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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069072
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/42 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
A47L15/42 K
A47L15/42 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180672
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】久保田 淳
(72)【発明者】
【氏名】大坂 宏
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082BD01
3B082BK01
(57)【要約】
【課題】コストの増大を抑制しつつ、洗浄タンクから洗浄水が漏れることを抑制できる洗浄機を提供する。
【解決手段】食器洗浄機100は、洗浄水を貯留する洗浄タンク20と、洗浄タンク20内に配置されると共に洗浄タンク20の側部20Bに取り付けられ、洗浄水を加熱する洗浄水ヒータ25Aと、洗浄水の温度を検知する洗浄水温度センサ25Bと、洗浄水ヒータ25Aを支持すると共に洗浄水温度センサ25Bと接触しており、伝熱性を有するブラケット25Dと、を備え、ブラケット25Dは、洗浄タンク20の内側面に取り付けられている。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄室に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄機であって、
前記被洗浄物を洗浄する洗浄水を貯留する洗浄タンクと、
前記洗浄タンク内に配置されると共に前記洗浄タンクの側部に取り付けられ、前記洗浄水を加熱する加熱部と、
前記洗浄水の温度を検知する検知部と、
前記加熱部を支持すると共に前記検知部と接触しており、伝熱性を有する取付部と、を備え、
前記取付部は、前記洗浄タンクの内側面に取り付けられている、洗浄機。
【請求項2】
鉛直方向から見たときに第一方向及び前記第一方向に直交する第二方向に延在する空間を形成し、前記洗浄タンクが配置されると共に、前記洗浄室の下方に配置される機械室を備え、
前記機械室には、前記第一方向における前記一方側に、前記空間を前記機械室の外側に開放するカバーが設けられており、
前記加熱部は、前記第一方向に延在している第一部分と、前記第一部分に連接され、前記第二方向に延在している第二部分と、を有し、
前記第二部分は、前記第一方向の前記一方側の前記側部に取り付けられており、
前記取付部は、前記第一方向の前記一方側において前記内側面に取り付けられている、請求項1に記載の洗浄機。
【請求項3】
前記洗浄タンクは、前記第一方向を長手方向として延在しており、
前記第一部分は、前記洗浄タンク内において、前記第二方向の一方側に配置されている、請求項2に記載の洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被洗浄物を洗浄する洗浄水を貯留する洗浄タンクと、洗浄水を加熱する加熱部(ヒーター)と、洗浄水の温度を検知する検知部(温度センサ)と、を備える洗浄機が開示されている。この洗浄機では、加熱部と検知部とが伝熱性金属で形成された連結部によって連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-340625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
洗浄機では、洗浄水の加熱容量を確保するために、加熱部の長さ寸法を大きくする場合がある。このような加熱部を洗浄タンク内に取り付けた構成では、加熱部のメンテナンスの際、作業者が加熱部に触れたときに、加熱部の取り付け部分に加わる負荷が大きくなる。そのため、取り付け部分に変形等が生じるおそれがあり、そこから洗浄水が漏れるおそれがある。そこで、加熱部を支持する専用の取付部を設ける構成を採用できるが、取付部を新たに設けると、コストが増大する。
【0005】
