(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069071
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
A47L 15/42 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
A47L15/42 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180671
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】今岡 俊太
(72)【発明者】
【氏名】久保田 淳
(72)【発明者】
【氏名】兒玉 光司
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082BD01
3B082BD04
(57)【要約】
【課題】洗浄タンク及び濯ぎタンクの長手方向が機械室の第一方向となるように配置すると共に、洗浄タンクと濯ぎタンクとを第二方向に並べる構成において、機械室の第一方向における一方側からの濯ぎタンク及び濯ぎポンプのメンテナンス性を確保することができる洗浄機を提供する。
【解決手段】食器洗浄機100は、洗浄タンク20と、洗浄ポンプ5と、濯ぎタンク6と、濯ぎポンプ7と、鉛直方向から見たときに前後方向及び左右方向に延在する空間を形成し、洗浄室1Bの下方に配置される機械室1Aと、を備える。洗浄タンク20及び濯ぎタンク6は、前後方向が長手方向となるように配置されると共に、左右方向に並ぶように機械室1Aに配置されており、濯ぎポンプ7は、機械室1Aに着脱可能な濯ぎタンク6に対して前後方向における前側、かつ濯ぎタンク6に対して前後方向に一列となるように機械室1Aに着脱可能に配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄物の洗浄に用いられる洗浄水を貯留する洗浄タンクと、
前記被洗浄物を収容する洗浄室に前記洗浄水を送り出す洗浄ポンプと、
前記被洗浄物の濯ぎに用いられる濯ぎ水を貯留する濯ぎタンクと、
前記濯ぎ水を前記洗浄室に送り出す濯ぎポンプと、
鉛直方向から見たときに第一方向及び前記第一方向に直交する第二方向に延在する空間を形成し、前記洗浄室の下方に配置される機械室と、を備え、
前記洗浄タンク及び前記濯ぎタンクは、前記第一方向が長手方向となるように配置されると共に、前記第二方向に並ぶように前記機械室に配置されており、
前記濯ぎポンプは、前記機械室に着脱可能な前記濯ぎタンクに対して前記第一方向における一方側、かつ前記濯ぎタンクに対して前記第一方向に一列となるように前記機械室に着脱可能に配置されている、洗浄機。
【請求項2】
前記機械室には、前記第一方向における一方側に、前記空間を前記機械室の外側に開放するカバーが設けられている、請求項1記載の洗浄機。
【請求項3】
前記濯ぎタンクは、前記機械室の底部との間に隙間を介して配置されている、請求項1又は2記載の洗浄機。
【請求項4】
前記濯ぎタンクにおいて、前記濯ぎポンプに接続される接続口は、前記濯ぎタンクの底部に形成されている、請求項3記載の洗浄機。
【請求項5】
前記濯ぎタンクの接続口には、前記濯ぎポンプに連通する第一流路と、前記濯ぎタンクに貯留された水を外部に排出する第二流路とに分岐する分岐部が設けられている、請求項4記載の洗浄機。
【請求項6】
前記濯ぎポンプは、前記第一方向の他方側に向かって開口する接続部を有し、
前記濯ぎタンクには、前記濯ぎタンクの接続口を基端として前記第一方向における一方側に向かって先端まで延在すると共に、前記第一方向の一方側に向かって開口する流路部材が設けられており、
前記接続部と前記流路部材の先端とは着脱自在に接続されている、請求項1~5の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項7】
前記機械室の底部の内面に設けられると共に前記濯ぎタンクを下方から支持する第一濯ぎタンク固定部を更に備え、
前記第一濯ぎタンク固定部は、鉛直方向に延在する一対の第一延在部と、前記第二方向に延在すると共に前記一対の第一延在部の一端部同士を連結する第一連結部と、前記一対の前記第一延在部の他端部にそれぞれ設けられた一対の第一固定部と、を有し、
前記第一連結部は、前記濯ぎタンクを下方から支持し、
前記一対の第一固定部は、前記機械室の底部の内面に固定されている、請求項1~6の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項8】
前記濯ぎタンクの底部の外面には、前記第一方向に延在すると共に、前記濯ぎタンクの底部の外面との間で前記第一連結部を挟み込む挟込部が形成されており、
前記挟込部は、前記第一濯ぎタンク固定部に対して前記第一方向の一方側から他方側に移動させたときに、前記第一連結部を挟み込むように形成されている、請求項7記載の洗浄機。
【請求項9】
前記第一濯ぎタンク固定部とは別の部材であって、前記機械室の底部の内面に設けられると共に前記濯ぎタンクを下方から支持する第二濯ぎタンク固定部を更に備え、
前記第二濯ぎタンク固定部は、鉛直方向に延在する一対の第二延在部と、前記第二方向に延在すると共に前記一対の第二延在部の一端部同士を連結する第二連結部と、前記一対の前記第二延在部の他端部にそれぞれ設けられた一対の第二固定部と、を有し、
前記一対の第二固定部のそれぞれは、前記濯ぎタンクの底部の外面に固定されており、
前記第二連結部は、前記機械室の底部の内面に載置されている、請求項7又は8記載の洗浄機。
【請求項10】
前記濯ぎタンクに接続された状態の前記濯ぎポンプを前記機械室の底部の内面に固定する濯ぎポンプ固定部を更に備え、
前記濯ぎポンプ固定部は、前記機械室の底部の内面に着脱可能に設けられている、請求項6~9の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項11】
前記濯ぎタンクに着脱自在に設けられると共に前記濯ぎタンクへの水の供給の有無を切り替える濯ぎバルブと、
前記濯ぎバルブを支持する濯ぎバルブ支持部と、
前記濯ぎタンクに設けられると共に、前記濯ぎバルブ支持部を着脱可能に取り付ける濯ぎバルブ取付部と、を更に備え、
前記濯ぎバルブを支持した状態の前記濯ぎバルブ支持部は、第一方向における一方側から螺合されるネジによって前記濯ぎバルブ取付部に着脱可能に取り付けられている、請求項1~10の何れか一項記載の洗浄機。
【請求項12】
前記濯ぎタンクには、所定貯水量を越えた水が排出される排出部が形成されており、
