IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.の特許一覧 ▶ ソウル大学校産学協力団の特許一覧

特開2023-68623映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法
<>
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図1
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図2
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図3
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図4
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図5
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図6
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図7
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図8
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図9
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図10
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図11
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図12
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図13
  • 特開-映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068623
(43)【公開日】2023-05-17
(54)【発明の名称】映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/952 20060101AFI20230510BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20230510BHJP
   G01B 11/28 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
G01N21/952
G01B11/24 K
G01B11/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022161209
(22)【出願日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0148891
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0009361
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(71)【出願人】
【識別番号】513246872
【氏名又は名称】ソウル大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、エウイ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ミュン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】スン、ウー キュン
(72)【発明者】
【氏名】グ、ヒュン ヒー
(72)【発明者】
【氏名】ヨー、ジン イェオプ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュン ヒェオン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジン スー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハ ジェオン
(72)【発明者】
【氏名】ナム、ジェ ウーク
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジ スー
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ドン ケウン
(72)【発明者】
【氏名】イム、ミン ヒュク
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジュン ヒェオン
(72)【発明者】
【氏名】アン、クァン グク
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミュン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュン モ
【テーマコード(参考)】
2F065
2G051
【Fターム(参考)】
2F065AA30
2F065AA51
2F065AA52
2F065AA58
2F065AA59
2F065BB05
2F065GG12
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065QQ25
2F065QQ31
2F065QQ39
2G051AA90
2G051AB12
2G051CA04
2G051CB02
2G051EA11
2G051EA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンピュータビジョンを用いてコーティング工程映像を分析してコーティング層の厚さなどの形状指標を獲得することができる映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法を提供する。
