(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068772
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】配膳ロボット用附属品
(51)【国際特許分類】
B65D 67/02 20060101AFI20230511BHJP
B65D 25/20 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
B65D67/02 H
B65D25/20 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180080
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】500423363
【氏名又は名称】株式会社アルファクス・フード・システム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】田村 隆盛
【テーマコード(参考)】
3E062
3E067
【Fターム(参考)】
3E062AA03
3E062BA20
3E062BB06
3E062BB10
3E062CA08
3E067AA21
3E067AA23
3E067AB20
3E067AB26
3E067AC03
3E067BA06A
3E067BA09A
3E067BA10
3E067BB01A
3E067BB02A
3E067EE19
3E067FC03
3E067GA01
3E067GA06
(57)【要約】
【課題】配膳ロボットで運搬中の飲み物等がこぼれることを防止できる附属品を提供する。
【解決手段】配膳ロボット1用の附属品100は、トレイ4を運搬する配膳ロボット1に用いられ、一方の面111Bがトレイ4に支持される第1板111と、他方の面111Aに対向するように配置された第2板112と、を含んでいる。第2板112には、食器の底面が直接又は第1板111を介してトレイ4に支持されている運搬状態で、食器の底面以外のいずれかの部位に当接して食器の水平移動を規制するガイド形状110が形成されている。第1板111及び第2板112の少なくとも一方が、トレイ4に設けられた枠41の少なくとも二箇所AB,CDで内接することにより、当該二箇所を結ぶ辺BCの延在方向Yにおいて、第1板111及び第2板112の水平移動が規制されるように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイを運搬する配膳ロボットに用いられ、
一方の面及び該一方の面とは反対側の他方の面を有しており、前記一方の面が前記トレイに支持される第1板と、
前記他方の面に対向するように配置された第2板と、を含み、
前記第2板には、食器の底面が直接又は前記第1板を介して前記トレイに支持されている状態で、前記食器の前記底面以外のいずれかの部位に当接して前記食器の水平移動を規制するガイド形状が形成されており、
前記第1板及び前記第2板の少なくとも一方が、前記トレイに設けられた枠の少なくとも二箇所で内接することにより、当該二箇所を結ぶ方向において、前記第1板及び前記第2板の水平移動が規制されるように構成されている、
配膳ロボット用附属品。
【請求項2】
前記トレイの前記枠は、第1辺、第2辺、第3辺及び第4辺を有する矩形であり、
前記第1板及び前記第2板の少なくとも一方が、互いに平行な前記第1辺及び前記第3辺の両方に内接することにより、前記第1辺に直交する前記第2辺の延在方向において、前記第1板及び前記第2板の水平移動が規制されるように構成されている、
請求項1に記載の配膳ロボット用附属品。
【請求項3】
前記第1板の前記他方の面に重ねられており、該他方の面と前記第2板との間に挟まれた第3板を更に含み、
前記食器は、
液体を注がれるボウルと、
円盤状に形成され、前記底面及び該底面とは反対側の上面を有するプレートと、
棒状に形成され、前記プレート及び前記ボウルを接続するステムと、を有したワイングラスであり、
前記ガイド形状は、
前記第3板が前記プレートの外形と略同一の幅に切り欠かれた下段切欠きと、
前記第2板が前記プレートの外形よりも幅狭かつ前記ステムの外形よりも幅広に切り欠かれた上段切欠きと、で構成され、
前記上段切欠きから前記ステムが突出する向きで前記プレートを前記下段切欠きに挿入した状態において、前記下段切欠きにより前記ワイングラスの水平移動を規制し、かつ前記プレートの前記上面に前記第2板が対向して前記ワイングラスの転倒を規制する、
請求項1又は2に記載の配膳ロボット用附属品。
【請求項4】
