(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069188
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/58 20060101AFI20230511BHJP
E05F 15/40 20150101ALI20230511BHJP
E06B 9/11 20060101ALN20230511BHJP
E06B 9/13 20060101ALN20230511BHJP
【FI】
E06B9/58 A
E05F15/40
E06B9/11 Z
E06B9/13 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180876
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】長峰 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】重村 正和
(72)【発明者】
【氏名】小峰 正子
(72)【発明者】
【氏名】中▲崎▼ 悠介
【テーマコード(参考)】
2E042
2E052
【Fターム(参考)】
2E042AA06
2E042CA01
2E042CC03
2E042DA01
2E052AA02
2E052BA06
2E052EA09
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA06
2E052GB01
2E052KA27
(57)【要約】
【課題】 認識し易い報知をする。
【解決手段】 開閉装置であって、開口部Aに沿って開放位置と閉鎖位置との間を開閉動作する開閉体10と、開閉体10を開閉方向へ案内するガイドレール20と、開放した際の開閉体10を開放方向側で収納する収納部30と、報知をする報知部50とを具備し、開閉体10の開閉状態に応じて、報知部50によって異なる種類の報知をする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部に沿って開放位置と閉鎖位置との間を開閉動作する開閉体と、前記開閉体を開閉方向へ案内するガイドレールと、開放した際の前記開閉体を開放方向側で収納する収納部と、報知をする報知部とを具備し、
前記開閉体の開閉状態に応じて、前記報知部によって異なる種類の報知をするようにしたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記報知部は、前記異なる種類の報知として、異なる種類の報知像を所定部位に投影することを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
前記異なる種類の報知像が、形状の異なる報知像であることを特徴とする請求項2記載の開閉装置。
【請求項4】
前記報知部は、前記異なる種類の報知像を、それぞれ異なる位置に投影することを特徴とする請求項2又は3記載の開閉装置。
【請求項5】
前記報知部は、前記開閉体の開閉状態に応じて、前記報知像の点滅と点灯を切り替えることを特徴とする請求項2~4何れか1項記載の開閉装置。
【請求項6】
前記報知像には、前記開口部を通り抜ける方向に沿って通路上に投影される第一の報知像と、前記開口部の幅方向に沿って通路上に投影される第二の報知像とを含み、
前記報知部は、前記開閉体の開閉状態に応じて、前記第一の報知像の投影と、前記第二の報知像の投影とを切り替えることを特徴とする請求項2~5何れか1項記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部に沿う開放位置と閉鎖位置との間で開閉体を開閉動作するようにした開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、開閉体に通行者(車両等を含む)が近づくと、その通行者をセンサにより感知して、シート状の開閉体を全開位置まで高速に開放し、通行者等が通過した後に、開閉体を自動的に全閉位置まで高速に閉鎖動作するようにした開閉装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術によれば、開閉体の開閉状態や、自動閉鎖のタイミング等の認識を通行者が誤ると、開閉体に対する車両の衝突や、開口部を通過する車両と通行人の接触等を生じる一因となるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明は、以下の構成を具備するものである。
