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特開2023-68719無軸スクリュー羽根による減容化方法および無軸スクリュー搬送混合装置を備える減容化システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068719
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】無軸スクリュー羽根による減容化方法および無軸スクリュー搬送混合装置を備える減容化システム
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/60 20220101AFI20230511BHJP
   B01F 27/72 20220101ALI20230511BHJP
【FI】
B09B3/00 D
B01F7/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179977
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】514306456
【氏名又は名称】株式会社新光工業
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 経雄
【テーマコード(参考)】
4D004
4G078
【Fターム(参考)】
4D004AA03
4D004AA04
4D004CA04
4D004CA18
4D004CA42
4D004CB13
4D004CB36
4D004CB44
4D004CB45
4D004DA06
4D004DA09
4G078AA01
4G078AB20
4G078BA01
4G078BA07
4G078CA02
4G078DA09
4G078DC10
4G078EA10
(57)【要約】
【課題】従来よりも好適な減容化が可能な、無軸スクリュー羽根による減容化方法および無軸スクリュー羽根を備える減容化システムを提供する。
【解決手段】第一減容化システム100は、第一供給部と第一排出部とを有する第一無軸スクリュー搬送混合装置1と、被減容化物と分解機能処理物が循環されるように、前記第一排出部と第一連結部で連結される第二供給部と、前記第一供給部と第二連結部で連結される第二排出部とを有する第二無軸スクリュー搬送混合装置2と、を備える、
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一供給部と第一排出部とを有する第一無軸スクリュー搬送混合装置と、
被減容化物と分解機能処理物が循環されるように、前記第一排出部と第一連結部で連結される第二供給部と、前記第一供給部と第二連結部で連結される第二排出部とを有する第二無軸スクリュー搬送混合装置と、を備える、
第一減容化システム。
【請求項2】
第一無軸スクリュー羽根と、
第一無軸スクリュー羽根と螺旋方向が同じになるように平行配置される、第二無軸スクリュー羽根と、
第一無軸スクリュー羽根を収納する第一収容部と、第二無軸スクリュー羽根を収容する第二収容部と、第一収容部と第二収容部の境界に配置される中間壁部と、中間壁部よりも高さが低く、中間境界壁部の両端に設けられる第一、第二連絡境界壁部と、を有するケーシング本体と、
前記第一無軸スクリュー羽根と連結される第一駆動手段と、
前記第二無軸スクリュー羽根と連結される第二駆動手段と、を備える
第二減容化システム。
【請求項3】
第一供給部と第一排出部とを有する第一無軸スクリュー搬送混合装置と、
被減容化物が循環されるように、前記第一排出部と第一連結部で連結される第二供給部と、第二排出部とを有する第二無軸スクリュー搬送混合装置と、
被減容化物が循環されるように、前記第(i-1)排出部と第(i-1)連結部で連結される第(i)供給部と、第(i)排出部とを有する第i無軸スクリュー搬送混合装置(i)と、
被減容化物が循環されるように、前記第(i)排出部と第i連結部で連結される第(i+1)供給部と、第(i+1)排出部とを有する第(i+1)無軸スクリュー搬送混合装置(i+1)と、
被減容化物が循環されるように、前記第(n-1)排出部と第(n-1)連結部で連結される第(n)供給部と、前記第一供給部と第(n+1)連結部で連結される第(n)排出部とを有する第(n)無軸スクリュー搬送混合装置(n)と、を備える、第三減容化システム。
【請求項4】
無軸スクリュー搬送混合による減容化方法であって、
前記請求項1に記載の第一減容化システム、請求項2に記載の第二減容化システムに、または前記請求項3に記載の第三減容化システムに、被減容化物および分解機能処理物を供給する供給ステップと、
前記第一減容化システム、前記第二減容化システムまたは第三減容化システムにおける、無軸スクリュー羽根を駆動し、被減容化物および分解機能処理物を混合させながら循環搬送し、減容化する搬送混合減容化ステップと、
を含む、
減容化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無軸スクリュー羽根による減容化方法および無軸スクリュー搬送混合装置を備える減容化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の食物残渣分解撹拌処理装置は、ホッパー内に、粉砕した食物残渣と木材チップ(菌)を入れ、加温しながら有軸の撹拌羽根で撹拌させることで減容することを開示している。
特許文献2の食品加工残渣分解装置は、撹拌槽に、食品加工残渣と微生物を射て、有軸の撹拌羽根で撹拌させながら発酵作用により分解、減容することを開示している。
特許文献1および2は、いずれも撹拌槽(ホッパー)内での撹拌であり、微生物・菌との接触を均一化させることで分解・減容を行う技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3227203号公報