前記食器は、
前記底面を有するベースと、
ソフトクリーム又はアイスクリームのコーンを保持するリングと、
前記ベース及び前記リングを接続するワイヤと、を有したコーンスタンドであり、
前記ガイド形状は、
前記ワイヤを挿入可能な切欠きと、
前記リングに保持されたコーンの先端が通過できる貫通孔と、で構成され、
前記切欠きと前記ワイヤとが摩擦係止することにより前記コーンスタンドの水平移動が規制される、
請求項1又は2に記載の配膳ロボット用附属品。
【請求項5】
前記ガイド形状は、円形の貫通孔と、該円形の貫通孔の縁から中心に向かって突出した舌片部と、を含んでいる、
請求項1又は2に記載の配膳ロボット用附属品。
【請求項6】
前記食器は、ハンドルを有したビールジョッキ、コーヒーカップ又はティーカップであり、
前記ガイド形状は、前記第2板から前記第1板に向かって見た平面視で前記ハンドルよりも大きく切り欠かれたハンドル用の切欠きを更に含んでいる、
請求項5に記載の配膳ロボット用附属品。
【請求項7】
前記第1板には、前記第2板が前記トレイに支持されるように上下反転した状態で、前記食器とは異なる種類である第2の食器に対し、該第2の食器の底面以外のいずれかの部位に当接することで、前記第2の食器の水平移動を規制する第2のガイド形状が形成されている、
請求項1から6のいずれか一項に記載の配膳ロボット用附属品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配膳ロボットに用いられる附属品に関する。
【背景技術】
【0002】
外食産業において、来店客に料理を提供する配膳や、来店客が食べ終わった食器を回収する下げ膳を行う配膳ロボットが普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。配膳ロボットには、配膳ロボットの筐体外に開放されたトレイに料理や飲み物を載せて運搬するオープンタイプと、配膳ロボットの筐体内に料理や飲み物を収納し、それらが外部から見えないように運搬するクローズドタイプとがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クローズドタイプの配膳ロボットは、空気中を浮遊する塵埃やウイルスが料理等に付着することがないため、衛生面でオープンタイプの配膳ロボットよりも優れている。しかるに、配膳ロボットは水平な床面の上では飲み物をこぼさずに運搬できても、傾斜がある床面では飲み物をこぼしてしまうことがある。とりわけ、水平面と傾斜面との境界を乗り越える際は、その衝撃で搬送ロボットが僅かに揺れるため、飲み物がこぼれやすい。料理や飲み物がこぼれて配膳ロボットが汚れたとき、クローズドタイプよりもオープンタイプの方が清掃しやすい。そのため、現時点ではオープンタイプの配膳ロボットが主流になっている。
【0005】
本発明はこのような事情を鑑み、配膳ロボットにより運搬中の飲み物等がこぼれることを防止できる附属品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る配膳ロボット用附属品は、トレイを運搬する配膳ロボットに用いられ、一方の面及び該一方の面とは反対側の他方の面を有しており、一方の面がトレイに支持される第1板と、他方の面に対向するように配置された第2板と、を含んでいる。第2板には、食器の底面が直接又は第1板を介してトレイに支持されている状態で、食器の底面以外のいずれかの部位に当接して食器の水平移動を規制するガイド形状が形成されており、第1板及び第2板の少なくとも一方が、トレイに設けられた枠の少なくとも二箇所に内接することにより、当該二箇所を結ぶ方向において、第1板及び第2板の水平移動が規制されるように構成されている。
【0007】
この態様によれば、食器の水平移動が附属品に規制され、該附属品の水平移動がトレイに規制される。食器の揺れを軽減して配膳ロボットが飲み物などをこぼさないで運搬できるようになる。
【0008】
上記態様において、トレイの枠は、第1辺、第2辺、第3辺及び第4辺を有する矩形であってもよい。第1板及び第2板の少なくとも一方が、互いに平行な第1辺及び第3辺の両方に内接することにより、第1辺に直交する第2辺の延在方向において、第1板及び第2板の水平移動が規制されるように構成されていてもよい。
【0009】
この態様によれば、トレイが矩形であるため多角形を隙間なく並べやすい。スペースを有効に活用できる。
【0010】