前記排出部は、前記濯ぎタンクにおいて前記第一方向における一方側を構成する面に形成されている、請求項1~11の何れか一項記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器等の被洗浄物の洗浄を行う洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄タンクに貯留された洗浄水を洗浄室内に収容された食器に噴射して洗浄を行い、濯ぎタンク内に貯留された濯ぎ水を食器に噴射して濯ぎを行う洗浄機(食器洗浄機)が知られている。例えば、特許文献1には、第一方向と第一方向に直交する第二方向とに延在する機械室において、濯ぎタンクは第一方向を長手方向とし、洗浄タンクは第二方向を長手方向とするように配置されている洗浄機が開示されている。特許文献1の洗浄機では、洗浄タンクの第一方向における一方側に濯ぎポンプが配置されており、濯ぎポンプ及び濯ぎタンクが機械室に対して着脱自在に構成されている。このような構成の洗浄機では、機械室の第一方向における一方側からの濯ぎポンプ及び濯ぎタンクの着脱が容易であった。このため、機械室の第一方向における一方側からの濯ぎポンプ及び濯ぎタンクのメンテナンス性に優れていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような洗浄機において、洗浄タンクも濯ぎタンクの延在方向と同じ方向(第一方向)に配置したい場合がある。しかしながら、この場合、洗浄タンクが第一方向の一方側に延びてくるので、従来のように、洗浄タンクの第一方向における一方側に濯ぎポンプを配置することは困難となる。このため、濯ぎポンプ及び濯ぎタンクのメンテナンス性が確保できないことが問題となる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、洗浄タンク及び濯ぎタンクの長手方向が機械室の第一方向となるように配置すると共に、洗浄タンクと濯ぎタンクとを第二方向に並べる構成において、機械室の第一方向における一方側からの濯ぎタンク及び濯ぎポンプのメンテナンス性を確保することができる洗浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の洗浄機は、被洗浄物の洗浄に用いられる洗浄水を貯留する洗浄タンクと、被洗浄物を収容する洗浄室に洗浄水を送り出す洗浄ポンプと、被洗浄物の濯ぎに用いられる濯ぎ水を貯留する濯ぎタンクと、濯ぎ水を洗浄室に送り出す濯ぎポンプと、鉛直方向から見たときに第一方向及び第一方向に直交する第二方向に延在する空間を形成し、洗浄室の下方に配置される機械室と、を備え、洗浄タンク及び濯ぎタンクは、第一方向が長手方向となるように配置されると共に、第二方向に並ぶように機械室に配置されており、濯ぎポンプは、機械室に着脱可能な濯ぎタンクに対して第一方向における一方側、かつ濯ぎタンクに対して第一方向に一列となるように機械室に着脱可能に配置されている。
【0007】
この構成の洗浄機では、メンテナンスをしたい部材同士、すなわち濯ぎタンクと濯ぎポンプとが第一方向に一列に並べて配置されているので、第一方向における一方側から濯ぎポンプを取り出せば、濯ぎタンクも第一方向における一方側から取り出すことができる。また、一般的に濯ぎタンクに比べてサイズの小さな濯ぎポンプが、濯ぎタンクに対して第一方向における一方側に配置されているので、濯ぎポンプを取り外した後に、第一方向における一方側から濯ぎタンクにアクセスし易い。これらの結果、洗浄タンク及び濯ぎタンクの長手方向が機械室の第一方向となるように配置すると共に、洗浄タンクと濯ぎタンクとを第二方向に並べる構成において、機械室の第一方向における一方側からの濯ぎタンク及び濯ぎポンプのメンテナンス性を確保することができる。
【0008】
本発明の洗浄機では、機械室には、第一方向における一方側に、上記空間を機械室の外側に開放するカバーが設けられていてもよい。この構成では、機械室の第一方向における一方側に設けられたカバーを取り外して機械室を開放し、当該開放した部分から濯ぎポンプ及び濯ぎタンクを取り出したり、取り付けたりすることができる。すなわち、濯ぎタンク及び濯ぎポンプの着脱を容易化できる。
【0009】
本発明の洗浄機では、濯ぎタンクは、機械室の底部との間に隙間を介して配置されていてもよい。この構成では、機械室の底部と濯ぎタンクとの間に形成される隙間に、例えば、配線等を配置することができる。
【0010】
本発明の洗浄機では、濯ぎタンクにおいて濯ぎポンプに接続される接続口は、濯ぎタンクの底部に形成されてもよい。この構成では、濯ぎタンクに貯留された水をほぼ全てを被洗浄物の濯ぎに使用できるようになり、濯ぎタンクにおける有効水量を確保できる。また、この構成では、接続口に接続される流路を、濯ぎタンクと機械室の底部との間の隙間に配置することで、上記隙間を有効に活用することができる。
【0011】
本発明の洗浄機では、濯ぎタンクの接続口には、濯ぎポンプに連通する第一流路と、濯ぎタンクに貯留された水を外部に排出する第二流路とに分岐する分岐部が設けられていてもよい。この構成では、濯ぎタンクの底部に形成されている接続口を介して濯ぎタンクに貯留された水を排出するので、濯ぎタンクに貯留された水のほぼ全てを排出することができる。
【0012】
本発明の洗浄機では、濯ぎポンプは、第一方向の他方側に向かって開口する接続部を有し、濯ぎタンクには、濯ぎタンクにおける接続口を基端として第一方向における一方側に向かって先端部まで延在すると共に、第一方向の一方側に向かって開口する流路部材が設けられており、接続部と流路部材の先端部とは着脱自在に接続されていてもよい。この構成では、第一方向に沿った濯ぎポンプの出し入れ方向と、濯ぎポンプと流路部材を介した濯ぎタンクとの着脱方向とが一致するので、濯ぎタンクに対する濯ぎポンプの着脱が容易となる。
【0013】
本発明の洗浄機は、機械室の底部の内面に設けられると共に濯ぎタンクを下方から支持する第一濯ぎタンク固定部を更に備え、第一濯ぎタンク固定部は、鉛直方向に延在する一対の第一延在部と、第二方向に延在すると共に一対の第一延在部の一端部同士を連結する第一連結部と、一対の第一延在部の他端部にそれぞれ設けられた一対の第一固定部と、を有し、第一連結部は、濯ぎタンクを下方から支持し、一対の第一固定部は、機械室の底部の内面に固定されていてもよい。この構成では、濯ぎタンクに対する第一連結部の接触面積を広く確保できるので、強度を確保することができる。また、濯ぎタンクを所定位置に取り付けたり、取り外したりする際に、第一連結部に対して濯ぎタンクを安定且つ容易に摺動させることができるので、着脱作業が容易となる。
【0014】
本発明の洗浄機では、濯ぎタンクの底部の外面には、第一方向に延在すると共に、濯ぎタンクの底部の外面との間で第一連結部を挟み込む挟込部が形成されており、挟込部は、第一濯ぎタンク固定部に対して第一方向の一方側から他方側に移動させたときに、第一連結部を挟み込むように形成されてもよい。この構成では、第一濯ぎタンク固定部の支持部に対して、濯ぎタンクを第一方向の一方側から他方側に移動させるだけの簡易な作業にて、第一濯ぎタンク固定部に対して濯ぎタンクを固定することができる。
【0015】
本発明の洗浄機は、第一濯ぎタンク固定部とは別の部材であって、機械室の底部の内面に設けられると共に濯ぎタンクを下方から支持する第二濯ぎタンク固定部を更に備え、第二濯ぎタンク固定部は、鉛直方向に延在する一対の第二延在部と、第二方向に延在すると共に一対の第二延在部の一端部同士を連結する第二連結部と、一対の第二延在部の他端部にそれぞれ設けられた一対の第二固定部と、を有し、一対の第二固定部のそれぞれは、濯ぎタンクの底部の外面に固定されており、第二連結部は、機械室の底部の内面に載置されていてもよい。この構成では、濯ぎタンクへ取り付ける第二固定部の面積を広く確保できると共に、機械室の内面に対して第二連結部を安定的に摺動させることができ、濯ぎタンクを所定位置に位置決めすることができる。
【0016】
