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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006930
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】勤怠管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/1091 20230101AFI20230111BHJP
   G07C 1/10 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G06Q10/10 342
G07C1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109809
(22)【出願日】2021-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】521289755
【氏名又は名称】中村 大作
(74)【代理人】
【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
(72)【発明者】
【氏名】中村 大作
【テーマコード(参考)】
3E138
5L049
【Fターム(参考)】
3E138AA01
3E138BA02
3E138CB02
3E138DA03
3E138DB04
3E138GA02
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】煩雑な補正処理を行うことなく、正しい残業時間を素早くかつ容易に得ることができる勤怠管理システムを提供する。
【解決手段】携帯端末は、ユーザの勤務時間を自動モードで取得するか手動モードで取得するかを選択する選択ボタンと、出勤ボタンと、退勤ボタンとを備えている。サーバは、選択ボタンの操作によって自動モードが選択されている場合に、位置情報及び職場領域情報から、ユーザが職場領域に入った時刻を自動モード入時刻及びユーザが職場領域から出た時刻を自動モード出時刻として検出することが可能に構成されている。さらに、出勤ボタンが操作された時刻を手動モード入時刻として検出すると共に退勤ボタンが操作された時刻を手動モード出時刻として検出することが可能に構成されている。さらにまた、検出した自動モード入時刻、検出した自動モード出時刻、検出した手動モード入時刻、及び検出した手動モード出時刻のうちの少なくとも2つを用いてユーザの勤務時間を算出するように構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯しているユーザの位置を表す位置情報を取得する携帯端末と、前記ユーザの位置情報を前記携帯端末から受信すると共に、前記ユーザの職場の領域を表す職場領域情報を取得するサーバとを備えており、
前記携帯端末は、前記ユーザの勤務時間を自動モードで取得するか手動モードで取得するかを選択する選択ボタンと、出勤ボタンと、退勤ボタンとを備えており、
前記サーバは、前記選択ボタンの操作によって自動モードが選択されている場合に、前記位置情報及び前記職場領域情報から、前記ユーザが前記職場領域に入った時刻を自動モード入時刻及び前記ユーザが前記職場領域から出た時刻を自動モード出時刻として検出することが可能に構成されており、前記出勤ボタンが操作された時刻を手動モード入時刻として検出すると共に前記退勤ボタンが操作された時刻を手動モード出時刻として検出することが可能に構成されており、
前記サーバは、前記検出した自動モード入時刻、前記検出した自動モード出時刻、前記検出した手動モード入時刻、及び前記検出した手動モード出時刻のうちの少なくとも2つを用いてユーザの勤務時間を算出するように構成されていることを特徴とする勤怠管理システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記検出した自動モード入時刻と前記検出した自動モード出時刻との差、前記検出した手動モード入時刻と前記検出した手動モード出時刻との差、前記検出した自動モード入時刻と前記検出した手動モード出時刻との差、又は前記検出した手動モード入時刻と前記検出した自動モード出時刻との差から前記勤務時間を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の勤怠管理システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記検出した自動モード入時刻と前記検出した自動モード出時刻との差、前記検出した手動モード入時刻と前記検出した手動モード出時刻との差、前記検出した自動モード入時刻と前記検出した手動モード出時刻との差、又は前記検出した手動モード入時刻と前記検出した自動モード出時刻との差から部分的勤務時間を算出し、前記算出した部分的勤務時間が複数ある場合は、該算出した部分的勤務時間の累積和から前記勤務時間を算出するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の勤怠管理システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記検出した自動モード入時刻及び前記検出した手動モード入時刻のうちの最先の入時刻を抽出し、前記検出した自動モード出時刻及び前記検出した手動モード出時刻のうちの、前記抽出した最先の入時刻に最短の出時刻を抽出し、前記抽出した最先の入時刻と前記抽出した最短の出時刻との差に基づいて前記勤務時間を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の勤怠管理システム。
【請求項5】
前記サーバは、前記抽出した最先の入時刻と前記抽出した最短の出時刻との差から部分的勤務時間を算出し、前記算出した部分的勤務時間が複数ある場合は、該算出した部分的勤務時間の累積和から前記勤務時間を算出するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の勤怠管理システム。
