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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069047
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】安全監視システムおよび安全監視方法
(51)【国際特許分類】
   B61L 23/00 20060101AFI20230511BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
B61L23/00 Z
H04N7/18 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180618
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩井 和彦
【テーマコード(参考)】
5C054
5H161
【Fターム(参考)】
5C054CE00
5C054DA09
5C054FC12
5C054FE01
5C054FE21
5C054FE28
5C054FF06
5C054HA26
5C054HA30
5H161AA01
5H161MM05
5H161MM12
5H161MM15
5H161NN10
5H161PP06
5H161PP07
5H161PP11
(57)【要約】
【課題】利用者の安全を確保する観点から、列車などの移動体が乗降施設に停止している場合に限らず、移動体が乗降施設の間を移動している場合でも、移動体の側面に設置されたカメラを有効利用できるようにする。
【解決手段】列車における人物乗降用のドアに対応して設けられたカメラ1と、そのカメラにより撮影されたカメラ画像に基づいて、利用者の安全を確保する上で支障となり得る警戒事象を検知して発報情報を生成する画像解析サーバ2と、発報情報を取得して、警戒事象の発生状況を係員に報知する監視端末3,6と、を備え、画像解析サーバは、カメラ画像に基づいて、列車の現在位置が駅内か否かを判定し、その判定結果に応じて予め設定された警戒事象を、カメラ画像に基づいて検知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の利用者の安全を確保する上で支障となり得る警戒事象を検知して、その警戒事象の検知結果を含む発報情報を生成する安全監視システムであって、
前記移動体における人物乗降用のドアに対応して設けられたカメラと、
前記カメラにより撮影されたカメラ画像に基づいて前記警戒事象を検知して前記発報情報を生成するサーバ装置と、
前記発報情報を取得して、前記警戒事象の発生を係員に報知する端末装置と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記カメラ画像に基づいて、前記移動体の現在位置が乗降施設内か否かを判定し、
その判定結果に応じて予め設定された前記警戒事象を、前記カメラ画像に基づいて検知することを特徴とする安全監視システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記移動体が前記乗降施設内に位置する場合、前記警戒事象として、列車に急接近する人物、および安全な乗降のために時間を確保する必要がある人物の少なくともいずれかを検知することを特徴とする請求項1に記載の安全監視システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、
前記移動体が前記乗降施設外に位置する場合、前記警戒事象として、前記移動体の付帯物の異常、および前記移動体から降りる人物の少なくともいずれかを検知することを特徴とする請求項1に記載の安全監視システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
前記警戒事象に係る物体の状態を検出し、その物体の状態に基づいて発報の要否を判定することを特徴とする請求項1に記載の安全監視システム。
【請求項5】
前記端末装置は、
複数の前記カメラ画像を含む監視画面を表示し、
前記サーバ装置は、
前記移動体の状態に応じて、前記監視画面における複数の前記カメラ画像の表示レイアウトを変更することを特徴とする請求項1に記載の安全監視システム。
【請求項6】
移動体の利用者の安全を確保する上で支障となり得る警戒事象を検知して、その警戒事象の検知結果を含む発報情報を生成する処理を情報処理装置に行わせる安全監視方法であって、
前記移動体における人物乗降用のドアに対応して設けられたカメラにより撮影されたカメラ画像を取得し、
前記カメラ画像に基づいて、前記移動体の現在位置が乗降施設内か否かを判定し、
その判定結果に応じて予め設定された前記警戒事象を、前記カメラ画像に基づいて検知することを特徴とする安全監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の利用者の安全を確保する上で支障となり得る事象を警戒事象として検知して、その警戒事象の発生を係員に報知する安全監視システムおよび安全監視方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道においては、利用客の安全を確保する上で支障となる事象を早期に発見して、その事象の発生を列車の乗務員や運転指令所の係員に迅速に通知することが望まれる。
【0003】
このような要望に対して、従来、列車の車体の側面にカメラを設置して、そのカメラで撮影されたカメラ画像に基づいて、ホーム上の人物を検出すると共に、ホームの端部に設置された点字ブロックを検出して、ホーム上の人物がホームの端部に近い場合に、危険であることを列車の乗務員に通知する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-33601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、車体の側面に設置されたカメラが、列車が駅のホームに停車している際の安全確認に利用されている。これにより、利用客が列車の車体に接触する事故などを防止することができる。一方、列車が駅間を走行中にドアが誤作動で開いたり、列車が駅間で停止中に乗客が降車したりする場合が想定され、このような場合でも、車体の側面に設置されたカメラを安全確認に利用することが考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、利用者の安全を確保する観点から、列車などの移動体が乗降施設に停止している場合に限らず、移動体が乗降施設の間を移動している場合でも、移動体の側面に設置されたカメラを有効利用することができる安全監視システムおよび安全監視方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の安全監視システムは、移動体の利用者の安全を確保する上で支障となり得る警戒事象を検知して、その警戒事象の検知結果を含む発報情報を生成する安全監視システムであって、前記移動体における人物乗降用のドアに対応して設けられたカメラと、前記カメラにより撮影されたカメラ画像に基づいて前記警戒事象を検知して前記発報情報を生成するサーバ装置と、前記発報情報を取得して、前記警戒事象の発生を係員に報知する端末装置と、を備え、前記サーバ装置は、前記カメラ画像に基づいて、前記移動体の現在位置が乗降施設内か否かを判定し、その判定結果に応じて予め設定された前記警戒事象を、前記カメラ画像に基づいて検知する構成とする。
