(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069066
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
A47L 15/42 20060101AFI20230511BHJP
A47L 15/08 20060101ALI20230511BHJP
A47L 15/22 20060101ALI20230511BHJP
【ＦＩ】
A47L15/42 D
A47L15/08
A47L15/22
A47L15/42 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2021180663
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】今岡 俊太
(72)【発明者】
【氏名】久保田 淳
(72)【発明者】
【氏名】兒玉 光司
(72)【発明者】
【氏名】福間 貴一
【テーマコード（参考）】
3B082
【Ｆターム（参考）】
3B082BD01
3B082BD04
(57)【要約】
【課題】濯ぎ水の温度の低下を抑制できる洗浄機を提供する。
【解決手段】食器洗浄機１００は、洗浄タンク２０と、洗浄タンク２０に貯留された洗浄水を洗浄噴射孔３１，４１から洗浄室１Ｂ内に噴射させる洗浄ポンプ５と、所定温度に加熱された濯ぎ水を濯ぎ噴射孔３３，４３から洗浄室１Ｂ内に噴射させる濯ぎポンプ７と、濯ぎ噴射孔３３，４３と濯ぎポンプ７とを接続している第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８と、を備える。第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８の少なくとも一部は、洗浄室１Ｂを構成する壁面及び洗浄タンク２０を構成する壁面の少なくとも一方に沿って配置されている。
【選択図】図３
【解決手段】食器洗浄機１００は、洗浄タンク２０と、洗浄タンク２０に貯留された洗浄水を洗浄噴射孔３１，４１から洗浄室１Ｂ内に噴射させる洗浄ポンプ５と、所定温度に加熱された濯ぎ水を濯ぎ噴射孔３３，４３から洗浄室１Ｂ内に噴射させる濯ぎポンプ７と、濯ぎ噴射孔３３，４３と濯ぎポンプ７とを接続している第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８と、を備える。第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８の少なくとも一部は、洗浄室１Ｂを構成する壁面及び洗浄タンク２０を構成する壁面の少なくとも一方に沿って配置されている。
【選択図】図３
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄室に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄機であって、
前記被洗浄物を洗浄すると共に所定温度に加熱された洗浄水を貯留する洗浄タンクと、
前記洗浄室に前記洗浄水を噴射する洗浄噴射孔と、
前記洗浄タンクに貯留された前記洗浄水を前記洗浄噴射孔から前記洗浄室内に噴射させる洗浄ポンプと、
前記被洗浄物を濯ぐと共に所定温度に加熱された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔と、
前記濯ぎ水を前記濯ぎ噴射孔から前記洗浄室内に噴射させる濯ぎポンプと、
前記濯ぎ噴射孔と前記濯ぎポンプとを接続している濯ぎ配管と、を備え、
前記濯ぎ配管の少なくとも一部は、前記洗浄室を構成する壁面及び前記洗浄タンクを構成する壁面の少なくとも一方に沿って配置されている、洗浄機。
前記被洗浄物を洗浄すると共に所定温度に加熱された洗浄水を貯留する洗浄タンクと、
前記洗浄室に前記洗浄水を噴射する洗浄噴射孔と、
前記洗浄タンクに貯留された前記洗浄水を前記洗浄噴射孔から前記洗浄室内に噴射させる洗浄ポンプと、
前記被洗浄物を濯ぐと共に所定温度に加熱された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔と、
前記濯ぎ水を前記濯ぎ噴射孔から前記洗浄室内に噴射させる濯ぎポンプと、
前記濯ぎ噴射孔と前記濯ぎポンプとを接続している濯ぎ配管と、を備え、
前記濯ぎ配管の少なくとも一部は、前記洗浄室を構成する壁面及び前記洗浄タンクを構成する壁面の少なくとも一方に沿って配置されている、洗浄機。
【請求項2】
前記濯ぎ配管は、金属製の第一固定具によって前記洗浄室を構成する前記壁面及び前記洗浄タンクを構成する前記壁面の少なくとも一方に固定されている、請求項１に記載の洗浄機。
【請求項3】
前記濯ぎ噴射孔は、前記洗浄室の上側から前記洗浄室内に前記濯ぎ水を噴射する第一濯ぎ噴射孔と、前記洗浄室の下側から前記洗浄室内に前記濯ぎ水を噴射する第二濯ぎ噴射孔と、を有し、
前記濯ぎ配管は、前記濯ぎポンプに接続されている第一濯ぎ配管と、一端部から前記第一濯ぎ噴射孔に前記濯ぎ水を供給すると共に、他端部から前記第二濯ぎ噴射孔に前記濯ぎ水を供給する第二濯ぎ配管と、を有し、
前記第一濯ぎ配管と前記第二濯ぎ配管の前記他端部側とは、金属製の第二固定具によって前記洗浄室を構成する前記壁面及び前記洗浄タンクを構成する前記壁面の少なくとも一方に固定されている、請求項１又は２に記載の洗浄機。
前記濯ぎ配管は、前記濯ぎポンプに接続されている第一濯ぎ配管と、一端部から前記第一濯ぎ噴射孔に前記濯ぎ水を供給すると共に、他端部から前記第二濯ぎ噴射孔に前記濯ぎ水を供給する第二濯ぎ配管と、を有し、
前記第一濯ぎ配管と前記第二濯ぎ配管の前記他端部側とは、金属製の第二固定具によって前記洗浄室を構成する前記壁面及び前記洗浄タンクを構成する前記壁面の少なくとも一方に固定されている、請求項１又は２に記載の洗浄機。
【請求項4】
前記濯ぎ噴射孔は、前記洗浄室の上側から前記洗浄室内に前記濯ぎ水を噴射する第一濯ぎ噴射孔と、前記洗浄室の下側から前記洗浄室内に前記濯ぎ水を噴射する第二濯ぎ噴射孔と、を有し、
前記濯ぎ配管は、前記濯ぎポンプに接続されている第一濯ぎ配管と、一端部から前記第一濯ぎ噴射孔に前記濯ぎ水を供給すると共に、他端部から前記第二濯ぎ噴射孔に前記濯ぎ水を供給する第二濯ぎ配管と、を有し、
前記第一濯ぎ配管及び前記第二濯ぎ配管は、互いに所定の間隔をあけて同一方向に延在する延在部分を有し、
前記第一濯ぎ配管及び前記第二濯ぎ配管の前記延在部分は、前記第一濯ぎ配管と前記第二濯ぎ配管とを連結すると共に前記延在部分に沿って延在している連結部によって一体化されており、
