル100を、A1-A2線に沿って切断したときの端面図である。図2(A)に示す断熱パネル100の平面図において、室外又は屋外における面を示している。図2(B)に示す端面図において、上側が室外又は屋外における面であり、下側が室内又は屋内における面を示している。以降の図面において、断熱パネル100において、第1方向D1に沿う長さを厚さT1とし、第2方向D2に沿う長さを幅W1とし、第3方向D3に沿う長さを高さH1とする。また、各図面に示した座標軸は、第1方向D1、第2方向D2、及び第3方向D3を示しており、矢印が向かう方向を正(+)方向で示している。また、第1方向D1、第2方向D2、及び第3方向D3のそれぞれに対して反対方向を、負(-)方向とも呼び、-第1方向D1、-第2方向D2、及び-第3方向D3と記載する。各方向(D1、D2、D3)の関係を直交とするが、各構成の配置関係が必ずしも直交するものに限定されない。
【0024】
断熱パネル100は、厚さT1と、厚さT1よりも大きい寸法の幅W1及び高さH1を有する矩形板状である。断熱パネル100の厚さT1は、50mm~300mm、50mm~200mm、又は50mm~100mmである。断熱パネル100の幅Wは、100mm~1200mm、500mm~1200mm、又は800mm~1200mmである。断熱パネル100の高さH1は、100mm~16000mm、1000mm~16000mm、又は5000mm~16000mmである。本実施形態では厚さTは50mmである。断熱パネル100の幅W1方向の両端は接合部102b、102cであり、断熱パネル100の接合部102b、102cを除いた箇所は、一般部102aである。接合部102b、102cは、隣り合う断熱パネル100を接合するための箇所である。
【0025】
断熱パネル100は、断熱材本体112、無機系不燃材料114、116、118、一対の金属板122、124、補強鋼板132、134、不燃ボード142、144を含んで構成される。断熱パネル100の幅W1は、金属板122又は金属板124の幅に相当し、高さH1は、金属板122又は金属板124の高さに相当し、厚さT1は、金属板122、124、断熱材本体112、無機系不燃材料118の厚さの合計に相当する。
【0026】
断熱材本体112は、例えば、ウレタン系断熱材などの様々な有機系断熱材で構成されている。断熱材本体112は、第1面112a、第1面112aと反対側の第2面112b、側面112c、及び側面112dを有する。断熱材本体112は、第1面112aと連続する側面112cよりも第2方向D2に突出した突出部112eを有し、第1面112aと連続する側面112dよりも-第2方向D2に突出した突出部112fを有している。突出部112e、112fは、断熱材本体112と一体的に形成されている。断熱材本体112は、断熱パネル100における第1方向D1に沿った厚さと、第2方向D2に沿った幅W1、W2と、第3方向D3に沿った高さとを有する矩形板状である。断熱材本体112の幅W1、W2と高さは、断熱材本体112の厚さよりも大きい。また、断熱材本体112の第1面112aの幅W1は、第2面112bの幅W2よりも小さい。断熱材本体112の第2面112bの幅W2は、概ね断熱パネル100の幅Wと略同一である。また、接合部102bの幅は、側面112cよりも突出した突出部112eの幅、又は無機系不燃材料114の幅に相当する。また、接合部102cの幅は、側面112dよりも突出した突出部112fの幅、又は無機系不燃材料116の幅に相当する。
【0027】
無機系不燃材料114、116、118は、例えば、生体溶解繊維、ロックウール、グラスウール、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、繊維混入石膏板又は石膏板などの様々な材料で構成されている。本実施形態では、無機系不燃材料114、116は、ロックウールで構成され、無機系不燃材料118は、石膏板で構成される。無機系不燃材料114、116、118は、有機系断熱材に比べて不燃性に優れる様々な材料を使用できる。無機系不燃材料114は、断熱材本体112の第1面112a側の側面112cに、突出部112eと-第1方向D1に離間して設けられる。無機系不燃材料116は、断熱材本体112の第1面112a側の側面112dに、突出部112fと-第1方向D1に離間して設けられる。無機系不燃材料118は、断熱材本体112の第1面112a側に設けられる。無機系不燃材料118は、端面118a、118bを有する。無機系不燃材料118は、断熱材本体112、無機系不燃材料114、無機系不燃材料116に接して設けられる。言い換えると、断熱パネル100の第1面112a側に無機系不燃材料114、116、118が設けられ、第2面112b側に断熱材本体112の突出部112e、112fが設けられる。無機系不燃材料114、116、118は、断熱パネル100の第1方向D1に沿った厚さと、断熱パネル100の第2方向D2に沿った幅と、断熱パネル100の第3方向に沿った高さを有する矩形板状である。本実施形態では、無機系不燃材料114、116、118をそれぞれ異なる部材であるとして説明するが、本発明の一実施形態はこれに限定されない。無機系不燃材料114、116、118が一体的に構成されていてもよい。無機系不燃材料114の幅は突出部112eの幅と略同一である。無機系不燃材料116の幅は突出部112fの幅と略同一である。また、無機系不燃材料118の幅は、断熱材本体112の幅W2と略同一である。なお、無機系不燃材料114、116は設けなくてもよく、無機系不燃材料114、116に代えて断熱材本体112が設けられていてもよい。
【0028】
