(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068699
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】封止装置
(51)【国際特許分類】
B65B 51/10 20060101AFI20230511BHJP
B65B 51/14 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
B65B51/10 101
B65B51/10 320
B65B51/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179921
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】田代 秀行
(72)【発明者】
【氏名】横山 千穂
【テーマコード(参考)】
3E094
【Fターム(参考)】
3E094AA12
3E094CA06
3E094CA12
3E094DA06
3E094EA12
3E094FA17
3E094HA08
3E094HA10
(57)【要約】
【課題】包装袋の開口周縁部に皺が入ることにより、包装袋を密封できなくなることを防ぐ。
【解決手段】封止装置30は、少なくとも一方が他方に向けて移動可能に互いに平行に支持され、熱溶着可能な包装袋の開口に沿う方向を長手方向として延びて包装袋の開口周縁部を挟んで保持可能な第1及び第2ブロック31,32と、第1ブロック31の第2ブロック32側に設けられて包装袋の開口周縁部を熱溶着させて封止するヒータ33とを備え、第2ブロック32には第1ブロック31側の幅方向の端部に外側に突出するフランジ部32c,32dを設けた。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が他方に向けて移動可能な状態で互いに平行に支持され、熱溶着可能な包装袋の開口に沿う方向を長手方向として延びて前記包装袋の開口周縁部を挟んで保持可能な第1及び第2ブロックと、
前記第1ブロックの前記第2ブロック側に設けられて前記包装袋の開口周縁部を熱溶着させて封止するヒータとを備えた封止装置であり、
前記第2ブロックには前記第1ブロック側の幅方向の少なくとも一方の端部に外側に突出するフランジ部を設けたことを特徴とする封止装置。
【請求項2】
請求項1に記載の封止装置において、
前記フランジ部を前記第1ブロック側に近づくと外側に傾斜させたことを特徴とする封止装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の封止装置において、
前記フランジ部を前記第2ブロックの幅方向の両方の端部に設けたことを特徴とする封止装置。
【請求項4】
請求項3に記載の封止装置において、
前記包装袋の開口と反対側となる底側に配置される前記フランジ部の幅方向の長さを前記包装袋の開口側に配置される前記フランジ部の幅方向の長さよりも長くしたことを特徴とする封止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空包装機等に用いられ、包装袋の開口周縁部を封止して包装袋を密封する封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には真空包装機に用いられる封止装置の発明が開示されている。この封止装置は、チャンバ内の下部に上下に移動可能に設けられた第1ブロックと、チャンバ内の上部に設けられた第2ブロックと、第1ブロックの上面に設けられて熱溶着可能な包装袋の開口周縁部を熱溶着することで封止するヒータとを備えている。真空包装機で包装袋を密封するときには、チャンバ内にて第1ブロックの上側に包装袋の開口周縁部を載置し、真空ポンプによりチャンバ内を脱気して減圧させた後で、昇降シリンダにより第1ブロックを支持している支持軸を上昇させると、第1ブロックが第2ブロックに押圧する位置まで上昇する。第1ブロックの上側に載置した包装袋の開口周縁部は第1及び第2ブロックによって挟まれた状態で保持され、包装袋の開口周縁部はヒータによる加熱によって熱溶着され、包装袋は脱気された状態で密封される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この真空包装機の封止装置においては、チャンバ内の下部に上下に移動可能に設けられた第1ブロックの上側に包装袋の開口周縁部を載置して、第1ブロックが第2ブロックに押圧する位置まで上昇することにより、包装袋の開口周縁部は第1ブロックと第2ブロックによって挟まれた状態で保持される。包装袋の開口周縁部に皺が入った状態で第1及び第2ブロックに挟まれたときには、包装袋の開口周縁部をヒータにより熱溶着によって封止したときに、包装袋の開口周縁部の熱溶着部分に隙間が生じ、包装袋を密封できないおそれがある。本発明は、包装袋の開口周縁部に皺が入ることにより、包装袋を密封できなくなることを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するため、少なくとも一方が他方に向けて移動可能に互いに平行に支持され、熱溶着可能な包装袋の開口に沿う方向を長手方向として延びて包装袋の開口周縁部を挟んで保持可能な第1及び第2ブロックと、第1ブロックの第2ブロック側に設けられて包装袋の開口周縁部を熱溶着させて封止するヒータとを備えた封止装置であり、第2ブロックには第1ブロック側の幅方向の少なくとも一方の端部に外側に突出するフランジ部を設けたことを特徴とする封止装置を提供するものである。
