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特開2023-69001配信装置、配信方法、配信プログラム、端末装置および配信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069001
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】配信装置、配信方法、配信プログラム、端末装置および配信システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/262 20110101AFI20230511BHJP
   H04L 67/60 20220101ALI20230511BHJP
   H04L 67/562 20220101ALI20230511BHJP
【FI】
H04N21/262
H04L67/60
H04L67/562
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180526
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】517184978
【氏名又は名称】株式会社直伝
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平山 雅士
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164SC11S
5C164SC21P
5C164TB22S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】視聴障害を低減した擬似的なライブ配信を実現する
【解決手段】収録済みの動画を、前記動画が視聴される端末装置からの要求に対して応じて配信する配信装置は、前記端末装置への前記動画の配信を可能とする時刻である配信開始時刻を含む配信情報を取得する取得手段と、前記配信開始時刻と前記端末装置の現在時刻との差分である遅延時間を取得し、前記遅延時間が経過した時点からの前記動画を、前記端末装置に配信するように制御する配信手段と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収録済みの動画を、前記動画が視聴される端末装置からの要求に対して応じて配信する配信装置であって、
前記端末装置への前記動画の配信を可能とする時刻である配信開始時刻を含む配信情報を取得する取得手段と、
前記配信開始時刻と前記端末装置の現在時刻との差分である遅延時間を取得し、前記遅延時間が経過した時点からの前記動画を、前記端末装置に配信するように制御する配信手段と、
を備える配信装置。
【請求項2】
前記配信情報は、視聴者との双方向のコミュニケーション機能の表示開始時刻および表示終了時刻の情報を含み、
前記配信手段は、前記表示開始時刻および前記表示終了時刻に基づいて、前記端末装置での前記コミュニケーション機能の表示および非表示を制御する、
請求項1に記載の配信装置。
【請求項3】
前記コミュニケーション機能は、広告表示、チャット、アンケート、資料提示、資料ダウンロード、質問受付のいずれかの機能を含む、
請求項2に記載の配信装置。
【請求項4】
前記表示開始時刻および前記表示終了時刻は、前記動画の配信を管理する管理者により設定される、
請求項2または3に記載の配信装置。
【請求項5】
前記配信手段は、前記動画の配信中、前記動画の配信を管理する管理者からの操作に基づいて、前記コミュニケーション機能の表示および非表示を制御する、
請求項2から4のいずれか1項に記載の配信装置。
【請求項6】
前記配信情報は、前記動画の配信中、前記動画の配信を管理する管理者が入力した情報に基づいて、所定の更新間隔で更新される、
請求項1から5のいずれか1項に記載の配信装置。
【請求項7】
前記配信情報は前記動画が終了する時刻である配信終了時刻を含み、
前記配信手段は、前記配信開始時刻よりも前、および前記配信終了時刻よりも後に、前記端末装置から前記動画の配信の要求があった場合、前記動画の配信時間外であることを視聴者に通知する画像を配信する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の配信装置。
【請求項8】
前記配信手段は、前記動画を複数のエンコード方式によってエンコードした配信用の動画データをあらかじめ生成し、前記端末装置の種別に応じた前記動画データを配信する、請求項1から7のいずれか1項に記載の配信装置。
【請求項9】
収録済みの動画を、前記動画が視聴される端末装置からの要求に対して応じて配信する配信方法であって、
前記端末装置への前記動画の配信を可能とする時刻である配信開始時刻を含む配信情報を取得する取得ステップと、
前記配信開始時刻と前記端末装置の現在時刻との差分である遅延時間を取得し、前記遅延時間が経過した時点からの前記動画を、前記端末装置に配信するように制御する配信ステップと、
をコンピュータが実行する配信方法。
【請求項10】
収録済みの動画を、前記動画が視聴される端末装置からの要求に対して応じて配信する配信プログラムであって、
前記端末装置への前記動画の配信を可能とする時刻である配信開始時刻を含む配信情報を取得する取得ステップと、
前記配信開始時刻と前記端末装置の現在時刻との差分である遅延時間を取得し、前記遅延時間が経過した時点からの前記動画を、前記端末装置に配信するように制御する配信ステップと、
をコンピュータに実行させる配信プログラム。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか1項に記載の配信装置と接続される端末装置であって、