【解決手段】測定装置は、コーティングされていない基材イメージを獲得し、基材イメージから設定された領域を有するテンプレートを生成する基材イメージ獲得部と、コーティングされた基材に対するコーティングイメージ獲得部と、基材イメージとコーティングイメージとの間のテンプレートマッチングを介して、コーティングイメージから基材の位置情報を獲得する基材位置獲得部と、コーティングイメージから基材に連結されていない成分を除去するイメージ前処理部と、基材の位置情報を用いて、コーティングイメージから基材イメージを除去するコーティング層イメージ獲得部と、コーティング層の形状指標を獲得するコーティング層分析部と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティングされていない基材に対する基材イメージを獲得し、前記基材イメージから設定された領域を有するテンプレートを生成する基材イメージ獲得部と、
前記基材がコーティングされた後、コーティングされた基材に対するコーティングイメージを獲得するコーティングイメージ獲得部と、
前記基材イメージと前記コーティングイメージとの間のテンプレートマッチングを介して、前記コーティングイメージから前記基材の位置情報を獲得する基材位置獲得部と、
前記コーティングイメージから前記基材に連結されていない成分を除去するイメージ前処理を行うイメージ前処理部と、
前記基材の位置情報を用いて、前記イメージ前処理を介したコーティングイメージから前記基材イメージを除去して、コーティング層イメージを獲得するコーティング層イメージ獲得部と、
前記コーティング層イメージからコーティング層の形状を分析してコーティング層の形状指標を獲得するコーティング層分析部と、を含む、ディップコーティング塗布形状の測定装置。
【請求項2】
前記基材イメージ獲得部において、
前記テンプレートは、前記基材が機器に結合される結合部を含む、請求項1に記載のディップコーティング塗布形状の測定装置。
【請求項3】
前記基材位置獲得部は、
前記テンプレートマッチングの前に、前記基材イメージ及び前記コーティングイメージを2値化してモノクロイメージに変換し、前記基材イメージと前記コーティングイメージのそれぞれのモノクロイメージに基づいて、前記テンプレートマッチングを行う、請求項1に記載のディップコーティング塗布形状の測定装置。
【請求項4】
前記基材位置獲得部は、
前記基材イメージの前記モノクロイメージから基材に該当する4つの頂点を検出し、前記基材の4つの頂点を用いて前記基材の位置情報を獲得する、請求項3に記載のディップコーティング塗布形状の測定装置。
【請求項5】
前記イメージ前処理部は、
前記コーティングイメージとコーティングプールとの間に流体が連結された毛細管ブリッジ(Capillary Bridge)の存在有無を判断し、前記毛細管ブリッジが破断された場合に前記イメージ前処理を行う、請求項1に記載のディップコーティング塗布形状の測定装置。
【請求項6】
前記イメージ前処理部において、
前記基材に連結されていない成分は、前記コーティングプールを含む、請求項5に記載のディップコーティング塗布形状の測定装置。
【請求項7】
前記コーティング層分析部において、
前記コーティング層の形状指標は、コーティング層の断面積及びコーティング層の体積を含む、請求項1に記載のディップコーティング塗布形状の測定装置。
【請求項8】
前記コーティング層分析部において、
前記コーティング層の断面積及び体積は、前記コーティング層を構成する全ての点が個数を求めて、これに基づいてピクセル単位断面積及びピクセル単位体積を求める、請求項7に記載のディップコーティング塗布形状の測定装置。
【請求項9】
コーティングされていない基材に対する基材イメージを獲得し、前記基材イメージから設定された領域を有するテンプレートを生成する第1段階と、
前記基材がコーティングされた後、コーティングされた基材に対するコーティングイメージを獲得する第2段階と、
前記基材イメージと前記コーティングイメージとの間のテンプレートマッチングを介して、前記コーティングイメージから前記基材の位置情報を獲得する第3段階と、
前記コーティングイメージから前記基材に連結されていない成分を除去するイメージ前処理を行う第4段階と、
前記基材の位置情報を用いて、前記イメージ前処理を介したコーティングイメージから前記基材イメージを除去して、コーティング層イメージを獲得する第5段階と、
前記コーティング層イメージからコーティング層の形状を分析してコーティング層の形状指標を獲得する第6段階と、を含む、ディップコーティング塗布形状の測定方法。
【請求項10】
前記第1段階において、
前記テンプレートは、前記基材が機器に結合される結合部を含む、請求項9に記載のディップコーティング塗布形状の測定方法。
【請求項11】
前記第3段階では、
前記テンプレートマッチングの前に、前記基材イメージ及び前記コーティングイメージを2値化してモノクロイメージに変換し、前記基材イメージと前記コーティングイメージのそれぞれのモノクロイメージに基づいて前記テンプレートマッチングを行う、請求項9に記載のディップコーティング塗布形状の測定方法。
【請求項12】
前記第3段階では、
前記基材イメージの前記モノクロイメージから基材に該当する4つの頂点を検出し、前記基材の4つの頂点を用いて前記基材の位置情報を獲得する、請求項11に記載のディップコーティング塗布形状の測定方法。
【請求項13】
前記第4段階では、
前記コーティングイメージとコーティングプールとの間に流体が連結された毛細管ブリッジ(Capillary Bridge)の存在有無を判断し、前記毛細管ブリッジが破断された場合に前記イメージ前処理を行う、請求項9に記載のディップコーティング塗布形状の測定方法。
【請求項14】
前記第4段階において、
前記基材に連結されていない成分は、前記コーティングプールを含む、請求項13に記載のディップコーティング塗布形状の測定方法。
【請求項15】
