(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068770
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】水素ステーション
(51)【国際特許分類】
F17C 5/06 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
F17C5/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180076
(22)【出願日】2021-11-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 航
(72)【発明者】
【氏名】木内 亮汰
(72)【発明者】
【氏名】古田 博貴
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA09
3E172BD05
3E172EA02
3E172EA12
3E172EA22
3E172EA35
3E172EB02
3E172EB20
3E172JA08
(57)【要約】
【課題】水素製造装置の稼働率を向上させる。
【解決手段】水素ステーション100は、水素を出力する水素製造装置110と、水素製造装置110に接続された低圧蓄圧器120と、低圧蓄圧器120に接続された吸入バッファ130と、低圧蓄圧器120と吸入バッファ130との間に設けられた開閉弁(第1開閉弁VA)と、吸入側が吸入バッファ130に接続された圧縮機140と、圧縮機140の吐出側に接続された高圧蓄圧器150と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を出力する水素製造装置と、
前記水素製造装置に接続された低圧蓄圧器と、
前記低圧蓄圧器に接続された吸入バッファと、
前記低圧蓄圧器と前記吸入バッファとの間に設けられた開閉弁と、
吸入側が前記吸入バッファに接続された圧縮機と、
前記圧縮機の吐出側に接続された高圧蓄圧器と、
を備える、水素ステーション。
【請求項2】
前記開閉弁は、前記圧縮機の運転員が滞在している場合に開かれ、前記運転員が不在である場合に閉じられる、請求項1に記載の水素ステーション。
【請求項3】
前記水素製造装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記開閉弁が閉じられている場合、前記低圧蓄圧器の圧力に基づいて、前記水素製造装置を制御する、請求項1または2に記載の水素ステーション。
【請求項4】
前記圧縮機の吐出側および前記吸入バッファに接続された可変圧蓄圧器を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の水素ステーション。
【請求項5】
前記水素製造装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記開閉弁が開かれている場合、前記可変圧蓄圧器の圧力に基づいて、前記水素製造装置を制御する、請求項4に記載の水素ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等のタンクに水素を充填する水素ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)の普及に伴い、将来的に水素ステーションの稼動率の増加が見込まれる。水素ステーションは、水素製造装置を備えるオンサイト型と、水素製造装置を備えないオフサイト型とに大別される。
【0003】
上記オンサイト型の水素ステーションは、水素製造装置と、水素製造装置によって製造された水素を圧縮する圧縮機と、圧縮された水素を貯留する高圧蓄圧器と、高圧蓄圧器に貯留された水素を車両のタンクに充填するディスペンサーとを備える(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記高圧蓄圧器から車両のタンクへの水素の充填は、高圧蓄圧器と車両のタンクとの間の差圧によって為される(差圧充填)。車両のタンクの圧力は、満充填状態において70MPa程度であるため、高圧蓄圧器の圧力は、少なくとも70MPa超となる。したがって、圧縮機は、水素を70MPa超まで圧縮する必要がある。
【0006】
圧縮機の吐出圧が1MPa以上の場合、圧縮機の運転は、高圧ガス保安法によって定められる高圧ガスの製造に該当する。高圧ガスの製造を行う際、資格を有する運転員が水素ステーション内に滞在する必要がある。したがって、水素ステーションにおいて、運転員が不在の間、圧縮機を運転できない、つまり、水素製造装置を稼働(水素を製造)できない。このため、水素製造装置の稼働率を向上させる技術の開発が希求されている。
【0007】
