(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068715
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】敷板洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
B08B3/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179969
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000150844
【氏名又は名称】株式会社鶴見製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】辻本 晃利
(72)【発明者】
【氏名】田中 雄基
(72)【発明者】
【氏名】杉本 直哉
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA02
3B201AB07
3B201BB24
3B201BB62
3B201BB93
3B201CD22
3B201CD43
(57)【要約】
【課題】移動部に載置される敷板の長辺が延びる方向において装置構成を小型化することが可能な敷板洗浄装置を提供する。
【解決手段】この敷板洗浄装置100は、短辺P2および長辺P1を有する敷板Pが載置され、載置された敷板Pを短辺P2が延びる短手方向に移動させる移動部6と、移動部6による敷板Pの短手方向への移動と合わせて、敷板Pに対して洗浄水を噴射する洗浄水噴射部3と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
短辺および長辺を有する敷板が載置され、載置された前記敷板を前記短辺が延びる短手方向に移動させる移動部と、
前記移動部による前記敷板の前記短手方向への移動と合わせて、前記敷板に対して洗浄水を噴射する洗浄水噴射部と、を備える、敷板洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄水噴射部は、前記敷板の前記長辺が延びる長手方向において、前記敷板の前記長辺の略全域に対して前記洗浄水を同時に噴射可能に構成されている、請求項1に記載の敷板洗浄装置。
【請求項3】
前記移動部は、前記短手方向において、前記敷板の移動を折り返すことにより、前記敷板を往復移動させるように構成されている、請求項1または2に記載の敷板洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄水噴射部は、第1噴射部と、前記第1噴射部とは前記敷板の異なる部分に対して前記洗浄水を噴射する第2噴射部と、を含み、
前記第1噴射部と前記第2噴射部とは、互いに異なるタイミングで前記洗浄水を前記敷板に対して噴射するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の敷板洗浄装置。
【請求項5】
前記短手方向の一方側から前記敷板を搬入して前記移動部に載置可能なように、前記短手方向の前記一方側に開口した敷板搬入部をさらに備え、
前記洗浄水噴射部は、前記敷板搬入部とは反対側である前記短手方向の他方側に向けて前記洗浄水を噴射するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の敷板洗浄装置。
【請求項6】
前記移動部よりも前記敷板搬入部とは反対側である前記短手方向の前記他方側に設けられ、敷板洗浄装置本体の外部に前記洗浄水が飛散するのを抑制する側壁部をさらに備える、請求項5に記載の敷板洗浄装置。
【請求項7】
前記側壁部は、前記側壁部の上部に設けられ、前記洗浄水噴射部側に折り曲げられた屈曲部を有する、請求項6に記載の敷板洗浄装置。
【請求項8】
前記移動部は、前記短手方向において、前記敷板の移動を折り返すことにより、前記敷板を往復移動させるように構成されているとともに、前記敷板搬入部から前記敷板を搬出可能となるように、前記敷板搬入部側である前記短手方向の前記一方側で前記敷板の移動を停止するように構成されている、請求項5~7のいずれか1項に記載の敷板洗浄装置。
【請求項9】
前記洗浄水噴射部は、
前記敷板に向けて前記洗浄水を噴射するとともに、前記敷板の前記長辺が延びる長手方向に沿って並ぶように複数設けられた噴射口を有し、長手方向において、前記敷板の前記長辺の略全域に延びる洗浄用配管と、
前記洗浄用配管に前記洗浄水を圧送するポンプと、を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の敷板洗浄装置。
【請求項10】
前記洗浄用配管は、前記短手方向に所定の間隔を隔てて並ぶように複数設けられている、請求項9に記載の敷板洗浄装置。
【請求項11】