前記第6段階において、
前記コーティング層の形状指標は、コーティング層の断面積及びコーティング層の体積を含む、請求項9に記載のディップコーティング塗布形状の測定方法。
【請求項16】
前記第6段階において、
前記コーティング層の断面積及び体積は、前記コーティング層を構成する全ての点が個数を求めて、これに基づいてピクセル単位断面積及びピクセル単位体積を求める、請求項15に記載のディップコーティング塗布形状の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ディップコーティングは、チョコレート菓子から自動車部品に至るまで、非常に多様な形態の基材に溶液を塗布するために用いられる。最近では、微細な基材に複雑な流変物性を有する溶液を薄く均一に塗布する必要性が台頭しており、この場合、様々な工程条件に応じたコーティング層の形成過程を定量的に把握する必要がある。
【0003】
従来には、該当状況での塗布厚さの把握は、コーティングが完了した試料を検査することによって行われた。すなわち、従来には、有限深さディップコーティングにおいてコーティング層の厚さを評価するために、塗布が完了した基材を顕微鏡で観察する方法が用いられた。
【0004】
しかしながら、従来の方法は、工程後に別途の検査過程が必要であり、工程過程で起こる現象が把握できないという欠点がある。
【0005】
さらに、従来の方法は、有限深さディップコーティングにおいてコーティング層の変形を観察するための接近が行われていないという欠点がある。これにより、従来の方式では、経時によるコーティング層の変形が確認できないため、品質変化を即時に把握できないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2013-0060508号公報(公開日:2013.06.10)
【特許文献2】特開2002-086572号公報(公開日:2002.03.26)
【特許文献3】特開2019-071356号公報(公開日:2019.05.09)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一実施形態は、コンピュータビジョンを用いてコーティング工程映像を分析してコーティング層の厚さなどの形状指標を獲得することができる映像分析を用いたディップコーティング塗布形状の測定装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によって、コーティングされていない基材に対する基材イメージを獲得し、上記基材イメージから設定された領域を有するテンプレートを生成する基材イメージ獲得部と、上記基材がコーティングされた後、コーティングされた基材に対するコーティングイメージを獲得するコーティングイメージ獲得部と、上記基材イメージと上記コーティングイメージとの間のテンプレートマッチングを介して、上記コーティングイメージから上記基材の位置情報を獲得する基材位置獲得部と、
上記コーティングイメージから上記基材に連結されていない成分を除去するイメージ前処理を行うイメージ前処理部と、上記基材の位置情報を用いて、上記イメージ前処理を介したコーティングイメージから上記基材イメージを除去して、コーティング層イメージを獲得するコーティング層イメージ獲得部と、上記コーティング層イメージからコーティング層の形状を分析してコーティング層の形状指標を獲得するコーティング層分析部と、を含むディップコーティング塗布形状の測定装置が提案される。
【0009】
さらに、本発明の他の一実施形態によって、コーティングされていない基材に対する基材イメージを獲得し、上記基材イメージから設定された領域を有するテンプレートを生成する第1段階と、上記基材がコーティングされた後、コーティングされた基材に対するコーティングイメージを獲得する第2段階と、上記基材イメージと上記コーティングイメージとの間のテンプレートマッチングを介して、上記コーティングイメージから上記基材の位置情報を獲得する第3段階と、上記コーティングイメージから上記基材11に連結されていない成分を除去するイメージ前処理を行う第4段階と、上記基材の位置情報を用いて、上記イメージ前処理を介したコーティングイメージから上記基材イメージを除去して、コーティング層イメージを獲得する第5段階と、上記コーティング層イメージからコーティング層の形状を分析してコーティング層の形状指標を獲得する第6段階と、を含むディップコーティング塗布形状の測定方法が提案される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態に係ると、コンピュータビジョンを用いてコーティング工程映像を分析してコーティング層の厚さなどの形状指標を獲得することができるなど、塗布後のコーティング層が経時によって平坦化する現象を定量化することができ、工程条件よる塗布厚さを別途の検査過程なしに即時に把握することができるため、工程条件が製品の品質に及ぼす影響を効率的に把握することができる。
【0011】
本発明によると、多様な形状の基材及び多様なコーティング溶液に対して適用可能であり、3次元的基材にディップコーティングを用いる電池素材などの精密部品の生産工程などの技術分野に適用することができ、簡単な設備を用いて、3次元の基材に塗布されたコーティング層の経時による形状変化を測定することができる。
【0012】
さらに、本発明によると、コーティング工程を撮影した映像からコーティング層の形状を直接定量化することができるため、多様な条件に応じたコーティング層の形状を迅速に測定することができ、工程過程で経時によるコーティング層の変化を測定することができるため、最適の工程時間を導出するために用いることができる。
【0013】
また、基材に付着した流体は、経時によって平らに再分配されるため、コーティング層の平坦度及び工程の所要時間は、トレード-オフ(trade-off)関係を有するため、本発明を適用すると、経時によるコーティング層の平坦度を定量化して最適の工程時間を導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るディップコーティング塗布形状の測定装置の一例示図である。
