IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オーシャンズの特許一覧

特開2023-69261ワーク搬送装置、円筒研削装置及びズレ量補正方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069261
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】ワーク搬送装置、円筒研削装置及びズレ量補正方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 41/06 20120101AFI20230511BHJP
   B23Q 17/22 20060101ALI20230511BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALI20230511BHJP
   B24B 5/04 20060101ALI20230511BHJP
   B24B 49/02 20060101ALI20230511BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20230511BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20230511BHJP
   B24B 19/02 20060101ALN20230511BHJP
【FI】
B24B41/06 J
B23Q17/22 A
B23Q7/04 Q
B24B5/04
B24B49/02 A
H01L21/304 601Z
H01L21/68 A
B24B19/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181009
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】520364347
【氏名又は名称】株式会社オーシャンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】菊地 茂信
(72)【発明者】
【氏名】神 道広
【テーマコード(参考)】
3C029
3C033
3C034
3C043
3C049
5F057
5F131
【Fターム(参考)】
3C029AA02
3C029AA03
3C033BB01
3C033HH06
3C033HH08
3C033HH12
3C033HH22
3C033HH30
3C034AA02
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB72
3C034BB93
3C034CA04
3C034CA07
3C034CA22
3C034CB18
3C034CB20
3C034DD10
3C034DD20
3C043AA01
3C043CC03
3C043CC04
3C043CC12
3C043DD05
3C043DD12
3C049AA03
3C049AB03
3C049AB04
3C049AC02
3C049BA02
3C049BA07
3C049BA09
3C049BB02
3C049BC01
3C049CA01
3C049CB01
5F057AA19
5F057AA21
5F057AA42
5F057BA01
5F057BB03
5F057CA01
5F057CA03
5F057CA05
5F057DA11
5F057GA27
5F057GB02
5F057GB11
5F057GB12
5F057GB31
5F131AA01
5F131BA32
5F131BA39
5F131CA31
5F131DA01
5F131DA22
5F131DB12
5F131DC02
5F131DD82
(57)【要約】      (修正有)
【課題】その中心軸と円筒研削装置の回転軸とが一致した状態でワークを主軸ユニット(主軸口金)とテールユニット(テール口金)との間にクランプすることができるワーク搬送装置等を提供する。
【解決手段】ワークWをクランプする一対の爪部251a、251bを備えたクランプ機構250と、前記クランプ機構を移動させる移動機構と、前記クランプ機構を旋回させる旋回機構260と、を備える。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象の円柱形状のワークを円筒研削装置本体まで搬送するワーク搬送装置であって、
前記ワークをクランプする一対の爪部を備えたクランプ機構と、
前記クランプ機構を移動させる移動機構と、
前記ワークをクランプした状態の前記クランプ機構を旋回させる旋回機構と、を備え、
前記円筒研削装置本体が有する回転軸をX軸とし、前記X軸に対して直交する軸をY軸とし、前記X軸及びY軸を含む平面に対して直交する軸をZ軸とした場合、
前記移動機構は、少なくとも前記X軸方向、前記Y軸方向及び前記Z軸方向に、前記クランプ機構を移動させ、
前記旋回機構は、前記ワークをクランプした状態の前記クランプ機構を、当該クランプ機構がクランプした前記ワークの中心をとおり、かつ、前記Z軸方向に延びるθ軸を中心に旋回させるワーク搬送装置。
【請求項2】
前記爪部移動機構は、前記Y軸方向に関し、前記一対の爪部を互いに接近する方向に移動させ、当該一対の爪部を前記ワークの外周面に当接させることで、当該ワークをクランプする請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記移動機構は、
前記クランプ機構を前記Z軸方向に移動させる第1移動機構と、
前記クランプ機構及び前記第1移動機構を前記Y軸方向に移動させる第2移動機構と、
前記クランプ機構、前記第1移動機構及び前記第2移動機構を前記X軸方向に移動させる第3移動機構と、を備える請求項2に記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記移動機構は、
前記クランプ機構を前記Z軸方向に移動させる第1移動機構と、
前記クランプ機構及び前記第1移動機構を前記X軸方向に移動させる第2移動機構と、
前記クランプ機構、前記第1移動機構及び前記第2移動機構を前記Y軸方向に移動させる第3移動機構と、を備える請求項2に記載のワーク搬送装置。
【請求項5】
前記一対の爪部は、それぞれ、当該一対の爪部が互いに接近する方向に移動した場合、前記ワークの下部に当接する第1当接部及び前記ワークの上部に当接する第2当接部を有する請求項1から4のいずれか1項に記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記一対の爪部は、それぞれ、前記第1当接部及び前記第2当接部として機能する、互いに向かってV字状に開いたテーパ面を有する請求項5に記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
前記移動機構は、前記円筒研削装置本体が有する主軸とテールとの間において前記ワークの中心軸と前記円筒研削装置本体が有する回転軸とが一致するまで、前記ワークをクランプした前記クランプ機構を移動させる請求項1から6のいずれか1項に記載のワーク搬送装置。
【請求項8】
前記移動機構は、さらに、前記ワークの一方の端面が前記主軸に突き当たるまで、前記ワークをクランプした前記クランプ機構を移動させる請求項7に記載のワーク搬送装置。
【請求項9】
前記一対の爪部は、前記ワークの長さの中心をクランプする請求項1から8のいずれか1項に記載のワーク搬送装置。
【請求項10】
円筒研削装置本体と、
加工対象の円柱形状のワークを前記円筒研削装置本体まで搬送するワーク搬送装置と、を備えた円筒研削装置であって、
前記ワーク搬送装置は、
前記ワークをクランプする一対の爪部を備えたクランプ機構と、
前記クランプ機構を移動させる移動機構と、
前記ワークをクランプした状態の前記クランプ機構を旋回させる旋回機構と、を備え、
前記円筒研削装置本体が有する回転軸をX軸とし、前記X軸に対して直交する軸をY軸とし、前記X軸及びY軸を含む平面に対して直交する軸をZ軸とした場合、
前記移動機構は、少なくとも前記X軸方向、前記Y軸方向及び前記X軸方向に、前記クランプ機構を移動させ、
前記旋回機構は、前記ワークをクランプした状態の前記クランプ機構を、当該クランプ機構がクランプした前記ワークの中心をとおり、かつ、前記Z軸方向に延びるθ軸を中心に旋回させる円筒研削装置。
【請求項11】
請求項1に記載のワーク搬送装置を用いて前記円筒研削装置本体の回転軸に対する前記クランプされた前記ワークのズレ量を補正するズレ量補正方法であって、
加工対象の円柱形状のワークのトップ側端面に円筒研削装置本体の主軸口金が当接し、かつ、当該ワークのボトム側端面に前記円筒研削装置本体のテール口金が当接した状態でクランプされた前記ワークを原点状態及び原点状態から180度/測定回数n回転させるごとに、前記ワークのトップ側端面の外径を測定する第1測定工程と、
前記クランプされた前記ワークを原点状態及び原点状態から180度/測定回数n回転させるごとに、前記ワークのボトム側端面の外径を測定する第2測定工程と、
前記トップ側端面の外径を測定した測定値、及び、前記ボトム側端面の外径を測定した測定値に基づき、前記円筒研削装置本体の回転軸に対する前記クランプされた前記ワークのズレ量を算出するズレ量算出工程と、
前記ズレ量が解消されるように前記移動機構及び前記旋回機構の少なくとも一方を制御するズレ量補正工程と、を備えるズレ量補正方法。
【請求項12】
前記ズレ量補正工程後の前記ワークの前記ズレ量が設定値以下となるまで、前記第1測定工程、前記第2測定工程、前記ズレ量算出工程、及び前記ズレ量補正工程を繰り返し実行する請求項11に記載のズレ量補正方法。
【請求項13】
前記ズレ量は、前記円筒研削装置本体の回転軸に対する前記ワークの中心軸のズレ角度であり、
前記ズレ量補正工程は、前記ワークをクランプした前記クランプ機構が前記ズレ角度旋回するように前記旋回機構を制御する請求項11又は12に記載のズレ量補正方法。
【請求項14】
前記ズレ量は、前記円筒研削装置本体の回転軸に対する前記ワークの中心軸のズレ角度、及び、前記円筒研削装置本体の回転軸と前記ワークの中心との間のズレ距離であり、
前記ズレ量補正工程は、前記ワークをクランプした前記クランプ機構が前記ズレ角度旋回するように前記旋回機構を制御するとともに、前記ワークをクランプした前記クランプ機構が前記ズレ距離移動するように前記移動機構を制御する請求項12又は13に記載のズレ量補正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク搬送装置、円筒研削装置及びズレ量補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
円筒形状のワークを研削する円筒研削装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これに対して、本発明者らは、様々な直径、様々な長さ(中心軸方向の長さ)の円柱形状のワークに対して予め定められた加工条件を満たすように所定加工(例えば、ワークの外周面の研削、平取面(OF)やV型等の切込み(ノッチ)等の追加工)を施すことができる円筒研削装置を検討した。円筒研削装置が設置された工場においては、様々な直径、様々な長さ(中心軸方向の長さ)の円柱形状のワークが保管されており、必要に応じて保管場所から取り出した該当のワークを円筒研削装置の主軸ユニット(主軸口金)とテールユニット(テール口金)との間にクランプし、当該クランプしたワークに対して、予め定められた加工条件を満たすように所定加工を施すことが求められている。その際、ワークは、その中心軸と円筒研削装置の回転軸とが一致した状態で主軸ユニット(主軸口金)とテールユニット(テール口金)との間にクランプされるのが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-190142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ワークはその中心軸と円筒研削装置の回転軸とが一致しない状態で主軸ユニット(主軸口金)とテールユニット(テール口金)との間にクランプされる場合があり、この場合、当該クランプしたワークを一様な外径に仕上げるためには、ズレ量に応じて再度外径研削を行うことになる。その結果、素材径がより細くなってしまうためにワークの材料ロスが増えてしまうという課題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その中心軸(ワーク中心軸)と円筒研削装置の回転軸とが一致した状態でワークを主軸ユニット(主軸口金)とテールユニット(テール口金)との間にクランプすることができるワーク搬送装置、円筒研削装置及びズレ量補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるワーク搬送装置は、
