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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069097
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】植物育成光源装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
A01G7/00 601C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180713
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩一
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022DA08
(57)【要約】
【課題】 消費電力の低減が可能な植物育成光源装置を提供する。
【解決手段】 第一の発光素子11は、赤色光を発する。第二の発光素子12は、青色光を発する。制御手段70は、第一の発光素子11及び第二の発光素子12を点灯させる。制御手段70は、第一の発光素子11の発光輝度と、第二の発光素子12の発光輝度を個別に調整する。操作部50は、第一の発光素子11の発光輝度と、第二の発光素子12の発光輝度を個別に調整する輝度調整信号S1,S2を制御手段70に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色光を発する第一の発光素子と、青色光を発する第二の発光素子と、前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子を点灯させる制御手段と、を備えた植物育成光源装置であって、
前記制御手段は、前記第一の発光素子の発光輝度と、前記第二の発光素子の発光輝度を個別に調整することを特徴とする植物育成光源装置。
【請求項2】
前記第一の発光素子の発光輝度と、前記第二の発光素子の発光輝度を個別に調整する輝度調整信号を前記制御手段に出力する操作部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の植物育成光源装置。
【請求項3】
白色光を発する第三の発光素子を更に備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の植物育成光源装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第三の発光素子の発光輝度を調整することを特徴とする請求項3に記載の植物育成光源装置。
【請求項5】
赤外線を発する第四の発光素子を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の植物育成光源装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第四の発光素子の発光輝度を調整することを特徴とする請求項5に記載の植物育成光源装置。
【請求項7】
前記制御手段は、タイマー設定に基づいて、前記第一の発光素子と前記第二の発光素子とを個別に点灯/消灯させることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の植物育成光源装置。
【請求項8】
前記制御手段は、気候帯設定に基づいて、前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子の発光輝度を調整することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の植物育成光源装置。
【請求項9】
前記制御手段は、季節設定に基づいて、前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子の発光輝度を調整することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の植物育成光源装置。
【請求項10】
撮像カメラを更に備えたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の植物育成光源装置。
【請求項11】
前記撮像カメラで撮像された撮像データを無線送信する無線通信部を更に備えたことを特徴とする請求項10に記載の植物育成光源装置。
【請求項12】
前記第一の発光素子は、ピーク波長が610nm~830nmの発光ダイオードであることを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の植物育成光源装置。
【請求項13】
前記第二の発光素子は、ピーク波長が420nm~500nmの発光ダイオードであることを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載の植物育成光源装置。
【請求項14】
