(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069299
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】電気的接続装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/64 20060101AFI20230511BHJP
H01R 13/639 20060101ALN20230511BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181071
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100128912
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 徹
(72)【発明者】
【氏名】新美 進洋
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FC38
5E021JA05
5E021KA02
5E021KA04
5E021KA15
(57)【要約】
【課題】コネクタ位置保証部材を有する電気的接続装置において、コネクタの嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができ、コネクタの嵌合動作の完了を容易に確認することができる、電気的接続装置を提供する。
【解決手段】第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合し、第1コネクタ11の係合部22と第2コネクタ12のロックアーム27とが係合する。ロックアーム27は、片持ち状に延びる梁部27a、27bを有する。コネクタ位置保証部材13は、梁部27a、27bに沿って延びるロックアーム付勢部36、37を有する。ロックアーム付勢部36、37は、梁部27a、27bが撓んだ際に梁部27a、27bとともに撓み、梁部27a、27bが弾性回復する際に梁部27a、27bとともに弾性回復することで、弾性回復する梁部27a、27bを付勢する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと、前記第1コネクタに嵌合して接続される第2コネクタと、前記第2コネクタに取り付けられるとともに、前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合した際に前記第2コネクタが前記第1コネクタに対して嵌合位置に位置していることを保証するコネクタ位置保証部材と、を備えた電気的接続装置であって、
前記第1コネクタは、前記第2コネクタが挿入される開口と、前記第2コネクタに係合する係合部と、を有し、
前記第2コネクタは、前記開口に挿入されて前記第1コネクタと嵌合する本体部と、前記本体部から片持ち状に延びるように設けられ、前記本体部とともに前記開口に挿入されるように構成され、前記本体部が前記第1コネクタと嵌合する際に前記係合部と係合するロックアームと、を有し、
前記ロックアームは、前記本体部から片持ち状に延びる梁部を有し、
前記梁部は、前記ロックアームが前記開口に挿入された際に撓み、前記第2コネクタが前記第1コネクタに対して前記嵌合位置に位置した状態では、弾性回復するように構成され、
前記コネクタ位置保証部材は、前記第2コネクタに取り付けられた状態で前記梁部に沿って延びるロックアーム付勢部を有し、
前記ロックアーム付勢部は、前記ロックアームが前記開口に挿入されて前記梁部が撓んだ際に前記梁部とともに撓み、前記梁部が弾性回復する際に前記梁部とともに弾性回復することで、弾性回復する前記梁部を付勢するように構成されていることを特徴とする、電気的接続装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気的接続装置であって、
前記コネクタ位置保証部材は、前記第2コネクタに押し込まれるように押圧される際に押圧操作される部分である被操作部を有し、
前記ロックアーム付勢部は、前記被操作部から片持ち状に延びるように設けられ、前記コネクタ位置保証部材が前記第2コネクタに取り付けられた状態で前記梁部と平行に延びるように設けられていることを特徴とする、電気的接続装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電気的接続装置であって、
前記コネクタ位置保証部材は、当該コネクタ位置保証部材が前記第2コネクタに押し込まれるように押圧された際に前記第1コネクタの前記係合部に係合した前記第2コネクタの前記ロックアームに対して係止するロック部を有し、
前記ロック部は、前記被操作部から片持ち状に延びるように設けられ、
前記ロックアーム付勢部と、前記ロック部とは、互いに離間した位置で前記被操作部から片持ち状に延びるように設けられていることを特徴とする、電気的接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1コネクタと、第1コネクタに嵌合して接続される第2コネクタと、第2コネクタが第1コネクタに嵌合した際に第2コネクタが第1コネクタに対して嵌合位置に位置していることを保証するコネクタ位置保証部材と、を備えた電気的接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、第1コネクタと、第1コネクタに嵌合して接続される第2コネクタと、第2コネクタが第1コネクタに嵌合した際に第2コネクタが第1コネクタに対して嵌合位置に位置していることを保証するコネクタ位置保証部材と、を備えた電気的接続装置が知られている。このようなコネクタ位置保証部材を備えた電気的接続装置として、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。
【0003】
特許文献1に開示された電気的接続装置においては、第1コネクタとして、雄コネクタ組立体100が設けられ、第2コネクタとして、雌コネクタ組立体200が設けられ、コネクタ位置保証部材として、CPA装置300が設けられている。そして、雄コネクタ組立体100には、雌コネクタ組立体200が挿入される開口102と、雌コネクタ組立体200に係合するラッチ104とが設けられている。そして、雌コネクタ組立体200には、雄コネクタ組立体100の開口102に挿入される本体部と、本体部から片持ち状に延びるように設けられて、本体部が雄コネクタ組立体100と嵌合する際に雄コネクタ組立体100のラッチ104と係合するロック部材204とが設けられている。雌コネクタ組立体200が雄コネクタ組立体100に嵌合する際には、雌コネクタ組立体200の雄コネクタ組立体100への挿入ととともにロック部材204が一旦撓む。そして、雌コネクタ組立体200が雄コネクタ組立体100に嵌合した状態では、一旦撓んだロック部材204は、弾性回復し、雄コネクタ組立体100のラッチ104と係合する。また、ロック部材204は、雌コネクタ組立体200の本体部から片持ち状に延びる一対の梁部を有しており、一対の梁部の間は、大きくスリット状に開口した空間が形成されている。
【0004】
また、CPA装置300は、雌コネクタ組立体200に取り付けられており、雌コネクタ組立体200が雄コネクタ組立体100に嵌合する際には、雌コネクタ組立体200に押し込まれるように押圧される。CPA装置300が雌コネクタ組立体200に押し込まれた状態になることで、雌コネクタ組立体200が雄コネクタ組立体100に嵌合した際に雌コネクタ組立体200が雄コネクタ組立体100に対して嵌合位置に位置していることが保証されることになる。そして、CPA装置300には、雌コネクタ組立体200に押し込まれるように押圧される際に押圧操作される部分である後部322と、後部322から延びる可撓ビームとして構成された上側部材308とが設けられている。上側部材308は、CPA装置300が雌コネクタ組立体200に押し込まれた際に、雄コネクタ組立体100のラッチ104と係合する雌コネクタ組立体200のロック部材204に対して係止するように構成されている。また、上側部材308は、ロック部材204に係止するように構成されるため、CPA装置300が雌コネクタ組立体200に取り付けられた状態で、ロック部材204における一対の梁部の間に形成されたスリット状の大きな空間に沿って延びるように配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された電気的接続装置では、コネクタ位置保証部材としてのCPA装置300が設けられている。CPA装置300には、CPA装置300が雌コネクタ組立体200に押し込まれた際に、雄コネクタ組立体100のラッチ104と係合する雌コネクタ組立体200のロック部材204に対して係止する上側部材308が設けられている。そして、上側部材308は、ロック部材204に係止するように構成されるため、CPA装置300が雌コネクタ組立体200に取り付けられた状態で、ロック部材204における一対の梁部の間に形成されたスリット状の大きな空間に沿って延びるように配置される。このため、雄コネクタ組立体100のラッチ104に係合する雌コネクタ組立体200のロック部材204には、CPA装置300の上側部材308を配置するためのスリット状の大きな空間が必要となる。そして、ロック部材204は、スリット状の大きな空間が形成されるため、剛性が低下し易くなる。ロック部材204の剛性が低下すると、雌コネクタ組立体200の雄コネクタ組立体100への挿入の際に一旦撓んだロック部材204が弾性回復する弾性回復力が低下することになる。これにより、雌コネクタ組立体200の雄コネクタ組立体100への嵌合時に、ロック部材204が弾性回復して雄コネクタ組立体100のラッチ104に対して係合する際に生じるクリック音が小さくなってしまうという問題がある。