前記洗浄用配管は、前記敷板の上方側および下方側の各々から前記敷板に対して前記洗浄水を噴射するように、複数設けられている、請求項9または10に記載の敷板洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷板洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、敷板の移動に合わせて敷板に洗浄水を噴射する敷板洗浄装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、短辺および長辺を有する敷板を載置して移動させるローラコンベアと、ローラコンベアにより移動される敷板を洗浄する洗浄機とを備える敷き鉄板洗浄装置が開示されている。上記のローラコンベアは、ローラコンベアの移動方向である長手方向に敷板の長辺の向きを一致させた状態で、敷板を移動させるように構成されている。また、上記の洗浄機は、ローラコンベアの途中に敷板を取り囲むようにアーチ状(トンネル状)に設けられており、敷板を通過させる間に敷板を洗浄するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の敷き鉄板洗浄装置では、ローラコンベアの途中に設けられたアーチ状(トンネル状)の洗浄機に、敷板の長辺が延びる長手方向の一端から他端までを通過させないと敷板の全体を洗浄することができない。このため、少なくともローラコンベアの移動方向である長手方向の大きさを、敷板の長辺の2倍以上にする必要があるため、ローラコンベアに載置される敷板の長辺が延びる方向において装置構成が大型化するという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、移動部に載置される敷板の長辺が延びる方向において装置構成を小型化することが可能な敷板洗浄装置を提供することである。
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における敷板洗浄装置は、短辺および長辺を有する敷板が載置され、載置された敷板を短辺が延びる短手方向に移動させる移動部と、移動部による敷板の短手方向への移動と合わせて、敷板に対して洗浄水を噴射する洗浄水噴射部と、を備える。
【0008】
この発明の一の局面による敷板洗浄装置では、上記のように、移動部による敷板の短手方向への移動と合わせて、敷板に対して洗浄水を噴射する洗浄水噴射部を設ける。これによって、洗浄の際に、移動部により敷板を敷板の長手方向ではなく敷板の短手方向に移動させることができる。このため、従来のように敷板を敷板の長手方向に移動させるために敷板の長辺の2倍以上となるような細長形状に移動部を形成しなくても、洗浄水噴射部により敷板を洗浄することができる。その結果、移動部に載置される敷板の長辺が延びる方向において装置構成を小型化することができる。
【0009】
上記一の局面による敷板洗浄装置において、好ましくは、洗浄水噴射部は、敷板の長辺が延びる長手方向において、敷板の長辺の略全域に対して洗浄水を同時に噴射可能に構成されている。このように構成すれば、敷板が移動する短手方向に直交する敷板の長辺の略全域に対して洗浄水を噴射することができるので、敷板を短手方向に移動させることにより敷板の全体を洗浄することができる。
【0010】
上記一の局面による敷板洗浄装置において、好ましくは、移動部は、短手方向において、敷板の移動を折り返すことにより、敷板を往復移動させるように構成されている。このように構成すれば、繰り返し敷板を洗浄することが可能となり、敷板の汚れを効果的に除去することができる。
【0011】
上記一の局面による敷板洗浄装置において、好ましくは、洗浄水噴射部は、第1噴射部と、第1噴射部とは敷板の異なる部分に対して洗浄水を噴射する第2噴射部と、を含み、第1噴射部と第2噴射部とは、互いに異なるタイミングで洗浄水を敷板に対して噴射するように構成されている。このように構成すれば、水圧を発生させて第1噴射部および第2噴射部の両方に噴射のための洗浄水を供給(圧送)する装置がある場合に、第1噴射部および第2噴射部から同時に洗浄水を噴射する場合と比較して、第1噴射部と第2噴射部とから互いに異なるタイミングで洗浄水を噴射することにより、より大きな水圧の洗浄水を噴射することができる。その結果、敷板の汚れを効果的に除去することができる。
【0012】
上記一の局面による敷板洗浄装置において、好ましくは、短手方向の一方側から敷板を搬入して移動部に載置可能なように、短手方向の一方側に開口した敷板搬入部をさらに備え、洗浄水噴射部は、敷板搬入部とは反対側である短手方向の他方側に向けて洗浄水を噴射するように構成されている。このように構成すれば、洗浄水噴射部により敷板搬入部とは反対側である短手方向の他方側に向けて洗浄水を噴射することができるので、敷板を搬入する作業者などに向けて洗浄水が飛散することを効果的に抑制することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、移動部よりも敷板搬入部とは反対側である短手方向の他方側に設けられ、敷板洗浄装置本体の外部に洗浄水が飛散するのを抑制する側壁部をさらに備える。このように構成すれば、側板部により、敷板洗浄装置本体の外部に洗浄水とともに、敷板の汚れが飛散するのを抑制することができる。
【0014】
上記側壁部を備える構成において、好ましくは、側壁部は、側壁部の上部に設けられ、洗浄水噴射部側に折り曲げられた屈曲部を有する。このように構成すれば、側板部の屈曲部により、側板部の上方から敷板洗浄装置本体の外部に洗浄水および汚れが飛散するのをより効果的に抑制することができる。
【0015】
上記敷板搬入部を備える構成において、好ましくは、移動部は、短手方向において、敷板の移動を折り返すことにより、敷板を往復移動させるように構成されているとともに、敷板搬入部から敷板を搬出可能となるように、敷板搬入部側である短手方向の一方側で敷板の移動を停止するように構成されている。このように構成すれば、敷板搬入部側である短手方向の一方側で敷板の移動を停止させることができるので、短手方向の同じ側で敷板の搬入および搬出を行うことができる。このため、敷板を洗浄する作業効率を向上させることができる。