そこで、本発明の目的は、コストの増大を抑制しつつ、洗浄タンクから洗浄水が漏れることを抑制できる洗浄機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る洗浄機は、洗浄室に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄機であって、被洗浄物を洗浄する洗浄水を貯留する洗浄タンクと、洗浄タンク内に配置されると共に洗浄タンクの側部に取り付けられ、洗浄水を加熱する加熱部と、洗浄水の温度を検知する検知部と、加熱部を支持すると共に検知部と接触しており、伝熱性を有する取付部と、を備え、取付部は、洗浄タンクの内側面に取り付けられている。
【0007】
本発明に係る洗浄機では、加熱部が取付部によって支持されており、取付部が洗浄タンクの内側面に取り付けられている。これにより、加熱部のメンテナンスの際に、加熱部に負荷が加わったとしても、その全荷重が加熱部の取り付け部分に加わることを抑制できる。そのため、取り付け部分に変形等が生じることを抑制できるため、そこから洗浄水が漏れることを抑制できる。また、伝熱性を有する取付部には、検知部が接触している。これにより、検知部は、加熱部の温度を精度良く検知することができる。このように、取付部は、加熱部を支持する機能と、加熱部の熱を検知部に伝達する機能との、二つの機能を有している。すなわち、取付部は、一つの部品で二つの機能を有している。そのため、部品点数を増やすことなく、加熱部を支持することができる。したがって、コストの増大を抑制しつつ、洗浄タンクから洗浄水が漏れることを抑制できる。
【0008】
本発明に係る洗浄機は、鉛直方向から見たときに第一方向及び第一方向に直交する第二方向に延在する空間を形成し、洗浄タンクが配置されると共に、洗浄室の下方に配置される機械室を備え、機械室には、第一方向における一方側に、空間を前記機械室の外側に開放するカバーが設けられており、加熱部は、第一方向に延在している第一部分と、第一部分に連接され、第二方向に延在している第二部分と、を有し、第二部分は、第一方向の一方側の側部に取り付けられており、取付部は、第一方向の一方側において内側面に取り付けられていてもよい。この構成では、機械室の第一方向における一方側に設けられたカバーを取り外して機械室を開放することで、加熱部の洗浄タンクに対する取り付け部分の作業を行うことができる。また、洗浄タンクの一方側で、取付部の作業を行うことができる。したがって、加熱部の取り付けや取り外しを、カバーを取り外した機械室の一方側において行うことができると共に、取付部の作業を洗浄タンクの一方側で行うことができるため、メンテナンス性の向上が図れる。
【0009】
本発明に係る洗浄機では、洗浄タンクは、第一方向を長手方向として延在しており、第一部分は、洗浄タンク内において、第二方向の一方側に配置されてもよい。この構成では、加熱部の第一部分は、洗浄タンクの長手方向において延在する。そのため、加熱部において加熱容量を確保することができる。また、第一部分が洗浄タンク内において第二方向の一方側に配置されているため、第一部分が第一方向に延在する構成を採用したとしても、加熱部が洗浄タンク内に配置される他の部材のレイアウトを阻害しない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コストの増大を抑制しつつ、洗浄タンクから洗浄水が漏れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、一実施形態に係る食器洗浄機の斜視図である。
図2図2は、食器洗浄機の概略構成を示す図である。
図3図3は、機械室内の構成を示す平面図である。
図4図4は、洗浄タンク内の洗浄水ヒータ及びブラケットを示す斜視図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、洗浄水ヒータの取り付け構造を示す図である。
図6図6(a)、図6(b)及び図6(c)は、ブラケットの第一部材を示す図である。
図7図7(a)、図7(b)及び図7(c)は、ブラケットの第二部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して一実施形態に係る食器洗浄機(洗浄機)100について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。なお、説明の便宜のため、図1において、前後方向(第一方向)、左右方向(第二方向)、及び上下方向をそれぞれ設定した。
【0013】
