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  • 特開-シート貼付装置およびシート貼付方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069251
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180997
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳴河 正之
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA53
5F131CA18
5F131EC33
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
(57)【要約】
【課題】フレーム部材に対して被着体が適切な位置となるように接着シートが貼付されたことを判定することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供する。
【解決手段】シート貼付装置EAは、リングフレームRFおよび当該リングフレームRFの開口部RF1内に配置された被着体WKに接着シートASを貼付する貼付手段10を備え、接着シートASが貼付されたリングフレームRFおよび被着体WK体において、リングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査する検査手段20をさらに備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム部材および当該フレーム部材の開口部内に配置された被着体に接着シートを貼付する貼付手段を備え、
前記接着シートが貼付された前記フレーム部材および前記被着体において、前記フレーム部材に対する前記被着体の位置を検査する検査手段をさらに備えていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記検査手段は、所定の第1仮想線に沿って前記フレーム部材の縁から前記被着体の縁までの距離である第1距離と、前記第1仮想線とは異なる所定の第2仮想線に沿って前記フレーム部材の前記縁から前記被着体の前記縁までの距離である第2距離とを測定し、前記第1距離および前記第2距離の各測定結果を基に前記フレーム部材に対する前記被着体の位置を検査することを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
フレーム部材および当該フレーム部材の開口部内に配置された被着体に接着シートを貼付する貼付工程を実施し、
前記接着シートが貼付された前記フレーム部材および前記被着体において、前記フレーム部材に対する前記被着体の位置を検査する検査工程をさらに実施することを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フレーム部材および当該フレーム部材の開口部内に配置された被着体に接着シートを貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-204615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたテープ貼着装置2(シート貼付装置)は、フレーム13(フレーム部材)および被加工物11(被着体)にテープ3a(接着シート)を貼付した後に、フレーム部材に対する被着体の位置を検査するように構成されていないため、フレーム部材に対して被着体が適切な位置となるように接着シートが貼付されたことを判定することができないという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、フレーム部材に対して被着体が適切な位置となるように接着シートが貼付されたことを判定することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、接着シートが貼付されたフレーム部材および被着体において、フレーム部材に対する被着体の位置を検査するため、フレーム部材に対して被着体が適切な位置となるように接着シートが貼付されたことを判定することができる。
また、検査手段が、所定の第1仮想線に沿ってフレーム部材の縁から被着体の縁までの距離である第1距離と、第1仮想線とは異なる所定の第2仮想線に沿ってフレーム部材の縁から被着体の縁までの距離である第2距離とを測定し、第1距離および第2距離の各測定結果を基にフレーム部材に対する被着体の位置を検査すれば、被着体位置の検査の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1(A)の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1(A)中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
シート貼付装置EAは、フレーム部材としてのリングフレームRFおよび当該リングフレームRFの開口部RF1内に配置された被着体WKに接着シートASを貼付する貼付工程を実施する貼付手段10と、接着シートASが貼付されたリングフレームRFおよび被着体WKにおいて、リングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査する検査工程を実施する検査手段20とを備え、リングフレームRFおよび被着体WKを支持する支持手段30の近傍に配置されている。
【0011】
貼付手段10は、剥離シートRLの一方の面に接着シートASが仮着された原反RSを支持する支持ローラ11と、原反RSを案内するガイドローラ12と、剥離縁13Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離手段としての剥離板13と、駆動機器としての回動モータ14Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ14Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ14と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ14Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ15と、リングフレームRFおよび被着体WKに接着シートASを押圧して貼付する押圧手段としての押圧ローラ16とを備えている。