【0008】
また、本発明の安全監視方法は、移動体の利用者の安全を確保する上で支障となり得る警戒事象を検知して、その警戒事象の検知結果を含む発報情報を生成する処理を情報処理装置に行わせる安全監視方法であって、前記移動体における人物乗降用のドアに対応して設けられたカメラにより撮影されたカメラ画像を取得し、前記カメラ画像に基づいて、前記移動体の現在位置が乗降施設内か否かを判定し、その判定結果に応じて予め設定された前記警戒事象を、前記カメラ画像に基づいて検知する構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、移動体の現在位置が乗降施設内か否かに応じて、検知する警戒事象を変更するため、状況に応じた適切な警戒事象を検知して適切な発報を行うことができる。これにより、利用者の安全を確保する観点から、列車などの移動体が乗降施設に停止している場合に限らず、移動体が乗降施設の間を移動している場合でも、移動体の側面に設置されたカメラを有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る安全監視システムの全体構成図
図2】列車の進行方向に応じた監視状況の一例を示す説明図
図3】カメラにより撮影されるカメラ画像を示す説明図
図4】画像解析サーバにより検知される警戒事象を示す説明図
図5】カメラ画像上に設定される検知エリアを示す説明図
図6】画像解析サーバおよび列車管理サーバの概略構成を示すブロック図
図7】列車内の監視端末に表示される監視画面を示す説明図
図8】列車内の監視端末に表示される監視画面を示す説明図
図9】監視画面の要部を示す説明図
図10】列車内の監視端末に表示される設定画面を示す説明図
図11】列車内の監視端末に表示される設定画面を示す説明図
図12】列車内の監視端末に表示される設定画面を示す説明図
図13】列車内の監視端末に表示される設定画面を示す説明図
図14】画像解析サーバで行われる処理の手順を示すフロー図
図15】監視センターの監視端末に表示される監視画面を示す説明図
図16】監視センターの監視端末に表示される監視画面を示す説明図
図17】監視センターの監視端末に表示される監視画面を示す説明図
図18】監視センターの監視端末に表示される監視画面を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、移動体の利用者の安全を確保する上で支障となり得る警戒事象を検知して、その警戒事象の検知結果を含む発報情報を生成する安全監視システムであって、前記移動体における人物乗降用のドアに対応して設けられたカメラと、前記カメラにより撮影されたカメラ画像に基づいて前記警戒事象を検知して前記発報情報を生成するサーバ装置と、前記発報情報を取得して、前記警戒事象の発生を係員に報知する端末装置と、を備え、前記サーバ装置は、前記カメラ画像に基づいて、前記移動体の現在位置が乗降施設内か否かを判定し、その判定結果に応じて予め設定された前記警戒事象を、前記カメラ画像に基づいて検知する構成とする。
【0012】
これによると、移動体の現在位置が乗降施設内か否かに応じて、検知する警戒事象を変更するため、状況に応じた適切な警戒事象を検知して適切な発報を行うことができる。これにより、利用者の安全を確保する観点から、列車などの移動体が乗降施設に停止している場合に限らず、移動体が乗降施設の間を移動している場合でも、移動体の側面に設置されたカメラを有効利用することができる。なお、移動体の現在位置が乗降施設内か否かの判定は、乗降施設内に特有の物体をカメラ画像から認識できるか否かに応じて行えばよい。
【0013】
また、第2の発明は、前記サーバ装置は、前記移動体が前記乗降施設内に位置する場合、前記警戒事象として、列車に急接近する人物、および安全な乗降のために時間を確保する必要がある人物の少なくともいずれかを検知する構成とする。
【0014】
これによると、移動体が乗降施設内に位置する場合に想定される監視事象を適切に検知することができる。
【0015】
また、第3の発明は、前記サーバ装置は、前記移動体が前記乗降施設外に位置する場合、前記警戒事象として、前記移動体の付帯物の異常、および前記移動体から降りる人物の少なくともいずれかを検知する構成とする。
【0016】
これによると、移動体が乗降施設外に位置する場合に想定される監視事象を適切に検知することができる。
【0017】
また、第4の発明は、前記サーバ装置は、前記警戒事象に係る物体の状態を検出し、その物体の状態に基づいて発報の要否を判定する構成とする。
【0018】
これによると、警戒事象が検知された場合でも、その警戒事象に係る物体の状態に基づいて発報の要否を判定することで、誤報を防止することができる。
【0019】
また、第5の発明は、前記端末装置は、複数の前記カメラ画像を含む監視画面を表示し、前記サーバ装置は、前記移動体の状態に応じて、前記監視画面における複数の前記カメラ画像の表示レイアウトを変更する構成とする。
【0020】
これによると、監視画面において、移動体の状態、例えば移動体の進行方向に応じた適切なレイアウトでカメラ画像が表示されるため、カメラ画像による係員の安全確認が容易になる。
【0021】
また、第6の発明は、移動体の利用者の安全を確保する上で支障となり得る警戒事象を検知して、その警戒事象の検知結果を含む発報情報を生成する処理を情報処理装置に行わせる安全監視方法であって、前記移動体における人物乗降用のドアに対応して設けられたカメラにより撮影されたカメラ画像を取得し、前記カメラ画像に基づいて、前記移動体の現在位置が乗降施設内か否かを判定し、その判定結果に応じて予め設定された前記警戒事象を、前記カメラ画像に基づいて検知する構成とする。
【0022】
これによると、第1の発明と同様に、利用者の安全を確保する観点から、列車などの移動体が乗降施設に停止している場合に限らず、移動体が乗降施設の間を移動している場合にも、移動体の側面に設置されたカメラを有効利用することができる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0024】
図1は、本実施形態に係る安全監視システムの全体構成図である。
【0025】
安全監視システムは、列車(移動体)の利用者の安全を確保する上で支障となり得る事象を警戒事象として検知して、その警戒事象の発生を係員(列車の乗務員や運転指令所の指令員)に報知するものである。安全監視システムは、カメラ1と、画像解析サーバ2(サーバ装置)と、監視端末3(端末装置)と、無線基地局4と、列車管理サーバ5(サーバ装置)と、監視端末6(端末装置)とを備えている。
【0026】
カメラ1と画像解析サーバ2と監視端末3とは列車内のネットワークを介して接続されている。画像解析サーバ2と無線基地局4とはモバイル通信のネットワークを介して接続されている。無線基地局4と列車管理サーバ5と監視端末6とは閉域ネットワークやインターネットなどのネットワークを介して接続されている。
【0027】
カメラ1は、列車の車体の側面に設置され、乗客が乗降するドアの外側を側方から撮影する。
【0028】
画像解析サーバ2は、列車に搭載される。画像解析サーバ2は、PCなどの情報処理装置で構成される。画像解析サーバ2は、各カメラ1から取得したカメラ画像に基づいて、ドアによる異物(乗降客の身体や持ち物など)の挟み込みを検知する。この挟み込み検知処理の検知結果は、発報情報として監視端末3に送信される。また、画像解析サーバ2は、各カメラ1から取得したカメラ画像に基づいて、警戒事象を検知する。この警戒事象の検知結果は、発報情報として監視端末3に送信される。また、警戒事象の検知結果を含む解析結果およびカメラ画像は自装置に蓄積され、リアルタイムであるいは適宜なタイミングでカメラ画像および解析結果が発報情報として列車管理サーバ5に送信される。
