(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069189
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】照明制御装置、照明器具、及び照明制御システム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/17 20200101AFI20230511BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20230511BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20230511BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20230511BHJP
H05B 45/31 20200101ALI20230511BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20230511BHJP
H05B 45/3725 20200101ALI20230511BHJP
H05B 47/20 20200101ALI20230511BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B47/115
H05B47/16
H05B47/155
H05B45/31
H05B45/10
H05B45/3725
H05B47/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180879
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】堤 晋一
(72)【発明者】
【氏名】関 圭介
(72)【発明者】
【氏名】重松 大輝
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA34
3K273QA37
3K273QA39
3K273RA17
3K273SA04
3K273SA08
3K273SA23
3K273SA34
3K273SA37
3K273SA46
3K273SA53
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA14
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA47
3K273TA49
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA27
(57)【要約】
【課題】照明制御システムにおける誤配線による故障を抑制できる照明制御装置などを提供する。
【解決手段】照明制御装置30aは、照明制御装置30bと接続されて使用され、第一入力端子H1及びN1と、第一スイッチング素子41aと、第一制御端子LH1と、第一スイッチング素子41aを制御する第一制御回路60aと、第一制御端子LH1と接続される第一検出回路50aとを備え、照明制御装置30bは、第二入力端子H2及びN2と、第二スイッチング素子41bと、第二制御端子LH2とを備え、第一検出回路50aは、第一制御端子LH1に入力される制御信号を検出し、第一制御回路60aは、第二スイッチング素子41bの状態と、第一検出回路50aにおける制御信号の検出の有無とに基づいて、照明制御装置30aの動作モードを決定し、動作モードの候補は、第一スイッチング素子41aをオフ状態に維持する第一動作モードを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の照明制御装置と接続されて使用される照明制御装置であって、
交流電圧を入力するための一対の第一入力端子と、
前記一対の第一入力端子の一方と接続され、オンオフ制御される第一スイッチング素子と、
前記一対の第一入力端子の一方と前記第一スイッチング素子を介して接続される第一制御端子と、
前記第一スイッチング素子を制御する第一制御回路と、
前記第一制御端子に接続される第一検出回路とを備え、
前記他の照明制御装置は、
前記交流電圧を入力するための一対の第二入力端子と、
前記一対の第二入力端子の一方と接続され、オンオフ制御される第二スイッチング素子と、
前記一対の第二入力端子の一方と前記第二スイッチング素子を介して接続される第二制御端子と、
前記第二スイッチング素子を制御する第二制御回路と、
前記第二制御端子に接続される第二検出回路と、を備え、
前記一対の第一入力端子及び前記第一制御端子の各々は、前記一対の第二入力端子及び前記第二制御端子のうち一つの端子と接続され、
前記第一検出回路は、前記第一制御端子に入力される制御信号を検出し、
前記第一制御回路は、前記第二スイッチング素子の状態と、前記第一検出回路における前記制御信号の検出の有無とに基づいて、前記照明制御装置の動作モードを、複数の候補動作モードの中から決定し、
前記複数の候補動作モードは、前記第一スイッチング素子をオフ状態に維持する第一動作モードを含む
照明制御装置。
【請求項2】
前記第二制御回路は、前記交流電圧の入力開始から、ゼロより大きいオフ時間の間、前記第二スイッチング素子をオフ状態に維持し、
前記第一制御回路は、前記交流電圧の入力開始からの経過時間が前記オフ時間未満の時間であるオフ検出時間において、前記第一検出回路における前記制御信号の検出の有無に基づいて、前記照明制御装置の動作モードを決定する
請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記第一スイッチング素子は、トライアックである
請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項4】
人を検知する人感センサをさらに備え、
前記第一制御回路は、前記人感センサが人を検知した場合に、前記第一スイッチング素子をオンオフ制御する
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明制御装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明制御装置と、
光源と、
前記交流電圧が入力されて前記光源に電力を供給する点灯回路とを備える
照明器具。
【請求項6】
前記第一制御回路は、前記第一動作モードにおいて、前記点灯回路を制御することで、前記複数の候補動作モードのうち、前記第一動作モード以外の候補動作モードにおける前記光源の点灯態様とは異なる点灯態様で前記光源を点灯する
請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記第一制御回路は、前記第一動作モードにおいて、前記点灯回路を制御することで、前記光源の定格の明るさの50%以下の明るさで前記光源の明るさを周期的に変化させる