【0007】
雄コネクタ組立体100に雌コネクタ組立体200を嵌合する作業を行う作業者は、ロック部材204が弾性回復して雄コネクタ組立体100のラッチ104に対して係合する際に生じるクリック音を聞くことで、雄コネクタ組立体100への雌コネクタ組立体200の嵌合動作の完了を確認することができる。しかし、特許文献1に開示された電気的接続装置では、雌コネクタ組立体200の雄コネクタ組立体100への嵌合の際に生じるクリック音が小さくなってしまうという問題がある。そして、コネクタの嵌合時のクリック音が小さくなってしまうことで、コネクタの嵌合動作の完了を確認することが困難になってしまうという問題がある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、コネクタ位置保証部材を有する電気的接続装置において、コネクタの嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができ、コネクタの嵌合動作の完了を容易に確認することができる、電気的接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る電気的接続装置は、第1コネクタと、前記第1コネクタに嵌合して接続される第2コネクタと、前記第2コネクタに取り付けられるとともに、前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合した際に前記第2コネクタが前記第1コネクタに対して嵌合位置に位置していることを保証するコネクタ位置保証部材と、を備えた電気的接続装置に関する。そして、本発明のある局面に係る電気的接続装置は、前記第1コネクタは、前記第2コネクタが挿入される開口と、前記第2コネクタに係合する係合部と、を有し、前記第2コネクタは、前記開口に挿入されて前記第1コネクタと嵌合する本体部と、前記本体部から片持ち状に延びるように設けられ、前記本体部とともに前記開口に挿入されるように構成され、前記本体部が前記第1コネクタと嵌合する際に前記係合部と係合するロックアームと、を有し、前記ロックアームは、前記本体部から片持ち状に延びる梁部を有し、前記梁部は、前記ロックアームが前記開口に挿入された際に撓み、前記第2コネクタが前記第1コネクタに対して前記嵌合位置に位置した状態では、弾性回復するように構成され、前記コネクタ位置保証部材は、前記第2コネクタに取り付けられた状態で前記梁部に沿って延びるロックアーム付勢部を有し、前記ロックアーム付勢部は、前記ロックアームが前記開口に挿入されて前記梁部が撓んだ際に前記梁部とともに撓み、前記梁部が弾性回復する際に前記梁部とともに弾性回復することで、弾性回復する前記梁部を付勢するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
この構成によると、第1コネクタに第2コネクタが嵌合して接続される際には、第2コネクタのロックアームが第1コネクタの開口に挿入された際に、ロックアームの梁部が一旦撓む。更に、第2コネクタが第1コネクタに嵌合して嵌合位置に位置した状態となると、ロックアームの梁部が弾性回復し、ロックアームが第1コネクタの係合部と係合する。そして、電気的接続装置には、第2コネクタが第1コネクタに嵌合した際に第2コネクタが第1コネクタに対して嵌合位置に位置していることを保証するコネクタ位置保証部材が備えられる。コネクタ位置保証部材には、第2コネクタに取り付けられた状態で梁部に沿って延びるロックアーム付勢部が設けられている。そして、ロックアーム付勢部は、ロックアームが第1コネクタの開口に挿入されてロックアームの梁部が撓んだ際に梁部とともに撓むように構成されている。更に、ロックアーム付勢部は、梁部が弾性回復する際に梁部とともに弾性回復することで、弾性回復する梁部を付勢するように構成されている。このため、ロックアームの梁部は、弾性回復の際、コネクタ位置保証部材のロックアーム付勢部によっても付勢されながら、弾性回復することになる。これにより、ロックアームの梁部を弾性回復させる力がロックアーム付勢部によって増幅されて大幅に大きくなるため、ロックアームが第1コネクタの係合部に係合する際に生じるクリック音が大幅に大きくなることになる。よって、上記の構成によると、コネクタ位置保証部材を有する電気的接続装置において、コネクタの嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができる。更に、上記の構成によると、コネクタの嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができるため、第1コネクタに第2コネクタを嵌合する作業を行う作業者は、コネクタの嵌合動作の完了を容易に確認することができる。
【0011】
したがって、上記の構成によると、コネクタ位置保証部材を有する電気的接続装置において、コネクタの嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができ、コネクタの嵌合動作の完了を容易に確認することができる、電気的接続装置を提供することができる。
【0012】
(2)前記コネクタ位置保証部材は、前記第2コネクタに押し込まれるように押圧される際に押圧操作される部分である被操作部を有し、前記ロックアーム付勢部は、前記被操作部から片持ち状に延びるように設けられ、前記コネクタ位置保証部材が前記第2コネクタに取り付けられた状態で前記梁部と平行に延びるように設けられていてもよい。
【0013】
この構成によると、コネクタ位置保証部材が第2コネクタに取り付けられた状態で、コネクタ位置保証部材のロックアーム付勢部が、第2コネクタのロックアームの梁部と平行に片持ち状に延びるように設けられる。このため、コネクタの嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができるロックアーム付勢部をロックアームの近くのスペースにおいてより少ないスペースで配置することができる。これにより、コネクタ位置保証部材を有する電気的接続装置において、コネクタの嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができるとともに、コネクタ位置保証部材をより小型化することができる。
【0014】
(3)前記コネクタ位置保証部材は、当該コネクタ位置保証部材が前記第2コネクタに押し込まれるように押圧された際に前記第1コネクタの前記係合部に係合した前記第2コネクタの前記ロックアームに対して係止するロック部を有し、前記ロック部は、前記被操作部から片持ち状に延びるように設けられ、前記ロックアーム付勢部と、前記ロック部とは、互いに離間した位置で前記被操作部から片持ち状に延びるように設けられていてもよい。
【0015】
この構成によると、コネクタ位置保証部材において、第1コネクタの係合部に係合した第2コネクタのロックアームに対して係止するロック部と、ロックアーム付勢部とが、互いに離間した位置で被操作部から片持ち状に延びるように設けられる。このため、ロック部と、ロックアーム付勢部とを、互いに独立して撓ませるとともに互いに独立して弾性回復させることができる。これにより、ロックアーム付勢部の動作がロック部によって制限されることなく、ロックアーム付勢部は、効率よくロックアームの梁部を付勢することができる。よって、ロックアーム付勢部の動作性を更に向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、コネクタ位置保証部材を有する電気的接続装置において、コネクタの嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができ、コネクタの嵌合動作の完了を容易に確認することができる、電気的接続装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る電気的接続装置を示す斜視図である。