【請求項6】
前記サーバは、既に出時刻の抽出が行われている場合は該抽出した出時刻の後の最先の入時刻を抽出するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の勤怠管理システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記勤務時間から雇用契約上の所定労働時間及び所定休憩時間を差し引いた時間を残業時間として取得するように構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の勤怠管理システム。
【請求項8】
前記取得した残業時間の所定期間内における累積を算出し、該算出した累積残業時間から残業金額を算出するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の勤怠管理システム。
【請求項9】
前記サーバは、前記ユーザの職場の位置から所定半径内の領域を職場領域として認識するように構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の勤怠管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの残業時間を客観的に管理可能な勤怠管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、労働時間の証拠保全を行うために、ユーザの携帯するスマートフォンの位置を検出し、検出した位置があらかじめ設定した複数のジオフェンス内に外から入った入時刻及び複数のジオフェンス内から外に出た出時刻を検出してユーザの労働時間を推定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6230034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された労働時間の証拠保全方法によると、ユーザが複数のジオフェンス内に入った入時刻及び複数のジオフェンス内から外に出た出時刻から労働時間を推定することは行われるが、これら複数のジオフェンスに出入りすることなく勤務(労働)を行った場合は、これを労働時間としてそのまま登録することができず、ユーザのスマートフォンによる補正を行う必要があった。また、複数のジオフェンス内において、非勤務状態や休憩状態となった場合は、推定して得られた労働時間について、勤務時間であるか、非勤務時間や休憩時間であるか等を補正することによって、初めて、非勤務時間や休憩時間が除去された最終的な労働時間を得ていた。
【0005】
このように、特許文献1に記載された方法は、推定して得た労働時間に対して補正を行って最終的な労働時間を得るものであるため、最終的な労働時間を簡単には得ることができず、補正を行うユーザに多大な負担が強いられていた。特に、通常の勤務形態ではない、出張や職場以外での勤務が多いユーザは、非常に煩雑な補正処理を行う必要があった。
【0006】
従って本発明の目的は、煩雑な補正処理を行うことなく、正しい残業時間を素早くかつ容易に得ることができる勤怠管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、勤怠管理システムは、携帯しているユーザの位置を表す位置情報を取得する携帯端末と、ユーザの位置情報を携帯端末から受信すると共に、ユーザの職場の領域を表す職場領域情報を取得するサーバとを備えている。携帯端末は、ユーザの勤務時間を自動モードで取得するか手動モードで取得するかを選択する選択ボタンと、出勤ボタンと、退勤ボタンとを備えている。サーバは、選択ボタンの操作によって自動モードが選択されている場合に、位置情報及び職場領域情報から、ユーザが職場領域に入った時刻を自動モード入時刻及びユーザが職場領域から出た時刻を自動モード出時刻として検出することが可能に構成されている。サーバは、出勤ボタンが操作された時刻を手動モード入時刻として検出すると共に退勤ボタンが操作された時刻を手動モード出時刻として検出することが可能に構成されている。サーバは、さらにまた、検出した自動モード入時刻、検出した自動モード出時刻、検出した手動モード入時刻、及び検出した手動モード出時刻のうちの少なくとも2つを用いてユーザの勤務時間を算出するように構成されている。
【0008】
選択ボタンによって自動モードが選択されている場合に、位置情報及び職場領域情報から、自動モード入時刻及び自動モード出時刻を自動的に検出することが可能である。また、出勤ボタンが操作された時刻を手動モード入時刻とし、退勤ボタンが操作された時刻を手動モード出時刻として検出することが可能である。この手動モード入時刻及び手動モード出時刻の検出は、手動モードが選択されている場合及び自動モードが選択されている場合のいずれであっても行われる。ユーザの勤務時間を算出するための出勤時刻及び退勤時刻を常に自動的に取得するのではなく、出勤ボタン及び退勤ボタンを操作することによって、その操作時刻から出勤時刻及び退勤時刻を取得することができる。このように出勤時刻及び退勤時刻を手動で取得できるため、煩雑な補正処理を行うことなく、正しい勤務時間を素早くかつ容易に得ることができる。その結果、ユーザに多大な負担を強いることなく、労働時間(勤務時間から非勤務時間や休憩時間が除去された時間)を簡単に求めることができる。
【0009】
