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特開2023-69212デバイス制御システム及びデバイス制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069212
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】デバイス制御システム及びデバイス制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/224 20220101AFI20230511BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20230511BHJP
   H04L 51/18 20220101ALI20230511BHJP
   H04W 4/14 20090101ALI20230511BHJP
   H04W 12/037 20210101ALI20230511BHJP
【FI】
H04L51/224
G08B27/00 Z
H04L51/18
H04W4/14
H04W12/037
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180934
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】518263807
【氏名又は名称】エンコアードジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】孔 喜俊
(72)【発明者】
【氏名】小原 平
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 洋光
(72)【発明者】
【氏名】筒井 崇広
【テーマコード(参考)】
5C087
5K067
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA25
5C087AA37
5C087DD02
5C087DD04
5C087DD07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5K067AA43
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】安全性を高める処理がされたSMSを活用して少ないハードウェア/ソフトウェア資源しか保有していないか、または通信カバレッジまたは電源を確保できない場所に設置されなければならないデバイス遠隔制御できる制御システムを提供する。
【解決手段】制御システムは、報知メッセージまたは制御メッセージを暗号化して生成したSMSメッセージをデバイスに送信するクラウドサーバと、SMSメッセージを介して報知メッセージを出力するか、制御メッセージによる設定動作を実行するデバイスと、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドサーバと、前記クラウドサーバからSMSメッセージを受信するデバイスと、を備え、
前記クラウドサーバは、報知メッセージ及び制御メッセージを暗号化することにより、暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成する暗号化部と、
前記暗号化報知メッセージ及び前記暗号化制御メッセージの少なくともいずれかを含む前記SMSメッセージを前記デバイスに送信する送信部と、
を有し、
前記デバイスは、
前記クラウドサーバから前記SMSメッセージを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記SMSメッセージを復号する復号部と、
前記復号部による復号後の前記SMSメッセージが前記報知メッセージを含む場合、前記報知メッセージを外部に出力し、前記復号部による復号後の前記SMSメッセージが前記制御メッセージを含む場合、前記制御メッセージに基づいて前記デバイスの設定動作を実行させる出力部と、
を有するデバイス制御システム。
【請求項2】
前記出力部は、前記報知メッセージに対応する音声、テキスト、画像または動画を出力する、
請求項1に記載のデバイス制御システム。
【請求項3】
前記暗号化部は、前記デバイスを識別するためのデバイス識別情報が含む数字の少なくとも一部に基づいてオフセット値を算出し、前記オフセット値に対応する位置に前記報知メッセージ又は前記制御メッセージを配置した前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを作成する、
請求項1に記載の低電力通信手段を用いたデバイス制御システム。
【請求項4】
前記暗号化部は、前記SMSメッセージに含まれる文字列の順方向及び逆方向のうち、前記デバイス識別情報における特定の位置の数字の値に対応する方向に前記報知メッセージ又は前記制御メッセージに含まれる文字列を配置した前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを作成する、
請求項3に記載のデバイス制御システム。
【請求項5】
前記送信部は、外部サーバから緊急状況があることを知らせる緊急メッセージを受信すると、予め設定された第1時間間隔に対応する第2時間間隔毎に、前記緊急メッセージに対応する前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを含む前記SMSメッセージを送信し、
前記受信部は、前記第1時間間隔毎に前記SMSメッセージを受信する動作を実行する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス制御システム。
【請求項6】
前記送信部は、前記デバイスが前記SMSメッセージを受信する処理を実行する時間間隔の設定値が含まれる前記暗号化制御メッセージを前記デバイスに送信し、
前記出力部は、前記受信部が受信した前記暗号化制御メッセージに含まれる前記時間間隔の設定値に基づいて、前記受信部が前記SMSメッセージを受信する動作を実行する時間間隔を変更する、
請求項5に記載のデバイス制御システム。
【請求項7】
前記デバイスは、火災若しくはガス漏れの警報装置、蓄電池、燃料電池、太陽光発電設備、電力を利用する装置、または複数の人に使用される共有装置のうち少なくとも一つを含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス制御システム。
【請求項8】
前記デバイスは、着脱可能な通信モジュールを含む、
請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス制御システム。
【請求項9】
前記デバイスは、メインメモリ領域及びサブメモリ領域を含むメモリ部をさらに有し、
前記出力部は、前記メインメモリ領域に記憶された特定処理に関する第1データに対応する処理の第2データが、前記サブメモリ領域に記憶されている場合は、前記サブメモリ領域に記憶された前記第2データに基づく処理を実行する、
請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス制御システム。