図1に示されるように、一実施形態に係る食器洗浄機100は、洗浄室1Bの前面にドア部15が設けられたアンダーカウンタ式の洗浄機である。図1及び図2に示されるように、食器洗浄機100は、本体部1と、ドア部15と、洗浄タンク20と、上側ノズル3と、下側ノズル4と、洗浄ポンプ5と、濯ぎタンク6と、濯ぎポンプ7と、洗剤供給ポンプ8と、リンス剤供給ポンプ9と、コントローラ10と、を備えている。
【0014】
本体部1は、図示しないフレームと、ステンレス製の外装パネル11と、内装パネル2と、を含んで形成されている。外装パネル11は、左右方向における側面を形成する一対の側部パネル11A,11Aと、上部パネル11Bと、上側前部パネル11Cと、下側前部パネル(カバー)11Dと、後部パネル11Eと、を有している。少なくとも、下側前部パネル11Dは、フレームに対して容易に着脱可能に設けられている。本体部1の下部の四隅には、脚部12が取り付けられている。上側前部パネル11Cには、食器洗浄機100の各種動作を操作する操作部13が設けられている。
【0015】
操作部13は、運転モードや各種設定の入力操作を行う部分である。本実施形態の操作部13は、液晶画面とこれを覆う強化ガラス(静電スイッチ)とによって構成されている。作業者は、液晶画面を覆う強化ガラスに触れることによって各種操作が可能となっている。なお、操作部13は、各種ボタンやタッチパネルによって構成されてもよいし、本体部1とは別体のリモコン、操作端末等によって構成されてもよい。
【0016】
本体部1の下部領域には、洗浄タンク20と、洗浄ポンプ5と、濯ぎタンク6と、濯ぎポンプ7と、洗剤供給ポンプ8と、リンス剤供給ポンプ9と、を収容する機械室1Aが形成されている。機械室1Aは、鉛直方向から見たときに前後方向及び左右方向に延在する空間を形成している。本体部1の上部領域には、食器(被洗浄物)D等がセットされたラックを収容する洗浄室1Bが形成されている。洗浄室1Bは、洗浄タンク20の上方の空間であって、内装パネル2によって構成されている。内装パネル2は、主に、一対の側部パネル2A、2Aと、上部パネル2Bと、後部パネル(図示せず)と、を有している。一対の側部パネル2A,2Aの内面には、ラックを支持するラックレール23が形成されている。本体部1には、食器D等がセットされたラックを洗浄室1Bに出し入れする開口部1Cが形成されている。ラックレール23は、絞出加工によって側部パネル2A、2Aと一体的に形成されてもよいし、他の部材を側部パネル2A、2Aの内面に取り付けることによって形成されてもよい。
【0017】
ドア部15は、開口部1Cの外側に配置されている。ドア部15は、開口部1Cを開閉可能に設けられており、ドア部15が開けられると、洗浄室1Bが本体部1の外部に開放される。ドア部15は、ドア部15の下端において左右方向に延在する軸を回転軸として回動可能に設けられている。作業者は、ドア部15の上端に設けられた取っ手15Aを手前に倒すことで、洗浄室1Bを開放することができる。
【0018】
洗浄タンク20は、洗浄室1Bの下方に設けられている。洗浄タンク20は、洗浄室1Bに収容された食器D等の洗浄に用いられる洗浄水を貯留する。洗浄水は、洗浄工程において洗浄室1Bに噴射される水である。洗浄タンク20は、機械室1Aと洗浄室1Bとを仕切り、上側ノズル3及び下側ノズル4から噴射され、食器Dを洗浄又は濯いだ後に落下してきた水を受け貯留部に案内する部分である受水部(図示せず)と、洗浄ポンプ5によって上側ノズル3及び下側ノズル4に供給される洗浄水を貯留する部分である貯留部と、を有している。本実施形態において、洗浄タンク20とは、特段の説明が無い限り、貯留部を意味している。洗浄タンク20は、前後方向を長手方向として延在している。洗浄タンク20には、洗浄水検知部24と、洗浄水ヒータ(加熱部)25Aと、洗浄水温度センサ(検知部)25Bと、が設けられている。
【0019】
洗浄水検知部24は、洗浄タンク20に貯留された洗浄水の水位を検知する。洗浄水検知部24は、例えば、洗浄タンク20内の水位が定水位H1を超えている場合にONとなり、定水位H1以下の場合にOFFとなるスイッチである。洗浄水検知部24による検知結果は、コントローラ10によって取得される。後段にて詳述する洗浄ポンプ5は、駆動中に空気を吸い込むと、いわゆるエア噛みを起こして上側ノズル3及び下側ノズル4から洗浄水を噴射できなくなる。一実施形態では、洗浄水検知部24が運転中にOFFになったときに洗浄ポンプ5の稼働を停止することで、洗浄ポンプ5による空気の吸い込みを防止する。