上記態様において、第1板の他方の面に重ねられており、該他方の面と第2板との間に挟まれた第3板を更に含んでいてもよい。食器は、液体を注がれるボウルと、円盤状に形成され、底面及び該底面とは反対側の上面を有するプレートと、棒状に形成され、プレート及びボウルを接続するステムと、を有したワイングラスであってもよい。ガイド形状は、第3板がプレートの外形と略同一の幅に切り欠かれた下段切欠きと、第2板がプレートの外形よりも幅狭かつステムの外形よりも幅広に切り欠かれた上段切欠きと、で構成され、上段切欠きからステムが突出する向きでプレートを下段切欠きに挿入した状態において、下段切欠きによりワイングラスの水平移動を規制し、かつプレートの上面に第2板が対向してワイングラスの転倒を規制してもよい。
【0011】
この態様によれば、ワイングラス等の転倒しやすい食器を安定して運搬することができる。
【0012】
食器は、底面を有するベースと、ソフトクリーム又はアイスクリームのコーンを保持するリングと、ベース及びリングを接続するワイヤと、を有したコーンスタンドであってもよい。ガイド形状は、ワイヤを挿入可能な切欠きと、リングに保持されたコーンの先端が通過できる貫通孔と、で構成され、第2切欠きは、第1切欠きの先端からの距離が徐々に変化する曲線状に形成され、切欠きとワイヤとが摩擦係止することによりコーンスタンドの水平移動が規制されてもよい。
【0013】
この態様によれば、コーンスタンド等の転倒しやすい食器を安定して運搬することができる。
【0014】
上記態様において、ガイド形状は、円形の貫通孔と、該円形の貫通孔の縁から中心に向かって突出した舌片部と、を含んでいてもよい。
【0015】
この態様によれば、略円筒形や略円錐台形のグラス類、半球状の丼等の食器の水平移動を規制できる。貫通孔の縁から突出した舌片部が撓んで食器と貫通孔との隙間を埋めるため、食器の大きさが貫通孔の大きさと少しくらい違っていても、食器を安定して運搬することができる。
【0016】
上記態様において、食器は、ハンドルを有したビールジョッキ、コーヒーカップ又はティーカップであり、ガイド形状は、第2板から第1板に向かって見た平面視でハンドルよりも大きく切り欠かれたハンドル切欠きを更に含んでいてもよい。
【0017】
この態様によれば、ハンドル切欠きにハンドルを配置することができるため、ビールジョッキやコーヒーカップのようなハンドルを有する食器であっても安定して運搬することができる。
【0018】
上記態様において、第1板には、第2板がトレイに支持されるように上下反転した状態で、食器とは異なる種類である第2の食器に対し、該第2の食器の底面以外のいずれかの部位に当接することで、第2の食器の水平移動を規制する第2のガイド形状が形成されていてもよい。
【0019】
この態様によれば、第1板及び第2板の両面にガイド形状が形成されているため、食器の種類に応じて上下をさせて種々の食器に附属品を適用することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、配膳ロボットで運搬中の飲み物等がこぼれにくい附属品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、配膳ロボットの一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、配膳ロボットが運搬するトレイの一例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る附属品を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示された附属品を該附属品の長手方向に沿って見た側面図である。
【
図5】
図5は、
図3に示された附属品を展開して示す展開図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施形態に係る附属品の展開図である。
【
図7】
図7は、本発明の第3実施形態に係る附属品を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7に示された附属品を展開して示す展開図である。
【
図9】
図9は、本発明の第4実施形態に係る附属品を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本発明の各実施形態に係る附属品100,200,300,400は、配膳ロボット1が運搬するトレイ4に取り付けて食器の動きを規制する固定具である。以下、
図1から
図10を参照して各構成について詳しく説明する。
【0023】