補強鋼板132は、側面板部122cと無機系不燃材料114との間に設けられる。また、補強鋼板134は、側面板部122eと無機系不燃材料116との間に設けられる。補強鋼板132、134は、鉄板など、様々な材料が使用可能である。補強鋼板132、134の厚さは、金属板122、124の厚さよりも大きく、0.8mm~1.6mm程度である。本実施形態では、補強鋼板132、134の厚さは、1.6mmである。補強鋼板132、134は、断熱パネル100の第1方向D1に沿った厚さと、断熱パネル100の第2方向D2に沿った幅と、断熱パネル100の第3方向に沿った高さを有する矩形板状である。補強鋼板132の幅は、無機系不燃材料114を配置する際の調整代を設けるため無機系不燃材料114の幅よりも短く、補強鋼板134の幅は、補強鋼板132と同様に無機系不燃材料116の幅よりも短い。補強鋼板132の幅は、無機系不燃材料114の幅と略同一であってもよく、補強鋼板134の幅は、無機系不燃材料116の幅と略同一であってもよい。補強鋼板132、134を用いることにより、断熱パネル100の強度を向上させることができる。なお、断熱パネル100において、補強鋼板132、134は、省略されてもよい。
【0029】
金属板122、124は、ガルバリウム鋼板(登録商標)、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板など、様々な材料が使用可能である。ガルバリウム鋼板(登録商標)は、鋼板の周面がメッキ層によって覆われた構成である。ガルバリウム鋼板(登録商標)は、メッキ層を亜鉛及びアルミニウムの合金で構成することで、鋼板の腐食を防止している。金属板122、124の厚さは、補強鋼板132、134よりも薄く、0.3mm~2.3mm程度である。本実施形態では、補強鋼板132、134の厚さは0.4mmである。
【0030】
金属板122は、本体板部122aと、端面板部122b、122dと、側面板部122c、122eと、折曲部122f、122gと、を有する。金属板122は、無機系不燃材料118を覆い、無機系不燃材料118の端面118a、118bを外側から囲み、断面視でコの字形形成するように、2回折り曲げられている。換言すると、金属板122は、無機系不燃材料118を覆い、無機系不燃材料118の端面118aを外側から囲むように折り曲げられ、第1面112aと略平行な側面板部122cが形成され、先端が無機系不燃材料の端面118aに略平行な折曲部122fが形成されるように折り曲げられている。また、金属板122は、無機系不燃材料118の端面118bを外側から囲むように折り曲げられ、第1面112aと略平行な側面板部122eが形成され、先端が無機系不燃材料の端面118bに略平行な折曲部122gが形成されるように折り曲げられている。
【0031】
金属板124は、本体板部124aと、端面板部124b、124dと、側面板部124c、124eと、折曲部124f、124gと、を有する。金属板124は、断熱材本体112の第2面112bを覆い、断熱材本体112の端面112g、112hを外側から囲み、断面視でコの字形形成するように、2回折り曲げられた端部を有する。換言すると、金属板124は、第2面112b側を覆い、断熱材本体112の端面112gを外側から囲むように折り曲げられ、第2面112bと略平行な側面板部124cが形成され、先端が断熱材本体112の端面112gに略水平な折曲部124fが形成されるように折り曲げられている。金属板124は、断熱材本体112の端面112hを外側から囲むように折り曲げられ、第2面112bと略平行な側面板部124eが形成され、先端が断熱材本体112の端面112hに略水平な折曲部124gが形成されるように折り曲げられている。
【0032】
金属板122、124を用いることにより、断熱パネル100が変形、変色、又は劣化などの変質してしまうことを抑制することができる。また、断熱パネル100の見栄えが良くなるなどの意匠性が向上する。
【0033】
金属板122において、本体板部122aは、無機系不燃材料118を覆っている。端面板部122bは、本体板部122aの端部と接続されて屈曲しており、少なくとも無機系不燃材料118の端面118aを覆っている。側面板部122cは、端面板部122bの本体板部122aと接続される端部と逆の端部と接続されて屈曲しており、補強鋼板132の上面(補強鋼板132が無機系不燃材料114と接する面と反対側の面)を覆っている。折曲部122fは、端面板部122bと平行に第1面112a側へ略垂直に折り曲られている。具体的には、折曲部122fは、端面板部122bと対向するように設けられている。折曲部122fの第1方向D1における長さは、無機系不燃材料114の厚さよりも小さくてもよい。端面板部122dは、本体板部122aの端部と接続されて屈曲しており、少なくとも無機系不燃材料118の端面118bを覆っている。側面板部122eは、端面板部122dの本体板部122aと接続される端部と逆の端部と接続されて屈曲しており、補強鋼板134の上面(補強鋼板134が無機系不燃材料116と接する面と反対側の面)を覆っている。折曲部122gは、端面板部122dと平行になるように設けられている。具体的には、折曲部122gは、端面板部122dと対向するように設けられている。折曲部122gの第1方向D1における長さは、無機系不燃材料116の厚さよりも小さくてもよい。本体板部122aは、無機系不燃材料118の第2方向D2に平行な面と接している。側面板部122cは無機系不燃材料114の第2方向D2に平行な面と接し、側面板部122eは無機系不燃材料116の第2方向D2に平行な面と接している。端面板部122bは無機系不燃材料114、118の第1方向D1に平行な面と接し、端面板部122dは無機系不燃材料116、118の第1方向D1に平行な面と接している。
【0034】