【請求項10】
前記出力部は、前記受信部が前記クラウドサーバから更新用のファームウェアを受信した時点で、前記第2データが前記サブメモリ領域に記憶されている場合、前記メインメモリ領域に記憶された前記第1データを更新せず、前記サブメモリ領域に記憶された前記第2データを更新する、
請求項9に記載のデバイス制御システム。
【請求項11】
クラウドサーバが、報知メッセージ及び制御メッセージを暗号化することより、暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成するステップと、
前記クラウドサーバからデバイスに、前記暗号化報知メッセージ及び前記暗号化制御メッセージの少なくともいずれかを含むSMSメッセージを送信するステップと、
復号後の前記SMSメッセージに前記報知メッセージが含まれている場合、前記デバイスが前記報知メッセージを外部に出力し、復号後の前記SMSメッセージに前記制御メッセージが含まれている場合、前記デバイスが前記制御メッセージに基づいて前記デバイスの設定動作を実行するステップと、
を有するデバイス制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低電力通信手段を用いた遠隔制御システム及び遠隔制御方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、電源または通信のカバレッジを確保し難い場所に設置される装置、及びシステムやハードウェア/ソフトウェア資源の不足により遠隔制御が難しいデバイスを、安全性を高める処理がされたテキストメッセージを用いて遠隔で制御する低電力通信手段を用いたデバイス制御システム及びデバイス制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本では、火災警報器の設置が義務化されている。また、義務化されてはいないが、安全のために相当数のガス漏れ警報器が設置されている。このような火災警報器またはガス漏れ警報器は、火災検知センサ、ガス漏れ検知センサまたは一酸化炭素検知センサと一緒に、簡単な警報音及び音声報知が出力可能なハードウェアを備えている。一部の警報器は、バッテリーで動作するので低電力での動作が必要である。
【0003】
あるいは、蓄電池、燃料電池、太陽光発電設備または電気自動車等は、アクセスポイント(Access Point)の通信カバレッジ外に配置される場合もあるので、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)技術を活用した遠隔制御等の新技術の適用が不可能な場合が多い。
【0004】
上述した装置は、相当な数が普及されているので、上述した装置に遠隔制御が適用できれば、活用価値が極めて高いと予測されている。例えば、設置された相当数の火災警報器またはガス漏れ警報器を用いて、災害、災難の緊急警報を行ったり、通信回線と接続されていない既存の装置に、制御信号を送信することができる簡単な通信装置を付加して、電力利用コストをコントロールしたり、必要な時点に蓄電・放電されるようにタイミングをコントロールしてピーク電力を下げたりすることができれば、デバイスの活用価値が大いに高まる。
【0005】
但し、最近、多く普及しているWi-Fi(登録商標)やブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)等の近距離無線通信を活用する場合は、運用しようとする装置の近くに別途のゲートウェイを設置しなければならないので、活用に大きな制約が生じるようになる。
【0006】
従って、少ないハードウェア/ソフトウェア資源しか保有していないか、低電力運用が必要であるか、または通信カバレッジが及ばない場所に設置されなければならないレガシーデバイスに遠隔制御を適用することができるようにするとともに、装置の近くにゲートウェイを設置する必要がないデバイスの開発の必要性が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するために提案されたものであって、本発明の目的は、安全性を高める処理がされたSMS(Short Message Service)を活用して少ないハードウェア/ソフトウェア資源しか保有していないか、または通信カバレッジまたは電源を確保できない場所に設置されなければならない装置に遠隔制御を適用することができるデバイスの制御システムを提供することである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、上述した保安処理されたSMSを活用して適応的アイドルモードを適用することにより、機器の効率的な低電力運用が可能な低電力通信手段を用いたデバイスの制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述したような課題を解決するために、本発明の第1態様のデバイス制御システムは、クラウドサーバと、前記クラウドサーバからSMSメッセージを受信するデバイスと、を備え、前記クラウドサーバは、報知メッセージ及び制御メッセージを暗号化することにより、暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成する暗号化部と、前記暗号化報知メッセージ及び前記暗号化制御メッセージの少なくともいずれかを含む前記SMSメッセージを前記デバイスに送信する送信部と、を有し、前記デバイスは、前記クラウドサーバから前記SMSメッセージを受信する受信部と、前記受信部が受信した前記SMSメッセージを復号する復号部と、前記復号部による復号後の前記SMSメッセージが前記報知メッセージを含む場合、前記報知メッセージを外部に出力し、前記復号部による復号後の前記SMSメッセージが前記制御メッセージを含む場合、前記制御メッセージに基づいて前記デバイスの設定動作を実行させる出力部と、を有する。
【0010】
前記出力部は、前記報知メッセージに対応する音声、テキスト、画像または動画を出力してもよい。
【0011】
前記暗号化部は、前記デバイスを識別するためのデバイス識別情報が含む数字の少なくとも一部に基づいてオフセット値を算出し、前記オフセット値に対応する位置に前記報知メッセージ又は前記制御メッセージを配置した前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを作成してもよい。
【0012】
前記暗号化部は、前記SMSメッセージに含まれる文字列の順方向及び逆方向のうち、前記デバイス識別情報における特定の位置の数字の値に対応する方向に前記報知メッセージ又は前記制御メッセージに含まれる文字列を配置した前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを作成してもよい。
【0013】
前記送信部は、外部サーバから緊急状況があることを知らせる緊急メッセージを受信すると、予め設定された第1時間間隔に対応する第2時間間隔毎に、前記緊急メッセージに対応する前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを含む前記SMSメッセージを送信し、前記受信部は、前記第1時間間隔毎に前記SMSメッセージを受信する動作を実行してもよい。