加工対象の円柱形状のワークを円筒研削装置本体まで搬送するワーク搬送装置であって、
前記ワークをクランプする一対の爪部を備えたクランプ機構と、
前記クランプ機構を移動させる移動機構と、
前記ワークをクランプした状態の前記クランプ機構を旋回させる旋回機構と、を備え、
前記円筒研削装置本体が有する回転軸をX軸とし、前記X軸に対して直交する軸をY軸とし、前記X軸及びY軸を含む平面に対して直交する軸をZ軸とした場合、
前記移動機構は、少なくとも前記X軸方向、前記Y軸方向及び前記Z軸方向に、前記クランプ機構を移動させ、
前記旋回機構は、前記ワークをクランプした状態の前記クランプ機構を、当該クランプ機構がクランプした前記ワークの中心をとおり、かつ、前記Z軸方向に延びるθ軸を中心に旋回させる。
【0008】
このような構成により、その中心軸(ワーク中心軸)と円筒研削装置の回転軸とが一致した状態でワークを主軸ユニット(主軸口金)とテールユニット(テール口金)との間にクランプすることができるワーク搬送装置を提供することができる。
【0009】
これは、ワークをクランプした状態のクランプ機構をθ軸(当該クランプ機構がクランプしたワークの中心をとおり、かつ、Z軸方向に延びている)を中心に旋回させる旋回機構を備えていることによるものである。
【0010】
また、上記ワーク搬送装置において、
前記爪部移動機構は、前記Y軸方向に関し、前記一対の爪部を互いに接近する方向に移動させ、当該一対の爪部を前記ワークの外周面に当接させることで、当該ワークをクランプしてもよい。
【0011】
また、上記ワーク搬送装置において、
前記移動機構は、
前記クランプ機構を前記Z軸方向に移動させる第1移動機構と、
前記クランプ機構及び前記第1移動機構を前記Y軸方向に移動させる第2移動機構と、
前記クランプ機構、前記第1移動機構及び前記第2移動機構を前記X軸方向に移動させる第3移動機構と、を備えていてもよい。
【0012】
また、上記ワーク搬送装置において、
前記移動機構は、
前記クランプ機構を前記Z軸方向に移動させる第1移動機構と、
前記クランプ機構及び前記第1移動機構を前記X軸方向に移動させる第2移動機構と、
前記クランプ機構、前記第1移動機構及び前記第2移動機構を前記Y軸方向に移動させる第3移動機構と、を備えていてもよい。
【0013】
また、上記ワーク搬送装置において、
前記一対の爪部は、それぞれ、当該一対の爪部が互いに接近する方向に移動した場合、前記ワークの下部に当接する第1当接部及び前記ワークの上部に当接する第2当接部を有していてもよい。
【0014】
また、上記ワーク搬送装置において、
前記一対の爪部は、それぞれ、前記第1当接部及び前記第2当接部として機能する、互いに向かってV字状に開いたテーパ面を有していてもよい。
【0015】
また、上記ワーク搬送装置において、
前記移動機構は、前記円筒研削装置本体が有する主軸とテールとの間において前記ワークの中心軸と前記円筒研削装置本体が有する回転軸とが一致するまで、前記ワークをクランプした前記クランプ機構を移動させてもよい。
【0016】
また、上記ワーク搬送装置において、
前記移動機構は、さらに、前記ワークの一方の端面が前記主軸に突き当たるまで、前記ワークをクランプした前記クランプ機構を移動させてもよい。
【0017】
また、上記ワーク搬送装置において、
前記一対の爪部は、前記ワークのうち中心をクランプしてもよい。
【0018】
本発明にかかる円筒研削装置は、
円筒研削装置本体と、
加工対象の円柱形状のワークを前記円筒研削装置本体まで搬送するワーク搬送装置と、を備えた円筒研削装置であって、
前記ワーク搬送装置は、
前記ワークをクランプする一対の爪部を備えたクランプ機構と、
前記クランプ機構を移動させる移動機構と、
前記ワークをクランプした状態の前記クランプ機構を旋回させる旋回機構と、を備え、
前記円筒研削装置本体が有する回転軸をX軸とし、前記X軸に対して直交する軸をY軸とし、前記X軸及びY軸を含む平面に対して直交する軸をZ軸とした場合、
前記移動機構は、少なくとも前記X軸方向、前記Y軸方向及び前記X軸方向に、前記クランプ機構を移動させ、
前記旋回機構は、前記ワークをクランプした状態の前記クランプ機構を、当該クランプ機構がクランプした前記ワークの中心をとおり、かつ、前記Z軸方向に延びるθ軸を中心に旋回させる。
【0019】
このような構成により、その中心軸(ワーク中心軸)と円筒研削装置の回転軸とが一致した状態でワークを主軸ユニット(主軸口金)とテールユニット(テール口金)との間にクランプすることができる円筒研削装置を提供することができる。
【0020】
これは、ワークをクランプした状態のクランプ機構をθ軸(当該クランプ機構がクランプしたワークの中心をとおり、かつ、Z軸方向に延びている)を中心に旋回させる旋回機構を備えていることによるものである。
【0021】
本発明にかかるズレ量補正方法は、
上記ワーク搬送装置を用いて前記円筒研削装置本体の回転軸に対する前記クランプされた前記ワークのズレ量を補正するズレ量補正方法であって、
加工対象の円柱形状のワークのトップ側端面に円筒研削装置本体の主軸口金が当接し、かつ、当該ワークのボトム側端面に前記円筒研削装置本体のテール口金が当接した状態でクランプされた前記ワークを原点状態及び原点状態から180度/測定回数n回転させるごとに、当該回転停止後の前記ワークのトップ側端面の外径を測定する第1測定工程と、
前記クランプされた前記ワークを原点状態及び原点状態から180度/測定回数n回転させるごとに、当該回転停止後の前記ワークのボトム側端面の外径を測定する第2測定工程と、
前記トップ側端面の外径を測定した測定値、及び、前記ボトム側端面の外径を測定した測定値に基づき、前記円筒研削装置本体の回転軸に対する前記クランプされた前記ワークのズレ量を算出するズレ量算出工程と、
前記ズレ量が解消されるように前記移動機構及び前記旋回機構の少なくとも一方を制御するズレ量補正工程と、を備える。
【0022】
このような構成により、その中心軸(ワーク中心軸)と円筒研削装置の回転軸とが一致した状態でワークを主軸ユニット(主軸口金)とテールユニット(テール口金)との間にクランプすることができるズレ量補正方法を提供することができる。
【0023】
これは、ワークをクランプした状態のクランプ機構をθ軸(当該クランプ機構がクランプしたワークの中心をとおり、かつ、Z軸方向に延びている)を中心に旋回させる旋回機構を備えていることによるものである。
【0024】
また、上記ズレ量補正方法において、
前記ズレ量補正工程後の前記ワークの前記ズレ量が設定値以下となるまで、前記第1測定工程、前記第2測定工程、前記ズレ量算出工程、及び前記ズレ量補正工程を繰り返し実行してもよい。
【0025】
また、上記ズレ量補正方法において、
前記ズレ量は、前記円筒研削装置本体の回転軸に対する前記ワークの中心軸のズレ角度であり、
前記ズレ量補正工程は、前記ワークをクランプした前記クランプ機構が前記ズレ角度旋回するように前記旋回機構を制御してもよい。
【0026】
また、上記ズレ量補正方法において、
前記ズレ量は、前記円筒研削装置本体の回転軸に対する前記ワークの中心軸のズレ角度、及び、前記円筒研削装置本体の回転軸と前記ワークの中心との間のズレ距離であり、
前記ズレ量補正工程は、前記ワークをクランプした前記クランプ機構が前記ズレ角度旋回するように前記旋回機構を制御するとともに、前記ワークをクランプした前記クランプ機構が前記ズレ距離移動するように前記移動機構を制御してもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、その中心軸(ワーク中心軸)と円筒研削装置の回転軸とが一致した状態でワークを主軸ユニット(主軸口金)とテールユニット(テール口金)との間にクランプすることができるワーク搬送装置、円筒研削装置及びズレ量補正方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】円筒研削装置1の斜視図である。
図2】ワークWの斜視図である。
図3】円筒研削装置本体100の概略構成図である。
図4】(a)主軸ユニット110(主軸口金111)とテールユニット120(テール口金121)との間にワークWをクランプした状態(ワークWの中心軸AXと回転軸AX100とが一致している場合)を表す図、(b)主軸ユニット110(主軸口金111)とテールユニット120(テール口金121)との間にワークWをクランプした状態を表す図(ワークWの中心軸AXが回転軸AX100に対して角度θズレている場合)。
図5】(a)ワークWが、その中心軸AXと回転軸AX100とが一致した状態で主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている様子を表す図、(b)ワークWが、その中心軸AXが回転軸AX100に対して角度θズレた状態で主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている様子を表す図、(c)ワークWが、その中心軸AXが回転軸AX100に対して角度θズレた状態で主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている様子を表す図である。
図6】(a)円研ユニット130が、ワークWに対して円研加工又はオリフラ(オリエンテーションフラット)加工を施している様子を表す図、(b)ノッチユニット140が、ワークWに対してノッチ加工を施している様子を表す図である。
図7】ワーク搬送装置200の斜視図である。
図8図7から抜き出した第1可動フレーム220(外径測定機構270を含む)及びこれに付随する構成(第2可動フレーム230等)の斜視図である。
図9図7から抜き出した第1可動フレーム220及びこれに付随する構成(第2可動フレーム230等)の斜視図(図8の別角度の斜視図)である。
図10図7から抜き出した第3可動フレーム240及びこれに付随する構成(クランプ機構250等)の斜視図である。
図11】クランプ機構250を旋回させる旋回機構(旋回用モータ260)の一例である。
図12】クランプ機構250の斜視図である。
図13】一対の爪部251a、251bでワークWをクランプした様子を表す概略図である。
図14】一対の爪部251a、251bに取り付けられたセンサの斜視図である。
図15】一対の爪部251a、251bに取り付けられたセンサによりワークWの長さLを測定している様子を表す概略図である。
図16】制御装置300を含むシステム構成図である。
図17】円筒研削装置1の動作例のフローチャートである。
図18】工場内に設置された円筒研削装置1の斜視図である。
図19】クランプ機構250の動作を説明するための図である。
図20】クランプ機構250の動作を説明するための図である。
図21】主軸ユニット110及びテールユニット120の動作を説明するための図である。
図22】主軸ユニット110及びテールユニット120の動作を説明するための図である。
図23】ズレ量測定処理のフローチャートである。
図24】ワークWが90度づつ回転されることを表す図である。
図25】外径測定機構270がボトム側端面Wbの外径を測定している様子を表す。
図26図23の処理の結果測定された、各ワークWW3-W1、WW2-W4、WW1-W3、WW4-W2の測定値Δct、Δcb、θ、ΔYをまとめた表である。
図27】ズレ量補正処理のフローチャートである。
図28】(a)円筒研削装置1の各可動フレーム220、230、240の移動方向を説明する図、図17(b)変形例の円筒研削装置1の各可動フレーム220、230、240の移動方向を説明する図である。
図29】ズレ量補正処理の具体例1について説明するための図である。
図30】ズレ量補正処理の具体例2について説明するための図である。
図31】ズレ量補正処理の具体例3について説明するための図である。
図32】ズレ量補正処理の具体例4について説明するための図である。
図33】ズレ量補正処理の具体例5について説明するための図である。
図34】ズレ量補正処理の具体例6について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1である円筒研削装置1について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
<円筒研削装置1>
図1は、円筒研削装置1の斜視図である。
【0030】
図1に示すように、円筒研削装置1は、円筒研削装置本体100、ワーク搬送装置200、及び、円筒研削装置本体100及びワーク搬送装置200を制御する制御装置300を備えている。図1中、符号AX100が示すのは、円筒研削装置本体100が有する回転軸(加工軸)である。以下、回転軸AX100と呼ぶ。
<ワークW>
まず、加工対象の円柱形状のワークWの構成例について説明する。
【0031】
図2は、ワークWの斜視図である。
【0032】