【
図3】電気的接続装置の斜視図であって、第1コネクタ及び第2コネクタを備える電気的接続装置において第1コネクタに第2コネクタが嵌合した状態を示す斜視図である。
【
図4】第1コネクタと第2コネクタとの嵌合動作が行われる前の状態における嵌合方向に沿った断面での電気的接続装置の断面図である。
【
図5】
図5(A)及び
図5(B)は、第1コネクタを示す斜視図である。
【
図6】
図6(A)及び
図6(B)は、第2コネクタを示す斜視図である。
【
図7】
図7(A)及び
図7(B)は、電気的接続装置のコネクタ位置保証部材を示す斜視図である。
【
図8】コネクタ位置保証部材を示す図であって、
図8(A)は、平面図であり、
図8(B)は、正面図であり、
図8(C)は、側面図であり、
図8(D)は、背面図である。
【
図9】第2コネクタにコネクタ位置保証部材が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【
図10】
図9に示す第2コネクタ及びコネクタ位置保証部材の正面図である。
【
図11】第2コネクタ及びコネクタ位置保証部材の断面図であり、
図11(A)は、
図10のA-A線矢視位置での断面図であり、
図11(B)は、
図10のB-B線矢視位置での断面図である。
【
図12】第1コネクタとコネクタ位置保証部材が取り付けられた第2コネクタとの嵌合動作が行われる前の状態における嵌合方向に沿った断面での電気的接続装置の断面図であって、
図12(A)は、コネクタ位置保証部材のロックアーム付勢部の位置に対応する断面での断面図であり、
図12(B)は、コネクタ位置保証部材のロック部の位置に対応する断面での断面図である。
【
図13】第1コネクタとコネクタ位置保証部材が取り付けられた第2コネクタとの嵌合動作が行われている途中の状態における嵌合方向に沿った断面での電気的接続装置の断面図であって、
図13(A)は、コネクタ位置保証部材のロックアーム付勢部の位置に対応する断面での断面図であり、
図13(B)は、コネクタ位置保証部材のロック部の位置に対応する断面での断面図である。
【
図14】第1コネクタとコネクタ位置保証部材が取り付けられた第2コネクタとの嵌合動作が行われた状態における嵌合方向に沿った断面での電気的接続装置の断面図であって、
図14(A)は、コネクタ位置保証部材のロックアーム付勢部の位置に対応する断面での断面図であり、
図14(B)は、コネクタ位置保証部材のロック部の位置に対応する断面での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、第1コネクタと、第1コネクタに嵌合して接続される第2コネクタと、第2コネクタが第1コネクタに嵌合した際に第2コネクタが第1コネクタに対して嵌合位置に位置していることを保証するコネクタ位置保証部材と、を備えた電気的接続装置として、種々の用途に広く適用することができるものである。
【0019】
[電気的接続装置の概略構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る電気的接続装置1を示す斜視図である。
図2は、電気的接続装置1の分解斜視図である。
図3は、電気的接続装置1の斜視図であって、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを備える電気的接続装置1において第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合した状態を示す斜視図である。
図4は、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合動作が行われる前の状態における嵌合方向に沿った断面での電気的接続装置1の断面図である。
図1乃至
図4に示すように、電気的接続装置1は、第1コネクタ11と、第1コネクタ11に嵌合して接続される第2コネクタ12と、第2コネクタ12に取り付けられるコネクタ位置保証部材13とを備えて構成されている。
【0020】
第1コネクタ11は、樹脂材料で形成されており、電線(図示省略)にそれぞれ接続された複数のオス端子(図示省略)を保持するように構成されている。第2コネクタ12は、樹脂材料で形成されており、電線(図示省略)にそれぞれ接続された複数のメス端子(図示省略)を保持するように構成されている。そして、電気的接続装置1は、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合して接続されることで、第1コネクタ11に接続された電線と第2コネクタ12に接続された電線とを電気的に接続できるように構成されている。また、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合して接続された状態では、後述するように、第1コネクタ11に設けられた係合部22と、第2コネクタ12に設けられたロックアーム27とが係合することで、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合した状態が維持されるように構成されている。
【0021】
コネクタ位置保証部材13は、樹脂材料で形成されている。コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に取り付けられ、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合した際に第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置していることを保証する部材として設けられている。コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に対して、第2コネクタ12から突出した状態で仮係止された仮係止位置、及び、第2コネクタ12に対して押し込まれて本係止された本係止位置の2つの位置で保持されるように構成されている。尚、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合動作が行われる前の状態である
図1及び
図4に示す状態では、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に対して仮係止位置で係止されている。一方、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合動作が行われた状態である
図3に示す状態では、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に対して本係止位置で係止されている。
【0022】
図1及び
図4に示すように、コネクタ位置保証部材13は、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合動作が行われる前の状態では、第2コネクタ12に仮係止位置で係止されており第2コネクタ12から突出している。このため、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを嵌合して接続する作業を行う作業者は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合していない状態であることを視認することができる。一方、
図3に示すように、コネクタ位置保証部材13は、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合動作が行われた後の状態では、第2コネクタ12に本係止位置で係止されており第2コネクタ12に押し込まれた状態となっている。このため、第1コネクタ11と第2コネクタ12とを嵌合して接続する作業を行う作業者は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合して第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置していることを視認することができる。これにより、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置していることを保証するように構成されている。
【0023】