【0006】
上記のように構成した封止装置においては、第2ブロックには第1ブロック側の幅方向の少なくとも一方の端部に外側に突出するフランジ部が設けられている。第1または第2ブロックの間に熱溶着可能な包装袋の開口周縁部を配置し、第1及び第2ブロックが互いに近づくように第1及び第2ブロックの少なくとも一方を移動させたときに、第2ブロックのフランジ部が第1及び第2ブロックにより挟まれる包装袋の開口周縁部より第1及び第2ブロックの幅方向の外側位置を第1及び第2ブロックから離れる方向に押し付けるようになる。これにより、第1及び第2ブロックに挟まれる包装袋の開口周縁部が第1及び第2ブロックから離れる方向に引っ張られ、第1及び第2ブロックの間に挟まれる包装袋の開口周縁部に皺があっても取り除かれるようになり、包装袋の開口周縁部に皺が入ることに起因して、包装袋が密封されないのを防ぐことができる。
【0007】
上記のように構成した封止装置においては、フランジ部を第1ブロック側に近づくと外側に傾斜させるの好ましい。このようにしたときには、第1及び第2ブロックが互いに近づくように第1及び第2ブロックの少なくとも一方を移動させると、フランジ部は包装袋の開口周縁部に対して離れた方から近づく方に包装袋を外側に引っ張るように押さえ付けるようになる。これにより、第1及び第2ブロックの間に挟まれる包装袋の開口周縁部は第1及び第2ブロックが互いに近づくと外側から徐々に引っ張られ、第1及び第2ブロックの間に挟まれる包装袋の開口周縁部に皺があってもさらに取り除かれやすくなって、包装袋の開口周縁部に皺が入ることに起因して、包装袋が密封されないのを防ぐことができる。
【0008】
上記のように構成した封止装置においては、フランジ部を第2ブロックの幅方向の両方の端部に設けるのが好ましい。このようにしたときには、包装袋の開口周縁部は第1及び第2ブロックの両側で外側に引っ張られ、第1及び第2ブロックの間に挟まれる包装袋の開口周縁部に皺があってもよりさらに取り除かれやすくなって、包装袋の開口周縁部に皺が入ることに起因して、包装袋が密封されないのを防ぐことができる。この場合において、包装袋の開口と反対側となる底側に配置されるフランジ部の幅方向の長さを包装袋の開口側に配置されるフランジ部の幅方向の長さよりも長くするのが好ましい。第1及び第2ブロックの間に挟まれる包装袋の開口周縁部から包装袋の開口までの長さよりも開口と反対側となる底側までの長さが長くて引っ張りやすくなっている。包装袋の底側に配置されるフランジ部の幅方向の長さを開口側に配置されるフランジ部の幅方向の長さより長くしているので、第1及び第2ブロックの間に挟まれる包装袋の開口周縁部に入る皺は特に包装袋の底側に引っ張られて取り除かれやすくなり、包装袋の開口周縁部に皺が入ることに起因して、包装袋が密封されないのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の封止装置を用いた真空包装機の斜視図である。
【
図2】
図1のチャンバカバーを開放した状態の斜視図である。
【
図4】ケーシングのフロントパーツの後側から見た斜視図(a)であり、(a)からオペレーションボックスカバーを取り外した状態の後側から見た斜視図(b)である。
【
図5】ケーシングのリアパーツを前側から見た斜視図である。
【
図6】
図2にてチャンバカバーを下側からみるようにした斜視図である。
【
図7】チャンバカバーからピンプレートと、上側ブロックと、膨らみ検知板とを斜め下方に移動させた一部拡大分解斜視図である。
【
図8】チャンバカバーからピンプレートを斜め下方に移動させた一部拡大分解斜視図である。
【
図10】昇降シリンダが配置されている位置での左右方向に沿った一部拡大縦方向断面図である。
【
図11】真空包装機の右側部の位置での前後方向に沿った一部拡大縦方向断面図である。
【
図13】脱気状態で包装袋の開口周縁部を封止する通常の包装プログラムを示すフローチャートである。
【
図14】下側ブロックを上方に移動させる前の一部拡大縦方向断面図であり、下側ブロックを上側ブロックに移動させたときの一部拡大縦方向断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の封止装置の一実施形態を封止装置を用いた真空包装機によって添付図面を参照して説明する。
図1~
図3に示したように、封止装置を用いた真空包装機10は、チャンバ20内に収容した包装袋の開口周縁部を封止装置30によって封止することにより、包装袋を密封した状態で被包装物を包装するものであり、さらに、チャンバ20内を真空ポンプ40により脱気して負圧化させ、チャンバ20内に収容した包装袋の開口周縁部を封止装置30によって封止することにより、包装袋を脱気した状態で密封することで被包装物を真空包装するものである。
【0011】
真空包装機10は、ケーシング11の上部に設けられたチャンバ20と、チャンバ20内に収容した包装袋の開口周縁部を封止する封止装置30と、ケーシング11内の下部にチャンバ20内を脱気して負圧化させる真空ポンプ40と、チャンバ20内に収容した包装袋の膨らみを検知する膨らみ検知部60とを備えている。
【0012】
図1~
図3に示したように、ケーシング11は上側が開口した略直方体形状をし、底壁を構成して真空ポンプ40等の機器類が設置されるベースプレート12と、ベースプレート12の上側で前壁と左右の側壁前部を構成する平面視で後側に開いたコ字形のフロントパーツ13と、ベースプレート12の上側で後壁と左右の側壁後部を構成する平面視で前側に開いたリアパーツ17とを備えている。
