(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069324
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】監視カメラ映像共有システムおよび監視カメラ映像共有方法
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20230511BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20230511BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230511BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
H04N7/18 D
G06Q10/10
G08B25/04 E
G08B25/00 510M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181105
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】320008672
【氏名又は名称】i-PRO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 春
(72)【発明者】
【氏名】若子 武士
(72)【発明者】
【氏名】河本 耕治
(72)【発明者】
【氏名】鶴海 馨
(72)【発明者】
【氏名】山口 雅基
【テーマコード(参考)】
5C054
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
5C054DA09
5C054EA01
5C054EA03
5C054EA05
5C054EA07
5C054FE16
5C054FE18
5C054GB01
5C054GB05
5C054HA19
5C087AA02
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA25
5C087BB02
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD05
5C087DD49
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG02
5C087GG17
5L049BB05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザと異なる第三者に監視カメラの映像データの一時的な共有を可能として第三者の業務効率化を支援する監視カメラ映像共有システム及び監視カメラ映像共有方法を提供する。
【解決手段】監視カメラ映像共有システムは、対象施設に配置される複数の監視カメラの映像データの閲覧を行う1台以上のユーザ端末と、複数の監視カメラのうち、外部ユーザの外部ユーザ情報に基づくユーザ端末により選択された少なくとも1台の選択監視カメラの情報を示す監視カメラ情報と、選択監視カメラの映像データへのアクセス権限を有する正規ユーザの正規ユーザ情報と、を少なくとも含むアクセス許可データを保存するサーバと、を備える。サーバは、外部ユーザ情報に基づくユーザ端末へのアクセス許可データの共有処理に基づいて、アクセス許可データへのアクセス有効期間を含む外部ユーザ情報をアクセス許可データに追加してアクセス許可データを更新する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象施設に配置される複数の監視カメラの映像データの閲覧を行う1台以上のユーザ端末と、
前記複数の監視カメラのうち、一時的な利用が可能に登録された外部ユーザの要請に基づいて選択された少なくとも1台の選択監視カメラの情報を示す監視カメラ情報と、前記選択監視カメラの映像データへのアクセス権限を有する正規ユーザの正規ユーザ情報と、を少なくとも含むアクセス許可データを保存するサーバと、を備え、
前記サーバは、前記外部ユーザの外部ユーザ情報に基づく前記ユーザ端末への前記アクセス許可データの共有処理に基づいて、前記アクセス許可データへのアクセス有効期間を含む前記外部ユーザ情報を前記アクセス許可データに追加して前記アクセス許可データを更新し、前記アクセス許可データに紐づく前記監視カメラ情報により特定される前記選択監視カメラの映像データを前記アクセス有効期間のみ前記外部ユーザ情報に基づく前記ユーザ端末にアクセス可能に設定する、
監視カメラ映像共有システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記アクセス許可データの共有処理の後、前記アクセス許可データに紐づく前記監視カメラ情報により特定される前記選択監視カメラを示すサムネイルを有する表示画面を、前記外部ユーザ情報に基づく前記ユーザ端末に表示させる、
請求項1に記載の監視カメラ映像共有システム。
【請求項3】
前記アクセス許可データは、前記選択監視カメラが配置された前記対象施設の情報を示す施設情報、をさらに含む、