前記第三の発光素子の演色評価数(Ra)が80以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の植物育成光源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子により、野菜や生花等の植物に光を照射する植物育成光源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、太陽光の代替として、発光素子が発した人工光を植物に照射する植物育成光源装置が種々提案されており、例えば特許文献1,特許文献2,特許文献3に開示されている。斯かる植物育成光源装置は、野菜や生花等の植物に、発光素子が発した人工光を照射して、その植物を栽培するものであり、植物育成光源装置に用いられる発光素子としては、メタルハライドランプ,高圧ナトリウムランプ,蛍光灯,発光ダイオード等がある。植物育成光源装置は、天候に左右されることなく、安定的に植物を栽培できるという利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2-60525号公報
【特許文献2】特開2002-281830号公報
【特許文献3】特開2016-140353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発光素子で消費される電力が大きいため、電気料金が高くなり、植物育成光源装置で栽培される植物が高コストになってしまうという問題を有していた。特許文献2,特許文献3に開示された植物育成光源装置は、発光素子として、発光ダイオードを用いているため、蛍光灯等と比較した場合は消費電力が小さくなるが、近年は、使用者から更なる消費電力の低減が求められている。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、消費電力の低減が可能な植物育成光源装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するため、赤色光を発する第一の発光素子11,111と、青色光を発する第二の発光素子12,112と、前記第一の発光素子11,111及び前記第二の発光素子12,112を点灯させる制御手段70,170と、を備えた植物育成光源装置A,Bであって、前記制御手段70,170は、前記第一の発光素子11,111の発光輝度と、前記第二の発光素子12,112の発光輝度を個別に調整することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記第一の発光素子11の発光輝度と、前記第二の発光素子12の発光輝度を個別に調整する輝度調整信号S1,S2を前記制御手段70に出力する操作部50を更に備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、白色光を発する第三の発光素子13,113を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記制御手段70,170は、前記第三の発光素子13,113の発光輝度を調整することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、赤外線を発する第四の発光素子114を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記制御手段170は、前記第四の発光素子114の発光輝度を調整することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記制御手段170は、タイマー設定に基づいて、前記第一の発光素子111と前記第二の発光素子112とを個別に点灯/消灯させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記制御手段170は、気候帯設定に基づいて、前記第一の発光素子111及び前記第二の発光素子112の発光輝度を調整することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記制御手段170は、季節設定に基づいて、前記第一の発光素子111及び前記第二の発光素子112の発光輝度を調整することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、撮像カメラ190を更に備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記撮像カメラ190で撮像された撮像データを無線送信する無線通信部180を更に備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記第一の発光素子11,111は、ピーク波長が610nm~830nmの発光ダイオードであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記第二の発光素子12,112は、ピーク波長が420nm~500nmの発光ダイオードであることを特徴とする。
【0018】
前記第三の発光素子13の演色評価数(Ra)が80以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第一の発光素子11,111の発光輝度と、第二の発光素子12,112の発光輝度を個別に調整することができ、消費電力の低減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第一実施形態を示す外観図。