前記配信装置から前記配信情報を取得する取得手段と、
前記配信情報に基づいて、前記配信開始時刻と前記端末装置の現在時刻との差分である前記遅延時間が経過した時点からの前記動画を受信する受信手段と、
を備える端末装置。
【請求項12】
収録済みの動画の配信を管理する管理装置と、前記動画が視聴される端末装置からの要求に対して応じて前記動画を前記端末装置に配信する配信装置と、を含む配信システムであって、
前記管理装置は、
前記端末装置への前記動画の配信を可能とする時刻である配信開始時刻、前記動画が終了する時刻である配信終了時刻、視聴者との双方向のコミュニケーション機能の表示開始時刻、前記コミュニケーション機能の表示終了時刻の入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により入力された情報に基づいて前記動画の配信情報を生成する生成手段と、を備え、
前記配信装置は、
前記配信情報を取得する取得手段と、
前記配信開始時刻と前記端末装置の現在時刻との差分である遅延時間を取得し、前記遅延時間が経過した時点からの前記動画を、前記端末装置に配信するように制御する配信手段と、を備える、
配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信装置、配信方法、配信プログラム、端末装置および配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上での動画配信は、一般にライブ配信またはオンデマンド配信によって提供される。ライブ配信は、映像発信元のコンテンツが、視聴者までリアルタイムに連続して提供される方式である。オンデマンド配信は、事前に収録(録画)し、編集した動画を視聴者からの要求に応じて配信する方式である。ライブ配信では、配信中にアンケートを配信して視聴者からの回答を得るといった双方向でのコミュニケーションを実現する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-181310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライブ配信では、配信機器の不調、故障、およびインターネット回線の障害などに起因するトラブルよって、映像の乱れ、画質の低下などの視聴障害が生じるリスクがある。また、オンデマンド配信では、安定した動画配信が可能であるが、いつでも視聴ができることから視聴意欲を低下させるおそれがある。また、オンデマンド配信では、双方向でのコミュニケーションが難しいという課題がある。
【0005】
本発明は、視聴障害を低減した擬似的なライブ配信を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面では、配信装置は、収録済みの動画を端末装置からの要求に応じて配信する際、配信開始時刻からの遅延時間が経過した時点から始まる動画を配信することにより、収録済みの動画を擬似的にライブ配信することができるようにした。
【0007】
より詳細には、本発明の一側面に係る配信装置は、収録済みの動画を、動画が視聴される端末装置からの要求に対して応じて配信する配信装置であって、端末装置への動画の配信を可能とする時刻である配信開始時刻を含む配信情報を取得する取得手段と、配信開始時刻と端末装置の現在時刻との差分である遅延時間を取得し、遅延時間が経過した時点からの動画を、端末装置に配信するように制御する配信手段と、を備える。
【0008】
上記の配信装置は、視聴者が配信開始時刻に遅れて動画の視聴を開始した場合に、遅延時間が経過した時点からの動画を配信するように制御するため、擬似的なライブ配信を実現することができる。視聴者は、配信開始時刻に遅れると途中からの視聴となるため、オンデマンド配信の場合よりも緊張感をもって視聴するようになる。
【0009】
配信情報は、視聴者との双方向のコミュニケーション機能の表示開始時刻および表示終了時刻の情報を含み、配信手段は、表示開始時刻および表示終了時刻に基づいて、端末装置でのコミュニケーション機能の表示および非表示を制御してもよい。表示開始時刻および表示終了時刻をあらかじめ設定しておくことで、配信装置は、収録済みの動画に合わせて、適切なタイミングでコミュニケーション機能を自動で表示することができる。
【0010】
コミュニケーション機能は、広告表示、チャット、アンケート、資料提示、資料ダウンロード、質問受付のいずれかの機能を含んでもよい。各種のコミュニケーション機能を、あらかじめ設定した時刻に自動で表示させたり非表示としたりすることができるため、双方向のコミュニケーションに関する作業負荷は軽減される。
【0011】
表示開始時刻および表示終了時刻は、動画の配信を管理する管理者により設定されてもよい。管理者は、収録済みの動画に合わせて、各種のコミュニケーション機能の表示開始時刻および表示終了時刻を適切なタイミングに設定することができる。
【0012】
配信手段は、動画の配信中、動画の配信を管理する管理者からの操作に基づいて、コミュニケーション機能の表示および非表示を制御してもよい。管理者は、あらかじめ設定した時刻に限られず、所望のタイミングで、各種のコミュニケーション機能の表示および非表示を制御することができる。
【0013】
配信情報は、動画の配信中、動画の配信を管理する管理者が入力した情報に基づいて、所定の更新間隔で更新されてもよい。配信装置は、配信情報を所定の更新間隔で更新することにより、管理者が入力した情報を、端末装置での表示に適時に反映させることができる。
【0014】