図2】本発明の一実施形態に係るコーティング分析器の一例示図である。
図3】本発明の一実施形態に係るディップコーティング塗布形状の測定方法の一例示図である。
図4図3の詳細図である。
図5】基材イメージ及びコーティングイメージの例示図である。
図6】基材イメージ及びテンプレート領域の例示図である。
図7】基材の頂点検出過程に対する例示図である。
図8】毛細管ブリッジの破断判断過程に対する例示図である。
図9】毛細管ブリッジの存在及び不存在の例示図である。
図10】コーティング層の断面積計算の例示図である。
図11】コーティング層の体積計算の例示図である。
図12】動画のフレーム全体に適用した動画分析フローチャートである。
図13】動画の全てのフレームに対する分析結果によるコーティング層の断面積変化グラフである。
図14】動画の全てのフレームに対する分析結果によるコーティング層の体積変化グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明は説明される実施形態に限定されず、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、多様に変更され得ることが理解できる。
【0016】
なお、本発明の各実施形態において、一例として説明される構造、形状及び数値は、本発明の技術的事項の理解を助けるための例に過ぎないため、これに限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱せずに、多様に変更可能であることが理解できる。本発明の実施形態は、互いに組み合わせて、様々な新しい実施形態が行われる。
【0017】
そして、本発明に参照された図面において、本発明の全体内容に照らして実質的に同一の構成及び機能を有した構成要素は、同一符号を用いる。
【0018】
以下では、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るディップコーティング塗布形状の測定装置の一例示図である。
【0020】
図1を参照すると、ディップコーティング塗布形状の測定装置10は、基材11のコーティング層に対する分析のために、光源14、カメラ15及びコーティング形状測定器20を含むことができる。
【0021】
光源14は、上記コーティング形状測定器20の制御によって動作し、基材11に光を照射することができる。
【0022】
カメラ15は、上記コーティング形状測定器20の制御によって動作し、光源14の動作と同期でき、コーティングされていない基材11またはコーティングされた基材11を撮影して基材イメージまたはコーティングイメージを上記コーティング形状測定器20に提供することができる。
【0023】
一例として、コーティング形状測定器20は、制御器21及びコーティング分析器22を含むことができる。上記制御器21は、光源14及びカメラ15の動作を制御することができる。上記コーティング分析器22は、上記カメラ15から入力された基材イメージまたはコーティングイメージを用いてコーティング層を分析することができる。
【0024】
なお、図1において、11aは基材11のコーティング層であり、16はコーティングプール(coating pool)であり、16aはコーティング溶液である。
【0025】
例えば、本発明に適用された基材11は、円筒状のSiO基材となることができ、一例として、基材の直径は約3mmであることができる。コーティング溶液16aはシリコーンオイルであることができ、コーティング溶液の粘度は10,000cStであることができ、比重は0.975であることができる。
【0026】
一方、カメラ15を用いた基材11に対する撮影について例を挙げて説明すると、基材11のイメージを撮影した後、基材11を深さ1mmのコーティングプール16に1mm/sの速度で浸漬し、基材11がコーティングプール16の底に接してから2秒後に1mm/sの速度で基材11を引き出した。同時に約5分間コーティング層11aの変化を動画で撮影した後、基材11のコーティング層11aのピクセル単位断面積及びピクセル単位体積を計算し、この後にピクセル単位体積を実測単位体積に変換した後、実際に塗布されたコーティング層の体積と比較して長さ単位誤差率を計算した。これに対する詳細な説明は後述する。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係るコーティング分析器の一例示図である。
【0028】
図2を参照すると、コーティング分析器22は、基材イメージ獲得部100、コーティングイメージ獲得部200、基材位置獲得部300、イメージ前処理部400、コーティング層イメージ獲得部500、及びコーティング層分析部600を含むことができる。
【0029】
基材イメージ獲得部100は、コーティングされていない基材11に対する基材イメージM1を獲得し、上記基材イメージから設定された領域を有するテンプレートTPを生成して上記基材位置獲得部300に出力することができる。
【0030】
コーティングイメージ獲得部200は、上記基材11がコーティングされた後、コーティングされた基材に対するコーティングイメージM2を獲得して上記基材位置獲得部300に出力することができる。
【0031】
基材位置獲得部300は、上記基材イメージM1と上記コーティングイメージM2との間のテンプレートTPマッチングを介して、上記コーティングイメージM2から上記基材11の位置情報を獲得することができる。
【0032】
イメージ前処理部400は、上記コーティングイメージM2から上記基材11に連結されていない成分を除去するイメージ前処理を行うことができる。
【0033】
コーティング層イメージ獲得部500は、上記基材の位置情報を用いて、上記イメージ前処理を介したコーティングイメージM2から上記基材イメージM1を除去して、コーティング層イメージM6を獲得することができる。