サーバは、検出した自動モード入時刻と検出した自動モード出時刻との差、検出した手動モード入時刻と検出した手動モード出時刻との差、検出した自動モード入時刻と検出した手動モード出時刻との差、又は検出した手動モード入時刻と検出した自動モード出時刻との差から勤務時間を算出するように構成されていることが好ましい。出勤後に、自動モードから手動モードへの切替えがない場合、手動モードから自動モードへの切替えもない場合、自動モードでの出勤後に手動モードへの切替えがあった場合、手動モードでの出勤後に自動モードへの切替えがあった場合には、このように算出することによって勤務時間を素早くかつ容易に取得することができる。その結果、残業時間や残業金額をユーザに多大な負担を強いることなく、容易に取得することができる。例えば、ユーザが自動モードで職場に出勤しそのまま自動モードで職場から退勤した場合、ユーザが実際に職場に出勤することなく手動モードで出勤ボタンを操作して出勤となり、そのまま手動モードで退勤ボタンを操作して退勤した場合、ユーザが自動モードで職場に出勤したが職場領域内で退勤ボタンを操作して退勤となった場合、ユーザが実際に職場に出勤することなく出勤ボタンを操作して出勤となり、その後、職場領域外又は職場領域内で自動モードに切替えて職場から退勤した場合等に、ユーザは、煩雑な補正を行うことなく、正しい勤務時間を素早くかつ容易に得ることができる。
【0010】
この場合、サーバは、検出した自動モード入時刻と検出した自動モード出時刻との差、検出した手動モード入時刻と検出した手動モード出時刻との差、検出した自動モード入時刻と検出した手動モード出時刻との差、又は検出した手動モード入時刻と検出した自動モード出時刻との差から部分的勤務時間を算出し、算出した部分的勤務時間が複数ある場合は、算出した部分的勤務時間の累積和から勤務時間を算出するように構成されていることが好ましい。1日に複数の勤務が断片的に発生する場合、このように部分的勤務時間を算出し、その累積和を求めて1日の勤務時間を取得する。
【0011】
サーバは、検出した自動モード入時刻及び検出した手動モード入時刻のうちの最先の入時刻を抽出し、検出した自動モード出時刻及び検出した手動モード出時刻のうちの、抽出した最先の入時刻に最短の出時刻を抽出し、抽出した最先の入時刻と抽出した最短の出時刻との差に基づいて勤務時間を算出するように構成されていることも好ましい。検出された自動モード入時刻、自動モード出時刻、手動モード入時刻及び手動モード出時刻が存在する場合、このような算出を行うことにより、素早く勤務時間を求めることができる。
【0012】
この場合、サーバは、抽出した最先の入時刻と抽出した最短の出時刻との差から部分的勤務時間を算出し、算出した部分的勤務時間が複数ある場合は算出した部分的勤務時間の累積和から勤務時間を算出するように構成されていることが好ましい。
【0013】
さらに、サーバは、既に出時刻の抽出が行われている場合はこの抽出した出時刻の後の最先の入時刻を抽出するように構成されていることが好ましい。勤務時間を部分的勤務時間の累積和から算出する場合、前に抽出した出時刻より後の最先の入時刻を求めることで、正しい部分的勤務時間を得ることができる。
【0014】
サーバは、勤務時間から、使用者と労働者との間で締結している雇用契約上の所定労働時間及び所定休憩時間を差し引いた時間を残業時間として取得するように構成されていることがより好ましい。
【0015】
この場合、取得した残業時間の所定期間内における累積を算出し、算出した累積残業時間から残業金額を算出するように構成されていることも好ましい。
【0016】
サーバは、ユーザの職場の位置から所定半径内の領域を職場領域として認識するように構成されていることも好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザの勤務時間を算出するための出勤時刻及び退勤時刻を常に自動的に取得するのではなく、出勤ボタン及び退勤ボタンを操作することによって、その操作時刻から出勤時刻及び退勤時刻を取得することができる。このように出勤時刻及び退勤時刻を手動で取得できるため、煩雑な補正処理を行うことなく、正しい勤務時間を素早くかつ容易に得ることができる。その結果、ユーザに多大な負担を強いることなく、労働時間(勤務時間から非勤務時間や休憩時間が除去された時間)を簡単に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の勤怠管理システムの第1の実施形態におけるシステム全体の構成を概略的に示すブロック図である。
図2図1の実施形態における携帯端末の初期設定処理プログラム例を示すフローチャートである。
図3図1の実施形態において、勤怠管理アプリを実行している際の携帯端末のホーム画面の一例を示す図である。
図4図1の実施形態における携帯端末のメイン処理プログラム例を示すフローチャートである。
図5図1の実施形態におけるサーバのメイン処理プログラム例を示すフローチャートである。
図6図1の実施形態におけるサーバの残業時間及び残業金額算出処理プログラム例を示すフローチャートである。
図7図1の実施形態において、勤怠管理アプリを実行して勤務時間、残業時間、及び残業金額を算出した際の携帯端末の画面の表示例を示す図である。
図8】本発明の勤怠管理システムの第2の実施形態におけるサーバの残業時間及び残業金額算出処理プログラム例を示すフローチャートである。
図9】本発明の勤怠管理システムの第3の実施形態におけるサーバの残業時間及び残業金額算出処理プログラム例を示すフローチャートである。
図10】本発明の勤怠管理システムの第4の実施形態におけるサーバの残業時間及び残業金額算出処理プログラム例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明の勤怠管理システムの第1の実施形態におけるシステム全体の構成を概略的に示している。
【0020】
同図において、100はユーザの携帯する例えばスマートフォン、タブレット端末、PDA等の携帯端末(携帯情報端末)、110は携帯端末100が例えばWi-Fi等で無線接続されているインターネット、120はインターネット110に無線又は有線接続されており、このインターネット110を介して携帯端末100に接続可能なサーバをそれぞれ示している。携帯端末100には勤怠管理アプリがインストールされており、このアプリを実行することにより、サーバ120と協働して後述する勤怠管理処理が行われる。この携帯端末100は、公知のGPSシステム130に接続されており、このGPSシステム130を介して自己の位置(緯度、経度)情報を取得することが可能となっている。このようなインターネット接続が可能であると共にGPS動作が可能な携帯端末100の構成は公知であるため、アプリによる処理動作を除いて具体的な内部構成の説明は省略する。また、サーバ120は、インターネット110に接続可能であると共に後述するプログラムを含む種々のプログラムによって動作可能な公知のコンピュータで構成可能であるため、具体的な内部構成の説明は省略する。
