(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023068993
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230511BHJP
G16Y 10/45 20200101ALI20230511BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y10/45
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180511
(22)【出願日】2021-11-04
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】500323188
【氏名又は名称】東京エレクトロンデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】メスガ アリレザ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】より効率的にセンサデータを収集することが可能な情報処理方法等を提供すること。
【解決手段】一つの側面に係る情報処理方法は、IoT(Internet of Things)ゲートウェイ3に接続されたセンサデバイス4に対する第1設定画面を出力し、出力した第1設定画面から前記センサデバイス4を識別するための識別情報に対応付けて設置位置を受け付け、受け付けた設置位置を前記識別情報に対応付けて記憶し、前記センサデバイス4から所定の形式でセンサデータを取得し、取得したセンサデータ、前記識別情報及び前記設置位置を対応付けて出力する処理を実行させることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IoT(Internet of Things)ゲートウェイに接続されたセンサデバイスに対する第1設定画面を出力し、
出力した第1設定画面から前記センサデバイスを識別するための識別情報に対応付けて設置位置を受け付け、
受け付けた設置位置を前記識別情報に対応付けて記憶し、
前記センサデバイスから所定の形式でセンサデータを取得し、
取得したセンサデータ、前記識別情報及び前記設置位置を対応付けて出力する
情報処理方法。
【請求項2】
ノンプログラミング方式で前記IoTゲートウェイに対する前記センサデバイスの登録設定を受け付ける
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記IoTゲートウェイは、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)通信機能を有する
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
複数のセンサデバイスの識別情報、設置位置及びセンサデータを記憶し、
各センサデバイスのセンサデータを出力する
請求項1から3までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項5】
複数のセンサデバイスの設置位置、及び前記センサデバイスに関する情報をマップ上に出力する
請求項1から4までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項6】
所定の形式で送信された時系列のセンサデータを、前記センサデバイスの識別情報、日時情報または設置位置に対応付けて記憶する
請求項1から5までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記センサデバイスに対する前記第1設定画面で、前記センサデバイスのセンサデータにおける最小値、最大値及び平均値の設定を受け付け、
所定期間ごとに前記センサデバイスのセンサデータを取得し、
取得したセンサデータに基づき、前記センサデータの変化を示すグラフを生成し、
生成したグラフ上に、前記最小値、前記最大値及び前記平均値を示す3つの識別ラインを重畳して表示する
請求項1から6までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項8】
第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を時系列で取得し、
第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を入力した場合に、前記第1期間以降の第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を予測した予測値を出力するよう学習された学習モデルに、取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を入力し、前記第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を予測した予測値を出力する
請求項1から7までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記センサデバイスに対し、アラートを出力するためのアラート条件を設定する第2設定画面を出力し、
出力した第2設定画面で前記アラート条件の設定を受け付ける
請求項1から8までのいずれかひとつに記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記アラート条件に基づいてアラートを出力した場合、マップ上に前記アラートの発生位置を出力する
請求項9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
IoTゲートウェイに接続されたセンサデバイスに対する設定画面を出力する第1出力部と、
出力した設定画面から前記センサデバイスを識別するための識別情報に対応付けて設置位置を受け付ける受付部と、
受け付けた設置位置を前記識別情報に対応付けて記憶する記憶部と、
前記センサデバイスから所定の形式でセンサデータを取得する取得部と、
取得したセンサデータ、前記識別情報及び前記設置位置を対応付けて出力する第2出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項12】
IoTゲートウェイに接続されたセンサデバイスに対する設定画面を出力し、
出力した設定画面から前記センサデバイスを識別するための識別情報に対応付けて設置位置を受け付け、
受け付けた設置位置を前記識別情報に対応付けて記憶し、
前記センサデバイスから所定の形式でセンサデータを取得し、
取得したセンサデータ、前記識別情報及び前記設置位置を対応付けて出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
IoTゲートウェイと、前記IoTゲートウェイに接続される複数のセンサデバイスと、情報処理装置と、情報処理端末とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記IoTゲートウェイに接続されたセンサデバイスに対する設定画面を送信する第1送信部を備え、
前記情報処理端末は、
前記第1送信部が送信した設定画面を受信する第1受信部と、
前記第1受信部が受信した設定画面を表示する表示部と、
前記表示部が表示した設定画面から前記センサデバイスを識別するための識別情報に対応付けて設置位置を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた設置位置を、前記受付部が受け付けた識別情報に対応付けて送信する第2送信部とを備え、
前記情報処理装置は、
前記第2送信部が送信した識別情報及び設置位置を受信する第2受信部と、
前記第2受信部が受信した設置位置を、前記第2受信部が受信した識別情報に対応付けて記憶する記憶部とを備え、
前記IoTゲートウェイは、
接続されたセンサデバイスのセンサデータを取得する取得部と、
前記取得部が取得したセンサデータを所定の形式で生成する生成部と、
前記センサデバイスの識別情報、及び前記生成部が生成したセンサデータを送信する第3送信部とを備え、
前記第2受信部は、前記第3送信部が送信した識別情報及びセンサデータを受信し、
前記第1送信部は、前記第2受信部が受信した識別情報、センサデータ及び設置位置を対応付けて送信する
ことを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサ機能を有した通信機器からセンサデータを収集する技術がある。特許文献1には、第1センサデバイスから送信されるセンサデータまたは第2センサデバイスから送信されるセンサデータを受信し、受信したセンサデータをサーバ装置に対して送信する中継機と、前記中継機から送信されるセンサデータを受信するサーバ装置とを備える無線通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、効率的にセンサデータを収集することができないという問題がある。
【0005】