【特許文献2】特許第3001852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来よりも好適な減容化が可能な、無軸スクリュー羽根による減容化方法および無軸スクリュー羽根を備える減容化システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一減容化システム(100)は、
第一供給部(121b)と第一排出部(122)とを有する第一無軸スクリュー搬送混合装置(1)と、
被減容化物と分解機能処理物が循環されるように、前記第一排出部(122)と第一連結部(181)で連結される第二供給部(221)と、前記第一供給部(121)と第二連結部(182)で連結される第二排出部(222)とを有する第二無軸スクリュー搬送混合装置(2)と、を備えている。
前記第一無軸スクリュー搬送混合装置(1)は、被減容化物が供給される供給部(121a)を備えていてもよい。第一供給部(121b)から、被減容化物が供給される構成であってもよい。
前記第一無軸スクリュー搬送混合装置(1)および/または第二無軸スクリュー搬送混合装置(2)は、減容化した処理物を排出する排出口を有していてもよい。第一、第二排出部および/または第一、第二連結部が、排出口を兼用していてもよい。第一、第二排出部および/または第一、第二連結部に、排出口(蓋を開けると開口する構造)が設けられていてもよい。第一、第二供給部は、開口であってもよい。第一、第二排出部は、開口であってもよい、第一、第二連結部は、第一排出部と第二供給部、第二排出部と第一供給部、を繋ぐ、ホッパー構造、円筒構造であってもよい。
【0006】
前記第一無軸スクリュー搬送混合装置(1)は、
搬送混合用の第一無軸スクリュー羽根(11)と、
前記第一無軸スクリュー羽根(11)をその内部に収納する第一ケーシング(12)と、
前記第一無軸スクリュー羽根(11)と(第一フランジ(14)を介してまたは介さずに)連結される第一駆動手段(15)と、を備えていてもよい。
前記第二無軸スクリュー搬送混合装置(2)は、
搬送混合用の第二無軸スクリュー羽根(21)と、
前記二無軸スクリュー羽根(21)をその内部に収納する第二ケーシング(22)と、
前記第二無軸スクリュー羽根(21)と(第二フランジ(24)を介してまたは介さずに)と連結される第二駆動手段(25)と、を備えていてもよい。
【0007】
前記第一無軸スクリュー搬送混合装置(1)は、水平に対し角度θ1で傾斜し、前記第二無軸スクリュー搬送混合装置(2)が水平に対し角度θ2(例えば、|θ1|=|θ2|)で反対側に傾斜していてもよい。長手方向(全長L)の中心を境に、異なる方向に傾斜していてもよい。傾斜を利用し、無軸スクリューで搬送されてくる被減容化物を重力も利用して移動させることができる。
前記第一無軸スクリュー搬送混合装置(1)は、水平に配置され、前記第二無軸スクリュー搬送混合装置(2)が水平に対し角度θで傾斜していてもよい。
全長とケーシングの外径のサイズにより、θ1、θ2、は設定されるが、例えば、1度から30度未満である。
【0008】
前記第一、第二連結部(181、182)は、その内部を通る被減容化物が重力により移動可能であってもよく、コンベア、プッシャー、掻き取り手段、無軸スクリュー、有軸スクリューなどの送込手段を有していてもよい。
【0009】
別実施形態の第三減容化システムは、
第一供給部と第一排出部とを有する第一無軸スクリュー搬送混合装置(1)と、
被減容化物が循環されるように、前記第一排出部と第一連結部で連結される第二供給部と、第二排出部とを有する第二無軸スクリュー搬送混合装置(2)と、
被減容化物が循環されるように、前記第i-1排出部と第i-1連結部で連結される第i供給部と、第i排出部とを有する第i無軸スクリュー搬送混合装置(i)と、
被減容化物が循環されるように、前記第i排出部と第i連結部で連結される第i+1供給部と、第i+1排出部とを有する第i+1無軸スクリュー搬送混合装置(i+1)と、
被減容化物が循環されるように、前記第n-1排出部と第n-1連結部で連結される第n供給部と、前記第一供給部と第n+1連結部で連結される第n排出部とを有する第n無軸スクリュー搬送混合装置(n)と、を備えていてもよい。
i=3、・・、nである。
被減容化物が循環搬送混合されるように、複数の無軸スクリュー搬送混合装置(1、2、3・・n)を連結させることができる。連結の配置は特に制限されないが、設置する空間の制限に応じて、無軸スクリュー搬送混合装置の全長、外径を決め、連結のレイアウトを決定することができる。
【0010】
前記第一無軸スクリュー搬送混合装置(1)は、前記第一ケーシング(12)の内面に配置される第一トラフ(13)を備えていてもよい。
前記第二無軸スクリュー搬送混合装置(2)は、前記第二ケーシング(22)の内面に配置される第二トラフ(23)を備えていてもよい。
【0011】
前記第一減容化システム(100)は、第一、第二無軸スクリュー搬送混合装置(1)の第一、第二ケーシング(12、22)を加温しその内部を加温する加温装置を備えていてもよい。
前記第一減容化システム(100)は、第一、第二無軸スクリュー搬送混合装置(1)の第一、第二ケーシング(12、22)内の温度を加温させるように温風(例えば、温度10℃から80℃の温風)を送る温風装置を備えていてもよい。これにより、分解機能処理物の好適な温度条件を外から加えることも可能となる。
【0012】
前記第一、第二無軸スクリュー搬送混合装置(1、2)は、蒸発した水分を排出する第一、第二水分排出部が設けられていてもよい。第一、第二水分排出部は、ケーシングに設けられる開口部であってもよく、強制排出する吸気装置を設けていてもよい。
【0013】
第二減容化システム(300)は、
第一無軸スクリュー羽根(11)と、
第一無軸スクリュー羽根(11)と螺旋方向が同じになるように平行配置される、第二無軸スクリュー羽根(21)と、