前記連結部には、当該連結部を固定対象に対して固定する固定部が設けられている、請求項１に記載の洗浄機。
前記濯ぎ配管は、前記濯ぎポンプに接続されている第一濯ぎ配管と、一端部から前記第一濯ぎ噴射孔に前記濯ぎ水を供給すると共に、他端部から前記第二濯ぎ噴射孔に前記濯ぎ水を供給する第二濯ぎ配管と、を有し、
前記第一濯ぎ配管及び前記第二濯ぎ配管は、互いに所定の間隔をあけて同一方向に延在する延在部分を有し、
前記第一濯ぎ配管及び前記第二濯ぎ配管の前記延在部分は、前記第一濯ぎ配管と前記第二濯ぎ配管とを連結すると共に前記延在部分に沿って延在している連結部によって一体化されており、
前記連結部には、当該連結部を固定対象に対して固定する固定部が設けられている、請求項１に記載の洗浄機。
【請求項5】
前記濯ぎ水を貯留する濯ぎタンクを備え、
前記第一濯ぎ配管は、前記濯ぎポンプに接続される第一部分と、前記第一部分に接続されると共に上下方向に延在する第二部分と、前記第二部分の上端部に接続され、前記第二濯ぎ配管に接続されると共に前記第二濯ぎ配管に前記濯ぎ水を供給する第三部分と、を有し、
前記第三部分は、前記濯ぎタンクの定水位の位置よりも上方に配置されている、請求項３又は４に記載の洗浄機。
前記第一濯ぎ配管は、前記濯ぎポンプに接続される第一部分と、前記第一部分に接続されると共に上下方向に延在する第二部分と、前記第二部分の上端部に接続され、前記第二濯ぎ配管に接続されると共に前記第二濯ぎ配管に前記濯ぎ水を供給する第三部分と、を有し、
前記第三部分は、前記濯ぎタンクの定水位の位置よりも上方に配置されている、請求項３又は４に記載の洗浄機。
【請求項6】
鉛直方向から見たときに第一方向及び前記第一方向に直交する第二方向に延在する空間を形成し、前記洗浄タンク、前記濯ぎタンク、前記洗浄ポンプ及び前記濯ぎポンプが配置されると共に、前記洗浄室の下方に配置される機械室を備え、
前記機械室には、前記第一方向における一方側に、前記空間を前記機械室の外側に開放するカバーが設けられており、
前記機械室に位置し、かつ前記第一方向の前記一方側に配置されている前記第一濯ぎ配管の前記第三部分に、リンス剤の投入部が設けられている、請求項５に記載の洗浄機。
前記機械室には、前記第一方向における一方側に、前記空間を前記機械室の外側に開放するカバーが設けられており、
前記機械室に位置し、かつ前記第一方向の前記一方側に配置されている前記第一濯ぎ配管の前記第三部分に、リンス剤の投入部が設けられている、請求項５に記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１には、被洗浄物を洗浄すると共に所定温度に加熱された洗浄水を貯留する洗浄タンクと、洗浄室に洗浄水を噴射する洗浄噴射孔（洗浄ノズル）と、洗浄タンクに貯留された洗浄水を洗浄噴射孔から洗浄室内に噴射させる洗浄ポンプと、被洗浄物を濯ぐと共に所定温度に加熱された濯ぎ水を貯留する濯ぎタンクと、洗浄室内に濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔（濯ぎノズル）と、濯ぎタンクに貯留された濯ぎ水を濯ぎ噴射孔から洗浄室内に噴射させる濯ぎポンプと、濯ぎ噴射孔と濯ぎポンプとを接続している濯ぎ配管と、を備える洗浄機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２００５－３４３７４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
濯ぎタンクに貯留される濯ぎ水は、所定の温度に加熱されている。濯ぎ水は、濯ぎタンクから濯ぎ配管を介して濯ぎ噴射孔から噴射されるが、濯ぎ配管を流れる間に温度が低下し得る。濯ぎ水の温度が低下すると、濯ぎ工程における洗浄能力が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、濯ぎ水の温度の低下を抑制できる洗浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る洗浄機は、洗浄室に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄機であって、被洗浄物を洗浄すると共に所定温度に加熱された洗浄水を貯留する洗浄タンクと、洗浄室に洗浄水を噴射する洗浄噴射孔と、洗浄タンクに貯留された洗浄水を洗浄噴射孔から洗浄室内に噴射させる洗浄ポンプと、被洗浄物を濯ぐと共に所定温度に加熱された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔と、濯ぎ水を濯ぎ噴射孔から洗浄室内に噴射させる濯ぎポンプと、濯ぎ噴射孔と濯ぎポンプとを接続している濯ぎ配管と、を備え、濯ぎ配管の少なくとも一部は、洗浄室を構成する壁面及び洗浄タンクを構成する壁面の少なくとも一方に沿って配置されている。
【0007】
本発明に係る洗浄機では、洗浄水が洗浄噴射孔から洗浄室に噴射される洗浄工程では、所定温度に加熱された洗浄水によって洗浄室が昇温される。これにより、洗浄室の周囲の温度も高くなる。また、洗浄タンクの周囲は、洗浄水によって温度が高くなっている。洗浄機では、濯ぎ配管の少なくとも一部は、洗浄室を構成する壁面及び洗浄タンクを構成する壁面の少なくとも一方に沿って配置されている。そのため、濯ぎ配管を流れる濯ぎ水の温度が低下することを抑制できる。
【0008】
本発明に係る洗浄機では、濯ぎ配管は、金属製の第一固定具によって洗浄室を構成する壁面及び洗浄タンクを構成する壁面の少なくとも一方に固定されていていてもよい。この構成では、金属製の第一固定具を介して、洗浄室を構成する壁面及び洗浄タンクを構成する壁面の少なくとも一方の熱を濯ぎ配管に伝達することができる。そのため、濯ぎ配管を流れる濯ぎ水の温度が低下することを抑制できる。
【0009】
本発明に係る洗浄機では、濯ぎ噴射孔は、洗浄室の上側から洗浄室内に濯ぎ水を噴射する第一濯ぎ噴射孔と、洗浄室の下側から洗浄室内に濯ぎ水を噴射する第二濯ぎ噴射孔と、を有し、濯ぎ配管は、濯ぎポンプに接続されている第一濯ぎ配管と、一端部から第一濯ぎ噴射孔に濯ぎ水を供給すると共に、他端部から第二濯ぎ噴射孔に濯ぎ水を供給する第二濯ぎ配管と、を有し、第一濯ぎ配管と第二濯ぎ配管の他端部側とは、金属製の第二固定具によって洗浄室を構成する壁面及び洗浄タンクを構成する壁面の少なくとも一方に固定されていてもよい。この構成では、第一濯ぎ配管と第二濯ぎ配管の他端部側とが第二固定具によって洗浄室を構成する壁面及び洗浄タンクを構成する壁面の少なくとも一方に固定されるため、濯ぎ配管の振動を抑制できる。また、第二固定具が金属製であるため、第二固定具を介して、洗浄室及び洗浄タンクの少なくとも一方の熱を第一濯ぎ配管及び第二濯ぎ配管に伝達することができる。そのため、濯ぎ配管を流れる濯ぎ水の温度が低下することを抑制できる。