図1は、トレイ4に料理や飲み物を載せて運搬できる配膳ロボット1の一例を示す斜視図である。図示した例は、トレイ4を収納庫2内に収納した状態で扉3を閉めることができるクローズドタイプの配膳ロボット1として構成されている。トレイ4には、平板状に形成された底板40と、該底板40の外縁から起立した枠41と、が設けられている。
【0024】
図2は、配膳ロボット1が運搬するトレイ4の一例を示す平面図である。図示した例では、トレイ4に設けられた枠41が、第1乃至第4辺AB,BC、CD,DAの長さがすべて等しい正方形に形成され、底板40を途切れなく囲繞している。枠41の形状は図示した例に限定されない。例えば、枠41が部分的に途切れていてもよい。例えば、枠41が第1辺ABと第2辺BCとの長さが異なる矩形であってもよい。例えば、枠41が円形や楕円形であってもよいし、他の形状であってもよい。
【0025】
本発明の各実施形態に係る附属品100,200,300,400は、トレイ4に設けられた枠41の少なくとも二箇所で内接することにより、当該二箇所を結ぶ方向において、水平移動が規制されるように構成されている。図示した例では、附属品100が、互いに平行な第1辺ABと第3辺CDとの両方に内接することにより、第2辺BCの延在方向Yにおいて、附属品100の水平移動が規制されるように構成されている。
【0026】
第2辺BCの延在方向Yにおいて、附属品100,200,300,400の外寸L4は、枠41の内寸をL2と略同一に形成されている。第1辺ABの延在方向Xにおいて、附属品100,200,300,400の外寸L3は、枠41の内寸L1を整数で割った長さに形成されている。具体的には、第1辺ABの延在方向Xにおける附属品100,300,400の外寸L3は、枠41の内寸L1の略半分に形成されている。第1辺ABの延在方向Xにおける附属品200の外寸L3は、枠41の内寸L1と略同一に形成されている。
【0027】
[第1実施形態]
図3は、本発明の第1実施形態に係る附属品100を示す斜視図である。図示した例では、附属品100が、両端が開口した角筒状に形成されている。附属品100の形状は図示した例に限定されない。例えば、附属品100は少なくとも一端が閉塞された箱状であってもよい。他の形状であってもよい。
【0028】
図4は、
図3に示された附属品100を該附属品100の長手方向に沿って見た側面図である。
図5は、
図3に示された附属品100を展開して示す展開図である。
図4及び
図5に示すように、附属品100は、第1板111、第2板112、側板114,115,116等で構成されている。第1板111、第2板112、側板114,115,116等は、例えば段ボール製である。附属品100の材料は特に限定されず、他の板紙等であってもよいし、樹脂等であってもよい。これらの材料であれば、廉価に入手できて汚れたら交換できるため衛生的である。
【0029】
第1板111は、略矩形の平板状に形成され、一方の面111Bと、一方の面111Bとは反対側の他方の面111Aと、を有している。第2板112は、第1板111と同様に略矩形の平板状に形成されている。第2板112は、他方の面111Aに対向するように配置されている。側板114,115,116は、第1板111と第2板112との間を繋いでいる。
【0030】
図示した例では、附属品100に、差込み(タック)117、切れ目318、補強リブ119等が設けられている。補強リブ119を切り起こし、差込み117を切れ目118に差し込むと、
図5に示されたブランクの附属品100が
図3に示された角筒状に組み立てられる。
【0031】
図5に示すように、差込み117は、側板116から第2板112とは反対側に突出している。差込み117が差し込まれる切れ目318は、第1板111と側板114との間に形成されている。附属品100の剛性を高める補強リブ119は、第1板111と側板115との間に形成されている。
【0032】
第1板111の長辺の長さがトレイ4の枠41の内寸L2と略同一である場合、第1板111の一対の短辺の一方が枠41の第1辺ABに当接し、他方が第3辺CDに当接する。同様に、第2板112の長辺の長さがトレイ4の枠41の内寸L2と略同一である場合、第2板112の一対の短辺は、枠41の第1及び第3辺AB,CDに当接する。
【0033】
第1板111の長辺の長さと、第2板112の長辺の長さと、どちらもトレイ4の枠41の内寸L2と略同一であってもよいし、いずれか一方のみがトレイ4の枠41の内寸L2と略同一であってもよい。第1板111の長辺の長さと第2板112の長辺の長さとは、それぞれ附属品100の外寸L4の一例である。
【0034】