本発明の洗浄機は、第一濯ぎタンク固定部に固定された濯ぎタンクに接続された状態の濯ぎポンプを機械室の底部の内面に固定する濯ぎポンプ固定部を更に備え、濯ぎポンプ固定部は、機械室の底部の内面に着脱可能に設けられていてもよい。この構成では、濯ぎポンプ固定部を介して濯ぎポンプを固定することによって、濯ぎポンプの第一方向における他方側に配置される濯ぎタンクの第一方向における位置決めがなされる。これにより、機械室の底部の内面に濯ぎタンクを固定する簡易な作業にて、濯ぎタンクと濯ぎポンプとを一体的に機械室に固定することができる。
【0017】
本発明の洗浄機は、濯ぎタンクに着脱自在に設けられると共に濯ぎタンクへの水の供給の有無を切り替える濯ぎバルブと、濯ぎバルブを支持する濯ぎバルブ支持部と、濯ぎタンクに設けられると共に、濯ぎバルブ支持部を着脱可能に取り付ける濯ぎバルブ取付部と、を更に備え、濯ぎバルブを支持した状態の濯ぎバルブ支持部は、第一方向における一方側から螺合されるネジによって濯ぎバルブ取付部に着脱可能に取り付けられてもよい。この構成では、作業者は、第一方向における一方側からネジを取り付けたり、取り外したりすることによって、濯ぎタンクに濯ぎバルブを取り付けることができるので、濯ぎバルブのメンテナンス性に優れる。
【0018】
本発明の洗浄機では、濯ぎタンクには、所定貯水量を越えた水が排出される排出部が形成されており、排出部は、濯ぎタンクにおいて第一方向における一方側を構成する面に形成されていてもよい。この構成では、濯ぎタンクの第一方向における着脱時に排出部に対する排水ホースの着脱が容易となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、洗浄タンク及び濯ぎタンクの長手方向が機械室の第一方向となるように配置すると共に、洗浄タンクと濯ぎタンクとを第二方向に並べる構成において、機械室の第一方向における一方側からの濯ぎタンク及び濯ぎポンプのメンテナンス性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る食器洗浄機の斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る食器洗浄機の概略構成を示す図である。
【
図3】
図3は、洗浄タンクと濯ぎタンクと濯ぎポンプの配置関係を示した平面図である。
【
図4】
図4は、濯ぎタンクを右側方から見た側面図である。
【
図5】
図5は、濯ぎタンクを斜め下方から見た斜視図である。
【
図6】
図6(A)は、第一濯ぎタンク固定部を示した斜視図である。
図6(B)は、第二濯ぎタンク固定部を示した斜視図である。
【
図7】
図7(A)は、第一濯ぎタンク固定部と挟込部とを示した斜視図である。
図7(B)は、挟込部を示した断面図である。
【
図8】
図8は、濯ぎタンクを前方から見た正面図である。
【
図9】
図9は、濯ぎタンクを斜め前方から見た斜視図である。
【
図10】
図10は、濯ぎタンクと濯ぎポンプとを斜め前方から見た斜視図である。
【
図13】
図13(A)は、爪部を示した斜視図である。
図13(B)は、爪部を示した断面図である。
【
図14】
図14は、ドア部の左右方向における端部を示した斜視図である。
【
図15】
図15は、ドアヒンジが取り付けられたドア部の斜視図である。
【
図16】
図16(A)は、ドアヒンジを外側から見た斜視図である。
図16(B)は、ドアヒンジを内側から見た斜視図である。
【
図17】
図17は、本体部に取り付けられるドアヒンジを示した斜視図である。
【
図18】
図18は、本体部に取り付けられたドアヒンジを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して一実施形態に係る食器洗浄機(洗浄機)100について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、説明の便宜のため、
図1において、前後方向、左右方向及び上下方向をそれぞれ設定した。
【0022】
図1に示されるように、一実施形態に係る食器洗浄機100は、洗浄室1Bの前面にドア部15が設けられたアンダーカウンタ式の洗浄機である。
図1及び
図2に示されるように、食器洗浄機100は、本体部1と、ドア部15と、洗浄タンク20と、上側ノズル3と、下側ノズル4と、洗浄ポンプ5と、濯ぎタンク6と、濯ぎポンプ7と、洗剤供給ポンプ8と、リンス剤供給ポンプ9と、コントローラ10と、を備えている。
【0023】
本体部1は、図示しないフレームと、ステンレス鋼製の外装パネル11と、内装パネル2と、を含んで形成されている。外装パネル11は、左右方向における側面を形成する一対の側部パネル11A,11Aと、上部パネル11Bと、上側前部パネル11Cと、下側前部パネル11Dと、後部パネル11Eと、を有している。少なくとも、下側前部パネル11Dは、フレームに対して容易に着脱可能に設けられている。本体部1の下部の四隅には、脚部12が取り付けられている。上側前部パネル11Cには、食器洗浄機100の各種動作を操作する操作部13が設けられている。
【0024】
操作部13は、運転モードや各種設定の入力操作を行う部分である。本実施形態の操作部13は、液晶画面とこれを覆う強化ガラス(静電スイッチ)とによって構成されている。作業者は、液晶画面を覆う強化ガラスに触れることによって各種操作が可能となっている。なお、操作部13は、各種ボタンやタッチパネルによって構成されてもよいし、本体部1とは別体のリモコン、操作端末等によって構成されてもよい。
【0025】
本体部1の下部領域には、洗浄タンク20と、洗浄ポンプ5と、濯ぎタンク6と、濯ぎポンプ7と、洗剤供給ポンプ8と、リンス剤供給ポンプ9と、を収容する機械室1Aが形成されている。本体部1の上部領域には、食器(被洗浄物)D等がセットされたラックを収容する洗浄室1Bが形成されている。洗浄室1Bは、洗浄タンク20の上方の空間であって、内装パネル2によって構成されている。内装パネル2は、主に、一対の側部パネル2A、2Aと、上部パネル2Bと、後部パネル(図示せず)と、を有している。一対の側部パネル2A,2Aの内面には、ラックを支持するラックレール23が形成されている。本体部1には、食器D等がセットされたラックを洗浄室1Bに出し入れする開口部1Cが形成されている。本体部1には、閉じた状態のドア部15の下方に、閉じた状態のドア部15の下端に沿って開口部1Cの外側に張り出すと共に、水平方向に左右に延在している張出部17(
図17及び
図18参照)が形成されている。
【0026】
ドア部15は、開口部1Cの外側に配置されている。ドア部15は、開口部1Cを開閉可能に設けられており、ドア部15が開けられると、開口部1Cの内側の洗浄室1Bが本体部1の外部に開放される。ドア部15は、ドア部15の下端において左右方向に延在する軸を回転軸として回動可能に設けられている。作業者は、ドア部15の上端に設けられた取っ手15Aを手前に倒すことで、洗浄室1Bを開放することができる。
【0027】
洗浄タンク20は、洗浄室1Bの下方に設けられている。洗浄タンク20は、洗浄室1Bに収容された食器D等の洗浄に用いられる洗浄水を貯留する貯留部22を有する。貯留部22は、側部20cと底部20aとから形成されている(