【0010】
本発明に係る洗浄機では、濯ぎ噴射孔は、洗浄室の上側から洗浄室内に濯ぎ水を噴射する第一濯ぎ噴射孔と、洗浄室の下側から洗浄室内に前記濯ぎ水を噴射する第二濯ぎ噴射孔と、を有し、濯ぎ配管は、濯ぎポンプに接続されている第一濯ぎ配管と、一端部から第一濯ぎ噴射孔に濯ぎ水を供給すると共に、他端部から第二濯ぎ噴射孔に濯ぎ水を供給する第二濯ぎ配管と、を有し、第一濯ぎ配管及び第二濯ぎ配管は、互いに所定の間隔をあけて同一方向に延在する延在部分を有し、第一濯ぎ配管及び第二濯ぎ配管の延在部分は、第一濯ぎ配管と第二濯ぎ配管とを連結すると共に延在部分に沿って延在している連結部によって一体化されており、連結部には、当該連結部を固定対象に対して固定する固定部が設けられていてもよい。この構成では、連結部によって第一濯ぎ配管及び第二濯ぎ配管の延在部分が一体化されているため、濯ぎ配管の振動を抑制できる。また、連結部には、固定部が設けられているため、濯ぎ配管を洗浄タンク等の固定対象に固定するための専用の固定具が不要となる。そのため、部品点数を削減できるため、コストの低減を図ることができる。
【0011】
本発明に係る洗浄機では、濯ぎ水を貯留する濯ぎタンクを備え、第一濯ぎ配管は、濯ぎポンプに接続される第一部分と、第一部分に接続されると共に上下方向に延在する第二部分と、第二部分の上端部に接続され、第二濯ぎ配管に接続されると共に第二濯ぎ配管に濯ぎ水を供給する第三部分と、を有し、第三部分は、濯ぎタンクの定水位の位置よりも上方に配置されていてもよい。この構成では、第一濯ぎ配管の第三部分が濯ぎタンクの定水位の位置よりも上方に配置されているため、第三部分に濯ぎ水が残留することを抑制できる。これにより、濯ぎ配管内に温度が低下した濯ぎ水が残留することを抑制できるため、濯ぎポンプから濯ぎ水が供給されて濯ぎ配管を濯ぎ水が流れるときに、濯ぎ水の温度が低下することを抑制できる。
【0012】
本発明に係る洗浄機では、鉛直方向から見たときに第一方向及び第一方向に直交する第二方向に延在する空間を形成し、洗浄タンク、濯ぎタンク、洗浄ポンプ及び濯ぎポンプが配置されると共に、洗浄室の下方に配置される機械室を備え、機械室には、第一方向における一方側に、空間を機械室の外側に開放するカバーが設けられており、機械室に位置し、かつ第一方向の一方側に配置されている第一濯ぎ配管の第三部分に、リンス剤の投入部が設けられていてもよい。この構成では、機械室の第一方向における一方側に設けられたカバーを取り外して機械室を開放した位置に、リンス剤の投入部が設けられている。そのため、リンス剤用のホースを投入部に容易に接続することができる。したがって、作業性の向上が図れる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、濯ぎ水の温度の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して一実施形態に係る食器洗浄機（洗浄機）１００について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、説明の便宜のため、図１において、前後方向（第一方向）、左右方向（第二方向）、及び上下方向をそれぞれ設定した。
【0016】
図１に示されるように、一実施形態に係る食器洗浄機１００は、洗浄室１Ｂの前面にドア部１５が設けられたアンダーカウンタ式の洗浄機である。図１及び図２に示されるように、食器洗浄機１００は、本体部１と、ドア部１５と、洗浄タンク２０と、上側ノズル３と、下側ノズル４と、洗浄ポンプ５と、濯ぎタンク６と、濯ぎポンプ７と、洗剤供給ポンプ８と、リンス剤供給ポンプ９と、コントローラ１０と、を備えている。
【0017】
本体部１は、図示しないフレームと、ステンレス製の外装パネル１１と、内装パネル２と、を含んで形成されている。外装パネル１１は、左右方向における側面を形成する一対の側部パネル１１Ａ，１１Ａと、上部パネル１１Ｂと、上側前部パネル１１Ｃと、下側前部パネル（カバー）１１Ｄと、後部パネル１１Ｅと、を有している。少なくとも、下側前部パネル１１Ｄは、フレームに対して容易に着脱可能に設けられている。本体部１の下部の四隅には、脚部１２が取り付けられている。上側前部パネル１１Ｃには、食器洗浄機１００の各種動作を操作する操作部１３が設けられている。
【0018】
操作部１３は、運転モードや各種設定の入力操作を行う部分である。本実施形態の操作部１３は、液晶画面とこれを覆う強化ガラス（静電スイッチ）とによって構成されている。作業者は、液晶画面を覆う強化ガラスに触れることによって各種操作が可能となっている。なお、操作部１３は、各種ボタンやタッチパネルによって構成されてもよいし、本体部１とは別体のリモコン、操作端末等によって構成されてもよい。
【0019】
本体部１の下部領域には、洗浄タンク２０と、洗浄ポンプ５と、濯ぎタンク６と、濯ぎポンプ７と、洗剤供給ポンプ８と、リンス剤供給ポンプ９と、を収容する機械室１Ａが形成されている。機械室１Ａは、鉛直方向から見たときに前後方向及び左右方向に延在する空間を形成している。本体部１の上部領域には、食器（被洗浄物）Ｄ等がセットされたラックを収容する洗浄室１Ｂが形成されている。洗浄室１Ｂは、洗浄タンク２０の上方の空間であって、内装パネル２によって構成されている。内装パネル２は、主に、一対の側部パネル２Ａ、２Ａと、上部パネル２Ｂと、後部パネル（図示せず）と、を有している。一対の側部パネル２Ａ，２Ａの内面には、ラックを支持するラックレール２３が形成されている。本体部１には、食器Ｄ等がセットされたラックを洗浄室１Ｂに出し入れする開口部１Ｃが形成されている。ラックレール２３は、絞出加工によって側部パネル２Ａ、２Ａと一体的に形成されてもよいし、他の部材を側部パネル２Ａ、２Ａの内面に取り付けることによって形成されてもよい。
【0020】
ドア部１５は、開口部１Ｃの外側に配置されている。ドア部１５は、開口部１Ｃを開閉可能に設けられており、ドア部１５が開けられると、洗浄室１Ｂが本体部１の外部に開放される。ドア部１５は、ドア部１５の下端において左右方向に延在する軸を回転軸として回動可能に設けられている。作業者は、ドア部１５の上端に設けられた取っ手１５Ａを手前に倒すことで、洗浄室１Ｂを開放することができる。
【0021】