金属板124において、本体板部124aは、断熱材本体112を覆っている。端面板部124bは、本体板部124aの端部と接続されて屈曲しており、突出部112eの端面112gを覆っている。また、側面板部124cは、端面板部124bの本体板部124aと接続される端部と逆の端部と接続されて屈曲しており、突出部112eの下面(突出部112eが無機系不燃材料114と対向する面)を覆っている。折曲部124fは、端面板部124bと平行に第2面112b側へ略垂直に折り曲られている。具体的には、折曲部124fは、端面板部124bと対向するように設けられている。折曲部124fの第1方向D1における長さは、無機系不燃材料114の厚さよりも小さくてもよい。また、折曲部124fの第1方向D1における長さは、折曲部122fの第1方向D1における長さと略同一であってもよい。また、端面板部124dは、本体板部124aの端部と接続されて屈曲しており、突出部112fの端面112hを覆っている。また、側面板部124eは、端面板部124dの本体板部124aと接続される端部と逆の端部と接続されて屈曲しており、突出部112fの下面(突出部112fが無機系不燃材料116と対向する面)を覆っている。折曲部124gは、端面板部124dと平行になるように設けられている。具体的には、折曲部124gは、端面板部124dと対向するように設けられている。折曲部124gの第1方向D1における長さは、無機系不燃材料116の厚さよりも小さくてもよい。また、折曲部124gの第1方向D1における長さは、折曲部122gの第1方向D1における長さと略同一であってもよい。本体板部124a、は、断熱材本体112の第2方向D2に平行な面と接している。側面板部124cは断熱材本体112の突出部112eの第2方向D2に平行な面と接し、側面板部124eは断熱材本体112の突出部112fの第2方向D2に平行な面と接している。端面板部124bは断熱材本体112の突出部112eの第1方向D1に平行な面と接し、124dは断熱材本体112の突出部112fの第1方向D1に平行な面と接している。
【0035】
金属板122、124は、側面板部122c、122eと、側面板部124c、124eとが対向するように設けられている。折曲部122fと折曲部124fとは、第1方向D1において並んで配置される。折曲部122gと折曲部124gとは、第1方向D1において並んで配置される。折曲部122fと折曲部124fとを固定するように固定具152が設けられている。また、折曲部122gと折曲部124gとを固定するように固定具154が設けられている。固定具152は、一端が折曲部122fと嵌合し、他端が折曲部124fと嵌合する。また、固定具154は、一端が折曲部122gと嵌合し、他端が124gと嵌合する。
【0036】
断熱パネル100では、突出部112eに接する端面板部124b及び側面板部124cと、断熱材本体112の側面112cと、補強鋼板132に接する側面板部122cと、により凹部104aが構成される。また、突出部112fに接する端面板部124d及び側面板部124eと、断熱材本体112の側面112dと、補強鋼板134に接する側面板部122eと、により凹部104bが構成される。凹部104a、104bは、断熱パネル100の第3方向D3の全長にわたって溝状に延在している。本実施形態では、断熱パネル100の凹部104aに、不燃ボード142が設けられる。不燃ボード142は、側面板部122cと側面板部124cとの間に、固定具152の中間部に接するように設けられている。凹部104bには、不燃ボード144が設けられる。不燃ボード144は、側面板部122eと側面板部124eとの間に、固定具154の中間部に接するように設けられている。
【0037】
不燃ボード142は、金属板122、124を構成する鋼材に比べて熱伝導率が低く、硬質の石膏ボードや珪酸カルシウム板などの無機系材料を使用可能である。特に、石膏ボードを用いると、火災時に不燃ボード142に含まれる水分(結晶水)が放出されて、断熱パネル100の温度上昇を抑制することができる。不燃ボード142は、断熱パネル100の第1方向D1に沿った厚さと、断熱パネル100の第2方向D2に沿った幅と、断熱パネル100の第3方向D3に沿った高さを有する矩形板状である。不燃ボード142の幅は、隣接させる断熱パネル100との距離に応じて適宜決定される。不燃ボード142の幅は、30mm~100mm、50mm~100mm、又は65mm~85mmである。本実施形態では、不燃ボード142の幅は、75mmである。不燃ボード142の厚さは、断熱パネル100の厚さTや、凹部104aの形状、及び補強鋼板132、134の厚さに応じて適宜決定される。不燃ボード142の厚さは、3mm~30mm、5mm~20mm、又は8mm~15mmである。不燃ボード142の厚さは、例えば、火災時の金属板122、124の側面板部122c、122e、124c、124eを含む第2方向D2の端部の開きや変形を阻止するために、5mm~15mm程度が好ましい。本実施形態では、断熱パネルの厚さTを50mmとし、不燃ボード142の厚さを、9.5mmとしている。
【0038】
図3(A)~図3(C)は、固定具152の形状を説明する図である。図3(A)は、断熱パネル100を第3方向D3から見たときの固定具152の形状を示す図であり、図3(B)は、断熱パネル100を、第2方向D2において不燃ボード142から見たときの固定具152の形状を示す図であり、図3(C)は、断熱パネル100を、第2方向D2において断熱材本体112から見たときの固定具152の形状を示す図である。なお、図示を省略するが、固定具154は、固定具152と同様の形状及び寸法を有している。
【0039】
図3(A)に示すように、固定具152は、中間部152a、中間部152aに接続されて設けられた接続部152b、152c、接続部152b、152cに接続されて設けられた折り返し部152d、152eを有する。固定具152の寸法として、接続部152b、152c間の長さをR1、折り返し部152d、152e間の長さをR2、接続部152b、152cの外形高さをR4、接続部152b、152cの内径高さをR3とする。また、接続部152b、152cのそれぞれの長さをR5とする。
【0040】