また、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合してコネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれた状態では、後述するように、コネクタ位置保証部材13は、第1コネクタ11に嵌合した第2コネクタ12が第1コネクタ11から外れてしまうことを防止するように構成されている。即ち、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合してコネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれた状態では、コネクタ位置保証部材13は、第1コネクタ11に対して第2コネクタ12の位置が嵌合位置からずれて第2コネクタ12が第1コネクタ11から外れてしまうことを防止するように構成されている。この点においても、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置していることを保証するように構成されている。
【0024】
以下、電気的接続装置1のさらに詳細な構成について説明する。尚、以下の説明では、説明の便宜上、
図1乃至
図4及び後述の図面において両端矢印X1~X3で示すように、電気的接続装置1における嵌合方向X1、幅方向X2、及び高さ方向X3を定義する。嵌合方向X1は、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合する方向に平行な方向として構成される。幅方向X2及び高さ方向X3は、嵌合方向X1に垂直な方向として構成され、幅方向X2と高さ方向X3とは互いに垂直な方向として構成される。尚、本実施形態では、電気的接続装置1は、幅方向X2の長さの方が高さ方向X3の長さよりも長くなるように形成されている。
【0025】
[第1コネクタ]
図5(A)及び
図5(B)は、電気的接続装置1の第1コネクタ11を示す斜視図である。尚、
図5(A)は、第1コネクタ11について嵌合方向X1における一方側である正面側から視た斜視図であり、
図5(B)は、第1コネクタ11について嵌合方向X1における他方側である背面側から視た斜視図である。
【0026】
図1乃至
図5を参照して、第1コネクタ11は、略直方体状に設けられており、嵌合方向X1に並んで一体に設けられた第1部分11aと第2部分11bとを有して構成されている。第1部分11aは、第1コネクタ11において、嵌合方向X1における一方側の半分の部分として設けられ、第2コネクタ12と嵌合する部分として設けられている。第2部分11bは、第1コネクタ11において、嵌合方向X1における他方側の半分の部分として設けられ、電線(図示省略)にそれぞれ接続された複数のオス端子(図示省略)を保持する部分として設けられている。第1部分11a及び第2部分11bは、いずれも、略矩形断面で略直方体状に延びるように設けられている。また、第1部分11aは、第2部分11bよりも、嵌合方向X1に垂直な断面での断面積が大きくなるように設けられている。
【0027】
第1部分11aには、第2コネクタ12が挿入される開口21が設けられている。開口21は、第1部分11aにおいて、嵌合方向X1における一方側に向かって開口するように設けられている。即ち、第1コネクタ11は、嵌合方向X1における一方側の端部において、第2コネクタ12が挿入される開口21が設けられている。
【0028】
また、
図4を参照して、第1部分11aには、開口21に挿入された第2コネクタ12に係合する係合部22が設けられている。即ち、第1コネクタ11は、開口21に挿入された第2コネクタ12に係合する係合部22を有している。係合部22は、第1部分11aにおいて、開口21の内側に設けられており、第1部分11aの内周面の一部から突起状に突出するように設けられている。また、係合部22は、第1部分11aの内周面のうち、高さ方向X3における一方側の面から、突起状に突出するように設けられている。係合部22は、第2コネクタ12が開口21に挿入されて第1コネクタ11に嵌合した際に、後述する第2コネクタ12のロックアーム27と係合するように構成されている。
【0029】
図4及び
図5(B)を参照して、第2部分11bには、複数の端子保持孔23が設けられている。複数の端子保持孔23は、電線(図示省略)にそれぞれ接続された複数のオス端子(図示省略)が挿入され、複数のオス端子を保持する孔として設けられている。各端子保持孔23に各オス端子が挿入される。そして、各端子保持孔23に挿入された各オス端子が、各端子保持孔23において保持される。また、本実施形態では、複数の端子保持孔23は、第2部分11bにおいて、幅方向X2に多数並んで設けられているとともに、高さ方向X3にも2段に並んで設けられている。
【0030】
なお、本実施形態では、第1コネクタ11には、
図4に示すように、第2部分11bに嵌め込まれるように構成され、複数のオス端子の第1コネクタ11からの脱落を防止するためのリテーナ24が設けられている。第2部分11bには、リテーナ24が挿入されて嵌め込まれるリテーナ挿入孔25が設けられている。第1コネクタ11は、電線にそれぞれ接続された複数のオス端子が複数の端子保持孔23に挿入された状態で、リテーナ24がリテーナ挿入孔25に挿入されて嵌め込まれることで、リテーナ24が複数のオス端子と係止するように構成されている。リテーナ24が複数のオス端子と係止することで、複数のオス端子が複数の端子保持孔23から抜けて脱落してしまうことが防止される。
【0031】
[第2コネクタ]
図6(A)及び
図6(B)は、第2コネクタ12を示す斜視図である。尚、
図6(A)は、第2コネクタ11について嵌合方向X1における一方側である正面側から視た斜視図であり、
図6(B)は、第2コネクタ12について嵌合方向X1における他方側である背面側から視た斜視図である。
【0032】
図1乃至
図4及び
図6を参照して、第2コネクタ12は、略直方体状に設けられた本体部26と、本体部26から片持ち状に延びるように設けられたロックアーム27とを有して構成されている。
【0033】
本体部26は、第2コネクタ12において、第1コネクタ11の開口21に挿入されて第1コネクタ11と嵌合する部分として設けられている。本体部26には、複数の端子保持孔28が設けられている。複数の端子保持孔28は、電線(図示省略)にそれぞれ接続された複数のメス端子(図示省略)が挿入され、複数のメス端子を保持する孔として設けられている。複数の端子保持孔28のそれぞれは、本体部26の嵌合方向X1における一方の端部において開口しており、この開口から複数のメス端子がそれぞれ挿入される。そして、各端子保持孔28に挿入された各メス端子が、各端子保持孔28において保持される。また、本実施形態では、複数の端子保持孔28は、本体部26において、幅方向X2に多数並んで設けられているとともに、高さ方向X3にも2段に並んで設けられている。
【0034】
また、本体部26には、複数の端子接続用開口29が設けられている。複数の端子接続用開口29は、本体部26が第1コネクタ11に嵌合して第2コネクタ12と第1コネクタ11とが接続される際に、第1コネクタ11に保持された複数のオス端子の端部が挿入される開口として設けられている。複数の端子接続用開口29は、複数の端子保持孔28にそれぞれ連通しており、本体部26の嵌合方向X1における他方の端部において開口している。本体部26が第1コネクタ11に嵌合すると、第1コネクタ11に保持された各オス端子が、各端子接続用開口29を貫通し、本体部26の各端子保持孔28に保持された各メス端子に対して接続される。
【0035】
また、本体部26には、コネクタ位置保証部材13が挿入されて嵌め込まれる挿入溝30が設けられている。挿入溝30は、本体部26における高さ方向X3における一方の端面側に設けられており、嵌合方向X1に沿って延びるように設けられている。挿入溝30の内側には、挿入溝30に挿入されたコネクタ位置保証部材13と係止し、コネクタ位置保証部材13を第2コネクタ12に対して仮係止位置で係止するための係止突起31が設けられている。
【0036】
なお、本実施形態では、第2コネクタ12には、
図4に示すように、本体部26に嵌め込まれるように構成され、複数のメス端子の第2コネクタ12からの脱落を防止するためのリテーナ32が設けられている。本体部26には、リテーナ32が挿入されて嵌め込まれるリテーナ挿入孔33が設けられている。第2コネクタ12は、電線にそれぞれ接続された複数のメス端子が複数の端子保持孔28に挿入された状態で、リテーナ32がリテーナ挿入孔33に挿入されて嵌め込まれることで、リテーナ32が複数のメス端子と係止するように構成されている。リテーナ32が複数のメス端子と係止することで、複数のメス端子が複数の端子保持孔28から抜けて脱落してしまうことが防止される。
【0037】