一つの側面では、より効率的にセンサデータを収集することが可能な情報処理方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面に係る情報処理方法は、IoT(Internet of Things)ゲートウェイに接続されたセンサデバイスに対する第1設定画面を出力し、出力した第1設定画面から前記センサデバイスを識別するための識別情報に対応付けて設置位置を受け付け、受け付けた設置位置を前記識別情報に対応付けて記憶し、前記センサデバイスから所定の形式でセンサデータを取得し、取得したセンサデータ、前記識別情報及び前記設置位置を対応付けて出力する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、より効率的にセンサデータを収集することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】IoT可視化システムの概要を示す説明図である。
【
図3】ユーザDB及びIoTゲートウェイDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図4】センサデバイスDB及びセンサデータDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図5】ユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図6】IoT可視化システムの動作を説明する説明図である。
【
図7】IoTゲートウェイ設定画面の一例を示す説明図である。
【
図8】センサデバイス設定画面の一例を示す説明図である。
【
図9】センサデータ表示画面の一例を示す説明図である。
【
図10】IoTゲートウェイの設定情報を受け付ける際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】センサデバイスの設定情報を受け付ける際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】センサデータの可視化処理を行う際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図13】インドアマップ上にセンサデバイスの設置位置を表示する画面の一例を示す説明図である。
【
図14】インドアマップ上にセンサデバイスの設置位置を出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図15】実施形態3におけるセンサデバイスDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図16】アラート条件の設定画面の一例を示す説明図である。
【
図17】アラートを出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図18】マップ上にアラートの発生位置を表示する画面の一例を示す説明図である。
【
図19】インドアマップ上にアラートの発生位置を出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図20】レポートの生成画面の一例を示す説明図である。
【
図21】実施形態4におけるサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図22】予測値を示すグラフの一例を示す説明図である。
【
図23】予測値を示すグラフを生成する際の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
実施形態1は、IoTゲートウェイに接続されたセンサデバイスからセンサデータを取得し、取得したセンサデータをセンサデバイスの識別情報及び設置位置に対応付けて出力する形態に関する。
【0011】
図1は、IoT可視化システムの概要を示す説明図である。IoTは、従来インターネットまたは無線LAN等のネットワークに接続されていなかった様々なモノ(センサデバイス、駆動装置(例えば、アクチュエーター)、車、家電製品、電子機器等)が、ネットワークを通じてサーバまたはクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をする仕組みである。本実施形態のシステムは、情報処理装置1、情報処理端末2、IoTゲートウェイ3及びセンサデバイス4を含む。各装置は、IoT技術を用いて構築されたネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0012】
情報処理装置1は、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置である。情報処理装置1は、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータまたは汎用のタブレットPC(パソコン)等である。本実施形態において、情報処理装置1はサーバ装置であるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。
【0013】
情報処理端末2は、センサデバイス4の識別情報及び設置位置の設定の受付、設定された識別情報及び設置位置の送信等を行う端末装置である。情報処理端末2は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット、パーソナルコンピュータ端末等の情報処理機器である。以下では簡潔のため、情報処理端末2をユーザ端末2と読み替える。
【0014】
IoTゲートウェイ3は、IoTを活用する際に、インターネット等を経由して、配下のセンサデバイス4をサーバ1またはクラウドと直接通信しデータのやり取りを行う装置である。すなわち、IoTゲートウェイ3は、センサデバイス4と接続するためのローカルネットワークを構築し、当該ローカルネットワークとインターネットとを接続する機器である。IoTゲートウェイ3は、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)通信機能を有する。IoTゲートウェイ3は、例えば低消費電力の通信モードであるBLE(Bluetooth Low Energy)を利用するBLEビーコンであっても良い。
【0015】
センサデバイス4は、物理的、化学的な現象を電気信号またはデータに変換して出力する装置である。センサデバイス4は、光、音、温度、湿度、CO(carbon dioxide)2濃度、圧力、距離、電気、磁気、速度、加速度または角速度等を測定する計測機器である。
【0016】
本実施形態に係るサーバ1は、IoTゲートウェイ3に接続されたセンサデバイス4に対する設定画面をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、サーバ1から送信された設定画面を受信して表示する。ユーザ端末2は設定画面を通じて、センサデバイス4を識別するための識別情報に対応付けてセンサデバイス4の設置位置の設定を受け付ける。識別情報は、例えばセンサデバイス4を識別するためのセンサIDであっても良い。ユーザ端末2は、受け付けた識別情報及び設置位置をサーバ1に送信する。
【0017】
サーバ1は、ユーザ端末2から送信された識別情報及び設置位置を受信し、受信した識別情報に対応付けて設置位置を記憶する。サーバ1はIoTゲートウェイ3を経由して、センサデバイス4から所定の形式でセンサデータを取得する。サーバ1は、取得したセンサデバイス4のセンサデータ、識別情報及び設置位置を対応付けてユーザ端末2に送信する。
【0018】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、記憶部12、通信部13、読取部14及び大容量記憶部15を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0019】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を含み、記憶部12に記憶された制御プログラム1P(プログラム製品)を読み出して実行することにより、サーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、制御プログラム1Pは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、
図2では制御部11を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0020】
記憶部12はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1P又はデータ等を記憶している。また、記憶部12は、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。通信部13は通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して、ユーザ端末2またはIoTゲートウェイ3等との間で情報の送受信を行う。
【0021】
読取部14は、CD(Compact Disc)-ROM又はDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読取部14を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、大容量記憶部15に記憶しても良い。また、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御部11が制御プログラム1Pをダウンロードし、大容量記憶部15に記憶しても良い。さらにまた、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでも良い。