【0013】
図1~
図3に示したようにフロントパーツ13の前壁前面には操作パネル71が設けられており、
図4に示したように、フロントパーツ13の前壁後面には操作パネル71の制御基板を収納するオペレーションボックス14と、リレー回路の基板を収納するリレーボックス16とが設けられている。オペレーションボックス14内にはスイッチングレギュレータ14aが設けられており、スイッチングレギュレータ14aはベース15によってオペレーションボックス14内に取り付けられている。ベース15は1枚の板金部材を曲げ加工したものであり、上部にて上方に延出させたアーム部15aがオペレーションボックス14の上部にビス15bによって固定され、下部にて下方に延出させたアーム部15cがオペレーションボックス14の下部にビス15dによって固定されている。
【0014】
オペレーションボックス14の後面開口部14bにはオペレーションボックスカバー14cが設けられており、オペレーションボックス14の後面開口部14bはオペレーションボックスカバー14cによって開閉自在に塞がれている。オペレーションボックスカバー14cはビス14dによってオペレーションボックス14の上部に固定されるとともに、ベース15の下部をオペレーションボックス14の下部に固定するビス15dによってベース15の下部とともにオペレーションボックス14の下部に固定されている。オペレーションボックスカバー14cは上部及び下部がビス14d,15dによってオペレーションボックス14に固定されているので、オペレーションボックスカバー14cの大部分にメッシュ14eを設けることができ、オペレーションボックス14内の通気性を高くして温度を低減させることができる。また、リレーボックス16の後面及び側面の開口部を塞ぐリレーボックスカバー16aはリレーボックス16の側部及びオペレーションボックスカバー14cにビス16bによって固定されているので、リレーボックスカバー16aが熱による膨らみ等によりオペレーションボックス14との間に隙間が生じにくくなる。
【0015】
図5に示したように、リアパーツ17の側壁及び後壁には、真空ポンプ40から排出される熱風を排出するための左右に延びる長孔よりなる排気口17aが左右に複数列で上下に多段状に設けられている。ケーシング11の上部には重量物となるチャンバ20が設けられているので、リアパーツ17の後壁の強度を高くする必要がある。多数の排気口17aが形成されているリアパーツ17の後壁前面には平面視で前側に開いた板金部材をコ字形に曲げ加工した補強部材18が設けられており、補強部材18はリアパーツ17の後壁の強度を高くしている。また、補強部材18は真空ポンプ40から排出される熱風の流れを乱す位置に配置されていないので、真空ポンプ40から排出される熱風が乱流となって排気口17aから排気されにくい。
【0016】
図1~
図3に示したように、ケーシング11の上部にはチャンバ20が設けられており、チャンバ20は包装袋(
図3と
図14にのみ二点鎖線で示した)を収容する密閉空間Sを形成するものである。チャンバ20は、ケーシング11の上部に設けたチャンバベース21と、チャンバベース21の上側で水平軸線回りに回動可能に支持されたチャンバカバー22とを備えている。チャンバ20は、チャンバベース21の上側をチャンバカバー22により開閉自在に塞ぐことにより形成される空間を包装袋を収容する密閉空間Sとしている。
【0017】
図2に示したように、チャンバベース21は、ステンレス等の板金部材をプレス加工によって上面が開口した浅い箱形に形成したものである。
図3に示したように、チャンバベース21の前部には他の部分より浅く形成された底浅部21aが形成されており、チャンバベース21の前部を除いた部分を底深部21bとしている。チャンバベース21の底浅部21aの上側には後述する封止装置30を構成する下側ブロック(第1ブロック)31が上下に移動可能に設けられている。
【0018】
図1及び
図2に示したように、チャンバカバー22は、チャンバベース21の上面開口を開閉自在に塞ぐものであり、チャンバベース21との間に包装袋を収容する密閉空間Sを形成している。チャンバカバー22は、耐圧性のポリカーボネイト等の透明性のある樹脂材料を成型加工した蓋体である。チャンバカバー22の後端部はケーシング11の後端部に水平軸線回りに回動可能に軸支されており、チャンバカバー22の前部は上下に回動可能となっている。
図1に示したように、チャンバカバー22は水平位置にあるときにはチャンバベース21の上面開口を塞ぐ閉塞位置となっている。
図2または
図6に示したように、チャンバカバー22の前部を上側に回動させると、チャンバカバー22は傾斜位置になってチャンバベース21の上面を開放する開放位置となる。
【0019】
図2、
図3及び
図6に示したように、チャンバカバー22の下面の周縁部にはシール部材としてゴム製のパッキン23が設けられており、パッキン23はチャンバカバー22を閉じて閉塞位置としたときにチャンバベース21とチャンバカバー22との間を気密にシールする。
図3に示したように、ケーシング11の後部にはガススプリング24が設けられており、ガススプリング24はチャンバカバー22が
図2及び
図6に示す開放位置となるように付勢している。ケーシング11の右側面の前端部にはストッパ25が水平軸線回りに回動可能に設けられており、ストッパ25はチャンバカバー22の前部上面に係止して、チャンバカバー22が開放位置に回動するのを防ぐ機能を有している。
【0020】