【0014】
前記送信部は、前記デバイスが前記SMSメッセージを受信する処理を実行する時間間隔の設定値が含まれる前記暗号化制御メッセージを前記デバイスに送信し、前記出力部は、前記受信部が受信した前記暗号化制御メッセージに含まれる前記時間間隔の設定値に基づいて、前記受信部が前記SMSメッセージを受信する動作を実行する時間間隔を変更してもよい。
【0015】
前記デバイスは、火災若しくはガス漏れの警報装置、蓄電池、燃料電池、太陽光発電設備、電力を利用する装置、または複数の人に使用される共有装置のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0016】
前記デバイスは、着脱可能な通信モジュールを含んでもよい。
【0017】
前記デバイスは、メインメモリ領域及びサブメモリ領域を含むメモリ部をさらに有し、前記出力部は、前記メインメモリ領域に記憶された特定処理に関する第1データに対応する処理の第2データが、前記サブメモリ領域に記憶されている場合は、前記サブメモリ領域に記憶された前記第2データに基づく処理を実行してもよい。
【0018】
前記出力部は、前記受信部が前記クラウドサーバから更新用のファームウェアを受信した時点で、前記第2データが前記サブメモリ領域に記憶されている場合、前記メインメモリ領域に記憶された前記第1データを更新せず、前記サブメモリ領域に記憶された前記第2データを更新してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様のデバイス制御方法は、クラウドサーバが、報知メッセージ及び制御メッセージを暗号化することより、暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成するステップと、前記クラウドサーバからデバイスに、前記暗号化報知メッセージ及び前記暗号化制御メッセージの少なくともいずれかを含むSMSメッセージを送信するステップと、復号後の前記SMSメッセージに前記報知メッセージが含まれている場合、前記デバイスが前記報知メッセージを外部に出力し、復号後の前記SMSメッセージに前記制御メッセージが含まれている場合、前記デバイスが前記制御メッセージに基づいて前記デバイスの設定動作を実行するステップと、を有する。
【0020】
その他、実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0021】
従って、本発明による制御システムは、送信しようとする制御信号を暗号化されたSMSの形態に送信して、少ないハードウェア/ソフトウェア資源しか保有していないか、または通信カバレッジが及ばない場所に設置されなければならないデバイスに、安全性が高い遠隔制御を提供することができる。
【0022】
また、本発明は、上述した安全性を高める処理がされたSMSを活用して、適応的なアイドルモードを適用することにより、機器の効率的な低電力運用が可能な低電力通信手段を用いた制御システムを提供することができる。
【0023】
本発明による効果は、上記に例示された内容により制限されず、さらに様々な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例による低電力通信手段を用いた制御システムの概略図である。
図2】本発明の実施例によるクラウドサーバに対するブロック図である。
図3】本発明の比較例及び実施例によるSMSパケットに対する例示図である。
図4】本発明の実施例によるOTA処理に関する例示図である。
図5】本発明の実施例による制御システムの活用例示図である。
図6】本発明の実施例による制御システムの活用例示図である。
図7】本発明の実施例による制御システムの活用例示図である。
図8】本発明の実施例による低電力通信手段を用いた制御方法を説明するための概略図である。
図9図8の各種処理過程を説明するための順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付された図面を参照して、本発明の実施例について詳しく説明する。しかしながら、本発明は、以下に開示される実施例に限定されるものではなく、相違した様々な形態で実現されてもよいものであり、以下の実施例は、本発明の開示を完全にし、通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。また、説明の便宜のため、図面では、構成要素の大きさが誇張または縮小されてもよい。
【0026】
しかしながら、以下の実施例は、この技術分野における通常の知識を有する者にとって、本発明が十分に理解されるように提供されるものであって、様々な他の形態で変形されてもよく、本発明の範囲が後述する実施例に限定されるものではない。
【0027】
一方、明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、他に断らない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいことを意味する。また、明細書に記載された「~部」、「~モジュール」との用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアやソフトウェアまたはハードウェア及びソフトウェアの結合により実現されてもよい。
【0028】
上述した目的、特徴及び長所は、添付された図面と関連した以下の詳細な説明によってさらに明らかになり、これにより、発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が発明の技術的思想を容易に実施することができるであろう。
【0029】
本発明の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合されまたは組み合わせられ、当業者が十分に理解することができるように、技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、それぞれの実施例が互いに対して独立的に実施可能であってもよく、連関関係により一緒に実施可能であってもよい。
【0030】
本発明において、様々な実施例によるデバイスは、火災若しくはガス漏れの警報装置(すなわち火災警報器又はガス漏れ警報器)、太陽光発電設備、蓄電池、燃料電池、電力を利用する装置(例えば電気自動車)、または複数の人に使用される共有装置のうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0031】
以下、図1を参照して、本発明の一実施例による制御システムについて説明する。図1は、本発明の一実施例による低電力通信手段を用いた制御システムの概略図である。
【0032】
図1に示した低電力通信手段を用いた制御システムは、安全性を高める処理がされたSMSを活用して、少ないハードウェア/ソフトウェア資源しか保有していないか、または通信回線との接続や電源が確保できない場所に設置されなければならない装置に遠隔制御を適用することができるシステムである。ここで、電源/通信回線との接続を確保し難い環境は、例えば、電源/通信回線が提供されていない場所や、山地や海岸等の通信/電源回線の工事が行われていない奥地、費用上の問題により電源/通信回線が提供されていない場所、または緊急災難状況で電源/通信回線の供給が突然遮断された場所を意味する。