固定具152の厚さを1.0mmとする。長さR1は、折曲部122fの第1方向D1における長さと、折曲部124fの第1方向D1における長さと、不燃ボード142の第1方向D1における長さの合計よりも大きければよい。長さR2は、不燃ボード142の第1方向D1における長さと、金属板122、124の厚さの合計よりも大きければよい。また、長さR3は、金属板122、124の厚さよりも大きければよい。また、長さR4は、中間部152aの厚さと、折り返し部152dの厚さと、長さR3の合計である。
【0041】
図3(B)、図3(C)に示すように、断熱パネル100を、第2方向D2において不燃ボード142から見たとき、中間部152aの中央には、貫通孔152fが設けられている。貫通孔152fには、ロッドが差し込まれる。貫通孔152fの直径R7は、ロッドの直径に合わせて適宜設定される。また、長さR8は、中間部152aの第1方向D1における長さである。
【0042】
本実施形態では、長さR1を22.5mm、長さR2を12.5mm、長さR3を2mm、長さR4を4mm、長さR5を6mm、長さR6を5mmとする。また、貫通孔の直径R7をM3タップ穴、R8を、24.5mmとする。本発明の一実施形態はこれに限定されず、固定具152の寸法は、折曲部122f、124f、金属板122、124の厚さ、及び不燃ボード142の厚さなどにより、適宜設定すればよい。
【0043】
固定具152における中間部152aと折り返し部152dとの間に、金属板122の折曲部122fが挟み込まれ、中間部152aと折り返し部152eとの間に、金属板124の折曲部124fが挟み込まれる。これにより、金属板122と金属板124とを、固定具152によって固定することができる。
【0044】
次に、金属板122と金属板124とを、固定具152によって固定する方法について、図4図7を参照して説明する。以降の説明において、接合部102bにおける構造に着目して説明する。接合部102cにおける構造は接合部102bと同様であるため、金属板122と金属板124とを、固定具154によって固定する方法の詳細な説明は省略する。
【0045】
図4は、金属板122と金属板124とが対向している様子を示す斜視図である。図4では、説明のわかりやすさのため、金属板122、124以外の構成要素を図示していない。本体板部122aと本体板部124aとの間には、本体板部122aと本体板部124aとの高さを維持するために、無機系不燃材料が設けられていてもよく、側面板部122cと側面板部124cとの間には、側面板部122cと側面板部124cとの間隔を維持するために、不燃ボード142が設けられていてもよい。側面板部122cと側面板部124cとの間隔は、固定具152の長さR6より大きく、長さR8より小さいことが好ましい。
【0046】
折曲部122fには、切り欠き部122hが設けられている。折曲部122fには、第3方向D3において、所定の間隔を空けて複数の切り欠き部122hが設けられていてもよい。また、折曲部124fには、切り欠き部124hが設けられている。折曲部124fには、第3方向D3において、所定の間隔を空けて複数の切り欠き部124hが設けられていてもよい。切り欠き部122hと切り欠き部124hは、第1方向D1において並んで配置されるように設けられる。切り欠き部122hと切り欠き部124hとは、互いに対向する位置に設けられる。切り欠き部122h、124hは、固定具152が折曲部122f、124fを挟み込むために設けられる。切り欠き部122hの第3方向D3における長さは、例えば、固定具154の長さR8よりも長いことが好ましい。
【0047】
次に、折曲部122f、124fを、固定具152によって固定する方法について、図5(A)~図7(B)を参照して説明する。
【0048】
図5(A)、図6(A)、図7(A)は、金属板122と金属板124とを、第2方向D2において断熱材本体112から見たときの図である。図5(B)、図6(B)、図7(B)は、金属板122と金属板124とを、第3方向D3から見たときの図である。
【0049】
図5(B)に示すように、固定具152の貫通孔152fには、ロッド150が差し込まれている。側面板部122cと側面板部124cとの隙間に、ロッド150を用いて、固定具152を-第2方向D2に差し込む。その後、ロッド150を用いて、固定具152を、第2方向D2を軸にして90°回転させる。
【0050】
図6(B)に示すように、固定具152の折り返し部152d、152eと、折曲部122f、124fとは平行な状態となる。この状態で、中間部152aと折り返し部152dとの間に折曲部122fを挟み込み、中間部152aと折り返し部152eとの間に折曲部124fを挟み込む。
【0051】
図7(A)に示すように、折曲部122fは、固定具152の中間部152aと折り返し部152dの隙間に挟まれ、折曲部124fは、固定具152の中間部152aと折り返し部152eの隙間に挟まれている。この状態で、ロッド150を用いて固定具152を、第3方向D3にスライドさせる。これにより、固定具152を折曲部122f、124fの任意の位置まで移動させることができる。最後に、ロッド150を、貫通孔152fから引き抜く。
【0052】
以上の工程により、固定具152を、折曲部122f、124fに固定することができる。折曲部122f、124fにおいて、切り欠き部152h、154hを設けることにより、金属板122、124の内部において固定具152を回転させることができる。また、切り欠き部152h、154hの端部から固定具152を挟み込むことで、金属板122、124の位置を固定することができる。第3方向D3に延在する折曲部122f、124fにおいて、所定の間隔で固定具152を設けることにより、金属板122、124をより強固に固定することができる。なお、切り欠き部152h、154hの数と、固定具152の数とは同じではなくてもよい。固定具152の数よりも、切り欠き部152h、154hの数が少なくてもよい。
【0053】
なお、接合部102cにおいても、図5(A)~図7(B)に示した方法と、同様の方法によって、固定具154を、折曲部122g、124gに固定することができる。
【0054】