【0029】
監視端末3は、列車の乗務員室(運転室、車掌室など)に設置される。監視端末3は、モニタ(表示装置)、スピーカ、およびランプを備えている。監視端末3は、画像解析サーバ2で挟み込みが検知されると、挟み込みが発生したドア位置が示された監視画面を表示すると共に、アラート音声の出力およびランプの点灯などにより、ドアの挟み込みを列車の乗務員(運転手、車掌など)に報知する。また、監視端末3は、各カメラ1から取得したカメラ画像を監視画面に表示すると共に、画像解析サーバ2で警戒事象が検知されると、警戒事象が発生したカメラ画像を強調表示して、警戒事象の発生を列車の乗務員(運転手、車掌など)に報知する。
【0030】
列車管理サーバ5は、監視センター(運転指令所)などに設置される。列車管理サーバ5は、各列車に搭載された画像解析サーバ2からカメラ画像および解析結果を収集して、そのカメラ画像および解析結果に対して所要の処理を行うことで、警戒事象の発生状況を係員に提示する各種の監視画面を生成して、その監視画面を発報情報として監視端末6に配信する。
【0031】
監視端末6は、監視センターなどに設置される。監視端末6は、監視センターの係員(指令員)などが閲覧する。監視端末6には、列車管理サーバ5から配信される監視画面が表示される。
【0032】
なお、本実施形態では、人物が搭乗する移動体(人物を乗せて運ぶ乗り物)を列車とした例について説明するが、移動体は列車に限定されない。例えば、ロープウェイやリフトのように索道を利用した移動体であってもよい。また、バスのように道路を走行する移動体であってもよい。
【0033】
次に、列車の進行方向に応じた監視状況について説明する。図2は、列車の進行方向に応じた監視状況の一例を示す説明図である。
【0034】
図2に示す例では、列車がワンマン運転で運行される。列車は、1号車、2号車、3号車、および4号車からなる4両編成である。列車には、1号車および4号車に乗務員室(運転室)が設けられている。図2(A)に示すように、列車が下りで運行される場合には、先頭車両となる1号車に運転手が乗務する。図2(B)に示すように、列車が上りで運行される場合には、先頭車両となる4号車に運転手が乗務する。
【0035】
また、図2に示す例では、各車両にカメラ1が左右に2台ずつ設置されている。すなわち、1号車の左側に#1-1,#1-2の2台のカメラ1が設置され、1号車の右側に#1-3,#1-4の2台のカメラ1が設置されている。2号車、3号車、4号車にも同様にカメラ1が設置されている。
【0036】
列車には、1号車および4号車の乗務員室(運転室)に監視端末3が設置されている。図2(A)に示すように、列車が下りで運行される場合には、1号車に設置された監視端末3により警戒事象の発生が運転手に通知される。図2(B)に示すように、列車が上りで運行される場合には、4号車に設置された監視端末3により警戒事象の発生が運転手に通知される。
【0037】
なお、本実施形態では、列車がワンマン運転で運行され、先頭車両に搭乗する運転手が安全確認を行う場合について説明したが、最後尾車両に車掌が搭乗する場合でもよく、この場合、車掌が安全確認を行う監視端末3は、図2(A),(B)に示すように、運転手が安全確認を行う場合とは逆になる。
【0038】
次に、カメラ1により撮影されるカメラ画像について説明する。図3は、カメラ画像を示す説明図である。図4は、画像解析サーバ2により検知される警戒事象を示す説明図である。
【0039】
カメラ1は、列車の車体の側面に設置され、乗客が乗降するドアの外側を側方から撮影する。したがって、列車が駅のホームに停車している場合には、図3(A)に示すように、カメラ1により撮影されたカメラ画像には、駅のホームや利用客が写る。一方、列車が駅間を走行している場合には、図3(B)に示すように、カメラ画像には、軌道およびその周辺の架線柱などが写る。
【0040】
本実施形態では、画像解析サーバ2が、列車がホームに停車している場合に、カメラ画像に基づいてドアによる異物(乗降客の身体や持ち物など)の挟み込みを検知して、ドアによる異物の挟み込みが発生したことを報知情報として列車の乗務員(運転手や車掌)に通知する。
【0041】
また、本実施形態では、カメラ画像に基づいて、利用者の安全を確保する上で支障となり得る警戒事象を検知して、警戒事象が発生したことを報知情報として列車の乗務員(運転手や車掌)や監視センター(運転指令所)の係員に通知する。
【0042】
特に、本実施形態では、図4に示すように、カメラ画像からホームを認識できるか否かに応じて、列車位置(列車の現在位置)が駅内(ホーム沿いの位置)か駅間(駅外)かを判定して(列車位置判定処理)、列車位置に応じて、警戒事象として検知する事象を変更する。
【0043】
まず、列車位置(列車の現在位置)が駅内(ホーム沿いの位置)である場合には、ホーム上の利用客(乗降客)の安全確保を目的として、警戒事象として、要注意人物、具体的には、列車に急接近する人物、例えば列車に駆け込み乗車する人物を検知する。また、警戒事象として、要配慮人物、具体的には、安全な乗降のために時間を確保する必要がある人物、例えば車椅子、ベビーカー、および白杖を利用する人物を検知する。
【0044】
なお、警戒事象の検知では、カメラ画像から人物を検出するとともに、物体認識技術によりカメラ画像から車椅子、ベビーカー、および白杖を検出して、これらの物体の検出をもって警戒事象と判定する。
【0045】
一方、列車位置が駅間(駅外)である場合には、乗客(列車に乗車中の人物)の安全確保を目的として、警戒事象として、列車の付帯物(車体に付属品、装備品など)の異常、例えばドアの開放、窓の破損や脱落などを検知する。また、警戒事象として、降車する人物(乗客)を検知する。
【0046】
なお、本実施形態では、列車位置が駅間(駅外)である場合に、列車の付帯物の異常を、警戒事象として検知するが、この他に、強風で飛来して列車に絡みついた物体(例えばビニールシート)などを、警戒事象として検知するものとしてもよい。
【0047】
ここで、本実施形態では、カメラ画像から人物を検出して、その人物が警戒事象に該当するか否かを判定する。図3(A)に示す例では、人物Aが、白杖を利用する人物であり、警戒事象(要配慮人物)に該当する。また、人物Bが、列車に駆け込み乗車する人物であり、警戒事象(要注意人物)に該当する。
【0048】
また、警戒事象に該当する人物の状態(向きや姿勢)を判定して、実際に発報するか否かを判定する。図3(A)に示す例では、人物A,Bは、身体がカメラ1から見て横向き、すなわち列車のドアに対して正対する方向を向いている。この場合、その人物は利用客と想定されるため、発報の対象になる。一方、人物Cは、身体がカメラ1から見て正面、すなわち列車の進行方向に対して正対する方向を向いている。この場合、その人物は駅員と想定されるため、発報の対象外になる。これにより、警戒事象の対象から駅員を除外することができる。
【0049】
なお、列車位置が駅内である場合には、ホーム沿いの軌道に停車している場合の他、ホーム沿いの軌道を走行している場合、すなわち、駅に停車するために減速中の状態や、駅を出発して加速中の状態も含まれる。また、列車位置が駅間(駅外)である場合には、列車が駅間の軌道を通常走行している場合の他、信号機の指示などに基づいて列車が徐行したり停車したりしている場合も含まれる。