【0033】
図1を参照すると、低電力通信手段を用いた制御システムは、デバイス100、クラウドサーバ200、及び基地局300を含んでもよい。本発明の制御システムは、システム内に予め保存された固有識別番号に対応するデバイス100に対してSMSメッセージを送信してもよい。
【0034】
デバイス100は、少ないハードウェア/ソフトウェア資源しか保有していないか、または通信回路との接続または電源が確保し難い場所に設置されるか、通信回路との接続または電源が確保できない場所に移動しなければならない装置である。例えば、デバイス100は、図5乃至図7に例示するように、ガス漏れ警報器、火災警報器等の各種警報器、共有移動手段(例えば、スマートキックボード(スクーター))、スマート傘、スマート自転車等のIoT技術を活用した共有サービスに提供される装置、仮想発電所(Virtual Power Plant、VPP)の電力源として遠隔地に設置される蓄電池、燃料電池、太陽光発電設備、または電気自動車等であってもよい。
【0035】
さらに詳しくは、図2を参照すると、デバイス100は、送受信部110、電力制御部120、暗号/復号化部130、出力部140、及びメインメモリ領域151とサブメモリ領域152を備えるメモリ部150を含んでもよい。
【0036】
送受信部110は、クラウドサーバ200から報知メッセージまたは制御メッセージを受信する。
【0037】
一方、電力制御部120は、適応的アイドルモードでデバイス100の電力を制御する。この場合、適応的アイドルモードでは、例えば、デバイス100の少なくとも一部の素子への電力の供給を停止して、デバイス100の電力の消費を最小化させることができる。但し、適応的アイドルモードに設定された時間間隔毎に、デバイス100がウェイクアップ(Wake-up)して、電力の供給が停止された素子への電力の供給が再び行われた状態になると、クラウドサーバ200からSMSメッセージを受信し、SMSによる制御を行うことができる。
【0038】
暗号/復号化部130は、クラウドサーバ200で暗号化した報知メッセージまたは制御メッセージを復号し、一例として、デバイス100で生成した送信データを暗号化してもよい。この場合、復号の方法は、サーバにおいて暗号化する方法の逆で進行されるものであって、クラウドサーバ200の暗号化方法の説明において後述する。
【0039】
出力部140は、報知メッセージを音声、テキスト、画像または動画の形態で出力し、またはユーザが要求する制御または適応的アイドルモードの設定情報の変更を行う。出力部140は、暗号/復号化部130による復号後のSMSメッセージが報知メッセージを含む場合、報知メッセージを外部に出力し、暗号/復号化部130による復号後のSMSメッセージが制御メッセージを含む場合、制御メッセージに基づいてデバイス100の設定動作を実行させる。出力部140は、例えば、送受信部110が受信した暗号化制御メッセージに含まれる時間間隔の設定値に基づいて、送受信部110が前記SMSメッセージを受信する動作を実行する時間間隔を変更する。
【0040】
出力部140は、上述したサブメモリ領域152を用いて、アップデートされた処理を行うことができる。図4を参照すると、メインメモリ領域151には、各種の処理(処理a、処理b、処理c、及び処理d)に対応するメッセージ又はデータが保存されている。このとき、各種処理の内容を変更しなければならない場合が発生し得る。
【0041】
例えば、処理aは、「ガスが漏れました」という報知メッセージである場合、報知メッセージを「一酸化炭素が漏れました」に変更する状況を想定する。この場合、出力部140は、処理aの報知メッセージをメインメモリ領域151において削除せず、サブメモリ領域152に、処理a’として変更された報知メッセージ「一酸化炭素が漏れました」を保存する。このようにすることで、クラウドサーバ200は、無線通信回線を介したOTA(Over The Air)により、出力部140が実行する処理の内容を変更することができる。この場合、出力部140は、メインメモリ領域151に対応する処理がサブメモリ領域152に保存されているか否かを確認した後、サブメモリ領域152に保存されていると判定した場合に、サブメモリ領域152に保存された内容を優先的に処理してもよい。
【0042】
クラウドサーバ200が、ファームウェアのうちの一部だけをOTAによりアップデートしようとする場合、クラウドサーバ200は、更新用ファームウェアをデバイス100に送信する。出力部140は、送受信部110がクラウドサーバ200から更新用のファームウェアを受信した時点で、第2データがサブメモリ領域152に記憶されている場合、メインメモリ領域151に記憶された第1データを更新せず、サブメモリ領域152に記憶された第2データを更新してもよい。すなわち、デバイス100の出力部140は、メモリ部150に記憶されているファームウェアの全体的なアップデートを行わず、クラウドサーバ200から送信された更新用のファームウェアに基づいて、メモリ部150の一部の領域であるサブメモリ領域152に記憶されたデータのアップデートを実行するように構成されてもよい。従って、デバイス100は、頻繁なアップデート状況による電力消耗等を防止することができる。
【0043】
ここで、デバイス100内の送受信部110、電力制御部120、暗号/復号化部130、及び出力部140は、ハードウェアモジュール、ソフトウェアモジュール、またはハードウェア及びソフトウェアモジュールの結合で実現されてもよい。
【0044】
この場合、デバイス100は、通信モジュール10を含んでもよい。通信モジュール10は、ドングル形態でデバイス100に別途に取り付けられるアドオン(add-on)装置(すなわち着脱可能なモジュール)であってもよく、またはデバイス100に基本的に搭載されて生産されたモジュールであってもよい。例えば、既存の火災警報器またはガス漏れ警報器等の基本的にSMS受発信機能のない既存装置の場合は、通信モジュール10を取り付けてSMS受発信機能を提供してもよい。
【0045】
一方、デバイス100は、適応的アイドルモードの設定情報により定められた時間間隔で、クラウドサーバ200からSMSを受信し、音声またはテキスト形態の報知メッセージを出力することができる。このとき、報知メッセージは、デバイスと連結されたスピーカーまたはディスプレイ等の別途の出力装置20により出力されてもよい。
【0046】
ここで、適応的アイドルモードは、デバイス100とクラウドサーバ200との間において、設定された時間間隔でSMSを受信し、設定された時間間隔内では、デバイス100がアイドルモードで動作することを意味してもよい。この場合、設定された時間間隔は、上述したSMSメッセージを介して制御されてもよく、例えば、設定された時間間隔は、緊急状況の発生可能性の有無又は発生確率により決定されてもよい。適応的アイドルモードの適用によるデバイスの動作過程についてのさらに詳細な説明は、図4を参照して後述する。
【0047】