ロックアーム27は、本体部26から片持ち状に延びるように設けられており、本体部26とともに第1コネクタ11の開口21に挿入されるように構成されている。尚、ロックアーム27は、本体部26における高さ方向X3における一方の端面側において本体部26と一体に設けられ、本体部26の高さ方向X3の一方の端面と略平行に嵌合方向X1に沿って片持ち状に延びるように設けられている。そして、ロックアーム27は、本体部26が第1コネクタ11と嵌合する際に第1コネクタ11の係合部22と係合するように構成されている。
【0038】
図1、
図2、
図4、
図6(A)、及び
図6(B)に示すように、ロックアーム27は、一対の梁部27a、27bと、一対の梁部27a、27bを架橋するように設けられた係合リブ27cと、を有している。梁部27a及び梁部27bは、本体部26から片持ち状に延びるように設けられている。梁部27a及び梁部27bのそれぞれは、本体部26における高さ方向X3における一方の端面側において本体部26と一体に設けられ、本体部26の高さ方向X3の一方の端面と略平行に嵌合方向X1に沿って片持ち状に延びるように設けられている。
【0039】
係合リブ27cは、ロックアーム27が本体部26とともに第1コネクタ11の開口21に挿入されて第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合したときに、第1コネクタ11の係合部22と係合する部分として設けられている。また、係合リブ27cは、嵌合方向X1に沿って片持ち状に平行に延びる梁部27aと梁部27bとの間で幅方向X2に沿って延び、梁部27aと梁部27bとを架橋して一体に結合するように設けられている。尚、梁部27aと梁部27bとの間には、空間が形成されており、梁部27aと梁部27bとは、嵌合方向X1に沿って片持ち状に延びる途中位置において、係合リブ27cによって架橋されて結合されている。
【0040】
ロックアーム27が本体部26とともに第1コネクタ11の開口21に挿入された際には、 第1コネクタ11の係合部22と係合リブ27cとが当接することで、梁部27a及び梁部27bは、弾性変形して撓むように構成されている。そして、第2コネクタ12の本体部26が第1コネクタ11の開口21に更に挿入され、係合リブ27cが係合部22よりも開口21の奥側に移動し、第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置した状態では、梁部27a及び梁部27bは、弾性回復するように構成されている。
【0041】
また、ロックアーム27には、ロックアーム27を作業者が手動で操作して撓ませることが可能な操作用端部27dが設けられている。操作用端部27dは、片持ち状に延びる梁部27a及び梁部27bの先端側の端部に設けられており、梁部27aの先端側の端部と梁部27bの先端側の端部とを架橋して結合する部分として設けられている。作業者の手によって、操作用端部27dを本体部26側に向かって押圧する操作が行われると、ロックアーム27は、本体部26側に向かって撓むことになる。
【0042】
[コネクタ位置保証部材]
図7(A)及び
図7(B)は、電気的接続装置1のコネクタ位置保証部材13を示す斜視図である。
図8は、コネクタ位置保証部材13を示す図であって、
図8(A)は、平面図であり、
図8(B)は、正面図であり、
図8(C)は、側面図であり、
図8(D)は、背面図である。
図9は、第2コネクタ12にコネクタ位置保証部材13が取り付けられた状態を示す斜視図である。
図10は、
図9に示す第2コネクタ12及びコネクタ位置保証部材13の正面図である。
図11は、第2コネクタ12及びコネクタ位置保証部材13の断面図であり、
図11(A)は、
図10のA-A線矢視位置での断面図であり、
図11(B)は、
図10のB-B線矢視位置での断面図である。
【0043】
図1乃至
図4、
図7乃至
図11に示すコネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に取り付けられるとともに、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合した際に第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置していることを保証する部材として設けられている。そして、コネクタ位置保証部材13は、被操作部34、ロック部35、一対のロックアーム付勢部36、37、等を有して構成されている。
【0044】
コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に取り付けられる。そして、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられた状態で、第1コネクタ11に第2コネクタ12を嵌合させる操作が行われる。また、第1コネクタ11に第2コネクタ12を嵌合させる操作が行われる際には、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に対して押し込まれるように押圧操作される。被操作部34は、コネクタ位置保証部材13において、第2コネクタ12に押し込まれるように押圧される際に押圧操作される部分として設けられている。被操作部34は、嵌合方向X1と垂直な方向に広がる平坦な端面を有しており、この平坦な端面の部分が作業者の手によって押圧されることで、コネクタ位置保証部材13が、第2コネクタ12に押し込まれるように操作される。
【0045】
ロック部35は、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれるように押圧された際に第1コネクタ11の係合部22に係合した第2コネクタ12のロックアーム27の係合リブ27cに対して係止する部分として設けられている。ロック部35は、被操作部34から嵌合方向X1に沿って片持ち状に延びるように設けられている。そして、片持ち状に延びるロック部35の先端側には、ロックアーム27の係合リブ27cに対して係止するロック爪35aが設けられている。第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合してコネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれた状態では、ロック部35のロック爪35aがロックアーム27の係合リブ27cに係止し、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に対して本係止位置で係止される。
【0046】
ロックアーム付勢部36、37は、
図2、
図4、
図7乃至
図9、
図11を参照して、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられた状態で梁部27a、27bに沿って延びるように設けられている。より具体的には、ロックアーム付勢部36は、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられた状態で梁部27aに沿って延びるように設けられている。そして、ロックアーム付勢部37は、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられた状態で梁部27bに沿って延びるように設けられている。
【0047】
また、ロックアーム付勢部36及びロックアーム付勢部37は、被操作部34から嵌合方向X1に沿って片持ち状に延びるように設けられ、互いに平行に延びるように設けられている。そして、ロックアーム付勢部36は、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられた状態で梁部27aと平行に延びるように設けられている。また、ロックアーム付勢部37は、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられた状態で梁部27bと平行に延びるように設けられている。
【0048】
また、ロックアーム付勢部36は、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられた状態で、第2コネクタ12のロックアーム27の梁部27aに対して、高さ方向X3から視て重なる位置で、梁部27aと平行に延びるように設けられている。これにより、ロックアーム付勢部36は、第2コネクタ12のロックアーム27が第1コネクタ11の開口21に挿入されて梁部27aが撓んだ際に梁部27aとともに撓むように構成されている。更に、ロックアーム付勢部36は、一旦弾性変形して撓んだ梁部27aが弾性回復する際に梁部27aとともに弾性回復することで、弾性回復する梁部27aを梁部27aが弾性回復する方向に向かって付勢するように構成されている。
【0049】