請求項6に記載の照明器具。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載の照明制御装置と、
前記他の照明制御装置とを備える
照明制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御装置、照明器具、及び照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の照明器具を備える照明システムが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された照明システムにおいては、親機の照明器具の人感センサが人を検知した場合に、親機の照明器具が点灯し、かつ、親機の照明器具に接続された子機の照明器具も連動して点灯する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような照明システムが備える複数の照明器具の各々は、他の照明器具と接続される複数の端子を有する。このような照明システムにおいて、一つの照明器具の各端子が、他の照明器具の所定の端子に接続される必要があるが、所定の端子以外の端子に誤って接続される場合(つまり、誤配線される場合)がある。誤配線された状態において、照明システムに電力が供給されると、照明器具が故障し得る。つまり、照明器具のヒューズが切れて、照明器具が使用できなくなる場合がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、照明制御システムにおける誤配線による故障を抑制できる照明制御装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明制御装置の一態様は、他の照明制御装置と接続されて使用される照明制御装置であって、交流電圧を入力するための一対の第一入力端子と、前記一対の第一入力端子の一方と接続され、オンオフ制御される第一スイッチング素子と、前記一対の第一入力端子の一方と前記第一スイッチング素子を介して接続される第一制御端子と、前記第一スイッチング素子を制御する第一制御回路と、前記第一制御端子に接続される第一検出回路とを備え、前記他の照明制御装置は、前記交流電圧を入力するための一対の第二入力端子と、前記一対の第二入力端子の一方と接続され、オンオフ制御される第二スイッチング素子と、前記一対の第二入力端子の一方と前記第二スイッチング素子を介して接続される第二制御端子と、前記第二スイッチング素子を制御する第二制御回路と、前記第二制御端子に接続される第二検出回路と、を備え、前記一対の第一入力端子及び前記第一制御端子の各々は、前記一対の第二入力端子及び前記第二制御端子のうち一つの端子と接続され、前記第一検出回路は、前記第一制御端子に入力される制御信号を検出し、前記第一制御回路は、前記第二スイッチング素子の状態と、前記第一検出回路における前記制御信号の検出の有無とに基づいて、前記照明制御装置の動作モードを、複数の候補動作モードの中から決定し、前記複数の候補動作モードは、前記第一スイッチング素子をオフ状態に維持する第一動作モードを含む。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明器具の一態様は、前記照明制御装置と、光源と、前記交流電圧が入力されて前記光源に電力を供給する点灯回路とを備える。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明制御システムの一態様は、前記照明制御装置と、前記他の照明制御装置とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、照明制御システムにおける誤配線による故障を抑制できる照明制御装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明制御システムの全体構成を示す回路図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明制御装置の構成を示す回路図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る他の照明制御装置の構成を示す回路図である。
【
図4】
図4は、比較例の照明制御システムの全体構成を示す回路図である。
【
図5】
図5は、比較例の照明制御システムが誤配線された場合の構成を示す回路図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る照明制御システムが誤配線された場合の第一の構成を示す回路図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る照明制御システムが誤配線された場合の第二の構成を示す回路図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る第一動作モードにおける第一光源の点灯態様の一例を示すグラフである。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る照明制御装置の交流電圧入力後の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程(ステップ)、工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0013】
(実施の形態)
実施の形態に係る照明制御装置、照明器具、及び照明制御システムについて説明する。
【0014】
[全体構成]
まず、本実施の形態に係る照明制御システムの全体構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明制御システム10の全体構成を示す回路図である。
図1には、照明制御システム10と併せて、交流電源12も示されている。
【0015】
交流電源12は、照明制御システム10に交流電力を供給する電源であり、例えば、外部商用電源などの系統電源である。
【0016】
照明制御システム10は、複数の照明器具を制御するシステムであり、照明制御装置30aと、照明制御装置30aとは異なる他の照明制御装置30bとを備える。本実施の形態では、照明制御システム10は、照明器具20a及び20bを備える。照明器具20a及び20bは、単一の交流電源12から交流電圧が印加され、互いに連動して点灯及び消灯する。なお、照明制御システム10は、さらに、照明器具20cを備えてもよい。照明器具20cは、後述する第一入力端子N1と第一制御端子LH1とに接続され、照明器具20a及び20bに連動して点灯及び消灯する。
【0017】