図3参照)。なお、洗浄タンク20には、上方から浅い凹み部分と、浅い凹み部分から下方に凹む深い凹み部分と、が存在している。浅い凹み部分は、機械室1Aと洗浄室1Bとを仕切り、上側ノズル3及び下側ノズル4から噴射され、食器Dを洗浄した後又は濯いだ後に落下してきた水を受け深い凹み部分に案内する部分であり、深い凹み部分は、洗浄ポンプ5によって上側ノズル3及び下側ノズル4に供給される洗浄水を貯留する部分である。本実施形態でいう貯留部22とは、上述の深い凹み部分に該当する。洗浄タンク20には、洗浄水検知部24と、洗浄水ヒータ25Aと、洗浄水温度センサ25Bと、が設けられている。
【0028】
洗浄水検知部24は、貯留部22に貯留された洗浄水の水位を検知する。洗浄水検知部24は、例えば、貯留部22内の水位が定水位H1を超えている場合にONとなり、定水位H1以下の場合にOFFとなるスイッチである。洗浄水検知部24による検知結果は、コントローラ10によって取得される。後段にて詳述する洗浄ポンプ5は、駆動中に空気を吸い込むと、いわゆるエア噛みを起こして上側ノズル3及び下側ノズル4から洗浄水を噴射できなくなる。一実施形態では、洗浄水検知部24が運転中にOFFになったときに洗浄ポンプ5の稼働を停止することで、洗浄ポンプ5による空気の吸い込みを防止する。
【0029】
洗浄水ヒータ25Aは、殺菌能力及び洗浄能力を向上させるために貯留部22に貯留された洗浄水を加熱する。洗浄水温度センサ25Bは、貯留部22に貯留された洗浄水の温度を検知する。洗浄水温度センサ25Bによる検知結果は、コントローラ10によって取得される。洗浄水ヒータ25AにおけるON・OFFは、コントローラ10によって制御される。例えば、洗浄水ヒータ25Aは、洗浄水温度センサ25Bが検知する水温に基づいて洗浄水を所定温度に維持するように、コントローラ10によって制御される。
【0030】
貯留部22の底部20aには、円形状の貫通孔20bが形成されている。貫通孔20bは、厚み方向に貫通する複数の長孔が形成された円形の板状部材であって、異物の侵入を防止するポンプガード26によって覆われている。貫通孔20bは、洗浄タンク接続部50を介して洗浄ポンプ5に接続されている。洗浄タンク接続部50には、貫通孔20bに接続される第一接続孔50aと、本体部1の外部に水を排出する排水管28に接続される排水孔50bと、洗浄ポンプ5に接続される第二接続孔50cと、が形成されている。なお、洗浄タンク接続部50は、洗浄ポンプ5を構成するケーシングの一部として洗浄ポンプ5と一体的に構成されてもよいし、洗浄タンク20と洗浄ポンプ5と接続する部材として洗浄ポンプ5とは別に設けられてもよい。
【0031】
洗浄タンク20には、上下方向に延びるオーバーフローパイプ27が設けられている。オーバーフローパイプ27は、貯留部22において所定水位を超えた水をその上端から流入させて洗浄タンク20の外部に排水し、貯留部22に貯留される洗浄水の水位を規定する。オーバーフローパイプ27の下端は貫通孔20bを覆うバーリング加工されたポンプガード26を通って洗浄タンク接続部50に形成された排水孔50bに着脱可能に差し込まれている。オーバーフローパイプ27は、その下端が排水孔50bから抜き取られることで、貯留部22に貯留された洗浄水を、貫通孔20b及び排水孔50bを介して排出することができる。
【0032】
上側ノズル3は、洗浄室1Bの上方に設けられている。上側ノズル3は、洗浄室1Bの上方に設けられた上部支持部21Aに回転自在に設けられている。上側ノズル3は、上側ノズル3における回転軸の回転中心である基端部から半径方向に沿って先端部まで延在するノズル本体部30を有している。ノズル本体部30には、洗浄タンク20の貯留部22に貯留された洗浄水を噴射する洗浄噴射孔31と、回転中心から洗浄噴射孔31まで延在すると共に洗浄水が流通する洗浄流路32と、濯ぎタンク6に貯留された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔33と、回転中心から濯ぎ噴射孔33まで延在すると共に濯ぎ水が流通する濯ぎ流路34と、が一体的に形成されている。上側ノズル3は、洗浄流路32に発生する洗浄水の流れ又は濯ぎ流路34に発生する濯ぎ水の流れが回転力に変換されることによって回転する。上側ノズル3には、洗浄流路32に洗浄水を供給する上側洗浄配管58及び濯ぎ流路34に濯ぎ水を供給する上側濯ぎ配管78が接続されている。
【0033】
下側ノズル4は、洗浄室1Bの下方に設けられている。下側ノズル4は、洗浄室1Bの下方に設けられた下部支持部21Bに回転自在に設けられている。下側ノズル4は、下側ノズル4における回転軸の回転中心である基端部から半径方向に沿って先端部まで延在するノズル本体部40を有している。ノズル本体部40には、洗浄タンク20の貯留部22に貯留された洗浄水を噴射する洗浄噴射孔41と、回転中心から洗浄噴射孔41まで延在すると共に洗浄水が流通する洗浄流路42と、濯ぎタンク6に貯留された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔43と、回転中心から濯ぎ噴射孔43まで延在すると共に濯ぎ水が流通する濯ぎ流路44と、が一体的に形成されている。下側ノズル4は、洗浄流路42に発生する洗浄水の流れ又は濯ぎ流路44に発生する濯ぎ水の流れが回転力に変換されることによって回転する。下側ノズル4には、洗浄流路42に洗浄水を供給する下側洗浄配管59及び濯ぎ流路44に濯ぎ水を供給する下側濯ぎ配管79が接続されている。
【0034】
食器ラックに並べられた食器Dは、洗浄工程において上側ノズル3及び下側ノズル4によって洗浄水が噴射され、濯ぎ工程において上側ノズル3及び下側ノズル4によって濯ぎ水が噴射される。
【0035】
洗浄ポンプ5は、機械室1Aに配置されている。洗浄ポンプ5は、食器D等を収容する洗浄室1Bに洗浄タンク20の貯留部22に貯留された洗浄水を送り出す。洗浄ポンプ5は、洗浄タンク接続部50を介して貯留部22の洗浄水を取り込み、上側ノズル3及び下側ノズル4に洗浄水を送り出す。洗浄ポンプ5の第一吐出口には、上側洗浄配管58が接続されている。上側洗浄配管58は、上側ノズル3に接続されている。洗浄ポンプ5の第二吐出口には、下側洗浄配管59が接続されている。下側洗浄配管59は、下側ノズル4に接続されている。
【0036】
濯ぎタンク6は、機械室1Aに配置されている。濯ぎタンク6は、食器D等の濯ぎに用いられる濯ぎ水を貯留する。濯ぎタンク6には、外部の水源から給水管60を介して水が供給される。給水管60には、ストレーナ60Aが設けられている。給水管60におけるストレーナ60Aの下流側には、バルブ(濯ぎバルブ)60Bが設けられている。
【0037】
濯ぎタンク6には、濯ぎ水検知部62と、オーバーフロー部(排出部)63と、濯ぎ水ヒータ64Aと、濯ぎ水温度センサ64Bと、が設けられている。
【0038】
濯ぎ水検知部62は、濯ぎタンク6に貯留された水が、定水位H2にあることを検知するスイッチである。濯ぎ水検知部62の検知結果は、コントローラ10によって取得される。バルブ60Bは、コントローラ10によって制御されている。例えば、コントローラ10は、濯ぎ水検知部62における定水位H2の検知と連動して弁を開閉し、濯ぎタンク6に貯留される濯ぎ水の水位を一定に維持するように、バルブ60Bを制御する。
【0039】