図示した例では、第1板111の短辺の長さが、トレイ4の枠41の内寸L1の略半分に形成されている。同様に、第2板112の短辺の長さが、トレイ4の枠41の内寸L1の略半分に形成されている。第1板111の短辺の長さと第2板112の短辺の長さとは、それぞれ附属品100の外寸L2の一例である。
【0035】
以下の説明において、第2板112に形成されたガイド形状120をA面のガイド形状120と呼び、第1板111に形成されたガイド形状130をB面のガイド形状130と呼ぶことがある。附属品100は、上下反転して両面のガイド形状120,130を使用することができる。
【0036】
A面のガイド形状120は、ビールジョッキ等の食器の水平移動を規制するように構成されている。A面のガイド形状120は、例えば、円形の貫通孔121、少なくとも一つの舌片部122、ハンドル用の切欠き123等を含んでいる。ビールジョッキ等の底面が第2板112を介してトレイ4の底板40に支持されている運搬状態において、舌片部122がビールジョッキの円筒部に当接してビールジョッキの水平移動を規制する。舌片部122が撓んでビールジョッキの円筒部と円形の貫通孔121との隙間を埋めるため、ビールジョッキの大きさが円形の貫通孔121の大きさと少しくらい違っていても安定して運搬することができる。
【0037】
円形の貫通孔121は、ビールジョッキの円筒部の外形よりも僅かに大きく形成されている。円形の貫通孔121の縁から中心に向かって突出した舌片部122が設けられている。図示した例では、複数の舌片部122が等間隔に設けられている。ハンドル用の切欠き123は、ビールジョッキ等の円筒部から突出したハンドル等と干渉しないように、第2板112から第1板111に向かって見た平面視でハンドルよりも大きく切り欠いて形成されている。
【0038】
B面のガイド形状130は、タンブラー等のグラス類の食器の水平移動を規制するように構成されている。B面のガイド形状130は、例えば、グラスよりも僅かに大きく形成された円形の貫通孔131、円形の貫通孔131に設けられた舌片部132等を含んでいる。ストロー等を挿して運ぶための貫通孔139等を形成してもよい。
【0039】
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係る附属品200の展開図である。第2実施形態は、附属品200の第1及び第2板211,212の外寸L2が、枠41の内寸L1と略同一に形成されている点が第1実施形態と異なる。図示した例では、第1及び第2板211,212の各々が、略正方形に形成されている。
【0040】
A面のガイド形状220は、丼等の食器の水平移動を規制するように構成されている。
図6に示すように、A面のガイド形状220は、円形の貫通孔221、該円形の貫通孔221の縁から中心に向かって突出した舌片部222等を有している。B面のガイド形状230は、A面のガイド形状220よりも一回り小さい丼等に対応し、それらの食器の水平移動を規制するように構成されている。箸やれんげ等を挿して運ぶための貫通孔229,239等を形成してもよい。図示した例では、略C字形の切れ目を附属品200の内側に折り曲げて貫通孔229,239を形成する。折り曲げられた部位が箸等を支えるため、箸等が動きにくい。
【0041】
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態に係る附属品300を示す斜視図である。
図8は、
図7に示された附属品300を展開して示す展開図である。第3実施形態は、A面のガイド形状320がコーンスタンド8等の食器の水平移動を規制する点が第1実施形態と異なる。コーンスタンド8は、例えば、底面を有するベース80、ソフトクリームやアイスクリーム等のコーンを保持する少なくとも一つのリング83、ベース80とリング83との間を接続するワイヤ81等を有している。
【0042】
A面のガイド形状320は、ワイヤ81を挿入可能な第1及び第2切欠き324,325、リング83に保持された状態のコーンの先端が通過できる貫通孔326等で構成されている。コーヒーカップやティーカップ等のソーサーを保持するソーサー用の貫通孔329等を含んでいてもよい。
【0043】
第1切欠き324は、曲線状に形成されている。第2切欠き325は、第1切欠き324よりも曲率が小さい曲線状に形成されている。ワイヤ81を第1又は第2切欠き324,325に挿入すると、第1又は第2切欠き324,325とワイヤ82との摩擦係止により、コーンスタンド8の水平移動が規制され、かつコーンスタンド8の転倒も防止できる。第1及び第2切欠き324,325の曲率が異なるため、種々の大きさのコーンスタンド8に適用できる。
【0044】