【0021】
同図において、さらに、140は携帯端末100のユーザの職場(勤務先)であり、150はこの職場140を中心として所定半径内の領域である職場領域を示している。職場領域150は、本実施形態では、半径200mの範囲にある領域としているが、本発明の職場領域はこの半径の数値に限定されるものではない。
【0022】
以下、本実施形態における勤怠管理アプリによる勤怠管理処理を説明する。
【0023】
図2は本実施形態における携帯端末100の初期設定処理プログラム例を示している。
【0024】
同図に示すように、携帯端末100はこの勤怠管理アプリを初めて実行する際に、ユーザの情報及びそのユーザの職場140の情報の入力をユーザに要求する(ステップS1)。ユーザ情報には、例えば、ユーザの氏名、住所及び電話番号等が含まれる。職場情報には、例えば、職場名、職場住所、電話番号、ユーザが職場に在職か退職か、ユーザの給与方法(月給、日給、時給等)、支給金額、使用者と労働者との間で締結している雇用契約上の1日の労働時間、残業代の有無、その他の手当て額、賃金支払日、使用者と労働者との間で締結している雇用契約上の休日、及び1日当たりの休憩時間等が含まれる。次いで、携帯端末100は、入力されたユーザ情報及び職場情報を、サーバ120へ送信する(ステップS2)。
【0025】
一方、サーバ120は、図示していないが、受信した職場情報から、その職場140の位置(緯度、経度)情報を取得し、そのユーザに関する職場情報及び位置情報として記憶する。
【0026】
初期設定処理では、アカウント情報の設定やその他の設定も行われるが、本発明とは直接関係しないため、詳しい説明は省略する。なお、ユーザ情報、職場情報及びアカウント情報は、後日、再設定可能である。
【0027】
図3は本実施形態おいて、勤怠管理アプリを実行している際の携帯端末100のホーム画面の一例を示している。
【0028】
同図に示すように、本実施形態における携帯端末100のタッチパネル式ディスプレイ101には、勤務時間を自動モードで取得するか手動モードで取得するかの選択時に操作(タップ)してモード切替えを行うためのモード選択ボタン101aと、出勤時に操作する出勤ボタン101bと、退勤時に操作する退勤ボタン101cと、現在の日時を表示する時刻表示領域101dと、算出した勤務時間、残業時間及び残業金額(残業代)、並びに所定期間(例えば、1ヵ月)の残業時間及び残業金額、又はその推移を数値、グラフ若しくは表で表示すると共に携帯端末表示部を備えた表示領域101eと、ホーム画面を開く際に操作するホームボタン101fと、誤って入力された出勤時刻や退勤時刻等のデータをユーザが修正する際に操作する修正ボタン101gと、勤怠管理データを出勤簿として出力すると共にシステム利用証明書を出力する際に操作する出勤簿ボタン101hと、ユーザが未払い残業代について専門家(弁護士、社労士)に相談したい際に操作することにより、その専門家の情報が表示される相談ボタン101iと、ユーザ情報や職場情報、アカウント情報等のその他の情報を編集する際に操作する設定ボタン101jとが表示される。ただし、この表示内容は単なる一例であり、これらの一部の表示が行われなくとも良いし、その他の表示が行われても良いが、モード選択ボタン101a、出勤ボタン101b及び退勤ボタン101cは必ず表示される。
【0029】
本実施形態における携帯端末100は、ホーム画面の図示しないボタンを操作することによって、出退勤データを日毎、週毎、月毎又は年毎のいずれで表示するかの切替えを行うことができる。また、修正ボタン101gを操作することによって、誤って入力された出勤時刻や退勤時刻のデータを修正できるが、修正した場合、不正防止のために、元データや修正理由を記録しておくように構成されている。例えば、出勤情報(直行)、退勤情報(直帰)、利用者が登録する休日・休暇情報(有給休暇、特別休暇、忌引き、その他休暇)など、勤務時間に関する内容を遡って登録することが可能である。備考欄で勤怠に関するメモを登録するので日報としても役立つ。さらに、出勤簿ボタン101hを操作することにより、勤怠管理データを出勤簿として出力すると共に株式会社起業家パートナーズが第三者機関として発行するシステム利用証明書を出力するように構成されている。出勤簿は、月別の出退勤の記録を表示する。始業時刻、終業時刻、休憩、総勤務時間、法定内残業、法定外残業、修正理由、修正前データ(始業、終業)を記載した書式で、出勤簿をダウンロードすることも可能である。本勤怠管理システムを法人で導入した場合、社員が図示しない承認申請ボタンを操作すると、給与計算の基礎データとして、出退勤の記録を勤務先に送信することができる。また、相談ボタン101iを操作することによって、全国の労働問題に積極的な専門家(弁護士、社労士)に未払い残業代等について直接相談することができるように構成されている。利用者と勤務先との間で勤務時間、残業時間、残業代等の争いになった場合、専門家に相談することができ、労働基準法や労働安全衛生法などの法律に基づいて早期解決に役立たせることができる。その際に、出退勤データをその専門家と共有することも可能である。また、必要に応じて、地図上にこの携帯端末100の移動経路を表示することができるように構成されている。外出や直行直帰など、いつどこへ外出したか移動中の経路をリストやマップで記録可能である。位置情報と時間を記録した経路は、利用者の端末のみで確認することが可能であり、勤怠の正確性を高めるために役立たせることができる。
【0030】
図4は本実施形態における携帯端末100のメイン処理プログラム例を示している。このメイン処理プログラムは短時間の周期で繰り返して実行される。
【0031】