図9に示したように、ケーシング11の後部にはチャンバカバー22の開閉状態を検知する開閉検知器26が設けられている。開閉検知器26はリードスイッチ等の近接スイッチを用いたものであり、チャンバカバー22の後部には開閉検知器26によりチャンバカバー22が閉塞状態であることを検知させる磁石27が設けられている。チャンバカバー22がチャンバベース21の上面開口を塞ぐ閉塞位置にあるときには、磁石27は開閉検知器26に近接して、開閉検知器26は近接する磁石27によってオン信号を出力することで閉止状態を検知する。チャンバカバー22がチャンバベース21の上面開口を開放する開放位置にあるときには、磁石27は開閉検知器26から離間し、開閉検知器26は離間する磁石27によってオフ信号を出力することで開放状態を検知する。
【0021】
図6~
図8に示したように、チャンバカバー22の前部下面には後述する封止装置30の上側ブロック32と膨らみ検知部60の膨らみ検知板61とを支持するためのピンプレート28が設けられており、ピンプレート28は両面テープ28aによってチャンバカバー22の前部下面に貼着されている。チャンバカバー22の前部下面にはピンプレート28を固定する位置に下方に突出する係合突部22aが形成されており、係合突部22aにはピンプレート28に形成された係合孔部28bに係合している。ピンプレート28は係合突部22aが係合孔部28bに係合することでチャンバカバー22の前部下面に位置決めされている。ピンプレート28の係合孔部28bの周囲には抜止部材として機能するクリップリング28cが設けられており、ピンプレート28はクリップリング28cがチャンバカバー22の係合突部22aに嵌合することによってチャンバカバー22から脱落するのが防止されている。このように、クリップリング28cがチャンバカバー22の係合突部22aに嵌合することで、両面テープ28aの接着機能が低下したときでも、ピンプレート28はチャンバカバー22の前部下面から離脱しないようになる。また、チャンバカバー22にピンプレート28を固定するためにボルト挿通孔を形成してないので、チャンバカバー22を射出成型するときにボルト挿通孔の周囲にウェルドラインが発生しないので、チャンバカバー22の強度を高くすることができる。
【0022】
ピンプレート28の下面には支持突部28dが設けられており、支持突部28dには上側ブロック32が着脱可能に取り付けられている。また、ピンプレート28の下面には支持突部28dよりも後側に支持ブラケット28eが設けられており、支持ブラケット28eには膨らみ検知板61が着脱可能に取り付けられている。
【0023】
図3及び
図9に示したように、チャンバ20の前部には封止装置30が設けられている。封止装置30はチャンバ20内に収容した包装袋の開口周縁部を熱溶着によって封止して包装袋を密封するものである。封止装置30は少なくとも一方が他方に向けて移動可能な状態で互いに平行に支持され、熱溶着可能な包装袋の開口に沿う方向を長手方向として延びて包装袋の開口周縁部を挟んで保持可能な下側及び上側ブロック(第1及び第2ブロック)31,32を備えている。この実施形態の封止装置30は、下側に配置される下側ブロック31が上側に配置される上側ブロック32に向けて移動可能に支持されている。また、下側及び上側ブロック31,32は包装袋の開口に沿う方向として左右方向に延びて互いに平行に配置されている。
【0024】
下側ブロック31は、左右方向に延びるアルミニウム製の角パイプ部材よりなり、チャンバベース21の底浅部21aの上側に着脱可能かつ上下に移動可能に支持されている。下側ブロック31の上面にはニクロム材よりなる左右方向に延びる帯板形状のヒータ33が設けられている。また、下側ブロック31には包装袋の底側(閉止側)となる幅方向の側部にブラケット31aが設けられており、ブラケット31aは長手方向と直交する方向の断面形状が上下を逆にしたL字形をしている。ブラケット31aの上面部には下側ブロック31に載置した包装袋の開口周縁部の隣接する部分を載置可能としており、包装袋の開口周縁部は下側ブロック31の上面だけで載置されるよりも広い面積で載置されるようになる。ブラケット31aの上面には軽い粘着力によって包装袋の開口周縁部を粘着する微粘着テープを設けるのが好ましく、包装袋の開口周縁部はこの微粘着テープによって下側ブロック31の上側からずれにくくなる。
【0025】
上側ブロック32は、下側が開口した左右方向に延びる細長い箱形の枠部32aと、枠部32a内に設けられたシリコーンゴム等の柔軟弾性部材を用いたブロック体32bとを備え、チャンバカバー22の前面下部に設けたピンプレート28の支持突部28dに着脱可能に取り付けられている。また、枠部32aには幅方向の両端部に外側に突出するフランジ部32c,32dが設けられており、フランジ部32c,32dは下側及び上側ブロック31,32に挟まれる包装袋の開口周縁部の皺を取り除く機能を有している。また、フランジ部32c,32dは、下側ブロック31側に近づくと外側に離れるように傾斜している。
【0026】
前側のフランジ部32cは下側及び上側ブロック31,32に挟まれる包装袋の開口周縁部よりも開口側に配置され、後側のフランジ部32dは下側及び上側ブロック31,32に挟まれる包装袋の開口周縁部よりも開口と反対側となる包装袋の底側に配置される。下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれる包装袋の開口周縁部から包装袋の開口までの長さよりも開口と反対側となる底側までの長さが長くて引っ張りやすくなっている。このため、包装袋の底側に配置されるフランジ部32dの幅方向の長さを開口側に配置されるフランジ部32cの幅方向の長さより長くしている。下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれる包装袋の開口周縁部に入る皺は、フランジ部32dによって包装袋の底側に引っ張られて取り除かれやすくなり、包装袋の開口周縁部に皺が入ることに起因して、包装袋が密封されないのを防ぐことができる。