【0020】
洗浄水ヒータ25Aは、殺菌能力及び洗浄能力を向上させるために洗浄タンク20に貯留された洗浄水を加熱する。洗浄水温度センサ25Bは、洗浄タンク20に貯留された洗浄水の温度を検知する。洗浄水温度センサ25Bは、例えば、サーミスタである。洗浄水温度センサ25Bは、洗浄タンク20の側部20B(後述)に取り付けられている。洗浄水温度センサ25Bによる検知結果は、コントローラ10によって取得される。洗浄水ヒータ25AにおけるON・OFFは、コントローラ10によって制御される。例えば、洗浄水ヒータ25Aは、洗浄水温度センサ25Bが検知する水温に基づいて洗浄水を所定温度に維持するように、コントローラ10によって制御される。
【0021】
洗浄タンク20は、底部20Aと、側部20Bと、によって構成されている。洗浄タンク20の底部20Aには、円形状の貫通孔20bが形成されている。貫通孔20bは、厚み方向に貫通する複数の長孔が形成された円形の板状部材であって、異物の侵入を防止するポンプガード26によって覆われている。貫通孔20bは、接続部50を介して洗浄ポンプ5に接続されている。接続部50には、貫通孔20bに接続される第一接続孔50aと、本体部1の外部に水を排出する排水管28に接続される排水孔50bと、洗浄ポンプ5に接続される第二接続孔50cと、が形成されている。なお、接続部50は、洗浄ポンプ5を構成するケーシングの一部として洗浄ポンプ5と一体的に構成されてもよいし、洗浄タンク20と洗浄ポンプ5と接続する部材として洗浄ポンプ5とは別に設けられてもよい。
【0022】
洗浄タンク20には、上下方向に延びるオーバーフローパイプ27が設けられている。オーバーフローパイプ27は、洗浄タンク20において所定水位を超えた水をその上端から流入させて洗浄タンク20の外部に排水し、洗浄タンク20に貯留される洗浄水の水位を規定する。オーバーフローパイプ27の下端は貫通孔20bを覆うバーリング加工されたポンプガード26を通って接続部50に形成された排水孔50bに着脱可能に差し込まれている。オーバーフローパイプ27は、その下端が排水孔50bから抜き取られることで、洗浄タンク20に貯留された洗浄水を、貫通孔20b及び排水孔50bを介して排出することができる。
【0023】
上側ノズル3は、洗浄室1Bの上方に設けられている。上側ノズル3は、洗浄室1Bの上方に設けられた上部支持部21Aに回転自在に設けられている。上側ノズル3は、上側ノズル3における回転軸の回転中心である基端部から半径方向に沿って先端部まで延在する本体部30を有している。本体部30には、洗浄タンク20に貯留された洗浄水を噴射する洗浄噴射孔31と、回転中心から洗浄噴射孔31まで延在すると共に洗浄水が流通する洗浄流路32と、濯ぎタンク6に貯留された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔33と、回転中心から濯ぎ噴射孔33まで延在すると共に濯ぎ水が流通する濯ぎ流路34と、が一体的に形成されている。上側ノズル3は、洗浄流路32に発生する洗浄水の流れ又は濯ぎ流路34に発生する濯ぎ水の流れが回転力に変換されることによって回転する。上側ノズル3には、洗浄流路32に洗浄水を供給する上側洗浄配管58及び濯ぎ流路34に濯ぎ水を供給する上側濯ぎ配管78が接続されている。
【0024】
下側ノズル4は、洗浄室1Bの下方に設けられている。下側ノズル4は、洗浄室1Bの下方に設けられた下部支持部21Bに回転自在に設けられている。下側ノズル4は、下側ノズル4における回転軸の回転中心である基端部から半径方向に沿って先端部まで延在する本体部40を有している。本体部40には、洗浄タンク20に貯留された洗浄水を噴射する洗浄噴射孔41と、回転中心から洗浄噴射孔41まで延在すると共に洗浄水が流通する洗浄流路42と、濯ぎタンク6に貯留された濯ぎ水を噴射する濯ぎ噴射孔43と、回転中心から濯ぎ噴射孔43まで延在すると共に濯ぎ水が流通する濯ぎ流路44と、が一体的に形成されている。下側ノズル4は、洗浄流路42に発生する洗浄水の流れ又は濯ぎ流路44に発生する濯ぎ水の流れが回転力に変換されることによって回転する。下側ノズル4には、洗浄流路42に洗浄水を供給する下側洗浄配管59及び濯ぎ流路44に濯ぎ水を供給する下側濯ぎ配管79が接続されている。
【0025】