本発明は、水素製造装置の稼働率を向上させることが可能な水素ステーションを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の水素ステーションは、水素を出力する水素製造装置と、水素製造装置に接続された低圧蓄圧器と、低圧蓄圧器に接続された吸入バッファと、低圧蓄圧器と吸入バッファとの間に設けられた開閉弁と、吸入側が吸入バッファに接続された圧縮機と、圧縮機の吐出側に接続された高圧蓄圧器と、を備える。
【0009】
また、開閉弁は、圧縮機の運転員が滞在している場合に開かれ、運転員が不在である場合に閉じられてもよい。
【0010】
また、上記水素ステーションは、水素製造装置を制御する制御部を備え、制御部は、開閉弁が閉じられている場合、低圧蓄圧器の圧力に基づいて、水素製造装置を制御してもよい。
【0011】
また、上記水素ステーションは、圧縮機の吐出側および吸入バッファに接続された可変圧蓄圧器を備えてもよい。
【0012】
また、上記水素ステーションは、水素製造装置を制御する制御部を備え、制御部は、開閉弁が開かれている場合、可変圧蓄圧器の圧力に基づいて、水素製造装置を制御してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、水素製造装置の稼働率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施形態に係る水素ステーションを説明する図である。
【
図3】第1の実施形態に係る運転制御部による制御の流れを説明するフローチャートである。
【
図7】第2の実施形態に係る水素ステーションを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
[第1の実施形態:水素ステーション100]
図1は、第1の実施形態に係る水素ステーション100を説明する図である。水素ステーション100は、車両、船舶、飛行機等に搭載されたタンクに水素を充填(供給)する。なお、車両は、燃料電池を搭載した車両であり、例えば、乗用車、バス、トラック、バイク(二輪車)である。
【0017】
図1に示すように、水素ステーション100は、水素製造装置110と、低圧蓄圧器120と、第1開閉弁VAと、第1減圧弁R1と、吸入バッファ130と、圧縮機140と、第2開閉弁VBと、高圧蓄圧器150と、ディスペンサー160と、可変圧蓄圧器170と、第3開閉弁VCと、第4開閉弁VDと、第2減圧弁R2と、運転員検知センサ180と、制御部190とを含む。
【0018】
水素製造装置110は、水素を製造して出力する。水素製造装置110は、例えば、改質装置、または、水電解装置である。改質装置は、都市ガス、液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)等の化石燃料を改質して水素を製造する。水電解装置は、水を電気分解して水素を製造する。水素製造装置110の吐出圧は、例えば、0.8MPa(最大値)である。また、水素製造装置110の定格出力は、例えば、300Nm3/hである。
【0019】
また、水素製造装置110は、後述する制御部190による制御指令に応じて、通常運転処理、出力低下処理、出力増加処理を行う。
【0020】
通常運転処理は、最大出力(例えば、100%負荷)で水素を製造する処理(ロードキープ)である。
【0021】
出力低下処理は、水素の出力を低下させる処理(ロードダウン)である。なお、出力低下処理のうち、特に、停止状態に至るまで水素の出力を低下させる処理を停止処理と称する。水素製造装置110は、制御部190から停止指令を受けた場合に、停止処理を行う。なお、停止状態は、外部に水素を出力しない状態(水素の出力を停止する待機運転)を指す。また、水素製造装置110は、停止処理以外の出力低下処理において、最低負荷まで出力を低下させる場合であっても、待機運転には移行しない。
【0022】
出力増加処理は、水素の出力を増加させる処理(ロードアップ)である。なお、出力増加処理のうち、特に、停止状態から最大出力(例えば、100%負荷)まで水素の出力を増加させる処理を起動処理と称する。水素製造装置110は、制御部190から起動指令を受けた場合に、起動処理を行う。水素製造装置110は、待機運転移行後において、制御部190から起動指令を受けるまで、水素の出力を行わない。つまり、水素製造装置110は、待機運転移行後において、通常運転指令、または、出力増加指令を受けたとしても、起動指令を受けるまで、水素の出力を行わない。
【0023】
なお、水素製造装置110は、通常運転処理を行っている期間のみならず、停止処理を行っている期間、および、起動処理を行っている期間も水素を出力する。ただし、停止処理が行われている期間に出力される水素量は、最大出力の水素量よりも少ない。以下、停止処理が行われている期間に出力される水素の量を「余剰分」と称する。