配信情報は動画の配信終了時刻を含み、配信手段は、配信開始時刻よりも前、および配信終了時刻よりも後に、端末装置から動画の配信の要求があった場合、動画の配信時間外であることを視聴者に通知する画像を配信してもよい。収録済みの動画は、あらかじめ設定された配信開始時刻から配信終了時刻までの間、擬似的にライブ配信される。配信装置は、動画の配信終了後に、動画の配信時間外であることを通知する画像を配信することで、視聴者に配信時間外であることを通知することができる。
【0015】
配信手段は、動画を複数のエンコード方式によってエンコードした配信用の動画データをあらかじめ生成し、端末装置の種別に応じた動画データを配信してもよい。配信装置は、端末装置の種別に応じた適切な画質の動画データを配信することができる。
【0016】
また、本発明の一側面は、収録済みの動画を、動画が視聴される端末装置からの要求に対して応じて配信する配信方法であって、端末装置への動画の配信を可能とする時刻である配信開始時刻を含む配信情報を取得する取得ステップと、配信開始時刻と端末装置の現在時刻との差分である遅延時間を取得し、遅延時間が経過した時点からの動画を、端末装置に配信するように制御する配信ステップと、をコンピュータが実行する配信方法である。
【0017】
また、本発明の一側面は、コンピュータを上記の配信装置の各手段として機能させる配信プログラム、または、該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体である。
【0018】
また、本発明の一側面は、上記の配信装置と接続される端末装置であって、配信装置から配信情報を取得する取得手段と、配信情報に基づいて、動画の配信を可能とする時刻である配信開始時刻と端末装置の現在時刻との差分である遅延時間が経過した時点からの動画を受信する受信手段と、を備える端末装置である。
【0019】
また、本発明の一側面は、収録済みの動画の配信を管理する管理装置と、動画が視聴される端末装置からの要求に対して応じて動画を端末装置に配信する配信装置と、を含む配信システムであって、管理装置は、端末装置への動画の配信を可能とする時刻である配信
開始時刻、動画が終了する時刻である配信終了時刻、視聴者との双方向のコミュニケーション機能の表示開始時刻、コミュニケーション機能の表示終了時刻の入力を受け付ける受付手段と、受付手段により入力された情報に基づいて動画の配信情報を生成する生成手段と、を備え、配信装置は、配信情報を取得する取得手段と、配信開始時刻と端末装置の現在時刻との差分である遅延時間を取得し、遅延時間が経過した時点からの動画を、端末装置に配信するように制御する配信手段と、を備える、配信システムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、視聴障害を低減した擬似的なライブ配信を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】配信システムの適用例を説明する図である。
図2】配信装置および端末装置の装置構成を例示する図である。
図3】配信情報の生成および更新について説明する図である。
図4】配信制御情報の登録画面を例示する図である。
図5】アンケート情報の登録画面を例示する図である。
図6】配信情報ファイルを例示する図である。
図7】端末装置での表示制御処理を例示するフローチャートである。
図8】アンケート表示画面を例示する図である。
図9】質問受付画面を例示する図である。
図10】視聴画面の画面遷移を説明する図である。
図11】途中から視聴した場合の視聴画面の画面遷移を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施する一例を示すものであって、以下に説明する具体的な構成に限定するものではない。
【0023】
<実施形態>
図1は、配信システム100の適用例を説明する図である。配信システム100は、管理サーバ110、DBサーバ120、NFS(Network File System)サーバ130、視聴サーバ140を含む。配信システム100に含まれる各サーバは、有線LAN(Local Area Network)または無線LAN等の内部ネットワーク、あるいは、インターネット等の広域ネットワークにより相互に接続される。なお、各サーバの一部は1つのコンピュータで構成されてもよく、各サーバは複数のコンピュータで構成されてもよい。
【0024】
管理サーバ110(管理装置)は、動画配信を管理するためのサーバである。管理サーバ110は、配信情報生成部111を有する。配信情報生成部111は、動画が視聴される端末装置200に送信するための配信情報を記録した配信情報ファイルを生成する。配信情報は、動画の配信開始時刻、配信終了時刻、双方向のコミュニケーション機能に関する情報を含む。
【0025】
動画の配信開始時刻は、端末装置への動画の配信を可能とする時刻であり、配信終了時刻は、動画が終了する時刻である。以下、配信開始時刻は、映像サーバ300から動画の配信を可能とする時刻であって、視聴者が動画の視聴を開始する視聴開始時刻ではないものとして説明する。双方向のコミュニケーション機能は、例えば、広告表示、チャット、アンケート、資料提示、資料ダウンロード、質問受付等の機能である。
【0026】
また、管理サーバ110は、動画配信に関する情報の入力を受け付けるための管理画面
112を提供する。動画配信に関する情報は、配信情報以外の情報、例えば、セミナーの名称、内容といったセミナー情報等も含む。動画配信の管理者は、管理者の端末装置210を介して、管理画面112に動画配信に関する情報を入力する。
【0027】
DBサーバ120は、管理画面112から入力された情報を格納する。DBサーバ120に格納された情報は、配信情報生成部111および視聴サーバ140等から参照される。また、DBサーバ120は、配信システム100と端末装置200との双方向のコミュニケーション機能により、端末装置200で入力されたアンケートの回答等を格納する。