照明器具20aは、照明制御装置30aと、第一点灯回路22aと、第一光源28aとを備える。照明器具20bは、照明制御装置30bと、第二点灯回路22bと、第二光源28bとを備える。
【0018】
照明器具20aの各構成要素について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図2は、本実施の形態に係る照明制御装置30aの構成を示す回路図である。
【0019】
図1に示されるように、照明制御装置30aは、他の照明制御装置30bと接続されて使用される装置である。
図2に示されるように、照明制御装置30aは、一対の第一入力端子H1及びN1と、第一制御端子LH1と、第一スイッチ回路40aと、第一検出回路50aと、第一制御回路60aとを備える。本実施の形態では、照明制御装置30aは、第一センサ70aと、ヒューズ21aとをさらに備える。
【0020】
一対の第一入力端子H1及びN1は、交流電源12によって印加される交流電圧を入力するための端子である。一対の第一入力端子H1及びN1に入力される交流電圧の実効値は、例えば、100Vである。
【0021】
第一制御端子LH1は、一対の第一入力端子H1及びN1の一方と第一スイッチ回路40aを介して接続される端子である。
図2に示されるように、第一制御端子LH1は、第一入力端子H1と第一スイッチング素子41aを介して接続される。
【0022】
第一スイッチ回路40aは、一対の第一入力端子H1及びN1の一方と、第一制御端子LH1との間に接続され、一対の第一入力端子H1及びN1の一方と、第一制御端子LH1との間の導通状態を切り換える回路である。
図2に示されるように、第一スイッチ回路40aは、第一スイッチング素子41aと、コンデンサ42aと、抵抗素子43a及び44aと、インダクタ45aと、フォトカプラ46aとを有する。
【0023】
第一スイッチング素子41aは、一対の第一入力端子H1及びN1の一方と接続され、オンオフ制御されるスイッチング素子である。本実施の形態では、第一スイッチング素子41aは、ヒューズ21aを介して第一入力端子H1に接続される。第一スイッチング素子41aは、トライアックである。第一スイッチング素子41aは、第一スイッチング素子41aのゲート端子に信号が入力されたときに、オフ状態からオン状態に切り替わる。具体的には、第一スイッチング素子41aのゲート端子に信号として電圧が印加された時点(つまり、ゲート端子に入力される信号の電圧の大きさが所定値以上になった時点)から、第一スイッチング素子41aに流れる電流がゼロになるまで、第一スイッチング素子41aはオン状態に維持される。第一スイッチング素子41aに流れる電流がゼロである時点から、第一スイッチング素子41aのゲート端子に電圧が印加されるまで、第一スイッチング素子41aはオフ状態に維持される。第一スイッチング素子41aの一方の主端子は、ヒューズ21aを介して第一入力端子H1に接続され、他方の主端子は、インダクタ45aを介して第一制御端子LH1に接続される。第一スイッチング素子41aをオンオフ制御することによって(つまり、いわゆる位相制御方式によって)、第一制御端子LH1と第一入力端子N1とから出力できる電力の大きさを制御できる。
【0024】
コンデンサ42a及び抵抗素子43aは、第一スイッチング素子41aのゲート端子へ入力されるサージを抑制するための素子である。コンデンサ42a及び抵抗素子43aは、第一スイッチング素子41aのゲート端子と、一方の主端子との間に並列接続される。コンデンサ42a及び抵抗素子43aの各々の一方の端子は、ヒューズ21aを介して第一入力端子H1に接続される。
【0025】
抵抗素子44aは、フォトカプラ46aと第一スイッチング素子41aの他方の主端子との間に接続される。言い換えると、抵抗素子44aは、フォトカプラ46aと、第一スイッチング素子41a及びインダクタ45aの接続点との間に接続される。
【0026】
インダクタ45aは、第一スイッチング素子41aと第一制御端子LH1との間に接続される。言い換えると、インダクタ45aと第一スイッチング素子41aとは、第一入力端子H1と、第一制御端子LH1との間に直列接続される。
【0027】
フォトカプラ46aは、発光ダイオードと、フォトトライアックとを有するカプラである。フォトカプラ46aのフォトトライアックが、第一スイッチング素子41aのゲート端子と、抵抗素子44aとの間に接続される。フォトカプラ46aの発光ダイオードは、第一制御回路60aに接続され、第一制御回路60aからの信号に基づいて、発光又は消灯する。
【0028】
第一検出回路50aは、第一制御端子LH1に接続される回路であり、第一制御端子LH1に入力される制御信号を検出する。本実施の形態では、第一検出回路50aは、第一制御端子LH1と、第一入力端子N1との間に接続され、第一制御端子LH1と、第一入力端子N1との間に印加される電圧を検出する。第一検出回路50aは、ダイオードブリッジ51aと、抵抗素子52a及び54aと、ツェナーダイオード53aと、フォトカプラ55aとを有する。
【0029】
ダイオードブリッジ51aは、第一入力端子N1と、第一制御端子LH1との間に接続される整流回路である。ダイオードブリッジ51aの二つの入力端子は、それぞれ、第一入力端子N1及び第一制御端子LH1に接続される。ダイオードブリッジ51aの高電位側の出力端子は、抵抗素子52aの一方の端子に接続され、低電位側の出力端子は、抵抗素子54aの一方の端子に接続される。
【0030】
抵抗素子52aの一方の端子は、ダイオードブリッジ51aの高電位側の出力端子に接続され、他方の端子は、ツェナーダイオード53aのカソード端子に接続される。
【0031】
ツェナーダイオード53aのカソード端子は、抵抗素子52aに接続され、アノード端子は、抵抗素子54aに接続される。
【0032】
抵抗素子54aの一方の端子は、ダイオードブリッジ51aの低電位側の出力端子に接続され、他方の端子は、ツェナーダイオード53aのアノード端子に接続される。
【0033】
フォトカプラ55aは、発光ダイオードと、フォトトランジスタとを有するカプラである。フォトカプラ55aの発光ダイオードのカソード端子が、抵抗素子54aの一方の端子に接続され、アノード端子が抵抗素子54aの他方の端子に接続される。フォトカプラ55aのフォトトランジスタは、第一制御回路60aに接続され、発光ダイオードからの光に応じて、第一制御回路60aに信号を出力する。
【0034】
第一検出回路50aは、以上のような構成を有することにより、第一入力端子N1と第一制御端子LH1との間の電圧の大きさ(絶対値)が所定の値より大きくなった場合に、第一制御回路60aに信号を出力する。言い換えると、第一検出回路は、第一制御端子LH1に入力される電圧の大きさが所定の値以上である制御信号を検出し、検出した制御信号に応じて第一制御回路60aに信号を出力する。
【0035】