【0024】
また、起動処理が行われている期間に出力される水素量は、最大出力の水素量よりも少ない。水素製造装置110によって起動処理が行われている期間に出力される水素量と、起動処理が行われている期間においてディスペンサー160から車両等のタンクに供給される最大の水素量(高圧蓄圧器150から送出される水素量の最大値)との差分、すなわち、起動処理が行われている期間において不足する水素量を、以下、「不足分」と称する。不足分は、起動処理が開始されてから最大出力に到達するまでに不足する水素量である。
【0025】
低圧蓄圧器120は、配管112を介して、水素製造装置110に接続される。低圧蓄圧器120は、水素製造装置110から出力された水素をそのまま貯留する。つまり、低圧蓄圧器120は、水素製造装置110から出力された水素であって、後述する圧縮機140によって圧縮される前の水素(圧縮されない水素)を貯留する。低圧蓄圧器120の常用圧力(最大許容圧力)は、水素製造装置110の吐出圧の最大値と実質的に等しい。本実施形態において、低圧蓄圧器120の常用圧力は、例えば、0.8MPaである。また、低圧蓄圧器120は、配管122を介して、吸入バッファ130に接続される。
【0026】
第1開閉弁VA(開閉弁)は、配管122に設けられる。つまり、第1開閉弁VAは、低圧蓄圧器120と吸入バッファ130との間に設けられる。第1開閉弁VAは、配管122に形成される流路を開閉する。第1開閉弁VAは、水素ステーション100に運転員が滞在している期間、開かれ、水素ステーション100において運転員が不在の期間、閉じられる。運転員は、高圧ガス保安法によって定められる高圧ガスの製造を行うことができる資格を有する者である。
【0027】
第1減圧弁R1は、配管122における第1開閉弁VAと吸入バッファ130との間に設けられる。第1減圧弁R1の二次側(吸入バッファ130側)の圧力は、例えば、0.17MPaである。
【0028】
吸入バッファ130は、配管122を介して、低圧蓄圧器120に接続される。また、吸入バッファ130は、配管132を介して、後述する圧縮機140の吸入側に接続される。さらに、吸入バッファ130は、配管134を介して、後述する可変圧蓄圧器170に接続される。
【0029】
吸入バッファ130には、低圧蓄圧器120に貯留された水素、および、可変圧蓄圧器170に貯留された水素が供給される。吸入バッファ130は、低圧蓄圧器120と別体である。吸入バッファ130は、水素製造装置110から出力された水素の圧力変動を吸収する。吸入バッファ130の圧力は、圧縮機140によって、例えば、0.15MPaに維持される。
【0030】
圧縮機140の吸入側は、配管132を介して、吸入バッファ130に接続される。圧縮機140の吐出側は、配管142を介して、後述する高圧蓄圧器150に接続される。また、圧縮機140の吐出側は、配管142および配管144を介して、可変圧蓄圧器170に接続される。
【0031】
圧縮機140は、低圧蓄圧器120に貯留された水素、および、可変圧蓄圧器170に貯留された水素のいずれか一方または両方を昇圧(圧縮)する。圧縮機140の吐出圧は、例えば、82MPaである。また、本実施形態において、圧縮機140の定格出力は、水素製造装置110の水素製造能力と実質的に等しい。圧縮機140の定格出力は、例えば、300Nm3/hである。
【0032】
圧縮機140によって昇圧された水素は、高圧蓄圧器150および可変圧蓄圧器170に供給される。
【0033】
第2開閉弁VBは、配管142に設けられる。つまり、第2開閉弁VBは、圧縮機140と高圧蓄圧器150との間に設けられる。第2開閉弁VBは、配管142に形成される流路を開閉する。第2開閉弁VBは、高圧蓄圧器150の圧力Phに応じて開閉される。
【0034】
高圧蓄圧器150は、配管142を介して、圧縮機140の吐出側に接続される。高圧蓄圧器150は、圧縮機140によって昇圧された水素(例えば、82MPa)を貯留する。高圧蓄圧器150の常用圧力(最大許容圧力)は、例えば、82MPaである。
【0035】
高圧蓄圧器150は、配管152を介して、ディスペンサー160に接続される。したがって、高圧蓄圧器150に貯留された水素は、配管152を介してディスペンサー160に導かれる。そして、ディスペンサー160は、車両等に設けられたタンクに水素を充填する。
【0036】
可変圧蓄圧器170は、配管142および配管144を介して、圧縮機140の吐出側に接続される。配管144は、配管142における圧縮機140と第2開閉弁VBとの間から分岐され、可変圧蓄圧器170に接続される。また、可変圧蓄圧器170は、配管132を介して、吸入バッファ130に接続される。
【0037】