洗浄タンク２０は、洗浄室１Ｂの下方に設けられている。洗浄タンク２０は、洗浄室１Ｂに収容された食器Ｄ等の洗浄に用いられる洗浄水を貯留する。洗浄水は、洗浄工程において洗浄室１Ｂに噴射される水である。洗浄タンク２０は、受水部２１と、貯留部２２と、によって構成されている。受水部２１は、機械室１Ａと洗浄室１Ｂとを仕切り、上側ノズル３及び下側ノズル４から噴射され、食器Ｄを洗浄又は濯いだ後に落下してきた水を受け貯留部２２に案内する部分である。受水部２１は、底部２１Ａ（図４参照）と、側部２１Ｂ（図４参照）と、により構成されている。貯留部２２は、洗浄ポンプ５によって上側ノズル３及び下側ノズル４に供給される洗浄水を貯留する部分である。貯留部２２は、底部２２Ａと、側部２２Ｂと、によって構成されている。
※修正しました。
※修正しました。
【0022】
洗浄タンク２０の貯留部２２には、洗浄水検知部２４と、洗浄水ヒータ２５Ａと、洗浄水温度センサ２５Ｂと、が設けられている。
【0023】
洗浄水検知部２４は、洗浄タンク２０に貯留された洗浄水の水位を検知する。洗浄水検知部２４は、例えば、洗浄タンク２０内の水位が定水位Ｈ１を超えている場合にＯＮとなり、定水位Ｈ１以下の場合にＯＦＦとなるスイッチである。洗浄水検知部２４による検知結果は、コントローラ１０によって取得される。後段にて詳述する洗浄ポンプ５は、駆動中に空気を吸い込むと、いわゆるエア噛みを起こして上側ノズル３及び下側ノズル４から洗浄水を噴射できなくなる。一実施形態では、洗浄水検知部２４が運転中にＯＦＦになったときに洗浄ポンプ５の稼働を停止することで、洗浄ポンプ５による空気の吸い込みを防止する。
【0024】
洗浄水ヒータ２５Ａは、殺菌能力及び洗浄能力を向上させるために洗浄タンク２０に貯留された洗浄水を所定温度に加熱する。洗浄水温度センサ２５Ｂは、洗浄タンク２０に貯留された洗浄水の温度を検知する。洗浄水温度センサ２５Ｂによる検知結果は、コントローラ１０によって取得される。洗浄水ヒータ２５ＡにおけるＯＮ・ＯＦＦは、コントローラ１０によって制御される。例えば、洗浄水ヒータ２５Ａは、洗浄水温度センサ２５Ｂが検知する水温に基づいて洗浄水を所定温度に維持するように、コントローラ１０によって制御される。
【0025】
洗浄タンク２０の貯留部２２の底部２２Ａには、円形状の貫通孔２０ｂが形成されている。貫通孔２０ｂは、厚み方向に貫通する複数の長孔が形成された円形の板状部材であって、異物の侵入を防止するポンプガード２６によって覆われている。貫通孔２０ｂは、接続部５０を介して洗浄ポンプ５に接続されている。接続部５０には、貫通孔２０ｂに接続される第一接続孔５０ａと、本体部１の外部に水を排出する排水管２８に接続される排水孔５０ｂと、洗浄ポンプ５に接続される第二接続孔５０ｃと、が形成されている。なお、接続部５０は、洗浄ポンプ５を構成するケーシングの一部として洗浄ポンプ５と一体的に構成されてもよいし、洗浄タンク２０と洗浄ポンプ５と接続する部材として洗浄ポンプ５とは別に設けられてもよい。
【0026】
洗浄タンク２０には、上下方向に延びるオーバーフローパイプ２７が設けられている。オーバーフローパイプ２７は、洗浄タンク２０において所定水位を超えた水をその上端から流入させて洗浄タンク２０の外部に排水し、洗浄タンク２０に貯留される洗浄水の水位を規定する。オーバーフローパイプ２７の下端は貫通孔２０ｂを覆うバーリング加工されたポンプガード２６を通って接続部５０に形成された排水孔５０ｂに着脱可能に差し込まれている。オーバーフローパイプ２７は、その下端が排水孔５０ｂから抜き取られることで、洗浄タンク２０に貯留された洗浄水を、貫通孔２０ｂ及び排水孔５０ｂを介して排出することができる。
【0027】
上側ノズル３は、洗浄室１Ｂの上方に設けられている。上側ノズル３は、洗浄室１Ｂの上方に設けられた上部支持部１６に回転自在に設けられている。上側ノズル３は、上側ノズル３における回転軸の回転中心である基端部から半径方向に沿って先端部まで延在する本体部３０を有している。本体部３０には、洗浄タンク２０に貯留された洗浄水を噴射する洗浄噴射孔３１と、回転中心から洗浄噴射孔３１まで延在すると共に洗浄水が流通する洗浄流路３２と、濯ぎタンク６に貯留された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔（第一濯ぎ噴射孔）３３と、回転中心から濯ぎ噴射孔３３まで延在すると共に濯ぎ水が流通する濯ぎ流路３４と、が一体的に形成されている。上側ノズル３は、洗浄流路３２に発生する洗浄水の流れ又は濯ぎ流路３４に発生する濯ぎ水の流れが回転力に変換されることによって回転する。上側ノズル３には、洗浄流路３２に洗浄水を供給する上側洗浄配管５８及び濯ぎ流路３４に濯ぎ水を供給する上側濯ぎ配管７８Ａが接続されている。
【0028】
下側ノズル４は、洗浄室１Ｂの下方に設けられている。下側ノズル４は、洗浄室１Ｂの下方に設けられた下部支持部１７に回転自在に設けられている。下側ノズル４は、下側ノズル４における回転軸の回転中心である基端部から半径方向に沿って先端部まで延在する本体部４０を有している。本体部４０には、洗浄タンク２０に貯留された洗浄水を噴射する洗浄噴射孔４１と、回転中心から洗浄噴射孔４１まで延在すると共に洗浄水が流通する洗浄流路４２と、濯ぎタンク６に貯留された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔（第二濯ぎ噴射孔）４３と、回転中心から濯ぎ噴射孔４３まで延在すると共に濯ぎ水が流通する濯ぎ流路４４と、が一体的に形成されている。下側ノズル４は、洗浄流路４２に発生する洗浄水の流れ又は濯ぎ流路４４に発生する濯ぎ水の流れが回転力に変換されることによって回転する。下側ノズル４には、洗浄流路４２に洗浄水を供給する下側洗浄配管５９及び濯ぎ流路４４に濯ぎ水を供給する下側濯ぎ配管７８Ｂが接続されている。
【0029】
食器ラックに並べられた食器Ｄは、洗浄工程において上側ノズル３及び下側ノズル４によって洗浄水が噴射され、濯ぎ工程において上側ノズル３及び下側ノズル４によって濯ぎ水が噴射される。
【0030】
洗浄ポンプ５は、機械室１Ａに配置されている。洗浄ポンプ５は、機械室１Ａにおいて、洗浄タンク２０の貯留部２２に対して右側、かつ前後方向における後側に配置されている。洗浄ポンプ５は、左右方向において、貯留部２２と濯ぎタンク６との間に配置されている。洗浄ポンプ５は、食器Ｄ等を収容する洗浄室１Ｂに洗浄タンク２０に貯留された洗浄水を送り出す。洗浄ポンプ５は、洗浄タンク２０の洗浄水を取り込み、上側ノズル３及び下側ノズル４に洗浄水を送り出す。洗浄ポンプ５の第一供給部５１Ａには、上側洗浄配管５８が接続されている。上側洗浄配管５８は、上側ノズル３に接続されている。洗浄ポンプ５の第二供給部５１Ｂには、下側洗浄配管５９が接続されている。下側洗浄配管５９は、下側ノズル４に接続されている。