第一無軸スクリュー羽根(11)を収納する第一収容部(201)と、第二無軸スクリュー羽根(21)を収容する第二収容部(202)と、第一収容部(201)と第二収容部(201)の境界に配置される中間壁部(204b)と、中間壁部(204b)よりも高さが低く、中間境界壁部(204b)の両端に設けられる第一、第二連絡境界壁部(204a1、204a2)と、を有するケーシング本体(200)と、
前記第一無軸スクリュー羽根(11)の第一フランジ(14)と連結される第一駆動手段(15)と、
前記第二無軸スクリュー羽根(21)の第二フランジ(24)と連結される第二駆動手段(25)と、
を備える。
第二減容化システム(300)の第一収容部および/または第二収容部は、減容化した処理物を排出する排出口を有していてもよい。排出口が羽根先端側の収容部の側壁(205)に設けられていてもよく、収容部の底部に設けられていてもよい。
第二減容化システム(300)は、水平配置されていてもよく、羽根先端側が高くなるように傾斜α(1度から30度未満)して設置させてもよい。
【0014】
第一、第二連絡境界壁部(204a1、204a2)のサイズは、羽根の1ピッチから2ピッチの範囲で調整してもよい。
第一無軸スクリュー羽根(11)が内側に向かって回転し、第二無軸スクリュー羽根(21)が内側に向かって回転し、被減容化物が第一、二収容部(201、202)内を混合されながら移動する。中間境界壁部(204b)よりも第一、第二連絡境界壁部(204a1、204a2)を低くなっているので、中間境界壁部(204b)では乗り越えることなく、第一、第二連絡境界壁部(204a1、204a2)の位置で乗り越えて、被減容化物が一方から他方の収容部へ移動させることができる。
【0015】
前記第二減容化システム(300)は、前記ケーシング本体(200)の上部を覆う蓋部(203)を備えていてもよい。
【0016】
第一、二収容部(201、202)は、第一、第二半円下部(201a、202a)と、半円下部(201a、202a)の内側の一方端部(201b、202b)同士が接続されて前記境界が形成され、外側の他方端部が(上方へ)延設され第一、第二側面部(201c、202c)が形成されていてもよい。
第一、第二半円下部(201a、202a)の曲率半径は、無軸スクリュー羽根の回転軸(a0)に対する断面半径よりも大きくてもよい。回転軸(a0)と第一、第二半円下部(201a、202a)の中心が同じでもよく、上下方向のいずれかに所定間隔(例えば間隔d2)分ずれていてもよい。間隔d2は、例えば、1cmから30cmなどが例示される。
また、別実施形態として、第一、二収容部は、内面が円筒形状であってもよい。
【0017】
中間境界壁部(204b)は、無軸スクリュー羽根の回転軸(a0)の高さ位置よりも高くてもよい。例えば、回転軸から上側の内径の端部までの範囲の高さ位置、内径の端部から外径の端部までの高さ位置の範囲のいずれかであってもよい。中間境界壁部(204b)は、回転軸(a0)より間隔(d1+d2)分、高く配置されていてもよい。中間境界壁部(204b)は、第一、第二連絡境界壁部(204a1、204a2)の天部より間隔(d1)分、高く配置されていてもよい。中間境界壁部(204b)の高さが蓋(203)まで立設されていてもよい。
第一、第二連絡境界壁部(204a1、204a2)は、無軸スクリュー羽根の回転軸(a0)の高さと同じか、それよりもわずかに高いあるいは低い位置であってもよく、第一、二収容部(201、202)の内面下端の位置でもよい。例えば、回転軸(a0)から上側または下側の内径の端部までの範囲の高さ位置でもよい。第一、第二連絡境界壁部(204a1、204a2)は、回転軸(a0)より間隔(d2)分、高く配置されていてもよい。または、第一、第二連絡境界壁部(204a1、204a2)が設けられていなくてもよい。
第一、第二連絡境界壁部(204a1、204a2)の高さが、第一、第二収容部の長手方向の端ほどその内側よりも低く構成されていてもよい。
間隔d1は、例えば、5cmから30cmなどが例示される。
間隔d2は、例えば、1cmから30cmなどが例示される。
第一連絡境界壁部(204a1)は、無軸スクリュー羽根の基部側(フランジ側、駆動手段側)に設けられ、第二連絡境界壁部(204a2)は、無軸スクリュー羽根の先端側(フランジ側、駆動手段側とは他方端部)に設けられていてもよく、お互いが逆であってもよい。
【0018】
前記第一収容部(201)は、その内面に配置される第一トラフを備えていてもよい。
前記第二収容部(202)は、その内面に配置される第二トラフを備えていてもよい。
【0019】
前記第二減容化システム(300)は、第一、二収容部(201、202)を加温しその内部を加温する加温装置を備えていてもよい。
前記第二減容化システム(300)は、第一、二収容部(201、202)内の温度を加温させるように温風(例えば、温度10℃から80℃の温風)を送る温風装置を備えていてもよい。これにより、分解機能処理物の好適な温度条件を外から加えることも可能となる。
【0020】
前記第一、二収容部(201、202)は、蒸発した水分を排出する第一、第二水分排出部が設けられていてもよい。第一、第二水分排出部は、第一、二収容部(201、202)に設けられる開口部であってもよく、強制排出する吸気装置を設けていてもよい。
【0021】
無軸スクリュー羽根による減容化方法は、
第一減容化システム(100)の第一、第二ケーシング(12、22)、または、第二減容化システム(300)の第一、二収容部(201、202)に、被減容化物および分解機能処理物を供給する供給ステップと、
第一減容化システム(100)または第二減容化システム(300)における、少なくとも1つ以上の無軸スクリュー羽根(例えば、第一無軸スクリュー羽根(11)および第二無軸スクリュー羽根(21))を駆動し、被減容化物および分解機能処理物を混合させながら循環搬送し、減容化する搬送混合減容化ステップと、