可変圧蓄圧器170は、圧縮機140によって昇圧された水素(例えば、82MPa)を貯留する。なお、本実施形態において、可変圧蓄圧器170の常用圧力(最大許容圧力)は、例えば、40MPaである。
【0038】
なお、可変圧蓄圧器170の容量(上限圧力Pmax-下限圧力Pmin)は、水素製造装置110による水素の出力量によって決定される。なお、上限圧力Pmaxは、可変圧蓄圧器170の常用圧力未満の圧力であり、例えば、39.5MPaである。また、下限圧力Pminは、例えば、0MPaである。
【0039】
図2は、可変圧蓄圧器170の容量を説明する図である。
図2に示すように、本実施形態において、可変圧蓄圧器170の容量(上限圧力Pmax-下限圧力Pmin)は、水素製造装置110によって停止処理が行われている期間に出力される余剰分と、起動処理が行われている期間に不足する不足分と、バッファ分との合計の容量に決定される。なお、バッファ分は、例えば、700Nm
3程度(燃料電池自動車12~15台分を満充填できる程度)である。
【0040】
図1に戻って説明すると、第3開閉弁VCは、配管144に設けられる。つまり、第3開閉弁VCは、圧縮機140と可変圧蓄圧器170との間に設けられる。第3開閉弁VCは、配管144に形成される流路を開閉する。第3開閉弁VCは、高圧蓄圧器150の圧力Ph、または、可変圧蓄圧器170の圧力Pvに応じて開閉される。
【0041】
第4開閉弁VDは、配管132に設けられる。つまり、第4開閉弁VDは、可変圧蓄圧器170と吸入バッファ130との間に設けられる。第4開閉弁VDは、配管132に形成される流路を開閉する。第4開閉弁VDは、高圧蓄圧器150の圧力Phに応じて開閉される。
【0042】
第2減圧弁R2は、配管132における、第4開閉弁VDと吸入バッファ130との間に設けられる。第2減圧弁R2の二次側(吸入バッファ130側)の圧力は、第1減圧弁R1の二次側の圧力よりも低く設定される。第2減圧弁R2の二次側の圧力は、例えば、0.10MPaである。
【0043】
これにより、低圧蓄圧器120から吸入バッファ130への水素の供給を、可変圧蓄圧器170からの供給よりも優先的に行わせることができる。
【0044】
運転員検知センサ180は、水素ステーション100に運転員が滞在しているか否かを検知する。運転員検知センサ180は、例えば、運転員が滞在する部屋が施錠されているか否かを検知する。そして、運転員検知センサ180は、部屋が施錠されていない場合に、水素ステーション100に運転員が滞在していると判定する。また、運転員検知センサ180は、部屋が施錠されている場合に、水素ステーション100に運転員が滞在していない(不在である)と判定する。
【0045】
制御部190は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御部190は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。制御部190は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して水素ステーション100全体を管理および制御する。
【0046】
本実施形態において、制御部190は、信号取得部192、運転制御部194として機能する。
【0047】
信号取得部192は、運転員検知センサ180の検知信号を取得する。
【0048】
運転制御部194は、運転員検知センサ180の検知信号に基づいて、水素製造装置110、圧縮機140、第1開閉弁VA、第2開閉弁VB、第3開閉弁VC、および、第4開閉弁VDを制御する。
【0049】
図3は、第1の実施形態に係る運転制御部194による制御の流れを説明するフローチャートである。
【0050】
[滞在判定処理S110]
運転制御部194は、信号取得部192によって取得された、運転員検知センサ180の検知信号に基づき、水素ステーション100に運転員が滞在しているか否かを判定する。そして、運転員が滞在していると判定した場合(S110におけるYES)、運転制御部194は、開状態制御S120に処理を移す。一方、運転員が滞在していない、つまり、不在であると判定した場合(S110におけるNO)、運転制御部194は、閉状態制御S140に処理を移す。
【0051】
[開状態制御S120]
運転制御部194は、第1開閉弁VAを開状態とする。つまり、運転制御部194は、第1開閉弁VAが閉じられている場合には開らき、第1開閉弁VAが開かれている場合には開状態を維持する。そして、運転制御部194は、有人制御S130に処理を移す。
【0052】
[有人制御S130]
運転制御部194は、水素製造装置110、圧縮機140、第2開閉弁VB、第3開閉弁VC、および、第4開閉弁VDを制御する。
【0053】
具体的に説明すると、運転制御部194は、下記表1を参照し、可変圧蓄圧器170の圧力Pvに基づき、水素製造装置110を制御する。