まず、携帯端末100は、GPSシステム130を介して自己の位置(緯度、経度)情報を取得し(ステップS11)、取得した自己の位置(緯度、経度)情報をサーバ120へ送信する(ステップS12)。サーバ120は、図示していないが、受信した位置(緯度、経度)情報を、そのユーザの携帯端末100と紐づけて記憶する。
【0032】
次いで、携帯端末100は、モード選択ボタン101aが操作されることによって、現在、自動モードが選択されているか手動モードが選択されているかを判別する(ステップS13)。
【0033】
自動モードが選択されていると判別した場合(YESの場合)、この携帯端末100が自動モードを選択している旨をサーバ120に通知する(ステップS14)。一方、手動モードが選択されていると判別した場合(NOの場合)、この携帯端末100が手動モードを選択している旨をサーバ120に通知する(ステップS15)。これにより、サーバ120は、自動モードが選択されているか手動モードが選択されているかを認識する。
【0034】
次いで、出勤ボタン101bが操作されたか否かを判別する(ステップS16)。出勤ボタン101bが操作されたと判別した場合(YESの場合)、その時の時刻を出勤時刻(手動モード入時刻)として取得し(ステップS17)、サーバ120にその取得した出勤時刻(手動モード入時刻)を送信する(ステップS18)。サーバ120は、これにより、携帯端末100から受信した出勤時刻を手動モード入時刻として記憶する。ステップS16において、出勤ボタン101bが操作されていないと判別した場合(NOの場合)、このメイン処理を終了する。
【0035】
次いで、退勤ボタン101cが操作されたか否かを判別する(ステップS19)。退勤ボタン101cが操作されたと判別した場合(YESの場合)、その時の時刻を退勤時刻(手動モード出時刻)として取得し(ステップS20)、サーバ120にその取得した退勤時刻(手動モード出時刻)を送信する(ステップS21)。サーバ120は、これにより、携帯端末100から受信した退勤時刻を手動モード出時刻として記憶する。ステップS19において、退勤ボタン101cが操作されていないと判別した場合(NOの場合)、このメイン処理を終了する。
【0036】
図5は本実施形態におけるサーバ120のメイン処理プログラム例を示している。このメイン処理プログラムは短時間の周期で繰り返して実行される。
【0037】
サーバ120には、複数の携帯端末が接続可能となっており、これら携帯端末の各勤怠管理アプリと連動することが可能であるが、以下、携帯端末100に関してのみの動作説明を行う。
【0038】
まず、携帯端末100からの通知により、この携帯端末100に関して自動モードが選択されているか手動モードが選択されているかを判別する(ステップS31)。
【0039】
自動モードが選択されていると判別した場合(YESの場合)、GPSシステム130を介して取得してこのサーバ120に送信されている位置情報から、この携帯端末100が職場領域150内に入ったか否かを判別する(ステップS32)。前述したように、本実施形態における職場領域150は、職場140の位置から半径200mの範囲内の領域である。
【0040】
携帯端末100が職場領域150内に入ったと判別した場合(YESの場合)、入った時刻を取得し(ステップS33)、その取得した入った時刻を自動モード入時刻として記憶する(ステップS34)。
【0041】
次いで、GPSシステム130を介して取得してこのサーバ120に送信されている位置情報から、この携帯端末100が職場領域150内から出たか否かを判別する(ステップS35)。携帯端末100が職場領域150内から出たと判別した場合(YESの場合)、出た時刻を取得し(ステップS36)、その取得した出た時刻を自動モード出時刻として記憶する(ステップS37)。
【0042】
一方、ステップS31において、手動モードが選択されていると判別した場合(NOの場合)、サーバ120は、位置情報及び職場領域情報から、自動モード入時刻及び自動モード出時刻の検出を行わず、検出した自動モード入時刻及び自動モード出時刻に基づく勤務時間の算出を行わない。その代わりに、前述したように、図4の携帯端末100のメイン処理プログラムによって携帯端末100が取得し、この携帯端末100から受信した出勤時刻を手動モード入時刻として記憶し、携帯端末100のメイン処理プログラムによって携帯端末100が取得し、この携帯端末100から受信した退勤時刻を手動モード出時刻として記憶し、このメイン処理プログラムを終了する。
【0043】
図6は本実施形態におけるサーバの残業時間及び残業金額の算出処理プログラム例を示している。
【0044】
サーバ120は、図5のメイン処理プログラムによって記憶した自動モード入時刻、自動モード出時刻、手動モード入時刻及び手動モード出時刻から、図6の処理プログラムにより、1日のユーザの勤務時間、残業時間及び残業金額を算出し、さらに、所定期間(例えば1ヵ月)のユーザの残業時間及び残業金額等を算出する。本実施形態の勤怠管理システムは、1日の連続する単一の勤務時間を登録する。
【0045】
まず、記憶されている自動モード入時刻と記憶されている自動モード出時刻との差から勤務時間を算出し記憶する(自動モード入時刻及び自動モード出時刻が記憶されている場合)か、記憶されている手動モード入時刻と記憶されている手動モード出時刻との差から勤務時間を算出し記憶する(手動モード入時刻及び手動モード出時刻が記憶されている場合)か、記憶されている自動モード入時刻と記憶されている手動モード出時刻との差から勤務時間を算出し記憶する(自動モード入時刻及び手動モード出時刻が記憶されている場合)か、又は、記憶されている手動モード入時刻と記憶されている自動モード出時刻との差から勤務時間を算出し記憶する(手動モード入時刻及び自動モード出時刻が記憶されている場合)(ステップS41)。
【0046】
次いで、このようにして算出した1日の勤務時間から、初期設定した、使用者と労働者との間で締結している雇用契約上の所定労働時間及び所定休憩時間を差し引くことで、1日分の残業時間を算出し、さらに、初期設定した内容から1日分の残業金額を算出する(ステップS42)。