開口部に沿って開放位置と閉鎖位置との間を開閉動作する開閉体と、前記開閉体を開閉方向へ案内するガイドレールと、開放した際の前記開閉体を開放方向側で収納する収納部と、報知をする報知部とを具備し、
前記開閉体の開閉状態に応じて、前記報知部によって異なる種類の報知をするようにしたことを特徴とする開閉装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、認識し易い報知をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る開閉装置の一例を示す斜視図であり、横断注意勧告用の報知像を投影する前と後の状態を(a)と(b)にそれぞれ示している。
【
図2】本発明に係る開閉装置の一例を示す斜視図であり、停止勧告用の報知像を点滅した状態と点灯した状態を(a)と(b)にそれぞれ示している。
【
図3】同開閉装置の制御系統の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図1~
図2に関し、報知部の制御例を示すフローチャートである。
【
図5】停止勧告用の報知像の他例を床面に投影した状態を示す斜視図である。
【
図6】停止勧告用の報知像の他例を開閉体に投影した状態を示す斜視図である。
【
図7】停止勧告用の報知像の他例を投影した状態を示す斜視図であり、開閉体に通行車両が接近する前と後の状態を(a)と(b)にそれぞれ示している。
【
図8】停止勧告用の報知像の他例として、開閉体が自動閉鎖するまでの時間を投影した状態を示す斜視図である。
【
図9】通過方向に並ぶ複数の開閉装置について、インターロック制御中であることを示す報知像を投影した状態の斜視図である。
【
図11】本発明に係る開閉装置の他例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、以下の特徴を開示している。
第一の特徴は、開口部に沿って開放位置と閉鎖位置との間を開閉動作する開閉体と、前記開閉体を開閉方向へ案内するガイドレールと、開放した際の前記開閉体を開放方向側で収納する収納部と、報知をする報知部とを具備し、
前記開閉体の開閉状態に応じて、前記報知部によって異なる種類の報知をするようにした(
図1~
図2,
図4参照)。
【0009】
ここで、前記開放位置には、前記開閉体が所定量開放動作して停止した位置や、前記開閉体が所定量開放動作して閉鎖動作に切り替わった時点の位置等を含む。さらに、この開放位置には、全開位置である場合と、途中開放位置である場合を含む。
同様に、前記閉鎖位置には、前記開閉体が前記開放位置から所定量閉鎖動作して停止した位置や、前記開閉体が前記開放位置から所定量閉鎖動作して開放動作に切り替わった時点の位置等を含む。さらに、この閉鎖位置には、全閉位置である場合と、途中閉鎖位置である場合を含む。
【0010】
第二の特徴として、前記報知部は、前記異なる種類の報知として、異なる種類の報知像を所定部位に投影する(
図1~
図2,
図4参照)。
ここで、前記報知像には、文字や図形、記号等の像を含む。
【0011】
第三の特徴として、前記異なる種類の報知像が、形状の異なる報知像である(
図1~
図2参照)。
【0012】
第四の特徴として、前記報知部は、前記異なる種類の報知像を、それぞれ異なる位置に投影する(
図1~
図2参照)。
【0013】
第五の特徴として、前記報知部は、前記開閉体の開閉状態に応じて、前記報知像の点滅と点灯を切り替える(
図2参照)。
【0014】
第六の特徴として、前記報知像には、前記開口部を通り抜ける方向に沿って通路上に投影される第一の報知像と、前記開口部の幅方向に沿って通路上に投影される第二の報知像とを含み、前記報知部は、前記開閉体の開閉状態に応じて、前記第一の報知像の投影と、前記第二の報知像の投影とを切り替える。
【0015】
<具体的実施態様>
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明において、「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の開閉体の厚さ方向を意味する。また、「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、該開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
【0016】