金属板122、124、及び固定具152、154によってできた空間に、無機系不燃材料114、116、118を配置する。また、無機系不燃材料114と側面板部122cとの間に補強鋼板132を配置してもよく、無機系不燃材料116と側面板部122eとの間に補強鋼板134を配置してもよい。金属板122、124,固定具152、154、及び無機系不燃材料118によってできた空間に、有機系断熱材を注入することで断熱材本体112が形成される。以上の工程により、断熱パネル100を製造することができる。
【0055】
断熱パネルの嵌合部に不燃ボードを設け、ビスによって固定する場合、金属板においてビスやビス孔が露出していた。そのため、断熱パネルのデザイン性を損ね、意匠性が低くなるという問題があった。また、有機系断熱材を挟む金属板は、断熱パネルの厚さ方向における強度が低いという問題があった。
【0056】
本発明の一実施形態に係る断熱パネル100は、ビスなどの連結具による機械的な固定が不要となる。そのため、金属板122、124にビスやビス孔を不要にすることができる。断熱パネルのデザイン性を向上させ、意匠性を向上させることができる。また、金属板122、124に形成されたビス孔から水分が侵入することを抑制することができるため、腐食を抑制することができる。また、金属板122、124において、第1方向D1に折り曲げられた折曲部122f、122g、折曲部124f、124gが設けられている。これにより、断熱パネル100に第1方向D1から圧力が加わった場合であっても、曲げに対する強度を向上させることができる。
【0057】
[3.断熱パネルの接合構造及び施工方法]
次に、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100の接合構造および施工方法について、図8を参照して説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100_1、100_2を隣接させて接合させたときの断熱構造体1000である。
【0058】
図8(A)は、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100を複数並べて接合したときの接合構造の平面図である。図8(B)は、接合された複数の断熱パネル100_1、100_2の接合部102b、102cをB1-B2線に沿って切断したときの端面図である。
【0059】
断熱パネル100_1、100_2は、厚さT及び幅Wを、水平方向に向けて、高さHを鉛直方向に向けて、第2方向D2に並べられている。つまり、断熱パネル100_1の端面板部122b、124bと、断熱パネル100_2の端面板部122d、124dとが対向するように配置されている。断熱パネル100_1の凹部104aと断熱パネル100_2の凹部104bには、不燃ボード146が嵌め込まれている。なお、不燃ボード146は、断熱パネル100_1、100_2の第3方向D3の全長にわたって設けられている。なお、図8(A)において、断熱パネル100_1、100_2に示す点線は、不燃ボード142、144、146が設けられる位置を示している。
【0060】
また、隣接する断熱パネル100_1と断熱パネル100_2との間隙には、シール材110a、110bが充填されている。シール材110a、110bとして、シリコーン系のシール材等、耐火性及び防水性を有する様々なシール材が使用可能である。
【0061】
本発明の一実施形態に係る断熱パネル100_1、100_2の接合構造では、金属板122、124が固定具152、154によって固定されている。これにより、火災が発生した場合であっても、金属板122、124の側面板部122c、124c、122e、124eの変形を抑制することができる。したがって、火災が生じた側の金属板122、124の側面板部122c、124c、122e、124eを含む第2方向D2の端部の開きや変形を阻止することができる。
【0062】
また、本実施形態では、不燃ボード142、144、146は水分を含んで構成されている。そのため、火災が発生した場合、その熱が断熱パネル100の第2方向D2における端部の接合部102b、102cにおいて不燃ボード142、144、146に伝達されても、不燃ボード142、144、146の水分を接合部102b、102cの周辺に放出させることができる。これにより、接合部102b、102cの温度上昇が所定の時間抑えられ、金属板122、124の側面板部122c、124c、122e、124eを含む第2方向D2の端部の開きや変形を阻止することができる。
【0063】
したがって、従来のように、接合部102b、102cの構成部材の間に熱変形による隙間が生じ、その隙間から有機系断熱材に熱や火炎が直接伝わり有機系断熱材が燃焼し延焼することを阻止することができる。あるいは、接合部102b、102cの箇所で金属板122、124が開く方向に変形するなどで、その変形箇所から内部の有機系断熱材に酸素が供給され、有機系断熱材が燃焼し延焼が進行することを阻止することができる。また、有機系断熱材を用いた断熱パネル100の火災事故を抑制することができる。
【0064】
また、断熱パネル100の屋内又は室内側には、無機系不燃材料114、116、118が設けられている。そのため、火災時は、金属板の側面板部を含む第2方向D2の開きや変形を阻止することができ、断熱パネル100の一般部102aの延焼を阻止することができる。
【0065】
また、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100は、予め接合部102bにおいて、不燃ボード142が固定されており、接合部102cには、不燃ボード144が固定された構成である。したがって、施工現場では、断熱パネル100_1の凹部104aに不燃ボード146を嵌合させ、隣接する断熱パネル100_2の凹部104bに不燃ボード146を嵌合させるだけでよい。その後、断熱パネル100_1と断熱パネル100_2との間隙をシール材110a、110bを充填すればよい。そのため、施工現場における施工時間を短縮することができる。