【0016】
上記一の局面による敷板洗浄装置において、好ましくは、洗浄水噴射部は、敷板に向けて洗浄水を噴射するとともに、敷板の長辺が延びる長手方向に沿って並ぶように複数設けられた噴射口を有し、長手方向において、敷板の長辺の略全域に延びる洗浄用配管と、洗浄用配管に洗浄水を圧送するポンプと、を含む。このように構成すれば、ポンプにより水圧を発生させて、洗浄用配管の噴射口から敷板の長辺の略全域に洗浄水を噴射することにより、敷板を洗浄することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、洗浄用配管は、短手方向に所定の間隔を隔てて並ぶように複数設けられている。このように構成すれば、洗浄用配管が1つのみである場合と比較して、同時に敷板の短手方向のより大きな範囲を洗浄することができる。このため、敷板の短手方向の移動量を小さくすることができる。
【0018】
上記洗浄水噴射部が洗浄用配管を含む構成において、好ましくは、洗浄用配管は、敷板の上方側および下方側の各々から敷板に対して洗浄水を噴射するように、複数設けられている。このように構成すれば、移動部に載置された敷板を裏返す作業などを行うことなく、敷板の上面および下面の両方を洗浄することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、移動部に載置される敷板の長辺が延びる方向において装置構成を小型化することが可能な水中電動ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態による敷板洗浄装置の全体構成を示した模式図である。
【
図2】実施形態による敷板洗浄装置の側面図である。
【
図3】実施形態による敷板洗浄装置の各部の駆動タイミングの関係を示した図である。
【
図4】実施形態による敷板洗浄装置の平面図である。
【
図5】実施形態による敷板洗浄装置の正面図である。
【
図6】実施形態による敷板洗浄装置の動作について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
[実施形態]
(敷板洗浄装置の構成)
図1~
図6を参照して、実施形態の敷板洗浄装置100について説明する。敷板洗浄装置100は、敷板Pを移動させながら敷板Pに対して洗浄水を噴射して(吹き付けて)、敷板Pを洗浄するための装置である。
【0023】
なお、各図では、敷板洗浄装置100の上下方向をZ方向により示し、上方をZ1方向により示し、下方をZ2方向により示す。
【0024】
また、各図では、敷板洗浄装置100の長手方向をX方向により示し、X方向の一方をX1方向により示し、他方をX2方向により示す。敷板洗浄装置100の長手方向は、敷板洗浄装置100の移動部6に載置された敷板Pの長辺P1が延びる方向でもある。
【0025】
また、各図では、敷板洗浄装置100の短手方向をY方向により示し、Y方向の一方をY1方向により示し、他方をY2方向により示す。敷板洗浄装置100の短手方向は、敷板洗浄装置100の移動部6に載置された敷板Pの短辺P2が延びる方向でもある。Y1方向側は、特許請求の範囲の「短手方向の一方側」の一例である。Y2方向側は、特許請求の範囲の「短手方向の他方側」の一例である。
【0026】
図1に示す敷板Pとは、たとえば、工事現場などにおいて作業者の足場や仮設通路として利用される。すなわち、敷板Pとは、地面に沿って敷かれる板である。敷板Pは、金属や、樹脂、木材、ゴムなどにより形成することが可能である。敷板Pが地面に敷かれることにより、工事作業者やトラックなどが、ぬかるみになどはまることなどを回避することができる。敷板Pは、リース会社などにより管理されることが一般的であり、貸出期間が満了した後、回収して洗浄することにより繰り返し使用される。
【0027】
一般的に敷板Pのサイズは規格化されている。一例ではあるが、短辺P2×長辺P1のサイズには「5m×20m」や、「5m×10m」、「4m×8m」、「3m×6m」などがある。このように敷板Pは、いずれも厚み方向に直交する面が短辺P2および長辺P1を有する長方形に形成されている。
【0028】
図1に示すように、敷板洗浄装置100は、ポンプ1と、ポンプ1の送水用配管2と、敷板Pに対して洗浄水を噴射する洗浄水噴射部3と、水槽4と、ポンプ1の給水用配管5とを備えている。洗浄水噴射部3は、上側の洗浄用配管3aと、下側の洗浄用配管3bとを含んでいる。洗浄用配管3aは、特許請求の範囲の「第1噴射部」の一例である。また、洗浄用配管3bは、特許請求の範囲の「第2噴射部」の一例である。
【0029】
洗浄用配管3bは、洗浄用配管3aとは敷板Pの異なる部分に対して洗浄水を噴射するように構成されている。詳細には、洗浄用配管3aは、敷板Pの上方側から敷板Pの上面P3に対して洗浄水を噴射するように構成されている。洗浄用配管3bは、敷板Pの下方側から敷板Pの下面P4に対して洗浄水を噴射するように構成されている。
【0030】
敷板洗浄装置100は、ポンプ1を洗浄水の流れの起点とした場合、ポンプ1、送水用配管2、洗浄水噴射部3、水槽4、給水用配管5の順に、洗浄水を循環させるように構成されている。なお、敷板洗浄装置100は、循環させる洗浄水を新しい洗浄水に交換するための排水部および給水部などの構成(図示せず)を有している。
【0031】
また、敷板洗浄装置100は、敷板Pが載置される移動部6と、敷板搬入部7と、駆動開始操作部8(
図4参照)と、側壁部9とを備えている。移動部6は、洗浄水噴射部3による敷板Pの洗浄を行うために、載置された敷板Pを移動させるように構成されている。