ワークWは、例えば、シリコンインゴット(例えば、円筒研削済みのシリコンインゴット)又は当該シリコンインゴットを切断した円柱形状のワーク(ブロックとも呼ばれる)である。ワークWは、その中心軸AXに対して直交するトップ側端面Wt、ボトム側端面Wbを有する。なお、ワークWとしては、様々な直径D、様々な長さL(ワークWの中心軸AX方向の長さ)のものを用いることができる。
<円筒研削装置本体100>
次に、円筒研削装置本体100の構成例について説明する。
【0033】
図3は、円筒研削装置本体100の概略構成図である。
【0034】
以下、説明の便宜のため、図1等に示すように、XYZ軸を定義する。X軸は、円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100と同一方向に延びている(水平軸)。Y軸は、X軸に対して直交する方向に延びている(水平軸)。Z軸は、X軸及びY軸を含む平面に対して直交する方向に延びている(鉛直軸)。
【0035】
円筒研削装置本体100は、ワークWに対して予め定められた加工条件を満たすように所定加工を施すことができる公知の円筒研削装置である。加工条件は、例えば、ワークWの外周面の研削量、平取面(OF)やV型等の切込み(ノッチ)等の追加工を行うか否か等の条件で、例えば、操作装置400を介してオペレータが入力する。所定加工は、例えば、ワークの外周面の研削、平取面(OF)やV型等の切込み(ノッチ)等の追加工である。
【0036】
図3に示すように、円筒研削装置本体100は、主軸ユニット110、テールユニット120、円研ユニット130、ノッチユニット140、X線装置150等を備えている。
【0037】
主軸ユニット110は、床面に固定された状態で設置されている。一方、テールユニット120は、X軸方向に移動可能な状態で設置されている。
【0038】
図4(a)は、主軸ユニット110(主軸口金111)とテールユニット120(テール口金121)との間にワークWをクランプした状態を表す(ワークWの中心軸AXと回転軸AX100とが一致している場合)。図4(b)は、主軸ユニット110(主軸口金111)とテールユニット120(テール口金121)との間にワークWをクランプした状態を表す(ワークWの中心軸AXが回転軸AX100に対して角度θズレている場合)。
【0039】
図4(a)に示すように、ワークWは、主軸ユニット110(主軸口金111)とテールユニット120(テール口金121)との間にクランプされる。
【0040】
その際、主軸口金111と主軸モータ113により回転される回転軸との合わせ面は球面形状とされている(図4(a)参照)。そのため、図4(b)に示すように、ワークWの中心軸AXが回転軸AX100に対して角度θ傾いている場合であっても、主軸口金111は、ワークWのトップ側端面Wtに追従して回転し、当該トップ側端面Wtに当接(密着)する。
【0041】
同様に、テール口金121とテールモータ123により回転される回転軸との合わせ面は球面形状とされている(図4(a)参照)。そのため、図4(b)に示すように、ワークWの中心軸AXが回転軸AX100に対して角度θ傾いている場合であっても、テール口金121は、ワークWのボトム側端面Wbに追従して回転し、当該ボトム側端面Wbに当接(密着)する。
【0042】
図3に示すように、主軸ユニット110は、主軸口金111、主軸ボディ112、主軸モータ113を備えている。主軸口金111は、主軸モータ113により回転軸AX100を中心に回転される回転軸に取り付けられている。主軸モータ113は、例えば、サーボモータである。
【0043】
テールユニット120は、テール口金121、テールボディ122、テールモータ123を備えている。テール口金121は、テールモータ123により回転軸AX100を中心に回転される回転軸に取り付けられている。テールモータ123は、例えば、サーボモータである。主軸モータ113とテールモータ123は、互いに同期して回転するように制御される。
【0044】
ワークWは、その中心軸AXと回転軸AX100とが一致した状態で主軸口金111とテール口金121との間にクランプされる(図5(a)参照)のが望ましいが、その中心軸AXと回転軸AX100とが一致しない状態で主軸口金111とテール口金121との間にクランプされる場合(図5(b)、図5(c)参照)がある。
【0045】
図5(a)は、ワークWが、その中心軸AXと回転軸AX100とが一致した状態で主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている様子を表す。図5(b)は、ワークWが、その中心軸AXが回転軸AX100に対して角度θズレた状態で主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている様子を表す。図5(b)は、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)が回転軸AX100上にあり、この中心点CPを中心に角度θズレていることを表す。このズレ角度θは、後述のように補正される。なお、図5(b)中の点線で描いた矩形A1は、図5(a)中のワークWを表す。
【0046】
同様に、図5(c)は、ワークWが、その中心軸AXが回転軸AX100に対して角度θズレた状態で主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている様子を表す。図5(c)は、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)が回転軸AX100上ではなく、回転軸AX100からY軸方向にΔYズレた位置にあり、この中心点CPを中心に角度θズレていることを表す。このズレ角度θ及びズレ距離ΔYは、後述のように補正される。なお、図5(c)中の点線で描いた矩形A2は、図5(b)中のワークWを表す。
【0047】
なお、図5(b)、図5(c)において、Δctは、トップ側端面Wtの中心と回転軸AX100との間の距離を表す。一方、Δcbは、ボトム側端面Wbの中心と回転軸AX100との間の距離を表す。ΔYは、Δct-Δcbにより算出できる。図5(b)の場合、すなわち、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)が回転軸AX100上にある場合(すなわち、ワークWの中心点CPが真の中心だった場合)、Δct=Δcbの関係がある。一方、図5(c)の場合、すなわち、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)が回転軸AX100上に無い場合、Δct>Δcb(又はΔct<Δcb)の関係がある。
【0048】
円研ユニット130は、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされたワークWに対して円研加工又はオリフラ(オリエンテーションフラット)加工を施すための装置で、円研ベース132に保持されている。円研ユニット130は、円研砥石131、円研砥石131を回転させる円研モータ133を備えている。
【0049】
図6(a)は、円研ユニット130が、ワークWに対して円研加工又はオリフラ(オリエンテーションフラット)加工を施している様子を表す図である。
【0050】
円研モータ133により回転される円研砥石131は、回転しているワークWに対して入力指示された研削量x1切り込んで、円研加工を施す(円筒研削モード)。一方、円研ユニット130は、回転していないワークWに対して入力指示された研削量x1切り込んで、オリフラ(オリエンテーションフラット)加工を施す(オリフラ研削モード)。
【0051】
ノッチユニット140は、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされたワークWに対してノッチ加工を施すための装置で、ノッチフレーム142に保持されている。ノッチユニット140は、ノッチ砥石141、ノッチ砥石141を回転させるノッチモータ143等を備えている。
【0052】
図6(b)は、ノッチユニット140が、ワークWに対してノッチ加工を施している様子を表す図である。ノッチモータ143により回転されるノッチ砥石141は、回転していないワークWに対して入力指示された研削量x2切り込んで、オリフラ(オリエンテーションフラット)加工を施す。
【0053】
X線装置150は、ワークWの結晶方位を測定する装置で、X軸方向に移動可能に設けられている。
<ワーク搬送装置200>
次に、ワーク搬送装置200の構成例について説明する。
【0054】
図7は、ワーク搬送装置200の斜視図である。
【0055】
図7に示すように、ワーク搬送装置200は、Z軸方向に延びる4本の縦柱201により支持された固定フレーム210と、X軸方向に移動可能に固定フレーム210に取り付けられた第1可動フレーム220と、Y軸方向に移動可能に第1可動フレーム220に取り付けられた第2可動フレーム230と、Z軸方向に移動可能に第2可動フレーム230に取り付けられた第3可動フレーム240と、第3可動フレーム240に固定されたクランプ機構250と、を備えている。
<固定フレーム210>
固定フレーム210は、X軸方向に延びる一対の第1フレーム211a、211bと、Y軸方向に延びる一対の第2フレーム212a、212bと、を組み合わせて構成される矩形フレームである。
【0056】
固定フレーム210を支持する4本の縦柱201は、それぞれ、固定フレーム210が水平となるように縦柱底部に設けられたアジャスター(図示せず)によりZ軸方向の長さが調整された状態で、アンカー(図示せず)により床面に固定されている。なお、各々の縦柱201は、ボルト等の締結部材により円筒研削装置本体100に固定されている。
<第1可動フレーム220>
図7に示すように、第1可動フレーム220は、X軸方向に延びる一対の第3フレーム221a、221bと、Y軸方向に延びる一対の第4フレーム222a、222bと、を組み合わせて構成される矩形フレームである。
【0057】
第1可動フレーム220は、X軸方向にスライド移動可能に固定フレーム210に取り付けられている。具体的には、第1可動フレーム220は、固定フレーム210(第1フレーム211a、211b)の上面に設けられたX軸方向に延びるガイドレール223a、223bにスライド移動可能に取り付けられている。
【0058】
第1可動フレーム220は、当該第1可動フレーム220に連結されたX軸方向に延びるボールネジ224が固定フレーム210(第1フレーム211a)に取り付けられた駆動モータ225(例えば、サーボモータ)により正逆回転されることで、ガイドレール223a、223bに沿ってX軸方向に移動する。
【0059】
主に、ガイドレール223a、223b、ボールネジ224及び駆動モータ225が、第1可動フレーム220をX軸方向に移動させる可動フレーム移動機構M220を構成する。可動フレーム移動機構M220が本発明の第1移動機構の一例である。
<外径測定機構270>
図8は、図7から抜き出した第1可動フレーム220(外径測定機構270を含む)及びこれに付随する構成(第2可動フレーム230等)の斜視図である。
【0060】
図8に示すように、第1可動フレーム220(第4フレーム222a)には、外径測定機構270が設けられている。
【0061】
外径測定機構270は、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされたワークWの外径(トップ側端面Wt及びボトム側端面Wbそれぞれの外径)を測定する装置である。
【0062】
外径測定機構270は、昇降フレーム271、測定アーム272a、272b、測定子273a、273b、及び、これらが取り付けられたキャリッジ274を備えている。
【0063】
キャリッジ274は、第1可動フレーム220(第4フレーム222a)側に設けられたZ軸方向に延びるガイドレール275にスライド移動可能に取り付けられている。
【0064】
外径測定機構270(測定子273a、273b等)は、当該外径測定機構270に連結されたZ軸方向に延びるボールネジ(図示せず)が第1可動フレーム220(第3フレーム221a)側に取り付けられた駆動モータ276(例えば、サーボモータ)により正逆回転されることで、ガイドレール275に沿ってZ軸方向に移動(昇降)する。
【0065】
外径測定機構270は、図示しないが、一方の測定アーム272a(及び測定子273a)をY軸方向に移動させる第1測定子移動機構、及び、他方の測定アーム272b(及び測定子273b)をY軸方向に移動させる第2測定子移動機構を備えている。第1測定子移動機構及び第2測定子移動機構はそれぞれ、測定子駆動モータ(例えば、サーボモータ)を含んでいる。各々の測定子駆動モータが制御されることにより、各々の測定子273a、273bは、個別にY軸方向に移動する。
【0066】