を含む。
【0022】
前記搬送混合減容化ステップにおいて、分解機能処理物(例えば、微生物)の作用によって発酵分解が進み、発酵分解時に生じる熱で被減容化物の水分を蒸発させることができる。
【0023】
前記減容化方法は、前記供給ステップの前に、被減容化物を前処理する前処理ステップを含んでいてもよい。前処理としては、袋類、プラスチック類、金属類の除去処理、被減容化物を所定サイズ以下に破砕する破砕処理、所定水分値以下(例えば、10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下など)となるように乾燥させる乾燥処理、被減容化物と分解機能処理物を事前混合(例えば、粗混合)処理、などが挙げられる。
【0024】
前記搬送混合減容化ステップは、被減容化物および分解機能処理物を所定温度に制御しながら混合搬送し減容化するステップであってもよい。これにより、分解機能処理物の好適な温度条件を外から加えることも可能となる。
【0025】
「被減容化物」は、例えば、家庭、食品工場、飲食店、ホテル、客船などから廃棄された食物残渣などが挙げられる。被搬送物は水分を含んでいてもよい。
「分解機能処理物」は、例えば、菌、バクテリアなどの微生物などを含む物質である。放線菌、糸状菌、油分分解菌、リグニン分解菌などの有機物を効率よく分解する微生物が例示され、それら1種または2種以上を含んでいてもよい。
【0026】
投入される「被減容化物」と「分解機能処理物」の比は、50:50~95:5の範囲であり、「被減容化物」の性状、「分解機能処理物」の種類によって設定できる。
「被減容化物」及び「分解機能処理物」の初期投入量は、1つの無軸スクリュー搬送混合装置あたり、ケーシング内容積の30%から80%の範囲で設定できる。
また、「被減容化物」及び「分解機能処理物」の初期投入量は、無軸スクリュー羽根の収容部あたり、収容部内容積の30%から60%の範囲で設定できる。
【0027】
無軸スクリュー羽根の回転数を3rpm以上8rpm以下とし、20時間から50時間の範囲で撹拌混合を行ってもよい。
減容化率(=所定時間経過後の投入量(減容後)の容積/初期投入量の容積)は、80%以上95%以下が例示される。
減容化率88%以上92%以下にするための運転時間としては、例えば20から30時間が例示される。
【0028】
前記第一、第二無軸スクリュー羽根(11、21)は、
羽根本体(80)を備える。後述する混合用突設部が羽根に設けられていない構成である。
【0029】
前記第一、第二無軸スクリュー羽根(11、21)は、
羽根本体(80)と、
前記羽根本体(80)の第一主面(80a)および/または第二主面(80b)に、羽根本体(80)の1ピッチ(p)当たり少なくとも1つ以上立設される混合用突設部と、
を備えていてもよい。
【0030】
「第一主面」は、停止している状態において、フランジ主面と対向する側の面をいう。第一主面に立設される混合用突設部を、第一混合用突設部(1ピッチあたり一つ以上ある)という。
「第二主面」は、第一主面と表裏の関係となる反対側の面をいう。第二主面に立設される混合用突設部を、第二混合用突設部(1ピッチあたり一つ以上ある)という。
【0031】
羽根本体(80)の1ピッチ当たり複数個の第一混合用突設部が、第一主面(80a)に立設される場合に、羽根本体(80)の螺旋形状においてそれぞれが等間隔または実質的に等間隔に配置されていてもよい。
羽根本体(80)の1ピッチ当たり複数個の第二混合用突設部が、第二主面(80b)に立設される場合に、羽根本体(80)の螺旋形状において等間隔または実質的に等間隔に配置されていてもよい。
3つの混合用突設部であれば、羽根回転軸(a0)を中心にして螺旋形状の第一主面(第二主面)において120°の間隔で配置されていてもよい。
4つの混合用突設部であれば、羽根回転軸(a0)を中心にして螺旋形状の第一主面(第二主面)において90°の間隔で配置されていてもよい。
6つの混合用突設部であれば、羽根回転軸(a0)を中心にして螺旋形状の第一主面(第二主面)において60°の間隔で配置されていてもよい。
【0032】
第一主面(80a)に立設される第一混合用突設部の位置と、第二主面(80b)に立設される第二混合用突設部の位置とが、羽根本体(厚みt)を間に挟んで同じまたは実質的に同じであってもよい(図1D(a)参照)。
第一主面(80a)に立設される第一混合用突設部の位置と、第二主面(80b)に立設される混合用突設部の位置とが、羽根本体(厚みt)を間に挟んで異なる位置であってもよい。異なる位置である場合に、第一主面(80a)に立設される隣り合う第一混合用突設部の間(例えば、少しずれた位置(図1D(b)参照)、中間位置など)に、第二主面(80b)に第二混合用突設部が設けられてもよい。
【0033】
混合用突設部は、第一主面(80a)または第二主面(80b)の垂直方向に立設、または垂直方向に対し所定の角度α(例えば、±1度~±45度)に傾斜して立設されていてもよい。
第一主面(80a)から垂直に伸びる垂直仮想線(F2)から回転方向に角度α(1度から45度)だけ傾斜していてもよい(図1Cの別例を参照)。
【0034】
混合用突設部の形状は、例えば、三角板状、矩形板状、多角形板状、棒状(円柱、角柱)、分岐状などが挙げられる。
第一主面(80a)に立設される複数個の第一混合用突設部と第二主面(80b)に立設される複数個の第二混合用突設部は、すべて同じ形状、サイズに統一されていてもよく、すべて異なっていてもよく、部分的に統一されていてもよい。
【0035】
混合用突設部の形状が板状である場合に、板状の主面は、第一主面(80a)または第二主面(80b)の上で羽根径方向(a1)に平行に立設し、または羽根径方向(a1)対し所定角度(例えば、±1度~±45度)で傾斜して立設していてもよい。