【0032】
図2に示すように、敷板搬入部7は、短手方向の一方側(Y1方向側)から敷板Pを搬入して移動部6に載置可能なように、短手方向の一方側に開口している。すなわち、敷板搬入部7は、敷板洗浄装置100に敷板Pを搬入するための開口(開放)部分である。敷板搬入部7は、敷板洗浄装置100から敷板Pを搬出するためにも利用される。すなわち、敷板洗浄装置100は、短手方向の同じ側から敷板Pの搬入および搬出を行うように構成されている。敷板搬入部7を介した敷板Pの搬入および搬出は、フォークリフトFを利用して行われる。
【0033】
敷板洗浄装置100は、移動部6により敷板Pを移動させながら敷板Pの洗浄を行うことにより、敷板Pの同じ位置に洗浄水噴射部3から噴射された洗浄水が当たり続けることを防止することができるので、敷板Pの洗浄むらをなくすことができる。なお、敷板洗浄装置100は、ユニット化されてコンパクトに構成された装置であり、各部を一体的に組み付けた状態で搬送などを容易に行うことが可能に構成されている。
【0034】
駆動開始操作部8(
図4参照)は、たとえば、ボタン、レバーまたはタッチパネル式操作部などにより構成される。敷板洗浄装置100は、作業者により駆動開始操作部8が操作(ON)された場合、敷板洗浄装置100の各部の駆動のタイミングが合うように、敷板洗浄装置100の各部の駆動を調整して、敷板Pを洗浄するための敷板洗浄装置100の駆動を開始するように構成されている。
【0035】
一例として、
図3に示すように、敷板洗浄装置100は、駆動開始操作部8が操作(ON)された場合、ポンプ1を駆動させて洗浄水噴射部3から洗浄水を噴射するとともに、略同じタイミングで移動部6による敷板Pの移動を開始する。なお、洗浄水噴射部からの洗浄水の噴射が開始されてから1秒後などの所定時間経過後に、移動部による敷板の移動を開始してもよい。
【0036】
そして、敷板洗浄装置100は、洗浄水噴射部3により、移動部6により移動される敷板Pの全体の洗浄が完了する所定のタイミングで、ポンプ1および移動部6を停止させる。
【0037】
上記のような敷板洗浄装置100の各部の駆動のタイミングの調整は、次のような構成により実現される。一例ではあるが、敷板洗浄装置は、敷板洗浄装置の各部に対して共通のタイマーが設けられ、タイマーからの信号に基づいて各部の駆動のタイミングが調整されるように構成されている。この他、敷板洗浄装置は、敷板洗浄装置の各部の駆動を制御する制御部を備え、制御部による調整制御により、敷板洗浄装置の各部の駆動のタイミングを調整するように構成されていてもよい。
【0038】
ここで、
図1に示すように、本実施形態の敷板洗浄装置100の移動部6は、載置された敷板Pを、敷板Pの短辺P2が延びる短手方向(Y方向)に移動させるように構成されている。また、本実施形態の敷板洗浄装置100の洗浄水噴射部3は、移動部6による敷板Pの短手方向(Y方向)への移動と合わせて、敷板Pに対して洗浄水を噴射するように構成されている。なお、洗浄水噴射部3は、移動することがないように構成されている。
【0039】
また、本実施形態の敷板洗浄装置100の移動部6は、短手方向(Y方向)において、敷板Pの移動を折り返すことにより、敷板Pを往復移動させるように構成されている。
【0040】
詳細には、
図1に示すように、敷板Pは、敷板搬入部7を介して、移動部6の短手方向の一方側の所定の位置に載置された後、移動部6により短手方向の他方側への移動が開始される。移動部6は、移動部6の短手方向の他方側の所定の位置で、敷板Pの移動を折り返すことにより、敷板Pを移動部6上で1往復させた後、停止するように構成されている。したがって、敷板Pの移動には、敷板Pが短手方向の他方側に向けて移動する往路移動と、敷板Pが短手方向の一方側に向けて復路移動とがある。
【0041】
ここで再び
図3を参照して、洗浄用配管3aと洗浄用配管3bとは、互いに異なるタイミングで洗浄水を敷板Pに対して噴射するように構成されている。
【0042】
詳細には、洗浄用配管3aは、往路移動において、後述する上側弁体Vaが開状態となることにより、敷板Pの上方側から敷板Pの上面P3に対して洗浄水を噴射するように構成されている。同時に、洗浄用配管3bは、往路移動において、後述する下側弁体Vbが閉状態となることにより、敷板Pの下方側から敷板Pの下面P4に対して洗浄水を噴射することがないように構成されている。
【0043】
また、洗浄用配管3aは、復路移動において、上側弁体Vaが閉状態となることにより、敷板Pの上方側から敷板Pの上面P3に対して洗浄水を噴射することがないように構成されている。同時に、洗浄用配管3bは、復路移動において、下側弁体Vbが開状態となることにより、敷板Pの下方側から敷板Pの下面P4に対して洗浄水を噴射するように構成されている。
【0044】
(敷板洗浄装置の「ポンプ」の構成)
図1に示すポンプ1は、主として水中に設置されて貯水槽の水の揚水などに使用される水中電動ポンプである。一般的に、水中電動ポンプは、比較的汚れた水質環境下での使用を想定して設計されたポンプであり、異物の巻きこみなどに対して強いポンプである。敷板洗浄装置100のポンプ1は、水中に設置されることはなく、ポンプ1の周囲は外気に覆われている。ポンプ1の吐出口側である下流側には、送水用配管2が接続されている。ポンプ1の吸込口側である上流側には、給水用配管5が接続されている。なお、敷板洗浄装置のポンプとして、水中電動ポンプでなく陸上ポンプなどを用いてもよい。