請求項1に記載の監視カメラ映像共有システム。
【請求項4】
前記サーバは、前記アクセス許可データの共有処理の後、前記アクセス許可データに紐づく前記監視カメラ情報により特定される前記選択監視カメラの映像データと前記対象施設の情報とを有する表示画面を、前記正規ユーザ情報に基づく第1のユーザ端末および前記外部ユーザ情報に基づく第2のユーザ端末のそれぞれに同一画面レイアウトで表示させる、
請求項3に記載の監視カメラ映像共有システム。
【請求項5】
前記アクセス許可データは、前記正規ユーザ情報に基づくユーザ端末のみによる作成、編集およびアクセスのうち少なくとも1つが可能に設けられる第1のアクセス許可データと、前記外部ユーザ情報に基づくユーザ端末のみによるアクセスが可能に設けられる第2のアクセス許可データと、を含み、
前記サーバは、前記第1のアクセス許可データの共有処理の後、前記第1のアクセス許可データに紐づく前記監視カメラ情報により特定される前記選択監視カメラの映像データと前記対象施設の情報とを有する第1の表示画面を前記正規ユーザ情報に基づくユーザ端末に表示させるとともに、前記第2のアクセス許可データに紐づく前記監視カメラ情報により特定される前記選択監視カメラの映像データと前記対象施設の情報とを有する第2の表示画面を前記外部ユーザ情報に基づくユーザ端末に表示させ、
前記第1の表示画面および前記第2の表示画面のそれぞれは、同一のレイアウトで構成される、
請求項3に記載の監視カメラ映像共有システム。
【請求項6】
前記アクセス許可データは、前記正規ユーザ情報に基づく第1のユーザ端末のみによる作成、編集およびアクセスのうち少なくとも1つが可能に設けられる第1のアクセス許可データと、前記外部ユーザ情報に基づく第2のユーザ端末のみによるアクセスが可能に設けられる第2のアクセス許可データと、を含み、
前記サーバは、前記第1のアクセス許可データの共有処理の後、前記第1のアクセス許可データに紐づく前記監視カメラ情報により特定される前記選択監視カメラの映像データと前記対象施設の情報とを有する第1の表示画面を前記第1のユーザ端末に表示させるとともに、前記第2のアクセス許可データに紐づく前記監視カメラ情報により特定される前記選択監視カメラの映像データを有する第2の表示画面を前記第2のユーザ端末に表示させる、
請求項3に記載の監視カメラ映像共有システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記アクセス有効期間の経過を検知すると、そのアクセス有効期間に対応する前記アクセス許可データを削除する、
請求項1に記載の監視カメラ映像共有システム。
【請求項8】
前記サーバは、前記アクセス許可データの削除処理の後、前記外部ユーザ情報に基づくユーザ端末からのアクセスを拒否する処理を実行する、
請求項7に記載の監視カメラ映像共有システム。
【請求項9】
前記外部ユーザは、警察官であり、
前記選択監視カメラの映像データは、前記警察官の職務上一時的なアクセスが許可されるデータである、
請求項1~6のうちいずれか一項に記載の監視カメラ映像共有システム。
【請求項10】
対象施設に配置される複数の監視カメラのうち、一時的な利用が可能に登録された外部ユーザの外部ユーザ情報に基づくユーザ端末により選択された少なくとも1台の選択監視カメラの情報を示す監視カメラ情報と、前記選択監視カメラの映像データへのアクセス権限を有する正規ユーザの正規ユーザ情報と、を少なくとも含むアクセス許可データをサーバに保存し、
前記外部ユーザ情報に基づく前記ユーザ端末への前記アクセス許可データの共有処理に基づいて、前記アクセス許可データへのアクセス有効期間を含む前記外部ユーザ情報を追加して前記アクセス許可データを更新し、
前記アクセス許可データに紐づく前記監視カメラ情報により特定される前記選択監視カメラの映像データを前記アクセス有効期間のみ前記外部ユーザ情報に基づく前記ユーザ端末にアクセス可能に設定する、
監視カメラ映像共有方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、監視カメラ映像共有システムおよび監視カメラ映像共有方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インターネットを経由して映像を配信する配信システムと、映像を閲覧する閲覧端末と、閲覧端末からのテレビ電話発信を受けて閲覧端末との間でテレビ電話通信を行い、配信システムからインターネットを経由して受信した映像を閲覧端末にテレビ電話通信を利用して中継送信する中継システムと、を備える映像配信システムが開示されている。配信システムによって生成される、中継システムが配信システムにアクセスするためのアクセス情報には、有効期間が定められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、映像配信システムを構成する配信システムおよび閲覧端末を所持するユーザに限って、アクセス情報の有効期間内に中継システムを介して、配信システムと閲覧端末との間でテレビ電話通信による映像配信が可能となる。ところが、配信システムを所持しない第三者(例えば、店舗に配置された監視カメラの映像データをリモートで視聴、再生する警察官)が業務(例えば職務遂行のために行う捜査)などのため期間限定で配信システムが撮像などして得た映像データにアクセスすることは、特許文献1では想定されていない。つまり、ユーザとは別人物あるいは外部団体である第三者が所定期間内(言い換えると、一時的)にユーザに関連する配信システムが撮像などして得た映像データに容易にアクセスできるようにする点で、改善の余地があった。