【0027】
下側ブロック31が上側ブロック32に近づくように上方に移動すると、フランジ部32c,32dは下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれる包装袋の開口周縁部より下側及び上側ブロック31,32の幅方向の外側位置を下側及び上側ブロック31,32から離れる方向に押し付けるようになる。下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれている包装袋の開口周縁部は下側及び上側ブロック31,32から離れる方向に引っ張られ、下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれている包装袋の開口周縁部に皺があっても取り除かれるようになる。また、フランジ部32c,32dは下側ブロック31側に近づくと外側に離れるように傾斜しているので、下側ブロック31が上側ブロック32に対して近づくと、フランジ部32c,32dは包装袋の開口周縁部に対して離れた方から近づく方に包装袋を押さえ付けるようになる。これにより、下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれる包装袋の開口周縁部は下側及び上側ブロック31,32が互いに近づくと外側から徐々に引っ張られ、下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれる包装袋の開口周縁部に皺があってもさらに取り除かれやすくなる。この状態で、ヒータ33に通電させて発熱させると、下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれている包装袋の開口周縁部は隙間なく熱溶着されて封止され、包装袋は開口周縁部に皺が入ることに起因して密封されないのを防ぐことができる。
【0028】
図3、
図9及び
図10に示したように、チャンバベース21の底浅部21aの下面には下側ブロック31を上下に昇降させる左右一対の昇降機構34が設けられている。各昇降機構34はチャンバベース21の底浅部21aの底壁の貫通孔21cを貫通させた支持軸35と、支持軸35を上下動させる昇降シリンダ36とを備えている。昇降シリンダ36は、底浅部21aの下側に設けた筒形の本体部36aと、本体部36aの上部にて底浅部21aに形成した貫通孔21cを通して底浅部21aの上側に突出する雄ねじ部36bと、雄ねじ部36bにねじ係合されて本体部36aを底浅部21aに取り付けるための取付ナット36cとを備えている。昇降シリンダ36は、雄ねじ部36bに取付ナット36cがねじ締結されることでチャンバベース21の底浅部21aに取り付けられている。
【0029】
取付ナット36cと底浅部21aの貫通孔21cとの周囲にはパッキン21dが設けられており、取付ナット36cと底浅部21aとの間はパッキン21dによって気密にシールされている。これによって、貫通孔21cから空気の漏出を防ぐとことができ、チャンバ20内を脱気する能力の低下を防ぐことができるとともに、包装袋からこぼれ落ちた水分が昇降シリンダ36に流入するのを防ぐことができる。
【0030】
図9及び
図10に示したように、支持軸35の軸方向の中間部には鍔部37が設けられており、鍔部37は昇降シリンダ36の本体部36a内(以後、昇降シリンダ36内とも記す)を上部空間36dと下部空間36eとに気密に仕切っている。昇降シリンダ36の本体部36a内の上部空間36dには支持軸35の外周にばね部材38が介装されており、ばね部材38は鍔部37を介して支持軸35を下側に付勢している。
【0031】
図3及び
図9に示したように、ケーシング11内の下部には真空ポンプ40が設けられている。真空ポンプ40は、主としてチャンバ20内を吸引し、チャンバ20内の密閉空間Sの空気を排気して、チャンバ20内を負圧吸引するものである。真空ポンプ40は油によりロータ、ステータ、翼板等の部品の間の気密及び無効空間の減少を図っている容積位相式真空ポンプである。
【0032】
図9に示したように、ケーシング11内には真空ポンプ40とチャンバ20とを接続する吸引管(吸引経路)41が設けられており、吸引管41には真空弁42が介装されている。チャンバ20内の空気は真空弁42の開放によって真空ポンプ40により吸引可能となる。吸引管41にはチャンバ20と真空弁42との間に外気を導入する外気導入管43が接続されており、外気導入管43は第1管部43aと、第1管部43aから分岐した第2管部43bとを備えている。第1及び第2管部43a,43bにはこれらを開閉する第1及び第2外気導入弁44,45が介装されている。第1外気導入弁44は第2外気導入弁45より弁口径が大きく形成されており、第1外気導入弁44を開放したときにはチャンバ20内に速く外気が導入され、第2外気導入弁45を開放したときには、第1外気導入弁44を開放したときよりもチャンバ20内にゆっくりと外気が導入される。
【0033】