クラウドサーバ200は、外部から緊急状況が発生したことを知らせるメッセージ(または異常信号)またはユーザからの制御要求を受信し、基地局300を介して、デバイス100に緊急状況に対する報知を含む報知メッセージ、またはデバイス100の動作を含む制御メッセージ、または適応的アイドルモードにおいてSMSメッセージを受信する動作を実行する時間間隔を調整するための制御メッセージを送信する。クラウドサーバ200は、例えば、時間間隔の設定値を含む制御メッセージを送信する。
【0048】
例えば、クラウドサーバ200は、外部サーバから緊急状況が発生した旨のメッセージ(例えば、気象庁による災害状況の通知または周辺の地震発生状況の通知等)を受信した場合、緊急状況が発生したと認識し、予め保存されたデバイス100のSIM情報に基づき、報知メッセージを送信すべきデバイス100を識別して、暗号化処理したSMS形態の報知メッセージをデバイス100に送信してもよい。クラウドサーバ200の詳細構成についてのさらに詳細な説明は、図2を参照して後述する。
【0049】
基地局300は、クラウドサーバ200から呼出し信号を受信し、デバイス100に送信する。また、本発明における基地局300は、BS(Base Station)、NodeB(NB)、eNodB(eNB)、AP(access point)等と呼ばれてもよい。
【0050】
図2は、本発明の実施例によるクラウドサーバ200及びデバイス100に対するブロック図である。図3は、本発明の比較例及び本発明の実施例によるSMSパケットに対する例示図である。
【0051】
図2を参照すると、クラウドサーバ200は、デバイス選択モジュール210、状況認識モジュール220、暗号/復号化実行モジュール230、送受信モジュール240、及びDB250を含んでもよく、DB250は、別途の外部保存装置を用いてもよい。ここで、デバイス選択モジュール210、状況認識モジュール220、暗号/復号化実行モジュール230、送受信モジュール240、及びDB250は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの結合と理解されてもよい。追加的に、クラウドサーバ200は、ユーザインターフェース260をさらに含み、ユーザインターフェース260を介して、ユーザから制御要求を受信してもよい。
【0052】
デバイス選択モジュール210は、事前に保存された各デバイス100の固有識別番号を認識することにより、制御メッセージまたは報知メッセージを送信すべきデバイスを選択し、選択されたデバイスに対する情報を状況認識モジュール220に提供する。ここで、固有識別番号は、デバイスのシリアル番号、及び通信モジュールの識別番号IMEI(International Mobile Equipment Identifier)と携帯電話番号MSISDN(Mobile Station International Subscriber Directory Number)を含む。
【0053】
状況認識モジュール220は、外部サーバから受信される緊急状況メッセージを受信するか、ユーザによる制御要求メッセージを受信して、緊急状況発生の有無または制御必要状況の有無を認識し、報知メッセージまたは制御メッセージを暗号/復号化モジュール230及び送受信モジュール240に提供する。
【0054】
暗号/復号化モジュール230は、デバイス100に暗号化されたSMSメッセージを送信するように、状況認識モジュール220から受信した報知メッセージまたは制御メッセージに基づいて暗号化を行い、暗号化報知メッセージまたは暗号化制御メッセージを作成する。暗号/復号化モジュール230は、暗号化報知メッセージまたは暗号化制御メッセージを含むSMSメッセージを送受信モジュール240に伝達する。
【0055】
具体的には、暗号/復号化モジュール230は、デバイス100のシリアル番号、又はデバイス100が有する通信モジュールのIMEIのようなデバイス識別情報に含まれた数字の一部または全部を予め保存された演算式に基づいて演算してオフセットを演算し、図3のように、演算されたオフセットだけ離れた位置をメッセージペイロード(Payload)の開始点として指定して、SMSメッセージを再構成してもよい。具体的には、実施例による通信パケットは、比較例と同様に、デバイスのシリアル番号、通信モジュールのIMEIまたは発信地のIPアドレスのうち少なくとも一つを含むメッセージヘッダ、及び実際に送信されるデータが含まれるペイロードを含む。本発明の実施例による暗号化されたSMSメッセージは、オフセットの適用により、通信パケットのペイロードの開始点の位置が後ろに移動していることがわかる。このように、本発明のSMSは、デバイスのシリアル番号、通信モジュールのIMEI、または発信地のIPアドレスのうち少なくとも一つに基づくオフセットが適用され、予め認証されていないデバイスに伝達される場合、SMSの内容が確認できないように安全性が強化されたものであってもよい。
【0056】
さらに、暗号/復号化モジュール230は、SMSメッセージに含まれる文字列の順方向及び逆方向のうち、デバイス識別情報における特定の位置の数字の値に対応する方向に報知メッセージ又は制御メッセージに含まれる文字列を配置した暗号化報知メッセージ又は暗号化制御メッセージを作成してもよい。暗号/復号化モジュール230は、メッセージヘッダのうち、デバイス100のID、例えば、デバイスのシリアル番号、通信モジュールのIMEIのうちの特定の位置(すなわち順位)の番号により、ペイロードの読み方向を変えてもよい。例えば、IMEIの15個の数字のうち、予め決められた位置(例えば、4番目)の指定された値が奇数である場合は、オフセットを含む全体のペイロードパケットを読む方向を順方向とし、これに対して、IMEIの4番目の指定された値が偶数である場合は、オフセットを含む全体のペイロードパケットを読む方向を逆方向としてもよい。
【0057】
さらに、メッセージヘッダのうち、デバイス100を識別するための識別情報(ID)、例えば、IMEIまたはICCIDの番号とペイロードパケットの値を足し合わせ、合計した値を16進数表示にし、末尾2桁をペイロードの予め決められた位置(例えば、ペイロードの末尾)に含めてもよい。
【0058】
このように、ハッシュ等の複雑な演算を排除し、簡単なオフセット、デバイス100のIDの特定の位置の値によりSMSメッセージを暗号化する理由は、火災警報器またはガス漏れ警報器等のハードウェア/ソフトウェア資源が貧弱な構成である場合、演算量が多ければ処理が難しいので、なるべく簡単な演算を行うように構成するためである。
【0059】
よって、比較例とは異なり、オフセットにより開始点が変更された実施例によるパケット構造を有するSMSを送受信する場合、当該オフセット演算法及びデバイス100のIDの特定位置の値による読み方向を認識しているデバイスだけが、当該SMSの内容を確認できるようになり、安全性を著しく強化することができる。
【0060】
暗号/復号化モジュール230は、デバイス100のユーザからユーザインターフェース260を介して制御要求が受信された状況で使用される制御メッセージ、又は適応的アイドルモードの設定を変更しなければならない状況で使用される制御メッセージのSMSだけを暗号化し、災害状況等の報知メッセージ等は、プレーンテキストとして暗号化しないように制御してもよい。これは、制御要求等の安全性が強化された状況でのみ暗号化を行うようにして、暗号化演算による資源/戦略の負担をさらに減らすためである。