【0054】
【0055】
具体的に説明すると、運転制御部194は、可変圧蓄圧器170の圧力Pvが停止圧力P1超である場合(Pv>P1)、水素製造装置110に停止指令を伝達して、停止処理を開始させる。なお、停止圧力P1は、上限圧力Pmaxから、余剰分に相当する圧力を減じた圧力である(
図2参照)。
【0056】
運転制御部194は、可変圧蓄圧器170の圧力Pvが、起動圧力P2以上、停止圧力P1以下である場合(P1≧Pv≧P2)、可変圧蓄圧器170の圧力Pvに応じて、水素製造装置110の負荷を、100%から最低負荷の間で比例制御する。つまり、運転制御部194は、水素製造装置110に通常運転指令、出力低下指令、出力増加指令のうちのいずれかの指令を伝達して、通常運転処理、出力低下処理、出力増加処理のいずれかの処理を行わせる。なお、起動圧力P2は、停止圧力P1未満の値である。起動圧力P2は、不足分に相当する圧力である(
図2参照)。
【0057】
運転制御部194は、可変圧蓄圧器170の圧力Pvが、起動圧力P2未満である場合(P2>Pv)、水素製造装置110に起動指令を伝達して、起動処理を開始させる。
【0058】
また、運転制御部194は、下記表2を参照し、可変圧蓄圧器170の圧力Pvおよび高圧蓄圧器150の圧力Phに基づき、第2開閉弁VB、および、第3開閉弁VC、第4開閉弁VDを開閉する。
【0059】
【0060】
図4は、有人制御S130を説明する第1の図である。
図5は、有人制御S130を説明する第2の図である。
図6は、有人制御S130を説明する第3の図である。なお、
図4~
図6中、白い塗りつぶしは、開状態を示し、黒い塗りつぶしは閉状態を示す。
【0061】
図4、
図5に示すように、運転制御部194は、高圧蓄圧器150の圧力Phが上限圧力Qmax以上である場合、第2開閉弁VBを閉じる。上限圧力Qmaxは、高圧蓄圧器150の常用圧力未満の圧力であり、例えば、81.5MPaである。第2開閉弁VBが閉じられている場合、運転制御部194は、第4開閉弁VDを閉じる。
【0062】
また、
図4に示すように、第2開閉弁VBが閉じられている場合であって、可変圧蓄圧器170の圧力Pvが上限圧力Pmax以上である場合、第3開閉弁VCを閉じる。
【0063】
また、運転制御部194は、第2開閉弁VB、第3開閉弁VC、および、第4開閉弁VDが閉じられている場合、圧縮機140の運転を停止する。つまり、運転制御部194は、可変圧蓄圧器170の圧力Pvが上限圧力Pmax以上であり、かつ、高圧蓄圧器150の圧力Phが上限圧力Qmax以上である場合に、圧縮機140の運転を停止する。これにより、運転制御部194は、圧縮機140の不要な駆動を防止することができる。
【0064】
一方、
図5に示すように、第2開閉弁VBが閉じられている場合であって、可変圧蓄圧器170の圧力Pvが上限圧力Pmax未満である場合、第3開閉弁VCを開く。
【0065】
また、運転制御部194は、第3開閉弁VCが開かれている場合、吸入バッファ130の圧力が設定値に維持されるように圧縮機140を駆動させる。例えば、運転制御部194は、吸入バッファ130の圧力が設定値以上である場合、圧縮機140の負荷を増加(ロードアップ)させる。一方、運転制御部194は、吸入バッファ130の圧力が設定値未満である場合、圧縮機140の負荷を減少(ロードダウン)させる。
【0066】
図5に示すように、第2開閉弁VBが閉じられ、第3開閉弁VCが開かれ、第4開閉弁VDが閉じられている場合、水素製造装置110から出力され、低圧蓄圧器120に貯留された水素は、吸入バッファ130を介して圧縮機140によって昇圧された後、可変圧蓄圧器170に供給される。これにより、可変圧蓄圧器170を満蓄とすることができる。
【0067】
また、
図6に示すように、運転制御部194は、高圧蓄圧器150の圧力Phが上限圧力Qmax未満である場合、第2開閉弁VBを開く。運転制御部194は、第2開閉弁VBが開かれている場合、可変圧蓄圧器170の圧力Pvに拘わらず、第3開閉弁VCを閉じて、第4開閉弁VDを開く。
【0068】
そして、運転制御部194は、第2開閉弁VBが開かれている場合、吸入バッファ130の圧力が設定値に維持されるように圧縮機140を駆動させる。例えば、運転制御部194は、吸入バッファ130の圧力が設定値以上である場合、圧縮機140の負荷を増加(ロードアップ)させる。一方、運転制御部194は、吸入バッファ130の圧力が設定値未満である場合、圧縮機140の負荷を減少(ロードダウン)させる。
【0069】
第2開閉弁VBが開かれ、第3開閉弁VCが閉じられ、第4開閉弁VDが開かれている場合、水素製造装置110から出力され、低圧蓄圧器120に貯留された水素、および、可変圧蓄圧器170に貯留された水素は、吸入バッファ130を介して圧縮機140によって昇圧された後、高圧蓄圧器150に供給される。これにより、高圧蓄圧器150を満蓄とすることができる。