【0066】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に係る断熱パネル100とは一部異なる断熱パネル100Aの構成について、図9乃至図15を参照して説明する。なお、第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の箇所、部材に同一の符号を付してその説明を省略し、異なる箇所を重点的に説明する。
【0067】
[4.断熱パネルの構造]
図9(A)は、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100Aの平面図であり、図9(B)は、断熱パネル100を、C1-C2線に沿って切断したときの端面図である。本実施形態に係る断熱パネル100Aでは、接合部102b、102cの構成が、断熱パネル100の接合部102b、102cの構成と異なっている。具体的には、金属板122の折曲部122f、122g、及び金属板124の折曲部124f、124gの形状が、第1実施形態と異なっている。また、金属板122、124の折曲部122f、122g、124f、124gの形状により、固定具156、158の形状が、第1実施形態の固定具152、154の形状と異なっている。
【0068】
金属板122は、無機系不燃材料118の端面118a、118bに略平行に第2面112b側へ略垂直に折り曲げられた折曲部122f、122gを有する。金属板124は、断熱材本体112の端面112g、112hに略平行に第1面112a側へ略垂直に折り曲げられた折曲部124f、124gを有する。言い換えると、金属板122の折曲部122fは、側面板部122cに対して第1方向D1の方向に折り曲げられている。金属板124の折曲部124fは、側面板部124cに対して-第1方向D1の方向に折り曲げられている。側面板部122c、折曲部122f、側面板部124c、折曲部124fを覆うように、固定具154が設けられている。また、側面板部122e、折曲部122g、側面板部124e、折曲部124gを覆うように、固定具156が設けられている。
【0069】
固定具154は、第2方向D2において、突出部112eと同じ長さになるように設けられているが、これに限定されない。固定具154は、第2方向D2において、突出部112eの長さよりも短くても良いし、不燃ボード142の長さよりも短くてもよい。固定具156は、-第2方向D2において、突出部112fと同じ長さになるように設けられているが、これに限定されない。固定具156は、-第2方向D2において、突出部112fの長さよりも短くても良いし、不燃ボード144の長さよりも短くてもよい。
【0070】
図9(A)に示すように、接合部102bにおいて、不燃ボード142が設けられている。不燃ボード142は、側面板部122cと側面板部124cとの間に、折曲部122f、124fに接するように設けられている。不燃ボード142の幅は、突出部112e幅よりも小さい。不燃ボード142の幅は、10mm~40mm、10mm~30mm、又は10mm~20mmである。本実施形態では、不燃ボード144の幅は15mmである。
【0071】
接合部102cにおいて、凹部104bに及び不燃ボード144が設けられている。不燃ボード144は、側面板部122eと側面板部124eとの間に、折曲部122g、124gに接するように設けられている。不燃ボード144の幅は、突出部112fの幅よりも小さい。不燃ボード144の幅は、10mm~40mm、10mm~30mm、又は10mm~20mmである。本実施形態では、不燃ボード144の幅は15mmである。
【0072】
図10(A)~図10(C)は、固定具156の形状を説明する図である。図10(A)は、断熱パネル100を第3方向D3から見たときの固定具156の形状を示す図であり、図10(B)は、断熱パネル100を、第2方向D2において不燃ボード142から見たときの固定具156の形状を示す図であり、図10(C)は、断熱パネル100を、第2方向D2において断熱材本体112から見たときの固定具156の形状を示す図である。なお、図示を省略するが、固定具154は、固定具152と同様の形状及び寸法を有している。
【0073】
図10(A)に示すように、固定具156は、中間部156a、中間部156aに接続されて設けられた折り返し部156b、156cを有する。固定具156の寸法として、折り返し部156b、156c間の長さをR1、折り返し部156b、156cの外形高さをR4とする。
【0074】
固定具156の厚さを1cmとする。長さR1は、折曲部122fの第1方向D1における長さと、折曲部124fの第1方向D1における長さの合計よりも大きければよい。長さR4は、中間部156aの厚さと、折り返し部156bの第2方向D2における長さの合計である。
【0075】
図10(B)、図10(C)に示すように、断熱パネル100を、第2方向D2において不燃ボード142から見たとき、中間部156aの中央には、貫通孔156fが設けられている。貫通孔156fには、ロッドが差し込まれる。貫通孔156fの直径R7は、ロッドの直径に合わせて適宜設定される。長さR6は、折り返し部156bの第3方向D3における長さである。長さR8は、中間部156aの第1方向D1における長さである。
【0076】
本実施形態では、固定具156の厚さは、1.6mm、長さR1を12.6mm、長さR4を14.2mm、長さR6を9mm、長さR8を15.8mmとする。また、貫通孔の直径R7をM3タップ穴とする。本発明の一実施形態はこれに限定されず、折曲部122f、124f、金属板122、124の厚さ、及び不燃ボード142の厚さなどにより、適宜設定すればよい。
【0077】
固定具156における中間部156aと折り返し部156b、156cとによって形成される凹部に、側面板部122c、122e、及び折曲部122f、124fを嵌め込む。つまり、折り返し部156bと折り返し部156cとの間に、折曲部122fと折曲部124fが設けられる。これにより、金属板122と金属板124とを、固定具156によって固定することができる。