【0034】
コーティング層分析部600は、上記コーティング層イメージM6からコーティング層の形状を分析してコーティング層の形状指標(例:断面積、体積)を獲得することができる。
【0035】
例えば、上記基材イメージ獲得部100において、上記テンプレートTPは、上記基材11が機器1に結合される結合部CPを含むことができる。
【0036】
上記基材位置獲得部300は、上記テンプレートTPマッチングの前に、上記基材イメージM1及び上記コーティングイメージM2を2値化してモノクロイメージに変換し、上記基材イメージM1及び上記コーティングイメージM2のそれぞれのモノクロイメージに基づいて、上記テンプレートTPマッチングを行うことができる。
【0037】
上記基材位置獲得部300は、上記モノクロの基材イメージM1から基材に該当する4つの頂点を検出し、上記基材の4つの頂点を用いて上記基材の位置情報を獲得することができる。
【0038】
上記イメージ前処理部400は、上記コーティングイメージM2とコーティングプール(coating pool)16との間に流体が連結された毛細管ブリッジ(Capillary Bridge:CB)の存在有無を判断し、上記毛細管ブリッジ(CB)が破断された場合に、上記イメージ前処理を行うことができる。
【0039】
上記イメージ前処理部400において、上記基材11に連結されていない成分は上記コーティングプール(coating pool)を含むことができる。
【0040】
上記コーティング層分析部600において、上記コーティング層の形状指標はコーティング層の断面積及びコーティング層の体積を含むことができる。一例として、上記コーティング層分析部600において、上記コーティング層の断面積及び体積は、上記コーティング層を構成する全ての点が個数を求めて、これに基づいてピクセル単位断面積及びピクセル単位体積を求めることができる。
【0041】
一例として、上記基材イメージ獲得部100、コーティングイメージ獲得部200、基材位置獲得部300、イメージ前処理部400、コーティング層イメージ獲得部500、及びコーティング層分析部600の全ては、1つのプロセッサで実現できるか、別途の個別プロセッサで実現できる。
【0042】
上記基材イメージ獲得部100、コーティングイメージ獲得部200、基材位置獲得部300、イメージ前処理部400、コーティング層イメージ獲得部500、及びコーティング層分析部600のそれぞれにおける動作については、下記の説明を参照することができる。
【0043】
本発明の各図面について、同一符号及び同一機能の構成要素については、できるだけ不要な重複説明を省略することができ、相違点について説明することができる。
【0044】
上述した本発明の実施形態に係るディップコーティング塗布形状の測定装置に対する説明と、後述するディップコーティング塗布形状の測定方法に対する説明は、補完的に相互適用することができ、これによって重複説明は省略することができる。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態に係るディップコーティング塗布形状の測定方法の一例示図であり、図4は、図3の詳細図であり、図5は、基材イメージ及びコーティングイメージの例示図である。
【0046】
図3及び図4を参照すると、本発明の一実施形態に係るディップコーティング塗布形状の測定方法は、基材イメージM1を獲得し、テンプレートTPを生成する第1段階(S100)、コーティングイメージM2を獲得する第2段階(S200)、基材11の位置情報を獲得する第3段階(S300)、イメージ前処理を行う第4段階(S400)、コーティング層イメージM6を獲得する第5段階(S500)、及びコーティング層の形状指標を獲得する第6段階(S600)を含むことができる。
【0047】
図3を参照すると、第1段階(S100)では、コーティングされていない基材11に対する基材イメージM1を獲得し、上記基材イメージから設定された領域を有するテンプレートTPを生成することができる。一例として、第1段階(S100)は、図2の基材イメージ獲得部100によって行うことができる。例えば、コーティング工程を始める前に基材11のシルエットイメージを撮影してシルエットイメージからテンプレートTPを生成することができる。
【0048】
第2段階(S200)では、上記基材11がコーティングされた後、コーティングされた基材に対するコーティングイメージM2を獲得することができる。一例として、第2段階(S200)は、図2のコーティングイメージ獲得部200によって行うことができる。例えば、コーティングイメージM2である実験イメージは、基材がコーティングプールのコーティング溶液でコーティングされた後に、コーティングされた基材に対するシルエットイメージをカメラ15で撮影して獲得することができる。
【0049】
第3段階(S300)では、上記基材イメージM1と上記コーティングイメージM2との間のテンプレートTPマッチングを介して、上記コーティングイメージM2から上記基材11の位置情報を獲得することができる。一例として、第3段階(S300)は、図2の基材位置獲得部300によって行うことができる。
【0050】
例えば、上記テンプレートマッチングを介して実験イメージM2から基材11の位置を把握する前に、テンプレートイメージ及びコーティングイメージをモノクロに2値化した後、2つのテンプレートイメージとコーティングイメージとの間でテンプレートマッチングを用いて基材の位置を見つけることができる。ここで、テンプレートマッチングは、コーティングイメージの中からテンプレートイメージと最も類似度の高い領域を探索する技法である。そして、類似度を計算する方法には、相関係数マッチング(Correlation coefficient;CCOEFF)、相関関係マッチング(Cross correlation;CCORR)、二乗差マッチング(Square difference;SQDIFF)などの方法のうち1つが適用されることができる。本例示では、CCOEFF方法が用いられたが、これに限定されず、テンプレートの位置がうまく計算できるなら、如何なる方法を用いても構わない。