【0028】
NFSサーバ130は、管理サーバ110および視聴サーバ140からアクセス可能な共有フォルダ131を有する。配信情報生成部111は、DBサーバ120に格納された情報に基づいて配信情報ファイルを生成し、共有フォルダ131に保存する。
【0029】
視聴サーバ140は、端末装置200からの要求に応じて、共有フォルダ131から配信情報ファイルを取得し、取得した配信情報ファイルを端末装置200に送信する。また、視聴サーバ140は、セミナー情報等をDBサーバ120から取得し、端末装置200に送信する。セミナー情報は、例えば、端末装置200で動画が配信される前の画面表示などに使用される。また、視聴サーバ140は、端末装置200との双方向コミュニケーションにより、端末装置200で入力されたアンケートの回答等を受信し、DBサーバ120に格納する。
【0030】
端末装置200は、視聴サーバ140に対し、動画の配信情報ファイルの取得を要求する。端末装置200は、視聴サーバ140から受信した配信情報ファイルに基づいて、映像サーバ300に動画配信を要求する。
【0031】
映像サーバ300は、動画の管理者から、端末装置210を介して動画の登録を受け付ける。映像サーバ300に登録された動画は、各動画に付与される動画IDによって識別することが可能である。また、映像サーバ300は、端末装置200からの要求に応じて動画を配信する。端末装置200の現在時刻が、動画の配信開始時刻を過ぎていた場合、映像サーバ300は、配信開始時刻からの遅延時間が経過した時点から始まる動画を端末装置200に配信する。
【0032】
本実施形態で配信する動画は、事前に収録されたものであるため、映像サーバ300は、配信開始時刻前に動画をエンコードしておくことができる。また、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット端末など、視聴デバイスに応じた方式でエンコードした配信用の動画データを用意しておくことで、映像サーバ300は、視聴デバイスごとに適切な動画データを提供することができる。
【0033】
配信システム100、端末装置200、映像サーバ300は、インターネット等の外部ネットワークを介して相互に接続される。なお、映像サーバ300は、配信システム100の外部のサーバであるものとして説明するが、配信システム100内の各サーバと内部ネットワークによって接続されてもよく、配信システム100の一部として構成されてもよい。
【0034】
(装置構成)
図2は、配信装置および端末装置200の装置構成を例示する図である。本実施形態では、配信装置は、視聴サーバ140であるものとして説明するが、これに限られない。配信装置は、管理サーバ110、DBサーバ120、NFSサーバ130、映像サーバ300のうち少なくともいずれかと、視聴サーバ140とが一体として構成されたものであってもよい。
【0035】
視聴サーバ140(配信装置)は、プロセッサ141、主記憶部142、補助記憶部143、通信部144を備え、バスによって相互に電気的に接続される。視聴サーバ140は、通信部144を介して端末装置200に接続される。
【0036】
プロセッサ141は、補助記憶部143に保持されたオペレーティングシステム(OS)および様々なコンピュータプログラムを主記憶部142に読み出して実行することによって、視聴サーバ140による様々な処理を実行する。ただし、コンピュータプログラムによる処理の一部は、ASICやFPGAのようなハードウェア回路により実行されてもよい。プロセッサ141は、例えば、CPU、DSPである。
【0037】
主記憶部142は、補助記憶部143に格納されているプログラムを読み出すための記憶領域、およびプログラムを実行するための作業領域を、プロセッサ141に提供する。主記憶部142は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み込み専用メモリ(ROM)を含む。補助記憶部143は、様々なプログラムおよび各プログラムの実行に際してプロセッサ141が使用するデータを格納する。補助記憶部143は、例えば、EPROM、ハードディスクドライブ(HDD)である。通信部144は、管理サーバ110、DBサーバ120、NFSサーバ130、端末装置200、映像サーバ300との間の通信を制御する。
【0038】
端末装置200は、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204、入力部205、出力部206を備え、バスによって相互に電気的に接続される。端末装置200は、通信部204を介して視聴サーバ140および映像サーバ300に接続される。
【0039】
プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203は、視聴サーバ140のプロセッサ141、主記憶部142、補助記憶部143とそれぞれ同様であるため、説明は省略する。
【0040】
入力部205は、配信システム100との双方向のコミュニケーション機能で、視聴者からの質問またはアンケートに対する回答等の入力および各種操作を受け付ける。入力部205は、例えば、タッチパッド、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、キーボード、操作ボタン等である。
【0041】