開閉装置1は、開口部Aに沿って開放位置(図示例によれば全開位置)と閉鎖位置(図示例によれば全閉位置)との間を開閉動作する開閉体10と、開閉体10を開閉方向へ案内するガイドレール20と、開放した際の開閉体10を開放方向側で収納する収納部30と、開口部Aの進入側の通行者Xを感知する感知部40と、通行者Xや横断者Y等に対する報知をする報知部50と、開閉体10の開閉動作を制御する開閉制御部60と、報知部50を制御する報知制御部70とを具備する(
図1~
図10参照)。
【0017】
通行者Xには、開口部Aを通過しようとする通行人や、車両、車両の運転者等を含み、図示例によれば、開口部Aを通過しようとする車両である。
また、図中、符号Yは、開口部Aを通り抜ける方向の通路を横切ろうとする横断者である。
【0018】
開閉体10は、可撓性シート状の開閉体本体11と、この開閉体本体11の最下端部に接続された座板部12とを一体に具備し、開口部Aを仕切るようにして開閉動作する。
【0019】
開閉体本体11は、開口部Aの略全面を覆う広さの矩形状の可撓性シートによって形成される。前記可撓性シートは、例えば、ガラスクロスやシリカクロス等の難燃性布地や、フッ素加工を施した塩化ビニル樹脂シート材、ガラス繊維を含んだ合成樹脂シート材等であり、好ましくは、遮煙性や耐火性(難燃性を含む)の可撓性シート材料によって構成される。
この開閉体本体11の上端部は、収納部30内で回転する巻取軸(図示せず)の外周部に接続される。
また、開閉体本体11の左右端部には、開閉方向へわたって多数の係合子(図示せず)が設けられる。これら係合子は、前記巻取軸と連動して回転する開閉駆動ギヤ(図示)に噛み合って、開閉体10の高速開閉を可能にしている。
なお、図中、符号13は、透明シート等からなる窓部である。
【0020】
座板部12は、開閉体10の幅方向の略全長にわたって開閉体本体11の下端に接続され、開閉体10による閉鎖性を良好にするとともに、その自重により開閉体本体11を下方へ引っ張って、開閉体本体11に撓みや皺等が発生するのを防ぐ。
この座板部12は、例えば、シート材からなる開閉体本体11の下端に断面袋状の部分を形成し、この袋状部分に錘体を内在することで構成される。
【0021】
ガイドレール20は、開閉体10の横幅方向の両端部側にそれぞれ設けられる。各ガイドレール20は、開閉体10の横幅方向端部側を、横断面凹状に囲んで開閉方向へ案内する。
左右のガイドレール20,20には、開閉体10の下方側の障害物を感知する障害物感知部(図示せず)が設けられる。この障害物感知部は、例えば、投光部から出射される赤外線を捕捉部により捕捉するようにした光電センサであり、前記赤外線が障害物により遮られた際に、障害物感知信号を開閉制御部60へ伝送する。
【0022】
収納部30は、収納ケース31内に、開閉体10を巻き取ったり繰り出したりする巻取軸(図示せず)や、開閉駆動ギヤ(図示)、これらの駆動源となる開閉機32(
図3参照)等を具備している。
【0023】
また、開閉機32には、開閉体10が開放位置にあるか閉鎖位置にあるかを感知して、その感知信号を開閉状態信号として出力する開閉状態感知部(図示せず)が設けられる。
この開閉状態感知部は、開閉機32の回転部分の回転量が所定値になった際に信号を出力するスイッチであり、例えば、機械式カウンターとリミットスイッチを組み合わせた周知構造のものを適用可能である。
前記開閉状態信号には、開閉体10が開放位置(図示例によれば全開位置)で停止していることを示す開放停止信号が含まれ、さらに必要に応じて、開閉体10が閉鎖位置で停止していることを示す閉鎖停止信号を含む。これらの信号は、開閉機32から開閉制御部60へ伝送される(
図3参照)。
【0024】
感知部40は、赤外線や超音波、可視光、レーザー光等を検出媒体にして、設定された範囲で物体を非接触感知するセンサであり、エリアセンサー等と呼称される場合がある(
図7参照)。
この感知部40は、収納部30の外面に装着され、開口部Aへ進入する通行者Xを感知すると、その感知信号(通行者感知信号)を開閉制御部60へ送信し入力する。
なお、感知部40の他例としては、光電管センサや、焦電型赤外線センサ、ステレオカメラやToFカメラ等を用いた3Dセンサ等を用いることが可能である。
【0025】
報知部50は、異なる種類の所定形状の報知像を所定部位に投影する装置である。前記所定部位は、
図1及び
図2に示す一例によれば、開閉体10の閉鎖方向端部に対向する不動面(通路床面)である。
この報知部50は、LED等の光により単数又は複数の投影像を投影する装置であればよく、例えば、プロジェクタや、ラインライト等と呼称される装置を適用可能である。