【0045】
(敷板洗浄装置の「送水用配管」の構成)
送水用配管2は、ポンプ1から洗浄水噴射部3の洗浄用配管3a、3bに洗浄水を送るための管路である。
【0046】
送水用配管2は、途中で下流側に向けて上下2つに分岐するように構成されている。分岐後に上方側に延びる送水用配管2は、上方側の洗浄用配管3aに接続されている。分岐後に下方側に延びる送水用配管2は、下方側の洗浄用配管3bに接続されている。
【0047】
分岐後に上方側に延びる送水用配管2および下方側に延びる送水用配管2には、それぞれ、上側弁体Vaおよび下側弁体Vbが設けられている。上側弁体Vaおよび下側弁体Vbは、たとえば、電磁弁により構成されている。
【0048】
上側弁体Vaは、上方側の洗浄用配管3aに洗浄水が供給される開状態と、上方側の洗浄用配管3aに洗浄水が供給されない閉状態とを切り換えるように構成されている。下側弁体Vbは、下方側の洗浄用配管3bに洗浄水が供給される開状態と、下方側の洗浄用配管3bに洗浄水が供給されない閉状態とを切り換えるように構成されている。
【0049】
上側弁体Vaは、移動部6により敷板Pが短手方向の他方側(Y2方向側)に移動する間(往路移動の間)において、開状態を維持するように構成されている(
図3参照)。一方、下側弁体Vbは、移動部6により敷板Pが短手方向の他方側に移動する間(往路移動の間)において、閉状態を維持するように構成されている。
【0050】
また、上側弁体Vaは、移動部6により敷板Pが短手方向の一方側(Y1方向側)に移動する間(復路移動の間)において、閉状態を維持するように構成されている。一方、下側弁体Vbは、移動部6により敷板Pが短手方向の一方側に移動する間(復路移動の間)において、開状態を維持するように構成されている。要するに、敷板洗浄装置100は、往路では敷板Pの上面P3のみを洗浄して、復路では敷板Pの下面P4のみを洗浄するように構成されている。
【0051】
(敷板洗浄装置の「上側の洗浄用配管」および「下側の洗浄用配管」の構成)
図2、
図4および
図5に示すように、洗浄用配管(3aおよび3b)は、敷板Pの上方側および下方側の各々から敷板Pに対して洗浄水を噴射するように、複数(上下2つずつの合計4つ)設けられている。
【0052】
上側の洗浄用配管3aおよび下側の洗浄用配管3bは、敷板Pに対して上下対称に配置される点を除いて同様の構造を備えている。このため、以下では、上側の洗浄用配管3aについて詳細に説明し、下側の洗浄用配管3bの説明を省略する。
【0053】
上側の洗浄用配管3aは、敷板Pの長辺P1が延びる長手方向(X方向)において、敷板Pの長辺P1の略全域に対して洗浄水を同時に噴射可能に構成されている。
【0054】
詳細には、上側の洗浄用配管3aは、敷板Pの長辺P1の略全域に対向するように長手方向(X方向)に直線状に延びている。上側の洗浄用配管3aは、敷板Pの長辺P1が延びる長手方向に沿って並ぶように複数設けられた噴射口Naを有するノズルNを備えている。噴射口Naは、敷板Pに向けて洗浄水を噴射する上側の洗浄用配管3aの開口部分である。
【0055】
上側の洗浄用配管3aは、短手方向(Y方向)に所定の間隔を隔てて並ぶように複数(2つ)設けられている。
【0056】
2つの洗浄用配管3aのうちの短手方向の一方側(Y1方向側)の洗浄用配管3aは、短手方向において、移動部6の中央付近に配置されている。また、2つの洗浄用配管3aのうちの短手方向の一方側(Y1方向側)の洗浄用配管3aは、少なくとも、移動部6に移動される敷板Pの短手方向の一方側(Y1方向側)の半分よりも大きな範囲を洗浄するように構成されている。
【0057】
2つの洗浄用配管3aのうちの短手方向の他方側(Y2方向側)の洗浄用配管3aは、短手方向において、移動部6の中央よりも他方側(Y2方向側)で、かつ、移動部6の他方側(Y2方向側)の端部よりも敷板搬入部7に近い側(Y1方向側)に配置されている。また、2つの洗浄用配管3aのうちの短手方向の他方側(Y2方向側)の洗浄用配管3aは、少なくとも、移動部6に移動される敷板Pの短手方向の他方側(Y2方向側)の半分よりも大きな範囲を洗浄するように構成されている。
【0058】
洗浄用配管3aは、敷板搬入部7とは反対側である短手方向の他方側(Y2方向側)に向けて洗浄水を噴射するように構成されている。すなわち、洗浄用配管3aは、敷板Pを搬入および搬出する作業者やフォークリフトFなどが位置する側に洗浄水が飛散することがないように、作業者やフォークリフトFなどが位置する側に洗浄水を噴射しないように構成されている。
【0059】
(敷板洗浄装置の「側壁部」の構成)
側壁部9は、敷板洗浄装置本体の外部に洗浄水が飛散するのを抑制するように構成されている。側壁部9は、移動部6よりも敷板搬入部7とは反対側である短手方向の他方側(Y2方向側)に設けられている。側壁部9の上端は、上側の洗浄用配管3aよりも上方側に位置する。側壁部9は、長手方向(X方向)および上下方向(Z方向)に延びている。長手方向(X方向)において、側壁部9は、上側の洗浄用配管3aおよび下側の洗浄用配管3bよりも大きい。
【0060】
側壁部9は、側壁部9の上部に設けられ、洗浄水噴射部3側に折り曲げられた屈曲部9aを有している。
【0061】
(敷板洗浄装置の「移動部」の構成)
図1に示すように、移動部6は、短手方向(Y方向)において、敷板Pの移動を折り返すことにより、敷板Pを往復移動させるように構成されている。また、移動部6は、敷板搬入部7から敷板Pを搬出可能となるように、敷板搬入部7側である短手方向の一方側(Y1方向側)で敷板Pの移動を停止するように構成されている。