出力部206は、映像サーバ300から受信した動画を表示する。また、出力部206は、視聴サーバ140から受信した配信情報に基づいて、広告表示、チャット、アンケート、資料提示、資料ダウンロード、質問受付などの双方向のコミュニケーションを実現するためのアイテムを表示する。出力部206は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ等のディスプレイである。
【0042】
管理サーバ110は、視聴サーバ140と同様の構成を有し、プロセッサ、主記憶部、補助記憶部、通信部を備えるコンピュータである。管理サーバ110のプロセッサは、管理画面112から動画の配信情報等の入力を受け付ける処理、配信情報生成部111として配信情報ファイルを生成する処理等を実行する。管理サーバ110の通信部は、DBサーバ120、NFSサーバ130および端末装置210との通信を制御する。
【0043】
映像サーバ300は、視聴サーバ140と同様の構成を有し、プロセッサ、主記憶部、補助記憶部、通信部を備えるコンピュータである。映像サーバ300のプロセッサは、端末装置210から動画の登録を受け付ける処理、端末装置200からの要求に基づいて動画を配信する処理等を実行する。映像サーバ300の通信部は、端末装置200および端
末装置210との通信を制御する。
【0044】
(配信情報ファイルの生成および更新)
図3は、配信情報ファイルの生成および更新について説明する図である。P10の処理は、配信情報の登録処理である。P20からP22の処理は、配信情報ファイルの生成処理(更新処理)である。P30からP33の処理は、視聴者が動画の視聴中に実行される配信情報ファイルの取得処理である。
【0045】
P10では、管理サーバ110は、管理者が管理画面112から入力した配信情報をDBサーバ120に格納する。ここで、図4および図5を参照して、管理画面112について説明する。管理画面112は、動画の名称(例えば、セミナー名称)および動画の内容などの情報を登録する画面、配信開始時刻および配信終了時刻等の配信制御情報を登録する画面、アンケートの情報を登録する画面など、複数の画面を有する。図4および図5は、それぞれ配信制御情報を登録する画面およびアンケートの情報を登録する画面を例示する図である。
【0046】
図4は、配信制御情報の登録画面を例示する図である。配信制御情報の登録画面400は、動画の名称(例えば、セミナーの名称)の表示欄401を含む。動画の名称などの情報は、管理画面112の他の画面であらかじめ登録される。
【0047】
また、配信制御情報の登録画面400は、動画ID402、配信開始時刻403、配信終了時刻404の入力欄を含む。動画ID402は、映像サーバ300に登録した動画を識別するための動画IDを入力する欄である。配信開始時刻403は、動画ID402に入力した動画の配信日および配信開始時刻を入力する欄である。配信終了時刻404は、動画ID402に入力した動画の配信日および配信終了時刻を入力する欄である。
【0048】
登録・更新ボタン405は、動画ID402、配信開始時刻403、配信終了時刻404の入力欄に入力した内容を登録または更新するためのボタンである。管理者は、登録・更新ボタン405を押下またはタッチ操作することにより、入力した配信制御情報をDBサーバ120において登録または更新することができる。
【0049】
図5は、アンケート情報の登録画面を例示する図である。アンケート情報の登録画面500は、設問ごとに、質問501、種別502、選択肢503の表示欄を有する。質問501の欄は、質問の内容を表示する欄である。種別502の欄は、視聴者が回答する際の回答欄の形式を表示する欄である。選択肢503の欄は、種別502がラジオボタンまたはチェックボックス等の場合の選択肢を表示する欄である。
【0050】
なお、図5は、他の画面で登録した質問501、種別502、選択肢503の内容を表示する例を示すが、これらの内容は、アンケート情報の登録画面500で登録されるようにしてもよい。
【0051】
手動設定欄の表示開始ボタン504は、動画の配信中に、管理者がアンケートの質問を任意のタイミングで端末装置200に表示させたい場合に押下される。管理者は、自動設定欄に設定した時間と異なる時間に広告アンケート等を表示させたい場合、柔軟に表示のタイミングを変更することができる。
【0052】
自動設定欄の開始時間505および終了時間506の入力欄は、アンケートの質問および回答欄の表示開始時刻および表示終了時刻を設定するための入力欄である。管理者は、開始時間505に動画の配信開始時刻から表示開始時刻までの経過時間を入力し、終了時間506に動画の配信開始時刻から表示終了時刻までの経過時間を入力すればよい。なお
、自動設定欄では、経過時間ではなく、表示開始時刻および表示終了時刻が入力されるようにしてもよい。
【0053】
管理者は、登録ボタン507を押下(タッチ操作)することにより、動画の配信開始時刻から、開始時間505に入力した時間が経過するとアンケートを表示し、終了時間506に入力した時間が経過するとアンケートを非表示にするように設定することができる。
【0054】
また、管理者は、解除ボタン508を押下することにより、アンケートの表示および非表示の自動設定を解除することができる。例えば、管理者は、解除ボタン508を押下して自動設定を解除してから、所望のタイミングで表示開始ボタン504を押下することによりアンケートを手動で表示させることができる。
【0055】
図5は、アンケート情報の登録画面500を例示するが、管理者が質問タブ510または広告タブ511を押下すると、それぞれ質問情報または広告情報の登録画面が表示される。管理者は、質問情報の登録画面では、質問受付の表示開始時刻および表示終了時刻等に関する情報を登録することができる。また、管理者は、広告情報の登録画面では、広告の内容、広告の表示開始時刻および表示終了時刻等に関する情報を登録することができる。