図2】同上実施形態を示す発光部の拡大図。
図3】同上実施形態を示す操作部の拡大図。
図4】同上実施形態を示すブロック図。
図5】本発明の第二実施形態を示す外観図。
図6】同上実施形態を示す発光部の拡大図。
図7】同上実施形態を示すスマートフォンの画面説明図。
図8】同上実施形態を示すスマートフォンの画面説明図。
図9】同上実施形態を示すスマートフォンの画面説明図。
図10】同上実施形態を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態について説明する。図1乃至図4は、本発明を植物育成光源装置Aに適用した第一実施形態を示すものである。植物育成光源装置Aは、光源部10,アーム部20,支柱部30,台座部40,操作部50,押ボタンスイッチ60,制御部70を備えており、野菜や生花等の植物に各種の光を照射して、その植物を育成するものである。
【0022】
光源部10は、マトリクス状に配置された赤色発光ダイオード11,青色発光ダイオード12,白色発光ダイオード13を有している。赤色発光ダイオード11は、赤色光を発するものであり、ピーク波長は740nmになっている。青色発光ダイオード12は、青色光を発するものであり、ピーク波長は480nmになっている。白色発光ダイオード13は、白色光を発するものであり、演色評価数(Ra)は「85」になっている。光源部10は、外観が略半球状になっており、アーム部20に支持されている。
【0023】
アーム部20は、断面が長方形の棒状になっており、一端が支柱部30に角度調整可能な状態で支持されると共に、他端に光源部10を角度調整可能な状態で支持している。支柱部30は、断面が長方形の棒状になっており、一端が台座部40に固定されていると共に、他端にアーム部20を角度調整可能な状態で支持している。台座部40は、アーチ形状になっており、支柱部30が固定されている。台座部40には、図示しない電源コードが接続されている。
【0024】
制御部70は、マイコン71及び駆動回路72を有している。マイコン71は、CPU(Central Processing Unit)71aと、揮発性メモリ71bと、不揮発性メモリ71cとを有しており、不揮発性メモリ71cに記憶されたプログラムに基づいて、赤色発光ダイオード11,青色発光ダイオード12,白色発光ダイオード13を点灯させる。駆動回路72は、赤色発光ダイオード11を駆動するLEDドライバ72aと、青色発光ダイオード12を駆動するLEDドライバ72bと、白色発光ダイオード13を駆動するLEDドライバ72cと、を有しており、赤色発光ダイオード11,青色発光ダイオード12,白色発光ダイオード13を駆動する。
【0025】
操作部50及び押ボタンスイッチ60は、台座部40に設けられている。押ボタンスイッチ60は、植物育成光源装置Aの主電源をオン/オフさせるものであり、制御部70に主電源信号S4を出力する。操作部50は、赤色発光ダイオード11の発光輝度を調整する赤色調整部51と、青色発光ダイオード12の発光輝度を調整する青色調整部52と、白色発光ダイオード13の発光輝度を調整する白色調整部53と、を有している。
【0026】
赤色調整部51は、つまみ51a及びスライドボリューム51bからなるものであり、制御部70に輝度調整信号S1を出力し、赤色発光ダイオード11の発光輝度を0%~100%の範囲で調整する。青色調整部52は、つまみ52a及びスライドボリューム52bからなるものであり、制御部70に輝度調整信号S2を出力し、青色発光ダイオード12の発光輝度を0%~100%の範囲で調整する。白色調整部53は、つまみ53a及びスライドボリューム53bからなるものであり、制御部70に輝度調整信号S3を出力し、白色発光ダイオード13の発光輝度を0%~100%の範囲で調整する。
【0027】
各スライドボリューム51b,52b,53bは可変抵抗からなるものであり、各つまみ51a,52a,53aをスライドさせることによって変化する電気抵抗値が輝度調整信号S1,S2,S3となり、これらの輝度調整信号S1,S2,S3がマイコン71に入力される。マイコン71は、輝度調整信号S1,S2,S3に応じて、LEDドライバ72a,72b,72cにPWM(Pulse Width Modulation)信号を出力し、赤色発光ダイオード11,青色発光ダイオード12,白色発光ダイオード13の発光輝度を調整する。
【0028】
植物育成光源装置Aの使用者は、各つまみ51a,52a,53aをスライドさせることにより、赤色発光ダイオード11,青色発光ダイオード12,白色発光ダイオード13の発光輝度を、夫々、0%~100%の範囲で調整することができる。
【0029】
植物を育成するときは、白色発光ダイオード13の発光輝度を「0(ゼロ)」として、赤色発光ダイオード11,青色発光ダイオード12が発する赤色光及び青色光のみを利用することが望ましい。白色光に含まれる緑色光は、植物の育成に殆んど寄与しないため、白色発光ダイオード13を消灯させることにより、効率良く植物を育成することができ、消費電力を低減することが可能である。
【0030】
