(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068918
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】ガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラント
(51)【国際特許分類】
C01B 3/36 20060101AFI20230511BHJP
F01K 23/06 20060101ALI20230511BHJP
F02C 7/22 20060101ALI20230511BHJP
F02C 3/28 20060101ALI20230511BHJP
B01D 53/047 20060101ALI20230511BHJP
C10J 3/46 20060101ALN20230511BHJP
【FI】
C01B3/36
F01K23/06 Z
F02C7/22 D
F02C3/28
B01D53/047
C10J3/46 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180372
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000217686
【氏名又は名称】電源開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 洋
【テーマコード(参考)】
3G081
4D012
4G140
【Fターム(参考)】
3G081BC05
3G081BC07
4D012BA01
4D012CA07
4D012CB11
4D012CD07
4D012CE03
4D012CF03
4D012CF10
4D012CG01
4D012CG05
4D012CH04
4D012CH06
4G140EA03
4G140EA07
4G140EB01
4G140EB32
4G140EB37
(57)【要約】
【課題】送電端効率が改善されたガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントを提供する。
【解決手段】ガス化設備11と、ガス精製設備12と、合成ガスを水性ガスシフト反応に供してCO
2、H
2及び水蒸気を含む混合ガスを得るシフト反応設備13と、圧力変動吸着式CO
2分離回収設備16と、CO
2液化設備17と、を備え、圧力変動吸着式CO
2分離回収設備16が、層状複水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種からなり、粒子径が500nm以下のナノ粒子状である二酸化炭素吸着剤を充填した吸着塔を有するガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントであって、圧力変動吸着式CO
2分離回収設備16から導出されるCO
2の圧力が0.5~1.0MPaGであることを特徴とする、ガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラント。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素燃料をガス化してCO及びH2を含む合成ガスを生成するガス化設備と、
前記合成ガスを精製するガス精製設備と、
精製された合成ガスを水性ガスシフト反応に供してCO2、H2及び水蒸気を含む混合ガスを得るシフト反応設備と、
前記混合ガスからCO2と、H2及び水蒸気を含むH2リッチガスと、を分離する、圧力変動吸着式CO2分離回収設備と、
前記圧力変動吸着式CO2分離回収設備から導出されるCO2を冷却して液体CO2を製造するCO2液化設備と、を備え、
前記圧力変動吸着式CO2分離回収設備が、層状複水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種からなり、粒子径が500nm以下のナノ粒子状である二酸化炭素吸着剤を充填した吸着塔を有するガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントであって、
前記圧力変動吸着式CO2分離回収設備から導出されるCO2の圧力が0.5~1.0MPaGであることを特徴とする、ガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラント。
【請求項2】
前記圧力変動吸着式CO2分離回収設備から導出されたCO2がさらに圧縮されることなく冷却されて液化される、請求項1に記載のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラント。
【請求項3】
さらにガスタービン・コンバインドサイクル発電設備を備え、
前記混合ガスから分離されたH2が前記ガスタービン・コンバインドサイクル発電設備に供給される、請求項1又は2に記載のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
石炭は、埋蔵量の豊富さ、調達コストの安定性、地域偏在性の低さから、重要なエネルギー資源として利用されている。しかし、石炭は発電量あたりのCO2排出量が多いため、発電技術のいっそうの高効率化と二酸化炭素回収・貯留(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)の導入が世界的に求められている。