【0005】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、ユーザと異なる第三者に監視カメラの映像データの一時的な共有を可能として第三者の業務効率化を支援する監視カメラ映像共有システムおよび監視カメラ映像共有方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、対象施設に配置される複数の監視カメラの映像データの閲覧を行う1台以上のユーザ端末と、前記複数の監視カメラのうち、一時的な利用が可能に登録された外部ユーザの外部ユーザ情報に基づく前記ユーザ端末により選択された少なくとも1台の選択監視カメラの情報を示す監視カメラ情報と、前記選択監視カメラの映像データへのアクセス権限を有する正規ユーザの正規ユーザ情報と、を少なくとも含むアクセス許可データを保存するサーバと、を備え、前記サーバは、前記外部ユーザ情報に基づく前記ユーザ端末への前記アクセス許可データの共有処理に基づいて、前記アクセス許可データへのアクセス有効期間を含む前記外部ユーザ情報を前記アクセス許可データに追加して前記アクセス許可データを更新し、前記アクセス許可データに紐づく前記監視カメラ情報により特定される前記選択監視カメラの映像データを前記アクセス有効期間のみ前記外部ユーザ情報に基づく前記ユーザ端末にアクセス可能に設定する、監視カメラ映像共有システムを提供する。
【0007】
また、本開示は、対象施設に配置される複数の監視カメラのうち、一時的な利用が可能に登録された外部ユーザの外部ユーザ情報に基づくユーザ端末により選択された少なくとも1台の選択監視カメラの情報を示す監視カメラ情報と、前記選択監視カメラの映像データへのアクセス権限を有する正規ユーザの正規ユーザ情報と、を少なくとも含むアクセス許可データをサーバに保存し、前記外部ユーザ情報に基づく前記ユーザ端末への前記アクセス許可データの共有処理に基づいて、前記アクセス許可データへのアクセス有効期間を含む前記外部ユーザ情報を前記アクセス許可データに追加して前記アクセス許可データを更新し、前記アクセス許可データに紐づく前記監視カメラ情報により特定される前記選択監視カメラの映像データを前記アクセス有効期間のみ前記外部ユーザ情報に基づく前記ユーザ端末にアクセス可能に設定する、監視カメラ映像共有方法を提供する。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ユーザと異なる第三者に監視カメラの映像データの一時的な共有を可能として第三者の業務効率化を支援できる。
【0010】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】監視カメラシステムのシステム構成例を示す図
【
図2】機器管理サーバ、DBサーバ、ユーザ管理サーバのハードウェア構成例を示すブロック図
【
図3】お気に入りデータの共有処理の動作概要を示す図
【
図4】第1動作例に係る警察官U2のモバイル端末に表示される画面遷移例を示す図
【
図5】第1動作例に係るアクセス権限の付与の設定処理の動作手順を時系列に示すシーケンス図
【
図6】第2動作例に係る警察官U2のモバイル端末に表示される画面遷移例を示す図
【
図7】第2動作例に係るアクセス権限の付与の設定処理の動作手順を時系列に示すシーケンス図
【
図8】アクセス有効期間切れによるお気に入りデータの削除処理の動作手順を時系列に示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る監視カメラ映像共有システムおよび監視カメラ映像共有方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明あるいは実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
(システム構成例)
以下の実施の形態1では、監視カメラシステム100の正規ユーザではない外部ユーザである警察官U2が使用する端末に、捜査などの職務遂行上で必要となる店舗などの対象施設に配置された監視カメラの映像データに一時的にアクセス可能に設定する例をユースケースとして説明する。なお、実施の形態1に係るユースケースは、上述した例に限定されなくてもよい。
【0014】
図1は、監視カメラシステム100のシステム構成例を示す図である。