また、赤色発光ダイオード11と青色発光ダイオード12を交互に点灯させることにより、消費電力を低減しながら、植物の育成を促進することができる。例えば、6時から18時までは赤色発光ダイオード11のみを点灯させて、18時から翌日の6時までは青色発光ダイオード12のみを点灯させることにより、24時間継続して赤色発光ダイオード11及び青色発光ダイオード12を点灯させる場合に比して、消費電力を低減しながら、植物の育成を促進することができる。
【0031】
植物を観察するときは、赤色発光ダイオード11,青色発光ダイオード12の発光輝度を「0(ゼロ)」として、白色発光ダイオード13が発する白色光のみを利用することが望ましい。赤色光,青色光が強い場合、植物の本来の色を観察できないからである。特に、生花を見て楽しむときは、生花の本来の色を視認できるように、白色発光ダイオード13が発する白色光のみを利用することが望ましい。
【0032】
図5乃至図9は、第二実施形態を示すものである。植物育成光源装置Bは、光源部110,アーム部120,支柱部130,台座部140,押ボタンスイッチ160,制御部170,無線通信部180,撮像カメラ190,温度センサ200を備えている。
【0033】
光源部110は、赤色発光ダイオード111,青色発光ダイオード112,白色発光ダイオード113,赤外発光ダイオード114を有している。赤色発光ダイオード111は、赤色光を発するものであり、ピーク波長は770nmになっている。青色発光ダイオード112は、青色光を発するものであり、ピーク波長は、480nmになっている。白色発光ダイオード113は、白色光を発するものであり、演色評価数(Ra)は「85」になっている。赤外発光ダイオード114は、赤外線を発するものであり、ピーク波長は2.5μmになっている。
【0034】
アーム部120は、断面が長方形の棒状になっており、一端が支柱部130に角度調整可能な状態で支持されると共に、他端に光源部110を角度調整可能な状態で支持している。支柱部130は、断面が長方形の棒状になっており、一端が台座部140に固定されていると共に、他端にアーム部120を角度調整可能な状態で支持している。支柱部130には、撮像カメラ190及び温度センサ200が設けられている。台座部140は、アーチ形状になっており、支柱部130が固定されている。台座部140には、図示しない電源コードが接続されている。
【0035】
押ボタンスイッチ160は、台座部140に固定されている。押ボタンスイッチ160は、植物育成光源装置Bの主電源をオン/オフさせるものであり、制御部170に主電源信号S5を出力する。無線通信部180は、Wi-Fi(登録商標)を介して、植物育成光源装置Bをインターネットに接続するためのものであり、台座部140に設けられている。
【0036】
撮像カメラ190は、植物育成光源装置Bにより育成されている植物を撮像するものであり、制御部170に撮像データS7を出力する。制御部170は、インターネットを介して、無線通信部180から撮像データS7をスマートフォンCに無線送信する。温度センサ200は、植物育成光源装置Bの近傍の温度を検出し、制御部170に温度データS8を出力する。温度センサ200によって検出された温度は、スマートフォンCのタッチパネル150に表示される。
【0037】
制御部170は、マイコン171及び駆動回路172を有している。マイコン171は、CPU171aと、揮発性メモリ171bと、不揮発性メモリ171cとを有しており、不揮発性メモリ171cに記憶されたプログラムに基づいて、赤色発光ダイオード111,青色発光ダイオード112,白色発光ダイオード113,赤外発光ダイオード114を点灯させる。
【0038】
駆動回路172は、赤色発光ダイオード111を駆動するLEDドライバ172aと、青色発光ダイオード112を駆動するLEDドライバ172bと、白色発光ダイオード113を駆動するLEDドライバ172cと、赤外発光ダイオード114を駆動するLEDドライバ172dと、を有している。マイコン171は、スマートフォンCの操作に応じて、LEDドライバ172a,172b,172c,172dにPWM信号を出力し、赤色発光ダイオード111,青色発光ダイオード112,白色発光ダイオード113,赤外発光ダイオード114の発光輝度を調整する。
【0039】
タッチパネル150には、赤色発光ダイオード111の発光輝度を調整する赤色調整画像151と、青色発光ダイオード112の発光輝度を調整する青色調整画像152と、白色発光ダイオード113の発光輝度を調整する白色調整画像153と、赤外発光ダイオード114の発光輝度を調整する赤外線調整画像154と、撮像カメラ190で撮像された画像156と、植物育成光源装置Bの近傍の温度157と、メニューアイコン158とが表示される。
【0040】
赤色調整画像151は、つまみを模した画像151aと、スライドボリュームを模した画像151bと、調整値を示す数字の画像151cと、を有している。青色調整画像152は、つまみを模した画像152aと、スライドボリュームを模した画像152bと、調整値を示す数字の画像152cと、を有している。白色調整画像153は、つまみを模した画像153aと、スライドボリュームを模した画像153bと、調整値を示す数字の画像153cと、を有している。赤外線調整画像154は、つまみを模した画像154aと、スライドボリュームを模した画像154bと、調整値を示す数字の画像154cと、を有している。