羽根回転軸中心(a0)と平行にスクリュー羽根をみたときに(図1B参照)、例えば、所定角度の傾斜は、羽根回転軸中心(a0)から延びる羽根径方向(a1)の仮想線(F0)と、その仮想線(F0)上の羽根内側点(a2)を起点にして回転方向に角度β(1度から45度)だけ傾斜していてもよい。
混合用突設部は、羽根径方向(a1)に平行な羽根幅(w)と同じ長さ、それより短い長さであってもよい。
【0036】
「混合用突設部が板状の場合の主面」は、平面でもよく、曲面でもよい。主面は側面よりも表面積が大きい。
「混合用突設部」は羽根が回転する際に、被搬送物と当接する。混合用突設部で羽根の中心空間(無軸の空間)側に被搬送物を送り込む作用と、混合用突設部に当たらずに羽根の主面に当たって被搬送物を搬送方向に向かって送り込む作用との違いにより、混合作用が生じる。
【0037】
第一、第二無軸スクリュー羽根の全長(L)は、例えば、2m~20mである。
第一、第二無軸スクリュー羽根の外径(r1)は、例えば、80mm~600mmである。
第一、第二無軸スクリュー羽根のピッチ(p)は、例えば、27mm~600mmである。
第一、第二無軸スクリュー羽根の内径(r2)は、例えば、30mmから500mmである。
第一、第二無軸スクリュー羽根の厚み(t)は、例えば、10mmから35mmである。
第一、第二無軸スクリュー羽根の羽根幅(w)は、例えば、30mm~80mmである。
(それぞれは図1Aを参照。)
【0038】
内径(r2)と羽根幅(w)との和が外径(r1)である。または(r2+w≒r1)であり、ここでwが径方向から垂直に伸びておらず傾斜している場合にはr1の方が小さい。別実施形態として、内径(r2)と羽根幅(w)の2倍との和が外径(r1)である。または(r2+w×2≒r1)であり、ここでwが径方向から垂直に伸びておらず傾斜している場合にはr1の方が小さい。外径の大きい方の第一羽根の内幅面に外径の小さい方の第二羽根の外幅面が固定された2枚羽根が1つの羽根として構成されていてもよい。
【0039】
第一、第二無軸スクリュー羽根の外径(r1)と第一、第二無軸スクリュー羽根のピッチ(p)との関係は、外径(r1)に対しピッチ1/3~2/3であり、外径(r1)に対しピッチ1/2~2/3がより好ましい。
【0040】
第一、第二無軸スクリュー羽根は、例えば、断面矩形であってもよい。第一、第二無軸スクリュー羽根の外径(r1)が大きくなるほど羽根幅(w)、羽根厚み(t)も大きい値に設定する。被搬送物の物性および/または単位時間あたりの搬送量(スクリューの回転速度)および混合具合に応じて、全長(L)、スクリュー羽根外径(r1)、ピッチ(p)、羽根内径(r2)、羽根幅(w)が設定される。
【0041】
(第一、第二無軸スクリュー羽根の材料)
無軸スクリュー羽根の原材料となる鋼材としては、例えば、一般構造用圧延鋼材(SS330、SS400、SS490、SS540など)、冷間圧延鋼板(SPCC、SPCD、SPCE、SPCF、SPCGなど)、炭素鋼鋼材(S25C、S30C、S35C、S45C、S50C、S55Cなど)、熱間または冷間圧延ステンレス鋼板(SUS304,SUS316,SUS430,SUS410など)、耐摩耗鋼板(スエーデンスチール社のハードックス(HARDOX(登録商標))、JFEスチール社のエバーハード(EVERHARD(登録商標))など)、高張力鋼板(SM570、SMA570Wなど)、TMCP型高張力鋼板(SM570TMC、SMA570WTMCなど)が挙げられる。
【0042】
無軸スクリュー羽根の原材料となる鋼材としては、一般構造用圧延鋼材(SS400)よりも高強度(高引張強度)の鋼材が好ましい。耐摩耗性、耐久性の観点で好ましい。SS400の場合、長時間使用(例えば6ケ月、7時間/日)でスクリュー羽根の全長が初期値と比較して10%~15%程度縮むが、SS400よりも高強度(高引張強度)のステンレス鋼板、耐摩耗鋼板(スエーデンスチール社のハードックス(HARDOX(登録商標))、JFEスチール社のエバーハード(EVERHARD(登録商標))などは、縮みの程度が極めて小さい。
【0043】
前記第一、第二ケーシング(12、22)は、断面が円状、または正n角形状、U字状であってもよい。
第一、第二ケーシング(12、22)は、例えば、強化プラスチック製、金属製が挙げられ、例えば、ステンレス鋼製が好ましい。
前記第一、第二ケーシング(12、22)は、長手方向に沿って断面U字状の第一パーツと、U字状の上部開放部を蓋する第二パーツとを有して構成されていてもよい。前記第一、第二ケーシング(12、22)は、円柱状である場合に、円柱下部パーツと円柱上部パーツとを有して構成されていてもよい。
【0044】
前記第一、第二トラフ(13、23)は、例えば、U字状であってもよい。
第一、第二トラフ(13、23)は、例えば、強化プラスチック製、金属製が挙げられ、例えば、ステンレス鋼製が好ましい。
【0045】
第一、第二駆動手段(15、25)は、モータ、変速ギア、連結手段、制御装置、電源などで構成される。駆動手段は、例えば、回転数3rpm~8rpmで無軸スクリュー羽根を回転することが好ましい。
【0046】
搬送しながら混合させて、羽根先端へ送られるに従い混合率が上がる。
混合率は、例えば、無軸スクリューの全長、外径および内径、ピッチ、単位時間当たりの搬送量、回転数、混合用突設部によって制御される。
例えば、全長7mから12m、外径400mmから500mm、内径150から420mm、ピッチ400から500mm、搬送量2t/時間から3t/時間、回転数5から12rpm、矩形板状の混合用突設部を第一主面に4から6つ、第二主面に4から6つ、全長の60%の長さまで搬送させたとき50から70%の混合程度、全長の80%から90%の長さに搬送させたときに90%から100%の混合程度にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A】無軸スクリュー羽根の概要を示す図である。