【0070】
[閉状態制御S140]
図3に戻って説明すると、運転制御部194は、第1開閉弁VAを閉状態とする。つまり、運転制御部194は、第1開閉弁VAが開かれている場合には閉じ、第1開閉弁VAが閉じられている場合には閉状態を維持する。そして、運転制御部194は、無人制御S150に処理を移す。
【0071】
[無人制御S150]
運転制御部194は、低圧蓄圧器120の圧力Plに基づいて、水素製造装置110を制御する。
【0072】
具体的に説明すると、運転制御部194は、低圧蓄圧器120の圧力Plが、上限圧力Rmax以上である場合(Pl≧Rmax)、水素製造装置110に停止指令を伝達して、停止処理を開始させる。上限圧力Rmaxは、低圧蓄圧器120の常用圧力未満の圧力である。上限圧力Rmaxは、水素製造装置110の吐出圧、および、低圧蓄圧器120の常用圧力(耐圧)に基づいて決定される。上限圧力Rmaxは、例えば、0.75MPaである。
【0073】
また、運転制御部194は、低圧蓄圧器120の圧力Plが、上限圧力Rmax未満、停止圧力P1´以上である場合(Rmax>Pl≧P1´)、低圧蓄圧器120の圧力Plに応じて、水素製造装置110の負荷を、100%から最低負荷の間で比例制御する。つまり、運転制御部194は、水素製造装置110に通常運転指令、出力低下指令、出力増加指令のうちのいずれかの指令を伝達して、通常運転処理、出力低下処理、出力増加処理のいずれかの処理を行わせる。なお、停止圧力P1´は、上限圧力Rmaxから、余剰分に相当する圧力を減じた圧力である。
【0074】
運転制御部194は、低圧蓄圧器120の圧力Plが、停止圧力P1´未満である場合(P1´>Pl)、水素製造装置110に起動指令を伝達して、起動処理を開始させる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係る水素ステーション100は、低圧蓄圧器120および第1開閉弁VAを備える。これにより、水素ステーション100は、水素製造装置110の稼働率を向上させることが可能となる。
【0076】
上記したように、水素ステーション100において、運転員が不在の期間、圧縮機140を運転できない。このため、低圧蓄圧器120を備えない比較例では、運転員が不在の期間、水素製造装置110を稼働できなかった。したがって、比較例では、運転員が滞在している期間の製造量だけで、水素ステーションの需要量をすべて賄う必要があり、常時稼働できる場合と比べて水素製造装置110の定格出力量を大きくしなければならなかった。このため、水素製造装置110のコストが増加するという問題があった。また、運転員が不在の期間、水素製造装置110を稼働していなくても、待機運転のため、エネルギーが消費されてしまうという問題があった。
【0077】
これに対し、本実施形態に係る水素ステーション100は、低圧蓄圧器120および第1開閉弁VAを備えるため、運転員が不在の期間であっても、水素製造装置110によって製造された水素を低圧蓄圧器120に貯留させることができる。これにより、水素ステーション100は、比較例よりも、水素製造装置110の稼働時間を延長する(稼働率を向上する)ことが可能となる。
【0078】
したがって、水素ステーション100は、比較例よりも、水素製造装置110の定格出力量を小さくすることができ、水素製造装置110のコストを低減することが可能となる。例えば、水素ステーション100の水素製造装置110を、比較例の2/3の能力(定格出力量)に低減した場合、水素製造装置110自体のコストを約78%に削減できる。したがって、比較例の水素製造装置110のコストに対し、本実施形態の水素製造装置110および低圧蓄圧器120のコストを約95%に削減することができる。また、水素ステーション100の水素製造装置110は、比較例よりも、待機運転時間を約89%に削減し、待機運転に要するコストを約58%に削減することができる。
【0079】
例えば、水素ステーション100の水素製造装置110を、比較例の1/2の能力(定格出力量)に低減した場合、水素製造装置110自体のコストを約66%に削減できる。したがって、比較例の水素製造装置110のコストに対し、本実施形態の水素製造装置110および低圧蓄圧器120のコストを約88%に削減することができる。また、水素ステーション100の水素製造装置110は、比較例よりも、待機運転時間を約74%に削減し、待機運転に要するコストを約37%に削減することができる。
【0080】