【0012】
検査手段20は、リングフレームRFおよび被着体WKに接着シートASが貼付された一体物UPを反転させる反転手段21と、リングフレームRFの縁としての外縁RF2および被着体WKの縁としての外縁WK1を検知するカメラや投影機等の撮像手段や、光学センサや超音波センサ等の各種センサ等で構成され、前後方向に並設された複数の検知手段22と、リングフレームRFおよび被着体WKに対して検知手段22を相対移動させる相対移動手段23と、リングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査するとともに、シート貼付装置EAの全体的または部分的な動作を制御するパーソナルコンピュータやシーケンサ等の制御手段24とを備えている。本実施形態の場合、検査手段20は、所定の第1仮想線SL1に沿ってリングフレームRFの外縁RF2から被着体WKの外縁WK1までの距離である第1距離SD1と、第1仮想線SL1とは異なる所定の第2仮想線SL2に沿ってリングフレームRFの外縁RF2から被着体WKの外縁WK1までの距離である第2距離SD2とを測定し、第1距離SD1および第2距離SD2の各測定結果を基にリングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査する構成となっている。
反転手段21は、複数のアームによって構成され、その作業範囲内において、作業部である先端アーム21Bで支持したものを何れの位置、何れの角度にでも変位可能な駆動機器としての所謂多関節ロボット21Aと、一体物UPを保持する保持手段であって、先端アーム21Bに支持された駆動機器としてのチャックシリンダ21Cとを備えている。
相対移動手段23は、駆動機器としてのリニアモータ23Aと、リニアモータ23Aのスライダ23Bに支持された駆動機器としての回動モータ23Cと、回動モータ23Cの出力軸23Dに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な支持面23Eを有する検査テーブル23Fとを備えている。なお、第1、第2仮想線SL1、SL2は、平面視で回動モータ23Cの出力軸23Dの軸中心ARから前後方向に所定距離PD1、PD2離れた位置を通り、左右方向に延びる互いに平行な線である。
制御手段24は、リングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査した検査結果から、リングフレームRFに対して被着体WKが不適切な位置にある状態で接着シートASが貼付された貼付不良が発生したと判定した場合、表示器やスピーカ等の図示しない警告手段に不良判定信号を出力するようになっている。なお、図示しない警告機器は、制御手段24によって出力された不良判定信号を受信すると、表示器やスピーカ等を介して光や音等の警告シグナルを出力するようになっている。
【0013】
支持手段30は、リニアモータ23Aのスライダ23Gに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって各々吸着保持が可能な被着体支持面31Aおよびフレーム支持面31Bを有するテーブル31を備え、リニアモータ23Aを相対移動手段23と兼用する構成となっている。
【0014】
以上のシート貼付装置EAの動作を説明する。
先ず、図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EAに対し、当該シート貼付装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、貼付手段10が回動モータ14Aを駆動し、原反RSを繰り出し、先頭の接着シートASの繰出方向先端部が剥離板13の剥離縁13Aで所定長さ剥離されると、貼付手段10が回動モータ14Aの駆動を停止する。
【0015】
次いで、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図1(A)に示すように、被着体WK、リングフレームRFを被着体支持面31A、フレーム支持面31B上の所定の位置に載置すると、支持手段30が図示しない減圧手段を駆動し、被着体支持面31A、フレーム支持面31Bでの被着体WK、リングフレームRFの吸着保持を開始する。その後、支持手段30がリニアモータ23Aを駆動し、テーブル31を左方に移動させ、当該テーブル31が所定の位置に到達すると、貼付手段10が回動モータ14Aを駆動し、テーブル31の移動速度に合わせて原反RSを繰り出す。これにより、図1(A)中二点鎖線で示すように、先頭の接着シートASが剥離板13の剥離縁13Aで剥離シートRLから剥離され、当該剥離シートRLから剥離された接着シートASは、押圧ローラ16によってリングフレームRFおよび被着体WKに押圧されて貼付される。
【0016】
次に、先頭の接着シートAS全体がリングフレームRFおよび被着体WKに貼付されて一体物UPが形成され、当該先頭の接着シートASに続く次の接着シートASの繰出方向先端部が剥離板13の剥離縁13Aで所定長さ剥離されると、貼付手段10が回動モータ14Aの駆動を停止する。そして、一体物UPを支持したテーブル31が押圧ローラ16の下方を抜け出て、図1(A)中二点鎖線で示すように、多関節ロボット21Aの前方の所定位置に到達すると、支持手段30がリニアモータ23Aの駆動を停止した後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、被着体支持面31A、フレーム支持面31Bでの被着体WK、リングフレームRFの吸着保持を解除する。次いで、検査手段20が多関節ロボット21Aおよびチャックシリンダ21Cを駆動し、当該チャックシリンダ21Cで一体物UPを持ち上げて上下反転させると、支持手段30がリニアモータ23Aを駆動し、テーブル31を初期位置に復帰させる。その後、検査手段20がリニアモータ23Aを駆動し、検査テーブル23Fを右方に移動させ、当該検査テーブル23Fが多関節ロボット21Aの前方の所定位置に到達すると、検査手段20がリニアモータ23Aの駆動を停止する。次に、検査手段20が多関節ロボット21Aを駆動し、上下反転した一体物UPを支持面23E上の所定の位置に載置した後、図示しない減圧手段を駆動し、支持面23Eでの一体物UPの吸着保持を開始する。そして、検査手段20が多関節ロボット21Aおよびリニアモータ23Aを駆動し、チャックシリンダ21Cおよび検査テーブル23Fを初期位置に復帰させる。