【0051】
一方、図5を参照すると、M1は基材イメージであり、M2はコーティングイメージであり、M3はマッチング領域TMAが表示されたコーティングイメージであり、M4は前処理されたコーティングイメージであり、M5は前処理されたコーティングイメージからマッチング領域が除去された初期コーティング層イメージである。そして、M6は初期コーティング層イメージから後処理された最終コーティング層イメージである。
【0052】
第4段階(S400)では、上記コーティングイメージM2から上記基材11に連結されていない成分(例:コーティングプール)を除去するイメージ前処理を行うことができる。一例として、第4段階(S400)は、図2のイメージ前処理部400によって行うことができる。
【0053】
例えば、上記イメージ前処理では、コーティング層が塗布された基材イメージM3以外のコーティングプール16などの全ての領域を除去することができる。図5において、M4はイメージ前処理されたコーティングイメージを示している。
【0054】
第5段階(S500)では、上記基材の位置情報を用いて、上記イメージ前処理を介したコーティングイメージM2から上記基材イメージM1を除去してコーティング層イメージM5、M6を獲得することができる。一例として、第5段階(S500)は、図2のコーティング層イメージ獲得部500によって行うことができる。初期コーティング層イメージM5は後処理されると、最終コーティング層イメージM6が獲得できる。
【0055】
例えば、コーティング層イメージM6は、テンプレートマッチング領域TMAに該当する基材の位置情報を用いて、コーティング層が塗布されたコーティングイメージM4からテンプレートマッチング領域TMAを除去して獲得することができる。図5において、M3及びM5を比較すると、M3のテンプレートマッチング領域TMAが除去されたことが確認できる。
【0056】
第6段階(S600)では、上記コーティング層イメージM6からコーティング層の形状を分析してコーティング層の形状指標(例:断面積、体積)を獲得することができる。一例として、第6段階(S600)は、図2のコーティング層分析部600によって行うことができる。
【0057】
例えば、初期コーティング層イメージM5がイメージ後処理された後に生成された最終コーティング層イメージM6を分析することができる。ここで、イメージ後処理は、初期コーティング層イメージM5からまだ除去されていない不要な領域及びノイズを除去して、最終コーティング層イメージM6を確保することができる。このようなイメージ後処理は、第5段階で行われることもでき、第6段階で行われることもできる。
【0058】
この後、上記最終コーティング層イメージM6を用いて、コーティング層の厚さなどのコーティング層の形状指標を定量化することができる。
【0059】
図4を参照すると、第1段階(S100)では、カメラ15で撮影した基材イメージM1をローディングし、第2段階(S200)では、カメラで撮影したコーティングイメージM3をローディングすることができる。上記基材イメージM1及びコーティングイメージM3は、荷電時にカメラ15によって撮影され、コーティング分析器(図1の22)の内部メモリに保存されることができる。
【0060】
この後、第3段階(S300)では、図5に示したように、基材イメージM1において実際基材が位置する範囲及びテンプレートとして用いる領域TMAを設定することができる。このとき、基材イメージM1の範囲は、コーティング層イメージの確保のために横に広く設定されて予想されるコーティング層の左右末端を全て含むことができる。次に、基材イメージM1及びコーティングイメージM2の両方をモノクロに2値化することができる(S310、S320)。一例として、イメージの2値化は、全体イメージのコントラスト差を自動的に認識するアダプティブスレッショルド(adaptive thresholding)技法を用いることができる。その後、このような基材のモノクロイメージから基材の4つの頂点を検出して、その頂点の座標を内部メモリに保存することができる(S330)。これについては、図7を参照することができる。その後、テンプレートマッチング領域TMAとコーティングイメージM2との間のテンプレートマッチングによって基材の位置を把握することができる。
【0061】
次に、第4段階(S400)では、カメラ(図1の15)で撮影された動画(図9のV1、V2)は、基材がコーティングプール(図1の16)から抜け出し始めた時点から撮影され、図9のV1のように、前半部には、基材11の下端部とコーティングプールとの間にコーティング溶液16aが連結されている毛細管ブリッジ(capillary bridge)CBが存在することができる。このような毛細管ブリッジCBは、経時によって薄くなって破断され、該当時点以降から基材のコーティング層11aがコーティングプール16から完全に分離された後、コーティング層分析が行われるようになる。これによって、コーティング層分析を行うためには、毛細管ブリッジ(capillary bridge)が破断されたかを確認する段階が必要である(S410)。これについては、図8を参照することができる。
【0062】
例えば、毛細管ブリッジ(capillary bridge)が破断されなかった場合、コーティング層分析に進むことなく終了されることができる。毛細管ブリッジ(capillary bridge)が破断された場合、イメージ前処理過程が行われることができる。一例として、コーティングイメージの下端に連結されたコーティング流体を除去する過程は、コネクテッドコンポーネントラベリング(connected component labeling)技法によって行われることができる。コネクテッドコンポーネントラベリング(connected component labeling)技法は、イメージにおいて一つの「塊」で繋がっている物体と分離されている物体を分けて認識する映像分析技法である。