食器ラックに並べられた食器Dは、洗浄工程において上側ノズル3及び下側ノズル4によって洗浄水が噴射され、濯ぎ工程において上側ノズル3及び下側ノズル4によって濯ぎ水が噴射される。
【0026】
洗浄ポンプ5は、機械室1Aに配置されている。洗浄ポンプ5は、食器D等を収容する洗浄室1Bに洗浄タンク20に貯留された洗浄水を送り出す。洗浄ポンプ5は、接続部50を介して洗浄タンク20の洗浄水を取り込み、上側ノズル3及び下側ノズル4に洗浄水を送り出す。洗浄ポンプ5の第一吐出口には、上側洗浄配管58が接続されている。上側洗浄配管58は、上側ノズル3に接続されている。洗浄ポンプ5の第二吐出口には、下側洗浄配管59が接続されている。下側洗浄配管59は、下側ノズル4に接続されている。
【0027】
濯ぎタンク6は、機械室1Aに配置されている。濯ぎタンク6は、食器D等の濯ぎに用いられる濯ぎ水を貯留する。濯ぎ水は、初期給湯工程や濯ぎ工程において洗浄室1Bに噴射される水である。濯ぎタンク6には、外部の水源から給水管60を介して水が供給される。給水管60には、ストレーナ60Aが設けられている。給水管60におけるストレーナ60Aの下流側には、バルブ60Bが設けられている。
【0028】
濯ぎタンク6には、濯ぎ水検知部62と、オーバーフロー部63と、濯ぎ水ヒータ64Aと、濯ぎ水温度センサ64Bと、が設けられている。
【0029】
濯ぎ水検知部62は、濯ぎタンク6に貯留された水が、定水位H2にあることを検知するスイッチである。濯ぎ水検知部62の検知結果は、コントローラ10によって取得される。バルブ60Bは、コントローラ10によって制御されている。例えば、コントローラ10は、濯ぎ水検知部62における定水位H2の検知と連動して弁を開閉し、濯ぎタンク6に貯留される濯ぎ水の水位を一定に維持するように、バルブ60Bを制御する。
【0030】
オーバーフロー部63は、濯ぎタンク6において満水位を超えた水を排出する。濯ぎタンク6は、密閉型のタンクであり、例えば、バルブ60Bが閉弁異常となったときに満水位を超える。濯ぎ水ヒータ64Aは、殺菌能力及び濯ぎ能力を向上させるために濯ぎタンク6に貯留された濯ぎ水を加熱する。濯ぎ水温度センサ64Bは、濯ぎ水の温度を検知する。濯ぎ水温度センサ64Bによる検知結果は、コントローラ10によって取得される。濯ぎ水ヒータ64AにおけるON・OFFは、コントローラ10によって制御される。例えば、濯ぎ水ヒータ64Aは、濯ぎ水温度センサ64Bが検知する水温に基づいて濯ぎ水を所定温度に維持するように、コントローラ10によって制御される。
【0031】
濯ぎポンプ7は、食器D等を収容する洗浄室1Bに濯ぎタンク6に貯留された濯ぎ水を送り出す。濯ぎポンプ7は、濯ぎタンク6の濯ぎ水を取り込み、上側ノズル3及び下側ノズル4に濯ぎ水を送り出す。濯ぎポンプ7の吐出口には、濯ぎ配管77を介して上側濯ぎ配管78と下側濯ぎ配管79とが接続されている。上側濯ぎ配管78は、上側ノズル3に接続されている。下側濯ぎ配管79は、下側ノズル4に接続されている。
【0032】
洗剤供給ポンプ8は、機械室1Aに配置されている。洗剤供給ポンプ8は、洗剤タンク8A内に貯留された洗剤を配管8Bを介して洗浄室1Bに供給する。洗浄室1B内に吐出された洗剤は、洗浄タンク20内に流れ込み、洗浄水と混じり合う。リンス剤供給ポンプ9は、機械室1Aに配置されている。リンス剤供給ポンプ9は、リンス剤タンク9Aに貯留されたリンス剤を配管9Bを介して濯ぎ配管77に供給する。濯ぎ配管77に供給されたリンス剤は、濯ぎ水と混じり合い、上側ノズル3及び下側ノズル4を介して洗浄室1Bに供給される。
【0033】
コントローラ10は、本体部1における上部パネル11Bと洗浄室1Bを構成する上部パネル2Bとの間に配置されている。コントローラ10は、食器洗浄機100における動作全般を制御する。コントローラ10は、集積回路に実装されたコンピュータシステムあるいはプロセッサである。コントローラ10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び入出力インターフェース等から構成される。ROMには、各種プログラム又はデータが格納されている。
【0034】
続いて、洗浄水ヒータ25Aの取り付け構造について説明する。図3に示されるように、洗浄水ヒータ25Aは、洗浄タンク20内において、左右方向の右側に配置されている。洗浄水ヒータ25Aは、洗浄タンク20の前後方向に延在している第一部分25Aaと、第一部分25Aaに連接され、洗浄タンク20の左右方向に延在している第二部分25Abと、を有している。第一部分25Aaは、洗浄タンク20の前後方向の全長の1/2よりも長く、直線状に延在している。第一部分25Aa及び第二部分25Abは、円柱状を呈している。