【0017】
次いで、検査手段20がリニアモータ23Aを駆動し、図1(A)中二点鎖線で示すように、検査テーブル23Fを右方に所定の距離移動させる。この際、検査テーブル23Fが右方に移動している間に、検査テーブル23FとリングフレームRFとの段差が各検知手段22の下方を通過すると、検査手段20が各検知手段22でリングフレームRFの外縁RF2を検知し、それまでに検査テーブル23Fが初期位置から移動した移動距離を制御手段24に記憶する。その後、接着シートASと被着体WKとの段差が各検知手段22の下方を通過すると、検査手段20が各検知手段22で被着体WKの外縁WK1を検知し、それまでに検査テーブル23Fが初期位置から移動した距離を制御手段24に記憶する。次に、検査手段20が制御手段24に記憶した各移動距離を基に、図1(B)に示す第1、第2仮想線SL1、SL2に沿ってリングフレームRFの外縁RF2から被着体WKの外縁WK1までの距離を算出することで、第1、第2距離SD1、SD2を測定し、これらの測定結果を基に、下記式(1)を用いて、検査テーブル23FのDX軸方向でリングフレームRFに対する被着体WKのずれ量を算出する。
【0018】
ずれ量=基準距離RD-(第1距離SD1+第2距離SD2)/2 ・・・式(1)
なお、上記式(1)における基準距離RDは、予め定められる設計値であり、図1(B)に示すように、被着体WKの外縁WK1の中心がリングフレームRFの中心に一致している場合の第1、第2距離SD1、SD2に相当する。そして、検査手段20がリニアモータ23Aを駆動し、検査テーブル23Fを初期位置に復帰させる。次いで、検査手段20がリニアモータ23Aの駆動を停止した後、回動モータ23Cを駆動し、図1(C)に示すように、出力軸23Dの軸中心ARを中心として検査テーブル23Fを時計回転方向に90度回転させる。その後、検査手段20は、上記と同様にして、検査テーブル23Fを所定の距離移動させることで第1、第2距離SD1、SD2を測定した後、これらの測定結果を基に、検査テーブル23FのDY軸方向でリングフレームRFに対する被着体WKのずれ量を算出する。
【0019】
次に、検査手段20が制御手段24でDX軸方向、DY軸方向の各ずれ量の絶対値と、所定の閾値とを対比し、リングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査する。検査の結果、DX軸方向、DY軸方向の各ずれ量が所定の閾値以下である場合、検査手段20は、リングフレームRFに対して被着体WKが適切な位置となるように接着シートASが貼付されたと判定し、図示しない警告手段に不良判定信号を出力することはない。そして、検査手段20が図示しない減圧機器の駆動を停止し、支持面23Eでの一体物UPの吸着保持を解除する。次いで、使用者または図示しない搬送手段が一体物UPを次工程に搬送すると、検査手段20がリニアモータ23Aおよび回動モータ23Cを駆動し、検査テーブル23Fを初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0020】
ここで、被着体WK位置の検査の結果、DX軸方向およびDY軸方向の何れかの方向のずれ量が所定の閾値を超えた場合、検査手段20は、リングフレームRFに対して被着体WKが不適切な位置にある状態で接着シートASが貼付された貼付不良が発生したと判定する。例えば、図1(B)中二点鎖線で示すように、リングフレームRFに対して被着体WKがDY軸の矢印方向の逆方向に位置ずれしている場合、検査手段20がDX軸方向における第1、第2距離SD1、SD2を測定したとき、第1距離SD1が基準距離RDよりも短くなるが、第2距離SD2が基準距離RDよりも長くなるため、DX軸方向のずれ量の絶対値が所定の閾値以下となる。一方、図1(C)に示すように、検査手段20がDY軸方向における第1、第2距離SD1、SD2を測定したとき、第1、第2距離SD1、SD2のそれぞれが基準距離RDよりも短くなるため、DY軸方向のずれ量の絶対値が所定の閾値を超える。このため、検査手段20は、貼付不良が発生したと判定し、図示しない警告手段に不良判定信号を出力する。図示しない警告機器が不良判定信号を受信すると、当該警告機器が表示器やスピーカ等を介して警告シグナルを発し、貼付不良が発生したことを使用者に伝える。その後、使用者または図示しない搬送手段が一体物UPを検査テーブル23F上から除去すると、検査手段20がリニアモータ23Aおよび回動モータ23Cを駆動し、検査テーブル23Fを初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0021】
以上のような実施形態によれば、接着シートASが貼付されたリングフレームRFおよび被着体WKにおいて、リングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査するため、リングフレームRFに対して被着体WKが適切な位置となるように接着シートASが貼付されたことを判定することができる。
【0022】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0023】