【0063】
この後、コーティングされた基材の領域とコーティング溶液の領域が完全に分離された後には、イメージ前処理過程が行われ、前段階で検出した基材の4つの頂点に基づいて基材の中心点を選定し(S420)、基材の中心点は必ず基材の内部に位置するため、該当頂点と連結されていない成分をコネクテッドコンポーネントラベリング(connected component labeling)技法によって除去してイメージ前処理を行うことができる(S430)。
【0064】
次に、第5段階(S500)では、前処理されたイメージから基材のイメージを除去し、図5のイメージM5に示したように、基材のイメージが除去されたコーティング層イメージM5を獲得することができ(S510)、またコーティング層イメージM5から基材範囲の上端、左側、右の外側のピクセルを除去して不要な領域を除去することができる(S520)。ここで、基材イメージの下端の外側のピクセルは除去しないが、これは該当イメージ領域にコーティング層が含まれるためである。
【0065】
次に、第6段階(S600)では、コーティング層分析の前にコーティング層イメージに対する後処理過程を行うことができる(S601、S602、S603)。コーティング層イメージM6から予想されるコーティング深さの上端のピクセルを除去してノイズを除去することができる。また、予想されるコーティング深さは、動画の最後のフレームのコーティング層の深さから求められ、動画の全てのフレームに対して同じ値が適用される。
【0066】
上述した過程を介して獲得されたコーティング層イメージからコーティング層の断面積及びコーティング層の体積を計算することができる。これについては、図11を参照することができる。
【0067】
図6は、基材イメージ及びテンプレート領域の例示図である。
【0068】
図6を参照すると、上記第1段階(S100)においては、基材イメージM1に基づいた上記テンプレートTP(またはテンプレートイメージ)は、上記基材11が機器1に結合される結合部CPを含む。
【0069】
例えば、テンプレートTPは、基材11が機器に結合された結合部CPを含むことができ、このようなテンプレートTPはテンプレートマッチングを介してコーティングイメージ(または実験イメージ)から基材の位置を把握するために用いられることができる。また、テンプレートTPには、基材が機器に結合された結合部CPが含まれる必要があるが、これは、該当情報に基づいて基材の高さ方向位置を計算するためである。
【0070】
図6において、下部の四角形態が基材11に該当し、上部の平らな部分は基材11が結合された機器1の一部分に該当する。
【0071】
図4図5及び図6を参照すると、上記第3段階(S300)では、上記テンプレートTPマッチングの前に、上記基材イメージM1及び上記コーティングイメージM2を2値化してモノクロイメージに変換し、上記基材イメージM1及び上記コーティングイメージM2のそれぞれのモノクロイメージに基づいて、上記テンプレートTPマッチングを行うことができる。
【0072】
図7は、基材の頂点検出過程に対する例示図である。
【0073】
図4及び図7を参照すると、上記第3段階(S300)においては、上記モノクロの基材イメージM1において基材に該当する4つの頂点を検出し、上記基材の4つの頂点を用いて上記基材の位置情報を獲得することができる。
【0074】
例えば、上記第3段階(S300)では、まず、基材のイメージM1から外郭境界線を抽出することができる(S331)。これは、一例として「Cannyedge detection」技法を用いて進行することができ、これに必要な変数は事前に設定されて、動画の全てのフレームに対して一括適用されることができる。
【0075】
この後、上記外郭境界線から直線を検出することができる(S333)。これは、一例として「Hough line transformation」技法を用いて進行されることができ、これに必要な変数は事前に設定されて、動画の全てのフレームに対して一括適用されることができる。
【0076】
この後、上記検出された直線から垂直、水平をなす直線を集めてから、基材イメージ領域の上端、左側、下端、右側に分類し、各領域で外郭境界線と最もうまく一致する直線が基材の4辺となることができる(S335)。
【0077】
そして、4辺の交点から頂点の座標を計算して基材イメージに頂点の座標を求めることができる(S337)。
【0078】
一例として、コーティング層イメージにおける頂点の座標は、基材イメージの頂点の座標にコーティング層イメージにおける基材の位置を加えて計算することができる。
【0079】
図8は、毛細管ブリッジの破断判断過程に対する例示図であり、図9は、毛細管ブリッジの存在及び不存在の例示図である。
【0080】
図4図8及び図9を参照すると、上記第4段階(S400)では、上記コーティングイメージM2とコーティングプール(coating pool)16との間に流体が連結された毛細管ブリッジ(Capillary Brigde:CB)の存在有無を判断し、上記毛細管ブリッジCBが破断された場合に上記イメージ前処理を行うことができる。一例として、上記基材11に連結されていない成分は、上記コーティングプール(coating pool)を含むことができる。
【0081】
例えば、図8及び図9を参照すると、まず第4段階(S400)では、基材位置における下方の2つの頂点の座標を求める(S411)。そして、2点からコーティングイメージの下端までを検出領域に設定した後(S412)、該当領域内で黒色のみからなる列があるか否かを計算し、もし黒色のみからなる列があるとしたら、毛細管ブリッジ(CB)が破断していないものと判断し(S413)、そうでなければ、毛細管ブリッジ(capillary bridge)が破断されたと判断することができる。
【0082】
図10は、コーティング層の断面積計算の例示図であり、図11は、コーティング層の体積計算の例示図である。
【0083】