【0050】
ところで、列車位置判定処理では、ホームに設けられた標識、具体的には、ホームの端に沿って設置された点字ブロック(視覚障害者誘導用ブロック)、ホームの端に沿って所定色(例えば白色や黄色やオレンジ色)の塗料により描かれたライン、ホームの端に所定色(例えば赤色)の塗料により描かれた縞模様などの標識に注目して、これらの標識がカメラ画像から認識できるか否かに応じて、列車位置の判定が行われる。
【0051】
一方、ホームには、利用者のホームからの転落や列車との接触を防止するためにホームドアが設置されている場合がある。この場合、ホームドアがカメラ画像から認識できるか否かに応じて、列車位置の判定を行うことができる。
【0052】
次に、カメラ画像上に設定される検知エリアについて説明する。図5は、カメラ画像上に設定される検知エリアを示す説明図である。
【0053】
本実施形態では、ホーム上で利用客(乗降客)が移動可能なエリアが検知エリアとしてカメラ画像上に予め設定される。そして、カメラ画像内の検知エリアの画像からホームを認識できるか否かに応じて、列車の現在位置が駅内と駅間(駅外)とのいずれであるかが判定される(列車位置判定処理)。また、カメラ画像内の検知エリアの画像に基づいて、警戒事象が検知される(警戒事象検知処理)。
【0054】
また、本実施形態では、列車の各車両が位置する走路が直線かカーブかが判定され(走路形状判定処理)、その判定結果に基づいて、検知エリアが設定される(検知エリア設定処理)。なお、検知エリアは、ホームの先端から所定幅の帯状の領域である。
【0055】
具体的には、図5(A)に示すように、列車の走路が直線である場合には、検知エリアが通常幅で設定される。一方、図5(B)に示すように、列車の走路がカーブである場合、ホームの先端と列車の車体との間に大きな隙間ができるため、走路が直線である場合より幅を広げた状態で検知エリアが設定される。これにより、列車の走路がカーブである場合でも、走路が直線である場合と同様の範囲を検知エリアに含めることができる。なお、列車の走路がカーブである場合の検知エリアの幅は、想定されるカーブの曲率に基づいた所定の拡大率(例えば1.5倍)で拡大されるようにしてもよい。
【0056】
次に、画像解析サーバ2および列車管理サーバ5の概略構成について説明する。図6は、画像解析サーバ2および列車管理サーバ5の概略構成を示すブロック図である。
【0057】
画像解析サーバ2は、列車内通信部21と、列車外通信部22と、記憶部23と、プロセッサ24と、を備えている。
【0058】
列車内通信部21は、列車の各車両(号車)に設置されたカメラ1および乗務員室に設置された監視端末3との間で通信を行う。
【0059】
列車外通信部22は、無線基地局4およびネットワークを介して列車管理サーバ5との間で通信を行う。
【0060】
記憶部23は、プロセッサ24で実行されるプログラムなどを記憶する。また、記憶部23は、カメラ画像およびその解析結果の情報を記憶する。
【0061】
プロセッサ24は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することで各種の処理を行う。本実施形態では、プロセッサ24が、表示処理、走路形状判定処理、検知エリア設定処理、列車位置判定処理、警戒事象検知処理、発報判定処理、発報制御処理、挟み込み検知処理、および設定処理などを行う。
【0062】
表示処理では、プロセッサ24が、各カメラからリアルタイムのカメラ画像を取得して、そのカメラ画像を監視端末3に表示する。このとき、表示レイアウトに関する設定情報に基づいて、カメラ画像を監視画面に表示する。なお、列車が走行中の状態では、監視画面にカメラ画像が表示されない構成としてもよい。すなわち、ホームに停車している状態でのみ、監視画面にカメラ画像が表示される構成としてもよい。これにより、乗務員が、出発時に監視画面のカメラ画像を利用して安全確認を行うことができる。
【0063】
走路形状判定処理では、プロセッサ24が、カメラ画像に基づいて、列車における各車両が位置する走路が直線かカーブかを判定する。このとき、カメラ画像に写る前後の車両の状況に基づいて判定を行う。具体的には、カメラ1から離れた車両が、左側のカメラ画像に写るが右側のカメラ画像に写らない場合には、走路は左カーブと判定される。一方、カメラ1から離れた車両が、左側のカメラ画像に写らないが右側のカメラ画像に写る場合には、走路は右カーブと判定される。また、カメラ1から離れた車両が、左側のカメラ画像にも右側のカメラ画像にも写る場合には、走路は直線と判定される。なお、走路が直線かカーブかの判定は、GPSなどの衛星測位システムを利用して取得した位置情報と地図情報とに基づいて行うものでもよい。
【0064】
検知エリア設定処理では、プロセッサ24が、走路形状判定処理の判定結果に基づいて、カメラ画像に対して検知エリアを設定する。具体的には、車両の走路が直線である場合には、検知エリアが通常幅で設定される。一方、車両の走路がカーブである場合、ホームの先端と列車の車体との間に大きな隙間ができるため、走路が直線である場合より検知エリアの幅が大きく設定される(図5参照)。
【0065】
列車位置判定処理では、プロセッサ24が、カメラ画像内の検知エリアの画像に基づいて、列車位置(列車の現在位置)が駅内と駅間(駅外)とのいずれであるかを判定する。具体的には、検知エリアの画像からホームが認識できる場合には、列車の現在位置が駅内と判定される。一方、検知エリアの画像からホームが認識できない場合には、列車の現在位置が駅間と判定される。また、検知エリアの画像におけるホームの認識は、ホームに設けられた標識(点字ブロックや白線など)などに基づいて行うことができる。なお、列車位置の判定は、GPSなどの衛星測位システムを利用して取得した位置情報と地図情報とに基づいて行うものでもよい。
【0066】
警戒事象検知処理では、プロセッサ24が、カメラ画像内の検知エリアの画像と、列車位置判定処理の判定結果と、警戒事象に関する設定情報とに基づいて、警戒事象を検知する。本実施形態では、列車位置判定処理の判定結果、すなわち、列車位置(列車の現在位置)が駅内(ホーム沿いの位置)と駅間(駅外)とのいずれであるかに応じて、警戒事象として検知する事象が変更される。
【0067】
すなわち、列車位置(列車の現在位置)が駅内である場合には、警戒事象として、要注意人物、具体的には、列車に急接近する人物(例えば列車に駆け込み乗車する人物)や、要配慮人物、具体的には、安全な乗降のために乗降時間を確保する必要がある人物(例えば車椅子、ベビーカー、および白杖を利用する人物)を検知する。一方、列車位置が駅間(駅外)である場合には、警戒事象として、列車の付帯物の異常(例えばドアの開放、窓の破損および脱落)や、降車する人物を検知する。また、警戒事象検知処理では、ディープラーニングなどの機械学習により構築される画像認識モデル(機械学習モデル)を利用することができる。この場合、カメラ画像を画像認識モデルに入力し、画像認識モデルから出力される警戒事象の検知結果を取得する。
【0068】
発報判定処理では、プロセッサ24が、警戒事象検知処理の検知結果と、発報対象に関する設定情報とに基づいて、検知された警戒事象に関して発報の要否を判定する。すなわち、警戒事象検知処理で検知された警戒事象に係る物体の状態が発報対象に設定されているか否かに応じて、発報の要否を判定する。具体的には、検知された警戒事象に係る人物の身体(物体)の向きを検出し、その人物の身体の向きに基づいて発報の要否を判定する。例えば、人物の身体の向きが、予め設定された発報対象とする人物の身体の向きに該当しない場合には、発報対象から除外する。