オーバーフロー部63は、濯ぎタンク6において満水位を超えた水を排出する。濯ぎタンク6は、密閉型のタンクであり、例えば、バルブ60Bが閉弁異常となったときに満水位を超える。濯ぎ水ヒータ64Aは、殺菌能力及び濯ぎ能力を向上させるために濯ぎタンク6に貯留された濯ぎ水を加熱する。濯ぎ水温度センサ64Bは、濯ぎ水の温度を検知する。濯ぎ水温度センサ64Bによる検知結果は、コントローラ10によって取得される。濯ぎ水ヒータ64AにおけるON・OFFは、コントローラ10によって制御される。例えば、濯ぎ水ヒータ64Aは、濯ぎ水温度センサ64Bが検知する水温に基づいて濯ぎ水を所定温度に維持するように、コントローラ10によって制御される。
【0040】
濯ぎポンプ7は、食器D等を収容する洗浄室1Bに濯ぎタンク6に貯留された濯ぎ水を送り出す。濯ぎポンプ7は、濯ぎタンク6の濯ぎ水を取り込み、上側ノズル3及び下側ノズル4に濯ぎ水を送り出す。濯ぎポンプ7の吐出口には、濯ぎ配管77を介して上側濯ぎ配管78と下側濯ぎ配管79とが接続されている。上側濯ぎ配管78は、上側ノズル3に接続されている。下側濯ぎ配管79は、下側ノズル4に接続されている。
【0041】
洗剤供給ポンプ8は、機械室1Aに配置されている。洗剤供給ポンプ8は、洗剤タンク8A内に貯留された洗剤を配管8Bを介して洗浄室1Bに供給する。洗浄室1B内に吐出された洗剤は、貯留部22内に流れ込み、洗浄水と混じり合う。リンス剤供給ポンプ9は、機械室1Aに配置されている。リンス剤供給ポンプ9は、リンス剤タンク9Aに貯留されたリンス剤を配管9Bを介して濯ぎ配管77に供給する。濯ぎ配管77に供給されたリンス剤は、濯ぎ水と混じり合い、上側ノズル3及び下側ノズル4を介して洗浄室1Bに供給される。
【0042】
コントローラ10は、本体部1における上部パネル11Bと洗浄室1Bを構成する上部パネル2Bとの間に配置されている。コントローラ10は、食器洗浄機100における動作全般を制御する。コントローラ10は、コントローラ10は、集積回路に実装されたコンピュータシステムあるいはプロセッサである。コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び入出力インターフェース等から構成される。ROMには、各種プログラム又はデータが格納されている。
【0043】
次に、洗浄タンク20、濯ぎタンク6及び濯ぎポンプ7の配置について説明する。
図3に示されるように、洗浄タンク20及び濯ぎタンク6は、前後方向(第一方向)が長手方向となるように配置されると共に、左右方向(第二方向)に並ぶように機械室1Aに配置されている。濯ぎポンプ7は、機械室1Aに着脱可能な濯ぎタンク6に対して前後方向における一方側である前側、かつ濯ぎタンク6に対して前後方向に一列となるように機械室1Aに着脱可能に配置されている。機械室1Aには、前後方向における前側に、機械室1Aの内部空間を機械室1Aの外側に開放するカバーとしての下側前部パネル11Dが設けられている。すなわち、下側前部パネル11Dは、図示しない本体部1のフレームに対して着脱可能に設けられている。
【0044】
図4に示されるように、濯ぎタンク6は、機械室1Aの底部11Fの内面(上面)との間に隙間Gを介して配置されている。
図4~
図7に示されるように、濯ぎタンク6は、第一濯ぎタンク固定部66と第二濯ぎタンク固定部67とを介して機械室1Aに設置される。第一濯ぎタンク固定部66及び第二濯ぎタンク固定部67は、ステンレス鋼等の材料によって形成されている。第一濯ぎタンク固定部66及び第二濯ぎタンク固定部67は、濯ぎタンク6を下方から支持する。
【0045】
第一濯ぎタンク固定部66は、機械室1Aの底部11Fの内面に取り付けられる。第一濯ぎタンク固定部66は、機械室1Aの底部11Fの内面に取り付けられた状態において、鉛直方向に延在する一対の第一延在部66a,66aと、左右方向(第二方向)に延在すると共に一対の第一延在部66a,66aの一端部同士を連結する第一連結部66bと、一対の第一延在部66a,66aの他端部にそれぞれ設けられた一対の第一固定部66c,66cと、を有している。第一連結部66bは、濯ぎタンク6を下方から支持する部分である。一対の第一固定部66c,66cは、機械室1Aの底部11Fの内面に、ネジ66f等によって固定される部分である。また、第一濯ぎタンク固定部66は、前後方向において前方から後方に押し込まれる濯ぎタンク6の底部6aの外面を誘導する誘導部66dと、後段にて詳述する挟込部65が差し込まれる差込部66eと、を有している。
【0046】
第二濯ぎタンク固定部67は、濯ぎタンク6の底部6aの外面に取り付けられる。第二濯ぎタンク固定部67は、濯ぎタンク6の底部6aの外面に取り付けられた状態において、鉛直方向に延在する一対の第二延在部67a,67aと、左右方向(第二方向)に延在すると共に一対の第二延在部67a,67aの一端部同士を連結する第二連結部67bと、一対の第二延在部67a,67aの他端部にそれぞれ設けられた一対の第二固定部67c,67cと、を有している。一対の第二固定部67c,67cのそれぞれは、濯ぎタンク6の底部6aの外面に、溶接等によって固定される。第二連結部67bは、機械室1Aの底部11Fの内面に載置されており、濯ぎタンク6を支持した状態で機械室1Aの底部11Fの内面を摺動する。なお、第二連結部67bにおける左右方向の長さは、濯ぎタンク6を支持した状態で機械室1Aの底部11Fの内面を摺動可能な範囲でできるだけ小さくすることで、機械室1Aに配置される他の部品との干渉を少なくできる。
【0047】
濯ぎタンク6の底部6aの外面には、挟込部65が設けられている。挟込部65は、濯ぎタンク6の底部6aの外面との間で第一濯ぎタンク固定部66の第一連結部66bを挟み込むことによって、濯ぎタンク6を所定位置に位置決めする機能を有している。挟込部65は、取付部65aと、第一折曲部65bと、挟持部65cと、誘導部65dと、を有している。取付部65aは、濯ぎタンク6の底部6aの外面に溶接等で固定されている。第一折曲部65bは、取付部65aを基端として濯ぎタンク6の底部6aから下方に離れる方向に折れ曲がる部分である。挟持部65cは、第一折曲部65bの先端から水平方向に延在する部分である。また、挟持部65cは、第一濯ぎタンク固定部66の差込部66eから後方に向かって差し込まれる部分であり、濯ぎタンク6の底部6aの外面との間で第一濯ぎタンク固定部66の第一連結部66bを挟み込む部分でもある。誘導部65dは、挟持部65cが差込部66eに差し込まれる際に、挟持部65cを差込部66eに誘導する部分である。
【0048】
図3及び
図5に示されるように、濯ぎポンプ7における濯ぎタンク6の接続口6bは、濯ぎタンク6の底部6aに形成されている。濯ぎタンク6の接続口6bには、濯ぎポンプ7に連通する第一流路68Aと、濯ぎタンク6に貯留された水を外部に排出する第二流路68Bと、第一流路68Aから第二流路68Bを分岐する分岐部68Cと、を有する配管ユニット68が設けられている。なお、第二流路68Bは、通常、その先端が濯ぎタンク6における満水位(オーバーフロー部63の位置)よりも高くなるような状態で、例えば、濯ぎタンク6の前側部6eの外面に固定されている。第二流路68Bの先端には、栓が設けられている。濯ぎタンク6に貯留された水を排出したい場合には、その先端の栓を外し、濯ぎタンク6の底部よりも低い位置に栓が外された先端を移動させればよい。
【0049】
図5、
図8及び