吸引管41には外気導入管43の第1管部43aを介して圧力検出管46が接続されており、圧力検出管46にはチャンバ20の圧力を検出する真空センサ47が設けられている。チャンバ20内を真空ポンプ40により脱気していないときには、真空センサ47により検出されるチャンバ20内の圧力は大気圧と同じ100kPa(abs)であり、このときの真空度は0%である。チャンバ20内を真空ポンプ40により脱気して負圧化させ、真空センサ47により検出されるチャンバ内の圧力が0kPa(abs)であるときには、真空度は100%である。なお、真空センサ47によって直接検出されるのはチャンバ20内の圧力であるが、この明細書では、真空センサ47によって検出された圧力をチャンバ20内の真空度Pに置き換えて説明をする。
【0034】
吸引管41には真空ポンプ40と真空弁42との間からシリンダ管48が分岐しており、シリンダ管48は昇降シリンダ36の上部空間36dに接続されている。シリンダ管48には三方弁49が介装されており、三方弁49の2つのポートはシリンダ管48の真空ポンプ40側と昇降シリンダ36側に接続され、三方弁49の残る1つのポートは外気側に開放されている。三方弁49の真空ポンプ40側と昇降シリンダ36側を連通状態で真空ポンプ40を作動させると、昇降シリンダ36の上部空間36dは負圧化され、支持軸35はばね部材38の付勢力に抗して上昇する。三方弁49の昇降シリンダ36側と外気側とを連通状態にすると、昇降シリンダ36の上部空間36dは負圧化されないようになり、支持軸35はばね部材38の付勢力によって下降する。
【0035】
図2及び
図3に示したように、チャンバベース21の前部には包装袋の開口と反対側となる閉止側の底部をチャンバベース21の底深部21bの上面に案内するガイド台50が設けられている。ガイド台50は、チャンバベース21の底浅部21aにて下側ブロック31の隣接する直ぐ後側に設けた第1ガイド板51と、第1ガイド板51からチャンバベース21の底深部21bまで案内する第2ガイド板52とを備えている。
図11に示したように、第1ガイド板51はチャンバベース21の底浅部21aの上面に設けられる基部51aと、基部51aの後端から下側ブロック31の上部に向けて斜め上方に傾斜して立ち上がる傾斜面部51bとを備えている。基部51aには昇降シリンダ36の取付ナット36cと係合する円弧形の係合凹部が形成されており、第1ガイド板51は係合凹部が取付ナット36cに係合することによって水平方向の移動が規制されている。第1ガイド板51の左右両端部には略L字形に突出して下側ブロック31の後面と下面に係止する係止突部51cが形成されており、第1ガイド板51は係止突部51cが下側ブロック31の後面と下面に係止することで上方及び後方への移動が規制されている。
【0036】
第1ガイド板51の傾斜面部51bに上部と上下方向の中間部に取付凹部(図示省略)が形成されており、取付凹部には第2ガイド板52の上端部に形成された取付フック52aが着脱可能に係合される。第2ガイド板52の取付フック52aを上側の取付凹部に係合させたときには、第2ガイド板52は取付フック52aを下側の取付凹部に係合させたときよりも急斜面となり、小さな包装袋をチャンバベース21の底深部21bに寝かせておくのに適している。これに対し、第2ガイド板52の取付フック52a下側の取付凹部に係合させたときには、第2ガイド板52は取付フック52aを上側の取付凹部に係合させたときよりも緩斜面となり、大きな包装袋をチャンバベース21の底深部21bに寝かせておくのに適している。
【0037】
図3及び
図9に示したように、チャンバ20には収容した包装袋の膨らみを検知する膨らみ検知部60が設けられている。膨らみ検知部60はチャンバカバー22の下面前部に設けたピンプレート28の支持ブラケット28eに水平軸線回りに回動可能に支持された膨らみ検知板61と、膨らみ検知板61の後端に固定した磁石62と、磁石62を介して膨らみ検知板61の位置を検出するリードスイッチ等の近接スイッチよりなる膨らみ検知器63とを備えている。
【0038】
膨らみ検知板61は下側及び上側ブロック31,32と同様に左右方向に広がる帯板形状をしている。膨らみ検知板61は、チャンバカバー22の下面の上側ブロック32に隣接する直ぐ後側に配置され、後側の自由端側が上下動するように前部の軸支端部が水平軸線回りに回動可能に支持されている。膨らみ検知板61の左端部の後端には磁石62が固定されており、磁石62は膨らみ検知板61の回動によって上下動する。チャンバ20内に収容した包装袋が膨らんでいないときには、膨らみ検知板61は斜め下方に傾斜しており、膨らみ検知板61の後端の磁石62はチャンバ20内の下部に位置(下位置)する。チャンバ20内に収容した包装袋が膨らんだときには、膨らみ検知板61は膨らんだ包装袋によって持ち上げられて回動し、膨らみ検知板61の後端の磁石62はチャンバ20内の上部に位置(上位置)する。
【0039】
膨らみ検知器63は、包装袋が膨らんだときに上側に回動する膨らみ検知板61の後端の磁石62の位置を検知することで包装袋の膨らみを検知するものである。膨らみ検知器63はチャンバベース21の外側にて上位置となった膨らみ検知板61の磁石62に対向する位置に配置されている。包装袋が膨らんでなくて膨らみ検知板61の磁石62が下位置にあるときには、膨らみ検知器63は下位置にある磁石62が離間していることでオフ信号を出力する。包装袋が膨らんで膨らみ検知板61の磁石62が上位置にあるときには、膨らみ検知器63は上位置にある磁石62が近接することでオン信号を出力する。
【0040】
真空包装機10は制御装置70を備えており、