外径測定機構270によれば、各々の測定子273a、273bが個別にY軸方向に移動しワークWの外周面に接触することにより、接触点それぞれの位置(位置データ)を取得することができる。そして、制御装置300は、この位置(位置データ)に基づき所定の演算を実行することにより、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされたワークWの外径(ワークWのトップ側端面Wt及びボトム側端面Wbそれぞれの外径)等を測定(算出)することができる。
<第2可動フレーム230>
図9は、図7から抜き出した第1可動フレーム220及びこれに付随する構成(第2可動フレーム230等)の斜視図(図8の別角度の斜視図)である。
【0067】
図9に示すように、第2可動フレーム230は、Z軸方向に延びる矩形筒状のフレームである。
【0068】
第2可動フレーム230は、Y軸方向にスライド移動可能に第1可動フレーム220に取り付けられている。具体的には、第2可動フレーム230は、第1可動フレーム220(第4フレーム222a、222b)の上面に設けられたY軸方向に延びるガイドレール231a、231bにスライド移動可能に取り付けられている。
【0069】
第2可動フレーム230は、当該第2可動フレーム230に連結されたY軸方向に延びるボールネジ232が第1可動フレーム220(第4フレーム222b)に取り付けられた駆動モータ233(例えば、サーボモータ)により正逆回転されることで、ガイドレール231a、231bに沿ってY軸方向に移動する。
【0070】
主に、ガイドレール231a、231b、ボールネジ232及び駆動モータ233が、第2可動フレーム230をY軸方向に移動させる可動フレーム移動機構M230を構成する。可動フレーム移動機構M230が本発明の第2移動機構の一例である。
<第3可動フレーム240>
図10図7から抜き出した第3可動フレーム240及びこれに付随する構成(クランプ機構250等)の斜視図である。
【0071】
第3可動フレーム240は、Z軸方向に延びる矩形筒状のフレームで、同じくZ軸方向に延びる矩形筒状のフレームである第2可動フレーム230内に配置されている。
【0072】
第3可動フレーム240は、Z軸方向にスライド移動可能に第2可動フレーム230に取り付けられている。具体的には、第3可動フレーム240は、第2可動フレーム230の一方の内面に取り付けられたZ軸方向に延びるガイドレール241a、241b(図10参照)及び他方の内面に取り付けられたガイドレール(図示せず)にスライド移動可能に取り付けられている。
【0073】
第3可動フレーム240(及びこれに取り付けられたクランプ機構250)は、当該第3可動フレーム240に連結されたZ軸方向に延びるボールネジ(図示せず)が第2可動フレーム230に取り付けられた駆動モータ242(例えば、サーボモータ)により正逆回転されることで、ガイドレール241a、241b等に沿ってZ軸方向に移動する。
【0074】
主に、ガイドレール241a、241b、ボールネジ(図示せず)及び駆動モータ242が、第3可動フレーム240(及びこれに取り付けられたクランプ機構250)をZ軸方向に移動させる可動フレーム移動機構M240を構成する。可動フレーム移動機構M240が本発明の第3移動機構の一例である。
<クランプ機構250>
図10に示すように、第3可動フレーム240の下端部には、クランプ機構250が旋回機構(旋回用モータ260)を介して取り付けられている。
【0075】
クランプ機構250は、θ軸AXθ図11参照)を中心に旋回可能にバッファ軸架台ベース245に取り付けられている。θ軸AXθは、後述のようにクランプ機構250がクランプしたワークWの中心(中心軸AX上の中心)をとおり、かつ、Z軸方向に延びている。図11は、クランプ機構250を旋回させる旋回機構(旋回用モータ260)の一例である。
【0076】
具体的には、クランプ機構250は、そのトッププレート262に固定された旋回用モータ260(例えば中空軸モータ)の回転軸がバッファ軸架台ベース245に固定された状態で取り付けられている。これにより、トッププレート262に固定された旋回用モータ260が正逆回転することにより、クランプ機構250は、θ軸AXθを中心にバッファ軸架台ベース245に対して所定角度(例えば、角度θ。図5(b)、図5(c)参照)旋回する。旋回用モータ260が本発明の旋回機構の一例である。なお、旋回機構として、旋回用モータ260(例えば中空軸モータ)に代えて、ウォームギヤ、ホイールギヤ及び汎用モータ等、他の駆動機構を用いてもよい。
【0077】
上記のようにクランプ機構250が取り付けられたバッファ軸架台ベース245は、X軸方向にスライド移動可能にZ軸架台ベース243に取り付けられている。具体的には、バッファ軸架台ベース245の上面に設けられたX軸方向に延びるスライドレール244が、第3可動フレーム240に固定されたZ軸架台ベース243の下面にスライド移動可能に係合している。これにより、後述のように、クランプ機構250(一対の爪部251a、251b)によりクランプされたワークW(トップ側端面Wt)を主軸口金111に押し当てる際、バッファ軸架台ベース245(及びこれに取り付けられたクランプ機構250)は、Z軸架台ベース243に対してX軸方向にスライド移動する。これにより、クランプ機構250(一対の爪部251a、251b)によりクランプされたワークW(トップ側端面Wt)を主軸口金111に押し当てる際、クランプ機構250に過大な力が加わるのが抑制される。
【0078】
図12は、クランプ機構250の斜視図である。
【0079】
図12に示すように、クランプ機構250は、ワークWをクランプする一対の爪部251a、251bと、一対の爪部251a、251bを互いに接近する方向又は互いに離れる方向に移動させる爪部移動機構M250を備える。
【0080】
一方の爪部251aは、Y軸方向にスライド移動可能に第3可動フレーム240の下端部に取り付けられている。具体的には、一方の爪部251aは、第3可動フレーム240の下端部に固定されたフレーム252の下面に設けられたY軸方向に延びるガイドレール253a、253bにスライド移動可能に取り付けられた一方の可動フレーム254aの下面に固定されている。
【0081】
同様に、他方の爪部251bも、Y軸方向にスライド移動可能に第3可動フレーム240の下端部に取り付けられている。具体的には、他方の爪部251bは、第3可動フレーム240の下端部に固定されたフレーム252の下面に設けられたY軸方向に延びるガイドレール253a、253bにスライド移動可能に取り付けられた他方の可動フレーム254bの下面に固定されている。
【0082】
一対の爪部251a、251bは、当該一対の爪部251a、251bが固定された可動フレーム254a、254bに連結されたY軸方向に延びる、左右同軸のボールネジ(図示せず)が、フレーム252に取り付けられた駆動モータ255により正回転されることで、可動フレーム254a、254bと共にガイドレール253a、253bに沿って互いに接近する方向(Y軸方向)に移動する。また、一対の爪部251a、251bは、当該一対の爪部251a、251bが固定された可動フレーム254a、254bに連結された左右同軸のボールネジ(図示せず)が駆動モータ255により逆回転されることで、可動フレーム254a、254bと共にガイドレール253a、253bに沿って互いに離れる方向(Y軸方向)に移動する。
【0083】
主に、ガイドレール253a、253b、左右同軸のボールネジ(図示せず)及び駆動モータ255が、一対の爪部251a、251bを互いに接近する方向又は互いに離れる方向に移動させる爪部移動機構M250を構成する。
【0084】
図13は、一対の爪部251a、251bでワークWをクランプした様子を表す概略図である。
【0085】
図13に示すように、一対の爪部251a、251bは、それぞれ、ワークWの下部に当接する第1当接部256a及びワークWの上部に当接する第2当接部256bを有する。具体的には、一対の爪部251a、251bは、それぞれ、互いに向かってV字状(YZ平面による断面形状がV字状)に開いたテーパ面を有する。このテーパ面が、第1当接部256a及び第2当接部256bとして機能する。以下、第1当接部256a及び第2当接部256bを、テーパ面256a、256bとも呼ぶ。
【0086】
一対の爪部251a、251bは、それぞれ、合成樹脂製、又は、テーパ面256a、256bが合成樹脂で覆われた金属製である。なお、ワークWがシリコンインゴット以外の円柱形状のワークである場合、一対の爪部251a、251bは、テーパ面256a、256bが合成樹脂で覆われていない金属製であってもよい。
【0087】
一対の爪部251a、251bは、互いに接近する方向に移動し、テーパ面256a、256bがそれぞれワークWの外周面に当接した状態で、当該ワークWをクランプする(図13参照)。
【0088】
一対の爪部251a、251bによれば、ワークWの径の大小にかかわらず、常に、当該ワークWの中心軸AXを同一位置に位置決めした状態で当該ワークWをクランプすることができる。
【0089】
図14は、一対の爪部251a、251bに取り付けられたセンサの斜視図である。
【0090】
また、一対の爪部251a、251bには、ワークWの長さL(図2参照)を測定するためのセンサが取り付けられている。このセンサは、図14に示すように、一方の爪部251aの下部に取り付けられた投光器257aと、他方の爪部251bの下部に取り付けられた受光器257bとで構成される。なお、これとは逆に、投光器257aが他方の爪部251aの下部に取り付けられ、受光器257bが一方の爪部251aの下部に取り付けられていてもよい。
【0091】
図15は、一対の爪部251a、251bに取り付けられたセンサによりワークWの長さLを測定している様子を表す概略図である。
【0092】
このセンサによれば、例えば、図15に示すように、クランプ機構250(投光器257a及び受光器257b)をワークWの上方において太矢印の方向(X軸方向)に移動させ、ワークWが、受光器257bが受ける投光器257aからの光Ray(図14参照)を遮る位置p1(ワーク搬送装置200が有する三次元座標系における座標位置)、及び、受光器257bが投光器257aからの光Ray(図14参照)を受ける位置p2(ワーク搬送装置200が有する三次元座標系における座標位置)をそれぞれ算出することで、ワークWの長さLを測定することができる。
<制御装置300>
次に、制御装置300について説明する。
【0093】
図16は、制御装置300を含むシステム構成図である。
【0094】
制御装置300は、図示しないが、プロセッサ、RAM、ROM等を備えている。図16に示すように、制御装置300には、第1可動フレーム220をX軸方向に移動させる可動フレーム移動機構M220を構成する駆動モータ225、第2可動フレーム230をY軸方向に移動させる可動フレーム移動機構M230を構成する駆動モータ233、第3可動フレーム240(及びこれに取り付けられたクランプ機構250)をZ軸方向に移動させる可動フレーム移動機構M240を構成する駆動モータ242、一対の爪部251a、251bを互いに接近する方向又は互いに離れる方向に移動させる爪部移動機構M250を構成する駆動モータ255、クランプ機構250を旋回させる旋回用モータ260、主軸ユニット110(主軸モータ113)、テールユニット120(テールモータ123)、円研ユニット130(円研モータ133)、ノッチユニット140(ノッチモータ143)、X線装置150、旋回用モータ260、外径測定機構270(駆動モータ276、測定子駆動モータ)、操作装置400、パレットローダー500、センサ(投光器257a、受光器257b)が電気的に接続されている。
【0095】
プロセッサは、例えば、CPUである。プロセッサは、1つの場合もあるし、複数の場合もある。例えば、プロセッサは、ROMからRAMに読み込まれたプログラムを実行することで、各駆動モータ225、233、242、255、主軸ユニット110(主軸モータ113)、テールユニット120(テールモータ123)、円研ユニット130(円研モータ133)、ノッチユニット140(ノッチモータ143)、X線装置150、旋回用モータ260、外径測定機構270(駆動モータ276、測定子駆動モータ)等を制御する制御手段として機能する。
【0096】
次に、上記構成の円筒研削装置1の動作例について説明する。
【0097】
図17は、円筒研削装置1の動作例のフローチャートである。図18は、工場内に設置された円筒研削装置1の斜視図である。図19図20は、クランプ機構250の動作を説明するための図である。図21図22(a)、図22(b)は、主軸ユニット110及びテールユニット120の動作を説明するための図である。
【0098】
図18中、符号AGV1、AGV2が示すのは無人搬送車(Automated Guided Vehicle)、符号500が示すのはパレットローダーである。以下、無人搬送車AGV1、AGV2、パレットローダー500と呼ぶ。
【0099】