石炭火力発電については、従来、蒸気条件の高温・高圧化とプラントの大型化により高効率化が図られてきた。近年、さらなる高効率化のため、ガス化技術とガスタービン発電技術とを組み合わせたガス化複合発電(IGCC:Integrated Gasification Combined Cycle)による高効率化が望まれるようになった。
天然ガスや石油も石炭と同様に重要なエネルギー資源であり、同様に発電に用いられている。
バイオマスは石炭、石油、天然ガス等の枯渇性資源ではなく、再生可能な資源であることから、その燃料としての利用が推進されている。
CO2の排出量を大幅に削減するため、発電システムからCO2を分離回収する技術の実用化も期待されており、高効率ガス化発電技術とCO2分離技術を組み合わせたCO2回収型のIGCCに注目が集まっている。
【0003】
図1に概略構成を示す従来のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラント(以下「IGCC+CCSプラント」とも記す。)は、石炭等の炭化水素燃料を高温高圧でガス化してCO及びH
2を含む合成ガスを生成するガス化設備11と、合成ガスから硫黄、煤塵等を分離除去するガス精製設備12と、水性ガスシフト反応によりCOと水蒸気からCO
2とH
2を生成するシフト反応設備13と、CO
2、H
2及び水蒸気を含む混合ガスからCO
2を分離するCO
2分離回収設備19と、CO
2分離回収設備19で分離したH
2を含むH
2リッチガスが供給されるコンバインドサイクル発電設備14と、コンバインドサイクル発電設備14からの排気を排出するための煙突15と、CO
2分離回収設備19で分離したCO
2を圧縮する圧縮機20と、圧縮したCO
2を冷却して液化するCO
2液化設備17と、を備えている。ガス精製設備12は、ガスガスヒータ121(GGH)、水洗塔122、COS転化器123、脱硫装置124を備えている。コンバインドサイクル発電設備14は、供給される高温高圧のH
2リッチガスで駆動されるガスタービン141、高温高圧の水蒸気を発生させる排熱回収ボイラー142、蒸気タービン143を備えている。CO
2分離回収設備19は、ガス成分の吸収液(セレクソール液)への溶解度差を利用することで、混合ガス中のCO
2とH
2を分離する設備であり、CO
2を吸収液に吸収する。CO
2を含んだ吸着液からは、脱圧によりCO
2が放出される。CO
2分離回収設備19から導出されるCO
2は常圧である。CO
2は、圧縮機20で0.7PaG以上に昇圧され、CO
2液化設備17で-46℃以下に冷却されて液化される。
【0004】
図1に概略構成を示すIGCC+CCSプラントでは、CO
2分離回収設備19として、セレクソール液を用いる物理吸収装置を用いているが、例えば、特許文献1に記載されたCO
2除去装置を用いることが可能である。
【0005】
特許文献1には、ガス中のH2O及びCO2を捕捉するCO2捕捉材と、前記捕捉材を内部に設置した反応容器と、前記ガス中のH2O濃度を計測するためのH2O計測器と、前記H2O計測器で得た情報を基にH2O濃度を調整するH2O濃度調整機器と、前記H2O濃度調整機器から前記反応容器に前記ガスを導入して前記CO2捕捉材に接触させるためのガス導入路と、前記混合ガスを前記捕捉材に接触させた後に反応容器から排出するための第一のガス排出路と、CO2捕捉材から脱離したガスを反応容器から排出するための第二のガス排出路を含むことを特徴とするCO2除去装置が記載されている。また、このCO2除去装置において、前記CO2捕捉材として、層状複水酸化物を使用し得ることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントでは、CO2分離回収設備19から導出されるCO2を圧縮機20で昇圧してから液化する必要があった。圧縮機20を駆動するための電力を省くことができれば、送電端効率を改善できる。
【0008】
本発明は、送電端効率が改善されたガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
[1] 炭化水素燃料をガス化してCO及びH2を含む合成ガスを生成するガス化設備と、
前記合成ガスを精製するガス精製設備と、
精製された合成ガスを水性ガスシフト反応に供してCO2、H2及び水蒸気を含む混合ガスを得るシフト反応設備と、
前記混合ガスからCO2と、H2及び水蒸気を含むH2リッチガスと、を分離する、圧力変動吸着式CO2分離回収設備と、
前記圧力変動吸着式CO2分離回収設備から導出されるCO2を冷却して液体CO2を製造するCO2液化設備と、を備え、
前記圧力変動吸着式CO2分離回収設備が、層状複水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種からなり、粒子径が500nm以下のナノ粒子状である二酸化炭素吸着剤を充填した吸着塔を有するガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントであって、