【0056】
また、管理者が質問一覧タブ520またはアンケート回答一覧タブ521を押下すると、視聴者が入力した内容を確認するための画面が表示される。質問一覧の画面は、ユーザからの質問内容を一覧表示する。アンケート回答一覧は、アンケートに対する視聴者の回答を一覧表示する。管理者は、動画の配信中に、視聴者が入力した内容をリアルタイムに確認することができる。
【0057】
図3のP20からP22では、管理サーバ110の配信情報生成部111は、配信情報ファイルを生成し、NFSサーバ130の共有フォルダ131に保存する。配信情報ファイルは、配信される動画ごとに生成されるファイルである。配信情報生成部111は、例えば、管理画面112で動画配信に関する情報が登録または更新されたとき、および動画の配信中に、配信情報ファイルを生成する。配信情報生成部111は、動画の配信開始時刻から配信終了時刻までの間、所定の更新間隔(例えば、1分間隔)で、配信情報ファイルの生成処理を繰り返し実行する。
【0058】
P20では、配信情報生成部111は、DBサーバ120に対し、P10で登録された配信情報の読み出しを要求する。P21では、配信情報生成部111は、DBサーバ120から配信情報を取得する。
【0059】
P22では、配信情報生成部111は、P21で取得した配信情報に基づいて配信情報ファイルを生成し、生成した配信情報ファイルをNFSサーバ130の共有フォルダ131に保存する。2回目以降に生成された配信情報ファイルは、前回生成された配信情報ファイルを上書きして保存される。1つの動画に対しては、1つの配信情報ファイルが生成され、共有フォルダ131には最新の配信情報ファイルが保存される。
【0060】
配信情報生成部111は、例えば、cron等の常駐プログラムを用いて、配信情報ファイルを生成するプログラムを、定期的に実行することができる。また、配信情報生成部111が生成する配信情報ファイルは、例えばxmlファイルであって、動画の配信開始時刻および配信終了時刻、双方向のコミュニケーション機能に関するアイテムの表示開始時刻および表示終了時刻などが定義されたファイルである。
【0061】
ここで、図6を参照して、配信情報ファイルの具体例について説明する。図6は、配信
情報ファイルを例示する図である。なお、先頭の行番号は、説明のために付した番号であり、実際のコードには含まれない。1行目のvideoidタグでは、動画ID(live)が指定されている。2行目のvideotimeタグでは、動画の配信開始時刻および配信終了時刻が指定されている。
【0062】
3行目から6行目のadタグでは、広告の表示開始時刻、表示終了時刻、広告の表示内容が指定されている。7行目のchatタグでは、チャットボックスの表示開始時刻および表示終了時刻が指定されている。8行目のquestionタグでは、質問受付欄の表示開始時刻および表示終了時刻が指定されている。9行目から17行目のafterタグでは、アンケートの表示開始時刻、表示終了時刻、アンケートの質問、解答選択肢等が指定されている。
【0063】
双方向のコミュニケーション機能の表示開始時刻および表示終了時刻は、動画の配信開始時刻に、管理画面112で入力されたそれぞれの経過時間が加算された時刻である。配信情報生成部111は、例えば、アンケート情報の登録画面500で入力された開始時間505および終了時間506を動画の配信開始時刻に加算した時刻を、アンケートの表示開始時刻および表示終了時刻として、配信情報ファイルを生成することができる。
【0064】
図3のP30からP33では、視聴者が動画の視聴を開始するための操作をすると、端末装置200は、視聴サーバ140に対し配信情報ファイルの取得を要求する。端末装置200は、視聴者が動画を視聴している間、配信情報ファイルの取得要求を、所定の取得間隔(例えば、10秒間隔)で実行する。
【0065】
P30では、視聴者が動画配信用のURLにアクセスすると、端末装置200のプロセッサ201は、ブラウザに読み込まれたjavascript(登録商標)により、視聴サーバ140に対して配信情報ファイルの取得を要求する。P31では、視聴サーバ140のプロセッサ141は、NFSサーバ130に対し、共有フォルダ131内の配信情報ファイルの読み出しを要求する。
【0066】
P32では、NFSサーバ130は、視聴サーバ140のプロセッサ141からの読み出し要求に応答して、共有フォルダ131内の配信情報ファイルを送信する。P33では、プロセッサ141は、端末装置200のプロセッサ201からの取得要求に応答して、配信情報ファイルを送信する。
【0067】
管理サーバ110は、動画の配信時間内に所定の更新間隔で配信情報ファイルを生成し、共有フォルダ131内に保存する。したがって、管理画面112で広告表示またはアンケート等の双方向のコミュニケーション機能に関する情報が登録または更新されると、共有フォルダ131内の配信情報ファイルは、少なくとも所定の更新間隔が経過するまでに更新される。
【0068】
また、端末装置200は、所定の取得間隔で、共有フォルダ131に保存された配信情報ファイルを取得するため、管理画面112で登録された情報は、所定の更新間隔および所定の取得間隔の合計時間を超えない時間内に、端末装置200の表示に反映される。したがって、動画の管理者は、端末装置200との双方向のコミュニケーションを適時に実現することができる。
【0069】
(表示制御処理の流れ)
図7は、端末装置200での表示制御処理を例示するフローチャートである。図7に示す表示制御処理は、例えば、動画の視聴者が動画配信用のURLにアクセスしたことを契機に開始される。
【0070】