無人搬送車AGV1は、様々な直径、様々な長さ(中心軸方向の長さ)の円柱形状のワークが保管された工場内の所定箇所から加工対象のワークW(図18中、ワークW1)が載置されたパレットP1を、円筒研削装置1に隣接して設置されたパレットローダー500まで搬送し、公知の手段により、パレットP1ごとパレットローダー500に受け渡す(図18中、ワークW2及びパレットP2)。
【0100】
パレットローダー500は、無人搬送車AGV1から受け渡されたパレットP2を、予め定められた待機位置まで搬送する(図18中、ワークW3及びパレットP3)。待機位置まで搬送されたパレットP3に載置されたワークW(図18中、ワークW3)の中心軸AXは、X軸方向に延びている。
【0101】
以下、図17等を参照しながら、工場内に設置された円筒研削装置1の動作例について説明する。
【0102】
まず、加工対象のワークWに関する情報を取得する(ステップS10)。加工対象のワークWに関する情報は、例えば、加工対象のワークWの直径D(図2参照)で、バーコードとしてパレットの所定箇所に貼り付けられている。例えば、加工対象のワークWに関する情報(バーコード)は、パレットP1をパレットローダー500に受け渡すタイミングで、パレットローダー500の所定箇所に取り付けられたバーコード読取装置(図示せず)により読み取られる。制御装置300は、この読み取られた加工対象のワークWに関する情報を取得する。なお、制御装置300は、別装置から送信される加工対象のワークWに関する情報を取得する場合もある。
【0103】
次に、加工対象のワークWに対する加工条件(例えば、ワークWの外周面の研削量、平取面(OF)やV型等の切込み(ノッチ)等の追加工を行うか否か等)を取得する(ステップS11)。加工条件は、例えば、操作装置400を介してオペレータが入力する。制御装置300は、この入力された加工条件を取得する。なお、制御装置300は、別装置から送信される加工条件を取得する場合もある。
【0104】
次に、ワークWの長さL(図2参照)を測定する(ステップS11A)。例えば、図15に示すように、クランプ機構250(投光器257a及び受光器257b)をワークWの上方において太矢印の方向(X軸方向)に移動させる。これにより、待機位置まで搬送されたワークW(図18中、ワークW3)が、受光器257bが受ける投光器257aからの光Ray(図14参照)を遮る位置p1(ワーク搬送装置200が有する三次元座標系における座標位置)、及び、受光器257bが投光器257aからの光Ray(図14参照)を受ける位置p2(ワーク搬送装置200が有する三次元座標系における座標位置)をそれぞれ算出することで、ワークWの長さLを測定する。これは、制御装置300(プロセッサ)が、ROMからRAMに読み込まれたプログラムを実行することで実現される。
【0105】
次に、図19(a)、図19(b)に示すように、待機位置まで搬送されたワークW(図18中、ワークW3)の上方までクランプ機構250を移動させる(ステップS12)。
【0106】
具体的には、図19(a)に示すように、Y軸方向に関し、一方の爪部251aと他方の爪部251bとの間の中心PaがワークWの中心軸AXを通る鉛直線V1に一致し、かつ、図19(b)に示すように、X軸方向に関し、一対の爪部251a、251bの中心PbがワークWの中心Pc(ステップS11Aで自動測定された加工対象のワークWの長さLの中心)を通る鉛直線V2に一致するまでクランプ機構250を移動させる。これは、制御装置300が、各制御モータ(サーボモータ)225、233、242を制御することで実現される。
【0107】
次に、図20(a)に示すように、Z軸方向に関し、一方の爪部251aと他方の爪部251bとの間の中心PaがワークWの中心軸AXに一致するまでクランプ機構250を移動(下降)させる(ステップS13)。これは、制御装置300が、駆動モータ242を制御することで実現される。その際のクランプ機構250の移動距離d(下降距離。図20(a)参照)は、ステップS10で取得した加工対象のワークWの直径D等に基づき算出することができる。
【0108】
次に、図20(b)に示すように、Y軸方向に関し、一対の爪部251a、251bを互いに接近する方向に移動させ、当該一対の爪部251a、251b(各々のテーパ面256a、256b)をワークWの外周面に当接させることで、ワークWをクランプする(ステップS14)。これは、制御装置300が、制御モータ(サーボモータ)255を制御することで実現される。
【0109】
次に、上記のようにクランプしたワークWを円筒研削装置本体100(主軸口金111とテール口金121との間)まで搬送する(ステップS15)。
【0110】
その際、円筒研削装置1においては、例えば、ステップS10の処理の前に、マスタワーク(図示せず)に対してステップS12~S15と同様の処理を行うことにより、円筒研削装置本体100が有する主軸口金111とテール口金121との間においてマスタワークの中心軸AXMWと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致するように、マスタワークをクランプしたクランプ機構250を移動するように設定されている。
【0111】
そのため、ステップS15においては、図21に示すように、まず、円筒研削装置本体100が有する主軸口金111とテール口金121との間において上記設定されたマスタワークの中心軸AXMWと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致するように、ワークWをクランプしたクランプ機構250を移動させる。これは、制御装置300が、各制御モータ(サーボモータ)225、233、242を制御することで実現される。次に、図22(b)に示すように、上記設定されたマスタワークの中心軸AXMWと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致した状態のワークWを主軸101(主軸口金111)とテール102(テール口金121)との間にクランプする(ステップS16)。
【0112】
具体的には、まず、図22(a)に示すように、ワークWのトップ側端面Wtが主軸口金111に突き当たるまで、ワークWをクランプしたクランプ機構250をX軸方向に移動させる。これは、制御装置300が、制御モータ(サーボモータ)225を制御することで実現される。
【0113】
次に、図22(b)に示すように、テール口金121がワークWのボトム側端面Wbに突き当たりワーク重量や加工外力に対して十分な力で加圧するように、テールユニット120をX軸方向に移動させる。これは、制御装置300が、テールモータ123を制御することで実現される。その際、制御装置300は、テール口金121がワークWのボトム側端面Wbに接触した時点の位置に基づき、当該ワークWの長さLを測定(算出)する。ここで測定されるワークWの長さLは、ステップS11Aで測定されるワークWの長さLより高精度で測定される。以下の説明においては、ワークWの長さLとして、この高精度で測定された長さLが用いられる。
【0114】
次に、一対の爪部251a、251bの、ワークWに対するクランプを解除する(ステップS17)。これは、制御装置300が、制御モータ(サーボモータ)255を制御することで実現される。
【0115】
次に、制御装置300は、ズレ量測定処理を実行する(ステップS17A)。
【0116】
図23は、ズレ量測定処理のフローチャートである。
【0117】
ズレ量測定処理は、円筒研削装置本体100の回転軸AX100に対する上記クランプされたワークWのズレ量(ズレ角度θ及びズレ距離ΔY。図5(b)、図5(c)参照)を測定(算出)する処理である。
【0118】
ズレ量測定処理(ステップS17A1~S17A3)は、ワークWに対してn回実行される。以下、nが2の場合を例にして説明する。n(測定回数)は、例えば、操作装置400を介してオペレータが入力する。nは、ズレ量測定処理が実行される前のいずれかのタイミングで入力される。なお、予め入力され所定記憶部に記憶されているnを用いてもよい。なお、nは、2以上の整数であればよい。すなわち、nの最小値は2である。また、nの最大値は、実用性を考慮すると、16程度である。
【0119】
nが2の場合、ズレ量測定処理(ステップS17A1~S17A3)は、図24(a)の状態(以下、原点状態又は原点位置とも呼ぶ)のワークW(以下、ワークWW3-W1と記載する)、原点状態から反時計回りに180度/n(ここでは、90度)回転させた状態のワークW(図24(b)参照。以下、ワークWW2-W4と記載する)それぞれに対して実行される(合計2回実行される)。
【0120】
まず、原点状態のワークWW3-W1図24(a)参照)に対してステップS17A1以下の処理を実行する。
【0121】
すなわち、トップ側端面Wtの外径を測定する(ステップS17A1)。具体的には、Z軸方向に関し、一方の測定子273aと他方の測定子273bとの間の中心が、ワークWW3-W1のトップ側端面Wt近傍において回転軸AX100に一致するまで外径測定機構270を下降させる。次に、測定アーム272a、272bを互いに接近する方向(Y軸方向)に移動させる。これにより、測定子273a、273bをワークWW3-W1のトップ側端面Wt近傍の外周面に接触させる。これにより、接触点それぞれの位置(位置データ)を取得する。制御装置300は、この位置(位置データ)に基づき、ワークWW3-W1のトップ側端面Wtの中心位置、及び、当該中心位置と回転軸AX100との間の距離Δctを算出する。
【0122】
次に、ボトム側端面Wbの外径を測定する(ステップS17A2)。図25は、外径測定機構270がボトム側端面Wbの外径を測定している様子を表す。なお、図25においては、説明の都合上、クランプされていない状態のワークWを描いているが、実際には、外径測定機構270は、主軸口金111がトップ側端面Wtに当接し、かつ、テール口金121がボトム側端面Wbに当接した状態の(すなわち、クランプされた状態の)ワークWW3-W1のトップ側端面Wtの外径及びボトム側端面Wbの外径を測定する。
【0123】
具体的には、Z軸方向に関し、一方の測定子273aと他方の測定子273bとの間の中心が、ワークWW3-W1のボトム側端面Wb近傍において回転軸AX100に一致するまで外径測定機構270を下降させる(図25参照)。次に、測定アーム272a、272bを互いに接近する方向(Y軸方向)に移動させる(図25参照)。これにより、測定子273a、273bをワークWW3-W1のボトム側端面Wb近傍の外周面に接触させる。これにより、接触点それぞれの位置(位置データ)を取得する。制御装置300は、この位置(位置データ)に基づき、ワークWW3-W1のボトム側端面Wbの中心位置、及び、当該中心位置と回転軸AX100との間の距離Δcbを算出する。
【0124】
次に、制御装置300は、測定値(位置データ)に基づき、ズレ量を算出する(ステップS17A3)。具体的には、制御装置300は、ズレ量としてズレ角度θ及びズレ距離ΔY(図5(b)、図5(c)参照)を算出する。
【0125】
角度θは、回転軸AX100に対するワークWの中心軸AXのズレ角度である(図5(b)、図5(c)参照)。ΔYは、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)と回転軸AX100との間の距離である(図5(c)参照)。
【0126】
ズレ角度θは、次のようにして算出することができる。
【0127】
図5(a)のように、ワークWの中心軸AXと回転軸AX100とが一致した状態の場合、Δct=Δcb=0の関係になる。
【0128】
一方、図5(b)に示すように、回転軸AX100に対してワークWの中心軸AXが角度θ傾いた状態の場合(中心点CPが回転軸AX100上にある場合)、Δct=Δcb≠0の関係になる。この場合、次の式1により、ズレ角度θを算出することができる。
図5(c)に示すように、回転軸AX100に対してワークWの中心軸AXが角度θ傾いた状態の場合(中心点CPが回転軸AX100上にない場合)、Δct>Δcb(又はΔct<Δcb)の関係になる。この場合も、上記と同様にしてズレ角度θを算出することができる。
【0129】
次に、ステップS17A1~S17A3がn回(ここでは、n=2回)実行されたか否かを判定し(ステップS17A4)、n回実行されていない場合(ステップS17A4:No)、ワークWを180度/n(ここでは、90度)回転させて(ステップS17A5)、ワークWW2-W4図24(b)参照)に対して上記と同様にステップS17A1~S17A3を実行する(2回目実行)。
【0130】
そして、ステップS17A1~S17A3がn回(ここでは、n=2回)実行された場合(ステップS17A4:Yes)、図23の処理を終了する。
【0131】