また、ロックアーム付勢部37は、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられた状態で、第2コネクタ12のロックアーム27の梁部27bに対して、高さ方向X3から視て重なる位置で、梁部27bと平行に延びるように設けられている。これにより、ロックアーム付勢部37は、第2コネクタ12のロックアーム27が第1コネクタ11の開口21に挿入されて梁部27bが撓んだ際に梁部27bとともに撓むように構成されている。更に、ロックアーム付勢部37は、一旦弾性変形して撓んだ梁部27bが弾性回復する際に梁部27bとともに弾性回復することで、弾性回復する梁部27bを梁部27bが弾性回復する方向に向かって付勢するように構成されている。
【0050】
また、ロックアーム付勢部36及びロックアーム付勢部37は、ロック部35に対してロック部35の幅方向X2における両側においてロック部35と平行に嵌合方向X1に沿って延びるように設けられている。そして、ロックアーム付勢部36とロック部35とは、互いに離間した位置で被操作部34から片持ち状に延びるように設けられている。また、ロックアーム付勢部37とロック部35とは、互いに離間した位置で被操作部34から片持ち状に延びるように設けられている。
【0051】
また、コネクタ位置保証部材13には、
図4、
図8(D)、
図11(B)を参照して、仮係止部38が設けられている。仮係止部38は、コネクタ位置保証部材13を第2コネクタ12に対して仮係止位置で係止させる際に、第2コネクタ12の係止突起31と係止する部分として設けられている。尚、仮係止部38は、コネクタ位置保証部材13においては、高さ方向X3においてロック部35と反対側に配置されている。コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられる際には、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に対して挿入溝30に挿入される。このとき、挿入溝30内の係止突起31に仮係止部38を係止させるようにして、コネクタ位置保証部材13が挿入溝30に挿入される。仮係止部38が係止突起31に係止することで、コネクタ位置保証部材13の第2コネクタ12からの抜け止めが図られ、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に仮係止位置で保持されることになる。
【0052】
また、コネクタ位置保証部材13には、
図7、
図8、
図11を参照して、ロックアーム撓み規制部39、40が設けられている。ロックアーム撓み規制部39、40は、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合してコネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれた状態において、ロックアーム27の梁部27a、27bの撓みを規制する部分として設けられている。より具体的には、ロックアーム撓み規制部39が、ロックアーム27の梁部27aの撓みを規制し、ロックアーム撓み規制部40が、ロックアーム27の梁部27bの撓みを規制するように構成されている。
【0053】
ロックアーム撓み規制部39は、被操作部34から片持ち状に延びるロックアーム付勢部36の根本部分と一体に設けられており、片持ち状に延びるロックアーム付勢部36から高さ方向X3において段状に盛り上がった部分として設けられている。また、ロックアーム撓み規制部40は、被操作部34から片持ち状に延びるロックアーム付勢部37の根本部分と一体に設けられており、片持ち状に延びるロックアーム付勢部37から高さ方向X3において段状に盛り上がった部分として設けられている。
【0054】
第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合してコネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれた状態では、ロックアーム27の梁部27aの端部がロックアーム撓み規制部39と高さ方向X3において当接し、梁部27aが本体部26側へ撓むことが規制される。より具体的には、片持ち状に延びる梁部27aの先端側の端部の部分であってロックアーム27の操作用端部27dと一体に設けられた部分が、ロックアーム撓み規制部39と高さ方向X3において当接し、梁部27aが本体部26側へ撓むことが規制される。また、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合してコネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれた状態では、ロックアーム27の梁部27bの端部がロックアーム撓み規制部40と高さ方向X3において当接し、梁部27bが本体部26側へ撓むことが規制される。より具体的には、片持ち状に延びる梁部27bの先端側の端部の部分であってロックアーム27の操作用端部27dと一体に設けられた部分が、ロックアーム撓み規制部40と高さ方向X3において当接し、梁部27bが本体部26側へ撓むことが規制される(後述の
図14(A)を参照)。
【0055】
上記のように、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合した状態では、ロックアーム撓み規制部39、40によってロックアーム27の梁部27a、27bの本体部26側への撓みが規制される。そして、ロックアーム27の梁部27a、27bの本体部26側への撓みが規制されると、第1コネクタ11の係合部22とロックアーム27の係合リブ27cとの係合が解除されてしまうことが防止される。このため、第1コネクタ11に嵌合した第2コネクタ12が第1コネクタ11から外れてしまうことが防止されることになる。このように、コネクタ位置保証部材13は、ロックアーム撓み規制部39、40が設けられていることにより、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合してコネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれた状態において、第1コネクタ11に嵌合した第2コネクタ12が第1コネクタ11から外れてしまうことを防止するように構成されている。これにより、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置していることを保証するように構成されている。
【0056】
[第1コネクタと第2コネクタとの嵌合動作]
次に、上述した電気的接続装置1における第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合動作について説明する。第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合動作は、第1コネクタ11において、電線(図示省略)がそれぞれ接続された複数のオス端子(図示省略)が保持され、第2コネクタ12において、電線(図示省略)がそれぞれ接続された複数のメス端子(図示省略)が保持された状態で、行われる。しかし、本実施形態での説明では、便宜上、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合動作に関する構成を明瞭に表すために第1コネクタ11に保持されるオス端子及び第2コネクタ12に保持されるメス端子の図示を省略した図面を用いて、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合動作について説明する。
【0057】
図9乃至
図11を参照し、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合動作が行われる際には、まず、コネクタ位置保証部材13を第2コネクタ12に取り付ける操作が行われる。このとき、コネクタ位置保証部材13の仮係止部38を第2コネクタ12の係止突起31に係止させるようにして、コネクタ位置保証部材13が、第2コネクタ12の挿入溝30に挿入される。仮係止部38が係止突起31に係止していることで、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に仮係止位置で保持された状態となる。尚、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に仮係止位置で保持された状態では、
図11(B)に示すように、ロック部35のロック爪35aは、ロックアーム27における梁部27aと梁部27bとの間の空間に突出し、更に、ロックアーム27の係合リブ27cと当接している。このため、仮係止位置では、仮係止部38が係止突起31に係止するとともに、ロック爪35aと係合リブ27cとが当接した状態で、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に保持されている。また、第2コネクタ12に仮係止位置で保持されたコネクタ位置保証部材13は、その被操作部34側の端部が、第2コネクタ12から大きく突出した状態となっている。