図1に示すように、監視カメラシステム100(監視カメラ映像共有システムの一例)は、クライアント端末PC1(第1のユーザ端末の一例)と、DBサーバS1(サーバの一例)と、機器管理サーバS2(サーバの一例)と、ユーザ管理サーバS3(サーバの一例)と、を少なくとも含む構成である。なお、DBサーバS1、機器管理サーバS2、ユーザ管理サーバS3は必ずしも個別に必要ではなく、それぞれのサーバの機能を有する1台以上のサーバが構成されてもよい。
【0015】
また、監視カメラシステム100は、モバイル端末TB1(第2のユーザ端末の一例)と、配信制御サーバS4と、をさらに含む構成としてもよい。クライアント端末PC1およびモバイル端末TB1のそれぞれは、ネットワークNW2を介して、DBサーバS1、機器管理サーバS2、ユーザ管理サーバS3および配信制御サーバS4のそれぞれとの間で互いにデータ通信可能に接続される。
【0016】
また、監視カメラシステム100は、対象施設(例えば店舗A)に配置される監視カメラCa1,Ca2,…およびレコーダRDと、対象施設(例えば店舗B)に配置される監視カメラCb1,Cb2,…と、をさらに含む構成としてもよい。監視カメラCa1,Ca2,…およびレコーダRDならびに監視カメラCb1,Cb2は、ネットワークNW1を介して、配信制御サーバS4との間で互いにデータ通信可能に接続される。
【0017】
ネットワークNW1,NW2は、例えばWi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)、4Gあるいは5G等のセルラー移動通信方式、Bluetooth(登録商標)およびWiGig(Wireless Gigabit)のいずれかに準じた無線ネットワークであるが、これらに限定されなくてよい。なお、ネットワークNW1,NW2は、USB(Univesal Serial Bus)ケーブル、あるいは有線LANなどの有線ネットワークでもよい。以下の説明において、監視カメラCa1,Ca2,Cb1,Cb2,…により撮像された映像データには、映像データだけでなく、その映像データを撮像した監視カメラの識別情報および撮像日時情報が含まれる。
【0018】
監視カメラシステム100は、対象施設(例えば店舗A)に配置される監視カメラCa1,Ca2のそれぞれが撮像する映像データを、クライアント端末PC1およびモバイル端末TB1のうち少なくとも1つからリモートでモニタリング用途の閲覧(例えば、視聴あるいは再生。以下同様。)できる。同様に、監視カメラシステム100は、対象施設(例えば店舗B)に配置される監視カメラCb1,Cb2のそれぞれが撮像する映像データを、クライアント端末PC1およびモバイル端末TB1のうち少なくとも1つからリモートでモニタリング用途の閲覧できる。なお、対象施設の一例として店舗を挙げたが、店舗以外の施設(例えばショッピングモール、オフィスビル、市役所あるいは図書館などの公共施設)、あるいは複数の店舗を1つの施設と見做してもよい。
【0019】
また、監視カメラシステム100は、監視カメラシステム100の正規ユーザとして登録されたユーザU1が使用するクライアント端末PC1により、監視カメラのお気に入りデータ(アクセス許可データの一例)の他のユーザ端末(例えば監視カメラシステム100の正規ユーザではない外部ユーザである警察官U2が使用するモバイル端末TB1)への共有操作がなされると、その共有操作に基づいて、その共有操作において指定された監視カメラの映像データへのアクセスをモバイル端末TB1に対して可能に設定する共有処理を実行する。この共有処理の詳細については、
図3以降の添付図面を参照して後述する。
【0020】
監視カメラCa1,Ca2,…のそれぞれは、店舗A内のモニタリング対象のエリアを撮像可能に配置され、被写体(例えば、店舗Aに存在している人物、あるいは、店舗A内の注目するべきエリア)が映る映像データを撮像する。この撮像された映像データは、監視カメラCa1,Ca2,…のそれぞれ内のメモリ(図示略)に録画されるとともに、レコーダRDに送られて保存されてもよいし、ネットワークNW1を介して配信制御サーバS4に直接に送られてもよい。なお、被写体は、上述した人物、エリア以外の要素であってもよく、以下同様である。
【0021】
レコーダRDは、ストレージ(図示略)を有し、店舗A内に配置される監視カメラCa1,Ca2,…のそれぞれにより撮像される被写体の映像データを、監視カメラCa1,Ca2,…のそれぞれから受信してストレージ(上述参照)に保存するとともに、断続的あるいは定期的に配信制御サーバS4に送信してもよい。
【0022】
監視カメラCb1,Cb2,…のそれぞれは、店舗B内のモニタリング対象のエリアを撮像可能に配置され、被写体(例えば、店舗Bに存在している人物、あるいは、店舗B内の注目するべきエリア)が映る映像データを撮像する。この撮像された映像データは、監視カメラCa1,Ca2,…のそれぞれ内のメモリ(図示略)に録画されるとともに、ネットワークNW1を介して配信制御サーバS4に直接に送られてもよい。なお、
図1の図示を簡略化するために店舗BはレコーダRDを備えない構成が図示されているが、店舗BがレコーダRDを備えても構わない。
【0023】