【0035】
第二部分25Abは、第一部分25Aaの前側の端部に連接されている。すなわち、第二部分25Abは、前後方向の前側に位置している。第二部分25Abの一部(第一部分25Aaに接続される端部)は、湾曲している。第二部分25Abは、洗浄タンク20の側部20Bに取り付けられている。具体的には、第二部分25Abは、洗浄タンク20の右側の側部20Bにおいて、前側に取り付けられている。図4に示されるように、第二部分25Abは、洗浄タンク20の側部20Bに、取付構造25Cによって取り付けられている。第二部分25Abの端部(第一部分25Aaに連接されている端部とは反対側の端部)は、洗浄タンク20の側部20Bの外面から突出し、洗浄タンク20の外部に位置している。
【0036】
図5(a)及び図5(b)に示されるように、取付構造25Cは、フランジ25Caと、ねじ部25Cbと、シール25Ccと、ナット25Cdと、を有している。フランジ25Caは、第二部分25Abの基端側に設けられている。フランジ25Caは、第二部分25Abの径方向の外側に張り出している。フランジ25Caは、洗浄タンク20内に配置される。ねじ部25Cbは、第二部分25Abの端部(第一部分25Aaに接続される端部とは反対側の端部)に設けられている。ねじ部25Cbの内部には、配線Cと接続される接続部(図示せず)が設けられている。シール25Ccは、フランジ25Caと洗浄タンク20の側部20Bとの間に配置される。シール25Ccは、例えば、ゴムパッキンである。ナット25Cdは、ねじ部25Cbと螺合し、洗浄水ヒータ25Aを側部20Bに対して固定する。
【0037】
洗浄水ヒータ25Aを洗浄タンク20に取り付ける場合には、取付構造25Cのねじ部25Cbを側部20Bの取付孔20Baに通し、洗浄タンク20の外側からナット25Cdを取り付ける。これにより、洗浄水ヒータ25Aが洗浄タンク20の側部20Bに固定される。その後、洗浄水ヒータ25Aの接続部に配線Cを接続する。洗浄水ヒータ25Aを洗浄タンク20の側部20Bから取り外す場合には、配線Cを取り外し、取付構造25Cのナット25Cdを取り外す。これにより、洗浄水ヒータ25Aの側部20Bに対する固定が解除される。
【0038】
図4に示されるように、洗浄水ヒータ25Aは、ブラケット(取付部)25Dに支持されている。ブラケット25Dは、洗浄タンク20の側部20Bの内側面に取り付けられている。ブラケット25Dは、伝熱性を有している。ブラケット25Dは、例えば、金属で形成されている。
【0039】
ブラケット25Dは、第一部材25Eと、第二部材25Fと、を有している。図6(a)、図6(b)及び図6(c)に示されるように、第一部材25Eは、固定部25Eaと、第一接触部25Ebと、第一保持部25Ecと、を有している。固定部25Ea、第一接触部25Eb及び第一保持部25Ecは、金属で一体成形されている。
【0040】
固定部25Eaは、ブラケット25Dを洗浄タンク20の側部20Bに対して固定する部分である。固定部25Eaは、洗浄タンク20の側部20Bの内側面に固定されている。固定部25Eaは、例えば溶接によって側部20Bに固定(接合)されている。
【0041】
第一接触部25Ebは、洗浄水温度センサ25Bと接触する部分である。第一接触部25Ebは、固定部25Eaの下端に接続され、固定部25Eaに対して略直角を成して延在している。第一接触部25Ebには、第一溝部25Edが設けられている。第一溝部25Edは、下側に凸状に設けられており、断面が半円弧形状を呈している。第一溝部25Edは、洗浄水温度センサ25Bを下側から支持する。第一溝部25Edは、第二部材25Fの第二溝部25Fc(後述)と共に洗浄水温度センサ25Bを挟持する。第一接触部25Ebには、第一ねじ孔25Ee,25Efが設けられている。第一ねじ孔25Ee,25Efには、ねじNが螺入される。
【0042】
第一保持部25Ecは、洗浄水ヒータ25Aを保持する部分である。第一保持部25Ecは、第一接触部25Ebの端部から下側に向かって延在している。第一保持部25Ecの一部は、洗浄水ヒータ25Aの第一部分25Aaの外形に対応する形状を呈している。第一保持部25Ecの一部は、湾曲形状を呈している。第一保持部25Ecは、第一部分25Aaの前側の端部を支持している。第一保持部25Ecは、洗浄水ヒータ25Aを下側から支持する。第一保持部25Ecは、第二部材25Fの第二保持部25Fb(後述)と共に洗浄水ヒータ25Aを挟持する。