【0022】
大容量記憶部15は、例えばHDD(Hard disk drive:ハードディスク)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)等の記録媒体を備える。大容量記憶部15は、ユーザDB(database)151、IoTゲートウェイDB152、センサデバイスDB153及びセンサデータDB154を含む。
【0023】
ユーザDB151は、ユーザに関する情報を記憶している。IoTゲートウェイDB152は、IoTゲートウェイ3に関する情報を記憶している。センサデバイスDB153は、センサデバイス4に関する情報を記憶している。センサデータDB154は、センサデバイス4のセンサデータを記憶している。
【0024】
なお、本実施形態において記憶部12及び大容量記憶部15は一体の記憶装置として構成されていても良い。また、大容量記憶部15は複数の記憶装置により構成されていても良い。更にまた、大容量記憶部15はサーバ1に接続された外部記憶装置であっても良い。
【0025】
なお、上述した構成に限るものではない。例えばサーバ1は、端末装置が通信サービスにアクセスすることを許可するように構成されているアクセスコントローラをさらに備えても良い。アクセスコントローラは、ネットワーク制限情報等に基づいて、端末装置が通信サービスにアクセスすることを許可する。サーバ1は、アクセスコントローラを介して、ユーザ端末2またはIoTゲートウェイ3等との間で情報の送受信を行う。
【0026】
サーバ1は、種々の情報処理及び制御処理等をコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良い。また、サーバ1は、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されても良いし、クラウドサーバを用いて実現されても良い。
【0027】
図3は、ユーザDB151及びIoTゲートウェイDB152のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
ユーザDB151は、ユーザID列、メールアドレス列及びパスワード列を含む。ユーザID列は、各ユーザを識別するために、一意に特定されるユーザのIDを記憶している。メールアドレス列は、ユーザの電子メールのメールアドレスを記憶している。パスワード列は、システムへログイン用のパスワードを記憶している。
【0028】
IoTゲートウェイDB152は、ルータID列、施設名称列、センサ数列及び接続文字列列を含む。ルータID列は、各IoTゲートウェイ3を識別するために、一意に特定されるIoTゲートウェイ3のIDを記憶している。施設名称列は、IoTゲートウェイ3が設置された施設の名称を記憶している。施設は、店舗、工場または倉庫等を含む。なお、施設名称の代わりに、施設を特定する施設IDが記憶されても良い。センサ数列は、IoTゲートウェイ3に接続されたセンサデバイス4の数を記憶している。接続文字列列は、センサデバイス4がIoTゲートウェイ3に接続された際の認証用の文字列を記憶している。
【0029】
図4は、センサデバイスDB153及びセンサデータDB154のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
センサデバイスDB153は、センサID列、種類列、施設名称列、最小値列、最大値列、平均値列及び設置位置列を含む。センサID列は、センサデバイス4を識別するセンサID(識別情報)を記憶している。種類列は、温度計、湿度計または圧力計等を含むセンサデバイス4の種類を記憶している。施設名称列は、IoTゲートウェイ3が設置された施設の名称を記憶している。
【0030】
最小値列は、センサデータの最小値を記憶している。最大値列は、センサデータの最大値を記憶している。平均値列は、センサデータの平均値を記憶している。設置位置列は、センサデバイス4が設置された位置情報を記憶している。位置情報は、位置座標または詳細的な位置名称等を含む。位置座標は、例えば緯度及び経度の値の組み合わせであっても良いし、他座標系の座標値であっても良い。
【0031】
センサデータDB154は、センサID列、センサデータ列及び検出日時列を含む。センサID列は、センサデバイス4を識別するセンサIDを記憶している。センサデータ列は、センサデバイス4のセンサデータを記憶している。なお、センサデータに関しては後述する。検出日時列は、センサデータを検出した日時情報を記憶している。
【0032】
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であっても良い。
【0033】
図5は、ユーザ端末2の構成例を示すブロック図である。ユーザ端末2は、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24及び表示部25を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0034】
制御部21はCPU、MPU等の演算処理装置を含み、記憶部22に記憶された制御プログラム2Pを読み出して実行することにより、ユーザ端末2に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、
図5では制御部21を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。記憶部22はRAM、ROM等のメモリ素子を含み、制御部21が処理を実行するために必要な制御プログラム2P又はデータ等を記憶している。また、記憶部22は、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0035】
通信部23は通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して、サーバ1等と情報の送受信を行う。入力部24は、キーボード、マウスまたは表示部25と一体化したタッチパネルでも良い。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部21の指示に従い各種情報を表示する。
【0036】
図6は、IoT可視化システムの動作を説明する説明図である。先ず、IoTゲートウェイ3及びセンサデバイス4の設定処理を説明する。本実施形態では、IoTゲートウェイ3にノンプログラミング方式でセンサデバイス4の登録設定を受け付ける。本実施形態でのノンプログラム方式は、プログラミング作業をすることなくIoTゲートウェイ3にセンサデバイス4を登録(追加)可能な方式である。
【0037】
具体的には、ユーザ端末2は、ユーザのメールアドレス及びパスワードに基づいて本システムへのログインに成功した場合、IoTゲートウェイ設定画面及びセンサデバイス設定画面(第1設定画面)をサーバ1から取得して表示する。
【0038】
図7は、IoTゲートウェイ設定画面の一例を示す説明図である。該画面は、設定欄11a及び設定ボタン11bを含む。設定欄11aは、IoTゲートウェイ3の設定情報を受け付ける欄である。設定ボタン11bは、IoTゲートウェイ3の設定情報を設定(登録)するボタンである。
【0039】
ユーザ端末2は、設定欄11aの設定操作を受け付けた場合、IoTゲートウェイ3の設定情報を取得する。IoTゲートウェイ3の設定情報は、IoTゲートウェイ3のルータID、IoTゲートウェイ3が設置された施設の名称、IoTゲートウェイ3に接続されたセンサデバイス4の数、及び、センサデバイス4がIoTゲートウェイ3に接続する際の認証用の接続文字列を含む。ユーザ端末2は、設定ボタン11bのタッチ(クリック)操作を受け付けた場合、設定欄11aにより設定されたIoTゲートウェイ3の設定情報をサーバ1に送信する。
【0040】
図8は、センサデバイス設定画面の一例を示す説明図である。該画面は、設定欄12a及び設定ボタン12bを含む。設定欄12aは、センサデバイス4の設定情報を受け付ける欄である。設定ボタン12bは、センサデバイス4の設定情報を設定するボタンである。
【0041】
ユーザ端末2は、設定欄12aの設定操作を受け付けた場合、センサデバイス4の設定情報を取得する。センサデバイス4の設定情報は、センサデバイス4が設置された施設の名称、センサID、センサデータにおける最小値、最大値及び平均値、並びに、センサデバイス4が設置された設置位置を含む。ユーザ端末2は、設定ボタン12bのタッチ操作を受け付けた場合、設定欄12aにより設定されたセンサデバイス4の設定情報をサーバ1に送信する。
【0042】
なお、
図8では最小値、最大値及び平均値の例を説明したが、これに限るものではない。センサデバイス4の種類に応じて、センサデバイス設定画面に当該センサデバイス4の属性を表す項目(例えば、中央値)が設けられても良い。
【0043】
続いて、
図6に戻り、ユーザ端末2は、IoTゲートウェイ設定画面(