第一制御回路60aは、第一スイッチ回路40aの第一スイッチング素子41aを制御する回路である。より具体的には、第一制御回路60aは、第一スイッチング素子41aをオンオフ制御する。第一制御回路60aは、第二スイッチング素子41b(後述する
図3参照)の状態と、第一検出回路50aにおける制御信号の検出の有無とに応じて、照明制御装置30aの動作モードを、複数の候補動作モードの中から決定する。第一制御回路60aは、例えば、マイコンによって実現できる。マイコンは、プログラムが格納されたROM、RAMなどのメモリと、プログラムを実行するプロセッサ(CPU;Central Processing Unit)と、タイマと、A/D変換器、D/A変換器などを含む入出力回路とを有する1チップの半導体集積回路である。なお、第一制御回路60aは、マイコン以外の電気回路などを用いて実現されてもよい。第一制御回路60aの詳細な動作については後述する。
【0036】
第一センサ70aは、照明制御装置30aの周辺の状態を検知するセンサである。本実施の形態では、第一センサ70aは、人感センサ及び照度センサを含む。第一センサ70aは、検知結果を示す信号を第一制御回路60aに出力する。これにより、照明制御装置30aは、例えば、第一センサ70aが有する人感センサが人を検知した場合に、第一制御回路60aが第一点灯回路22aを制御することで、第一光源28aを点灯することができる。また、照明制御装置30aは、第一センサ70aが有する照度センサに基づいて、照明制御装置30aの周辺が暗いことを検出した場合にのみ、第一光源28aを点灯することもできる。
【0037】
ヒューズ21aは、一対の第一入力端子H1及びN1のうち一方と接続され、照明器具20aに過電流が流れることを抑制する電流遮断素子である。ヒューズ21aは、所定値以上の大きさの電流が、所定時間以上にわたって入力された場合に、電流を遮断する。本実施の形態では、ヒューズ21aは、第一入力端子H1と接続される。
【0038】
第一点灯回路22aは、交流電圧が入力されて第一光源28aに電力を供給する点灯回路の一例である。第一点灯回路22aは、第一入力端子H1及びN1から交流電圧が入力される。第一点灯回路22aは、第一入力端子H1とヒューズ21aを介して接続され、かつ、第一入力端子N1と接続される。本実施の形態では、第一点灯回路22aの動作は、第一制御回路60aによって制御される。第一点灯回路22aは、
図2に示されるように、フィルタ回路23と、整流回路24と、電源回路25とを有する。
【0039】
フィルタ回路23は、電源回路25が発生する雑音が商用系統電源である交流電源12へ流出することを抑制する回路である。
【0040】
整流回路24は、第一点灯回路22aに入力される交流電圧を整流する回路である。本実施の形態では、整流回路24は、フィルタ回路23から出力される交流電圧を整流する。整流回路24は、例えば、ダイオードブリッジを含む。
【0041】
電源回路25は、整流回路24から出力される整流された電圧を第一光源28aに適した直流電圧に変換するコンバータ回路である。電源回路25は、例えば、降圧チョッパ回路を含む。電源回路25は、第一制御回路60aによって制御される。例えば、電源回路25に含まれるコンバータ回路のスイッチング素子が、第一制御回路60aによってオンオフ制御される。なお、電源回路25は、昇圧チョッパ回路を含んでもよい。
【0042】
第一光源28aは、第一点灯回路22aから電力が供給されることで、光を出射する光源の一例である。本実施の形態では、第一光源28aは、発光素子を含み、直流電力が供給される。第一光源28aが含む発光素子として、例えば、LED、有機EL(Electro Luminescence)素子などの固体発光素子を用いることができる。
【0043】
照明器具20bの各構成要素について、
図1~
図3を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係る照明制御装置30bの構成を示す回路図である。
【0044】
図1に示されるように、照明制御装置30bは、他の照明制御装置30aと接続されて使用される装置である。
図3に示されるように、照明制御装置30bは、一対の第二入力端子H2及びN2と、第二制御端子LH2と、第二スイッチ回路40bと、第二検出回路50bと、第二制御回路60bとを備える。本実施の形態では、照明制御装置30bは、第二センサ70bと、ヒューズ21bとをさらに備える。一対の第二入力端子H2及びN2、第二制御端子LH2、第二スイッチ回路40b、第二検出回路50b、第二制御回路60b、第二センサ70b、並びに、ヒューズ21bは、それぞれ、
図2に示される一対の第一入力端子H1及びN1、第一制御端子LH1、第一スイッチ回路40a、第一検出回路50a、第一制御回路60a、第一センサ70a、並びに、ヒューズ21aと同様の構成を有する。以下、照明制御装置30bの各構成要素について、簡潔に説明する。
【0045】
一対の第二入力端子H2及びN2は、交流電源12によって印加される交流電圧を入力するための端子である。
【0046】
第二制御端子LH2は、一対の第二入力端子H2及びN2の一方と第二スイッチ回路40bを介して接続される端子である。
図3に示されるように、第二制御端子LH2は、第二入力端子H2と第二スイッチング素子41bを介して接続される。
【0047】
第二スイッチ回路40bは、一対の第二入力端子H2及びN2の一方と、第二制御端子LH2との間に接続され、一対の第二入力端子H2及びN2の一方と、第二制御端子LH2との間の導通状態を切り換える回路である。
図3に示されるように、第二スイッチ回路40bは、第二スイッチング素子41bと、コンデンサ42bと、抵抗素子43b及び44bと、インダクタ45bと、フォトカプラ46bとを有する。第二スイッチング素子41b、コンデンサ42b、抵抗素子43b及び44b、インダクタ45b、並びに、フォトカプラ46bは、それぞれ、
図2に示される第一スイッチング素子41a、コンデンサ42a、抵抗素子43a及び44a、インダクタ45a、並びに、フォトカプラ46aと同様の構成を有する。
【0048】
図3に示される第二検出回路50bは、第二制御端子LH2に接続される回路であり、第二制御端子LH2に入力される制御信号を検出する。本実施の形態では、第二検出回路50bは、第二制御端子LH2と、第二入力端子N2との間に接続され、第二制御端子LH2と、第二入力端子N2との間に印加される電圧を検出する。第二検出回路50bは、ダイオードブリッジ51bと、抵抗素子52b及び54bと、ツェナーダイオード53bと、フォトカプラ55bとを有する。ダイオードブリッジ51b、抵抗素子52b及び54b、ツェナーダイオード53b、並びに、フォトカプラ55bは、それぞれ、