【0047】
次いで、このように算出した1日分の残業時間を累積して所定期間(例えば、1ヵ月)の累積残業時間を算出し、さらに、所定期間(例えば、1ヵ月)の残業金額を算出する(ステップS43)。
【0048】
その後、このようにして算出した1日(日毎)の勤務時間、残業時間及び残業金額、さらに、所定期間(例えば、1ヵ月)の残業時間及び残業金額を携帯端末100へ送信する(ステップS44)。携帯端末100は、日毎、週毎、月毎又は年毎の算出した勤務時間、残業時間及び残業金額、並びに所定期間(例えば、1ヵ月)の残業時間及び残業金額、又はその推移を数値、グラフ若しくは表で、表示領域101eに表示する。
【0049】
図7は本実施形態において、勤怠管理アプリを実行して勤務時間、残業時間、及び残業金額を算出した際の携帯端末の画面の表示例を示している。
【0050】
同図に示すように、携帯端末100の表示領域101eには、単なる一例であるが、例えば1か月間の日毎の勤務時間、残業時間及び残業金額がグラフで表示され、図示されていないが、下方へスクロールすることにより、1か月間の日毎の勤務時間、残業時間及び残業金額の数値が表示されるように構成されている。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、検出した自動モード入時刻と検出した自動モード出時刻との差から1日の勤務時間を算出するか、検出した手動モード入時刻と検出した手動モード出時刻との差から1日の勤務時間を算出するか、検出した自動モード入時刻と検出した手動モード出時刻との差から1日の勤務時間を算出するか、検出した手動モード入時刻と検出した自動手動モード出時刻との差から1日の勤務時間を算出するように構成されている。手動モード入時刻や手動モード出時刻を用いて勤務時間を算出できるので、出勤後に、自動モードから手動モードへの切替えも手動モードから自動モードへの切替えもない場合や、自動モードでの出勤後に手動モードへの切替えがあった場合、手動モードでの出勤後に自動モードへの切替えがあった場合にも、このように算出することによって勤務時間を素早くかつ容易に取得することができる。例えば、ユーザが自動モードで職場140に出勤しそのまま自動モードで職場140から退勤した場合、ユーザが実際に職場140に出勤することなく手動モードで出勤ボタン101bを操作して出勤となり、そのまま手動モードで退勤ボタン101cを操作して退勤した場合、ユーザが自動モードで職場に出勤したが職場領域内で退勤ボタン101cを操作して退勤となった場合、ユーザが実際に職場に出勤することなく出勤ボタン101bを操作して手動モードによる出勤となり、その後、職場領域外又は職場領域内で自動モードに切替えて職場から退勤した場合等に、煩雑な補正処理を行うことなく、正しい勤務時間を素早くかつ容易に得ることができ、その結果、残業時間や残業金額をユーザに多大な負担を強いることなく簡単に取得することができる。
【0052】
図8は本発明の勤怠管理システムの第2の実施形態におけるサーバの残業時間及び残業金額算出処理プログラム例を示している。
【0053】
本実施形態におけるシステム全体の構成、携帯端末の初期設定処理プログラム例、勤怠管理アプリを実行している際の携帯端末のホーム画面の一例、携帯端末のメイン処理プログラム例、及びサーバのメイン処理プログラム例は、第1の実施形態において図1図5に示して説明した内容と同じであるため、ここでは、説明を省略する。
【0054】
サーバ120は、図5のメイン処理プログラムによって記憶した自動モード入時刻、自動モード出時刻、手動モード入時刻及び手動モード出時刻から、図8の処理プログラムにより、1日のユーザの勤務時間、残業時間及び残業金額を算出し、さらに、所定期間(例えば1ヵ月)のユーザの残業時間及び残業金額等を算出する。本実施形態の勤怠管理システムは、1日の複数の勤務時間を登録する。
【0055】
サーバ120は、まず、記憶されている自動モード入時刻と記憶されている自動モード出時刻との差から部分的勤務時間を算出し記憶する(自動モード入時刻及び自動モード出時刻が記憶されている場合)か、記憶されている手動モード入時刻と記憶されている手動モード出時刻との差から部分的勤務時間を算出し記憶する(手動モード入時刻及び手動モード出時刻が記憶されている場合)か、記憶されている自動モード入時刻と記憶されている手動モード出時刻との差から部分的勤務時間を算出し記憶する(自動モード入時刻及び手動モード出時刻が記憶されている場合)か、又は、記憶されている手動モード入時刻と記憶されている自動モード出時刻との差から部分的勤務時間を算出し記憶する(手動モード入時刻及び自動モード出時刻が記憶されている場合)(ステップS51)。ここで、「部分的勤務時間」とは、1日の勤務時間が断片的な複数の勤務時間から構成される場合に、個々の勤務時間を意味している。
【0056】
次いで、1日分として記憶されている全ての自動モード入時刻、自動モード出時刻、手動モード入時刻及び手動モード出時刻について、部分的勤務時間の算出を行ったか否かを判別する(ステップS52)。
【0057】
全ての入時刻及び出時刻について部分的勤務時間の算出を行っていないと判別した場合(NOの場合)、ステップS51~S52の処理を繰り返して実行する。
【0058】
ステップS52において、全ての入時刻及び出時刻について部分的勤務時間の算出を行ったと判別した場合(YESの場合)、このように算出した1日分の部分的勤務時間の累積和を算出して、1日の勤務時間を算出する(ステップS53)。
【0059】
その後、このようにして算出した1日の勤務時間から、初期設定した、使用者と労働者との間で締結している雇用契約上の所定労働時間及び所定休憩時間を差し引くことで、1日分の残業時間を算出し、さらに、初期設定した内容から1日分の残業金額を算出する(ステップS54)。
【0060】
次いで、このように算出した1日分の残業時間を累積して所定期間(例えば、1ヵ月)の累積残業時間を算出し、さらに、所定期間(例えば、1ヵ月)の残業金額を算出する(ステップS55)。