【0058】
コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に仮係止位置で取り付けられた状態で、第1コネクタ11と、コネクタ位置保証部材13が取り付けられた第2コネクタ12との嵌合動作が行われる。
【0059】
図12は、第1コネクタ11とコネクタ位置保証部材13が取り付けられた第2コネクタ12との嵌合動作が行われる前の状態における嵌合方向X1に沿った断面での電気的接続装置1の断面図である。また、
図12(A)は、コネクタ位置保証部材13のロックアーム付勢部37の位置に対応する断面での断面図であり、
図12(B)は、コネクタ位置保証部材13のロック部35の位置に対応する断面での断面図である。
【0060】
図12(A)及び
図12(B)を参照して、コネクタ位置保証部材13が取り付けられた第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合される際には、まず、第2コネクタ12の本体部26が、ロックアーム27の根本側の部分とともに、第1コネクタ11の開口21に挿入される。そして、第1コネクタ11と第2コネクタ12との嵌合前の状態では、
図12(B)に示すように、第1コネクタ11の開口21の内側の係合部22とロックアーム27の係合リブ27cとが当接する位置まで、第2コネクタ12が第1コネクタ11に挿入される。この状態から、第2コネクタ12を第1コネクタ11に嵌合する嵌合動作が開始される。
【0061】
図13は、第1コネクタ11とコネクタ位置保証部材13が取り付けられた第2コネクタ12との嵌合動作が行われている途中の状態における嵌合方向X1に沿った断面での電気的接続装置1の断面図である。また、
図13(A)は、コネクタ位置保証部材13のロックアーム付勢部37の位置に対応する断面での断面図であり、
図13(B)は、コネクタ位置保証部材13のロック部35の位置に対応する断面での断面図である。
【0062】
コネクタ位置保証部材13が仮係止位置で取り付けられた第2コネクタ12が第1コネクタ11に挿入された
図12(A)及び
図12(B)に示す状態において、第2コネクタ12を第1コネクタ11に嵌合する嵌合動作が開始される。第2コネクタ12を第1コネクタ11に嵌合する嵌合動作が開始されるときは、作業者の手によって、コネクタ位置保証部材13が取り付けられた第2コネクタ12が、コネクタ位置保証部材13とともに第1コネクタ11に押し込まれる動作が行われる。このとき、作業者は、コネクタ位置保証部材13の被操作部34を第1コネクタ11側に向かって押圧し、コネクタ位置保証部材13とともに第2コネクタ12が第1コネクタ11の開口21に押し込まれる。
【0063】
図13(A)及び
図13(B)を参照して、コネクタ位置保証部材13とともに第2コネクタ12が第1コネクタ11の開口21に押し込まれると、ロックアーム27の係合リブ27cが、第1コネクタ11の係合部22に摺動しながら、開口21の内側で係合部22を乗り越えるようにして移動する。更に、係合リブ27cに当接しているロック部35のロック爪35aも、係合リブ27cに続いて、係合部22に摺動しながら、開口21の内側で係合部22を乗り越えるようにして移動する。ロック爪35aが係合部22を乗り越えるようにして移動し始めると、ロック部35は弾性変形して撓むことになる。また、係合リブ27cが係合部22を乗り越えるようにして移動し始めると、係合リブ27cが、第1コネクタ11の係合部22に押されるようにして、係合部22に対して高さ方向X3に変位する。そして、ロックアーム27の係合リブ27cが高さ方向X3に変位することで、ロックアーム27の梁部27a及び梁部27bが、弾性変形して撓むことになる。ロックアーム27の梁部27a及び梁部27bが撓むと、梁部27a及び梁部27bとともに、ロックアーム付勢部36及びロックアーム付勢部37も弾性変形して撓むことになる。即ち、梁部27aが撓んだ際に梁部27aに対して高さ方向X3において当接しているロックアーム付勢部36も弾性変形して撓み、梁部27bが撓んだ際に梁部27bに対して高さ方向X3において当接しているロックアーム付勢部37も弾性変形して撓むことになる。
【0064】
梁部27a及び梁部27bとともにロックアーム付勢部36及びロックアーム付勢部37が撓んだ状態から、更に、第2コネクタ12が第1コネクタ11の開口21内に押し込まれると、ロックアーム27の係合リブ27cが、開口21の内側で係合部22を乗り超える位置に到達する。係合リブ27cが開口21内で係合部22を乗り越える位置に到達すると、ロックアーム27の梁部27a及び梁部27bは、弾性回復して急激に撓みが戻り、係合リブ27cと第1コネクタ11の係合部22とが係合することになる。そして、梁部27a及び梁部27bが弾性回復して急激に撓みが戻るとき、梁部27a及び梁部27bとともに撓んでいたロックアーム付勢部36及びロックアーム付勢部37も、梁部27a及び梁部27bとともに弾性回復して急激に撓みが戻ることになる。このため、ロックアーム付勢部36及びロックアーム付勢部37は、梁部27a及び梁部27bとともに弾性回復することで、弾性回復する梁部27a及び梁部27bを梁部27a及び梁部27bが弾性回復する方向に向かって付勢する。これにより、梁部27a及び梁部27bを弾性回復させる力がロックアーム付勢部36及びロックアーム付勢部37によって増幅されて大幅に大きくなる。これにより、ロックアーム27が係合部22と係合する際に、ロックアーム27と第1コネクタ11の開口21の上側(上面)の内壁とが強く衝突し、非常に大きなクリック音が生じることになる。
【0065】
図14は、第1コネクタ11とコネクタ位置保証部材13が取り付けられた第2コネクタ12との嵌合動作が行われた状態における嵌合方向X1に沿った断面での電気的接続装置1の断面図である。
図14(A)は、コネクタ位置保証部材13のロックアーム付勢部37の位置に対応する断面での断面図であり、
図14(B)は、コネクタ位置保証部材13のロック部35の位置に対応する断面での断面図である。
【0066】
図14(A)及び
図14(B)を参照して、第2コネクタ12が第1コネクタ11の開口21の奥側まで押し込まれ、ロックアーム27の撓みが戻って大きなクリック音を生じ、係合部22と係合リブ27cとが係合すると、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合することになる。そして、ロックアーム27の撓みが戻って係合部22と係合リブ27cとが係合するときには、第2コネクタ12とともに第1コネクタ11に向かって押圧操作されていたコネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に向かって押し込まれることになる。即ち、係合部22と係合リブ27cとが係合した際にも、コネクタ位置保証部材13には継続した押圧操作が行われており、コネクタ位置保証部材13は、そのまま、第1コネクタ11に嵌合した第2コネクタ12に押し込まれることになる。このとき、係合リブ27cは、開口21内で係合部22を乗り越えて係合部22に係合しているため、ロック部35のロック爪35aが、係合リブ27cに摺動しながら、開口21の内側で係合リブ27cを乗り越えて移動する。そして、ロック爪35aが係合リブ27cを乗り越えると、ロック部35は弾性回復してロック部35の撓みが戻り、ロック爪35aが、係合部22に係合した係合リブ27cに対して係止することになる。
【0067】
上記のように、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合し、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれると、第1コネクタ11の係合部22に係合したロックアーム27の係合リブ27cに対してコネクタ位置保証部材13のロック部35が係止した状態となる。これにより、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に対して本係止位置で係止した状態となる。そして、この状態では、コネクタ位置保証部材13は、第2コネクタ12に押し込まれており、第2コネクタ12のロックアーム27の梁部27a、27bの端部がロックアーム撓み規制部39、40と高さ方向X3において当接し、梁部27a及び梁部27bが本体部26側へ撓むことが規制されている。このため、ロックアーム27の本体部26側への撓みが規制されることで、第1コネクタ11の係合部22とロックアーム27の係合リブ27cとの係合が解除されてしまうことが防止され、第1コネクタ11に嵌合した第2コネクタ12が第1コネクタ11から外れてしまうことが防止されることになる。このため、コネクタ位置保証部材13により、第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置することが保証されている。