【0041】
植物育成光源装置Bの使用者は、つまみを模した各画像151a,152a,154a,155aをタッチパネル150上でスライドさせることにより、赤色発光ダイオード111,青色発光ダイオード112,白色発光ダイオード113,赤外発光ダイオード114の発光輝度を、夫々、0%~100%の範囲で調整することができる。
【0042】
図8は、スマートフォンCのタッチパネル150による表示の他の一例を示すものである。タッチパネル150には、赤色発光ダイオード111のタイマー設定画像211と、青色発光ダイオード112のタイマー設定画像212と、白色発光ダイオード113のタイマー設定画像213と、赤外発光ダイオード114のタイマー設定画像214と、が表示される。
【0043】
植物育成光源装置Bの使用者は、タイマー設定画像211,212,213,214をタッチ操作することにより、赤色発光ダイオード111,青色発光ダイオード112,白色発光ダイオード113,赤外発光ダイオード114のオン/オフ時刻を夫々設定する。
【0044】
植物が発芽前であるときは、赤色発光ダイオード111,青色発光ダイオード112,白色発光ダイオード113を消灯させ、赤外発光ダイオード114が発する赤外線のみを利用し、発芽を促すことが望ましい。植物の葉が無い状態では光合成できないため、赤色発光ダイオード111,青色発光ダイオード112,白色発光ダイオード113を点灯させても無駄であるからである。
【0045】
また、赤色発光ダイオード111と青色発光ダイオード112を交互に点灯させることにより、消費電力を低減しながら、植物の育成を促進することができる。例えば、6時から18時までは赤色発光ダイオード111のみを点灯させて、18時から翌日の6時までは青色発光ダイオード112のみを点灯させることにより、消費電力を低減しながら、植物の育成を促進することができる。
【0046】
植物を観察するときは、赤色発光ダイオード111,青色発光ダイオード112,赤外発光ダイオード114の発光輝度を「0(ゼロ)」として、白色発光ダイオード113が発する白色光のみを利用することが望ましい。赤色光,青色光が強い場合、植物の本来の色を観察できないからである。特に、生花を見て楽しむときや、撮像カメラ190で撮像された画像で植物の状態を確認するときは、白色発光ダイオード113が発する白色光のみを利用することが望ましい。
【0047】
スマートフォンCには、気候帯別の発光パターンがプログラムされたアプリケーションソフトがインストールされており、植物育成光源装置Bの使用者は、育成する植物に適した発光パターンを選択することもできる。図9に示すように、タッチパネル150には、気候帯を選択する気候帯選択画像251と、好日性を選択する好日性選択画像252と、メニューアイコン158とが表示される。気候帯選択画像251は、「熱帯」,「温帯」,「亜寒帯」,「高山気候」の中から気候帯を選択する画像である。特に、「温帯」が選択されたときは季節設定が可能になっており、「春」,「夏」,「秋」,「冬」の中から季節を選択する。好日性選択画像252は、「好日性」,「半日陰性」の中から好日性を選択する画像である。
【0048】
植物育成光源装置Bの使用者は、育成する植物に適する気候帯と好日性とをタッチパネル150で選択する。例えば、熱帯性の洋ランを育成する場合は、気候帯選択画像251で「熱帯」を選択し、好日性選択画像252で「半日陰性」を選択する。また、例えば、日本国と同じ状態で野菜の育成する場合は、気候帯選択画像251で「温帯」と、その時の季節を選択し、好日性選択画像252で「好日性」を選択する。
【0049】
第一,第二実施形態によれば、天候に左右されることなく、屋内で野菜や生花等の植物を育成することができる。且つ、植物の種類や育成方法に合わせて、不要な発光素子を消灯させることにより、植物育成光源装置A,Bの消費電力を低減することができる。
【0050】
本発明は、第一,第二実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、第一実施形態の操作部50は、スライドボリューム51b,52b,53bを用いたものであったが、操作部50は、ロータリーボリュームを用いたものであっても良いし、輝度のアップダウンを操作する押ボタンにより輝度調整信号を出力するものであっても良い。
【符号の説明】
【0051】
11 赤色発光ダイオード(第一の発光素子)
12 青色発光ダイオード(第二の発光素子)
13 白色発光ダイオード(第三の発光素子)
50 操作部
70 制御部(制御手段)
111 赤色発光ダイオード(第一の発光素子)
112 青色発光ダイオード(第二の発光素子)
113 白色発光ダイオード(第三の発光素子)
114 赤外発光ダイオード(第四の発光素子)
170 制御部(制御手段)
180 無線通信部
190 撮像カメラ
A 植物育成光源装置
B 植物育成光源装置
C スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10