B面のガイド形状330は、コーヒーカップやティーカップ等のハンドルを有したカップ類の食器の水平移動を規制する。B面のガイド形状330は、第1実施形態のA面のガイド形状130を小型化した円形の貫通孔331、舌片部332、ハンドル用の切欠き333等で構成されている。
【0045】
[第4実施形態]
図9は、本発明の第4実施形態に係る附属品400を示す斜視図である。
図10は、
図9に示された附属品400を展開して示す展開図である。第4実施形態は、第1板411の上面411Aに重ねられた第3板413を含んでいる点が第3実施形態と異なる。
【0046】
図10に示すように、附属品400は、第1板411、第2板412、第3板413、側板414,415等で構成されている。T字状のフラップ417を折りたたんで切欠き418に通した後、フラップ417を広げて第2板412の上面に引っ掛けると、
図10に示されたブランクの附属品400が
図9に示された扁平な角筒状の附属品400に組み立てられる。組立てられた状態において、第1板411と第3板413との間には、ほとんど隙間がない一方、第3板413と第2板412との間には、ワイングラスのプレート90と略同一の高さの隙間がある。
【0047】
附属品400には、ワイングラス等の食器の水平移動を規制するガイド形状420が形成されている。ワイングラスは、例えば、ワイン等の液体を注がれるボウル、円盤状に形成されたプレート90、棒状に形成されてプレート90とボウルとを接続するステム91等を有している。
【0048】
ガイド形状420は、第3板413に形成された下段切欠き427、第2板412に形成された上段切欠き428等で構成されている。下段切欠き427では、第3板413がプレート90の外形と略同一の幅W1に切り欠かれている。上段切欠き428では、第2板412がプレート90の外形よりも幅狭かつステムの外形(幅W3)よりも幅広である幅W2に切り欠かれている。つまり、W1>W2>W3の大小関係になるように上下の切欠き427,428が形成されている。
【0049】
上段切欠き428に誘い込み(ラフガイド)429を付設してもよい。差込み429は、上段切欠き428の入口及びその近傍に設けられ、上段切欠き428の奥に向かうに従い幅狭になるように形成されている。
【0050】
上段切欠き428からステム91が突出する向き、すなわちワインを運搬する向きでプレート90を下段切欠き427に挿入すると、プレート90と同じ幅W1の下段切欠き427によってワイングラスの水平移動が規制される。さらに、プレート90の上面と対向する第2板412によりワイングラスの転倒が規制される。プレート90の上面と第2板412との間には隙間がなくもよいし、僅かな隙間があってもよい。
【0051】
以上のように構成された本発明の各実施形態に係る附属品100,200,300,400によれば、食器の動きを規制して揺れを軽減できるため、配膳ロボット1が飲み物等をこぼさないで運搬できるようになる。
【0052】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。なお、本発明は、クローズドタイプの配膳ロボット用の附属品に限定されるものではなく、オープンタイプの配膳ロボット用の附属品としても好適である。
【符号の説明】
【0053】
1…配膳ロボット、2…収納庫、3…扉、4…トレイ、8…コーンスタンド(食器の一例)、40…底板、41…枠、80…ベース、81…ワイヤ、83…リング、90…プレート、91…ステム、100,200,300,400…附属品、111,211,311,411…第1板、111A、211A,311A,411A…他方の面、111B、211B,311B,411B…一方の面、112,212,312,412…第2板、413…第3板、114,115,116,214,215,216,314,315,316,414,415…側板、117,217,317…差込み、417…フラップ、118,218,318…切れ目、418…切欠き、119,219、319…補強リブ、120,130,220,230,320,330…ガイド形状、121,131,221,231,331…円形の貫通孔、122,132,222,232,332…舌片部、123,333…ハンドル用の切欠き、324…第1切欠き、325…第2切欠き、326…コーン用の貫通孔、427…下段切欠き、428…上段切欠き、139,229,239…貫通孔、329…ソーサー用の貫通孔、429…誘い込み、AB…第1辺、BC…第2辺、CD…第3辺、DA…第4辺、L1,L2…枠の内寸、L3,L4…附属品の外寸,W1,W2、W3…幅、X…第1辺の延在方向、Y…第2辺の延在方向。