【0068】
また、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合した状態では、作業者は、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12から大きく突出しておらず、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれており、第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置していることを視認することができる。よって、第1コネクタ11に第2コネクタ12を嵌合させる嵌合動作が行われ、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれた状態では、コネクタ位置保証部材13により、第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置していることが視覚的にも保証されている。
【0069】
上記のように、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられた状態で、第2コネクタ12が第1コネクタ11の開口21に挿入され、コネクタ位置保証部材13の押圧操作が行われることで、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合する嵌合動作が完了するとともに、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に押し込まれた状態となる。そして、コネクタ位置保証部材13によって、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合して嵌合位置に位置していることが保証される。
【0070】
[本実施形態の作用及び効果]
本実施形態によると、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合して接続される際には、第2コネクタ12のロックアーム27が第1コネクタ11の開口21に挿入された際に、ロックアーム27の梁部27a、27bが一旦撓む。更に、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合して嵌合位置に位置した状態となると、ロックアーム27の梁部27a、27bが弾性回復し、ロックアーム27が第1コネクタ11の係合部22と係合する。そして、電気的接続装置1には、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合した際に第2コネクタ12が第1コネクタ11に対して嵌合位置に位置していることを保証するコネクタ位置保証部材13が備えられる。コネクタ位置保証部材13には、第2コネクタ12に取り付けられた状態で梁部27a、27bに沿って延びるロックアーム付勢部36、37が設けられている。そして、ロックアーム付勢部36、37は、ロックアーム27が第1コネクタ11の開口21に挿入されてロックアーム27の梁部27a、27bが撓んだ際に梁部27a、27bとともに撓むように構成されている。更に、ロックアーム付勢部36、37は、梁部27a、27bが弾性回復する際に梁部27a、27bとともに弾性回復することで、弾性回復する梁部27a、27bを付勢するように構成されている。このため、ロックアーム27の梁部27a、27bは、弾性回復の際、コネクタ位置保証部材13のロックアーム付勢部36、37によっても付勢されながら、弾性回復することになる。これにより、ロックアーム27の梁部27a、27bを弾性回復させる力がロックアーム付勢部36、37によって増幅されて大幅に大きくなるため、ロックアーム27が第1コネクタ11の係合部22に係合する際に生じるクリック音が大幅に大きくなることになる。よって、本実施形態によると、コネクタ位置保証部材13を有する電気的接続装置1において、コネクタ11、12の嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができる。更に、本実施形態によると、コネクタ11、12の嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができるため、第1コネクタ11に第2コネクタ12を嵌合する作業を行う作業者は、コネクタ11、12の嵌合動作の完了を容易に確認することができる。
【0071】
したがって、本実施形態によると、コネクタ位置保証部材13を有する電気的接続装置1において、コネクタ11、12の嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができ、コネクタ11、12の嵌合動作の完了を容易に確認することができる、電気的接続装置1を提供することができる。
【0072】
また、本実施形態によると、コネクタ位置保証部材13が第2コネクタ12に取り付けられた状態で、コネクタ位置保証部材13のロックアーム付勢部36、37が、第2コネクタ12のロックアーム27の梁部27a、27bと平行に片持ち状に延びるように設けられる。このため、コネクタ11、12の嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができるロックアーム付勢部36、37をロックアーム27の近くのスペースにおいてコンパクトに配置することができる。これにより、コネクタ位置保証部材13を有する電気的接続装置1において、コネクタ11、12の嵌合の際に生じるクリック音を大きくすることができるとともに、コネクタ位置保証部材13をコンパクトに構成することができる。
【0073】
また、本実施形態によると、コネクタ位置保証部材13において、第1コネクタ11の係合部22に係合した第2コネクタ12のロックアーム27に対して係止するロック部35と、ロックアーム付勢部36、37とが、互いに離間した位置で被操作部34から片持ち状に延びるように設けられる。このため、ロック部35と、ロックアーム付勢部36、37とを、互いに独立して撓ませるとともに互いに独立して弾性回復させることができる。これにより、ロックアーム付勢部36、37の動作がロック部35によって制限されることなく、ロックアーム付勢部36、37は、効率よくロックアーム27の梁部27a、27bを付勢することができる。よって、ロックアーム付勢部36、37の動作性を更に向上させることができる。
【0074】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0075】
(1)前述の実施形態では、第1コネクタに係合部が1つ設けられ、ロックアームの係合リブに係合する形態を例示したが、この通りでなくてもよい。第1コネクタの係合部は、複数に分かれて設けられていてもよく、例えば、第1コネクタの係合部が2つに分かれて設けられ、2つの係合部が、ロックアームの係合リブに係合する形態が実施されてもよい。また、係合部及び係合リブの形状については、前述の実施形態で例示した形状に限らず、変更して実施してもよい。
【0076】
(2)前述の実施形態では、コネクタ位置保証部材のロック部にロック爪が1つ設けられ、ロックアームの係合リブに係止する形態を例示したが、この通りでなくてもよい。コネクタ位置保証部材のロック部のロック爪は、複数に分かれて設けられていてもよく、例えば、コネクタ位置保証部材のロック部のロック爪が2つに分かれて設けられ、2つのロック爪が、ロックアームの係合リブに係止する形態が実施されてもよい。また、ロック部の形状については、前述の実施形態で例示した形状に限らず、変更して実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、第1コネクタと、第1コネクタに嵌合して接続される第2コネクタと、第2コネクタが第1コネクタに嵌合した際に第2コネクタが第1コネクタに対して嵌合位置に位置していることを保証するコネクタ位置保証部材と、を備えた電気的接続装置として、広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0078】
1 電気的接続装置
11 第1コネクタ
12 第2コネクタ
13 コネクタ位置保証部材
21 開口
22 係合部
26 本体部
27 ロックアーム
27a、27b 梁部
34 被操作部
35 ロック部
36、37 ロックアーム付勢部