【0061】
この場合、暗号/復号化モジュール230は、メッセージヘッダに暗号化実行の有無のフラグを含めて、フラグを読み出すことにより、暗号化が行われているか否かをデバイスが判別できるようにしてもよい。
【0062】
暗号/復号化モジュール230は、適応的アイドルモードにおいてSMSメッセージを受信する処理を実行する時間間隔を変更することができる。例えば、外部サーバから周辺に地震が発生した旨のメッセージまたは外部サーバから台風が近距離に到達した旨のメッセージ等の危険状況の発生に関するメッセージをクラウドサーバ200が受信した場合、適応的アイドルモードの設定された時間間隔を現在よりも短く設定することで、災害状況に対する報知メッセージを遅滞なく緊急受信するように制御することができる。あるいは、外部サーバから台風の危険地域から外れた旨のメッセージ等の危険状況の解除に関するメッセージを受信した場合、適応的アイドルモードの設定された時間間隔を現在の間隔よりも長く設定し、設定された時間間隔でデバイス100が動作するアイドルモードに設定して、電力消耗を最小化することができる。
【0063】
送受信モジュール240は、報知メッセージまたは制御メッセージをデバイス100に基地局300を介して送信する構成である。
【0064】
DB250は、クラウドサーバ200内の拡張メモリ、外付けハードディスク、ウェブクラウド等の様々な保存装置であってもよく、制御システムの駆動に必要な様々なデータが保存されてもよい。例えば、デバイス100の固有識別番号、種類、可能な制御情報、報知メッセージ、制御メッセージ、適応的アイドルモードの設定変更情報等が保存されてもよい。
【0065】
以下、図5乃至図7に基づき、各種状況に応じて、本発明による安全性が向上したSMSメッセージを活用して、各種デバイス100を制御する使用例について説明する。
【0066】
図5のデバイス100は、例えば、既存の火災警報器またはガス漏れ警報器である。ガス漏れ警報器は、ガス漏れを感知して、簡単なアラーム等を出力する程度のハードウェア/ソフトウェア資源を有するデバイスである。この場合、デバイス100に通信モジュール10を取り付けてもよい。通信モジュール10は、SMS標準によるSMSメッセージを送受信可能なモジュールであってもよい。あるいは、デバイス100は、通信モジュール10を内蔵してもよい。
【0067】
この場合、クラウドサーバ200は、基地局300を介して、火災警報器またはガス漏れ警報器であるデバイス100に各種報知メッセージを送信し、火災警報器またはガス漏れ警報器の機能のみを行うデバイス100を災難検知器として活用することができる。例えば、周辺に地震が発生した場合、ガス漏れ警報器のメインメモリ領域151に保存された警報メッセージの一部(処理b)を「地震が発生しました」に変更するために、デバイス100は、サブメモリ領域152に処理b’で使用される警報メッセージとして保存する。
【0068】
周辺に地震状況が発生した場合、クラウドサーバ200は、基地局300を介して、適応的アイドルモードにおいてSMSメッセージを受信する動作を実行する時間間隔の設定値を短くする。例えば、10分単位から10秒単位に変更する。また、地震に対する余震状況が発生すれば、クラウドサーバ200は、デバイス100に処理bを行う旨の暗号化された制御メッセージを送信する。
【0069】
このとき、デバイス100は、送信された制御メッセージを受信したことに応じて、処理bを実行する。この場合、出力部140は、サブメモリ領域152に処理bに対応する処理b’があるかを確認し、処理b’が保存されていると判定した場合、処理bに代えて、サブメモリ領域152の処理b’に対応するメッセージを用いて処理する。
【0070】
図6のデバイス100は、家庭に設置された太陽光設備であり、クラウドサーバ200は、仮想発電所の運用サーバであってもよい。例えば、クラウドサーバ200は、電力ピークが発生する時点になる場合、ピーク電力値を下げるために、上述したデバイス100が放電を行うように要求してもよい。
【0071】
この場合、クラウドサーバ200は、電力ピーク発生時点に太陽光設備に暗号化されたSMSメッセージを送信して、太陽光設備の蓄電池が放電するように制御してもよい。
【0072】
あるいは、図7のクラウドサーバ200は、IoTを活用した共有サービス運用サーバであってもよく、デバイス100は、各種の共有デバイス、例えば、共有サービスに提供される共有キックボード、共有スマート傘、または共有自転車であってもよい。
【0073】
この場合、共有IoTデバイスであるデバイス100は、各種の状況情報、例えば、共有デバイスがロックされているか否かを示す情報、又は共有デバイスの位置情報等を暗号化されたSMSを介して送信することができる。または、例えば、共有デバイスが盗まれた状況で動作を止めるように、クラウドサーバ200は、デバイス100に制御メッセージを送信してもよい。
【0074】
共有IoTデバイスの実施例でも、デバイス100の一部のモジュールを適応的アイドルモードにより稼動及び停止させることができるので、電力消耗を大いに節減することができる。
【0075】
以下、図8及び図9を活用して、本発明の実施例による制御動作について全体的に説明する。
【0076】
図8は、本発明の実施例による低電力通信手段を用いた制御方法を説明するための概略図である。図9は、図8のデバイス100の登録手順を説明するための順序図である。
【0077】
先ず、図8を参照すると、デバイス100のSIM情報をクラウドサーバ200に送信して、デバイス100を登録する(S810)。さらに具体的に、図9を参照すると、デバイス100は、クラウドサーバ200にSIM情報を送信して登録させる。この場合、クラウドサーバ200のデバイス選択モジュール210は、通信事業者から提供されたデバイス100の固有識別番号(例えば、デバイスのシリアル番号、通信モジュールのIMEI)と前記デバイス100のSIM情報が示す固有識別番号とを比較して認証し、認証されたデバイス100を登録する。
【0078】
引き続き、クラウドサーバ200の送受信モジュール240は、登録されたデバイス100に認証された旨のSMSメッセージを送信する。
【0079】
登録された後、クラウドサーバ200の状況認識モジュール220は、時間間隔調整が必要か否かを判断する。この場合、クラウドサーバ200の状況認識モジュール220は、外部サーバから緊急状況メッセージを受信するか、ユーザインターフェース260を介して、適応的アイドルモードの時間間隔に対する調整が必要である旨の制御要求メッセージを受信した場合、時間間隔の調整が必要な状況であることを認識する(S820)。
【0080】
暗号/復号化モジュール230は、時間間隔調整が必要な状況である場合は、適応的アイドルモードの時間間隔設定を変更して、適応的アイドルモードの周期(時間間隔)を調整する(S830)。
【0081】