この報知部50の態様としては、複数の報知部50によりそれぞれ異なる報知像を投影するようにしてもよいし、単一の報知部50により複数種類の報知像を投影するようにしてもよい。
図示例の報知部50は、開口部Aの進入側から通り抜け側へわたる広い範囲を投影できるように、収納部30の下面に設けてある。
なお、他例としては、報知部50を収納部30内に設け、収納部30の外壁面に、報知部50による光を通過するための貫通部や投光部等を設けるようにしてもよい。
【0026】
開閉制御部60は、シーケーサーや、リレー回路等を具備した電気回路であり、入力信号に応じて、開閉機32を制御したり、報知制御部70へ信号を伝送したりする。
【0027】
開閉制御部60への入力信号には、
図3に示す一例によれば、モード信号、開・閉・停信号等を含む。さらに、この入力信号には、上記通行者感知信号、上記障害物感知信号、上記開閉状態信号等を含む。
【0028】
前記モード信号は、自動モードと手動モードの何れのモードであるかを示す信号である。これら自動モードと手動モードは、操作スイッチに対する特別な操作や、図示しない操作等により切り替え可能である。
前記自動モードとは、感知部40の感知信号や操作スイッチの開ボタン操作等に応じて開放位置(図示例によれば全開位置)になった開閉体10を、所定時間経過したことを条件に自動的に閉鎖位置(図示例によれば全閉位置)まで閉鎖動作するモードである。
また、前記手動モードとは、操作スイッチ等により手動で開閉体10を開放位置まで開放動作したり閉鎖位置まで閉鎖動作したりするモードである。
【0029】
また、前記開・閉・停信号は、図示しない操作スイッチにより出力される信号である。この信号には、開閉体10を開放動作させるための開放信号と、開閉体10を閉鎖動作させるための閉鎖信号と、開閉体10の開閉動作を停止するための停止信号とが含まれる。
【0030】
そして、開閉制御部60は、上述した入力信号のうち、モード信号及び開閉体状態信号を報知制御部70へ伝送する(
図3参照)。なお、開閉制御部60が出力する信号は、前記モード信号及び前記開閉体状態信号に換えて、開閉制御部60を構成する電気回路のリレー接点信号であってもよい。
【0031】
開閉制御部60は、上述した入力信号に応じて発する開閉動作指令(信号や電力等)により、開閉機32を正転や、逆転、停止等して、開閉体10の開閉動作を制御する(
図3参照)。
【0032】
また、報知制御部70は、例えば、マイコンや記憶装置、リレー回路等からなる電気回路であり、予め記憶したプログラムにより動作する。
この報知制御部70は、上記のようにして入力されるモード信号や、開閉状態信号等に応じて発する報知指令(信号や電力等)により、報知部50を制御(点灯や、消灯、点滅等)し、異なる種類の報知をする。この報知の具体例としては、
図1(b)及び
図2(a)(b)に示すように、異なる形状の報知像をそれぞれ異なる位置に投影する。
【0033】
<制御例>
次に、報知制御部70による制御例を、
図4のフローチャートに沿って詳細に説明する。
先ず、報知制御部70は、開閉制御部60からの入力信号に応じて、自動モードであるか否かを判断し(ステップS1)、自動モードであれば次のステップへ進み、そうでなければ自動モードになるのを待つ。
【0034】
次のステップS2では、開閉制御部60から受信した開閉状態信号より、開放停止信号がONであるか否かを判断し、開放停止信号がONであれば、開閉体10が所定の開放位置(図示例によれば全開位置)にあるものとみなして、次のステップへ処理を進め、そうでなければステップS8へ処理をジャンプする。
【0035】
次のステップS3では、横断勧告用の第一の報知像L1を通路上に投影する。この第一の報知像L1は、開口部を通り抜ける方向に沿う通路の両側に位置する平行な二本の線状の像であり(
図1(b)参照)、好ましい一例によれば、開口部Aを通路方向へ跨る直線状に形成される。
この第一の報知像L1は、通行者Xの通り道となる通路を横切ろうとする横断者Yに対し、停止するように注意勧告するための図形である。
なお、この第一の報知像L1の他例としては、開閉体10に接近しようとする者に対し停止を促す像としてもよい。
【0036】
次のステップS4では、開閉制御部60から受信した開閉状態信号より、開放停止信号がOFFであるか否かを判断し、開放停止信号がOFFであれば、開閉体10が開放位置にはなく閉鎖動作中又は閉鎖位置にあるとみなして、次のステップへ処理を進め、そうでなければステップS3へ処理を戻す。
【0037】
次のステップS5では、第一の報知像L1を消灯し、さらに次のステップS6では、第二の報知像L2を点滅しながら投影する(