例えば、貼付手段10は、剥離シートRLに仮着された帯状の接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反を繰り出してもよいし、帯状の接着シート基材が剥離シートRLに仮着された原反を採用し、接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断刃等の切断手段で形成し、その切込で仕切られた所定の領域を接着シートASとしてもよいし、支持ローラ11やガイドローラ12等の各ローラの代わりに板状部材やシャフト部材等で原反RS、剥離シートRLを支持したり案内したりしてもよいし、原反RSを巻回することなく例えばファンフォールド折りにして支持してもよいし、剥離シートRLを巻回することなくファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、駆動機器であって押圧手段としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な保持部材で接着シートASを保持し、当該保持部材で保持した接着シートASをリングフレームRFや被着体WKに押圧して貼付する構成でもよいし、上記の実施形態では、移動することのない貼付手段10に対してリングフレームRFおよび被着体WKを移動させ、当該リングフレームRFおよび被着体WKに接着シートASを貼付したが、リングフレームRFおよび被着体WKを移動させることなくまたは、リングフレームRFおよび被着体WKを移動させつつ、貼付手段10を移動させ、当該リングフレームRFおよび被着体WKに接着シートASを貼付してもよい。
【0024】
検査手段20は、反転手段21が備わっていなくてもよく、この場合、テーブル31の上方に設けた検知手段22で、透過性を有する接着シートAS越しに被着体WKの外縁WK1を検知してもよいし、検査テーブル23Fを透過性を有するものとし、当該検査テーブル23Fの下方に設けた検知手段22で、当該検査テーブル23F越しにリングフレームRFの外縁RF2および被着体WKの外縁WK1を検知してもよい。
検査手段20は、1つまたは3つ以上の検知手段22を備えてもよいし、相対移動手段23が検知手段22を前後方向に移動させる駆動手段を備え、1つの検知手段22で第1仮想線SL1に沿ってリングフレームRFの外縁RF2と被着体WKの外縁WK1とを検知した後、第2仮想線SL2に沿ってリングフレームRFの外縁RF2と被着体WKの外縁WK1とを検知してもよいし、リングフレームRFの外縁RF2に代えて、リングフレームRFの開口部RF1で形成される内縁を当該リングフレームRFの縁として検知し、リングフレームRFの内縁から被着体WKの外縁WK1までの距離を第1、第2距離SD1、SD2として測定してもよいし、被着体WKが環状である場合、被着体WKの外縁WK1に代えて、被着体WKの縁としての内縁を検知し、リングフレームRFの外縁RF2から被着体WKの内縁までの距離を第1、第2距離SD1、SD2として測定したり、リングフレームRFの内縁から被着体WKの内縁までの距離を第1、第2距離SD1、SD2として測定したりしてもよい。
検査手段20は、回動モータ23Cを備えなくてもよく、回動モータ23Cを備えない場合、検査テーブル23FのDX軸方向におけるずれ量を基に、リングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査してもよいし、検査テーブル23Fの回転動作を複数回に分けて実施し、検査テーブル23Fの3つ以上の方向において算出したずれ量を基に、リングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査してもよいし、第1、第2仮想線SL1、SL2と回動モータ23Cの出力軸23Dの軸中心ARとの間の所定距離PD1、PD2を互いに等しい距離としてもよいし、互いに異なる距離としてもよいしもよいし、検査テーブル23FのDX軸方向、DY軸方向の各方向で、1つの仮想線に沿ってリングフレームRFの外縁RF2から被着体WKの外縁WK1までの距離を測定し、これらの距離を基に、リングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査してもよい。
検査手段20は、リングフレームRFに対して被着体WKの位置がずれている方向やずれ量を警告手段に出力し、当該警告手段に設けた表示器に表示させてもよい。
【0025】
支持手段30は、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、備わっていない場合、他の装置で被着体WKやリングフレームRFを支持してもよい。
【0026】
シート貼付装置EAは、検査テーブル23F上に支持された一体物UPのリングフレームRFに対する被着体WKの位置を検査している間、テーブル31上に支持されたリングフレームRF、被着体WKに次の接着シートASを貼付してもよい。
フレーム部材は、リングフレームRF以外に、環状でない(外周が繋がっていない)ものや、円形、楕円形、多角形、その他の形状であってもよい。
【0027】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、貼付手段は、フレーム部材および当該フレーム部材の開口部内に配置された被着体に接着シートを貼付可能なものであれば、どのようなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0028】
接着シートAS、被着体WKおよびフレーム部材の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、被着体WKおよびフレーム部材は、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASが採用された場合は、当該接着シートASを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプ等の加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等3層以上のもの、さらには、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0029】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や樹脂等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
EA…シート貼付装置
10…貼付手段
20…検査手段
AS…接着シート
RF…リングフレーム(フレーム部材)
WK…被着体
図1