デバイス100に送信すべき制御メッセージまたは報知メッセージがある場合、クラウドサーバは、制御メッセージまたは報知メッセージをデバイス100の固有識別番号に基づいて暗号化する。この場合、デバイス100は、適応的アイドルモードの時間間隔ごとに、クラウドサーバ200からメッセージがあるか否かを確認し、サーバからSMSメッセージを受信してもよい。あるいは、クラウドサーバ200は、デバイス100に設定された適応的アイドルモードの第1時間間隔に対応する第2時間間隔ごとに、SMSメッセージをデバイス100に送信してもよい(S840)。第1時間間隔と第2時間間隔とは同じであってもよく、異なっていてもよい。また、第2時間間隔の設定はなくてもよい。
【0082】
デバイス100がSMSメッセージを受信できるタイミングでSMSメッセージを送信できるように、デバイス100及びクラウドサーバ200には、SMSメッセージを送受信する時間間隔とともに、又は時間間隔に代えて、SMSメッセージを送受信する時刻が設定されていてもよい。また、デバイス100とクラウドサーバ200とが同期して動作しないでもデバイス100がSMSメッセージを受信できるように、クラウドサーバ200は、デバイス100がSMSメッセージを受信する処理を実行する第1時間間隔よりも短い第2時間間隔でSMSメッセージを送信してもよい。
【0083】
デバイス100にプッシュまたはプル方式で送信された暗号化されたSMSメッセージは、デバイス100が復号した後、音声またはテキストで出力されるか、または制御信号の形態で出力されて、必要な制御を行う(S850)。
【0084】
以上のように、本発明による制御システムは、送信しようとする制御信号を暗号化されたSMSの形態に送信して、少ないハードウェア/ソフトウェア資源しか保有していないか、または通信カバレッジが及ばない場所に設置されなければならないデバイスに、安全性が高い遠隔制御を提供することができる。
【0085】
また、本発明による制御システムは、上述した安全性を高める処理がなされたSMSを活用して、適応的なアイドルモードを適用することにより、機器の効率的な低電力運用が可能な低電力通信手段を用いた制御システムを提供することができる。
【0086】
以上、本発明の一実施例による低電力通信手段を用いた制御方法について説明したが、制御方法を実現するためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体、及び制御方法を実現するためのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に保存されたプログラムも実現可能であることはもちろんである。
【0087】
すなわち、上述した低電力通信手段を用いた制御方法は、これを実現するためのコマンドのプログラムが類型的に実現されることにより、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に含まれて提供されてもよいことを、当業者が容易に理解することができるであろう。言い換えれば、様々なコンピュータ手段を介して行われるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造等を単独または組み合わせて含んでもよい。
【0088】
前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特に設計されて構成されたものであってもよく、コンピュータソフトウェアの当業者に公知されて使用可能なものであってもよい。
【0089】
前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(flopticaldisk)のような光磁気記録媒体(magneto-optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリ、USBメモリ等のようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークを介して連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式によりコンピュータで読み取り可能なコードが保存され、実行されてもよい。
【0090】
プログラム命令の例としては、コンパイラにより生成されるような機械語コードだけではなく、インタプリタ等を用いてコンピュータにより実行可能な高級言語コードを含む。前記ハードウェア装置は、本発明の動作を行うために、一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されてもよく、その逆も同様である。
【0091】
以上、添付された図面を参照して、本発明の実施例ついてさらに詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこのような実施例に限るものではなく、本発明の技術思想を外れない範囲内で、様々に変形実施され得る。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例により、本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。そのため、上述した実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。本発明の保護範囲は、下記の請求範囲により解析されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0092】
100 デバイス
200 クラウドサーバ
300 基地局
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドサーバと、前記クラウドサーバからSMSメッセージを受信するデバイスと、を備え、
前記クラウドサーバは、報知メッセージ及び制御メッセージを暗号化することにより、暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成する暗号化部と、
前記暗号化報知メッセージ及び前記暗号化制御メッセージの少なくともいずれかを含む前記SMSメッセージを前記デバイスに送信する送信部と、
を有し、
前記デバイスは、
前記クラウドサーバから前記SMSメッセージを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記SMSメッセージを復号する復号部と、
前記復号部による復号後の前記SMSメッセージが前記報知メッセージを含む場合、前記報知メッセージを外部に出力し、前記復号部による復号後の前記SMSメッセージが前記制御メッセージを含む場合、前記制御メッセージに基づいて前記デバイスの設定動作を実行させる出力部と、
を有し、
前記暗号化部は、前記デバイスを識別するためのデバイス識別情報が含む数字の少なくとも一部に基づいてオフセット値を算出し、前記オフセット値に対応する位置に前記報知メッセージ又は前記制御メッセージを配置した前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを作成する、デバイス制御システム。
【請求項2】
前記暗号化部は、前記SMSメッセージに含まれる文字列の順方向及び逆方向のうち、前記デバイス識別情報における特定の位置の数字の値に対応する方向に前記報知メッセージ又は前記制御メッセージに含まれる文字列を配置した前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを作成する、