【0061】
その後、このようにして算出した1日(日毎)の勤務時間、残業時間及び残業金額、さらに、所定期間(例えば、1ヵ月)の残業時間及び残業金額を携帯端末100へ送信する(ステップS56)。携帯端末100は、日毎、週毎、月毎又は年毎の算出した勤務時間、残業時間及び残業金額、並びに所定期間(例えば、1ヵ月)の残業時間及び残業金額、又はその推移を数値、グラフ若しくは表で、表示領域101eに表示する。携帯端末100の表示領域101eに表示される内容は、図7に示した通りである。
【0062】
以上説明したように、本実施形態によれば、検出した自動モード入時刻と検出した自動モード出時刻との差から部分的勤務時間を算出するか、検出した手動モード入時刻と検出した手動モード出時刻との差から部分的勤務時間を算出するか、検出した自動モード入時刻と検出した手動モード出時刻との差から部分的勤務時間を算出するか、検出した手動モード入時刻と検出した自動手動モード出時刻との差から部分的勤務時間を算出し、算出した部分的勤務時間の累積和から1日の勤務時間を算出するように構成されている。手動モード入時刻や手動モード出時刻を用いて勤務時間を算出できるので、出勤後に、自動モードから手動モードへの切替えも手動モードから自動モードへの切替えもない場合や、自動モードでの出勤後に手動モードへの切替えがあった場合、手動モードでの出勤後に自動モードへの切替えがあった場合にも、このように算出することによって勤務時間を素早くかつ容易に取得することができる。例えば、ユーザが自動モードで職場140に出勤しそのまま自動モードで職場140から退勤した場合、ユーザが実際に職場140に出勤することなく手動モードで出勤ボタン101bを操作して出勤となり、そのまま手動モードで退勤ボタン101cを操作して退勤した場合、ユーザが自動モードで職場に出勤したが職場領域内で退勤ボタン101cを操作して退勤となった場合、ユーザが実際に職場に出勤することなく出勤ボタン101bを操作して手動モードによる出勤となり、その後、職場領域外又は職場領域内で自動モードに切替えて職場から退勤した場合等に、煩雑な補正処理を行うことなく、正しい勤務時間を素早くかつ容易に得ることができ、その結果、残業時間や残業金額をユーザに多大な負担を強いることなく簡単に取得することができる。
【0063】
図9は本発明の勤怠管理システムの第3の実施形態におけるサーバの残業時間及び残業金額算出処理プログラム例を示している。
【0064】
本実施形態におけるシステム全体の構成、携帯端末の初期設定処理プログラム例、勤怠管理アプリを実行している際の携帯端末のホーム画面の一例、携帯端末のメイン処理プログラム例、及びサーバのメイン処理プログラム例は、第1の実施形態において図1図5に示して説明した内容と同じであるため、ここでは、説明を省略する。
【0065】
サーバ120は、図5のメイン処理プログラムによって記憶した自動モード入時刻、自動モード出時刻、手動モード入時刻及び手動モード出時刻から、図9の処理プログラムにより、1日のユーザの勤務時間、残業時間及び残業金額を算出し、さらに、所定期間(例えば1ヵ月)のユーザの残業時間及び残業金額等を算出する。本実施形態の勤怠管理システムは、1日の連続する単一の勤務時間を登録する。
【0066】
サーバ120は、まず、検出した自動モード入時刻及び検出した手動モード入時刻のうちの最先の(最も早い)入時刻を抽出する(ステップS61)。
【0067】
次いで、検出した自動モード出時刻及び検出した手動モード出時刻のうちの、上述のごとく抽出した最先の入時刻に最短の(最も近い)出時刻を抽出する(ステップS62)。
【0068】
その後、抽出した最先の入時刻と抽出した最短の出時刻との差から1日の出勤時間を算出する(ステップS63)。このように出勤時間を算出することにより、自動モード入時刻と自動モード出時刻との差、手動モード入時刻と手動モード出時刻との差、自動モード入時刻と手動モード出時刻との差、又は手動モード入時刻と自動モード出時刻との差から勤務時間が算出可能となる。
【0069】
次いで、このようにして算出した勤務時間から、初期設定した、使用者と労働者との間で締結している雇用契約上の所定労働時間及び所定休憩時間を差し引くことで、1日の残業時間を算出し、さらに、初期設定した内容から1日の残業金額を算出する(ステップS64)。
【0070】
次いで、このように算出した1日分の残業時間を累積して所定期間(例えば、1ヵ月)の累積残業時間を算出し、さらに、所定期間(例えば、1ヵ月)の残業金額を算出する(ステップS65)。
【0071】
その後、このようにして算出した1日(日毎)の勤務時間、残業時間及び残業金額、さらに、所定期間(例えば、1ヵ月)の残業時間及び残業金額を携帯端末100へ送信する(ステップS66)。携帯端末100は、日毎、週毎、月毎又は年毎の算出した勤務時間、残業時間及び残業金額、並びに所定期間(例えば、1ヵ月)の残業時間及び残業金額、又はその推移を数値、グラフ若しくは表で、表示領域101eに表示する。携帯端末100の表示領域101eに表示される内容は、図7に示した通りである。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、まず、検出した自動モード入時刻及び検出した手動モード入時刻のうちの最先の入時刻を抽出し、検出した自動モード出時刻及び検出した手動モード出時刻のうちの抽出した最先の入時刻に最短の出時刻を抽出し、抽出した最先の入時刻と抽出した最短の出時刻との差から1日の勤務時間を算出するように構成されている。このため、出勤後に、自動モードから手動モードへの切替えや手動モードから自動モードへの切替えがあった場合にも、正しい勤務時間を素早くかつ容易に取得することができる。例えば、ユーザが自動モードで職場140に出勤したが職場領域150内で手動モードに切替えて手動モードで退勤ボタン101cを操作して退勤となった場合、ユーザが実際に職場140に出勤することなく手動モードで出勤ボタン101bを操作して出勤となり、職場領域150外又は職場領域150内で自動モードに切替えて職場140から退勤した場合等に、煩雑な補正処理を行うことなく、正しい勤務時間を素早くかつ容易に得ることができ、その結果、残業時間や残業金額をユーザに多大な負担を強いることなく簡単に取得することができる。