図9に示されるように、第一流路68Aは、濯ぎタンク6の接続口6bを基端として前後方向における前側に向かって先端まで延在している。第一流路68Aの先端は、前後方向の前側に向かって開口する第一接続部68dを有している。第一接続部68dには、濯ぎポンプ7の吸引口71に形成される第二接続部(接続部)71aが着脱自在に接続される。例えば、第一接続部68dの先端を第二接続部71aの開口部に内挿する(嵌め込む)ことによって、第一接続部68dと第二接続部71aとを接続される。第二接続部71aの内周面にはOリングが配置されており、第一接続部68dの外周面と液密に接触する。
【0050】
濯ぎポンプ7は、濯ぎポンプ固定部75によって、機械室1Aの底部11Fの内面に着脱可能に固定されている。濯ぎポンプ7は、吸引口71の開口方向が前後方向の奥側に向かって開口するような状態で、かつ、吐出口72の開口方向が左右方向の左側に向かって開口するような状態で、機械室1Aに取り付けられている。濯ぎポンプ固定部75は、濯ぎポンプ7の下端から前後方向の前方に突出するような板状部分を有し、当該板状部分は図示しないネジ等によって機械室1Aの底部11Fの内面に取り付けられる。濯ぎポンプ7は、濯ぎポンプ固定部75によって下側前部パネル11Dのすぐ裏に固定されている。
【0051】
濯ぎタンク6には、所定貯水量を越えた水が排出されるオーバーフロー部63が形成されている。オーバーフロー部63には、図示しない排水ホースが接続されている。オーバーフロー部63から流出した水は、排水ホースを介して、例えば機械室1Aの洗浄タンク20の貯留部22に排水されたり、機外に排水されたりするように構成される。オーバーフロー部63は、濯ぎタンク6において前後方向における前側を構成する前側部6e(第一方向における一方側を構成する面)に形成されている。濯ぎタンク6には、給水管60からの水の流入を制御するバルブ60Bが着脱自在に設けられている。バルブ60Bは、バルブ支持部(濯ぎバルブ支持部)69Aとバルブ取付部(濯ぎバルブ取付部)69Bとによって、濯ぎタンク6の左側部6cの外面に着脱自在に取り付けられ、濯ぎタンク6の左側部6cに設けられたバルブ接続部6dに接続される。
【0052】
バルブ支持部69Aは、ステンレス鋼等の材料によって形成されており、バルブ60Bに取り付けられる。バルブ支持部69Aは、折曲加工によって前後方向に直交する面である固定面69Aaが形成されている。バルブ取付部69Bは、ステンレス鋼等の材料によって形成されており、濯ぎタンク6の左側部6cの外面に着脱自在に設けられている。バルブ取付部69Bは、折曲加工によって前後方向に直交する面である固定面69Baが形成されている。バルブ取付部69Bは、バルブ60Bを支持した状態のバルブ支持部69Aを支持する。バルブ60Bを支持した状態のバルブ支持部69Aの固定面69Aaは、前後方向における前側から螺合されるネジ69によってバルブ取付部69Bの固定面69Baに着脱可能に取り付けられている。
【0053】
ここで、例えばメンテナンス時等において、濯ぎポンプ7及び濯ぎタンク6を機械室1Aから取り出すときの手順について説明する。まず、下側前部パネル11Dをフレームから取り外し、機械室1Aの内部を外部に開放する。次に、バルブ支持部69Aとバルブ取付部69Bとを固定するネジ69を取り外し、バルブ60Bをバルブ接続部6dから取り外す。ネジ69のネジ頭は、前後方向における前方を向いているので、機械室1Aの前方からの作業が可能である。
【0054】
次に、濯ぎポンプ固定部75を機械室1Aの底部11Fから取り外す。具体的には、濯ぎポンプ固定部75を機械室1Aの底部11Fに取り付けているネジ(図示せず)を取り外す。これにより、濯ぎポンプ7と濯ぎポンプ固定部75とを一体的に機械室1Aから取り出すことができる状態となる。次に、濯ぎタンク6から濯ぎポンプ7を取り外す。具体的には、濯ぎポンプ7を前方に引き出すことによって、第一流路68Aの第一接続部68dに嵌め込まれた濯ぎポンプ7の第二接続部71aが、第一接続部68dから抜き出される。これにより、第一流路68Aの第一接続部68dと濯ぎポンプ7の第二接続部71aとの接続が解除される。
【0055】
次に、濯ぎタンク6のオーバーフロー部63に接続された排水ホースを取り外した後、濯ぎタンク6を前方に引き出す。これにより、濯ぎタンク6の底部6aの外面が、第一濯ぎタンク固定部66の第一連結部66bの上面を摺動する。また、濯ぎタンク6に取り付けられた第二濯ぎタンク固定部67の第二連結部67bが機械室1Aの底部11Fの内面を摺動する。そして、濯ぎタンク6の底部6aの外面に取り付けられた挟込部65の挟持部65cが、第一濯ぎタンク固定部66の差込部66eから抜き出される。これにより、機械室1Aに対する濯ぎタンク6の固定(位置決め)が解除される。そして、濯ぎタンク6を機械室1Aから取り出すことができる。
【0056】
次に、濯ぎポンプ7及び濯ぎタンク6を機械室1Aに取り付けるときの手順について説明する。底部6aの外面に第二濯ぎタンク固定部67が取り付けられた状態の濯ぎタンク6を、機械室1Aの底部11Fの内面に載置し、前後方向の奥側に向かって押し出す。これにより、濯ぎタンク6の底部6aの外面が、第一濯ぎタンク固定部66の第一連結部66bの上面を摺動する。また、濯ぎタンク6に取り付けられた第二濯ぎタンク固定部67の第二連結部67bが機械室1Aの底部11Fの内面を摺動する。このとき、濯ぎタンク6の底部6aの外面に取り付けられた挟込部65の挟持部65cが、第一濯ぎタンク固定部66の差込部66eに差し込まれるように濯ぎタンク6を押し出す。これにより、挟込部65の挟持部65cが第一濯ぎタンク固定部66の差込部66eに差し込まれ、濯ぎタンク6の底部6aの外面と挟込部65の挟持部65cとによって、第一濯ぎタンク固定部66の第一連結部66bが挟持される。すなわち、濯ぎタンク6が機械室1Aに対して固定(位置決め)される。
【0057】
次に、濯ぎタンク6のオーバーフロー部63に排水ホースを取り付け、濯ぎポンプ固定部75が取り付けられた状態の濯ぎポンプ7を、機械室1Aの底部11Fに取り付ける。具体的には、第一流路68Aの第一接続部68dと濯ぎポンプ7の第二接続部71aとを前後方向に一直線上に並べた後に、濯ぎポンプ7を後方に押し出す。これにより、濯ぎポンプ7の第二接続部71aが、第一流路68Aの第一接続部68dに内挿され(嵌め込まれ)、第二接続部71aと第一接続部68dとが接続される。次に、図示しないネジによって濯ぎポンプ固定部75を機械室1Aの底部11Fに取り付ける。これにより、濯ぎポンプ7が機械室1Aに固定される共に、濯ぎタンク6が前後方向の前側に移動することが規制される。次に、バルブ60Bが固定された状態のバルブ支持部69Aをバルブ取付部69Bに固定し、バルブ60Bをバルブ接続部6dに接続する。そして、下側前部パネル11Dをフレームに取り付ける。
【0058】
図12~
図13に示されるように、ドア部15は、取っ手15Aとドア本体15Bとを備えている。ドア本体15Bは、本体部1に取り付けたときに洗浄室1B側の反対側となる外側OS(
図14参照)に配置される第一ドアパネル151Aと、前後方向において洗浄室1B側となる内側IS(
図14参照)に配置される第二ドアパネル151Bと、を有している。第一ドアパネル151A及び第二ドアパネル151Bは、ステンレス鋼等の材料によって形成されている。
【0059】
図12及び