図7)でユーザによるIoTゲートウェイ3の設定情報(ルータID、施設名称、センサデバイス4の数及び接続文字列)の設定を受け付ける。ユーザ端末2は、受け付けたIoTゲートウェイ3の設定情報をサーバ1に送信する。サーバ1は、ユーザ端末2から送信されたIoTゲートウェイ3の設定情報を受信し、受信した設定情報をIoTゲートウェイDB152に記憶する。
【0044】
また、ユーザ端末2は、センサデバイス設定画面(
図8)でユーザによるセンサデバイス4の設定情報(施設の名称、センサID、最小値、最大値、平均値及び設置位置)の設定を受け付ける。ユーザ端末2は、受け付けたセンサデバイス4の設定情報をサーバ1に送信する。サーバ1は、ユーザ端末2から送信されたセンサデバイス4の設定情報を受信し、受信した設定情報をセンサデバイスDB153に記憶する。
【0045】
次に、センサデバイス4のセンサデータの可視化処理を説明する。登録されたセンサデバイス4は、センサデバイス設定画面で設定された設置位置に固定設置され、常に電波を発信し続けている。センサデバイス4がIoTゲートウェイ3に近づけた場合、センサデバイス4は電波をIoTゲートウェイ3に送信する。
【0046】
IoTゲートウェイ3は、センサデバイス4から送信された電波を受信し、受信した電波に基づいて所定の形式でセンサデータを生成する。なお、本実施形態では、センサデータの形式がJSON(JavaScript Object Notation)形式である例を説明するが、これに限るものではない。JSON形式の他に、例えばドキュメントを拡張可能なマークアップ言語(XML)、CSV(comma-separated values)またはExcel(登録商標)等の形式を利用しても良い。
【0047】
IoTゲートウェイ3とセンサデバイス4との間の通信に関しては、1つまたは複数のAPI(Application Programming Interface)を採用することができる。なお、実装形態により任意のAPI、通信プロトコル、または通信形式等を採用することができる。例えば、REST(Representational State Transfer) APIを採用しても良い。REST APIは、RESTアーキテクチャスタイルの制約に従い、RESTful Webサービスとの対話を可能にするウェブAPIである。IoTゲートウェイ3とセンサデバイス4との間の通信は、REST APIを呼び出し、REST APIをXMLまたはJSON等のデータ表現形式を使用してデータのやり取りを行う。
【0048】
IoTゲートウェイ3は、REST APIを経由して、センサデバイス4から送信されたセンサデータ(電波)からJSON形式でセンサデータを生成する。図示のように、IoTゲートウェイ3は、センサデバイスの種類が温度計であるセンサデバイス4の電波から、「deviceid」、「temperature」、「datetime」、「battery_voltage」フィールドそれぞれの値が、「01」、「15.8」、「2021/08/24 13:23:05」、「5」であるJSON形式でのセンサデータを生成する。
【0049】
IoTゲートウェイ3は、生成したJSON形式でのセンサデータをサーバ1に送信する。サーバ1は、IoTゲートウェイ3から送信されたセンサデータを受信し、受信したセンサデータをセンサデータDB154に記憶する。具体的には、サーバ1は、センサデバイスのセンサIDに対応付けて、JSON形式でのセンサデータ及び検出日時を一つのレコードとしてセンサデータDB154に記憶する。
【0050】
サーバ1は、取得したセンサデバイス4のセンサデータ、当該センサデバイス4のセンサID及び設置位置を対応付けてユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、サーバ1から送信されたセンサデータ、センサID及び設置位置を受信して画面に表示する。
【0051】
図9は、センサデータ表示画面の一例を示す説明図である。該画面は、センサ表示欄13a、グラフ表示欄13b及び設定情報表示欄13cを含む。センサ表示欄13aは、センサデバイス情報を表示する表示欄である。グラフ表示欄13bは、センサデータの変化を示すグラフを表示する表示欄である。設定情報表示欄13cは、最小値、最大値及び平均値を含む設定情報を表示する表示欄である。
【0052】
サーバ1は、センサデバイス4のセンサIDに基づいてセンサデバイス情報をセンサデバイスDB153から取得する。センサデバイス情報は、センサID、施設の名称、最小値、最大値、平均値及び設置位置を含む。サーバ1は、センサデバイス4のセンサIDに基づいて、所定期間(例えば、16:15~16:45)によりセンサデバイス4のセンサデータをセンサデータDB154から取得する。
【0053】
所定期間は、例えば分、時間、日、週、月または年等の単位で設定される。なお、所定期間は、予めサーバ1の記憶部12もしくは大容量記憶部15に記憶されても良く、または、ユーザの指定により受け付けられても良い。サーバ1は、取得したセンサデータに基づき、所定期間内のセンサデータの変化を示すグラフを生成する。例えばサーバ1は、Microsoft Power BI(登録商標)を用いてグラフを生成しても良い。
【0054】
サーバ1は、取得したセンサデバイス情報、現在時点のセンサデータ及び生成したグラフをユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、サーバ1から送信されたセンサデバイス情報、現時点のセンサデータ及びグラフを受信する。ユーザ端末2は、受信したセンサデバイス情報に基づき、センサID、受信日時、現在時点のセンサデータ、施設の名称及び設置位置をセンサ表示欄13aに表示する。図示のように、センサID、受信日時、現在時点の温度、湿度、電池残量(%)、施設の名称及び設置位置がセンサ表示欄13aに表示される。
【0055】
ユーザ端末2は、受信したグラフをグラフ表示欄13bに表示する。図示のように、グラフ表示欄13bの横軸は、時間を示す。グラフ表示欄13bの左側の縦軸は、温度(℃)を示し、右側の2つの縦軸それぞれは、湿度(%)及び電池残量(%)を示す。なお、
図9では、折れ線グラフの例を説明したが、これに限らず、例えば棒グラフ等であっても良い。なお、端末2はサーバ1からセンサデータを取得し、取得したセンサデータに基づいてグラフを生成しても良い。
【0056】
ユーザ端末2は、受信したセンサデバイス情報に基づき、最小値、最大値及び平均値を設定情報表示欄13cに表示する。図示のように、温度における最小値が10であり、最大値が38であり、且つ、平均値が22である。また、グラフ表示欄13bに表示されているグラフ上に、最小値、最大値及び平均値を示す3つの識別ラインが重畳して表示される。図示のように、グラフ上に、最小値を示す識別ライン13d、最大値を示す識別ライン13e及び平均値を示す識別ライン13fが点線で重畳して表示される。識別ライン13dと識別ライン13fとの間の領域は、色(例えば、青)または模様(例えば、斜線)等の表示態様で表示される。なお、識別ライン13d、識別ライン13e及び識別ライン13fの間の領域の表示態様に限定されず、任意の表示態様であっても良い。
【0057】
図10は、IoTゲートウェイ3の設定情報を受け付ける際の処理手順を示すフローチャートである。サーバ1の制御部11は、IoTゲートウェイ設定画面(
図7)を生成し(ステップS101)、生成したIoTゲートウェイ設定画面を通信部13によりユーザ端末2に送信する(ステップS102)。ユーザ端末2の制御部21は、サーバ1から送信されたIoTゲートウェイ設定画面を通信部23により受信する(ステップS201)。制御部21は、受信したIoTゲートウェイ設定画面を表示部25により表示する(ステップS202)。
【0058】
制御部21は、IoTゲートウェイ設定画面を通じて、ルータID、施設名称、センサデバイス4の数及び接続文字列を含むIoTゲートウェイ3の設定情報を入力部24により受け付ける(ステップS203)。制御部21は、受け付けたIoTゲートウェイ3の設定情報を通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS204)。
【0059】
サーバ1の制御部11は、ユーザ端末2から送信されたIoTゲートウェイ3の設定情報を通信部13により受信する(ステップS103)。制御部11は、受信した設定情報を大容量記憶部15のIoTゲートウェイDB152に記憶し(ステップS104)、処理を終了する。具体的には、制御部11は、IoTゲートウェイ3のルータIDに対応付けて、IoTゲートウェイ3が設置された施設の名称、IoTゲートウェイ3に接続されたセンサデバイス4の数及び接続文字列を一つのレコードとしてIoTゲートウェイDB152に記憶する。
【0060】
図11は、センサデバイス4の設定情報を受け付ける際の処理手順を示すフローチャートである。サーバ1の制御部11は、センサデバイス設定画面(
図8)を生成し(ステップS111)、生成したセンサデバイス設定画面を通信部13によりユーザ端末2に送信する(ステップS112)。ユーザ端末2の制御部21は、サーバ1から送信されたセンサデバイス設定画面を通信部23により受信する(ステップS211)。制御部21は、受信したセンサデバイス設定画面を表示部25により表示する(ステップS212)。
【0061】