【0031】
濯ぎタンク６は、機械室１Ａに配置されている。濯ぎタンク６は、機械室１Ａにおいて、洗浄タンク２０の貯留部２２（洗浄ポンプ５）に対して右側、かつ前後方向における後側に配置されている。濯ぎタンク６は、濯ぎポンプ７に対して前後方向に一列になるように配置されている。濯ぎタンク６は、食器Ｄ等の濯ぎに用いられる濯ぎ水を貯留する。濯ぎ水は、初期給湯工程や濯ぎ工程において洗浄室１Ｂに噴射される水である。濯ぎタンク６には、外部の水源から給水管６０を介して水が供給される。給水管６０には、ストレーナ６０Ａが設けられている。給水管６０におけるストレーナ６０Ａの下流側には、バルブ６０Ｂが設けられている。
【0032】
濯ぎタンク６には、濯ぎ水検知部６２と、オーバーフロー部６３と、濯ぎ水ヒータ６４Ａと、濯ぎ水温度センサ６４Ｂと、が設けられている。
【0033】
濯ぎ水検知部６２は、濯ぎタンク６に貯留された水が、定水位Ｈ２にあることを検知するスイッチである。濯ぎ水検知部６２の検知結果は、コントローラ１０によって取得される。バルブ６０Ｂは、コントローラ１０によって制御されている。例えば、コントローラ１０は、濯ぎ水検知部６２における定水位Ｈ２の検知と連動して弁を開閉し、濯ぎタンク６に貯留される濯ぎ水の水位を一定に維持するように、バルブ６０Ｂを制御する。
【0034】
オーバーフロー部６３は、濯ぎタンク６において満水位を超えた水を排出する。濯ぎタンク６は、密閉型のタンクであり、例えば、バルブ６０Ｂが閉弁異常となったときに満水位を超える。濯ぎ水ヒータ６４Ａは、殺菌能力及び濯ぎ能力を向上させるために濯ぎタンク６に貯留された濯ぎ水を所定温度に加熱する。濯ぎ水温度センサ６４Ｂは、濯ぎ水の温度を検知する。濯ぎ水温度センサ６４Ｂによる検知結果は、コントローラ１０によって取得される。濯ぎ水ヒータ６４ＡにおけるＯＮ・ＯＦＦは、コントローラ１０によって制御される。例えば、濯ぎ水ヒータ６４Ａは、濯ぎ水温度センサ６４Ｂが検知する水温に基づいて濯ぎ水を所定温度に維持するように、コントローラ１０によって制御される。
【0035】
濯ぎポンプ７は、機械室１Ａに配置されている。濯ぎポンプ７は、機械室１Ａにおいて、洗浄タンク２０の貯留部２２に対して右側、かつ前後方向における前側に配置されている。濯ぎポンプ７、濯ぎタンク６に対して前後方向に一列になるように配置されている。濯ぎポンプ７は、食器Ｄ等を収容する洗浄室１Ｂに濯ぎタンク６に貯留された濯ぎ水を送り出す。濯ぎポンプ７は、濯ぎタンク６の濯ぎ水を取り込み、上側ノズル３及び下側ノズル４に濯ぎ水を送り出す。濯ぎポンプ７の吐出口には、第一濯ぎ配管７７を介して上側濯ぎ配管（第二濯ぎ配管）７８Ａと下側濯ぎ配管（第二濯ぎ配管）７８Ｂとが接続されている。上側濯ぎ配管７８Ａは、上側ノズル３に接続されている。下側濯ぎ配管７８Ｂは、下側ノズル４に接続されている。
【0036】
洗剤供給ポンプ８は、機械室１Ａに配置されている。洗剤供給ポンプ８は、洗剤タンク８Ａ内に貯留された洗剤を配管８Ｂを介して洗浄室１Ｂに供給する。洗浄室１Ｂ内に吐出された洗剤は、洗浄タンク２０内に流れ込み、洗浄水と混じり合う。リンス剤供給ポンプ９は、機械室１Ａに配置されている。リンス剤供給ポンプ９は、リンス剤タンク９Ａに貯留されたリンス剤を配管９Ｂを介して第一濯ぎ配管７７に供給する。第一濯ぎ配管７７に供給されたリンス剤は、濯ぎ水と混じり合い、上側ノズル３及び下側ノズル４を介して洗浄室１Ｂに供給される。
【0037】
コントローラ１０は、本体部１における上部パネル１１Ｂと洗浄室１Ｂを構成する上部パネル２Ｂとの間に配置されている。コントローラ１０は、食器洗浄機１００における動作全般を制御する。コントローラ１０は、集積回路に実装されたコンピュータシステムあるいはプロセッサである。コントローラ１０は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）及び入出力インターフェース等から構成される。ＲＯＭには、各種プログラム又はデータが格納されている。
【0038】
続いて、上側洗浄配管５８について説明する。本実施形態では、上側洗浄配管５８は、樹脂で形成されている。上側洗浄配管５８は、洗浄タンク２０の貯留部２２の底部２２Ａの下方に配置されていると共に、洗浄タンク２０及び側部パネル２Ａに沿って配置されている。具体的には、上記のように洗浄ポンプ５は洗浄タンク２０の貯留部２２に対して右側に配置されており、洗浄ポンプ５から延在する上側洗浄配管５８は、貯留部２２の下方において左右方向に延在し、機械室１Ａの左側において立ち上がって、受水部２１の側部２１Ｂ、貯留部２２の側部２２Ｂ及び側部パネル２Ａに沿うように上下方向に延在している。図３に示されるように、上側洗浄配管５８は、受水部２１の側部２１Ｂ、貯留部２２の側部２２Ｂ及び側部パネル２Ａに沿って配置されている部分（上下方向に延在している部分）において、偏平形状を呈している。上側洗浄配管５８は、固定ブラケット５８Ａによって、受水部２１の側部２１Ｂに固定されている。固定ブラケット５８Ａは、金属で形成されている。なお、固定ブラケット５８Ａは、貯留部２２の側部２２Ｂ及び／又は側部パネル２Ａに固定されていてもよい。
【0039】
続いて、第一濯ぎ配管７７、上側濯ぎ配管７８Ａ及び下側濯ぎ配管７８Ｂについて、詳細に説明する。本実施形態では、第一濯ぎ配管７７、上側濯ぎ配管７８Ａ及び下側濯ぎ配管７８Ｂは、樹脂で形成されている。上側濯ぎ配管７８Ａ及び下側濯ぎ配管７８Ｂは、一本の第二濯ぎ配管７８によって構成されている。第二濯ぎ配管７８の一端部側は、上側濯ぎ配管７８Ａを構成している。第二濯ぎ配管７８の他端部側は、下側濯ぎ配管７８Ｂを構成している。すなわち、第二濯ぎ配管７８は、一端部から濯ぎ噴射孔３３に濯ぎ水を供給すると共に、他端部から濯ぎ噴射孔４３に濯ぎ水を供給する。
【0040】
第一濯ぎ配管７７は、一端部が濯ぎポンプ７に接続されていると共に他端部から濯ぎ水を第二濯ぎ配管７８に供給する。図３及び図４に示されるように、第一濯ぎ配管７７は、濯ぎポンプ７に接続される第一部分７７ａと、第一部分７７ａに接続されると共に上下方向に延在する第二部分７７ｂと、第二部分７７ｂの上端部に接続され、第二濯ぎ配管７８に接続されると共に第二濯ぎ配管７８に濯ぎ水を供給する第三部分７７ｃと、を有している。
【0041】
図４に示されるように、第一部分７７ａは、濯ぎポンプ７に接続される一端部を構成している。第一部分７７ａは、濯ぎポンプ７において左側を向く吐出口に接続されている。第一部分７７ａは、洗浄タンク２０の貯留部２２に対して右側に位置し、かつ前側に配置されている。第一部分７７ａは、左右方向に延在している。第二部分７７ｂは、機械室１Ａにおいて貯留部２２に対して右側に位置し且つ前側に配置されている。