図12に示したように、この制御装置70は開閉検知器26と、ヒータ33と、真空ポンプ40と、真空弁42と、第1及び第2外気導入弁44,45と、真空センサ47と、三方弁49と、膨らみ検知器63と、ケーシング11の前面に設けた操作パネル71とに接続されている。制御装置70はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM及びタイマ(いずれも図示省略)を備えている。
【0041】
制御装置70は、包装袋を脱気した状態で密封して真空包装する包装プログラムがROMに記憶されている。制御装置70のROMには、常温以下の温度の食材及び調理物の包装に適した通常の包装プログラムと、常温より温度の高い食材及び調理物の包装に適したホットパック用の包装プログラムとが記憶されている。通常の包装プログラムとホットパック用の包装プログラムの各々は真空度等の制御条件の異なる複数の包装プログラムが設定されており、真空度等の制御条件を調理物に応じて変更可能としている。
【0042】
通常の包装プログラムは、真空ポンプ40を作動させることによってチャンバカバー22をガススプリング24の付勢力に抗してチャンバベース21に負圧吸引させた状態でチャンバ20内を負圧化させ、チャンバ20内が設定真空度Py以上(設定圧力以下)となると、封止装置30により包装袋の開口周縁部を封止するように制御して包装袋を真空包装するものである。
【0043】
通常の包装プログラムを
図13に示したフローチャートにより説明する。
図13に示したように、制御装置70は、ステップ101において、開閉検知器26からオン信号が入力されたか否かを判定している。チャンバカバー22が閉じられるまでは、開閉検知器26からオン信号が入力されないので、制御装置70はステップ101にてNOと判定して包装プログラムを終了する。チャンバカバー22が閉じられるまで、制御装置70がステップ101の判定処理でNOの判定を繰り返し実行しており、
図14(a)に示したように、包装袋の開口周縁部が下側ブロック31の上側に載るようにして、包装袋をチャンバベース21に寝かせて置き、チャンバカバー22が閉じられて磁石27が開閉検知器26に接近すると、開閉検知器26から制御装置70にオン信号が入力され、制御装置70はステップ101にてYESと判定してステップ102に進める。
【0044】
制御装置70は、ステップ102にて、真空弁42を開放させ、第1外気導入弁44を閉止させるとともに真空ポンプ40を作動させると、チャンバカバー22がガススプリング24の付勢力に抗してチャンバベース21に負圧吸引され、チャンバ20内は真空ポンプ40によって脱気されて負圧化していく。制御装置70は、ステップ103にて、真空センサ47によって検出されるチャンバ20内の真空度Pが予め設定された真空度Px以上(所定圧力以下)となったか否かを繰り返し判定する。チャンバ20内の圧力が徐々に低下し、真空センサ47によって検出されるチャンバ20内の真空度Pが予め設定された真空度Px以上(所定圧力以下)となると、制御装置70は、ステップ103にてYESと判定してステップ104に進める。制御装置70は、ステップ104にて、真空弁42を閉止させてチャンバ20内の脱気を中止してステップ105に進める
【0045】
制御装置70は、ステップ105にて、三方弁49の昇降シリンダ36側と真空ポンプ40側とを連通させる(外気側を閉止状態とする)と、昇降シリンダ36の上部空間36dは真空ポンプ40によって負圧化され、支持軸35はばね部材38の付勢力に抗して上昇し、下側ブロック31は上昇する支持軸35によって上昇する。
図14(b)に示したように、下側ブロック31は上昇する支持軸35によって上側ブロック32に押しつけられ、包装袋の開口周縁部は下側ブロック31と上側ブロック32とによって挟まれた状態で保持される。このとき、上側ブロック32のフランジ部32c,32dが下側及び上側ブロック31,32により挟まれる包装袋の開口周縁部より下側及び上側ブロック31,32の幅方向の外側位置を下側及び上側ブロック31,32から離れる方向に押し付けるようになる。これにより、下側及び上側ブロック31,32に挟まれる包装袋の開口周縁部が下側及び上側ブロック31,32から離れる方向に引っ張られ、下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれる包装袋の開口周縁部に皺があっても取り除かれるようになる。次に、制御装置70は、ステップ106において、ヒータ33に通電させて発熱させると、包装袋の開口周縁部は熱溶着によって閉じられて、包装袋が脱気された状態(真空状態)で密封される。
【0046】
制御装置70は、ステップ107にて、真空ポンプ40の作動を停止させるとともに第1外気導入弁44を開放し、ステップ108にて、三方弁49の昇降シリンダ36側と外気側とを連通させる(真空ポンプ40側を閉止状態とする)。チャンバ20内は第1外気導入弁44から導入される外気によって大気圧に戻され、チャンバカバー22は負圧吸引されずにガススプリング24の付勢力によって開放される。また、三方弁49の昇降シリンダ36側と外気側とを開放させたことで、昇降シリンダ36の上部空間36dに外気が導入されて負圧状態が解除され、支持軸35はばね部材38の付勢力によって下降し、下側ブロック31は上側ブロック32から離間し、包装袋の開口周縁部は下側及び上側ブロック31,32から挟持された状態が解除される。このようにして、包装袋は脱気された状態(真空状態)で密封される。
【0047】