【0043】
図7(a)、図7(b)及び図7(c)に示されるように、第二部材25Fは、第二接触部25Faと、第二保持部25Fbと、を有している。第二接触部25Fa及び第二保持部25Fbは、金属で一体成形されている。
【0044】
第二接触部25Faは、洗浄水温度センサ25Bと接触する部分である。第二接触部25Faは、第一接触部25Eb上に配置される。第二接触部25Faには、第二溝部25Fcが設けられている。第二溝部25Fcは、上側に凸状に設けられており、断面が半円弧形状を呈している。第二溝部25Fcは、洗浄水温度センサ25Bを上側から覆う。第二溝部25Fcは、第一部材25Eの第一溝部25Edと共に洗浄水温度センサ25Bを挟持する。第二接触部25Faには、第二ねじ孔25Fd,25Feが設けられている。第二ねじ孔25Fd,25Feには、ねじNが螺入される。
【0045】
第二保持部25Fbは、洗浄水ヒータ25Aを保持する部分である。第二保持部25Fbは、第二接触部25Faの端部から延在している。第二保持部25fbの一部は、洗浄水ヒータ25Aの第一部分25Aaの外形に対応する形状を呈している。第二保持部25Fbの一部は、湾曲形状を呈している。第二保持部25Fbは、洗浄水ヒータ25Aを上側から覆う。第二保持部25Fbは、第一部材25Eの第一保持部25Ecと共に洗浄水ヒータ25Aを挟持する。
【0046】
ブラケット25Dでは、第一部材25Eと第二部材25Fとが、ねじNよって固定されている。ねじNは、第一部材25Eの第一ねじ孔25Ee及び第二部材25Fの第二ねじ孔25Fdに螺入されると共に、第一部材25Eの第一ねじ孔25Ef及び第二部材25Fの第二ねじ孔25Feに螺入される。ブラケット25Dでは、第一部材25Eの第一接触部25Ebの第一溝部25Edと、第二部材25Fの第二接触部25Faの第二溝部25Fcとが対向して配置され、第一溝部25Edと第二溝部25Fcとによって、洗浄水温度センサ25Bを囲うように挟持している。洗浄水温度センサ25Bでは、金属製の筒状のハウジングにセンサが挿入されており、第一接触部25Eb及び第二接触部25Faには、ハウジングが接触している。洗浄水温度センサ25Bの先端部は、第一保持部25Ec及び第二保持部25Fb(洗浄水ヒータ25Aの第一部分25Aa)の上方に位置している。ブラケット25Dでは、第一部材25Eの第一保持部25Ecと第二部材25Fの第二保持部25Fbとによって、洗浄水ヒータ25Aを挟持している。ブラケット25Dでは、洗浄水ヒータ25Aの熱が、第一保持部25Ec、第二保持部25Fb、第一接触部25Eb、第二接触部25Fa、第一溝部25Ed及び第二溝部25Fcを介して洗浄水温度センサ25Bに伝達される。
【0047】
続いて、本実施形態の食器洗浄機100の作用効果について説明する。上記実施形態の食器洗浄機100では、洗浄水ヒータ25Aがブラケット25Dによって支持されており、ブラケット25Dが洗浄タンク20の内側面に取り付けられている。これにより、洗浄水ヒータ25Aのメンテナンスの際に、洗浄水ヒータ25Aに負荷が加わったとしても、その全荷重が洗浄水ヒータ25Aの取付構造25Cに加わることを抑制できる。そのため、取り付け部分に変形等が生じることを抑制できるため、そこから洗浄水が漏れることを抑制できる。また、伝熱性を有するブラケット25Dには、洗浄水温度センサ25Bが接触している。これにより、洗浄水温度センサ25Bは、洗浄水ヒータ25Aの温度を精度良く検知することができる。このように、ブラケット25Dは、洗浄水ヒータ25Aを支持する機能と、洗浄水ヒータ25Aの熱を洗浄水温度センサ25Bに伝達する機能との、二つの機能を有している。すなわち、ブラケット25Dは、一つの部品で二つの機能を有している。そのため、部品点数を増やすことなく、洗浄水ヒータ25Aを支持することができる。したがって、コストの増大を抑制しつつ、洗浄タンク20から洗浄水が漏れることを抑制できる。
【0048】