【0062】
移動部6は、敷板Pが上方から載置される複数のローラ60aが設置された回転軸60と、回転軸60を支持する軸受61と、1つのモータ62と、モータ62の駆動力を回転軸60に伝達するスプロケット63aおよびタイミングチェーン63bとを有している。回転軸60は、長手方向(X方向)に延びている。
【0063】
敷板Pは、長辺P1が延びる長手方向および短辺P2が延びる短手方向が、それぞれ、移動部6(敷板洗浄装置100)の長手方向および短手方向に略一致する状態で、複数のローラ60a上に載置される。
【0064】
複数のローラ60aが設置された回転軸60は、短手方向に所定の間隔を隔てて複数(5つ)設けられている。すべての回転軸60は、1つのモータ62によりスプロケット63aおよびタイミングチェーン63bを介して駆動されるため、回転が同期するように構成されている。
【0065】
一例ではあるが、敷板Pの搬入時において、複数の回転軸60は、短手方向の一方側の一部(3つ)にのみ敷板Pが載置される。移動部6は、モータ62を一方回転方向に回転させて複数の回転軸60を一方回転方向(R1方向、
図6(B)参照)に回転させることにより、敷板Pを短手方向の他方側(Y2方向側)に移動(往路移動)させるように構成されている。また、移動部6は、モータ62を他方回転方向に回転させて複数の回転軸60を他方回転方向(R2方向、
図6(D)参照)に回転させることにより、敷板Pを短手方向の一方側(Y1方向側)に移動(復路移動)させるように構成されている。
【0066】
そして、移動部6は、敷板Pを復路移動させることにより、敷板Pが搬入した元の位置に復帰した場合に、停止するように構成されている。
【0067】
水槽4は、上側の洗浄用配管3aおよび下側の洗浄用配管3bから噴射された洗浄水、および、敷板Pから除去された異物(汚れ)を、下方から受け取り貯留するように構成されている。水槽4は、平面視で、少なくとも、移動部6および洗浄用配管3a、3bとオーバラップしており、移動部6および洗浄用配管3a、3bよりも大きな範囲に設けられている。
【0068】
(敷板洗浄装置の「給水用配管」の構成)
給水用配管5は、水槽4からポンプ1に洗浄水を送るための管路である。給水用配管5には、異物を除去して洗浄水のみを通過させるフィルタ5aと、フィルタ5aにより除去された異物を外部に排出する排出コンベア5bとが設けられている。
【0069】
(敷板洗浄装置の敷板の洗浄動作)
図6(A)~(E)を参照して、敷板洗浄装置100の敷板Pの洗浄動作について説明する。
【0070】
まず、
図6(A)に示すように、フォークリフトFにより、敷板搬入部7を介して敷板Pが搬入され、敷板Pが移動部6に載置される。
【0071】
次に、
図6(B)に示すように、駆動開始操作部8が操作(ON)されることにより、モータ62が駆動して、移動部6の回転軸60が一方回転方向(R1方向)への回転を開始する。また、回転軸60が一方回転方向(R1方向)への回転を開始するのと略同時に、上側弁体Va(
図1参照)が開状態になり、ポンプ1(
図1参照)が駆動して上側の洗浄用配管3aから洗浄水が噴射される。この際、下側弁体Vb(
図1参照)は閉状態で維持される。回転軸60が一方回転方向(R1方向)に回転することにより、移動部6に載置されている敷板Pが短手方向の他方側に移動(往路移動)される。
【0072】
次に、
図6(C)に示すように、敷板Pが短手方向の他方側の所定位置Sに到達した場合、所定位置Sで移動部6のモータ62の回転が逆転して、敷板Pの移動が折り返される。なお、敷板Pが所定位置Sに到達した時点(瞬間)では、側壁部9とは反対側(Y1方向側)の洗浄用配管3aが敷板Pの短手方向の一方側(Y1方向側)の端部P5を上方から洗浄する状態になる。
【0073】
次に、
図6(D)に示すように、回転軸60が他方回転方向(R2方向)への回転を開始するのと略同時に、上側弁体Vaが閉状態になるとともに、下側弁体Vbが開状態になり、下側の洗浄用配管3bから洗浄水が噴射される。回転軸60が他方回転方向(R2方向)に回転することにより、移動部6に載置されている敷板Pが短手方向の一方側に移動(復路移動)される。また、復路移動の開始時点では、敷板Pは所定位置Sに位置する。なお、復路移動の開始時点では、側壁部9とは反対側(Y1方向側)の洗浄用配管3bが敷板Pの短手方向の一方側の端部P5を下方から洗浄する状態になる。
【0074】
次に、
図6(E)に示すように、敷板Pが短手方向の一方側(Y1方向側)の往路移動を開始した元の位置に到達(復帰)した場合、モータ62が停止して、移動部6による敷板Pの復路移動が停止される。この際、ポンプ1の駆動も停止される。そして、フォークリフトFにより、敷板搬入部7を介して敷板Pが搬出される。なお、汚れの程度によってはフォークリフトFによる敷板Pの搬出を行うのではなく、再び駆動開始操作部8を操作(ON)して、上記の各動作を繰り返すことにより、敷板Pを洗浄してもよい。
【0075】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0076】
本実施形態では、上記のように、移動部6による敷板Pの短手方向への移動と合わせて、敷板Pに対して洗浄水を噴射する洗浄水噴射部3を設ける。これによって、洗浄の際に、移動部6により敷板Pを敷板Pの長手方向ではなく敷板Pの短手方向に移動させることができる。このため、従来のように敷板Pを敷板Pの長手方向に移動させるために敷板Pの長辺P1の2倍以上となるような細長形状に移動部6を形成しなくても、洗浄水噴射部3により敷板Pを洗浄することができる。その結果、移動部6に載置される敷板Pの長辺P1が延びる方向において装置構成を小型化することができる。