前記圧力変動吸着式CO2分離回収設備から導出されるCO2の圧力が0.5~1.0MPaGであることを特徴とする、ガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラント。
[2] 前記圧力変動吸着式CO2分離回収設備から導出されたCO2がさらに圧縮されることなく冷却されて液化される、[1]に記載のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラント。
[3] さらにガスタービン・コンバインドサイクル発電設備を備え、
前記混合ガスから分離されたH2が前記ガスタービン・コンバインドサイクル発電設備に供給される、[1]又は[2]に記載のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラント。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、送電端効率が改善されたガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、従来のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントを示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態の一例のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において「~」を用いて表される数値範囲は「~」の両側の数値を含むものとする。
以下では本発明の実施形態について図面を適宜参照しながら説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
【0013】
[ガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラント]
図2に示す本実施形態のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントは、石炭、天然ガス、バイオマス等の炭化水素燃料をガス化してCO及びH
2を含む合成ガスを生成するガス化設備11と、ガス化設備11で生成した合成ガスを精製して硫黄、煤塵等を除去するガス精製設備12と、精製した合成ガスを水性ガスシフト反応に供してCO
2、H
2及び水蒸気を含む混合ガスを生成するシフト反応設備13と、前記混合ガスからCO
2と、H
2及び水蒸気を含むH
2リッチガスとを分離回収する圧力変動吸着式CO
2分離回収設備16と、圧力変動吸着式CO
2分離回収設備16から導出された圧力0.5~1.0MPaGのCO
2をさらに圧縮することなく冷却して液化するCO
2液化設備17と、圧力変動吸着式CO
2分離回収設備16から導出された圧力2.5~3.5MPaG、200~300℃のH
2リッチガスが加熱、加圧されて供給されるコンバインドサイクル発電設備14と、コンバインドサイクル発電設備14からの排気ガスを排出する煙突15と、を備える。
【0014】
ガス化設備11は、石炭、天然ガス、バイオマス等の炭化水素燃料をガス化するガス化炉を含む。ガス化炉で例えば石炭をガス化するには、まず微粉炭機にて石炭を粉砕、乾燥し酸化剤と共にガス化炉に投入する。ガス化炉ではCO、H2を主成分とする高温の可燃性ガス(合成ガス)が生成される。
石炭をガス化する場合のガス化炉の形式としては、(1)固定床又は移動床、(2)流動床、(3)噴流床の3形式があり、これらは石炭の粒径や部分燃焼温度などが異なる。
固定床ガス化炉は火格子の上に置かれた石炭を時間をかけてガス化する方式で、5~30mmの塊炭を上部から投入し酸素などの酸化剤は炉底部より供給される。
流動床ガス化は粒径が数mmの比較的粗い粒子を用い、空気等で流動化させながら部分燃焼させガス化する方式である。1000℃前後の比較的低温で燃焼させるため、灰の融点が高めの石炭に適し、また高灰分炭などの低品位炭にも適している。また粗い粒子が取扱えるため廃棄物やバイオマスの利用にも有効である。
噴流床ガス化炉は粒径が0.1mm以下の微粒を用い、1800℃程度の高温で部分燃焼させる。粒径が小さいため比表面積が大きく、また高温のため反応速度が極めて早く、さらにガス化炉の設計は3乗則によるためコンパクトで大出力を得ることができ経済性に優れている。
石炭の供給形態としては乾式(ドライフィード方式)と湿式(スラリーフィード方式)がある。湿式の場合、石炭を水と混合してスラリー化してガス化炉へ供給するためパイプラインで送ることができる。ガス化剤としては、酸素(酸素吹き)と空気(空気吹き)があり、酸素吹きは生成ガス中に窒素を含まないため、水素製造に適している。しかし、ガス化剤となる酸素製造のための空気分離装置(ASU:Air Separation Unit)の動力が大きく、発電プラントとしての効率が低下するため、発電用途のIGCCの場合は空気吹きの方が効率が高い。
炭化水素燃料として天然ガス等の気体状炭化水素や、石油等の液体状炭化水素の場合には、空気又は酸素と混合して、バイオマスは粉砕して微粒化した上で空気又は酸素と混合して、1800℃程度で部分燃焼が行われる。
【0015】
ガス精製設備12は、ガスガスヒータ121、水洗塔122、COS転化器123、脱硫装置124を含む。