図1B】混合用突設部の取付位置、傾斜角βを説明する図である。
図1C】混合用突設部の傾斜角αを説明する図である。
図1D】第一主面と第二主面に取り付ける混合用突設部の配置例を示す図である。
図1E】混合用突設部の平面形状の一例を示す図である。
図2】無軸スクリュー搬送混合装置の概要を示す図である。
図3】第一減容化システムの概要を示す図である。
図4A】第二減容化システムの概要を示す図である。
図4B】傾斜設置した第二減容化システムの概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(実施形態1)
図1Aは、搬送混合用の第一無軸スクリュー羽根11を示す。無軸スクリュー羽根11は、羽根本体80と、羽根本体80の羽根基部と固定されるフランジ14と、羽根本体80の第一主面80aに設けられる4つの第一混合用突設部41、42と、第二主面80bに設けられる4つの第二混合用突設部53、54を備える。羽根基部から180度螺旋回転した位置の第一主面80aに補強板30の一方部が溶接され、他方部がフランジ14と溶接固定される。第二無軸スクリュー羽根21も第一無軸スクリュー羽根11と同様の構成要素を有する。
【0049】
第一混合用突設部41、42は、羽根本体80の1ピッチp当たり4つ立設されているが、図1Aでは2つのみが示されている。第二混合用突設部53、54は、羽根本体80の1ピッチp当たり4つ立設されているが、図1Aでは2つのみが示されている。本実施形態では、図1Aのスクリュー羽根は外径および内径の異なる2つのスクリュー羽根を径方向につなげたダブル羽根である。径方向外側のスクリュー羽根の内径が径方向内側のスクリュー羽根の外径と一致(略一致)しており、お互いを溶接で結合する。第一、第二混合用突設部は、断面L字状のアングル板であり、羽根の主面に溶接固定される。
【0050】
図1Aでは、羽根本体80の1ピッチ当たり4つの第一混合用突設部が、第一主面80aに立設されており、羽根本体80の螺旋形状においてそれぞれが等間隔または実質的に等間隔に配置されている。また、羽根本体80の1ピッチ当たり4つの第二混合用突設部が、第二主面80bに立設されており、羽根本体80の螺旋形状において等間隔または実質的に等間隔に配置されている。つまり、4つの混合用突設部であるので、羽根回転軸a0を中心にして螺旋形状の第一主面80aまたは第二主面80bにおいて90°の間隔で配置されている。
【0051】
図1Bを用いて混合用突設部の取付位置、傾斜角βを説明する。混合用突設部41の形状が板状である場合に、板状の主面は、第一主面80aの上で羽根径方向a1に平行に立設する。別実施形態として、羽根径方向a1対し所定角度(例えば、±1度~±45度)で傾斜して立設していてもよい。図1Bにおいて、羽根回転軸中心a0と平行にスクリュー羽根をみたときに、所定角度の傾斜は、羽根回転軸中心a0から延びる羽根径方向a1の仮想線F0と、その仮想線F0上の羽根内側点a2を起点にして回転方向に角度β(1度から45度の範囲)で、破線の混合用突設部41が傾斜する。
【0052】
図1Cを用いて混合用突設部の傾斜角αを説明する。混合用突設部41の断面L字状の第一板部411が第一主面80aに溶接固定され、第二板部412が第一主面80aの垂直方向に立設する。別実施形態として、第二板部412は、垂直方向に対し所定の角度α(例えば、±1度~±45度)に傾斜して立設されていてもよい。第一主面80aから垂直に伸びる垂直仮想線F2から回転方向に角度α(1度から45度)だけ傾斜して第二板部412が立設してもよい。
【0053】
図1Dを用いて第一主面と第二主面に取り付ける混合用突設部の配置例を示す。図1D(a)は、第一主面80aに立設される第一混合用突設部41の位置と、第二主面80bに立設される第二混合用突設部51の位置とが、羽根本体(厚みt)を間に挟んで同じである。図1D(b)は、第一主面80aに立設される第一混合用突設部41の位置と、第二主面80bに立設される第二混合用突設部51の位置とが、羽根本体(厚みt)を間に挟んで少しずれた位置である。
【0054】
図1Eは、混合用突設部の平面形状の一例を示す。(a)は矩形状、(b)は円柱状(棒状)、(c)は櫛状(先端側分岐状)、(d)台形状、(e)三角状、などが例示され、他の形状でもよい。1種以上の平面形状の混合用突設部を用いてもよく、1種の平面形状の混合用突設部を用いてもよい。
【0055】
図2は、第一無軸スクリュー搬送混合装置1を示す。第一無軸スクリュー搬送混合装置1は、搬送混合用の第一無軸スクリュー羽根11と、無軸スクリュー羽根11をその内部に収納する第一ケーシング12と、第一ケーシング12の内面に配置される第一U字状トラフ13と、第一無軸スクリュー羽根11の羽根本体80の基部と固定されるフランジ20と連結される駆動手段15とを備える。
【0056】
駆動手段15は、モータ、変速ギア、連結手段、制御装置、電源などで構成される。駆動手段15は、例えば、回転数5rpm~12rpmで無軸スクリュー羽根を回転する。駆動軸151は、シールユニット(不図示)を間に設置して第一ケーシング12を貫通し、駆動軸151と第一ケーシング12との密閉性を高めている。
第一ケーシング12は、被減容化物が供給される第一供給部(図2では不図示)と、被減容化物を排出する第一排出部(図2では不図示)を備える。
第二無軸スクリュー搬送混合装置2は、第一無軸スクリュー搬送混合装置1を同様の構成を有する。
【0057】
(第一減容化システム)
図3に第一減容化システム100の例を示す。
第一減容化システム100は、第一無軸スクリュー搬送混合装置1と第二無軸スクリュー搬送混合装置2が連結される構造であり、被減容化物と分解機能処理物を共に循環搬送させながら減容化する。