【0077】
本実施形態では、上記のように、洗浄水噴射部3は、敷板Pの長辺P1が延びる長手方向において、敷板Pの長辺P1の略全域に対して洗浄水を同時に噴射可能に構成されている。これによって、敷板Pが移動する短手方向に直交する敷板Pの長辺P1の略全域に対して洗浄水を噴射することができるので、敷板Pを短手方向に移動させることにより敷板Pの全体を洗浄することができる。
【0078】
本実施形態では、上記のように、移動部6は、短手方向において、敷板Pの移動を折り返すことにより、敷板Pを往復移動させるように構成されている。これによって、繰り返し敷板Pを洗浄することが可能となり、敷板Pの汚れを効果的に除去することができる。
【0079】
本実施形態では、上記のように、洗浄水噴射部3は、洗浄用配管3aと、洗浄用配管3aとは敷板Pの異なる部分に対して洗浄水を噴射する洗浄用配管3bと、を含み、洗浄用配管3aと洗浄用配管3bとは、互いに異なるタイミングで洗浄水を敷板Pに対して噴射するように構成されている。これによって、水圧を発生させて洗浄水を噴射する洗浄用配管3aおよび洗浄用配管3bの両方に噴射のための洗浄水を供給(圧送)する装置(ポンプ1)がある場合に、洗浄用配管3aおよび洗浄用配管3bから同時に洗浄水を噴射する場合と比較して、洗浄用配管3aと洗浄用配管3bとから互いに異なるタイミングで洗浄水を噴射することにより、より大きな水圧の洗浄水を噴射することができる。その結果、敷板Pの汚れを効果的に除去することができる。また、上側の洗浄用配管および下側の洗浄用配管の両方から洗浄水を所定の水圧により噴射するとした場合と比較して、洗浄用配管3aと洗浄用配管3bとから互いに異なるタイミングで所定の水圧により洗浄水を噴射する場合の方が、ポンプ1のポンプ容量を小さくすることができるとともに、敷板Pの洗浄に使用する洗浄水を削減することができる。
【0080】
本実施形態では、上記のように、短手方向の一方側から敷板Pを搬入して移動部6に載置可能なように、短手方向の一方側に開口した敷板搬入部7をさらに備え、洗浄水噴射部3は、敷板搬入部7とは反対側である短手方向の他方側に向けて洗浄水を噴射するように構成されている。これによって、洗浄水噴射部3により敷板搬入部7とは反対側である短手方向の他方側に向けて洗浄水を噴射することができるので、敷板Pを搬入する作業者などに向けて洗浄水が飛散することを効果的に抑制することができる。
【0081】
本実施形態では、上記のように、移動部6よりも敷板搬入部7とは反対側である短手方向の他方側に設けられ、敷板洗浄装置本体の外部に洗浄水が飛散するのを抑制する側壁部9をさらに備える。これによって、側壁部9により、敷板洗浄装置本体の外部に洗浄水とともに、敷板Pの汚れが飛散するのを抑制することができる。
【0082】
本実施形態では、上記のように、側壁部9は、側壁部9の上部に設けられ、洗浄水噴射部3側に折り曲げられた屈曲部9aを有する。これによって、側壁部9の屈曲部9aにより、側壁部9の上方から敷板洗浄装置本体の外部に洗浄水および汚れが飛散するのをより効果的に抑制することができる。
【0083】
本実施形態では、上記のように、移動部6は、短手方向において、敷板Pの移動を折り返すことにより、敷板Pを往復移動させるように構成されているとともに、敷板搬入部7から敷板Pを搬出可能となるように、敷板搬入部7側である短手方向の一方側で敷板Pの移動を停止するように構成されている。これによって、敷板搬入部7側である短手方向の一方側で敷板Pの移動を停止させることができるので、短手方向の同じ側で敷板Pの搬入および搬出を行うことができる。このため、敷板Pを洗浄する作業効率を向上させることができる。
【0084】
本実施形態では、上記のように、洗浄水噴射部3は、敷板Pに向けて洗浄水を噴射するとともに、敷板Pの長辺P1が延びる長手方向に沿って並ぶように複数設けられた噴射口Naを有し、長手方向において、敷板Pの長辺P1の略全域に延びる洗浄用配管3a、3bと、洗浄用配管3a、3bに洗浄水を圧送するポンプ1と、を含む。これによって、ポンプ1により水圧を発生させて、洗浄用配管3a、3bの噴射口Naから敷板Pの長辺P1の略全域に洗浄水を噴射することにより、敷板Pを洗浄することができる。
【0085】
本実施形態では、上記のように、上側の洗浄用配管3aおよび下側の洗浄用配管3bの各々は、短手方向に所定の間隔を隔てて並ぶように複数設けられている。これによって、洗浄用配管が1つのみである場合と比較して、同時に敷板Pの短手方向のより大きな範囲を洗浄することができる。このため、敷板Pの短手方向の移動量を小さくすることができる。
【0086】
本実施形態では、上記のように、洗浄用配管3a、3bは、敷板Pの上方側および下方側の各々から敷板Pに対して洗浄水を噴射するように、複数設けられている。これによって、移動部6に載置された敷板Pを裏返す作業などを行うことなく、敷板Pの上面および下面の両方を洗浄することができる。
【0087】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0088】