図2に示されるダイオードブリッジ51a、抵抗素子52a及び54a、ツェナーダイオード53a、並びに、フォトカプラ55aと同様の構成を有する。
【0049】
第二検出回路50bは、以上のような構成を有することにより、第二入力端子N2と第二制御端子LH2との間の電圧の大きさ(絶対値)が所定の値より大きくなった場合に、第二制御回路60bに信号を出力する。言い換えると、第二検出回路は、第二制御端子LH2に入力される電圧の大きさが所定の値以上である制御信号を検出し、検出した制御信号に応じて第二制御回路60bに信号を出力する。
【0050】
図3に示される第二制御回路60bは、第二スイッチ回路40bの第二スイッチング素子41bを制御する回路である。より具体的には、第二制御回路60bは、第二スイッチング素子41bをオンオフ制御する。第二制御回路60bは、第一スイッチング素子41aの状態と、第二検出回路50bにおける制御信号の検出の有無とに応じて、照明制御装置30bの動作モードを、複数の候補動作モードの中から決定する。
【0051】
第二センサ70bは、照明制御装置30bの周辺の状態を検知するセンサである。本実施の形態では、第二センサ70bは、人感センサ及び照度センサを含む。
【0052】
ヒューズ21bは、一対の第二入力端子H2及びN2のうち一方と接続され、照明器具20bに過電流が流れることを抑制する電流遮断素子である。本実施の形態では、ヒューズ21bは、第二入力端子H2と接続される。
【0053】
第二点灯回路22bは、交流電圧が入力されて第二光源28bに電力を供給する点灯回路の一例である。第二点灯回路22bは、第二入力端子H2及びN2から交流電圧が入力される。第二点灯回路22bは、第二入力端子H2とヒューズ21bを介して接続され、かつ、第二入力端子N2と接続される。本実施の形態では、第二点灯回路22bの動作は、第二制御回路60bによって制御される。第二点灯回路22bは、
図3に示されるように、フィルタ回路23と、整流回路24と、電源回路25とを有する。フィルタ回路23、整流回路24、及び、電源回路25は、それぞれ、
図2に示されるフィルタ回路23、整流回路24、及び、電源回路25と同様の構成を有する。
【0054】
第二光源28bは、第二点灯回路22bから電力が供給されることで、光を出射する光源の一例である。本実施の形態では、第二光源28bは、発光素子を含み、直流電力が供給される。第二光源28bは、第一光源28aと同様の構成を有してもよいし、異なる構成を有してもよい。
【0055】
以上の構成を有することにより、例えば、照明制御装置30aの第一制御回路60aは、第一センサ70aの人感センサが人を検知した場合に、第一スイッチング素子41aをオンオフ制御することができる。これに伴い、第一制御端子LH1から、照明制御装置30bの第二制御端子LH2に制御信号が入力される。第二検出回路50bは、第二制御端子LH2に入力される制御信号を検出し、第二制御回路60bに信号を出力する。第二制御回路60bは、第二点灯回路22bを制御することで、第二光源28bを点灯する。このように、本実施の形態に係る照明制御システム10によれば、第一光源28aと第二光源28bとを連動して点灯することができる。なお、第一スイッチング素子41aのオンオフ制御は、例えば、第一センサ70aの人感センサが人を検知しなくなってから、所定の時間で停止してもよい。当該所定の時間は、例えば5秒程度であってもよい。
【0056】
[照明制御システムの動作]
本実施の形態に係る照明制御システム10の動作について、比較例と比較しながら
図4~
図8を用いて説明する。なお、照明制御装置30b及び照明器具20bの動作は、それぞれ、照明制御装置30a及び照明器具20aと同様であるため、以下では、照明制御装置30b及び照明器具20bの動作の説明を省略する場合がある。
図4は、比較例の照明制御システム910の全体構成を示す回路図である。
図4には、照明制御システム910と併せて、交流電源12も示されている。
【0057】
図4に示されるように、比較例の照明制御システム910は、照明器具920a及び920bを備える。
【0058】
照明器具920aは、照明制御装置930aと、第一点灯回路22aと、第一光源28aとを備える。照明器具920aは、照明制御装置930aの構成において、本実施の形態に係る照明器具20aと相違し、その他の構成において一致する。照明制御装置930aは、一対の第一入力端子H1及びN1と、第一制御端子LH1と、第一スイッチ回路40aと、第一検出回路50aと、第一制御回路960aと、第一センサ70aとを備える。照明制御装置930aは、第一制御回路960aの構成において、本実施の形態に係る照明制御装置30aと相違し、その他の構成において一致する。
【0059】
照明器具920bは、照明制御装置930bと、第二点灯回路22bと、第二光源28bとを備える。照明器具920bは、照明制御装置930bの構成において、本実施の形態に係る照明器具20bと相違し、その他の構成において一致する。照明制御装置930bは、一対の第二入力端子H2及びN2と、第二制御端子LH2と、第二スイッチ回路40bと、第二検出回路50bと、第二制御回路960bと、第二センサ70bとを備える。照明制御装置930bは、第二制御回路960bの構成において、本実施の形態に係る照明制御装置30bと相違し、その他の構成において一致する。
【0060】
このような比較例の照明制御システム910において、照明制御装置930aと、照明制御装置930bとの正しい接続態様は、
図4に示されるとおりである。つまり、照明制御装置930aの第一入力端子H1及びN1、並びに、第一制御端子LH1が、それぞれ、照明制御装置930bの第二入力端子H2及びN2、並びに、第二制御端子LH2に接続される。しかしながら、照明制御システム910の施工者によって、これらの端子が誤って接続されることがある。これらの端子が誤配線された場合の照明制御システム910の構成について、
図5を用いて説明する。
【0061】
図5は、比較例の照明制御システム910が誤配線された場合の構成を示す回路図である。
図5に示される例では、第一入力端子H1が、誤って第二入力端子N2に接続され、第一入力端子N1が、誤って第二入力端子H2に接続されている。このように誤配線された状態で、照明制御装置930bの第二センサ70bが、例えば人を検知し、第二制御回路960bに信号を出力した場合、第二制御回路960bは、第二点灯回路22bを制御することによって、第二光源28bを点灯する。さらに、第二制御回路960bは、第二スイッチ回路40bをオンオフ制御することによって、第二制御端子LH2から照明制御装置930aの第一制御端子LH1に制御信号を出力する。
【0062】