本実施形態に係る食器洗浄機100は、鉛直方向から見たときに前後方向及び左右方向に延在する空間を形成し、洗浄タンク20が配置されると共に、洗浄室1Bの下方に配置される機械室1Aを備える。機械室1Aには、前後方向における前側に、空間を機械室1Aの外側に開放する下側前部パネル11Dが設けられている。洗浄水ヒータ25Aは、前後方向に延在している第一部分25Aaと、第一部分25Aaに連接され、左右方向に延在している第二部分25Abと、を有している。第二部分25Abは、前後方向の前側の側部20Bに取り付けられている。ブラケット25Dは、前後方向の前側において側部20Bの内側面に取り付けられている。この構成では、機械室1Aの前後方向における前側に設けられた下側前部パネル11Dを取り外して機械室1Aを開放することで、洗浄水ヒータ25Aにおける取付構造25C(ナット25Cd)の作業を行うことができる。また、ドア部15を開くことで、開口部1Cを介して、洗浄タンク20の前側でブラケット25Dの作業を行うことができる。したがって、洗浄水ヒータ25Aの取り付けや取り外しを、下側前部パネル11Dを取り外した機械室1Aの前側及び洗浄タンク20の前側において行うことができると共に、取付構造25Cの作業を洗浄タンク20の前側で行うことができるため、メンテナンス性の向上が図れる。
【0049】
本実施形態に係る食器洗浄機100では、洗浄タンク20は、前後方向を長手方向として延在している。洗浄水ヒータ25Aの第一部分25Aaは、洗浄タンク20内において、左右方向の右側(一方側)に配置されている。この構成では、洗浄水ヒータ25Aの第一部分25Aaは、洗浄タンク20の長手方向において延在する。そのため、洗浄水ヒータ25Aにおいて加熱容量を確保することができる。また、洗浄水ヒータ25Aの第一部分25Aaが洗浄タンク20内において左右方向の右側に配置されているため、第一部分25Aaが前後方向に延在する構成を採用したとしても、洗浄水ヒータ25Aが洗浄タンク20内に配置される他の部材(オーバーフローパイプ27、残菜フィルタ等)のレイアウトを阻害しない。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0051】
上記実施形態では、洗浄水ヒータ25Aが一つ設けられている形態を一例に説明した。しかし、洗浄水ヒータ25Aは、複数設けられていてもよい。この構成の場合、ブラケット25Dは、複数の洗浄水ヒータ25Aを支持する。
【0052】
上記実施形態では、洗浄水ヒータ25Aが洗浄タンク20の右側に配置されている形態を一例に説明した。しかし、洗浄水ヒータ25Aは、洗浄タンク20の左側に配置されていてもよい。この構成の場合、ブラケット25Dは、洗浄タンク20の左側の側部20Bの内側面に取り付けられる。
【0053】
上記実施形態では、洗浄水温度センサ25Bがブラケット25Dに挟持されている形態を一例に説明した。しかし、洗浄水温度センサ25Bは、少なくともブラケット25Dに接触し、ブラケット25Dを介して洗浄水ヒータ25Aの熱が伝熱されればよい。
【0054】
<その他の変形例>
上記実施形態及び変形例では、ラックレール23は、絞出加工によって側部パネル2Aと一体的に形成された例を挙げて説明したが、ラックレール23は、他の部材を側部パネル2Aの内面に取り付けることによって形成されてもよい。
【0055】
上記実施形態及び変形例は、本体部1の前面側にドア部15が設けられたタイプの食器洗浄機100に適用するだけでなく、例えば、ドア部が上下に開閉するタイプの食器洗浄機等にも適用することができる。
【0056】
上記実施形態及び変形例では、本体部1の機械室1Aに内蔵される濯ぎタンク6から上側ノズル3及び下側ノズル4に濯ぎ水が供給される構成の食器洗浄機100を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、食器洗浄機100の本体部1の外側に設けられると共に、ガス又は電気等の加熱源によって濯ぎタンクに貯留された水が加熱されるガスブースタ又は電気ブースタから上側ノズル3及び下側ノズル4に濯ぎ水が供給される構成の食器洗浄機に適用されてもよい。
【0057】
本願発明は、上記実施形態及びその他の変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1A…機械室、1B…洗浄室、11D…下側前部パネル(カバー)、20…洗浄タンク、20B…側部、25A…洗浄水ヒータ(加熱部)、25Aa…第一部分、25Ab…第二部分、25B…洗浄水温度センサ(検知部)、25D…ブラケット(取付部)、100…食器洗浄機(洗浄機)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7