【0042】
第三部分７７ｃは、第二濯ぎ配管７８に接続される他端部を構成している。第三部分７７ｃは、貯留部２２の前側の側部２２Ｂの前方に配置されると共に、貯留部２２の左側において後側に向かって屈曲している。第三部分７７ｃは、図３に示されるように、貯留部２２の左側の側部２２Ｂに沿って前後方向に延在し、機械室１Ａの前後方向の中央部付近で立ち上がって、受水部２１の側部２１Ｂ及び側部パネル２Ａに沿うように上下方向に延在している。
【0043】
図４に示されるように、第三部分７７ｃにおいて、機械室１Ａに位置し、かつ前後方向の前側（貯留部２２の前側の側部２２Ｂの前方）に配置されている部分には、リンス剤供給ポンプ９から供給されたリンス剤の投入部７７ｄが設けられている。投入部７７ｄには、配管９Ｂが接続される。図６に示されるように、第三部分７７ｃは、濯ぎタンク６の定水位Ｈ２よりも上方に配置されている。
【0044】
図３及び図５に示されるように、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８は、互いに所定の間隔をあけて同一方向に延在する延在部分を有する。第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８の延在部分は、第一濯ぎ配管７７と第二濯ぎ配管７８とを連結すると共に延在部分に沿って延在している連結部７０によって一体化されている。本実施形態では、連結部７０は、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃにおいて上下方向に延在する部分と、第二濯ぎ配管７８において上下方向において延在する部分とを連結している。連結部７０は、板状部材である。連結部７０には、連結部７０を固定対象に対して固定する固定部７２が設けられている。本実施形態では、固定部７２は、連結部７０を受水部２１の側部２１Ｂに対して固定する。図５に示されるように、固定部７２には、ボルトＢを挿通する挿通孔７２ａが設けられている。図３に示されるように、固定部７２は、ボルトＢによって側部２１Ｂに固定される。なお、固定部７２は、側部パネル２Ａに固定されてもよい。
【0045】
第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃは、第二濯ぎ配管７８の上記延在部分において、第二濯ぎ配管７８の側部に接続されている。この構成により、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃから供給された洗浄水は、上側濯ぎ配管７８Ａ及び下側濯ぎ配管７８Ｂに分岐して流れる。第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃにおいて、第二濯ぎ配管７８に接続される端部（上端部）は、上側に凸となる湾曲形状を呈している。第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃと第二濯ぎ配管７８との接続部分７７ｅは、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃを流れる濯ぎ水の最高水位の位置よりも下方に位置している。また、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃと第二濯ぎ配管７８との接続部分７７ｅは、下側ノズル４の濯ぎ噴射孔４３よりも上方に位置している。第二濯ぎ配管７８は、第一濯ぎ配管７７との接続部分７７ｅを境界として、上側濯ぎ配管７８Ａと下側濯ぎ配管７８Ｂとに区画される。
【0046】
図３に示されるように、下側濯ぎ配管７８Ｂは、側部パネル２Ａと受水部２１の左側の側部２１Ｂと貯留部２２の左側の側部２２Ｂとにわたって両方に沿うように上下方向に延在し、その下端において屈曲して、洗浄タンク２０の左側の側部２２Ｂに沿って前後方向に延在している。図４に示されるように、下側濯ぎ配管７８Ｂは、貯留部２２の前側まで延在し、貯留部２２の前側において左側に向かって屈曲している。下側濯ぎ配管７８Ｂは、貯留部２２の前側の側部２２Ｂに沿って左右方向に延在し、貯留部２２の右側において後側に向かって屈曲している。
【0047】
図３及び図４に示されるように、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８の少なくとも一部は、洗浄室１Ｂを構成する壁面及び洗浄タンク２０を構成する壁面の少なくとも一方に沿って配置されている。本実施形態では、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃは、側部パネル２Ａの外面及び洗浄タンク２０の外面（受水部２１の側部２１Ｂ、貯留部２２の側部２２Ｂ）に沿って配置されている。第二濯ぎ配管７８は、側部パネル２Ａの外面、上部パネル２Ｂの外面、及び、洗浄タンク２０の外面（受水部２１の側部２１Ｂ、貯留部２２の側部２２Ｂ）に沿って配置されている。第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８の少なくとも一部は、洗浄室１Ｂを構成する壁面及び洗浄タンク２０を構成する壁面の少なくとも一方の周囲に配置されているとも言える。
【0048】
本実施形態において、外面に沿って配置されているとは、外面に接触しておらず、外面と間隔をあけて配置されていることを意味する。当該間隔（外面と第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８との間の距離）は、側部パネル２Ａ及び上部パネル２Ｂを介して放出される洗浄室１Ｂ内の蒸気の熱、及び、側部２２Ｂを介して放出される洗浄タンク２０内の洗浄水の熱を、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８が受けることができるように設定される。ここで、上記間隔は、固定部７２から離れた位置に配置される第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８において、濯ぎポンプ７の駆動によって微振動が生じた場合、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８が側部パネル２Ａ、上部パネル２Ｂ又は側部２２Ｂに接触して音が発生しないように設定することが好ましい。
【0049】