ここで、照明制御装置930aの第一センサ70aも、人を検知し、第一制御回路960aに信号を出力した場合、第一制御回路960aは、第一点灯回路22aを制御することによって、第一光源28aを点灯する。さらに、第一制御回路960aは、第一スイッチ回路40aをオンオフ制御することによって、第一制御端子LH1から照明制御装置930bの第二制御端子LH2に制御信号を出力する。
【0063】
このように、第一スイッチ回路40a及び第二スイッチ回路40bが同時にオン状態となる場合、
図5の太い破線で示されるように、交流電源12の二つの出力端子間が短絡される。このため、照明制御装置930aのヒューズ21a、及び、照明制御装置930a及び930bのヒューズ21bが溶断されるため、照明制御装置930a及び930bを使用できない状態となる。つまり、照明制御装置930a及び930bが故障する。
【0064】
比較例の照明制御システム910における問題を解決するために、本実施の形態に係る照明制御装置30aでは、第一制御回路60aは、第二スイッチ回路40bの第二スイッチング素子41bの状態と、第一検出回路50aにおける制御信号の検出の有無とに基づいて、照明制御装置30aの動作モードを、複数の候補動作モードの中から決定する。ここで、複数の候補動作モードは、第一スイッチング素子41aをオフ状態に維持する(言い換えるとオンオフ制御することを禁止する)第一動作モードを含む。複数の候補動作モードは、第一動作モードの他に第一スイッチング素子41aをオンオフ制御することを禁止しない通常の動作モードである第二動作モードなどを含む。本実施の形態では、第二スイッチング素子41bがオフ状態であり、かつ、第一検出回路50aにおいて制御信号を検出した場合に、第一制御回路60aは、照明制御装置30aの動作モードを第一動作モードに決定する。この第一動作モードの効果について、
図6及び
図7を用いて説明する。
図6及び
図7は、本実施の形態に係る照明制御システム10が誤配線された場合の構成を示す回路図である。
図1、
図6及び
図7に示されるように、一対の第一入力端子H1及びN1及び第一制御端子LH1の各々は、一対の第二入力端子H2及びN2及び第二制御端子LH2のうち一つの端子と接続される。言い換えると、一対の第一入力端子H1及びN1及び第一制御端子LH1は、一対の第二入力端子H2及びN2及び第二制御端子LH2と、1対1で接続される。
【0065】
図6に示される例では、
図5に示される例と同様に、第一入力端子H1が、誤って第二入力端子N2に接続され、第一入力端子N1が、誤って第二入力端子H2に接続されている。このように誤配線された場合、交流電圧が各入力端子に印加されると、
図6に太い破線で示される経路で交流電流が流れるため、第一検出回路50aは、制御信号を検出し、第一制御回路60aに信号を出力する。本実施の形態では、この信号を受けた第一制御回路60aは、制御信号が検出されたことと、第二スイッチング素子41bの状態とに基づいて、照明制御装置30aの動作モードを複数の候補動作モードの中から決定する。第一制御回路60aは、第二スイッチング素子41bの状態を、交流電圧の入力開始からの経過時間に基づいて検出する。具体的には、照明制御装置30a及び30bへの交流電圧の入力開始から、ゼロより大きいオフ時間の間、第一制御回路60a及び第二制御回路60bは、それぞれ、第一スイッチング素子41a及び第二スイッチング素子41bをオフ状態に維持する。つまり、交流電圧の入力開始からの経過時間がオフ時間未満であれば、第一スイッチング素子41a及び第二スイッチング素子41bがオフ状態に維持されている。第一制御回路60aは、交流電圧の入力開始からの経過時間が、オフ時間未満の時間であるオフ検出時間において、第一検出回路50aにおける制御信号の検出の有無に基づいて照明制御装置30aの動作モードを決定する。これにより、第一制御回路60aは、第二スイッチング素子41bの状態と、制御信号の入力の有無とを同時に検知し、検知結果に基づいて動作モードを決定できる。第二制御回路60bも、第一制御回路60aと同様に照明制御装置30bの動作モードを決定できる。オフ時間の長さは特に限定されない。本実施の形態では、オフ時間は、2秒である。また、オフ検出時間は、0以上オフ時間未満であればよい。例えば、第一制御回路60aは、第一制御回路60aが起動した直後に第一検出回路50aにおける制御信号の検出の有無を確認する。このとき、オフ検出時間は略0秒である。
【0066】
第一制御回路60aは、第一制御端子LH1に制御信号が入力されたことを検知し、かつ、第二スイッチング素子41bがオフ状態であることを検出した場合に、照明制御装置30aの動作モードを第一動作モードに決定する。つまり、第一制御回路60aは、第一スイッチング素子41aをオフ状態に維持する。このように第一スイッチング素子41aがオフ状態に維持されることにより、交流電源12の出力端子間が短絡されない。また、第二制御回路60bも第一制御回路60aと同様に、第二制御端子LH2に制御信号が入力されたことを検知し、かつ、第一スイッチング素子41aがオフ状態であることを検出した場合に、照明制御装置30bの動作モードを第一動作モードに決定する。つまり、第二制御回路60bは、第二スイッチング素子41bをオフ状態に維持する。このように第二スイッチング素子41bがオフ状態に維持されることにより、交流電源12の出力端子間が短絡されない。以上のように、本実施の形態に係る照明制御装置30a及び30bによれば、
図6に示されるような誤配線による故障を抑制できる。
【0067】
図7に示される例では、第一入力端子N1が、誤って第二制御端子LH2に接続され、第一制御端子LH1が、誤って第二入力端子N2に接続されている。このように誤配線された場合、交流電圧が各入力端子に印加されると、
図7に太い破線で示される経路で電流が流れる。ここで、第一点灯回路22aが有するフィルタ回路23の入力端子間は、コンデンサ又はインダクタの少なくとも一方を介して接続されている。このため、交流電流が、第一点灯回路22aの入力端子間に流れ得る。
【0068】
これに伴い、第一検出回路50aは、制御信号を検出し、第一制御回路60aに信号を出力する。本実施の形態では、この信号を受けた第一制御回路60aは、制御信号が検出されたことと、第二スイッチング素子41bの状態とに基づいて、照明制御装置30aの動作モードを複数の候補動作モードの中から決定する。
【0069】
図7に示される例でも、
図6に示される例と同様に、第一制御回路60aは、第二スイッチング素子41bがオフ状態であることを検知する。第一制御回路60aは、第一制御端子LH1に制御信号が入力されたことを検知し、かつ、第二スイッチング素子41bがオフ状態であることを検出した場合に、照明制御装置30aの動作モードを第一動作モードに決定する。つまり、第一制御回路60aは、第一スイッチング素子41aをオフ状態に維持する。このように第一スイッチング素子41aがオフ状態に維持されることにより、交流電源12の出力端子間が短絡されない。