上記のように構成した真空包装機10に用いられる封止装置30は、熱溶着可能な包装袋の開口に沿う方向を長手方向として延びて包装袋の開口周縁部を挟んで保持可能な下側及び上側ブロック(第1及び第2ブロック)31,32と、下側ブロック31の上側ブロック32側に設けられて包装袋の開口周縁部を熱溶着させて封止するヒータ33とを備えている。この封止装置30においては、上側ブロック32には下側ブロック31側の幅方向の端部に外側に突出するフランジ部32c,32dが設けられている。
【0048】
下側ブロック31の上側に熱溶着可能な包装袋の開口周縁部を載置し、下側ブロック31が上側ブロック32に近づくように上方に移動させたときに、上側ブロック32のフランジ部32c,32dが下側及び上側ブロック31,32により挟まれる包装袋の開口周縁部より下側及び上側ブロック31,32の幅方向の外側位置を下側及び上側ブロック31,32から離れる方向に押し付けるようになる。これにより、下側及び上側ブロック31,32に挟まれる包装袋の開口周縁部が下側及び上側ブロック31,32から離れる方向に引っ張られ、下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれる包装袋の開口周縁部に皺があっても取り除かれるようになり、包装袋の開口周縁部に皺が入ることに起因して、包装袋が密封されないのを防ぐことができる。
【0049】
この封止装置30においては、フランジ部32c,32dを下側ブロック31側に近づくと外側に離れるように傾斜させている。下側及び上側ブロック31,32が互いに近づくように下側ブロック31を上方に移動させたときに、フランジ部32c,32dは包装袋の開口周縁部に対して下側及び上側ブロック31,32の幅方向で離れた方から近づく方に包装袋を外側に引っ張るように押さえ付けるようになる。これにより、下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれる包装袋の開口周縁部は下側及び上側ブロックが相対的に近づくと外側に徐々に引っ張られ、下側及び上側ブロック31,32間に挟まれている包装袋の開口周縁部に皺があってもより一層取り除かれるようになって、包装袋の開口周縁部に皺が入ることに起因して、包装袋が密封されないのを防ぐことができる。
【0050】
この封止装置30においては、フランジ部32c,32dは上側ブロック32の幅方向の両方の端部に設けられているので、包装袋の開口周縁部は下側及び上側ブロック31,32の両側で外側に引っ張られ、下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれている包装袋の開口周縁部に皺があっても両側から外側に引っ張られることでさらに確実に取り除かれるようになって、包装袋の開口周縁部に皺が入ることに起因して、包装袋が密封されないのを防ぐことができる。なお、フランジ部32c,32dを上側ブロック32の幅方向の両方の端部に設けた方が、包装袋の開口周縁部に入った皺を取り除きやすくなるが、これに限られるものでなく、前側及び後側のフランジ部32c,32dの一方だけを設けたものであっても、包装袋の開口周縁部に入った皺をある程度取り除くことができ、包装袋の開口周縁部に皺が入ることに起因して、包装袋が密封されないのを防ぐことができる。
【0051】
下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれる包装袋は、開口周縁部から開口までの長さよりも、開口周縁部から開口と反対側となる底側までの長さが長いのが一般的である。このため、包装袋は、開口周縁部よりも底側を外側に引っ張る方が開口周縁部に入る皺を取り除きやすい。また、包装袋は食材等の被包装物を収容した状態で封止されるので、包装袋は収容される被包装物によって底側に引っ張られやすく、包装袋は開口周縁部よりも底側を外側に引っ張る方が開口周縁部に入る皺を取り除きやすい。このため、この封止装置30においては、前側のフランジ部32cは下側及び上側ブロック31,32に挟まれる包装袋の開口周縁部よりも開口側に配置され、後側のフランジ部32dは下側及び上側ブロック31,32に挟まれる包装袋の開口周縁部よりも開口と反対側となる包装袋の底側に配置され、包装袋の開口周縁部よりも底側に配置されるフランジ部32dの幅の長さを開口側に配置されるフランジ部32cの幅の長さよりも長くしている。下側及び上側ブロック31,32の間に挟まれる包装袋の開口周縁部に入る皺は、フランジ部32dによって包装袋の底側に引っ張られて取り除かれやすくなり、包装袋の開口周縁部に皺が入ることに起因して、包装袋が密封されないのを防ぐことができる。
【0052】
この実施形態においては、下側及び上側ブロック31,32は、下側ブロック31が上側ブロック32に向けて移動可能な状態で互いに平行に支持されているが、これに限られるものでなく、上側ブロック32が下側ブロック31に向けて移動可能な状態で互いに平行に支持されたものであってもよいし、下側ブロック31及び上側ブロック32が互いに近づく方向と離れる方向に移動可能な状態で互いに平行に支持されたものであってもよい。
【0053】
この実施形態においては、第1及び第2ブロックとして下側及び上側に対向する位置に配置した下側及び上側ブロック31,32を用いたが、これに限られるものでなく、第1及び第2ブロックを前後または左右のように水平方向にて対向する位置に配置したものであってもよい。
【0054】
30…封止装置、31…第1ブロック(下側ブロック)、32…第2ブロック(上側ブロック)、32c,32d…フランジ部、33…ヒータ。