【0069】
発報制御処理では、プロセッサ24が、発報判定処理で発報を実施するものと判定された場合に、監視端末3に報知動作を行わせる。すなわち、監視端末3において、警戒事象が発生したことを報知情報として列車の乗務員(運転手や車掌)に通知する。具体的には、監視端末3に設けられたモニタに表示された監視画面上で、検知された警戒事象に関係するカメラ画像が強調表示され、また、監視端末3に設けられたスピーカでアラート音声が出力される。また、監視センター(運転指令所)の監視端末6において、警戒事象が発生したことを報知情報として係員に通知する。このとき、監視端末6に設けられたモニタに表示された監視画面に警戒事象の発生状況が表示される。
【0070】
挟み込み検知処理では、プロセッサ24が、カメラ画像に基づいて、ドアによる異物(乗降客の身体や持ち物など)の挟み込みを検知する。挟み込み検知処理では、ディープラーニングなどの機械学習により構築される画像認識モデル(機械学習モデル)を利用することができる。この場合、カメラ画像を画像認識モデルに入力し、画像認識モデルから出力される挟み込みの検知結果を取得する。
【0071】
設定処理では、プロセッサ24が、監視端末3に表示させた設定画面において管理者が操作した内容を設定情報として取得して記憶部23に蓄積する。具体的には、管理者の操作に応じて、監視画面におけるカメラ画像の表示レイアウトに関する設定情報や、検知対象とする警戒事象に関する設定情報や、発報対象とする警戒事象に係る物体の状態に関する設定情報を取得する。
【0072】
列車管理サーバ5は、通信部51と、記憶部52と、プロセッサ53と、を備えている。
【0073】
通信部51は、ネットワークを介して画像解析サーバ2および監視端末6との間で通信を行う。
【0074】
記憶部52は、プロセッサ53で実行されるプログラムなどを記憶する。また、記憶部52は、画像解析サーバ2から取得したカメラ画像およびその解析結果の情報を記憶する。
【0075】
プロセッサ53は、記憶部52に記憶されたプログラムを実行することで各種の処理を行う。本実施形態では、プロセッサ53が、分析処理、および表示処理などを行う。
【0076】
分析処理では、プロセッサ53が、画像解析サーバ2から取得したカメラ画像およびその解析結果に基づいて、列車、列車を構成する車両(号車)、路線のそれぞれを単位とした警戒事象に関する発報状況を表す情報を生成する。
【0077】
具体的には、列車の各車両(号車)に設置された複数のカメラ1により撮影されたカメラ画像ごとの発報状況を統合することで、車両ごとの発報状況を取得できる。さらに、複数の車両ごとの発報状況を統合することで、列車ごとの発報状況を取得できる。また、同一の路線を走行する複数の列車ごとの発報状況を統合することで、路線ごとの発報状況を取得できる。
【0078】
表示処理では、プロセッサ53が、画像解析サーバ2から取得したカメラ画像およびその解析結果と、分析処理で取得した情報とに基づいて、警戒事象の発報状況を係員に提示する各種の監視画面、具体的には、路線マップ画面201(図15参照)、路線詳細画面211(図16参照)、路線別・駅別状況表示画面221(図17参照)、週別・号車別状況表示画面231(図18参照)を生成する。これらの監視画面は監視端末6に配信される。
【0079】
次に、列車内の監視端末3に表示される監視画面について説明する。図7図8は、列車内の監視端末3に表示される監視画面を示す説明図である。図9は、監視画面の要部を示す説明図である。
【0080】
列車内の監視端末3では、乗務員(運転手)が閲覧する監視画面101,111,121,131が表示される。監視画面101,111,121,131には、カメラ画像の表示レイアウトに関する設定情報に基づいて、各カメラ1から取得したリアルタイムのカメラ画像が表示される。
【0081】
また、監視画面には、モード表示部102が設けられている。監視画面では、ドアが開放される側のカメラ画像が表示され、モード表示部102には、現在、左右のドアのいずれが開放されているかが表示される。
【0082】
ここで、図7に示す例は、停車時にドアが開かれる側の全てのカメラ画像が表示される場合である。また、上りと下りとでカメラ画像の表示レイアウトを逆にする設定となっている。図7(A)に示す例は、下りの列車において運転手が1号車に乗務する場合であり、この1号車に設置された監視端末3に表示される監視画面では、1号車、2号車、3号車、4号車の順でカメラ画像が表示される。一方、図7(B)に示す例は、上りの列車において運転手が4号車に乗務する場合であり、この4号車に設置された監視端末3に表示される監視画面では、4号車、3号車、2号車、1号車の順でカメラ画像が表示される。
【0083】
図8に示す例は、停車時にドアが開かれる側のカメラ画像のうち、乗務員(運転手)から最も離れた車両のカメラ画像のみが表示される場合である。図8(A)に示す例は、下りの列車において運転手が1号車に乗務する場合であり、この1号車に設置された監視端末3に表示される監視画面121では、運転手から最も離れた4号車のカメラ画像のみが表示される。一方、図8(B)に示す例は、上りの列車において運転手が4号車に乗務する場合であり、この4号車に設置された監視端末3に表示される監視画面131では、運転手から最も離れた1号車のカメラ画像のみが表示される。
【0084】
また、監視画面では、警戒事象が検知されてその警戒事象が発報条件に該当する場合に、乗務員に対する報知(注意喚起)の表示動作として、該当する警戒事象が発生したカメラ画像が強調表示される。具体的には、カメラ画像の周囲に所定色(例えば赤色)の枠103が表示される。また、カメラ画像の下のメッセージ表示欄104に、警戒事象の内容を表す文字(例えば、「白杖、車いす」)が表示されるとともに、その背景が所定色(例えば赤色)で表示される。これにより、報知の表示が、カメラ画像に重畳されず、係員がカメラ画像により実際の状況を目視で確認する際の邪魔とならない。
【0085】
図7(A),(B)に示す例は、4号車で警戒事象が発生した場合であり、4号車のカメラ画像が強調表示される。図8(A),(B)に示す例も、4号車で警戒事象が発生した場合である。図8(A)に示すように、下りの場合に運転手が乗務する1号車の監視端末3に表示される監視画面では、4号車のカメラ画像が強調表示される。一方、図8(B)に示すように、上りの場合に運転手が乗務する4号車の監視端末3に表示される監視画面では、1号車のカメラ画像のみが表示されるため、カメラ画像の強調表示は行われない。
【0086】
ここで、カメラ画像の強調表示は、警戒事象が解消されると終了する。すなわち、発報条件に該当する警戒事象が発生すると、図9(A)に示す初期状態から図9(B)に示す状態に遷移し、さらに、警戒事象が解消されると、図9(C)に示す状態に遷移する。この状態では、カメラ画像の周囲に表示される枠103がなくなり、メッセージ表示欄104には、警戒事象が解消されたことを表す文字が表示されるとともに、その背景が所定色(例えば青色)で表示される。図9に示す例は、白杖または車いすを利用する人物が警戒事象として検知され、その人物の乗車または降車が無事に終了したために警戒事象が解消されて、メッセージ表示欄104に、ドアを安全に閉鎖できることを表す文字(例えば、「ドア閉OK」)が表示される。
【0087】
次に、列車内の監視端末3に表示される設定画面について説明する。図10図11図12図13は、設定画面を示す説明図である。