なお、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８は、上記外面に接触していてもよい。この構成では、側部パネル２Ａ及び上部パネル２Ｂを介して放出される洗浄室１Ｂ内の蒸気の熱、及び、側部２２Ｂを介して放出される洗浄タンク２０内の洗浄水の熱を、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８において直接受けることができる。第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８を外面に接触させる構成では、濯ぎポンプ７の駆動によって第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８に微振動が生じた場合であっても音が発生しないように、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８を側部パネル２Ａ、上部パネル２Ｂ及び／又は側部２２Ｂに対して強固に固定する。
【0050】
続いて、本実施形態の食器洗浄機１００の作用効果について説明する。上記実施形態の食器洗浄機１００では、洗浄水が洗浄噴射孔３１，４１から洗浄室１Ｂに噴射される洗浄工程では、所定温度に加熱された洗浄水によって洗浄室１Ｂが昇温される。これにより、洗浄室１Ｂの周囲の温度も高くなる。また、洗浄タンク２０（貯留部２２）の周囲は、洗浄水によって温度が高くなっている。食器洗浄機１００では、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８の少なくとも一部は、洗浄室１Ｂを構成する壁面及び洗浄タンク２０を構成する壁面の少なくとも一方に沿って配置されている。そのため、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８を流れる濯ぎ水の温度が低下することを抑制できる。
【0051】
本実施形態に係る食器洗浄機１００では、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃの一部は、洗浄タンク２０の側部２２Ｂに沿って配置されている。これにより、食器洗浄機１００では、洗浄待機中も、洗浄タンク２０の洗浄水によって第三部分７７ｃの一部が保温される。そのため、食器洗浄機１００では、洗浄が再開（開始）されたときに、保温されている第三部分７７ｃを濯ぎ水が通過するため、濯ぎ水の温度が低下することを抑制できる。
【0052】
通常、濯ぎ配管は、濯ぎポンプから上側ノズル及び下側ノズルに直行するように（最短の経路となるように）設けられる。食器洗浄機１００では、第一濯ぎ配管７７は、洗浄タンク２０の貯留部２２の側部２２Ｂとの対向面積が大きくなるように、貯留部２２の周囲に迂回するように配置されている。これにより、食器洗浄機１００では、洗浄タンク２０の周囲の熱を第一濯ぎ配管７７で吸収できるため、濯ぎ水の温度が低下することを抑制できると共に、洗浄タンク２０から食器洗浄機１００の機外（厨房環境等）に洗浄タンク２０の熱が放出されることを抑制できる。
【0053】
本実施形態に係る食器洗浄機１００では、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８は、互いに所定の間隔をあけて同一方向に延在する延在部分を有する。第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８の延在部分は、第一濯ぎ配管７７と第二濯ぎ配管７８とを連結すると共に延在部分に沿って延在している連結部７０によって一体化されている。連結部７０には、連結部７０を固定対象に対して固定する固定部７２が設けられている。この構成では、連結部７０によって第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８の延在部分が一体化されているため、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８の振動を抑制できる。また、連結部７０には、固定部７２が設けられているため、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８を洗浄タンク２０等の固定対象に固定するための専用の固定具が不要となる。そのため、部品点数を削減できるため、コストの低減を図ることができる。
【0054】
本実施形態に係る食器洗浄機１００では、第一濯ぎ配管７７は、濯ぎポンプ７に接続される第一部分７７ａと、第一部分７７ａに接続されると共に上下方向に延在する第二部分７７ｂと、第二部分７７ｂの上端部に接続され、第二濯ぎ配管７８に接続されると共に第二濯ぎ配管７８に濯ぎ水を供給する第三部分７７ｃと、を有する。第三部分７７ｃは、濯ぎタンク６の定水位Ｈ２よりも上方に配置されている。この構成では、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃが濯ぎタンクの定水位Ｈ２よりも上方に配置されているため、第三部分７７ｃに濯ぎ水が残留することを抑制できる。これにより、第一濯ぎ配管７７内に温度が低下した濯ぎ水が残留することを抑制できるため、濯ぎポンプ７から濯ぎ水が供給されて第一濯ぎ配管７７を濯ぎ水が流れるときに、濯ぎ水の温度が低下することを抑制できる。
【0055】
本実施形態に係る食器洗浄機１００では、洗浄タンク２０、濯ぎタンク６、洗浄ポンプ５及び濯ぎポンプ７が配置されると共に、洗浄室１Ｂの下方に配置される機械室１Ａを備える。機械室１Ａには、前後方向における前側に、空間を機械室１Ａの外側に開放する下側前部パネル１１Ｄが設けられている。機械室１Ａに位置し、かつ前後方向の前側に配置されている第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃに、リンス剤の投入部７７ｄが設けられている。この構成では、機械室１Ａの前後方向における前側に設けられた下側前部パネル１１Ｄを取り外して機械室１Ａを開放した位置に、リンス剤の投入部７７ｄが設けられている。そのため、リンス剤用の配管９Ｂを投入部７７ｄに容易に接続することができる。したがって、作業性の向上が図れる。
【0056】
本実施形態に係る食器洗浄機１００では、上側洗浄配管５８は、洗浄タンク２０の受水部２１の側部２１Ｂ、貯留部２２の側部２２Ｂ及び側部パネル２Ａに沿って配置されている部分（上下方向に延在している部分）において、偏平形状を呈している。この構成では、上側洗浄配管５８が洗浄タンク２０の受水部２１の側部２１Ｂ、貯留部２２の側部２２Ｂ及び側部パネル２Ａと対向する面積が大きくなる。そのため、上側洗浄配管５８を流れる洗浄水の温度が低下することを抑制できる。