図26は、図23の処理の結果測定された、各ワークWW3-W1、WW2-W4の測定値Δct、Δcb、θ、ΔY(所定記憶部に記憶されている)をまとめた表である。図26中、測定値ΔctW3-W1、ΔcbW3-W1、θW3-W1、ΔYW3-W1は、ワークWW3-W1を測定することにより得られた測定値であることを表す。同様に、測定値ΔctW2-W4、ΔcbW2-W4、θW2-W4、ΔYW2-W4は、ワークWW2-W4を測定することにより得られた測定値であることを表す。
【0132】
次に、図17に戻って、ステップS17Aで測定したズレ量≦設定値(予め定められた閾値)か否かを判定する(ステップS17B)。
【0133】
ステップS17Bの判定結果がNoの場合、制御装置300は、ズレ量補正処理を実行する(ステップS17C)。
【0134】
図27は、ズレ量補正処理のフローチャートである。
【0135】
ズレ量補正処理は、ステップS17Aで測定された、円筒研削装置本体100の回転軸AX100に対する上記クランプされたワークWのズレ量(ズレ角度θ及びズレ距離ΔY。図5(b)、図5(c)参照)を補正する処理である。
【0136】
以下、ズレ量補正処理の具体例1~6について説明する。
<具体例1>
図29は、ズレ量補正処理の具体例1について説明するための図である。
【0137】
具体例1においては、ズレ量測定処理(ステップS17A)及びズレ量補正処理(ステップS17c)の対象のワークWは、図29(a)に示すように、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている。その際、矢印Ar1(図29(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXは、回転軸AX100に対して角度θ(θW3-W1)ズレている。また、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)は、回転軸AX100上にある。
【0138】
一方、矢印Ar2(図29(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXと回転軸AX100とは一致している。
【0139】
上記のようにクランプされたワークWに対して、ズレ量測定処理(ステップS17A)を実行した結果、図29(c)に示す測定値が得られる。図29(c)中、円で囲んだ測定値θW3-W1は、0以外の数値であることを表す。
【0140】
まず、Y軸方向に関し、一対の爪部251a、251bを互いに接近する方向に移動させ、当該一対の爪部251a、251b(各々のテーパ面256a、256b)をワークWW3-W1図29(a)、図29(b)参照)の外周面に当接させることで、ワークWW3-W1をクランプする(ステップS17C1)。このように、クランプ機構250(一対の爪部251a、251b)がワークWW3-W1をクランプした状態で、θ軸AXθは、当該クランプ機構250がクランプしたワークWW3-W1の中心(中心軸AX上の中心)をとおり、かつ、Z軸方向に延びている。
【0141】
次に、主軸口金111及びテール口金121の、ワークWW3-W1に対するクランプを解除する(ステップS17C2)。
【0142】
次に、再ローディングを実行する(ステップS17C3)。すなわち、ワークWW3-W1をクランプしたクランプ機構250を、ステップS17A3で算出された、図29(c)中の円で囲んだズレ角度θ(θW3-W1)が解消されるようにθ軸AXθを中心にズレ角度θ(θW3-W1)旋回させる。これは、制御装置300が、旋回用モータ260を制御することで実現される。これにより、角度θ(θW3-W1)が補正される。
【0143】
次に、図22(b)に示すように、ワークWW3-W1を主軸口金111とテール口金121との間にクランプする(ステップS17C4)。すなわち、まず、円筒研削装置本体100が有する主軸口金111とテール口金121との間において上記角度θ(θW3-W1)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致するように、ワークWをクランプしたクランプ機構250を移動させる。次に、上記角度θ(θW3-W1)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致した状態で、当該移動後のワークWを主軸101(主軸口金111)とテール102(テール口金121)との間にクランプする。
【0144】
次に、一対の爪部251a、251bの、ワークWW3-W1に対するクランプを解除する(ステップS17C5)。
【0145】
次に、図17に戻って、ステップS17A、17Bの処理を再度実行する。
【0146】
そして、ステップS17Bの判定結果がYesの場合、すなわち、ワークWW3-W1についてステップS17Aで再度測定したズレ量≦設定値となった場合、ワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100の回転軸AX100とが一致(略一致)していることを意味するため、ステップS18以下の処理を実行する。一方、ステップS17Bの判定結果がNoの場合、ステップS17Bの判定結果がYesとなるまで、ステップS17C、17Aの処理が繰り返し実行される。
<具体例2>
図30は、ズレ量補正処理の具体例2について説明するための図である。
【0147】
具体例2においては、ズレ量測定処理(ステップS17A)及びズレ量補正処理(ステップS17c)の対象のワークWは、図30(a)に示すように、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている。その際、矢印Ar1(図30(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXと回転軸AX100とは一致している。
【0148】
一方、矢印Ar2(図30(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXは、回転軸AX100に対して角度θ(θW2-W4)ズレている。また、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)は、回転軸AX100上にある。
【0149】
上記のようにクランプされたワークWに対して、ズレ量測定処理(ステップS17A)を実行した結果、図30(c)に示す測定値が得られる。図30(c)中、円で囲んだ測定値θW2-W4は、0以外の数値であることを表す。
【0150】
まず、ワークWW3-W1を原点状態(図30(b)参照)から反時計回りに180度/n(ここでは、90度)回転させ、図30(d)に示すように、ワークWW2-W4の状態とする。これは、制御装置300が、主軸モータ113及びテールモータ123を制御することで実現される。
【0151】
次に、Y軸方向に関し、一対の爪部251a、251bを互いに接近する方向に移動させ、当該一対の爪部251a、251b(各々のテーパ面256a、256b)をワークWW2-W4図30(d)参照)の外周面に当接させることで、ワークWW2-W4をクランプする(ステップS17C1)。このように、クランプ機構250(一対の爪部251a、251b)がワークWW2-W4をクランプした状態で、θ軸AXθは、当該クランプ機構250がクランプしたワークWW2-W4の中心(中心軸AX上の中心)をとおり、かつ、Z軸方向に延びている。
【0152】
次に、主軸口金111及びテール口金121の、ワークWW2-W4に対するクランプを解除する(ステップS17C2)。
【0153】
次に、再ローディングを実行する(ステップS17C3)。すなわち、ワークWW2-W4をクランプしたクランプ機構250を、ステップS17A3で算出された、図30(c)中の円で囲んだズレ角度θ(θW2-W4)が解消されるようにθ軸AXθを中心にズレ角度θ(θW2-W4)旋回させる。これは、制御装置300が、旋回用モータ260を制御することで実現される。これにより、角度θ(θW2-W4)が補正される。
【0154】
次に、図22(b)に示すように、ワークWW2-W4を主軸口金111とテール口金121との間にクランプする(ステップS17C4)。すなわち、まず、円筒研削装置本体100が有する主軸口金111とテール口金121との間において上記角度θ(θW2-W4)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致するように、ワークWをクランプしたクランプ機構250を移動させる。次に、上記角度θ(θW2-W4)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致した状態で、当該移動後のワークWを主軸101(主軸口金111)とテール102(テール口金121)との間にクランプする。
【0155】
次に、一対の爪部251a、251bの、ワークWW2-W4に対するクランプを解除する(ステップS17C5)。
【0156】
次に、図17に戻って、ステップS17A、17Bの処理を再度実行する。
【0157】
そして、ステップS17Bの判定結果がYesの場合、すなわち、ワークWW2-W4についてステップS17Aで再度測定したズレ量≦設定値となった場合、ワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100の回転軸AX100とが一致(略一致)していることを意味するため、ステップS18以下の処理を実行する。一方、ステップS17Bの判定結果がNoの場合、すなわち、ワークWW2-W4についてステップS17Aで再度測定したズレ量≦設定値とならなかった場合、ステップS17Bの判定結果がYesとなるまで、ステップS17C、17Aの処理が繰り返し実行される。
<具体例3>
図31は、ズレ量補正処理の具体例3について説明するための図である。
【0158】
具体例3においては、ズレ量測定処理(ステップS17A)及びズレ量補正処理(ステップS17c)の対象のワークWは、図31(a)に示すように、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている。その際、矢印Ar1(図31(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXは、回転軸AX100に対して角度θ(θW3-W1)ズレている。また、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)は、回転軸AX100上ではなく、回転軸AX100からY軸方向にΔY(ΔYW3-W1)ズレた位置にある。
【0159】
一方、矢印Ar2(図31(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXと回転軸AX100とは一致している。
【0160】
上記のようにクランプされたワークWに対して、ズレ量測定処理(ステップS17A)を実行した結果、図31(c)に示す測定値が得られる。図31(c)中、円で囲んだ測定値θW3-W1、ΔYW3-W1は、0以外の数値であることを表す。
【0161】
まず、Y軸方向に関し、一対の爪部251a、251bを互いに接近する方向に移動させ、当該一対の爪部251a、251b(各々のテーパ面256a、256b)をワークWW3-W1図31(a)、図31(b)参照)の外周面に当接させることで、ワークWW3-W1をクランプする(ステップS17C1)。このように、クランプ機構250(一対の爪部251a、251b)がワークWW3-W1をクランプした状態で、θ軸AXθは、当該クランプ機構250がクランプしたワークWW3-W1の中心(中心軸AX上の中心)をとおり、かつ、Z軸方向に延びている。
【0162】
次に、主軸口金111及びテール口金121の、ワークWW3-W1に対するクランプを解除する(ステップS17C2)。
【0163】
次に、再ローディングを実行する(ステップS17C3)。すなわち、ワークWW3-W1をクランプしたクランプ機構250を、ステップS17A3で算出された、図31(c)中の円で囲んだズレ角度θ(θW3-W1)が解消されるようにθ軸AXθを中心にズレ角度θ(θW3-W1)旋回させる。これは、制御装置300が、旋回用モータ260を制御することで実現される。これにより、角度θ(θW3-W1)が補正される。
【0164】
これとともに、ワークWW3-W1をクランプしたクランプ機構250を、図31(c)中の円で囲んだズレ距離ΔY(ΔYW3-W1)が解消されるようにズレ距離ΔY(ΔYW3-W1)移動させる。これは、制御装置300が、駆動モータ233を制御することで実現される。これにより、距離ΔY(ΔYW3-W1)が補正される。
【0165】
次に、図22(b)に示すように、ワークWW3-W1を主軸口金111とテール口金121との間にクランプする(ステップS17C4)。すなわち、まず、円筒研削装置本体100が有する主軸口金111とテール口金121との間において上記角度θ(θW3-W1)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致するように、ワークWをクランプしたクランプ機構250を移動させる。次に、上記角度θ(θW3-W1)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致した状態で、当該移動後のワークWを主軸101(主軸口金111)とテール102(テール口金121)との間にクランプする。