【0088】
列車内の監視端末3では、設定画面として、列車表示設定画面151,161(図10図11参照)、駅表示設定画面171(図12参照)、事象検知設定画面181,191(図13(A),(B)参照)が表示される。
【0089】
これらの設定画面には、列車表示設定、駅表示設定、および事象検知設定の各タブ141,142,143が設けられている。管理者が列車表示設定のタブ141を操作すると、列車表示設定画面151,161(図10図11参照)が表示される。管理者が駅表示設定のタブ142を操作すると、駅表示設定画面171(図12参照)が表示される。管理者が事象検知設定のタブ143を操作すると、事象検知設定画面181,191(図13(A),(B)参照)が表示される。
【0090】
図10図11に示す列車表示設定画面151,161は、管理者の操作により、監視端末3の監視画面に表示させるカメラ画像の表示レイアウトを設定するものである。
【0091】
図10に示す第1の例による列車表示設定画面151には、カメラ画像選択部152と、表示レイアウト設定部153とが設けられている。
【0092】
カメラ画像選択部152では、各車両に設置されたカメラ1により撮影されたカメラ画像が、各カメラ1の位置に対応して表示される。具体的には、車両の左右に設置された各カメラ1のカメラ画像が車両の上方から見た状態で配置されている。
【0093】
表示レイアウト設定部153には、カメラ画像配置部154と、設定モード指定部155と、逆表示指定部156とが設けられている。
【0094】
カメラ画像配置部154は、監視画面に実際に表示されるカメラ画像の表示レイアウトに対応するものである。管理者は、ドラッグ&ドロップの操作により、カメラ画像選択部152で選択したカメラ画像をカメラ画像配置部154に配置することで、監視画面に対してカメラ画像を割り当てることができる。また、割り当てたカメラ画像を削除するには、カメラ画像を選択した上で、削除の操作、例えば右クリックでポップアップ表示されるメニュー(図示せず)で削除を選択する操作を行えばよい。また、カメラ画像配置部154の画像枠が不足する場合、追加ボタン(図示せず)の操作により、スクロールボタンと共に画像枠を追加することができる。
【0095】
設定モード指定部155は、左側のドアが開放された場合に表示される監視画面に関する設定を行う設定モードと、右側のドアが開放された場合に表示される監視画面に関する設定を行う設定モードとを管理者が切り替えるものである。監視画面では、ドアが開放される側のカメラ画像が表示され、左右のドアのいずれが開放されるかに応じてカメラ画像の表示レイアウトが設定される。設定モード指定部155には、左側のドアが開いている場合の設定モードを指定するボタン155aと、右側のドアが開いている場合の設定モードを指定するボタン155bとが設けられている。管理者は、ボタン155a,155bのいずれかを操作することで、設定モードを切り替えることができる。
【0096】
逆表示指定部156は、カメラ画像の表示レイアウトを上りと下りとで逆にするか否かを管理者が指定するものである。運転手が乗務する車両は上りと下りとで異なり、カメラ画像の表示レイアウトを上りと下りとで逆にすると、運転手に近いあるいは遠い車両から順にカメラ画像が表示されるようになる(図7(A),(B)参照)。逆表示指定部156には、上りと下りとは表示を変更しない設定を指定するボタン156aと、上りと下りとで表示レイアウトを逆にする設定を指定するボタン156bとが設けられている。管理者は、ボタン156a,156bのいずれかを操作することで、上りと下りとでカメラ画像の表示レイアウトを逆にするか否かを指定することができる。
【0097】
列車表示設定画面151,161において監視画面に表示するカメラ画像の表示レイアウトに関する設定の操作が完了すると、管理者は設定保存ボタン157を操作する。これにより、管理者が操作した内容が設定情報として保存される。なお、設定情報として、列車の走行路線での停車駅ごとの左右の開閉ドア位置と監視画面表示レイアウトとを紐付けて管理することができる。
【0098】
図11に示す第2の例による列車表示設定画面161には、カメラ画像選択部162と、表示レイアウト設定部153とが設けられている。表示レイアウト設定部153は、第1の例による列車表示設定画面151(図10参照)と同様である。
【0099】
カメラ画像選択部162では、各車両のカメラ画像が順に並べて表示される。管理者は、スクロールボタンを操作することで、全ての車両のカメラ画像を表示させることができる。
【0100】
ここで、監視画面において、停車時にドアが開かれる側の全てのカメラ画像を表示させる場合には(図7参照)、列車表示設定画面151,161(図10図11参照)において、管理者は、カメラ画像を監視画面に割り当てる操作、すなわち、カメラ画像選択部152のカメラ画像をカメラ画像配置部154に配置するドラッグ&ドロップの操作を、全てのカメラ画像に関して行えばよい。
【0101】
一方、監視画面において、停車時にドアが開かれる側のカメラ画像のうち、運転手から最も離れた車両のカメラ画像のみを表示させる場合には(図8参照)、列車表示設定画面151,161(図10図11参照)において、管理者は、カメラ画像を監視画面に割り当てる操作、すなわち、カメラ画像選択部152のカメラ画像をカメラ画像配置部154に配置するドラッグ&ドロップの操作を、該当するカメラ画像に関してのみ行えばよい。例えば、列車が下りで運行される場合に先頭車両となる1号車の監視端末3に関しては、最後尾車両となる4号車のカメラ画像のみを監視画面に割り当てる操作を行えばよい。
【0102】
ここで、管理者が、設定保存ボタン157を操作した際に、例えば「4号車のカメラ画像のみでよいでしょうか?」といった確認メッセージが記載された確認画面(ダイアログボックス)がポップアップ表示されるようにしてもよい。
【0103】
なお、本実施形態では、管理者がカメラ画像に監視画面に割り当てる操作を行うものとしたが、所定の規則および管理者が指定した条件(カメラ画像の配置の順番など)に基づいて、画像解析サーバ2が、カメラ画像を監視画面に割り当てる処理を行うものとしてもよい。例えば、全てのカメラ画像を監視画面に割り当てる設定モードと、運転手から最も離れたカメラ画像のみを監視画面に割り当てる設定モードとを設けて、設定モードを管理者に選択させることで、選択された設定モードに応じて、カメラ画像に監視画面に割り当てる処理が行われるものとしてもよい。
【0104】
図12に示す駅表示設定画面171は、列車表示設定画面151,161(図10図11参照)と同様に、管理者の操作により、監視端末3の監視画面に表示させるカメラ画像の表示レイアウトを設定するものである。一方、列車表示設定画面151,161(図10図11参照)は、各列車の監視端末3の監視画面の表示レイアウトを個別に設定するものであるが、この駅表示設定画面171は、駅を通過する全ての列車の監視端末3を対象にしてまとめて設定が行われる。
【0105】
列車が駅に停車した際にドアが開く側は駅ごとに決まっている。このため、監視端末3の監視画面に左右いずれの側のカメラ画像を表示させるかは駅ごとに設定することができる。このため、駅表示設定画面171では、監視端末3の監視画面に表示させるカメラ画像の表示レイアウトを駅ごとに設定できるようになっている。具体的には、駅ごとに各車両(1号車~4号車)のカメラ画像に関してカメラ画像設定欄172が設けられており、管理者が、カメラ画像設定欄172を操作することで、カメラ画像の表示と非表示とを切り替えることができる。