【0070】
図7に示される例では、太い破線で示される経路の他に、第一入力端子H1、第一点灯回路22a、第一入力端子N1、第二制御端子LH2、第二検出回路50b、及び、第二入力端子N2を通る経路にも交流電流が流れる。このため、第二検出回路50bも制御信号を検出し、第二制御回路60bに信号を出力する。第二制御回路60bは、第二制御端子LH2に制御信号が入力されたことを検知し、かつ、第一スイッチング素子41aがオフ状態であることを検出した場合に、照明制御装置30bの動作モードを第一動作モードに決定する。つまり、第二制御回路60bは、第二スイッチング素子41bをオフ状態に維持する。このように第二スイッチング素子41bがオフ状態に維持されることにより、交流電源12の出力端子間が短絡されない。
【0071】
以上のように、本実施の形態に係る照明制御装置30a及び30bによれば、
図7に示されるような誤配線による故障を抑制できる。
【0072】
本実施の形態に係る照明制御装置30a及び30bは、第一動作モードにおいて、誤配線であることを施工者らに通知してもよい。例えば、照明制御装置30aの第一制御回路60aは、第一動作モードにおいて、第一点灯回路22aを制御することで、複数の候補動作モードのうち、第一動作モード以外の候補動作モードにおける第一光源28aの点灯態様とは異なる点灯態様で第一光源28aを点灯してもよい。以下、第一動作モードにおける第一光源28aの点灯態様の一例について、
図8を用いて説明する。
図8は、本実施の形態に係る第一動作モードにおける第一光源28aの点灯態様の一例を示すグラフである。
図8の横軸は時間を示す。
図8の縦軸は、第一光源28aの明るさ(つまり輝度)を示す。
図8の縦軸の明るさは、第一光源28aの定格の明るさに対する割合(%)を示す。
【0073】
図8に示されるように、第一制御回路60aは、第一動作モードにおいて、第一点灯回路22aを制御することで、第一光源28aの定格の明るさの50%以下の明るさで、第一光源28aの明るさを周期的に変化させる。
図8に示される例では、第一光源28aを連続的に点灯し、かつ、第一光源28aの明るさを周期的に変化させる。より具体的には、第一制御回路60aは、第一光源28aを定格の30%の明るさで0.1秒間点灯し、続いて定格の5%の明るさで0.1秒間点灯し、続いて定格の30%の明るさで0.1秒間点灯し、続いて定格の5%の明るさで0.7秒間点灯する。第一制御回路60aは、この動作を繰り返す。つまり、第一制御回路60aは、1秒周期で、第一光源28aの明るさを変化させる。
【0074】
これに対して、通常の動作モードである第二動作モードでは、第一制御回路60aは、第一光源28aを連続的に、かつ、一定の明るさで点灯する。このように、本実施の形態に係る他の候補動作モードと異なる点灯態様で第一光源28aを点灯する。これにより、施工者などは、第一光源28aの点灯態様を見ることで、照明器具20aが通常と異なる動作を行っていることに気が付きやすくなる。このため、照明器具20aの取扱説明書などに、第一動作モードにおける点灯態様が、照明制御システム10の誤配線を通知することを記載しておくことで、施工者などが、照明制御システム10の誤配線に気が付くことができる。さらに、照明器具20aが、連続的な点灯以外の点灯を行う他の候補動作モードを有する場合には、その動作モードにおける点灯態様と、第一動作モードにおける点灯態様とを異ならせてもよい。例えば、照明器具20aが、第一光源28aの定格の明るさに近い明るさ(例えば、定格の明るさの80%以上の明るさ)で、一定周期で間欠的に点灯する防犯用の候補動作モードを有する場合がある。このような場合には、当該候補動作モードにおける点灯態様との違いが明確になるように、第一動作モードにおける点灯の明るさ及び周期を当該候補動作モードと異ならせてもよい。
【0075】
また、第一動作モードにおける第一光源28aの明るさを定格の明るさの50%以下とすることで、第一動作モードにおける消費電力を低減できる。なお、第一動作モードにおける第一光源28aの明るさを定格の明るさの30%以下にしてもよい。これにより、第一動作モードにおける消費電力をより一層低減できる。
【0076】
[照明制御装置の動作の流れ]
本実施の照明制御システム10における照明制御装置30aの動作の流れについて、
図9を用いて説明する。
図9は、本実施の形態に係る照明制御装置30aの交流電圧入力後の動作の流れを示すフローチャートである。
【0077】
図9に示されるように、まず、照明制御システム10に交流電圧を入力する(S10)。これに伴い、第一制御回路60aに電力の供給が開始される。ここで、第一制御回路60aの入力端子の初期化などの初期化処理が行われてもよい。
【0078】
続いて、第一制御回路60aは、交流電圧の入力開始からオフ時間経過前に第一制御端子LH1に制御信号が入力されたか否かを判断する(S20)。具体的には、第一制御回路60aは、交流電圧の入力開始からの経過時間がオフ時間未満の時間であるオフ検出時間において、第一検出回路50aからの信号入力の有無に基づいて第一制御端子LH1に制御信号が入力されたか否かを判断する。本実施の形態では、第一制御回路60aは、交流電圧の入力開始からの経過時間がオフ時間を経過していない場合に、第二スイッチング素子41bがオンオフ制御されていないと判断する。
【0079】
第一制御回路60aが、制御信号が入力されていないと判断した場合(S20でNo)、第一制御回路60aは、動作モードを、通常モードである第二動作モードに決定する(S40)。第一制御回路60aは、第二動作モードにおいて、第一センサ70aからの信号の入力に応じて、第一光源28aを連続的に点灯又は消灯する。また、第一制御端子LH1に制御信号が入力された場合に、照明制御装置30bが第二光源28bを点灯したと判断して、第一光源28aを連続的に点灯する。なお、第二動作モードでの動作を開始する前に、第一センサ70aに含まれる各種センサの安定化のための待機期間が設けられてもよい。
【0080】
一方、第一制御回路60aが、制御信号が入力されたと判断した場合(S20でYes)、第一制御回路60aは、動作モードを、誤配線を検知した場合の動作モードである第一動作モードに決定する(S30)。具体的には、第一制御回路60aは、第一スイッチング素子41aをオフ状態に維持する。
【0081】
以上のような動作により、誤配線があった場合に、照明制御装置30a及び30bが故障することを抑制できる。また、第一動作モードにおいて、第一制御回路60aは、第一光源28aを第二動作モードと異なる点灯態様で点灯してもよい。これにより、施工者らが、誤配線に気付くことができる。