制御部21は、センサデバイス設定画面を通じて、施設の名称、センサID、最小値、最大値、平均値及び設置位置を含むセンサデバイス4の設定情報を入力部24により受け付ける(ステップS213)。制御部21は、受け付けたセンサデバイス4の設定情報を通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS214)。
【0062】
サーバ1の制御部11は、ユーザ端末2から送信されたセンサデバイス4の設定情報を通信部13により受信する(ステップS113)。制御部11は、受信した設定情報を大容量記憶部15のセンサデバイスDB153に記憶し(ステップS114)、処理を終了する。具体的には、制御部11は、センサデバイス4のセンサIDに対応付けて、センサデバイス4の種類、施設の名称、最小値、最大値、平均値及び設置位置を一つのレコードとしてセンサデバイスDB153に記憶する。
【0063】
図12は、センサデータの可視化処理を行う際の処理手順を示すフローチャートである。IoTゲートウェイ3は、センサデバイス4から送信された電波を受信する(ステップS321)。IoTゲートウェイ3は、REST APIを経由して、センサデバイス4から送信された電波(センサデータ)からJSON形式でセンサデータを生成する(ステップS322)。IoTゲートウェイ3は、センサID、及び生成したセンサデータをサーバ1に送信する(ステップS323)。サーバ1の制御部11は、IoTゲートウェイ3から送信されたセンサID及びJSON形式でのセンサデータを通信部13により受信する(ステップS121)。
【0064】
制御部11は、受信したセンサデータをセンサIDに対応付けて大容量記憶部15のセンサデータDB154に記憶する(ステップS122)。具体的には、制御部11は、センサデバイスのセンサIDに対応付けて、JSON形式でのセンサデータ及び検出日時を一つのレコードとしてセンサデータDB154に記憶する。
【0065】
制御部11は、センサID、施設の名称、設置位置及びセンサデータを通信部13によりユーザ端末2に送信する(ステップS123)。ユーザ端末2の制御部21は、サーバ1から送信されたセンサID、施設の名称、設置位置及びセンサデータを通信部23により受信する(ステップS221)。制御部21は、受信したセンサデータに基づき、センサデータの変化を示すグラフを生成する(ステップS222)。制御部21は、受信したセンサID、施設の名称、設置位置、及び生成したグラフを表示部25により表示し(ステップS223)、処理を終了する。なお、
図12では、センサデータの変化を示すグラフが端末2側で生成されたが、これに限られず、当該グラフがサーバ1側で生成されても良い。
【0066】
本実施形態によると、センサデバイス4をIoTゲートウェイ3に近づけた場合、IoTゲートウェイ3にノンプログラミング方式でセンサデバイス4のセンサデータを自動取得することが可能となる。
【0067】
本実施形態によると、センサデータを自動取得することにより、より効率的にセンサデータを収集することが可能となる。
【0068】
本実施形態によると、センサデータの変化を示すグラフを出力することにより、IOT可視化の実現をすることが可能となる。
【0069】
(実施形態2)
実施形態2は、マップ上に複数のセンサデバイス4の設置位置を出力する形態に関する。なお、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。マップは、予め作成された駅構内、地下街、建築物内等のインドアマップ、または、GPS(Global Positioning System)衛星信号に基づくマップを含む。なお、インドアマップについては、インドアGoogle(登録商標)マップを利用しても良い。
【0070】
図13は、インドアマップ上にセンサデバイス4の設置位置を表示する画面の一例を示す説明図である。該画面は、マップ表示欄14a及び情報表示欄14bを含む。マップ表示欄14aは、インドアマップを表示する表示欄である。なお、
図13では、インドアマップの例を説明したが、これに限らず、GPS衛星信号に基づくマップにも同様に適用することができる。情報表示欄14bは、センサデバイス4の設置位置等の情報を表示する表示欄である。
【0071】
サーバ1は、予め作成されたインドアマップを記憶部12または大容量記憶部15から取得する。インドアマップの作成に関しては、例えば、インドアマップ機能を提供しているインドアGoogleマップ、またはインドアマップ作成専用のアプリケーション等を利用し、インドアマップを作成しても良い。サーバ1は、各センサデバイス4のセンサIDに基づき、各センサデバイス4の設置位置をセンサデバイスDB153から取得する。
【0072】
サーバ1は、取得した複数のセンサデバイス4のセンサID及び設置位置と、インドアマップとをユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、サーバ1から送信された複数のセンサデバイス4のセンサID及び設置位置と、インドアマップとを受信する。ユーザ端末2は、受信したインドアマップをマップ表示欄14aに表示する。
【0073】
ユーザ端末2は、受信した各センサデバイス4の設置位置に基づき、インドアマップ上に各設置位置に対応する情報表示欄14bを生成する。ユーザ端末2は、各センサデバイス4のセンサID及び設置位置を該当する情報表示欄14bに表示する。図示のように、情報表示欄14bには、センサID、現在の日時情報及び設置位置(例えば、X座標及びY座標)が表示される。
【0074】
図14は、インドアマップ上にセンサデバイス4の設置位置を出力する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、
図14では、インドアマップの例を説明したが、これに限らず、GPS衛星信号に基づくマップにも同様に適用することができる。サーバ1の制御部11は、予め作成されたインドアマップを記憶部12または大容量記憶部15から取得する(ステップS131)。制御部11は、各センサデバイス4のセンサIDに基づき、各センサデバイス4の設置位置を大容量記憶部15のセンサデバイスDB153から取得する(ステップS132)。
【0075】
制御部11は、取得した複数のセンサデバイス4のセンサID及び設置位置と、インドアマップとを通信部13によりユーザ端末2に送信する(ステップS133)。ユーザ端末2の制御部21は、サーバ1から送信された複数のセンサデバイス4のセンサID及び設置位置と、インドアマップとを通信部23により受信する(ステップS231)。制御部21は表示部25を介して、インドアマップ上に各センサデバイス4の設置位置に対応付けて、各センサデバイス4のセンサID及び設置位置を表示する(ステップS232)。制御部21は、処理を終了する。
【0076】
本実施形態によると、マップ上に複数のセンサデバイス4の設置位置を出力することにより、センサデバイス4の設置位置が一目瞭然であるため、視覚的に把握することが可能となる。
【0077】
(実施形態3)
実施形態3は、センサデバイス4に対し、アラート条件に基づいてアラートを出力する形態に関する。なお、実施形態1~2と重複する内容については説明を省略する。
【0078】
図15は、実施形態3におけるセンサデバイスDB153のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。なお、
図4と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。センサデバイスDB153は、アラートを出力するためのアラート条件を記憶している。なお、アラート条件に関しては後述する。
【0079】
サーバ1は、センサデバイス4に対し、アラートを出力するためのアラート条件の設定を受け付ける。サーバ1はIoTゲートウェイ3を経由して、センサデバイス4からセンサデータを取得する。サーバ1は、取得したセンサデータに基づき、設定されたアラート条件を満たしたか否かを判定する。サーバ1は、アラート条件を満たしたと判定した場合にアラートを出力する。
【0080】
図16は、アラート条件の設定画面(第2設定画面)の一例を示す説明図である。該画面は、施設選択欄15a、センサ番号選択欄15b、条件設定欄15c及び設定ボタン15dを含む。施設選択欄15aは、センサデバイス4が設置された施設(店舗、工場または倉庫)の選択を受け付ける選択欄である。センサ番号選択欄15bは、センサデバイス4のセンサ番号(センサID)の選択を受け付ける選択欄である。条件設定欄15cは、アラートを出力するためのアラート条件の設定を受け付ける設定欄である。設定ボタン15dは、アラート条件を設定するボタンである。
【0081】
ユーザ端末2は、複数の施設の名称をサーバ1のセンサデバイスDB153から抽出する。ユーザ端末2は、抽出した複数の施設の名称を施設選択欄15aの選択項目として設定する。ユーザ端末2は、施設ごとに複数のセンサデバイス4のセンサIDをサーバ1のセンサデバイスDB153から取得する。ユーザ端末2は、施設選択欄15aの選択操作を受け付けた場合、選択された施設に対応する複数のセンサデバイス4のセンサIDをセンサ番号選択欄15bの選択項目として設定する。ユーザ端末2は、センサ番号選択欄15bの選択操作を受け付けた場合、受け付けたセンサIDを取得する。