たとえば、上記実施形態では、移動部をローラが設置された回転軸により構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、移動部をベルトコンベアなどにより構成してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、移動部のローラが設置された回転軸を、5つ設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、移動部のローラが設置された回転軸を、5つとは異なる数だけ設けてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、フォークリフトにより敷板の搬入および搬出を行なう例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、クレーンなどにより敷板の搬入および搬出を行なってもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、移動部の短手方向の他方側のみに側壁部を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、移動部の長手方向の一方側または両側などに側壁部を設けてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、上側(下側)の洗浄用配管を、短手方向に2つ並ぶように設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上側(下側)の洗浄用配管を、短手方向に1つのみ設けてもよいし、3つ以上並ぶように設けてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、上側の洗浄用配管の数(2つ)と、下側の洗浄用配管の数(2つ)とを等しくした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上側の洗浄用配管の数(2つ)と、下側の洗浄用配管の数(2つ)とが、異なっていてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、上側(下側)の洗浄用配管を、長手方向に延びるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上側(下側)の洗浄用配管を、短手方向に延びるように構成してもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、上側の洗浄用配管と下側の洗浄用配管とを、互いに異なるタイミングで洗浄水を噴射するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上側の洗浄用配管と下側の洗浄用配管とを、同じタイミングで洗浄水を噴射するように構成してもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、往路において上側の洗浄用配管のみから洗浄水を噴射するとともに、復路移動において下側の洗浄用配管のみから洗浄水を噴射するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、往路移動において下側の洗浄用配管のみから洗浄水を噴射するとともに、復路において上側の洗浄用配管のみから洗浄水を噴射するように構成してもよい。この他、敷板の往路移動および復路移動に関わらず、上側の洗浄用配管からの洗浄水の噴射と、下側の洗浄用配管からの洗浄水の噴射とを、所定時間毎に交互に切り換えてもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、駆動開始操作部に対する1度の操作に基づいて、移動部により敷板を短手方向に1往復だけ移動させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、駆動開始操作部に対する1度の操作に基づいて、移動部により敷板を短手方向に2往復以上移動させてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、移動部により敷板を短手方向に往復移動させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、移動部により敷板を短手方向に往復移動させなくてもよい。すなわち、敷板洗浄装置の短手方向の一方側から敷板を搬入して移動部に載置するとともに、移動部により敷板を短手方向の他方側に移動させた後、敷板洗浄装置の短手方向の他方側から敷板を搬出してもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、ポンプを1つのみ備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ポンプを複数備えていてもよい。
【0100】
また、上記実施形態の敷板洗浄装置は、上記実施形態の敷板洗浄装置の構成に加えて、敷板の洗浄を補助するためのブラシをさらに備えていてもよい。
【0101】
また、上記実施形態の敷板洗浄装置は、上記実施形態の敷板洗浄装置の構成に加えて、循環する洗浄水のPH値を測定するPHセンサと、PHセンサの測定値に基づいて洗浄水のPH値を調整するPH中和装置とをさらに備えていてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 ポンプ
3 洗浄水噴射部
3a 洗浄用配管(第1噴射部)
3b 洗浄用配管(第2噴射部)
6 移動部
7 敷板搬入部
9 側壁部
9a 屈曲部
100 敷板洗浄装置
Na 噴射口
P 敷板
P1 長辺
P2 短辺