例えば、水素ステーション100の水素製造装置110を、比較例の約23%の能力(定格出力量)に低減した場合、水素製造装置110自体のコストを約42%に削減できる。したがって、比較例の水素製造装置110のコストに対し、本実施形態の水素製造装置110および低圧蓄圧器120のコストを約70%に削減することができる。また、水素ステーション100の水素製造装置110は、比較例よりも、待機運転時間を約16%に削減し、待機運転に要するコストを約3%に削減することができる。
【0081】
また、上記したように、圧縮機140は、吸入バッファ130の圧力を可能な限り低圧(例えば、0.15MPa)に維持する。これにより、水素ステーション100は、有人制御S130において、高圧蓄圧器150および可変圧蓄圧器170の復圧が完了した際(可変圧蓄圧器170の圧力Pvが上限圧力Pmax以上となり、かつ、高圧蓄圧器150の圧力Phが上限圧力Qmax以上となった際)に、低圧蓄圧器120の圧力を低くすることができる。したがって、水素ステーション100は、無人制御S150において、より多くの水素を低圧蓄圧器120に貯留することが可能となる。
【0082】
[第2の実施形態:水素ステーション200]
上記第1の実施形態において、水素ステーション100が可変圧蓄圧器170を備える場合を例に挙げた。しかし、水素ステーション200は、可変圧蓄圧器170を備えずともよい。
【0083】
図7は、第2の実施形態に係る水素ステーション200を説明する図である。
図7に示すように、水素ステーション200は、水素製造装置110と、低圧蓄圧器120と、第1開閉弁VAと、第1減圧弁R1と、吸入バッファ130と、圧縮機140と、第2開閉弁VBと、高圧蓄圧器150と、ディスペンサー160と、運転員検知センサ180と、制御部290とを含む。なお、上記水素ステーション100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0084】
制御部290は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御部290は、ROMからCPUを動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。制御部290は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して水素ステーション200全体を管理および制御する。
【0085】
本実施形態において、制御部290は、信号取得部192、運転制御部294として機能する。
【0086】
運転制御部294は、運転員検知センサ180の検知信号に基づいて、水素製造装置110、圧縮機140、第1開閉弁VA、および、第2開閉弁VBを制御する。
【0087】
運転制御部294は、信号取得部192によって取得された、運転員検知センサ180の検知信号に基づき、水素ステーション100に運転員が滞在していると判定した場合、第1開閉弁VAを開状態とする。
【0088】
そして、運転制御部294は、高圧蓄圧器150の圧力Phに基づいて、水素製造装置110を制御する。具体的に説明すると、運転制御部294は、高圧蓄圧器150の圧力Phが上限圧力Qmax(例えば、81.5MPa)未満である場合であって、水素製造装置110が停止状態である場合には、水素製造装置110に起動指令を伝達して、起動処理を開始させる。運転制御部294は、高圧蓄圧器150の圧力Phが上限圧力Qmax(例えば、81.5MPa)未満である場合であって、水素製造装置110が水素を出力している場合には、水素製造装置110の負荷を100%で制御する。
【0089】
一方、運転制御部294は、高圧蓄圧器150の圧力Phが上限圧力Qmax(例えば、81.5MPa)以上である場合には、水素製造装置110に停止指令を伝達して、停止処理を開始させる。なお、この際、余剰分は、放散される。
【0090】
また、運転制御部294は、高圧蓄圧器150の圧力Phが上限圧力Qmax以上である場合、第2開閉弁VBを閉じ、圧縮機140の運転を停止する。
【0091】
運転制御部294は、高圧蓄圧器150の圧力Phが上限圧力Qmax未満である場合、第2開閉弁VBを開き、圧縮機140を駆動させる。具体的に説明すると、運転制御部294は、吸入バッファ130の圧力が設定値に維持されるように圧縮機140を駆動させる。例えば、運転制御部194は、吸入バッファ130の圧力が設定値以上である場合、圧縮機140の負荷を増加(ロードアップ)させる。一方、運転制御部194は、吸入バッファ130の圧力が設定値未満である場合、圧縮機140の負荷を減少(ロードダウン)させる。
【0092】