【0082】
ユーザ端末2は、条件設定欄15cの設定操作を受け付けた場合、設定されたアラート条件を取得する。アラート条件は、警告またはエラーを判定するための閾値(例えば、下限値または上限値)及び監視日時等を含む。
【0083】
例えば、ユーザ端末2は、温度計であるセンサデバイス4に対し、第1アラート条件(ルール1)及び第2アラート条件(ルール2)の設定を受け付ける。第1アラート条件は、例えば「監視日時:月~金 8時~18時 温度:38℃~40℃ アラート状態:警告」である。第2アラート条件は、例えば「監視日時:月~金 8時~18時 温度:40℃より大きい アラート状態:エラー」である。なお、
図16では第1アラート条件及び第2アラート条件の設定の例を説明したが、アラート条件の数は特に限定されない。
【0084】
ユーザ端末2は、設定ボタン15dのタッチ操作を受け付けた場合、条件設定欄15cにより設定されたアラート条件をセンサIDに対応付けてサーバ1に送信する。サーバ1は、ユーザ端末2から送信されたセンサID及びアラート条件を受信する。サーバ1は、受信したアラート条件をセンサIDに対応付けてセンサデバイスDB153に記憶する。
【0085】
そして、サーバ1はIoTゲートウェイ3を経由して、センサデバイス4からセンサデータを取得した場合、記憶されたアラート条件に基づいてアラート状態(警告、エラーまたは情報)を判定する。サーバ1は、判定したアラート状態をセンサIDに対応付けてユーザ端末2に送信する。例えばサーバ1は、「監視日時:月~金 8時~18時 温度:38℃~40℃ アラート状態:警告」となったアラート条件を満たしたと判定した場合、アラートをユーザ端末2に送信する。
【0086】
図17は、アラートを出力する際の処理手順を示すフローチャートである。ユーザ端末2の制御部21は、警告またはエラーを判定するための閾値、及び監視日時等を含むアラート条件の設定を入力部24により受け付ける(ステップS241)。制御部21は、受け付けたアラート条件を通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS242)。
【0087】
サーバ1の制御部11は、ユーザ端末2から送信されたアラート条件を通信部13により受信する(ステップS141)。制御部11は、受信したアラート条件をセンサIDに対応付けて大容量記憶部15のセンサデバイスDB153に記憶する(ステップS142)。なお、上述した処理(ステップS241~S242、及びステップS141~142)が一度実行された場合、次回から処理の実行を省略することができる。
【0088】
制御部11はIoTゲートウェイ3を経由して、センサデバイス4からセンサデータを通信部13により取得する(ステップS143)。制御部11は、所定の時間間隔(例えば、30秒)が経過したか否かを判定する(ステップS144)。制御部11は、所定の時間間隔が経過していないと判定した場合(ステップS144でNO)、処理を待機する。
【0089】
制御部11は、所定の時間間隔が経過したと判定した場合(ステップS144でYES)、アラート条件に基づいてアラート状態(警告、エラーまたは情報)を検出する(ステップS145)。制御部11は、アラート状態が警告またはエラーであるか否かを判定する(ステップS146)。制御部11は、アラート状態が警告でもなく、エラーでもないと判定した場合(ステップS146でNO)、ステップS143の処理に戻る。
【0090】
制御部11は、アラート状態が警告またはエラーであると判定した場合(ステップS146でYES)、警告またはエラーの旨を含むアラートを通信部13によりユーザ端末2に送信する(ステップS147)。なお、制御部11は、電子メール、SMS(ショットメッセージサービス)またはSNS(Social Network Service)等を介して、アラートをユーザに送信しても良い。ユーザ端末2の制御部21は、サーバ1から送信されたアラートを通信部23により受信する(ステップS243)。制御部21は、受信したアラートを表示部25により表示し(ステップS244)、処理を終了する。
【0091】
続いて、マップ上にアラートの発生位置を出力する処理を説明する。
図18は、マップ上にアラートの発生位置を表示する画面の一例を示す説明図である。なお、
図13と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。情報表示欄14bは、センサデバイス4の設置位置、及びセンサデバイス4に関する情報を表示する表示欄である。センサデバイス4に関する情報は、例えばセンサID、及びセンサデバイス4の状態(エラー、警告または情報等)等を含む。該画面は、状態アイコン14cをさらに含む。状態アイコン14cは、センサデバイス4のアラート状態を示すアイコンである。
【0092】
サーバ1はIoTゲートウェイ3を経由して、複数のセンサデバイス4からセンサデータを取得する。サーバ1は、取得したセンサデータに対し、アラート条件に基づいて各センサデバイス4のアラート状態を判定する。サーバ1は、センサデバイス4のアラート状態が警告またはエラーであると判定した場合、当該センサデバイス4のセンサIDに基づいて設置位置をセンサデバイスDB153から取得する。サーバ1は、予め作成されたインドアマップを記憶部12または大容量記憶部15から取得する。サーバ1は、取得したインドアマップ、複数のセンサデバイス4のセンサID、設置位置及びアラート状態をユーザ端末2に送信する。
【0093】
ユーザ端末2は、サーバ1から送信されたインドアマップ、複数のセンサデバイス4のセンサID、設置位置及びアラート状態を受信する。ユーザ端末2は、受信したインドアマップをマップ表示欄14aに表示する。ユーザ端末2は、受信した各センサデバイス4の設置位置に基づき、インドアマップ上に各設置位置に対応する情報表示欄14bを生成する。ユーザ端末2は、各センサデバイス4のセンサID、設置位置及びアラート状態を該当する情報表示欄14bに表示する。
【0094】
ユーザ端末2は、各センサデバイス4のアラート状態に基づき、該当するアイコンを記憶部22またはサーバ1から取得する。例えばユーザ端末2は、アラート状態がエラーであると判定した場合、エラーを示すアイコンを取得する。ユーザ端末2は、各センサデバイス4の設置位置に基づき、取得したアイコンを該当する状態アイコン14cに表示する。図示のように、情報表示欄14bには、センサID、現在の日時情報、設置位置(例えば、X座標及びY座標)及びアラート状態(警告またはエラー等)が表示される。状態アイコン14cには、警告またはエラーであるアイコンが表示される。
【0095】
図19は、インドアマップ上にアラートの発生位置を出力する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、
図19では、インドアマップの例を説明したが、これに限らず、GPS衛星信号に基づくマップにも同様に適用することができる。サーバ1の制御部11は、センサIDに対応付けてアラート条件を大容量記憶部15のセンサデバイスDB153から取得する(ステップS151)。制御部11はIoTゲートウェイ3を経由して、各センサデバイス4からセンサデータを通信部13により取得する(ステップS152)。
【0096】
サーバ1は、取得したセンサデータに対し、アラート条件に基づいてアラート状態(警告、エラーまたは情報)を検出する(ステップS153)。制御部11は、アラート状態が警告またはエラーであるか否かを判定する(ステップS154)。制御部11は、アラート状態が警告でもなく、エラーでもないと判定した場合(ステップS154でNO)、ステップS152の処理に戻る。
【0097】
制御部11は、アラート状態が警告またはエラーであると判定した場合(ステップS154でYES)、予め作成されたインドアマップを記憶部12または大容量記憶部15から取得する(ステップS155)。制御部11は、当該センサデバイス4のセンサIDに基づき、センサデバイス4の設置位置をアラートの発生位置として大容量記憶部15のセンサデバイスDB153から取得する(ステップS156)。制御部11は、取得した各センサデバイス4のセンサID、アラートの発生位置及びアラート状態と、インドアマップとを通信部13によりユーザ端末2に送信する(ステップS157)。
【0098】
ユーザ端末2の制御部21は、サーバ1から送信された各センサデバイス4のセンサID、アラートの発生位置及びアラート状態と、インドアマップとを通信部23により受信する(ステップS251)。制御部21は表示部25を介して、受信したセンサID、アラートの発生位置及びアラート状態(警告またはエラー)を、当該発生位置に対応するマップ上に表示する(ステップS252)。制御部21は、処理を終了する。
【0099】
本実施形態によると、センサデバイス4に対し、アラートを出力するためのアラート条件の設定を受け付けることが可能となる。
【0100】
本実施形態によると、センサデバイス4に対し、アラート条件に基づいてアラートを出力することが可能となる。
【0101】
本実施形態によると、マップ上にアラートの発生位置を表示することにより、センサデバイス4の障害が多発した場合の迅速な対応が可能になる。
【0102】
(実施形態4)