例えば、図10を参照すると、第6段階(S600)では、コーティング層のみを抽出したイメージにおいて、コーティング層に該当するイメージのピクセルの総個数を数えて断面的に決定することができる(S610)。
【0084】
図11を参照すると、第6段階(S600)では、上記基材の4つの頂点から基材の中央線を求める(S621)。基材は円筒形態で軸対称性を満たすため、コーティング層イメージの各ピクセルから基材の中央線までの距離を求める(S622)。この距離を半径に設定して円周を計算した後、これを全てのピクセルについて加え、このとき、中央線を起点として左の点と右の点が重複して計算されたため、合計を2で割ると、区分求積法の原理にしたがってコーティング層のピクセル単位体積が計算される(S623)。この後、基材の下方の2つの頂点間のピクセル距離と基材の幅からピクセル当たりの実測距離を計算し(S624)、これに基づいてコーティング層のピクセル単位体積をコーティング層の実測単位体積に換算することができる(S625)。
【0085】
図12は、動画のフレーム全体に適用した動画分析フローチャートである。
【0086】
図12を参照すると、第6段階(S600)の動画分析において、動画のフレームに対して本発明の分析を適用して分析すると、まず全てのフレームが分析されたかを判断し(S631)、全てのフレームが分析された場合、本分析過程を終了し、そうでない場合、前のフレームで基材位置が伝達されたか否かを判断することができる(S632)。前のフレームで基材位置が伝達されていない場合には、テンプレートマッチング範囲をフレーム全体に設定する(S633)。前のフレームで基材位置が伝達された場合には、テンプレートマッチング範囲を前の基材位置から±10ピクセルに設定する(S634)。この後、次のフレーム分析を行い(S635)、その分析結果を記録する(S636)。
【0087】
ここで、最初にフレームを分析するときには、全ての領域をテンプレートマッチングの範囲に設定した。前のフレームにおける基材の位置から±10ピクセルの余白を加えた範囲をテンプレートマッチングの範囲に限定したが、これは、テンプレートマッチングの際に、探索するピクセルの個数を減らして分析速度を向上するためである。
【0088】
図13は、動画の全てのフレームに対する分析結果によるコーティング層の断面積変化グラフであり、図14は、動画の全てのフレームに対する分析結果によるコーティング層の体積変化グラフである。
【0089】
図13及び図14を参照すると、毛細管ブリッジ(Capillary bridge)が破断された直後には、断面積と体積が大きい値から急速に減少する誤差を示しているが、この後に2つのデータの全てが安定した値を示している。
【0090】
図13のピクセル単位断面積は、実測値を計算し難いため、データの定性的な傾向のみを確認する目的で用い、図14のピクセル単位体積は、実際塗布された流体の体積と比較して誤差を検証した。実際の体積は、コーティング前後の基材の重量変化と流体の比重を用いて計算した。計算結果の体積単位誤差を長さ単位誤差に換算した結果、本実施例は、コーティング層の厚さを10%~20%の精密度であることが観測できた。
【0091】
上述のような本発明は、ディップコーティング過程の理論的な解釈のための諸知識として活用され、効果的な工程設計が可能であり、精密化・小型化されている製造業市場においてコーティング層の制御に対する関心は、継続的に増加している傾向にあるため、本発明が適用される市場も拡大すると予想される。
【0092】
一方、本発明の一実施形態に係るディップコーティング塗布形状の測定装置のコーティング分析器22は、プロセッサ(例:中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け半導体(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、Field Programmable Gate Arrays(FPGA)など)、メモリ(例:揮発性メモリ(例えば、RAMなど)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、フラッシュメモリなど)、入力デバイス(例:キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイス、赤外線カメラ、ビデオ入力デバイスなど)、出力デバイス(例:ディスプレイ、スピーカー、プリンタなど)、及び通信接続装置(例:モデム、ネットワークインターフェースカード(NIC)、統合ネットワークインタフェース、無線周波数送信機/受信機、赤外線ポート、USB接続装置など)が相互接続(例:周辺構成要素の相互接続(PCI)、USB、ファームウェア(IEEE 1394)、光学的バス構造、ネットワークなど)されたコンピューティング環境で実現できる。
【0093】
上記コンピューティング環境は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、モバイルデバイス(モバイルフォン、PDA、メディアプレーヤーなど)、マルチプロセッサシステム、消費者電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、任意の上述されたシステムまたはデバイスを含む分散コンピューティング環境などで実現できるが、これに限定されない。
【0094】
以上では本発明を実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱せずに当該発明が属する分野において通常の知識を有するものであれば、誰も様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0095】
11 基材
100 基材イメージ獲得部
200 コーティングイメージ獲得部
300 基材位置獲得部
400 イメージ前処理部
500 コーティング層イメージ獲得部
600 コーティング層分析部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14