第一無軸スクリュー搬送混合装置1は、被減容化物と分解機能処理物が供給される羽根先端側の供給部121aと、羽根先端側の第一供給部121bと、羽根基部側(フランジ)の第一排出部122とを有する。被減容化物と分解機能処理物は、交互に投入されてもよく、事前に混合されて投入されてもよい。被減容化物は、水分乾燥処理および破砕処理が前処理として施されていてもよい。
第二無軸スクリュー搬送混合装置2は、羽根先端側の第二供給部221と、羽根基部側(フランジ)の第二排出部222を有する。
被減容化物と分解機能処理物が循環されるように、第一排出部122は、第二供給部221と第一連結部181で連結され、第一供給部121は、第二排出部222と第二連結部182で連結される。
【0058】
第一無軸スクリュー搬送混合装置1は、搬送混合用の第一無軸スクリュー羽根11と、第一無軸スクリュー羽根11をその内部に収納する第一ケーシング12と、第一無軸スクリュー羽根11の第一フランジ14と連結される第一駆動手段15とを備える。
第二無軸スクリュー搬送混合装置2は、搬送混合用の第二無軸スクリュー羽根21と、第二無軸スクリュー羽根21をその内部に収納する第二ケーシング22と、第二無軸スクリュー羽根21の第二フランジ24と連結される第二駆動手段25とを備える。
第一無軸スクリュー羽根11と第二無軸スクリュー羽根21は、羽根本体80に、混合用突設部(図1Aから図1E参照)が設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。
【0059】
第一無軸スクリュー搬送混合装置1は、水平に対し角度θ1で傾斜し、第二無軸スクリュー搬送混合装置2が水平に対し角度θ2で反対側に傾斜する。長手方向(全長L)の中心を境に、異なる方向に傾斜する。第一連結部181と第二連結部182は、傾斜を利用し、無軸スクリューで搬送されてくる被減容化物を重力を利用して移動させることができる。別実施形態といて、第一、第二連結部181、182は、その内部を通る被減容化物を、コンベア、プッシャー、掻き取り手段、無軸スクリュー、有軸スクリューなどの送込手段で行ってもよい。
【0060】
第一ケーシング12と第二ケーシング22は、図2の円筒形状であり、第一無軸スクリュー搬送混合装置1は、第一ケーシング12の内面に配置される第一トラフ13を備えていてもよい。第二無軸スクリュー搬送混合装置2は、第二ケーシング22の内面に配置される第二トラフ23を備えていてもよい。
【0061】
(別実施形態:搬送撹拌装置の拡張)
別実施形態の第一減容化システム100は、
第一供給部と第一排出部とを有する第一無軸スクリュー搬送混合装置1と、
被減容化物が循環されるように、前記第一排出部と第一連結部で連結される第二供給部と、第二排出部とを有する第二無軸スクリュー搬送混合装置2と、
被減容化物が循環されるように、前記第i-1排出部と第i-1連結部で連結される第i供給部と、第i排出部とを有する第i無軸スクリュー搬送混合装置(i)と、
被減容化物が循環されるように、前記第i排出部と第i連結部で連結される第i+1供給部と、第i+1排出部とを有する第i+1無軸スクリュー搬送混合装置(i+1)と、
被減容化物が循環されるように、前記第n-1排出部と第n-1連結部で連結される第n供給部と、前記第一供給部と第n+1連結部で連結される第n排出部とを有する第n無軸スクリュー搬送混合装置(n)と、を備えていてもよい。
i=3、・・、nである。
被減容化物が循環搬送混合されるように、複数の無軸スクリュー搬送混合装置(1、2、3・・n)を連結させることができる。連結の配置は特に制限されないが、設置する空間の制限に応じて、無軸スクリュー搬送混合装置の全長、外径を決め、連結のレイアウト(垂直方向に設置、水平方向に設置など)を決定することができる。
【0062】
(第二減容化システム)
図4Aに第二減容化システム300の例を示す。第二減容化システム300は、第一無軸スクリュー羽根11と、第一無軸スクリュー羽根11と螺旋方向が同じになるように平行配置される、第二無軸スクリュー羽根21と、ケーシング本体200と、ケーシング本体200の上部を覆う蓋部203と、第一無軸スクリュー羽根11の第一フランジ14と連結される第一駆動手段15と、第二無軸スクリュー羽根21の第二フランジ24と連結される第二駆動手段25と、を備える。
ケーシング本体200は、第一無軸スクリュー羽根11を収納する第一収容部201と、第二無軸スクリュー羽根21を収容する第二収容部202と、第一収容部201と第二収容部201の境界に配置される中間壁部204bと、中間壁部204bよりも高さが低く、中間境界壁部204bの両端に設けられる第一、第二連絡境界壁部204a1、204a2と、を有する。第一、第二連絡境界壁部204a1、204a2のサイズは、羽根の1.5ピッチの長さに対応している。
【0063】
第一無軸スクリュー羽根11が内側に向かって回転し、第二無軸スクリュー羽根21が内側に向かって回転し、被減容化物が第一、二収容部201、202内を混合されながら移動する。中間境界壁部204bよりも第一、第二連絡境界壁部204a1、204a2を低くなっているので、中間境界壁部204bでは乗り越えることなく、第一、第二連絡境界壁部204a1、204a2の位置で乗り越えて、被減容化物が一方から他方の収容部へ移動させることができる。
【0064】
第一、二収容部201、202は、第一、第二半円下部201a、202aと、半円下部201a、202aの内側の一方端部201b、202b同士が接続されて前記境界が形成され、外側の他方端部が(上方へ)延設され第一、第二側面部201c、202cが形成されている。
第一、第二半円下部201a、202aの曲率半径は、無軸スクリュー羽根の回転軸a0に対する断面半径よりも大きい。第一、第二半円下部201a、202aの中心は、回転軸a0より所定間隔d2分上にずれている。
【0065】