【0057】
本実施形態に係る食器洗浄機１００では、上側洗浄配管５８は、固定ブラケット５８Ａによって、洗浄タンク２０の側部２２Ｂ及び側部パネル２Ａに固定されている。固定ブラケット５８Ａは、金属で形成されている。この構成では、金属製の固定ブラケット５８Ａを介して、洗浄室１Ｂ及び／又は洗浄タンク２０の熱を上側洗浄配管５８に伝達することができる。そのため、上側洗浄配管５８を流れる洗浄水の温度が低下することを抑制できる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0059】
上記実施形態では、第一濯ぎ配管７７と第二濯ぎ配管７８とが連結部７０によって連結されており、連結部７０の固定部７２によって、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８が受水部２１の側部２１Ｂに固定される形態を一例に説明した。しかし、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８の固定方法はこれに限定されない。図７に示されるように、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８は、固定ブラケット（第一固定具）８０によって側部パネル２Ａ、洗浄タンク２０の受水部２１の側部２１Ｂ、及び、洗浄タンク２０の貯留部２２の側部２２Ｂの少なくとも一つに固定されてもよい。
【0060】
固定ブラケット８０は、金属で形成されている。固定ブラケット８０は、保持部８０Ａと、固定部８０Ｂと、を有している。保持部８０Ａは、例えば、断面がコの字形状（チャンネル構造）を呈している。固定部８０Ｂは、保持部８０Ａから外側に張り出すフランジである。固定ブラケット８０は、保持部８０Ａによって第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８を保持し、固定部８０Ｂによって第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８を洗浄タンク２０の受水部２１の側部２１Ｂ、及び、洗浄タンク２０の貯留部２２の側部２２Ｂの少なくとも一つに対して固定される。この構成では、金属製の固定ブラケット８０を介して、洗浄室１Ｂ及び／又は洗浄タンク２０の熱を第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８に伝達することができる。そのため、第一濯ぎ配管７７及び第二濯ぎ配管７８を流れる濯ぎ水の温度が低下することを抑制できる。
【0061】
上記実施形態に加えて、図８に示されるように、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃ及び下側濯ぎ配管７８Ｂは、固定ブラケット（第二固定具）８１によって、洗浄タンク２０の前側の側部２２Ｂに固定されてもよい。固定ブラケット８１は、保持部８１Ａと、固定部８０Ｂと、を有している。保持部８１Ａは、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃ及び下側濯ぎ配管７８Ｂの外形に対応する形状を呈しており、例えば、断面が半円弧形状を呈している。固定部８１Ｂは、保持部８１Ａから外側に張り出すフランジである。固定ブラケット８１は、保持部８１Ａによって第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃ及び下側濯ぎ配管７８Ｂを保持し、固定部８０Ｂによって洗浄タンク２０の貯留部２２の側部２２Ｂに対して固定される。
【0062】
この構成では、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃと下側濯ぎ配管７８Ｂとが固定ブラケット８１によって洗浄タンク２０の側部２２Ｂに固定されるため、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃ及び下側濯ぎ配管７８Ｂの振動を抑制できる。また、固定ブラケット８１が金属製であるため、固定ブラケット８１を介して、洗浄室１Ｂの熱を第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃ及び下側濯ぎ配管７８Ｂに伝達することができる。そのため、第一濯ぎ配管７７の第三部分７７ｃ及び下側濯ぎ配管７８Ｂを流れる濯ぎ水の温度が低下することを抑制できる。なお、固定ブラケット８１は、洗浄タンク２０に固定されてもよい。
【0063】
＜その他の変形例＞
上記実施形態及び変形例では、ラックレール２３は、絞出加工によって側部パネル２Ａと一体的に形成された例を挙げて説明したが、ラックレール２３は、他の部材を側部パネル２Ａの内面に取り付けることによって形成されてもよい。
上記実施形態及び変形例では、ラックレール２３は、絞出加工によって側部パネル２Ａと一体的に形成された例を挙げて説明したが、ラックレール２３は、他の部材を側部パネル２Ａの内面に取り付けることによって形成されてもよい。
【0064】
上記実施形態及び変形例では、本体部１の機械室１Ａに内蔵される濯ぎタンク６から上側ノズル３及び下側ノズル４に濯ぎ水が供給される構成の食器洗浄機１００を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、食器洗浄機１００の本体部１の外側に設けられると共に、ガス又は電気等の加熱源によって濯ぎタンクに貯留された水が加熱されるガスブースタ又は電気ブースタから上側ノズル３及び下側ノズル４に濯ぎ水が供給される構成の食器洗浄機に適用されてもよい。
【0065】
本願発明は、上記実施形態及びその他の変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0066】
１Ａ…機械室、１Ｂ…洗浄室、５…洗浄ポンプ、６…濯ぎタンク、７…濯ぎポンプ、１１Ｄ…下側前部パネル（カバー）、２０…洗浄タンク、２１…受水部（洗浄タンク）、２２…貯留部（洗浄タンク）、３１，４１…洗浄噴射孔、３３…濯ぎ噴射孔（第一濯ぎ噴射孔）、４３…濯ぎ噴射孔（第二濯ぎ噴射孔）、７０…連結部、７２…固定部、７７…第一濯ぎ配管、７７ａ…第一部分、７７ｂ…第二部分、７７ｃ…第三部分、７７ｄ…投入部、７８…第二濯ぎ配管、７８Ａ…上側濯ぎ配管（第二濯ぎ配管）、７８Ｂ…下側濯ぎ配管（第二濯ぎ配管）、１００…食器洗浄機（洗浄機）、Ｄ…食器（被洗浄物）、Ｈ２…定水位。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】