【0166】
次に、一対の爪部251a、251bの、ワークWW3-W1に対するクランプを解除する(ステップS17C5)。
【0167】
次に、図17に戻って、ステップS17A、17Bの処理を再度実行する。
【0168】
そして、ステップS17Bの判定結果がYesの場合、すなわち、ワークWW3-W1についてステップS17Aで再度測定したズレ量≦設定値となった場合、ワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100の回転軸AX100とが一致(略一致)していることを意味するため、ステップS18以下の処理を実行する。一方、ステップS17Bの判定結果がNoの場合、ステップS17Bの判定結果がYesとなるまで、ステップS17C、17Aの処理が繰り返し実行される。
<具体例4>
図32は、ズレ量補正処理の具体例4について説明するための図である。
【0169】
具体例4においては、ズレ量測定処理(ステップS17A)及びズレ量補正処理(ステップS17c)の対象のワークWは、図32(a)に示すように、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている。その際、矢印Ar1(図32(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXと回転軸AX100とは一致している。
【0170】
一方、矢印Ar2(図32(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXは、回転軸AX100に対して角度θ(θW2-W4)ズレている。また、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)は、回転軸AX100上ではなく、回転軸AX100からZ軸方向にΔY(ΔYW2-W4)ズレた位置にある。
【0171】
上記のようにクランプされたワークWに対して、ズレ量測定処理(ステップS17A)を実行した結果、図32(c)に示す測定値が得られる。図32(c)中、円で囲んだ測定値θW2-W4、ΔYW2-W4は、0以外の数値であることを表す。
【0172】
まず、ワークWW3-W1を原点状態(図32(b)参照)から反時計回りに180度/n(ここでは、90度)回転させ、図32(d)に示すように、ワークWW2-W4の状態とする。これは、制御装置300が、主軸モータ113及びテールモータ123を制御することで実現される。
【0173】
次に、Y軸方向に関し、一対の爪部251a、251bを互いに接近する方向に移動させ、当該一対の爪部251a、251b(各々のテーパ面256a、256b)をワークWW2-W4図32(d)参照)の外周面に当接させることで、ワークWW2-W4をクランプする(ステップS17C1)。このように、クランプ機構250(一対の爪部251a、251b)がワークWW2-W4をクランプした状態で、θ軸AXθは、当該クランプ機構250がクランプしたワークWW2-W4の中心(中心軸AX上の中心)をとおり、かつ、Z軸方向に延びている。
【0174】
次に、主軸口金111及びテール口金121の、ワークWW2-W4に対するクランプを解除する(ステップS17C2)。
【0175】
次に、再ローディングを実行する(ステップS17C3)。すなわち、ワークWW2-W4をクランプしたクランプ機構250を、ステップS17A3で算出された、図32(c)中の円で囲んだズレ角度θ(θW2-W4)が解消されるようにθ軸AXθを中心にズレ角度θ(θW2-W4)旋回させる。これは、制御装置300が、旋回用モータ260を制御することで実現される。これにより、角度θ(θW2-W4)が補正される。
【0176】
これとともに、ワークWW2-W4をクランプしたクランプ機構250を、図32(c)中の円で囲んだズレ距離ΔY(ΔYW2-W4)が解消されるようにズレ距離ΔY(ΔYW2-W4)移動させる。これは、制御装置300が、駆動モータ233を制御することで実現される。これにより、距離ΔY(ΔYW2-W4)が補正される。
【0177】
次に、図22(b)に示すように、ワークWW2-W4を主軸口金111とテール口金121との間にクランプする(ステップS17C4)。すなわち、まず、円筒研削装置本体100が有する主軸口金111とテール口金121との間において上記角度θ(θW2-W4)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致するように、ワークWをクランプしたクランプ機構250を移動させる。次に、上記角度θ(θW2-W4)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致した状態で、当該移動後のワークWを主軸101(主軸口金111)とテール102(テール口金121)との間にクランプする。
【0178】
次に、一対の爪部251a、251bの、ワークWW2-W4に対するクランプを解除する(ステップS17C5)。
【0179】
次に、図17に戻って、ステップS17A、17Bの処理を再度実行する。
【0180】
そして、ステップS17Bの判定結果がYesの場合、すなわち、ワークWW2-W4についてステップS17Aで測定したズレ量≦設定値となった場合、ワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100の回転軸AX100とが一致(略一致)していることを意味するため、ステップS18以下の処理を実行する。一方、ステップS17Bの判定結果がNoの場合、ステップS17Bの判定結果がYesとなるまで、ステップS17C、17Aの処理が繰り返し実行される。
<具体例5>
図33は、ズレ量補正処理の具体例5について説明するための図である。
【0181】
具体例5においては、ズレ量測定処理(ステップS17A)及びズレ量補正処理(ステップS17c)の対象のワークWは、図33(a)に示すように、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている。その際、矢印Ar1(図33(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXは、回転軸AX100に対して角度θ(θW3-W1)ズレている。また、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)は、回転軸AX100上にある。
【0182】
一方、矢印Ar2(図33(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXは、回転軸AX100に対して角度θ(θW2-W4)ズレている。また、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)は、回転軸AX100上にある。
【0183】
上記のようにクランプされたワークWに対して、ズレ量測定処理(ステップS17A)を実行した結果、図33(c)に示す測定値が得られる。図33(c)中、円で囲んだ測定値θW3-W1、θW2-W4は、0以外の数値であることを表す。
【0184】
まず、Y軸方向に関し、一対の爪部251a、251bを互いに接近する方向に移動させ、当該一対の爪部251a、251b(各々のテーパ面256a、256b)をワークWW3-W1図33(a)、図33(b)参照)の外周面に当接させることで、ワークWW3-W1をクランプする(ステップS17C1)。このように、クランプ機構250(一対の爪部251a、251b)がワークWW3-W1をクランプした状態で、θ軸AXθは、当該クランプ機構250がクランプしたワークWW3-W1の中心(中心軸AX上の中心)をとおり、かつ、Z軸方向に延びている。
【0185】
次に、主軸口金111及びテール口金121の、ワークWW3-W1に対するクランプを解除する(ステップS17C2)。
【0186】
次に、再ローディングを実行する(ステップS17C3)。すなわち、ワークWW3-W1をクランプしたクランプ機構250を、ステップS17A3で算出された、図33(c)中の円で囲んだズレ角度θ(θW3-W1)が解消されるようにθ軸AXθを中心にズレ角度θ(θW3-W1)旋回させる。これは、制御装置300が、旋回用モータ260を制御することで実現される。これにより、図33(d)に示すように、角度θ(θW3-W1)が補正される。
【0187】
次に、図22(b)に示すように、ワークWW3-W1を主軸口金111とテール口金121との間にクランプする(ステップS17C4)。すなわち、まず、円筒研削装置本体100が有する主軸口金111とテール口金121との間において上記角度θ(θW3-W1)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致するように、ワークWをクランプしたクランプ機構250を移動させる。次に、上記角度θ(θW3-W1)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致した状態で、当該移動後のワークWを主軸101(主軸口金111)とテール102(テール口金121)との間にクランプする。
【0188】
次に、一対の爪部251a、251bの、ワークWW3-W1に対するクランプを解除する(ステップS17C5)。
【0189】
次に、ワークWW3-W1図33(d)の状態から反時計回りに180度/n(ここでは、90度)回転させ、図33(e)に示すように、ワークWW2-W4の状態とする。
【0190】
次に、ステップS17C1と同様に、クランプ機構250によりワークWW2-W4をクランプする。そして、ワークWW2-W4をクランプしたクランプ機構250を、ステップS17A3で算出された、図33(c)中の円で囲んだズレ角度θ(θW2-W4)が解消されるようにθ軸AXθを中心にズレ角度θ(θW2-W4)旋回させる。これは、制御装置300が、旋回用モータ260を制御することで実現される。これにより、角度θ(θW2-W4)が補正される。
【0191】
次に、図22(b)に示すように、ワークWW2-W4を主軸口金111とテール口金121との間にクランプする(ステップS17C4)。すなわち、まず、円筒研削装置本体100が有する主軸口金111とテール口金121との間において上記角度θ(θW2-W4)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致するように、ワークWをクランプしたクランプ機構250を移動させる。次に、上記角度θ(θW2-W4)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致した状態で、当該移動後のワークWを主軸101(主軸口金111)とテール102(テール口金121)との間にクランプする。
【0192】
次に、一対の爪部251a、251bの、ワークWW2-W4に対するクランプを解除する(ステップS17C5)。
【0193】
次に、図17に戻って、ステップS17A、17Bの処理を再度実行する。
【0194】
そして、ステップS17Bの判定結果がYesの場合、すなわち、ワークWW3-W1についてステップS17Aで再度測定したズレ量≦設定値となった場合、かつ、ワークWW2-W4についてステップS17Aで再度測定したズレ量≦設定値となった場合、ワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100の回転軸AX100とが一致(略一致)していることを意味するため、ステップS18以下の処理を実行する。一方、ステップS17Bの判定結果がNoの場合、ステップS17Bの判定結果がYesとなるまで、ステップS17C、17Aの処理が繰り返し実行される。
<具体例6>
図34は、ズレ量補正処理の具体例6について説明するための図である。
【0195】
具体例6においては、ズレ量測定処理(ステップS17A)及びズレ量補正処理(ステップS17c)の対象のワークWは、図34(a)に示すように、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされている。その際、矢印Ar1(図34(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXは、回転軸AX100に対して角度θ(θW3-W1)ズレている。また、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)は、回転軸AX100上ではなく、回転軸AX100からY軸方向にΔY(ΔYW3-W1)ズレた位置にある。
【0196】