図14に示されるように、第一ドアパネル151Aの左右外縁には、主面151Acから立設する立設部151Adが形成されている。立設部151Adの先端にはフランジ部151Aeが形成されている。第二ドアパネル151Bは、主面151Baと、主面151Baの外縁に形成されるフランジ部151Bbと、を有している。第二ドアパネル151Bは、第二ドアパネル151Bのフランジ部151Bbが第一ドアパネル151Aのフランジ部151Aeに重なるように配置されている。第二ドアパネル151Bのフランジ部151Bbとの重なった部分は溶接されている。フランジ部151Bbとフランジ部151Aeとの溶接箇所Wは、間欠的に設けられてもよいし、連続的に設けられてもよい。第一ドアパネル151Aと第二ドアパネル151Bとが溶接によって構成される本実施形態のドア部15は、ねじり方向の力が作用した場合であっても、よじれることがなくなり、ドア部15の剛性を高めることができる。
【0060】
取っ手15Aは、左右方向に延在しており、上述した外側には、作業者が把持することができる把持部15Acが形成されている。取っ手15Aの下端部15Aaは、ドア本体15B(第一ドアパネル151A)の上端部に取り付けられる。取っ手15Aの下端部には、第一ドアパネル151Aの上端部151Aaに形成された長孔151Abに差し込むことができる爪部15Abが形成されている。上記長孔151Abに上記爪部15Abを挿し込んだ状態で、ドア本体15Bに対して取っ手15Aを長孔方向にスライドさせれば、上記爪部15Abと下端部15Aaとが上端部151Aaを挟持することとなり、取っ手15Aとドア本体15Bとが固定される。更に、取っ手15Aは、左右のネジ15Ad,15Adによって左右両端がドア本体15Bの第二ドアパネル151Bに固定されている。
【0061】
図15~
図18に示されるように、ドア部15は、本体部1に取り付けられたドアヒンジ152を介して取り付けられている。ドアヒンジ152は、板状部153と、回動部154Aと、ネジ154Bと、有している。板状部153は、後段にて詳述するように本体部1に取り付けられる部分を構成する。回動部154Aは、板状部153に設けられており、ストッパ155を回動可能に支持するヒンジピンである。ネジ154Bは、回動部154Aに回動可能に設けられたストッパ155を、回動部154Aから抜け出ることを防止する抜け止めとして機能する。ドアヒンジ152が本体部1に取り付けられた状態において、ストッパ155は、回動部154Aに対して、左右方向かつ水平方向に延在する軸A周りに回動する。このような構成により、ドア部15は、軸A周りに回動可能となる。本実施形態では、ドア部15とドアヒンジ152とは一体的に形成されている。
【0062】
板状部153は、板状に形成されている。板状部153は、絞りが形成されることによって強度(剛性)の向上が図られている。ストッパ155は、ドアヒンジ152と同様に板状に形成されており、ドア本体15Bに固定されている。本実施形態の食器洗浄機100では、板状の板状部153に対して回動部154Aを介して板状のストッパ155を回動可能に構成するので、ドア部15における回動構成をコンパクトに薄く構成することができる。これにより、
図18に示されるように、濯ぎポンプ7と側部パネル11Aとの間の狭い空間にドア部15における回動構成を設けることが可能となる。
【0063】
板状部153は、本体部1に取り付けられる。板状部153の被固定部18への取り付けは、板状部153に設けられた挿通孔153aと、本体部1のフレームの一部である被固定部18に形成された挿通孔18bとに、ネジ157等を挿通することによって行われる。挿通孔153aと挿通孔18bとの位置合わせは、ドアヒンジ152に設けられた仮固定用爪156を、被固定部18に形成された位置決め孔18aに差し込むことによって行われる。位置決め孔18aは、前後方向において前方に開口するように形成されている。これにより、食器洗浄機100の前方側からドアヒンジ152の仮固定用爪156を、位置決め孔18aに差し込むことが容易となる。
【0064】
このような構成のドア部15の回動構成によれば、メンテナンス時等にドア部15を本体部1から取り外す場合、下側前部パネル11Dをフレームから取り外し、外部に露出したドアヒンジ152を本体部1から取り外せばよい。より詳細には、被固定部18にドアヒンジ152を固定する二つのネジ157,157を取り外せば、ドアヒンジ152とドア部15とを一体的に取り外すことができる。また、ドア部15を本体部1に取り付ける場合、ドア部15に取り付けられたドアヒンジ152の仮固定用爪156を被固定部18に形成された位置決め孔18aに差し込んで、被固定部18に対してドアヒンジ152を仮固定する。そして、この状態では、挿通孔153aと挿通孔18bとが前後方向に一直線上に並ぶので、挿通孔153aと挿通孔18bとを挿通するようにネジ157を螺合させれば、ドアヒンジ152と一体化されたドア部15を本体部1に固定できる。このときのネジ157の螺合は、食器洗浄機100の前方側から作業できるので、作業性に優れている。
【0065】
また、ドア部とヒンジ部とが一体化されていない従来の構成では、ドアヒンジを本体部に取り付けた上でドア部をドアヒンジに組み付ける必要があり、組付性が悪かった。このような従来のドア部の回動構成に比べ、本実施形態のドア部15の回動構成によれば、ドア部15に一体化されたドアヒンジ152を本体部1に取り付けるだけで、ドア部15を本体部1に組み付けることができるので、組付性に優れている。
【0066】
次に、上記実施形態の食器洗浄機100の作用効果について説明する。
図3に示されるように、上記実施形態の食器洗浄機100では、メンテナンスをしたい部材同士、すなわち濯ぎタンク6と濯ぎポンプ7とが前後方向(第一方向)に一列に並べて配置されているので、前後方向における前側(一方側)から濯ぎポンプ7を取り出せば、濯ぎタンク6も前後方向における前側から取り出すことができる。また、一般的に濯ぎタンク6に比べてサイズの小さな濯ぎポンプ7が、濯ぎタンク6に対して前後方向における前側に配置されているので、濯ぎポンプ7を取り外した後に、前後方向における前側から濯ぎタンク6にアクセスし易い。これらの結果、洗浄タンク20及び濯ぎタンク6の長手方向が機械室1Aの前後方向となるように配置すると共に、洗浄タンク20と濯ぎタンク6とを左右方向(第二方向)に並べる構成において、機械室1Aの前後方向における前側からの濯ぎタンク6及び濯ぎポンプ7のメンテナンス性を確保することができる。
【0067】
上記実施形態の食器洗浄機100では、
図1及び
図3に示されるように、機械室1Aには、前後方向における前側に、機械室1Aの内部空間を機械室1Aの外側に開放する下側前部パネル11Dが設けられている。これにより、機械室1Aの前後方向における前側に設けられた下側前部パネル11Dを取り外して機械室1Aを開放し、当該開放した部分から濯ぎポンプ7及び濯ぎタンク6を取り出したり、取り付けたりすることができる。すなわち、濯ぎタンク6及び濯ぎポンプ7の着脱を容易化できる。
【0068】
上記実施形態の食器洗浄機100では、
図4に示されるように、濯ぎタンク6は、機械室1Aの底部11Fとの間に隙間Gを介して配置されている。これにより、機械室1Aの底部11Fと濯ぎタンク6との間に形成される隙間Gに、例えば、配線等を配置することができるので、機械室1A内の限られた空間を有効に活用することができる。例えば、洗浄ポンプ5、洗浄水ヒータ25A、洗剤供給ポンプ8及びリンス剤供給ポンプ9等の機械室1Aの中央に配置される部品に接続する配線を当該隙間Gに通し、更に外装パネル11と内装パネル2との間を通してコントローラ10に接続することができる。