S101では、端末装置200のプロセッサ201は、視聴サーバ140から配信情報ファイルを取得する。図3で説明したように、視聴サーバ140は、共有フォルダ131に保存された配信情報ファイルを端末装置200に送信する。プロセッサ201は、S101で配信情報ファイルを取得した後も、所定の取得間隔(例えば、10秒間隔)で視聴サーバ140から配信情報ファイルを取得し、最新の配信情報に基づいて以降の処理を実行する。
【0071】
S102では、プロセッサ201は、端末装置200の現在時刻が動画の配信開始時刻以降であるか否かを判定する。プロセッサ201は、S101で取得した配信情報ファイルから動画の配信開始時刻を取得し、現在時刻と比較することができる。現在時刻が動画の配信開始時刻以降である場合、処理はS103に進む。現在時刻が動画の配信開始時刻よりも前である場合、処理はS108に進む。
【0072】
S103では、プロセッサ201は、動画の配信開始時刻と端末装置200の現在時刻との差分である遅延時間を取得する。また、プロセッサ201は、配信情報ファイルから動画IDの情報を取得する。プロセッサ201は、映像サーバ300に遅延時間、動画ID、端末装置200の種別等の情報を送信して動画の配信を要求する。
【0073】
S104では、プロセッサ201は、遅延時間が経過した時点からの動画を映像サーバ300から受信して再生する。映像サーバ300は、端末装置200から受信した遅延時間、動画ID、端末装置200の種別等の情報に基づいて、遅延時間が経過した時点からの動画を端末装置200に配信することができる。また、映像サーバ300は、端末装置200の種別に基づいて、適切な方式でエンコードされた配信用の動画データを端末装置200に配信することができる。
【0074】
S105では、プロセッサ201は、端末装置200の現在時刻がアンケート等の双方向のコミュニケーション機能の表示開始時刻または表示終了時刻であるか否かを判定する。プロセッサ201は、配信情報ファイルからアンケート等の表示開始時刻および表示終了時刻を取得し、現在時刻と比較する。現在時刻がアンケート等の表示開始時刻または表示終了時刻になった場合、処理はS106に進む。現在時刻がアンケート等の表示開始時刻または表示終了時刻でない場合、処理はS107に進む。
【0075】
S106では、プロセッサ201は、現在時刻がアンケート等の表示開始時刻である場合、アンケート等をディスプレイ(出力部206)に表示する。また、プロセッサ201は、現在時刻がアンケート等の表示終了時刻である場合、ディスプレイに表示しているアンケート等の表示を終了する。
【0076】
ここで、図8および図9を参照して、アンケート等の双方向のコミュニケーション機能の表示画面について説明する。図8は、アンケート表示画面を例示する図である。プロセッサ201は、アンケートの表示開始時刻になると、ディスプレイにアンケート表示画面800を表示する。アンケート表示画面800に表示される内容は、アンケート情報の登録画面500で登録された内容に基づいて生成された配信情報ファイルから取得することができる。
【0077】
アンケート表示画面800は、質問欄801、回答入力欄802、送信ボタン803を表示する。質問欄801は、質問および回答の選択肢を表示する欄である。回答入力欄802は、視聴者が回答を入力するためのラジオボタンを表示する欄である。送信ボタン803は、視聴者が入力した回答を視聴サーバ140に送信するためのボタンである。
【0078】
視聴者が回答入力欄802に回答を入力し、送信ボタン803を押下(タッチ操作)すると、プロセッサ201は、入力された回答を視聴サーバ140に送信する。視聴サーバ140は、受信したアンケートの回答をDBサーバ120に登録する。DBサーバ120に登録されたアンケートの回答は、管理画面112のアンケート回答一覧から参照することができる。
【0079】
図9は、質問受付画面を例示する図である。プロセッサ201は、質問受付機能の表示開始時刻になると、質問を受け付けるためのアイテム900をディスプレイに表示する。視聴者がアイテム900を押下すると、プロセッサ201は、質問受付画面910を表示する。質問受付画面910は、質問入力欄911および送信ボタン912を表示する。
【0080】
視聴者が質問入力欄911に質問を入力し、送信ボタン912を押下すると、プロセッサ201は、入力された質問を視聴サーバ140に送信する。視聴サーバ140は、受信した質問をDBサーバ120に登録する。DBサーバ120に登録された視聴者からの質問は、管理画面112の質問一覧から参照することができる。
【0081】
図7のS107では、プロセッサ201は、端末装置200の現在時刻が動画の配信終了時刻以降であるか否かを判定する。プロセッサ201は、S101で取得した配信情報ファイルから動画の配信終了時刻を取得し、現在時刻と比較することができる。現在時刻が動画の配信終了時刻以降である場合、処理はS108に進む。現在時刻が動画の配信開始時刻よりも前である場合、処理はS105に戻る。
【0082】
S108では、プロセッサ201は、配信時間外であることをディスプレイに表示する。現在時刻が動画の配信開始時刻よりも前である場合には、現在時刻が配信開始時刻になると、図7の表示制御処理はS102から再開される。また、現在時刻が動画の配信終了時刻を過ぎている場合には、図7の表示制御処理は終了する。
【0083】
(視聴画面の画面遷移)
図10および図11を参照して、図7に示す表示制御処理による端末装置200での視聴画面の画面遷移について説明する。図10は、動画の配信開始時刻前に、視聴者が動画配信を開始するための操作(例えば、動画配信用のURLに接続する操作)をした場合の視聴画面の画面遷移の例を示す。図11は、動画の配信開始時刻を過ぎてから、視聴者が動画配信を開始するための操作をした場合の視聴画面の画面遷移の例を示す。