【0082】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る照明制御装置30aは、他の照明制御装置30bと接続されて使用される。照明制御装置30aは、交流電圧を入力するための一対の第一入力端子H1及びN1と、一対の第一入力端子H1及びN1の一方と接続され、オンオフ制御される第一スイッチング素子41aとを備える。照明制御装置30aは、一対の第一入力端子H1及びN1の一方と第一スイッチング素子41aを介して接続される第一制御端子LH1と、第一スイッチング素子41aを制御する第一制御回路60aとをさらに備える。照明制御装置30aは、第一制御端子LH1と接続される第一検出回路50aをさらに備える。他の照明制御装置30bは、交流電圧を入力するための一対の第二入力端子H2及びN2と、一対の第二入力端子H2及びN2の一方と接続され、オンオフ制御される第二スイッチング素子41bとを備える。照明制御装置30bは、一対の第二入力端子H2及びN2の一方と第二スイッチング素子41bを介して接続される第二制御端子LH2と、第二スイッチング素子41bを制御する第二制御回路60bとをさらに備える。照明制御装置30bは、第二制御端子LH2と接続される第二検出回路50bをさらに備える。一対の第一入力端子H1及びN1、並びに、第一制御端子LH1の各々は、一対の第二入力端子H2及びN2、並びに、第二制御端子LH2のうち一つの端子と接続される。第一検出回路50aは、第一制御端子LH1に入力される制御信号を検出する。第一制御回路60aは、第二スイッチング素子41bの状態と、第一検出回路50aにおける制御信号の検出の有無とに基づいて、照明制御装置30aの動作モードを、複数の候補動作モードの中から決定する。複数の候補動作モードは、第一スイッチング素子41aをオフ状態に維持する第一動作モードを含む。
【0083】
このように、照明制御装置30aの動作モードを、第一スイッチング素子41aをオフ状態に維持する第一動作モードとすることができる。このため、照明制御装置30aと照明制御装置30bとの間に誤配線がある場合にも、第一スイッチング素子41aを介して、交流電源12の出力端子が短絡することを抑制することが可能になる。したがって、照明制御装置30a及び30bの故障を抑制できる。
【0084】
また、第二制御回路60bは、交流電圧の入力開始から、ゼロより大きいオフ時間の間、第二スイッチング素子41bをオフ状態に維持してもよい。また、第一制御回路60aは、交流電圧の入力開始からの経過時間がオフ時間未満の時間であるオフ検出時間において、前記第一検出回路における前記制御信号の検出の有無に基づいて、照明制御装置の動作モードを決定してもよい。
【0085】
これにより、第一制御回路60aは、交流電圧入力直後における第二スイッチング素子41bの状態を容易に検出できる。
【0086】
また、第一スイッチング素子41aは、トライアックであってもよい。
【0087】
また、照明制御装置30aは、人を検知する人感センサをさらに備え、第一制御回路60aは、人感センサが人を検知した場合に、第一スイッチング素子41aをオンオフ制御してもよい。
【0088】
これにより、照明制御装置30aの第一制御端子LH1から、照明制御装置30bの第二制御端子LH2へ、制御信号を出力できる。照明制御装置30bは、第二検出回路50bによって制御信号を検出することで、照明制御装置30bを照明制御装置30aに連動させて動作させることができる。
【0089】
また、本実施の形態に係る照明器具20aは、照明制御装置30aと、第一光源28aと、交流電圧が入力されて第一光源28aに電力を供給する第一点灯回路22aとを備えてもよい。
【0090】
また、照明器具20aにおいて、第一制御回路60aは、第一動作モードにおいて、第一点灯回路22aを制御することで、複数の候補動作モードのうち、第一動作モード以外の候補動作モードにおける第一光源28aの点灯態様とは異なる点灯態様で第一光源28aを点灯してもよい。
【0091】
これにより、照明制御システム10の施工者などは、照明制御システム10の誤配線に気付くことができる。
【0092】
また、照明器具20aにおいて、第一制御回路60aは、第一動作モードにおいて、点灯回路を制御することで、第一光源28aの定格の明るさの50%以下の明るさで第一光源28aの明るさを周期的に変化させてもよい。
【0093】
このように、第一光源28aの明るさを周期的に変化させることで、施工者などが、より一層誤配線に気付きやすくなる。また、第一動作モードにおける第一光源28aの点灯時の明るさを定格の明るさの50%以下とすることで、第一動作モードにおける消費電力を低減できる。
【0094】
また、本実施の形態に係る照明制御システム10は、照明制御装置30aと、他の照明制御装置30bとを備える。
【0095】
これにより、誤配線による故障を抑制できる照明制御システム10を実現できる。
【0096】
(変形例など)
以上、本発明に係る照明制御装置30a及び30bなどについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
【0097】
例えば、照明制御装置30aは、第一センサ70aを備えたが、必ずしも備えなくてもよい。例えば、第一センサ70aは、照明器具20aにおいて、照明制御装置30aの外部に備えられてもよい。照明制御装置30bについても同様である。
【0098】
また、上記実施の形態では、第一制御回路60a及び第二制御回路60bは、交流電圧の入力開始からの経過時間に基づいて、それぞれ、第一スイッチング素子41a及び第二スイッチング素子41bの状態を検出した。しかしながら、各スイッチング素子の状態を検出する態様は、これに限定されない。例えば、第二制御回路60bは、第二スイッチング素子41bの状態を示す信号を、第一制御回路60aに送信し、第一制御回路60aが当該信号に基づいて第二スイッチング素子41bの状態を検出してもよい。また、第一制御回路60aは、第一スイッチング素子41aの状態を示す信号を、第二制御回路60bに送信し、第二制御回路60bが当該信号に基づいて第一スイッチング素子41aの状態を検出してもよい。また、このような信号の送信経路は特に限定されない。このような信号は、無線通信によって送信されてもよいし、第一制御回路60aと第二制御回路60bとを接続する信号線を用いた有線通信によって送信されてもよい。
【0099】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
10 照明制御システム
20a、20b 照明器具
22a 第一点灯回路
22b 第二点灯回路
28a 第一光源
28b 第二光源
30a、30b 照明制御装置
41a 第一スイッチング素子
41b 第二スイッチング素子
50a 第一検出回路
50b 第二検出回路
60a 第一制御回路
60b 第二制御回路
H1、N1 第一入力端子
H2、N2 第二入力端子
LH1 第一制御端子
LH2 第二制御端子