ガス化設備11で生成された合成ガスは、CO及びH2が主成分であるが、その他窒素化合物(NH3)、硫黄化合物(H2SやCOS)などの不純物が含まれるため、それをガス精製設備12で除去する。
水洗塔122ではダスト、微量成分、NH3の除去を行う。合成ガス中の硫黄化合物は、H2S(硫化水素)、COS(硫化カルボニル)が主形態であるため、アミン溶液での吸収を可能とするようCOS転化器123における触媒反応によってCOSをH2Sに変換する。その後、脱硫装置124において、合成ガスをアミン水溶夜にくぐらせ、H2Sを吸収して硫黄を除去する。
【0016】
シフト反応設備13では、COとH2O(水蒸気)とを、酸化鉄(Fe3O4(マグネタイト))等の遷移金属酸化物又は白金等の触媒の存在下、200~400℃で反応させて、CO2及びH2を生成する。H2O(水蒸気)は、圧力変動吸着式CO2分離回収設備16で分離したH2リッチガスに含まれる水蒸気を用いることができる。シフト反応設備13で生成するCO2、H2及び水蒸気を含む混合ガスは、温度200~350℃程度、圧力2.5~3.5MPaG程度である。前記混合ガスは、冷却及び減圧の操作が加えられることなく、高温高圧の状態で、圧力変動吸着式CO2分離回収設備16に導入される。
【0017】
圧力変動吸着式CO2分離回収設備16は、圧力変動吸着式CO2分離装置を含む。この圧力変動吸着式CO2分離装置は、層状複水酸化物からなる群から選択される少なくとも1種からなり、粒子径が500nm以下のナノ粒子状である二酸化炭素吸着剤を充填した吸着塔を有する。
【0018】
層状複水酸化物(略称:LDH,Layered Double Hydroxide)は、2種類以上の金属元素を含み、その組成を下記式(I)で表すことのできる物質である。
[M2+
1-xM3+
x(OH)2]x+[(An-)x/n・mH2O]x- ・・・(I)
式(I)において、
M2+は、2価の金属イオン、例えば、Mg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+又はZn2+を表し、
M3+は、3価の金属イオン、例えば、Al3+、Cr3+、Fe3+、Co3+又はIn3+を表し、
An-は、n価の陰イオン、例えば、炭酸イオン(CO3
2-)、硝酸イオン(NO3
-)又は硫酸イオン(SO4
2-)を表す。
m及びnはそれぞれ独立に1以上の自然数であり、xは正の実数である。
前記M2+、M3+、An-はそれぞれ1種類のイオンを用いてもよいし、2種類以上のイオンを用いてもよい。
【0019】
層状複水酸化物として、M2+がMg2+であり、M3+がAl3+であり、An-がCO3
2-である場合、層状複水酸化物は、[M2+
1-xM3+
x(OH)2]x+のホスト層(正電荷層)と、[(An-)x/n・mH2O]x-のゲスト層(陰イオン+水分子)の層が交互に積層した構造となっている。隣接するホスト層の間隔は、温度や圧力により変わる場合がある。
【0020】
前記層状複水酸化物としては、M2+がMg2+であり、M3+がAl3+であり、An-がCO3
2-であるものが好ましい。
【0021】
前記層状複水酸化物のナノ粒子の粒子径は、500nm以下であれば特に限定されないが、300nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、50nm以下がさらに好ましい。前記層状複水酸化物のナノ粒子の粒子径の下限は特に限定されないが、吸着塔に充填した際の混合ガスの通り易さから、10nm以上が好ましい。
【0022】
前記層状複水酸化物のナノ粒子の製造方法は、特に限定されないが、例えば、層状複水酸化物を粉砕した後、分級することに製造できる。
【0023】
圧力変動吸着式CO2分離回収設備16の出口側CO2の圧力を0.5~1.0MPaGに設定することにより、さらに圧縮することなくCO2液化設備17で冷却して液化することができる。
【0024】
圧力変動吸着式CO2分離回収設備16で分離されたH2リッチガスは、一部がシフト反応設備13で使用されるほかは、シフト反応設備13で発生する熱によって300~350℃に加熱された後、コンバインドサイクル発電設備14に供給され、ガスタービン141の駆動力として利用された後、排熱回収ボイラー142(HRSG:Heat Recovery Steam Generator)で極限まで熱を回収される。この熱は蒸気として回収され、蒸気タービン143の動力源となる。排熱回収ボイラー142からの排気は煙突15から排出される。
【0025】
[作用効果]
本発明のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントでは、圧力変動吸着式CO2分離回収設備16出口側のCO2の圧力を0.5~1.0MPaGと設定することで、CO2をさらに圧縮することなく、冷却して液化することができるため、圧縮機の電力消費をなくすことができ、送電端効率が改善される。また、高圧のCO2ガスとして圧縮行程を一部省略して利用することが可能である。
【実施例0026】
図2に示す本発明の実施形態のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントを用いる場合、
図1に示す従来のガス化複合発電及び二酸化炭素回収・貯留プラントを用いる場合に比べて、絶対値で3%以上、相対値で10%以上と飛躍的に送電端効率が改善される。