図2(c)参照)。
第二の報知像L2は、通行者X(車両)に対し停止するように注意勧告する図形であり、図示例によれば、開口部Aの幅方向に沿って通路上に投影される直線状の像である。
この第二の報知像L2は、開口部Aを間に挟む両側に位置するように、略平行に二本設けられる。なお、
図2(c)中の破線は、第二の報知像L2が点滅していることを表現したものである。
【0038】
次のステップS7では、開放停止信号がOFFになってから所定時間(図示例によれば2秒)経過したか否かを判断し、経過していれば次のステップへ処理を進め、そうでなければ、上記ステップS3へ処理を戻す。
【0039】
次のステップS8では、停止勧告用の第二の報知像L2を、点滅状態から点灯状態に切り替える(
図2(d)参照)。そして、処理を上記ステップS1へ戻す。
【0040】
よって、
図4に示す制御例によれば、開放状態においては通行者X(車両)の通り道に侵入しようとしている横断者Yに対し、第一の報知像L1を視認させて、通行者Xに接触することのないように、認識し易い注意喚起をすることができる。
また、自動モードの機能により開閉体10が閉鎖動作中または閉鎖停止中である場合には、第二の報知像L2の点滅と点灯により、通行者Xに対し、開閉体10に衝突するようないように、認識し易い注意喚起をすることができる。
【0041】
<変形例>
次に、上記構成の開閉装置1に対し、その一部を変更したり、機能を追加したりした変形例について説明する。
【0042】
図5は、通行者X(車両)に対し停止を促す第二の報知像L2として、「!」マークを、報知部50によって投影表示したものである。
このように、報知部50によって投影される第一の報知像L1や第二の報知像L2は、報知内容に応じた像とすればよく、さらに他例としては、矢印等のマーク、文字、数字、絵柄、図形等とすることが可能である。
【0043】
図6は、第二の報知像L2の表示位置を、開閉体10の表面としたものである。
このように第一の報知像L1や第二の報知像L2が投影される部位は、通路床面、開閉体10面(
図6参照)、ガイドレール20、収納部30、当該開閉装置1が設置される躯体壁等とすることが可能である。
【0044】
図7は、通行者X(車両)に対し停止を促す第二の報知像L2として、感知部40の感知エリアを示す図形を投影表示したものである。
この図形は、開口部Aに対する進入側の通路面に、報知部50によって矩形枠状に投影される(
図7(a)参照)。この態様によれば、通行者Xに対し、開閉体10前での停止を促すとともに、感知部40の感知エリアを認識させることができる。
【0045】
さらに、
図7(b)は、開口部Aの通り抜け側となる開閉体10の裏側に、通行者X(車両)の通り抜けを予告する図形L3(図示例によれば矢印マーク)を投影表示したものである。
なお、この態様では、報知部50が収納部30の後ろ側の面にも別途設けられる。この報知部50によって、開閉体10の閉鎖状態であっても、図形L3を投影することができる。
また、この態様の好ましい一例としては、感知部40により通行者Xを感知したことを条件に、図形L3を投影表示する。この一例によれば、開閉体10の裏側の人等に対し、開閉体10の開放及び通行者Xの通過が近づいていることを報知することができる。
【0046】
図8は、開放位置にある開閉体10が、上記自動モードにより所定時間経過後に自動閉鎖する場合に、報知部50による報知像として、前記自動閉鎖までの時間を示す図形L4を投影表示したものである。
図形L4は、図示例によれば、数字であり、前記自動閉鎖までの時間に応じてカウントダウン表示(例えば、「5」「4」「3」「2」「1」等)される。
この態様によれば、開閉体10が自動閉鎖するタイミングを、通行者Xに対し認識させることができる。
【0047】
図9は、通行者Xの進行方向に開閉体10が二つ並ぶように、開閉装置1を二つ備え、これら二つの開閉装置1をインターロック制御したものである。
このインターロック制御は、一方(図示例によれば先側)の開閉体10が閉鎖位置にない場合(例えば、開放動作中や開放位置にある場合)に、他方(図示例によれば手前側)の開閉体10を開放しないようにしする制御である。
報知制御部70は、前記インターロック制御によって何れか一方の開閉体10が閉鎖位置にない場合に、報知部50の投影により報知像L5を点灯する。この後、報知制御部70は、前記一方の開閉体10が閉鎖位置になった場合に、報知像L5を消灯する。
報知像L5は、図示例によれば、開閉体10面に略平行する停止線状の投影像と、インターロック中であることを示す文字像である。