実施形態4は、センサデバイス4のセンサデータに基づいてレポートを出力する形態に関する。なお、実施形態1~3と重複する内容については説明を省略する。センサデータDB154に蓄積されたセンサデータから、ユーザが指定した検索条件に基づいてレポートを作成することができる。
【0103】
図20は、レポートの生成画面の一例を示す説明図である。該画面は、検索条件設定欄16a、検索ボタン16b及びグラフ表示欄16cを含む。
【0104】
検索条件設定欄16aは、レポートを生成するための検索条件の設定を受け付ける欄である。検索条件は、例えば施設の名称、センサデバイス4のセンサID、集計項目(温度、湿度または圧力等)、集計関数(平均、最高、最低、最高と最低等)、レポート種別(日報、月報または年報等)または期間等の検索項目を含む。検索ボタン16bは、検索条件に基づいてセンサデータを検索するボタンである。グラフ表示欄16cは、センサデータの変化を示すグラフを表示する表示欄である。
【0105】
ユーザ端末2は、検索条件設定欄16aの設定操作を受け付けた場合、設定された検索条件を取得する。図示のように、「施設の名称:倉庫A センサ番号(センサID):すべて 集計項目:温度 関数:最高と最低 種別:日報 期間:2021年8月」となった検索条件が設定される。ユーザ端末2は、検索ボタン16bのタッチ操作を受け付けた場合、検索条件設定欄16aにより設定された検索条件をサーバ1に送信する。
【0106】
サーバ1は、ユーザ端末2から送信された検索条件を受信する。サーバ1は、受信した検索条件に基づき、センサデバイスDB153及びセンサデータDB154から該当するセンサデータを抽出する。サーバ1は、抽出したセンサデータに基づき、センサデータの変化を示すグラフを生成する。サーバ1は、生成したグラフをユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、サーバ1から送信されたグラフを受信して表示する。なお、グラフ表示欄16cに関しては、
図9でのグラフ表示欄13bと同様であるため、説明を省略する。なお、端末2はサーバ1からセンサデータを取得し、取得したセンサデータに基づいてグラフを生成しても良い。
【0107】
なお、
図20では、グラフの例を説明したが、これに限るものではない。例えばサーバ1は、抽出したセンサデータに基づき、CSV(comma-separated values)またはExcel(登録商標)等の形式で一覧化したファイルを生成し、生成したファイルをレポートとして出力しても良い。
【0108】
本実施形態によると、センサデバイス4のセンサデータに基づいてレポートを出力することが可能となる。
【0109】
(実施形態5)
実施形態5は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)によりセンサデータの最小値、最大値または平均値を予測した予測値を出力する形態に関する。なお、実施形態1~4と重複する内容については説明を省略する。
【0110】
図21は、実施形態4におけるサーバ1の構成例を示すブロック図である。なお、
図2と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。大容量記憶部15には、予測モデル155が含まれる。
【0111】
予測モデル155は、第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を入力した場合に、当該第1期間以降の第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を予測した予測値を出力する予測器であり、機械学習により生成された学習済みモデルである。単位期間は、一週間といった週単位であっても、1日といった日単位であっても、1時間といった時間単位であっても良く、特に限定されない。
【0112】
予測モデル155は、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールとして利用される。予測モデル155における複数の予測手法については、予め用意された公知の予測手法であって良い。例えば、予測手法には、マイクロソフト(登録商標)社の提供するAzure Machine LearningのAutoML(Automated Machine Learning)、ARIMA(Auto Regressive Integrated Moving Average(自己回帰和分移動平均モデル))、ARIMAX(ARIMA+回帰)、ナイーブ予測、指数平滑法、重回帰、一般化線形モデル(例えば、GammaまたはPoisson)、動的線形モデル、LSTM(Long-Short Term Memory)、RNN(Recurrent Neural Network)またはトランスフォーマー(Transformer)ネットワーク等がある。
【0113】
例えば、サーバ1は訓練データに基づき、Azure Machine LearningのAutoMLを用いて予測モデル155を構築(生成)する。例えば訓練データは、第1期間における単位期間(例えば、日)ごとのセンサデータの値(時系列データ)と、当該第1期間以降の第2期間における単位期間(例えば、日)ごとのセンサデータの値(時系列データ)とが対応付けられた組み合わせのデータである。センサデータの値は、センサデータの最小値、最大値または平均値である。
【0114】
具体的には、サーバ1は、訓練データである第1期間における単位期間ごとのセンサデータの値(例えば、最小値)を予測モデル155に入力する。サーバ1は、予測モデル155を適用して求めた重み計算用データの予測期間における予測値と、正解値(第2期間における単位期間ごとのセンサデータの値)とを比較する。サーバ1は、正解値に近づくように、演算処理に用いるパラメータを最適化する。当該パラメータは、例えばニューロン間の重み(結合係数)等である。パラメータの最適化の方法は特に限定されないが、例えばサーバ1は、誤差逆伝播法を用いて各種パラメータの最適化を行う。
【0115】
サーバ1は、訓練データを用いて上記の処理を行い、予測モデル155の学習を行う。これにより、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を予測可能なモデルを構築することができる。なお、他のコンピュータ(図示せず)により学習処理を行い、予測モデル155を生成しても良い。この場合、サーバ1は、他のコンピュータにより生成された予測モデル155を取得してデプロイする。なお、予測モデル155を構築せずに、機械学習モデルを使ったWEB API(Application Programming Interface)を利用することにより、センサデータの予測値を取得しても良い。
【0116】
サーバ1は、第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を時系列で取得した場合、予測モデル155を用いて、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を予測した予測値を出力する。具体的には、サーバ1は、時系列で取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値を予測モデル155に入力し、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値の予測値を時系列で出力する。サーバ1は、時系列で取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最大値を予測モデル155に入力し、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最大値の予測値を時系列で出力する。サーバ1は、時系列で取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの平均値を予測モデル155に入力し、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの平均値の予測値を時系列で出力する。
【0117】
なお、センサデータの種類が湿度または温度である場合、天気データ(天気予報情報)を利用して訓練データを作成することができる。天気データは、降水量、積雪量、風向、風速、波高等に関するデータである。天気データを利用した場合に、訓練データは、第1期間における単位期間(例えば、日)ごとのセンサデータの値(例えば、最小値)及び第2期間における単位期間(例えば、日)ごとの天気データと、第2期間における単位期間(例えば、日)ごとのセンサデータの値(例えば、最小値)とが対応付けられた組み合わせのデータである。
【0118】
サーバ1は、訓練データを用いて上記の学習処理を行い、予測モデル155の学習を行う。例えばサーバ1は、第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、及び第2期間における単位期間ごとの天気データを時系列で取得した場合、第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値及び第2期間における単位期間ごとの天気データを予測モデル155に入力し、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値を予測した予測値を出力しても良い。