【0106】
また、駅表示設定画面171には、下り設定部173と上り設定部174とが設けられている。下り設定部173では、列車が下りの場合に監視画面に表示させるカメラ画像の表示レイアウトを設定するものである。上り設定部174では、列車が上りの場合に監視画面に表示させるカメラ画像の表示レイアウトを設定するものである。これにより、下りと上りとでは監視画面に表示させるカメラ画像の表示レイアウトを変えることができる。
【0107】
図12に示す例において、A駅では、全ての車両(1号車~4号車)に関して、ホーム上で安全確認を行う駅員がいないため、乗務員(運転手)が安全確認を行う必要があることから、監視画面にカメラ画像が表示される設定となる。
【0108】
また、B駅では、全ての車両(1号車~4号車)に関して、ホーム上で安全確認を行う駅員がいるため、乗務員(運転手)が安全確認を行う必要がないことから、監視画面にカメラ画像が表示されない設定となる。
【0109】
また、C駅では、一部の車両(1号車)がホームから外れた位置に停車し、その一部の車両ではドアが開放されないため、乗務員(運転手)が安全確認を行う必要がないことから、監視画面にカメラ画像が表示されない設定となる。一方、残りの車両(2号車~4号車)に関しては、ホーム上で安全確認を行う駅員がいないため、乗務員(運転手)が安全確認を行う必要があることから、監視画面にカメラ画像が表示される設定となる。
【0110】
駅表示設定画面171において監視画面に表示するカメラ画像の表示レイアウトを設定する操作が完了すると、管理者は設定保存ボタン175を操作する。これにより、管理者が操作した内容が設定情報として保存される。
【0111】
ここで、カメラ画像設定欄172においてカメラ画像を表示させる設定とした場合、監視画面に表示させるカメラ画像の表示レイアウトを個別に設定できるようにしてもよい。この場合、管理者が、表示レイアウト設定欄176を操作すると、列車表示設定画面151,161(図10図11参照)と同様の設定画面(図示せず)に遷移し、この設定画面において、カメラ画像の表示レイアウトを設定することができる。なお、この設定画面には、設定保存ボタンの他に戻るボタンが設けられ、管理者が戻るボタンを操作することで、駅表示設定画面171に戻るものとしてもよい。
【0112】
図13(A)に示す事象検知設定画面181は、管理者の操作により、列車位置(列車の現在位置)が、駅内(ホーム沿いの位置)と駅間(駅外)とのいずれであるかに応じて、警戒事象検知の対象となる事象を設定するものである。事象検知設定画面181には、対象設定欄182が設けられており、管理者が、対象設定欄182を操作することで、各事象を警戒事象検知の対象とするか対象外とするかを切り替えることができる。
【0113】
ここで、要注意人物は、列車位置が駅内である場合には、列車に接近する人物、例えば列車に駆け込み乗車する人物であり、列車位置が駅間である場合には、列車から降車する人物である。また、要配慮人物は、列車位置が駅内である場合には、安全な乗降のために時間を確保する必要がある人物、例えば車椅子、ベビーカー、および白杖を利用する人物である。また、列車の付帯物の異常は、例えばドアの開放や窓の破損および脱落などである。
【0114】
事象検知設定画面181において警戒事象の検知対象となる事象の設定が完了すると、管理者は設定保存ボタン184を操作する。これにより、管理者が操作した内容が設定情報として保存される。
【0115】
また、事象検知設定画面181において、列車の現在位置が駅内(ホーム)と駅間(駅外)とのいずれであるかを表す列車位置表示欄183を管理者が操作すると、図13(B)に示す事象検知設定画面191に遷移する。
【0116】
図13(B)に示す事象検知設定画面191は、管理者の操作により、事象検知設定画面181(図13(A)参照)において、警戒事象検知の対象とした事象に関して、その事象に係る物体(人物、列車の付帯物など)の状態を発報対象とするか否かを設定するものである。事象検知設定画面191には、対象設定欄192が設けられており、管理者が、対象設定欄192を操作することで、各事象に係る物体の各状態を発報の対象とするか対象外とするかを切り替えることができる。
【0117】
図13(B)に示す例は、列車の現在位置が駅内であることを表す列車位置表示欄183を管理者が操作して事象検知設定画面191を表示させた場合である。この場合、要注意人物および要配慮人物が対象に設定されていることから、状態に関する設定の操作ができるが、列車の付帯物の異常に関しては対象外に設定されていることから、状態に関する設定の操作ができない。一方、列車の現在位置が駅内であることを表す列車位置表示欄183を管理者が操作して事象検知設定画面191を表示させた場合には、列車の付帯物の異常が対象に設定されることから、状態に関する設定の操作ができる。
【0118】
事象検知設定画面191において発報対象となる状態の設定が完了すると、管理者は設定保存ボタン193を操作する。これにより、管理者が操作した内容が設定情報として保存される。また、管理者が戻るボタン194を操作すると、事象検知設定画面181(図13(A)参照)に戻る。
【0119】
ここで、事象検知設定画面191(図13(B)参照)では、要注意人物について、横向き、正面、およびしゃがみこみの各状態に関して設定を行うことができる。このうち、しゃがみこみの状態は、人物が静止したままと想定されるため、列車の動きに起因する危険性は低いため対象外に設定される。また、図3(A)に示す例での人物Cのように、正面、すなわち列車の前後方向を向いている状態の場合には駅員と想定されるため、正面の状態は対象外に設定される。
【0120】
次に、画像解析サーバ2で行われる処理の手順について説明する。図14は、画像解析サーバ2で行われる処理の手順を示すフロー図である。なお、このフローはカメラ画像ごとに実行される。また、このフローは所定の周期で繰り返し実行される。
【0121】
図14(A)に示すように、画像解析サーバ2は、まず、カメラ画像に基づいて、カメラ画像に対応する車両の走路が直線か否かを判定する(走路形状判定処理)(ST101)。
【0122】
ここで、走路が直線である場合には(ST101でYes)、通常の幅で検知エリアを設定する(ST102)。一方、走路がカーブである場合には(ST101でNo)、拡大された幅で検知エリアを設定する(検知エリア設定処理)(ST103)。
【0123】
次に、画像解析サーバ2は、カメラ画像から検知エリアの画像を切り出して、その検知エリアの画像に基づいて、列車の現在位置が駅内か否かを判定する(列車位置判定処理)(ST104)。
【0124】
次に、画像解析サーバ2は、検知エリアの画像に基づいて、列車位置の判定結果に応じて予め設定された警戒事象を検知する(警戒事象検知処理)(ST105)。
【0125】
次に、図14(B)に示すように、画像解析サーバ2では、発報判定処理が行われる。
【0126】
この発報判定処理では、まず、画像解析サーバ2が、検知された警戒事象の有無を判定する(ST111)。
【0127】
ここで、検知された警戒事象がある場合には(ST111でYes)、次に、画像解析サーバ2は、検知された警戒事象が発報条件(発報対象となる詳細な条件)に該当するか否かを判定する(ST112)。ここで、検知された警戒事象に係る物体の状態が発報対象に設定されていることが発報条件となり(図13(B)参照)、検知された警戒事象に係る物体の状態が発報対象に設定されていない場合には、発報条件に該当しない。