請求項に記載のデバイス制御システム。
【請求項3】
クラウドサーバと、前記クラウドサーバからSMSメッセージを受信するデバイスと、を備え、
前記クラウドサーバは、報知メッセージ及び制御メッセージを暗号化することにより、暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成する暗号化部と、
前記暗号化報知メッセージ及び前記暗号化制御メッセージの少なくともいずれかを含む前記SMSメッセージを前記デバイスに送信する送信部と、
を有し、
前記デバイスは、
前記クラウドサーバから前記SMSメッセージを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記SMSメッセージを復号する復号部と、
前記復号部による復号後の前記SMSメッセージが前記報知メッセージを含む場合、前記報知メッセージを外部に出力し、前記復号部による復号後の前記SMSメッセージが前記制御メッセージを含む場合、前記制御メッセージに基づいて前記デバイスの設定動作を実行させる出力部と、
を有し、
前記送信部は、外部サーバから緊急状況があることを知らせる緊急メッセージを受信すると、予め設定された第1時間間隔に対応する第2時間間隔毎に、前記緊急メッセージに対応する前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを含む前記SMSメッセージを送信し、
前記受信部は、前記第1時間間隔毎に前記SMSメッセージを受信する動作を実行する、
デバイス制御システム。
【請求項4】
前記送信部は、前記デバイスが前記SMSメッセージを受信する処理を実行する時間間隔の設定値が含まれる前記暗号化制御メッセージを前記デバイスに送信し、
前記出力部は、前記受信部が受信した前記暗号化制御メッセージに含まれる前記時間間隔の設定値に基づいて、前記受信部が前記SMSメッセージを受信する動作を実行する時間間隔を変更する、
請求項に記載のデバイス制御システム。
【請求項5】
クラウドサーバと、前記クラウドサーバからSMSメッセージを受信するデバイスと、を備え、
前記クラウドサーバは、報知メッセージ及び制御メッセージを暗号化することにより、暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成する暗号化部と、
前記暗号化報知メッセージ及び前記暗号化制御メッセージの少なくともいずれかを含む前記SMSメッセージを前記デバイスに送信する送信部と、
を有し、
前記デバイスは、
前記クラウドサーバから前記SMSメッセージを受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記SMSメッセージを復号する復号部と、
前記復号部による復号後の前記SMSメッセージが前記報知メッセージを含む場合、前記報知メッセージを外部に出力し、前記復号部による復号後の前記SMSメッセージが前記制御メッセージを含む場合、前記制御メッセージに基づいて前記デバイスの設定動作を実行させる出力部と、
メインメモリ領域及びサブメモリ領域を含むメモリ部と、
を有し、
前記出力部は、前記メインメモリ領域に記憶された特定処理に関する第1データに対応する処理の第2データが、前記サブメモリ領域に記憶されている場合は、前記サブメモリ領域に記憶された前記第2データに基づく処理を実行する、
デバイス制御システム。
【請求項6】
前記出力部は、前記受信部が前記クラウドサーバから更新用のファームウェアを受信した時点で、前記第2データが前記サブメモリ領域に記憶されている場合、前記メインメモリ領域に記憶された前記第1データを更新せず、前記サブメモリ領域に記憶された前記第2データを更新する、
請求項に記載のデバイス制御システム。
【請求項7】
クラウドサーバが、報知メッセージ及び制御メッセージを暗号化することより、暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成するステップと、
前記クラウドサーバからデバイスに、前記暗号化報知メッセージ及び前記暗号化制御メッセージの少なくともいずれかを含むSMSメッセージを送信するステップと、
復号後の前記SMSメッセージに前記報知メッセージが含まれている場合、前記デバイスが前記報知メッセージを外部に出力し、復号後の前記SMSメッセージに前記制御メッセージが含まれている場合、前記デバイスが前記制御メッセージに基づいて前記デバイスの設定動作を実行するステップと、
を有し、
前記暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成するステップにおいて、前記デバイスを識別するためのデバイス識別情報が含む数字の少なくとも一部に基づいてオフセット値を算出し、前記オフセット値に対応する位置に前記報知メッセージ又は前記制御メッセージを配置した前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを作成するデバイス制御方法。
【請求項8】
クラウドサーバが、報知メッセージ及び制御メッセージを暗号化することより、暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成するステップと、
外部サーバから緊急状況があることを知らせる緊急メッセージを受信すると、予め設定された第1時間間隔に対応する第2時間間隔毎に、前記クラウドサーバからデバイスに、前記緊急メッセージに対応する前記暗号化報知メッセージ又は前記暗号化制御メッセージを含むSMSメッセージを送信するステップと、
前記デバイスが、前記第1時間間隔毎に前記SMSメッセージを受信する動作を実行するステップと、
受信した前記SMSメッセージを復号後の前記SMSメッセージに前記報知メッセージが含まれている場合、前記デバイスが前記報知メッセージを外部に出力し、復号後の前記SMSメッセージに前記制御メッセージが含まれている場合、前記デバイスが前記制御メッセージに基づいて前記デバイスの設定動作を実行するステップと、
を有するデバイス制御方法。
【請求項9】
クラウドサーバが、報知メッセージ及び制御メッセージを暗号化することより、暗号化報知メッセージ及び暗号化制御メッセージを作成するステップと、
前記クラウドサーバから、メインメモリ領域及びサブメモリ領域を有するデバイスに、前記暗号化報知メッセージ及び前記暗号化制御メッセージの少なくともいずれかを含むSMSメッセージを送信するステップと、
復号後の前記SMSメッセージに前記報知メッセージが含まれている場合、前記デバイスが前記報知メッセージを外部に出力し、復号後の前記SMSメッセージに前記制御メッセージが含まれている場合、前記デバイスが前記制御メッセージに基づいて前記デバイスの設定動作を実行するステップと、
を有し、
前記デバイスの設定動作を実行するステップにおいて、前記デバイスが有する前記メインメモリ領域に記憶された特定処理に関する第1データに対応する処理の第2データが、前記サブメモリ領域に記憶されている場合は、前記サブメモリ領域に記憶された前記第2データに基づく処理を実行する、
デバイス制御方法。