【0119】
図22は、予測値を示すグラフの一例を示す説明図である。なお、
図22では温度の例を説明するが、他の種類のセンサデータにも同様に適用することができる。
【0120】
当該グラフは、グラフ表示欄16cに表示される。グラフ表示欄16c上には、実測値ライン17a、最小値予測ライン17b、最大値予測ライン17c及び平均値予測ライン17dが表示される。実測値ライン17aは、第1期間における単位期間ごとのセンサデータの実測値を示すラインである。最小値予測ライン17bは、第2期間(予測期間)における単位期間ごとのセンサデータの最小値の予測値を示すラインである。最大値予測ライン17cは、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最大値の予測値を示すラインである。平均値予測ライン17dは、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの平均値の予測値を示すラインである。
【0121】
ユーザ端末2は、検索ボタン16b(
図20)のタッチ操作を受け付けた場合、検索条件設定欄16a(
図20)により設定された検索条件をサーバ1に送信する。例えば、「施設の名称:倉庫A センサ番号(センサID):すべて 集計項目:温度 関数:最高と最低 種別:日報 期間:2021年7月1日~8月21日」となった検索条件が設定される。サーバ1は、ユーザ端末2から送信された検索条件を受信する。サーバ1は、受信した検索条件に基づき、センサデバイスDB153及びセンサデータDB154から指定期間(第1期間)における単位期間(例えば、日)ごとのセンサデータの最小値、最大値及び平均値を時系列で取得する。
【0122】
サーバ1は、時系列で取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値を予測モデル155に入力し、第1期間以降の第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値の予測値を時系列で出力する。サーバ1は、時系列で取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最大値を予測モデル155に入力し、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最大値の予測値を時系列で出力する。サーバ1は、時系列で取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの平均値を予測モデル155に入力し、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの平均値の予測値を時系列で出力する。
【0123】
サーバ1は、第1期間における単位期間ごとのセンサデータの実測値をセンサデータDB154から取得する。サーバ1は、取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの実測値と、予測モデル155から出力された第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値及び平均値のそれぞれの予測値とをユーザ端末2に送信する。
【0124】
ユーザ端末2は、サーバ1から送信された第1期間におけるセンサデータの実測値と、第2期間におけるセンサデータの最小値、最大値及び平均値のそれぞれの予測値とを受信する。ユーザ端末2は、受信した第1期間におけるセンサデータの実測値及び第2期間におけるセンサデータの予測値に基づいて、センサデータの変化を示すグラフを生成する。ユーザ端末2は、生成したグラフを画面に表示する。なお、当該グラフはサーバ1側で生成されても良い。
【0125】
図示のように、生成されたグラフがグラフ表示欄16cに表示される。当該グラフ上には、第1期間(例えば、2021年7月1日~8が21日)における単位期間(例えば、日)ごとのセンサデータの実測値を示す実測値ライン17aが実線で重畳して表示される。なお、センサデータの実測値を示す実測値ライン17aの例を説明したが、これに限るものではない。例えば、センサデータの最小値、最大値または平均値を示すラインが当該グラフ上に重畳して表示されても良い。
【0126】
また、当該グラフ上には、予測期間である第2期間(例えば、2021年8月22日~9月15日)における単位期間(例えば、日)ごとのセンサデータの最小値の予測値を示す最小値予測ライン17b、最大値の予測値を示す最大値予測ライン17c、及び平均値の予測値を示す平均値予測ライン17dが点線で重畳して表示される。
【0127】
図23は、予測値を示すグラフを生成する際の処理手順を示すフローチャートである。ユーザ端末2の制御部21は、検索条件の設定を入力部24により受け付ける(ステップS251)。検索条件は、施設の名称、集計項目(例えば、温度)、関数(例えば、最高と最低)、レポートの種別(例えば、日報)または期間等を含む。制御部21は、受け付けた検索条件を通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS252)。
【0128】
サーバ1の制御部11は、ユーザ端末2から送信された検索条件を通信部13により受信する(ステップS151)。制御部11は、受信した検索条件に基づき、大容量記憶部15のセンサデバイスDB153及びセンサデータDB154から指定期間(第1期間)における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値及び平均値を時系列で取得する(ステップS152)。制御部11は、時系列で取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値に基づき、予測モデル155を用いて、当該第1期間以降の第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値の予測値を時系列で取得する(ステップS153)。
【0129】
制御部11は、時系列で取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最大値に基づき、予測モデル155を用いて、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最大値の予測値を時系列で取得する(ステップS154)。制御部11は、時系列で取得した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの平均値に基づき、予測モデル155を用いて、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの平均値の予測値を時系列で取得する(ステップS155)。
【0130】
制御部11は、第1期間における単位期間ごとのセンサデータの実測値を大容量記憶部15のセンサデータDB154から取得する(ステップS156)。制御部11は通信部13を介して、取得した第1期間におけるセンサデータの実測値と、予測モデル155から出力された第2期間におけるセンサデータの最小値、最大値及び平均値のそれぞれの予測値とをユーザ端末2に送信する(ステップS157)。ユーザ端末2の制御部21は、通信部23を介して、サーバ1から送信された第1期間におけるセンサデータ実測値、及び第2期間におけるセンサデータの予測値を受信する(ステップS253)。
【0131】
ユーザ端末2の制御部21は、受信した第1期間における単位期間ごとのセンサデータの実測値と、第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値及び平均値のそれぞれの予測値とに基づいて、例えばMicrosoft Power BIを用いて、センサデータの変化を示すグラフを生成する(ステップS254)。制御部21は、生成したグラフを表示部25により表示し(ステップS255)、処理を終了する。
【0132】
本実施形態によると、第1期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値に基づき、当該第1期間以降の第2期間における単位期間ごとのセンサデータの最小値、最大値または平均値を予測した予測値を出力することが可能となる。
【0133】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0134】
1 情報処理装置(サーバ)
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 読取部
15 大容量記憶部
151 ユーザDB
152 IoTゲートウェイDB
153 センサデバイスDB
154 センサデータDB
155 予測モデル
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
1P 制御プログラム
2 情報処理端末(ユーザ端末)
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 表示部
2P 制御プログラム
3 IoTゲートウェイ
4 センサデバイス