【0078】
次に、金属板122と金属板124とを、固定具156によって固定する方法について、図11図14を参照して説明する。以降の説明において、接合部102bにおける構造に着目して説明する。接合部102cにおける構造は、接合部102bと同様であるため、金属板122と金属板124とを、固定具158によって固定する方法の詳細な説明は省略する。
【0079】
図11は、金属板122と金属板124とが対向している様子を示す斜視図である。図11では、説明のわかりやすさのため、金属板122、124以外の構成要素を図示していない。本体板部122aと本体板部124aとの間には、本体板部122aと本体板部124aとの高さを維持するために、不燃ボード142が設けられていてもよい。側面板部122eと側面板部124cとの間隔は、固定具156の長さR1より小さく、折曲部122f、124fの第1方向D1における長さよりも大きいことが好ましい。
【0080】
折曲部122fには、切り欠き部122hが設けられている。折曲部122fには、第3方向D3において、所定の間隔を空けて複数の切り欠き部122hが設けられていてもよい。また、折曲部124fには、切り欠き部124hが設けられている。折曲部124fには、第3方向D3において、所定の間隔を空けて複数の切り欠き部124hが設けられていてもよい。切り欠き部122hと切り欠き部124hは、第1方向D1において並んで配置されるように設けられる。言い換えると、切り欠き部122hと切り欠き部124hとは、互いに対向する位置に設けられる。切り欠き部122h、124hは、固定具156が折曲部122f、124fを挟み込むために設けられる。切り欠き部122hの第3方向D3における長さは、例えば、固定具156の長さR8よりも長いことが好ましい。
【0081】
次に、折曲部122f、124fを、固定具156によって固定する方法について、図12(A)~図14(B)を参照して説明する。
【0082】
図12(A)、図13(A)、図14(A)は、金属板122と金属板124とを、第2方向D2において断熱材本体112から見たときの図である。図12(B)、図13(B)、図14(B)は、金属板122と金属板124とを、第3方向D3から見たときの図である。
【0083】
図12(B)に示すように、固定具156の貫通孔156fには、ロッド150が差し込まれている。側面板部122cと側面板部124cとの隙間に、ロッド150を用いて、固定具156を-第2方向D2に差し込む。このとき、固定具156の折り返し部156b、156cの端部が、折曲部122f、124fが設けられる位置よりも、-第2方向D2に位置するように差し込むことが好ましい。その後、ロッド150を用いて、固定具156を、-第2方向D2を軸にして90°回転させる。
【0084】
図13(B)に示すように、固定具156の折り返し部156b、156cの面が、側面板部122c、124cの面と平行な状態となる。この状態のまま、折り返し部156b、156cの間に、側面板部122c、124cが設けられるように、ロッド150を、第2方向D2に移動させる。
【0085】
図14(A)に示すように、折り返し部156b、156cの間に、側面板部122c、124cが設けられている。この状態で、ロッド150を用いて固定具156を、第3方向D3にスライドさせる。これにより、固定具156を折曲部122f、124fの任意の位置まで移動させることができる。最後に、ロッド150を、貫通孔152fから第2方向D2に引き抜く。
【0086】
以上の工程により、固定具156を、側面板部122c、124c、折曲部122f、124fに固定することができる。折曲部122f、124fにおいて、切り欠き部152h、154hを設けることにより、金属板122、124の内部において固定具156を回転させることができる。また、切り欠き部152h、154hの端部から、側面板部122c、124cを固定具152によって挟み込むことで、金属板122、124の位置を固定することができる。第3方向D3に延在する折曲部122f、124fにおいて、所定の間隔で固定具156を設けることにより、金属板122、124をより強固に固定することができる。なお、切り欠き部152h、154hの数と、固定具152の数とは同じなくてもよい。固定具152の数よりも、切り欠き部152h、154hの数が少なくてもよい。
【0087】
なお、接合部102cにおいても、図12(A)~図14(B)に示した方法と、同様の方法によって、固定具158を、折曲部122g、124gに固定することができる。
【0088】
金属板122、124、及び固定具156、154によってできた空間に、無機系不燃材料114、116、118を配置する。また、無機系不燃材料114と側面板部122cとの間に補強鋼板132を配置してもよく、無機系不燃材料116と側面板部122eとの間に補強鋼板134を配置してもよい。金属板122、124,固定具156、154、及び無機系不燃材料118によってできた空間に、有機系断熱材を注入することで断熱材本体112が形成される。以上の工程により、断熱パネル100Aを製造することができる。
【0089】
本発明の一実施形態に係る断熱パネル100Aは、ビスなどの連結具による機械的な固定が不要となる。そのため、金属板122、124にビスやビス孔を不要にすることができる。断熱パネルのデザイン性を向上させ、意匠性を向上させることができる。また、金属板122、124に形成されたビス孔から水分が侵入することを抑制することができるため、腐食を抑制することができる。また、金属板122、124において、第1方向D1に折り曲げられた折曲部122f、122g、折曲部124f、124gが設けられている。これにより、断熱パネル100に第1方向D1から圧力が加わった場合であっても、曲げに対する強度を向上させることができる。
【0090】