一方、運転制御部294は、信号取得部192によって取得された、運転員検知センサ180の検知信号に基づき、水素ステーション100において運転員が不在であると判定した場合、第1開閉弁VAを閉状態とする。そして、運転制御部294は、上記第1の実施形態の運転制御部194による無人制御S150と同様に、低圧蓄圧器120の圧力Plに基づいて、水素製造装置110を制御する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態に係る水素ステーション200は、低圧蓄圧器120および第1開閉弁VAを備える。これにより、水素ステーション200は、運転員が不在の期間であっても、水素製造装置110によって製造された水素を低圧蓄圧器120に貯留させることができる。これにより、水素ステーション200は、比較例よりも、水素製造装置110の稼働時間を延長する(稼働率を向上する)ことが可能となる。
【0094】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0095】
例えば、上述した第1の実施形態および第2の実施形態において、運転員検知センサ180は、運転員が滞在する部屋が施錠されているか否かを検知する場合を例に挙げた。しかし、運転員検知センサ180は、水素ステーション100に運転員が滞在しているか否かを検知することができれば、構成に限定はない。運転員検知センサ180は、例えば、運転員が使用するパーソナルコンピュータの電源のオンオフによって水素ステーション100に運転員が滞在しているか否かを検知してもよい。また、運転員検知センサ180は、運転員が滞在する部屋に設けられたカメラ、赤外線センサ等の人感センサであってもよい。また、運転員検知センサ180は、運転員の操作入力に応じて、水素ステーション100に運転員が滞在しているか否かを検知してもよい。例えば、運転員検知センサ180は、運転員によって出勤時にスイッチがオンされることに応じて、運転員の滞在開始を判定してもよい。また、運転員検知センサ180は、運転員によって退勤時にスイッチがオフされることに応じて、運転員の滞在終了(不在開始)を判定してもよい。つまり、運転員検知センサ180は、スイッチがオン状態である場合に運転員が滞在していると判定し、スイッチがオフ状態である場合に運転員が不在であると判定してもよい。
【0096】
また、上記水素ステーション100、200は、運転員検知センサ180を備えずともよい。例えば、第1開閉弁VAは、タイマによって開閉されてもよい。具体的に説明すると、運転員の出勤時間(例えば、昼間)に第1開閉弁VAが開かれ、退勤時間(例えば、夜間)に第1開閉弁VAが閉じられるようにしてもよい。また、第1開閉弁VAは、運転員の操作入力に応じて開閉されてもよい。
【符号の説明】
【0097】
VA 第1開閉弁(開閉弁)
100 水素ステーション
110 水素製造装置
120 低圧蓄圧器
130 吸入バッファ
140 圧縮機
150 高圧蓄圧器
170 可変圧蓄圧器
190 制御部
200 水素ステーション
290 制御部
【手続補正書】
【提出日】2022-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を出力する水素製造装置と、
前記水素製造装置に接続された低圧蓄圧器と、
前記低圧蓄圧器に接続され、前記低圧蓄圧器よりも常用圧力が低い吸入バッファと、
前記低圧蓄圧器と前記吸入バッファとの間に設けられた開閉弁と、
前記開閉弁と前記吸入バッファとの間に設けられた減圧弁と、
吸入側が前記吸入バッファに接続された圧縮機と、
前記圧縮機の吐出側に接続された高圧蓄圧器と、
を備える、水素ステーション。
【請求項2】
前記開閉弁は、前記圧縮機の運転員が滞在している場合に開かれ、前記運転員が不在である場合に閉じられる、請求項1に記載の水素ステーション。
【請求項3】
前記水素製造装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記開閉弁が閉じられている場合、前記低圧蓄圧器の圧力に基づいて、前記水素製造装置を制御する、請求項1または2に記載の水素ステーション。
【請求項4】
前記圧縮機の吐出側および前記吸入バッファに接続された可変圧蓄圧器を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の水素ステーション。
【請求項5】
前記水素製造装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記開閉弁が開かれている場合、前記可変圧蓄圧器の圧力に基づいて、前記水素製造装置を制御する、請求項4に記載の水素ステーション。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の水素ステーションは、水素を出力する水素製造装置と、水素製造装置に接続された低圧蓄圧器と、低圧蓄圧器に接続され、低圧蓄圧器よりも常用圧力が低い吸入バッファと、低圧蓄圧器と吸入バッファとの間に設けられた開閉弁と、開閉弁と吸入バッファとの間に設けられた減圧弁と、吸入側が吸入バッファに接続された圧縮機と、圧縮機の吐出側に接続された高圧蓄圧器と、を備える。