【0084】
図10は、視聴画面の画面遷移を説明する図である。画面1010は、動画の配信開始時刻よりも前に、視聴者が動画配信用のURLに接続した場合に表示される画面である。図7を参照して画面1010を表示する処理について説明する。視聴者が動画配信用のURLに接続すると、S101で、プロセッサ201は配信情報ファイルを取得する。S102では、現在時刻が動画の配信開始時刻よりも前であるため、処理はS108に進む。プロセッサ201は、配信時間外であることを示す画面1010を表示する。
【0085】
画面1020は、現在時刻が動画の配信開始時刻となって、配信された動画の最初の画像を表示している画面である。画面1020は、動画の本編の開始時間(開催時間)になるまで、視聴者に待機することを促す配信待機画像を表示している。このように、配信される動画は、本編が配信される前の所定時間(例えば30分間)の間、配信待機画像を配信するものであってもよい。この場合、管理者は、配信待機画像の表示が開始される時刻を動画の配信開始時刻に設定する。また、管理者は、本編の開始時間として、所定時間経過後の時刻を視聴者に通知すればよい。
【0086】
図7を参照して画面1020を表示する処理について説明する。S102では、現在時
刻が動画の配信開始時刻となることにより、処理はS103に進む。配信開始時刻と現在時刻とは略同じであるため(S103)、動画は最初から再生される(S104)。動画の最初に配信待機画像が含まれる場合、画面1020のような画像がディスプレイに表示される。
【0087】
画面1030は、動画の本編が開始されたときの画面である。配信待機画像と本編とは、連続する動画像として作成されればよく、本編の配信は、配信待機画像を所定時間表示した後に開始される。なお、動画が配信待機画像を含まない場合、管理者は、本編が開始される時刻を動画の配信開始時刻に設定すればよい。この場合、動画の配信開始時刻になると、画面1030のような本編の最初の画像がディスプレイに表示され、動画の配信が開始される。
【0088】
画面1040は、動画の配信が終了した後に表示される画面である。画面1040は、動画の配信時間外であることを示している。図7を参照して画面1040を表示する処理について説明する。S107で、現在時刻が配信終了時刻を過ぎているため、処理はS108に進む。プロセッサ201は、配信時間外であることを示す画面1040を表示する。
【0089】
図11は、途中から視聴した場合の視聴画面の画面遷移を説明する図である。画面1110は、動画の配信開始時刻を過ぎてから、視聴者が動画配信用のURLに接続した場合に表示される画面である。画面1110は、動画の配信開始時刻と端末装置200の現在時刻との差分である遅延時間が経過した時点から動画の配信が開始された状態を示す。
【0090】
図7を参照して画面1110を表示する処理について説明する。S102では、現在時刻が動画の配信開始時刻を過ぎているため、処理はS103に進む。S103では、プロセッサ201は、配信開始時刻と現在時刻との差分である遅延時間を取得する。104では、プロセッサ201は、画面1110に示すように、遅延時間が経過した時点からの動画を映像サーバ300から受信して再生する。画面1120は、図10の画面1040と同様であるため説明は省略する。
【0091】
上記の実施形態では、配信システム100は、収録済みの動画を端末装置200からの要求に応じて配信する際、配信開始時刻からの遅延時間が経過した時点から始まる動画を配信することにより、収録済みの動画を擬似的にライブ配信することができる。視聴者は、配信開始時刻に遅れると途中からの視聴となるため、視聴意欲の低下を抑制することができる。
【0092】
ライブ配信と異なり、視聴障害が発生するリスクが低減されるため、視聴障害による動画配信の管理者および視聴者の時間的損失は抑制される。また、配信作業に伴う作業負荷は軽減される。
【0093】
収録済みの動画を配信するため、配信システム100は、視聴デバイスに応じて複数のエンコード方式によってエンコードした配信用の動画データを生成しておくことができる。したがって、端末装置200は、端末装置200の種別に応じた適切な画質の動画データを受信することができる。また、動画を事前に収録することで、配信する動画の内容を事前にチェックすることができ、コンプライアンスチェック等が求められる場合でも、擬似的にライブ配信形式での配信が可能となる。
【0094】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本発明はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。また、本開示において説明した構成や処理は、技術的な矛盾が生
じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0095】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0096】
本発明は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0097】
100:配信システム、110:管理サーバ、120:DBサーバ、130:NFSサーバ、140:視聴サーバ、141:プロセッサ、142:主記憶部、143:補助記憶部、144:通信部、200:端末装置、201:プロセッサ、202:主記憶部、203:補助記憶部、204:通信部、205:入力部、206:出力部、300:映像サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11