【0073】
図10は本発明の勤怠管理システムの第4の実施形態におけるサーバの残業時間及び残業金額算出処理プログラム例を示している。
【0074】
本実施形態におけるシステム全体の構成、携帯端末の初期設定処理プログラム例、勤怠管理アプリを実行している際の携帯端末のホーム画面の一例、携帯端末のメイン処理プログラム例、及びサーバのメイン処理プログラム例は、第1の実施形態において図1図5に示して説明した内容と同じであるため、ここでは、説明を省略する。
【0075】
サーバ120は、図5のメイン処理プログラムによって記憶した自動モード入時刻、自動モード出時刻、手動モード入時刻及び手動モード出時刻から、図10の処理プログラムにより、1日のユーザの勤務時間、残業時間及び残業金額を算出し、さらに、所定期間(例えば1ヵ月)のユーザの残業時間及び残業金額等を算出する。本実施形態の勤怠管理システムは、1日の複数の勤務時間を登録する。
【0076】
サーバ120は、まず、検出した自動モード入時刻及び検出した手動モード入時刻のうちの最先の(最も早い)入時刻を抽出する(ステップS71)。ただし、このステップS91が繰り返して行われる場合、既に出時刻の抽出が行われている場合(2回目以降)はこの抽出した出時刻の後の最先の入時刻を抽出する。
【0077】
次いで、検出した自動モード出時刻及び検出した手動モード出時刻のうちの、上述のごとく抽出した最先の入時刻に最短の(最も近い)出時刻を抽出する(ステップS72)。
【0078】
その後、抽出した最先の入時刻と抽出した最短の出時刻との差から部分的出勤時間を算出する(ステップS73)。このように部分的出勤時間を算出することにより、自動モード入時刻と自動モード出時刻との差、手動モード入時刻と手動モード出時刻との差、自動モード入時刻と手動モード出時刻との差、又は手動モード入時刻と自動モード出時刻との差から部分的勤務時間が算出可能となる。ここで、「部分的勤務時間」とは、1日の勤務時間が断片的な複数の勤務時間から構成される場合に、個々の勤務時間を意味している。
【0079】
次いで、1日分として記憶されている全ての自動モード入時刻、自動モード出時刻、手動モード入時刻及び手動モード出時刻について、部分的勤務時間の算出を行ったか否かを判別する(ステップS74)。
【0080】
全ての入時刻及び出時刻について部分的勤務時間の算出を行っていないと判別した場合(NOの場合)、ステップS71~S74の処理を繰り返して実行する。
【0081】
ステップS94において、全ての入時刻及び出時刻について部分的勤務時間の算出を行ったと判別した場合(YESの場合)、このように算出した1日の部分的勤務時間の累積和を算出して、1日の勤務時間を算出する(ステップS75)。
【0082】
その後、このようにして算出した勤務時間から、初期設定した、使用者と労働者との間で締結している雇用契約上の所定労働時間及び所定休憩時間を差し引くことで、1日の残業時間を算出し、さらに、初期設定した内容から1日の残業金額を算出する(ステップS76)。
【0083】
次いで、このように算出した1日分の残業時間を累積して所定期間(例えば、1ヵ月)の累積残業時間を算出し、さらに、所定期間(例えば、1ヵ月)の残業金額を算出する(ステップS77)。
【0084】
その後、このようにして算出した1日(日毎)の勤務時間、残業時間及び残業金額、さらに、所定期間(例えば、1ヵ月)の残業時間及び残業金額を携帯端末100へ送信する(ステップS78)。携帯端末100は、日毎、週毎、月毎又は年毎の算出した勤務時間、残業時間及び残業金額、並びに所定期間(例えば、1ヵ月)の残業時間及び残業金額、又はその推移を数値、グラフ若しくは表で、表示領域101eに表示する。携帯端末100の表示領域101eに表示される内容は、図7に示した通りである。
【0085】
以上説明したように、本実施形態によれば、まず、検出した自動モード入時刻及び検出した手動モード入時刻のうちの(既に出時刻の抽出が行われている場合はこの抽出した出時刻の後で)最先の入時刻を抽出し、検出した自動モード出時刻及び検出した手動モード出時刻のうちの抽出した最先の入時刻に最短の出時刻を抽出し、抽出した最先の入時刻と抽出した最短の出時刻との差から部分的出勤時間を算出し、算出した部分的勤務時間の累積和から1日の勤務時間を算出するように構成されている。このため、出勤後に、自動モードから手動モードへの切替えや手動モードから自動モードへの切替えがあった場合にも、正しい勤務時間を素早くかつ容易に取得することができる。例えば、ユーザが自動モードで職場140に出勤したが職場領域150内で手動モードに切替えて手動モードで退勤ボタン101cを操作して退勤となった場合、ユーザが実際に職場140に出勤することなく手動モードで出勤ボタン101bを操作して出勤となり、職場領域150外又は職場領域150内で自動モードに切替えて職場140から退勤した場合等に、煩雑な補正処理を行うことなく、正しい勤務時間を素早くかつ容易に得ることができ、その結果、残業時間や残業金額をユーザに多大な負担を強いることなく簡単に取得することができる。
【0086】
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【符号の説明】
【0087】
100 ユーザの携帯端末
101a モード選択ボタン
101b 出勤ボタン
101c 退勤ボタン
101d 時刻表示領域
101e 表示領域
101f ホームボタン
101g 修正ボタン
101h 出勤簿ボタン
101i 相談ボタン
101j 設定ボタン
110 インターネット
120 サーバ
130 GPSシステム
140 ユーザの職場
150 職場領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10