[5.断熱パネルの接合構造及び施工方法]
次に、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100Aの接合構造および施工方法について、図15を参照して説明する。図15(A)及び図15(B)は、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100A_1、100A_2を隣接させて接合させたときの接合構造である。
【0091】
図15(A)は、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100Aを複数並べて接合したときの接合構造の平面図である。図15(B)は、接合された複数の断熱パネル100A_1、100A_2の接合部102b、102cをD1-D2線に沿って切断したときの端面図である。
【0092】
断熱パネル100A_1、100A_2は、厚さT及び幅Wを、水平方向に向けて、高さHを鉛直方向に向けて、第2方向D2に並べられている。つまり、断熱パネル100A_1の端面板部122b、124bと、断熱パネル100A_2の端面板部122d、124dとが対向するように配置されている。断熱パネル100_1の凹部104aと断熱パネル100_2の凹部104bには、不燃ボード146が嵌め込まれている。なお、不燃ボード146は、断熱パネル100_1、100_2の第3方向D3の全長にわたって設けられている。なお、図15(A)において、断熱パネル100_1、100_2に示す点線は、不燃ボード142、144、146が設けられる位置を示している。
【0093】
また、隣接する断熱パネル100A_1と断熱パネル100A_2との間隙には、シール材110a、110bが充填されている。
【0094】
本発明の一実施形態に係る断熱パネル100_1、100_2の接合構造によれば、金属板122、124が固定具156、158によって固定されている。これにより、火災が発生した場合であっても、金属板122、124の側面板部122c、124c、122e、124eの変形を抑制することができる。したがって、火災が生じた側の金属板122、124の側面板部122c、124c、122e、124eを含む第2方向D2の端部の開きや変形を阻止することができる。
【0095】
また、本実施形態では、不燃ボード142、144、146は水分を含んで構成されている。そのため、火災が発生した場合、その熱が断熱パネル100の第2方向D2における端部の接合部102b、102cにおいて不燃ボード142、144、146に伝達されても、不燃ボード142、144、146の水分を接合部102b、102cの周辺に放出させることができる。これにより、接合部102b、102cの温度上昇が所定の時間抑えられ、金属板122、124の側面板部122c、124c、122e、124eを含む第2方向D2の端部の開きや変形を阻止することができる。
【0096】
したがって、従来のように、接合部102b、102cの構成部材の間に熱変形による隙間が生じ、その隙間から有機系断熱材に熱や火炎が直接伝わり有機系断熱材が燃焼し延焼することを阻止することができる。あるいは、接合部102b、102cの箇所で金属板122、124が開く方向に変形するなどで、その変形箇所から内部の有機系断熱材に酸素が供給され、有機系断熱材が燃焼し、延焼が進行することを阻止することができる。また、有機系断熱材を用いた断熱パネル100Aの火災事故を抑制することができる。
【0097】
また、断熱パネル100Aの屋内又は室内側には、無機系不燃材料114、116、118が設けられている。そのため、火災時は、金属板の側面板部を含む第2方向D2の開きや変形を阻止することができ、断熱パネル100Aの一般部102aの延焼を阻止することができる。
【0098】
また、本発明の一実施形態に係る断熱パネル100Aは、予め接合部102bにおいて、不燃ボード142が固定されており、接合部102cには、不燃ボード144が固定された構成である。したがって、施工現場では、断熱パネル100_1の凹部104aに不燃ボード146を嵌合させ、隣接する断熱パネル100_2の凹部104bに不燃ボード146を嵌合させるだけでよい。その後、断熱パネル100_1と断熱パネル100_2との間隙をシール材110a、110bを充填すればよい。そのため、施工現場における施工時間を短縮することができる。
【0099】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の断熱パネルを基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0100】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0101】
100、100A:断熱パネル、102a:一般部、102b、102c:接合部、104a、104b:凹部、110a、110b:シール材、112:断熱材本体、112a:第1面、112b:第2面、112c、112d:側面、112e:突出部、112f:突出部、114、116、118:無機系不燃材料、122:金属板、122a:本体板部、122b:端面板部、122c:側面板部、122d:端面板部、122e:側面板部、122f、122g:折曲部、122h:切り欠き部、124:金属板、124a:本体板部、124b:端面板部、124c:側面板部、124d:端面板部、124e:側面板部、124f、124g:折曲部、124h:切り欠き部、132、134:補強鋼板、142、144、146:不燃ボード、150:ロッド、152:固定具、152a:中間部、152b、152c:接続部、152d、152e:折り返し部、152f:貫通孔、154:固定具、154a:中間部、154b、154c:折り返し部、154d、154e:端部、154f:貫通孔、1000:断熱構造体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15