【0128】
ここで、検知された警戒事象が発報条件に該当する場合には(ST112でYes)、画像解析サーバ2は、警戒事象の発生を乗務員(運転手)に通知する発報を実施する。具体的には、監視端末3の監視画面に、検知された警戒事象が発生したカメラ画像を強調表示する処理が行われる(図7図8参照)。
【0129】
一方、検知された警戒事象がない場合や(ST111でNo)、検知された警戒事象が発報条件に該当しない場合には(ST112でNo)、画像解析サーバ2は、警戒事象の発生を乗務員(運転手)に通知する発報を実施しない。また、前回の処理において、警戒事象の発生を乗務員(運転手)に通知する発報が実施されて、今回の処理において、警戒事象が解消された場合には、ドアを安全に閉鎖できる旨を乗務員(運転手)に通知する。
【0130】
次に、監視センターの監視端末6に表示される監視画面について説明する。図15図16図17図18は、監視センターの監視端末6に表示される監視画面を示す説明図である。
【0131】
監視センターの監視端末6では、列車管理サーバ5にアクセスすると、各種の監視画面、具体的には、路線マップ画面201(図15参照)、路線詳細画面211(図16参照)、路線別・駅別状況表示画面221(図17参照)、週別・号車別状況表示画面231(図18参照)が表示される。
【0132】
また、路線マップ画面201(初期画面)を除く各画面(図16図17図18参照)には、戻るボタン219が設けられている。係員が戻るボタン219を操作すると、遷移元の画面に戻る。例えば、路線詳細画面211(図16参照)において係員が戻るボタン219を操作すると、遷移元の画面である路線マップ画面201(図15参照)に戻る。
【0133】
監視端末6では、列車管理サーバ5にアクセスすると、まず、路線マップ画面201(図15参照)が表示される。路線マップ画面201は、監視対象となる全ての路線を対象にして路線別の警戒事象(発報済み)の発生状況を係員に提示するものである。
【0134】
路線マップ画面201には、路線マップ202が表示される。路線マップ202には、各路線が警戒レベル(警告、注意、良好)に応じた色で描画されている。
【0135】
また、路線マップ画面201では、日時表示部203に現在の日時が表示される。
【0136】
また、路線マップ画面201には、路線ごとの情報表示部204が設けられている。情報表示部204には、警戒レベル(警告、注意)別の警戒事象(発報済み)の発生件数と、未対処の警戒事象、すなわち、係員の確認が未了である警戒事象の件数とが表示される。
【0137】
また、路線マップ画面201には、履歴一覧表示部206が設けられている。履歴一覧表示部206には、過去に発報された警戒事象ごとに、その警戒事象に関する情報が一覧表示される。ここでは、警戒事象に関する情報として、日時と、路線名称と、列車番号と、カメラ番号と、解析結果とが表示される。解析結果では、警戒事象の内容と警戒レベルとが表示される。これにより、係員が、全ての路線において過去に発報された警戒事象を確認することができる。
【0138】
路線マップ画面201の情報表示部204には、路線ボタン205が設けられている。係員が、路線ボタン205を操作して路線を選択すると、路線詳細画面211(図16参照)に遷移する。
【0139】
路線詳細画面211(図16参照)は、選択された路線において発生した警戒事象の状況を係員に提示するものである。路線詳細画面211には、路線詳細図212が表示される。路線詳細図212には、駅マーク213と、列車マーク215とが表示される。
【0140】
列車マーク215は、列車の実際の軌道上の位置に対応する位置に配置され、列車の進行に伴って移動する。列車マーク215は、警戒レベル(警告、注意)に応じた色で描画される。図8に示す例では、#113の列車で警戒レベルが警告となる警戒事象が発生している。
【0141】
また、路線詳細画面211には、履歴一覧表示部216が設けられている。履歴一覧表示部216には、過去に発報された警戒事象ごとに、その警戒事象に関する情報が一覧表示される。ここでは、警戒事象に関する情報として、日時と、列車番号と、カメラ番号と、解析結果とが表示される。解析結果では、警戒事象の内容と警戒レベルとが表示される。これにより、係員が、選択した路線において過去に発報された警戒事象を確認することができる。
【0142】
また、路線詳細画面211には、路線・駅別状況表示ボタン218が設けられている。係員が路線・駅別状況表示ボタン218を操作すると、路線別・駅別状況表示画面221(図17参照)に遷移する。
【0143】
路線別・駅別状況表示画面221(図17参照)は、各路線および各駅で過去に発報された警戒事象の状況を係員に提示するものである。路線別・駅別状況表示画面221には、グラフ表示部222,223が設けられている。
【0144】
グラフ表示部222には、路線ごとの警戒事象に関する発報件数を表すグラフが表示される。発報件数は、過去の所定期間(例えば直近の1週間)の累計値である。これにより、係員が、過去の所定期間において各路線で過去に発報された警戒事象の状況を把握することができる。
【0145】
グラフ表示部223には、指定された路線における駅ごとの警戒事象に関する発報件数を表すグラフが表示される。発報件数は、過去の所定期間(例えば直近の1週間)の累計値である。これにより、係員が、過去の所定期間において各駅で過去に発報された警戒事象の状況を把握することができる。
【0146】
路線マップ画面201(図15参照)において、係員が、列車マーク215を操作して列車を選択すると、週別・号車別状況表示画面231(図18参照)に遷移する。
【0147】
週別・号車別状況表示画面231(図18参照)は、各週および各車両で過去に発報された警戒事象の状況を係員に提示するものである。週別・号車別状況表示画面231には、グラフ表示部232,233が設けられている。
【0148】
グラフ表示部232には、指定された列車における週ごとの警戒事象に関する発報件数を表すグラフが表示される。発報件数は、過去の所定期間(例えば直近の1週間)の累計値である。これにより、係員が、過去の所定期間において各週で過去に発報された警戒事象の状況を把握することができる。
【0149】
グラフ表示部233には、指定された列車における車両ごとの警戒事象に関する発報件数を表すグラフが表示される。発報件数は、過去の所定期間(例えば直近の1週間)の累計値である。これにより、係員が、過去の所定期間において各車両で過去に発報された警戒事象の状況を把握することができる。
【0150】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明に係る安全監視システムおよび安全監視方法は、利用者の安全を確保する観点から、列車などの移動体が乗降施設に停止している場合に限らず、移動体が乗降施設の間を移動している場合にも、移動体の側面に設置されたカメラを有効利用することができる効果を有し、移動体の利用者の安全を確保する上で支障となる事象を警戒事象として検知して、その警戒事象の発生を係員に報知する安全監視システムおよび安全監視方法などとして有用である。
【符号の説明】
【0152】
1 カメラ
2 画像解析サーバ(サーバ装置)
3 監視端末(端末装置)
4 無線基地局
5 列車管理サーバ(サーバ装置)
6 監視端末(端末装置)
図1
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