中間境界壁部204bは、回転軸a0より間隔(d1+d2)分、高い。つまり中間境界壁部204bは、第一、第二連絡境界壁部204a1、204a2の天部より間隔d1(10cmから15cm)分、高く配置されている。
第一、第二連絡境界壁部204a1、204a2は、回転軸a0より間隔d2(1cmから5cm)分、高い。
第一連絡境界壁部204a1は、無軸スクリュー羽根の基部側(フランジ側、駆動手段側)に設けられ、第二連絡境界壁部204a2は、無軸スクリュー羽根の先端側(フランジ側、駆動手段側とは他方端部)に設けられている。
【0066】
第一収容部201は、その内面に配置される第一トラフを備えていてもよい。第二収容部202は、その内面に配置される第二トラフを備えていてもよい。
【0067】
第一、第二収容部の羽根先端側の側壁205に、排出口が設けられていてもよい。
側面・天面・土台フレーム206によって、第二減容化システム300が固定されていてもよい。
【0068】
(傾斜設置した第二減容化システム)
図4Bに、傾斜設置した第二減容化システム300の例を示す。第二減容化システム300の構成は図4Aと同じであるが、羽根先端側を高くなるように傾斜α(5から10度)で設置している。側面・天面・土台フレーム206によって傾斜αになるように第二減容化システム300を支え、固定している。第一収容部201の羽根先端側の側壁205に、排出口205aが設けられている。排出口205aは、通常運転時は蓋が閉まっており、排出時に蓋を開ける構造になっている。
【0069】
第一減容化システム100は単体でもよく、その複数が連結してあってもよい。
第二減容化システム300は単体でもよく、その複数が連結してあってもよい。
【0070】
(第一減容化方法)
無軸スクリュー羽根による第一減容化方法は、
第一減容化システム100の第一、第二ケーシング12、22に、被減容化物および分解機能処理物を供給する供給ステップと、
第一減容化システム100における、第一無軸スクリュー羽根11および第二無軸スクリュー羽根21を駆動し、被減容化物および分解機能処理物を混合させながら循環搬送し、減容化する搬送混合減容化ステップと、
を含む。
【0071】
(第二減容化方法)
無軸スクリュー羽根による第二減容化方法は、
第二減容化システム300の第一、二収容部201、202に、被減容化物および分解機能処理物を供給する供給ステップと、
第二減容化システム300における、第一無軸スクリュー羽根11および第二無軸スクリュー羽根21を駆動し、被減容化物および分解機能処理物を混合させながら循環搬送し、減容化する搬送混合減容化ステップと、
を含む。
【0072】
第一、第二減容化方法は、前記供給ステップの前に、被減容化物を前処理する前処理ステップを含んでいてもよい。前処理としては、袋類、プラスチック類、金属類の除去処理、被減容化物を所定サイズ以下に破砕する破砕処理、所定水分値以下(例えば、10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下など)となるように乾燥させる乾燥処理、被減容化物と分解機能処理物を事前混合(例えば、粗混合)処理、などが挙げられる。
【0073】
前記搬送混合減容化ステップは、被減容化物および分解機能処理物を所定温度に制御しながら混合搬送し減容化するステップであってもよい。これにより、分解機能処理物の好適な温度条件を外から加えることも可能となる。
【0074】
投入される「被減容化物」と「分解機能処理物」の比は、50:50~95:5の範囲であり、「被減容化物」の性状、「分解機能処理物」の種類によって設定できる。
「被減容化物」及び「分解機能処理物」の初期投入量は、1つの無軸スクリュー搬送混合装置あたり、ケーシング内容積の30%から80%の範囲で設定できる。
また、「被減容化物」及び「分解機能処理物」の初期投入量は、無軸スクリュー羽根の収容部あたり、収容部内容積の30%から60%の範囲で設定できる。
【0075】
(実施例1:第一減容化システム)
全長(L):9350mmm(第一無軸スクリュー羽根)、8815mmm(第二無軸スクリュー羽根)
外径(r1):477mm(第一、第二無軸スクリュー羽根)
内径(r2):177mm(第一、第二無軸スクリュー羽根)
ピッチ(p):477mm(第一、第二無軸スクリュー羽根)
θ1、θ2:7度
混合用突設部:あり、なし
回転数3から5rpm
投入量:第一、第二ケーシング内容積の50%
容積配合比:被減容化物:分解機能処理物=80%から90%:20%から10%
被減容化物:生ごみ(乾燥処理あり)
分解機能処理物:主成分が有機物分解微生物
撹拌時間:24時間(混合用突設部あり)、48時間(混合用突設部なし)
減容化率:85%から90%
【0076】
(実施例2:第二減容化システム)
全長(L):3700mmm(第一、第二無軸スクリュー羽根)
外径(r1):337mm(第一、第二無軸スクリュー羽根)
内径(r2):177mm(第一、第二無軸スクリュー羽根)
ピッチ(p):337mm(第一、第二無軸スクリュー羽根)
混合用突設部:あり、なし
回転数3から5rpm
投入量:第一、第二ケーシング内容積の50%
容積配合比:被減容化物:分解機能処理物=80%から90%:20%から10%
被減容化物:生ごみ(乾燥処理あり)
分解機能処理物:主成分が有機物分解微生物
撹拌時間:24時間(混合用突設部あり)、48時間(混合用突設部なし)
減容化率:85%から90%
【符号の説明】
【0077】
1 第一無軸スクリュー搬送混合装置
11 第一無軸スクリュー羽根
12 第一ケーシング
14 第一フランジ
15 第一駆動手段
2 第二無軸スクリュー搬送混合装置
21 第二無軸スクリュー羽根
22 第二ケーシング
24 第二フランジ
25 第二駆動手段
100 第一減容化システム
300 第二減容化システム
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4A
図4B