【0069】
上記実施形態の食器洗浄機100では、
図4及び
図5に示されるように、濯ぎポンプ7における濯ぎタンク6の接続口6bは、濯ぎタンク6の底部6aに形成されている。これにより、濯ぎタンク6に貯留された水をほぼ全て利用することができる。また、上記実施形態の食器洗浄機100では、
図4に示されるように、接続口6bに接続される配管ユニット(流路)68を、濯ぎタンク6と機械室1Aの底部11Fとの間の隙間Gに配置することで、上記隙間Gを有効に活用することができる。
【0070】
上記実施形態の食器洗浄機100の濯ぎタンク6における接続口6bには、
図5に示されるように、濯ぎポンプ7に連通する第一流路68Aと、濯ぎタンク6に貯留された水を外部に排出する第二流路68Bとに分岐する分岐部68Cが設けられている。この構成では、濯ぎタンク6の底部6aに形成されている接続口6bを介して濯ぎタンク6に貯留された水を排出するので、濯ぎタンク6に貯留された水のほぼ全てを排出することができる。
【0071】
上記実施形態の食器洗浄機100では、
図11に示されるように、濯ぎポンプ7には、前後方向の後方側に向かって開口する第二接続部71aが設けられており、濯ぎタンク6には、前後方向の前側に向かって開口する第一流路68Aの第一接続部68dが設けられている。この構成では、前後方向に沿った濯ぎポンプ7の出し入れ方向と、濯ぎポンプ7と第一流路68Aを介した濯ぎタンク6との着脱方向とが一致するので、濯ぎタンク6に対する濯ぎポンプ7の着脱が容易となる。
【0072】
上記実施形態の食器洗浄機100では、
図6(A)に示されるような態様の第一濯ぎタンク固定部66を備えている。この態様の第一濯ぎタンク固定部66では、濯ぎタンク6に対する第一連結部66bの接触面積を広く確保できるので、強度を確保することができる。また、濯ぎタンク6を所定位置に取り付けたり、取り外したりする際に、第一連結部66bに対して濯ぎタンク6を容易に摺動させることができるので、着脱作業が容易となる。
【0073】
上記実施形態の食器洗浄機100では、
図7(A)及び
図7(B)に示されるように、第一濯ぎタンク固定部66に対して濯ぎタンク6を前後方向の前側から後側に移動させたときに、第一連結部66bを挟み込むような挟込部65が設けられている。この構成では、第一濯ぎタンク固定部66の第一連結部66bに対して、濯ぎタンク6を前後方向の前側から後側に移動させるだけの簡易な作業にて、第一濯ぎタンク固定部66に対して濯ぎタンク6を固定することができる。
【0074】
上記実施形態の食器洗浄機100では、
図6(B)に示されるような態様の第二濯ぎタンク固定部67を備えている。この構成の第二濯ぎタンク固定部67では、濯ぎタンク6へ取り付ける第二固定部67c,67cの面積を広く確保できると共に、機械室1Aの底部11Fの内面に対して第二連結部67bを摺動させることによって、濯ぎタンク6を所定位置に位置決めすることができる。
【0075】
上記実施形態の食器洗浄機100では、濯ぎポンプ固定部75を介して濯ぎポンプ7を固定することによって、濯ぎポンプ7の前後方向における後側に配置される濯ぎタンク6の前後方向における位置決めがなされる。これにより、機械室1Aの底部11Fの内面に濯ぎタンク6を固定する簡易な作業にて、濯ぎタンク6と濯ぎポンプ7とを一体的に機械室1Aに固定することができる。
【0076】
上記実施形態の食器洗浄機100では、
図8及び
図9に示されるように、バルブ60Bを支持した状態のバルブ支持部69Aは、前後方向における前側から螺合されるネジ69によってバルブ取付部69Bに着脱可能に取り付けられている。これにより、作業者は、前後方向における前側からネジ69を取り付けたり、取り外したりすることによって、濯ぎタンク6にバルブ60Bを取り付けることができるので、バルブ60Bのメンテナンス性に優れる。
【0077】
上記実施形態の食器洗浄機100では、
図8に示されるように、濯ぎタンク6において所定貯水量を越えた水が排出されるオーバーフロー部63が濯ぎタンク6の前側部6eに形成されている。この構成では、濯ぎタンク6を取り外すときは、濯ぎタンク6を前後方向における前側に引き出す前又は引き出す途中でホースを外し、濯ぎタンク6を取り付けるときは、濯ぎタンク6を前後方向における後側に押し込む途中又は押し込んだ後に、図示しない排出用のホースを取り付けることが容易となる。
【0078】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0079】
上記実施形態では、洗浄タンク20及び濯ぎタンク6は、機械室1Aにおいて、前後方向が長手方向となるように配置されると共に、左右方向に並ぶように機械室1Aに配置されている例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、洗浄タンク20及び濯ぎタンク6は、機械室1Aにおいて、左右方向が長手方向となるように配置されると共に、前後方向に並ぶように機械室1Aに配置されてもよい。例えば、左右両端の側部パネル11Aが本体部1のフレーム対して取り外し可能な食器洗浄機100では、このような変形例の構成とすることで、側部パネル11Aを取り外した側からの濯ぎタンク6及び濯ぎポンプ7のメンテナンス性を確保することができる。
【0080】
<その他の変形例>
上記実施形態及び変形例では、濯ぎタンク6の接続口6bは濯ぎタンク6の底部6aに設けられている例を挙げて説明したが、前側部6eに設けられてもよい。この構成であっても、前後方向の前側に向かって開口する流路部材の接続部を設けることができるので、濯ぎタンク6との接続を容易に行うことができる。
【0081】
上記実施形態及び変形例では、ラックレール23は、絞出加工によって側部パネル2A、2Aと一体的に形成された例を挙げて説明したが、ラックレール23は、他の部材を側部パネル2A、2Aの内面に取り付けることによって形成されてもよい。
【0082】
上記実施形態及び変形例は、本体部1の前面側にドア部15が設けられたタイプの食器洗浄機100に適用するだけでなく、例えば、ドア部が上下に開閉するタイプの食器洗浄機等にも適用することができる。
【0083】
本願発明は、上記実施形態及びその他の変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…本体部、1A…機械室、1B…洗浄室、6…濯ぎタンク、6a…底部、6b…接続口、6c…左側部、6e…前側部、7…濯ぎポンプ、11D…下側前部パネル(カバー)、11F…底部、15…ドア部、60B…バルブ(濯ぎバルブ)、63…オーバーフロー部(排出部)、65…挟込部、66…第一濯ぎタンク固定部、67…第二濯ぎタンク固定部、68…配管ユニット、68A…第一流路(流路部材)、68B…第二流路、68C…分岐部、68d…第一接続部、69A…バルブ支持部(濯ぎバルブ支持部)、69B…バルブ取付部(濯ぎバルブ取付部)、71…吸引口、71a…第二接続部(接続部)、75…濯ぎポンプ固定部、100…食器洗浄機(洗浄機)、D…食器(被洗浄物)、G…隙間。