この態様によれば、通行者Xに対し、インターロック制御の進行状態を認識させることができる。
【0048】
また、上記実施態様において、
図3に示す制御系統は、
図10に示す制御系統に置換することが可能である。
図10に示す制御系統において、報知制御部70への入力信号には、モード信号、開・閉信号、通行者感知信号等を含む。また、開閉制御部60への入力信号には停信号及び障害物感知信号を含む。
報知制御部70は、モード信号、開・閉信号、通行者感知信号等を開閉制御部60へ送信し、開閉制御部60から開閉状態信号を受信する。そして、報知制御部70は、入力信号等に応じて発する報知指令(信号)により報知部50を制御する。
開閉制御部60は、開閉機32から開閉状態信号を受信し該信号を報知制御部70へ伝送する。また、開閉制御部60は、入力信号等に応じて発する開閉動作指令により開閉機32を制御する。
よって、
図10に示す制御系統によっても、
図11の制御系統の同等の作用効果を得ることができる。
【0049】
また、
図11に示す開閉装置1’は、上述した開閉装置1に対し物体サイズ感知部80を加えている。
物体サイズ感知部80は、被搬送物x1を含む物体Xの横幅寸法を感知し、その横幅寸法に応じた感知信号を発信するものである。
この物体サイズ感知部80の具体例としては、上述した感知部40と略同様の非接触感知センサを用いることが可能である。さらに、物体サイズ感知部80の他例としては、撮像装置(例えばCCDカメラ)等によって通行者Xを撮影しその撮影データを画像処理することによって通行者Xの横幅寸法を認識する構成とすることも可能である。
この開閉装置1’の制御部(図示せず)は、物体サイズ感知部80による感知信号に基づき、被搬送物x1を含む物体Xが開口部Aを通り抜け可能かどうかを判断し、通り抜け不可能と判断すれば、報知部50によって第二の報知像L2をするとともに、開閉体10を開放せず、通り抜け可能と判断すれば、報知部50による第二の報知像L2を消灯するとともに、開閉体10を開放動作する。
よって、この開閉装置1’によれば、開口部Aを通過しようとして、大きすぎる被搬送物x1が開閉装置1’に衝突するようなことを防ぐことができる。
なお、他例としては、物体サイズ感知部80によって、被搬送物x1を含む通行者Xの高さ寸法を感知し、その高さ寸法に応じて、上記判断や制御を行うようにしてもよい。
【0050】
上記実施態様の一部は、異なる種類の報知像の投影として、形状や位置が異なる報知像、点滅から点灯に切り替わる報知等を投影したが、他例としては、色が異なる報知像を投影する態様とすることも可能である。
【0051】
また、上述した各種態様では、報知部50が投影する報知像のみによって報知を行うものとしたが、他例としては、報知部50が報知像を投影しながら報知音を発生する態様や、報知部50が開閉体10の開閉状態に応じて、報知像と報知音を切り替える態様等とすることも可能である。この場合、報知部50には、スピーカや、音声データを記憶する記憶装置等を具備する。
さらに他例としては、報知部50が、開閉体の開閉状態に応じて異なる種類の報知音を切り替えるようにして発する態様とすることも可能である。
【0052】
また、上記実施態様によれば、開口部Aを通り抜ける方向の通路を建物内の床面上の通路としたが、この通路は、開口部Aを通り抜けるように延設された通路であればよく、建物の内外に拘わらず、コンクリート面や土面上の通路とすることが可能である。さらに、当該開閉装置1を移動するコンベヤ上に設置した場合に、このコンベヤ上を前記通路としたり、当該開閉装置1を船舶が通過する水路上に設置した場合に、この水路を前記通路としたりすることも可能である。
【0053】
また、
図1、
図2、
図5、
図7~
図9、
図11等に示す態様によれば、上記放置像が投影される所定部位を、開閉体10の閉鎖方向端部に対向する不動面(通路床面)としたが、他例としては、当該開閉装置1を移動するコンベヤ上に設置した場合に、そのコンベヤ上の移動面を上記所定部位としたり、当該開閉装置1を水路上に設置した場合に、その水路上の水面を上記所定部位としたりすることも可能である。
【0054】
本発明は上述した実施態様に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0055】
1,1’:開閉装置
10:開閉体
20:ガイドレール
30:収納部
40:感知部
50:報知部
60:開閉制御部
70:報知制御部
80:物体サイズ感知部
A:開口部
X:通行者
Y:横断者