一方、矢印Ar2(図34(b)参照)の方向から見た場合、ワークWの中心軸AXは、回転軸AX100に対して角度θ(θW2-W4)ズレている。また、ワークWの中心点CP(中心軸AX上の中心点)は、回転軸AX100上ではなく、回転軸AX100からZ軸方向にΔY(ΔYW2-W4)ズレた位置にある。
【0197】
上記のようにクランプされたワークWに対して、ズレ量測定処理(ステップS17A)を実行した結果、図34(c)に示す測定値が得られる。図34(c)中、円で囲んだ測定値θW3-W1、θW2-W4、ΔYW3-W1、ΔYW2-W4は、0以外の数値であることを表す。
【0198】
まず、Y軸方向に関し、一対の爪部251a、251bを互いに接近する方向に移動させ、当該一対の爪部251a、251b(各々のテーパ面256a、256b)をワークWW3-W1図34(a)、図34(b)参照)の外周面に当接させることで、ワークWW3-W1をクランプする(ステップS17C1)。このように、クランプ機構250(一対の爪部251a、251b)がワークWW3-W1をクランプした状態で、θ軸AXθは、当該クランプ機構250がクランプしたワークWW3-W1の中心(中心軸AX上の中心)をとおり、かつ、Z軸方向に延びている。
【0199】
次に、主軸口金111及びテール口金121の、ワークWW3-W1に対するクランプを解除する(ステップS17C2)。
【0200】
次に、再ローディングを実行する(ステップS17C3)。すなわち、ワークWW3-W1をクランプしたクランプ機構250を、ステップS17A3で算出された、図34(c)中の円で囲んだズレ角度θ(θW3-W1)が解消されるようにθ軸AXθを中心にズレ角度θ(θW3-W1)旋回させる。これは、制御装置300が、旋回用モータ260を制御することで実現される。これにより、角度θ(θW3-W1)が補正される。
【0201】
これとともに、ワークWW3-W1をクランプしたクランプ機構250を、図34(c)中の円で囲んだズレ距離ΔY(ΔYW3-W1)が解消されるようにズレ距離ΔY(ΔYW3-W1)移動させる。これは、制御装置300が、駆動モータ233を制御することで実現される。これにより、距離ΔY(ΔYW3-W1)が補正される。
【0202】
次に、図22(b)に示すように、ワークWW3-W1を主軸口金111とテール口金121との間にクランプする(ステップS17C4)。すなわち、まず、円筒研削装置本体100が有する主軸口金111とテール口金121との間において上記角度θ(θW3-W1)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致するように、ワークWをクランプしたクランプ機構250を移動させる。次に、上記角度θ(θW3-W1)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致した状態で、当該移動後のワークWを主軸101(主軸口金111)とテール102(テール口金121)との間にクランプする。
【0203】
次に、一対の爪部251a、251bの、ワークWW3-W1に対するクランプを解除する(ステップS17C5)。
【0204】
次に、ワークWW3-W1図34(d)の状態から反時計回りに180度/n(ここでは、90度)回転させ、図34(e)に示すように、ワークWW2-W4の状態とする。
【0205】
次に、ステップS17C1と同様に、クランプ機構250によりワークWW2-W4をクランプする。そして、ワークWW2-W4をクランプしたクランプ機構250を、ステップS17A3で算出された、図34(c)中の円で囲んだズレ角度θ(θW2-W4)が解消されるようにθ軸AXθを中心にズレ角度θ(θW2-W4)旋回させる。これは、制御装置300が、旋回用モータ260を制御することで実現される。これにより、角度θ(θW2-W4)が補正される。
【0206】
これとともに、ワークWW2-W4をクランプしたクランプ機構250を、図34(c)中の円で囲んだズレ距離ΔY(ΔYW2-W4)が解消されるようにズレ距離ΔY(ΔYW2-W4)移動させる。これは、制御装置300が、駆動モータ233を制御することで実現される。これにより、距離ΔY(ΔYW2-W4)が補正される。
【0207】
次に、図22(b)に示すように、ワークWW3-W1を主軸口金111とテール口金121との間にクランプする(ステップS17C4)。すなわち、まず、円筒研削装置本体100が有する主軸口金111とテール口金121との間において上記角度θ(θW2-W4)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致するように、ワークWをクランプしたクランプ機構250を移動させる。次に、上記角度θ(θW2-W4)補正後のワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100が有する回転軸AX100とが一致した状態で、当該移動後のワークWを主軸101(主軸口金111)とテール102(テール口金121)との間にクランプする。
【0208】
次に、一対の爪部251a、251bの、ワークWW2-W4に対するクランプを解除する(ステップS17C5)。
【0209】
次に、図17に戻って、ステップS17A、17Bの処理を再度実行する。
【0210】
そして、ステップS17Bの判定結果がYesの場合、すなわち、ワークWW3-W1についてステップS17Aで再度測定したズレ量≦設定値となった場合、かつ、ワークWW2-W4についてステップS17Aで再度測定したズレ量≦設定値となった場合、ワークWの中心軸AXと円筒研削装置本体100の回転軸AX100とが一致(略一致)していることを意味するため、ステップS18以下の処理を実行する。一方、ステップS17Bの判定結果がNoの場合、ステップS17Bの判定結果がYesとなるまで、ステップS17C、17Aの処理が繰り返し実行される。
【0211】
次に、ステップS18以降の処理について説明する。
【0212】
すなわち、ステップS17Bの判定結果がYesの場合、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされたワークWに対して、ステップS11で取得した加工条件を満たすように所定加工を施す(ステップS18)。例えば、主軸口金111とテール口金121との間にクランプされたワークWの外周面を研削する。
【0213】
そして、加工対象のワークWに対する所定加工(例えば、ワークの外周面の研削、平取面(OF)やV型等の切込み(ノッチ)等の追加工)が完了すると(ステップS19:Yes)、当該加工済みのワークWを上記と同様にクランプ機構250によりクランプし、当該クランプした加工済みのワークWを所定箇所(例えば、図18中、パレットP4)まで搬送する(ステップS20)。
【0214】
この加工済みのワークW(図18中、ワークW4)が載置されたパレットP4は、例えば、公知の手段により、パレットP4ごと無人搬送車AGV2に受け渡される(図18中、ワークW5及びパレットP5)。
【0215】
そして、無人搬送車AGV2は、加工済みのワークW(図18中、ワークW5)が載置されたパレットP5を次工程に搬送する。
【0216】
以上説明したように、本実施形態によれば、その中心軸AXと円筒研削装置本体100の回転軸AX100とが一致した状態でワークWを主軸ユニット110(主軸口金111)とテールユニット120(テール口金121)との間にクランプすることができる。
【0217】
これは、ワークWをクランプした状態のクランプ機構250をθ軸AXθ(当該クランプ機構250がクランプしたワークWの中心をとおり、かつ、Z軸方向に延びている)を中心に旋回させる旋回機構(旋回用モータ260)を備えていることによるものである。
【0218】
また、本実施形態によれば、様々な長さのワークWを、常に安定した状態で搬送することができる。
【0219】
これは、Y軸方向に関し、一対の爪部251a、251bの中心PbがワークWの中心Pc(ステップS11Aで自動測定された加工対象のワークWの長さLの中心)を通る鉛直線V2に一致するまでクランプ機構250が移動し(ステップS12、図19(b)参照)、当該クランプ機構250(一対の爪部251a、251b)がワークWのY軸方向の中心をクランプすることによるものである。
【0220】
次に、変形例について説明する。
【0221】
図28(a)は円筒研削装置1の各可動フレーム220、230、240の移動方向を説明する図、図28(b)は変形例の円筒研削装置1の各可動フレーム220、230、240の移動方向を説明する図である。
【0222】
上記実施形態では、図28(a)に示すように、本発明の移動機構として、第3可動フレーム240(及びこれに取り付けられたクランプ機構250)をZ軸方向に移動させる、第2可動フレーム230に取り付けられた可動フレーム移動機構M240(本発明の第1移動機構の一例)と、第2可動フレーム230(クランプ機構250及び可動フレーム移動機構M240)をY軸方向に移動させる、第1可動フレーム220に取り付けられた可動フレーム移動機構M230(本発明の第2移動機構の一例)と、第1可動フレーム220(クランプ機構250、可動フレーム移動機構M230及び可動フレーム移動機構M240)をX軸方向に移動させる、固定フレーム210に取り付けられた可動フレーム移動機構M220(本発明の第3移動機構の一例)と、を用いた例について説明したが、これに限らない。
【0223】
例えば、図28(b)に示すように、本発明の移動機構として、第3可動フレーム240(及びこれに取り付けられたクランプ機構250)をZ軸方向に移動させる、第2可動フレーム230に取り付けられた可動フレーム移動機構M240(本発明の第1移動機構の一例)と、第2可動フレーム230(クランプ機構250及び可動フレーム移動機構M240)をX軸方向に移動させる、第1可動フレーム220に取り付けられた可動フレーム移動機構M230(本発明の第2移動機構の一例)と、第1可動フレーム220(クランプ機構250、可動フレーム移動機構M230及び可動フレーム移動機構M240)をY軸方向に移動させる、固定フレーム210に取り付けられた可動フレーム移動機構M220(本発明の第3移動機構の一例)と、を用いてもよい。
【0224】
上記実施形態で示した数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0225】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0226】
1…円筒研削装置
100…円筒研削装置本体
110…主軸ユニット
111…主軸口金
112…主軸ボディ
113…主軸モータ
120…テールユニット
121…テール口金
122…テールボディ
123…テールモータ
130…円研ユニット
131…円研砥石
132…円研ベース
133…円研モータ
140…ノッチユニット
141…ノッチ砥石
142…ノッチフレーム
143…ノッチモータ
150…X線装置
200…ワーク搬送装置
201…縦柱
210…固定フレーム
211a…第1フレーム
211b…第1フレーム
212a…第2フレーム
212b…第2フレーム
220…第1可動フレーム
221a…第3フレーム
221b…第3フレーム
222a…第4フレーム
222b…第4フレーム
223a…ガイドレール
223b…ガイドレール
224…ボールネジ
225…駆動モータ
230…第2可動フレーム
231a…ガイドレール
231b…ガイドレール
232…ボールネジ
233…駆動モータ
240…第3可動フレーム
241a、241b…ガイドレール
242…駆動モータ
243…Z軸架台ベース
244…スライドレール
245…バッファ軸架台ベース
250…クランプ機構
251a、251b…爪部
252…フレーム
253a…ガイドレール
253b…ガイドレール
254a…可動フレーム
254b…可動フレーム
255…駆動モータ
256a…第1当接部(テーパ面)
256b……第1当接部(テーパ面)
257a…投光器
257b…受光器
260…旋回用モータ
262…トッププレート
270…外径測定機構
271…昇降フレーム
272a、272b…測定アーム
273a、273b…測定子
274…キャリッジ
275…ガイドレール
276…駆動モータ
300…制御装置
400…操作装置
500…パレットローダー
A1、A2…矩形
AGV1、AGV2…無人搬送車
AX100…回転軸
AX…中心軸
AXθ…θ軸
AXMW…マスタワーク中心軸
CP…中心点
220…可動フレーム移動機構
230…可動フレーム移動機構
240…可動フレーム移動機構
250…爪部移動機構
P1~P5…パレット
W…ワーク
Wt…トップ側端面
Wb…ボトム側端面
d…移動距離
x1、x2…研削量
θ…ズレ角度
ΔY…ズレ距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34