クライアント端末PC1は、例えば、パーソナルコンピュータであり、監視カメラシステム100の正規ユーザとして登録されたユーザU1により使用される。監視カメラシステム100の正規ユーザは、例えば監視カメラシステム100の監視カメラの映像データのうち契約された全ての映像データへのアクセス権限が与えられたユーザであり、そのアクセス権限がユーザU1の設定情報のデータとしてDBサーバS1のデータベースDB1(
図2参照)に登録(保存)されていることを示す。クライアント端末PC1は、ネットワークNW2を介して、DBサーバS1、機器管理サーバS2、ユーザ管理サーバS3および配信制御サーバS4のそれぞれとの間でデータ通信を行う。以下の説明において、ユーザU1は、警察官U2からの捜査要請あるいは自らの意思により、監視カメラのお気に入りデータの共有操作を行う人物である。クライアント端末PC1は、ユーザU1の操作により、監視カメラのお気に入りデータの共有処理の要求をユーザ管理サーバS3に送る。
【0024】
モバイル端末TB1は、例えば、携帯電話機、スマートフォンあるいはタブレット端末であり、警察官U2により使用される。モバイル端末TB1は、一時的なユーザとして監視カメラシステム100において登録された後、ネットワークNW2を介して、DBサーバS1、機器管理サーバS2、ユーザ管理サーバS3および配信制御サーバS4のそれぞれとの間でデータ通信を行う。以下の説明において、警察官U2は、捜査などの職務遂行の上で監視カメラのお気に入りデータの共有操作の相手となる人物である。モバイル端末TB1は、ユーザU1の操作に基づく共有処理(後述参照)により、監視カメラのお気に入りデータにより特定される監視カメラの映像データにアクセス可能となる。
【0025】
DBサーバS1は、例えばサーバコンピュータにより構成され、監視カメラシステム100によるモニタリング対象となる機器ごと(例えば監視カメラ、レコーダ)の各種の設定情報のデータ、監視カメラシステム100の利用が可能に登録されているユーザ(具体的には、正規ユーザ、一時的なユーザ)ごとの各種の設定情報のデータを保存するデータベースDB1を備える(
図2参照)。DBサーバS1は、データベースDB1を参照し、機器管理サーバS2あるいはユーザ管理サーバS3からの要求に応じたデータをデータベースDB1から取得して応答する。機器ごとの各種の設定情報は、例えば、機器の名称、識別番号、対象施設に配置(言い換えると、取付)が完了した日時、機器が配置される対象施設の名称(例えば店舗A)、リモート閲覧などの利用権限を示すライセンスの情報(例えば、ライセンス有効期間)などであるが、これらに限定されなくてよい。ユーザごとの各種の設定情報は、例えば、ユーザの名称、ユーザの種別(例えば、正規ユーザ、一時的なユーザ)、ユーザが監視カメラシステム100を利用(言い換えると、ログイン)する時に入力が求められるログインID(IDentification)およびパスワード、ログインIDおよびパスワードの有効期間、ユーザの権限(例えば、責任者と同等の権限を有する店長権限、一般利用者と同等の権限を有する店員権限、監視カメラごとに設けられる監視カメラの映像データへのアクセス権限)、一時的なユーザにのみ設定されるアクセス有効期間などであるが、これらに限定されなくてよい。DBサーバS1の詳細なハードウェア構成例は
図2を参照して後述する。
【0026】
機器管理サーバS2は、例えばサーバコンピュータにより構成され、DBサーバS1とのデータ通信により、監視カメラシステム100によるモニタリング対象となる機器ごとの各種の設定情報あるいはお気に入りデータを扱う処理を実行する。例えば、機器管理サーバS2は、クライアント端末PC1からお気に入りデータの対象となる対象施設(例えば店舗)の情報を含む機器の設定情報のデータの要求を受信すると、その機器情報のデータの要求をDBサーバS1に転送する。DBサーバS1は、この転送された要求に基づいて、該当する機器情報のデータをデータベースDB1から取得して機器管理サーバS2に返送する。機器管理サーバS2は、DBサーバS1から返送された機器情報のデータをクライアント端末PC1に応答する。機器管理サーバS2の詳細なハードウェア構成例は
図2を参照して後述する。
【0027】
ユーザ管理サーバS3は、例えばサーバコンピュータにより構成され、DBサーバS1とのデータ通信により、監視カメラシステム100の利用が可能に登録されているユーザごとの各種の設定情報あるいはお気に入りデータを扱う処理を実行する。例えば、ユーザ管理サーバS3は、クライアント端末PC1から一時的なユーザ(例えば警察官U2)の設定情報のデータの作成の要求を受信すると、その要求に基づいて、所定期間(例えば1時間)が設定されたアクセス有効期間の情報を含む一時的なユーザの設定情報のデータの追加をDBサーバS1に指示する。DBサーバS1は、この指示に基づいて、該当する一時的なユーザの設定情報のデータ(以下、「ユーザデータ」と称する)を作成して登録(保存)する。また、ユーザ管理サーバS3は、クライアント端末PC1から一時的なユーザ(例えば警察官U2)の対象となる監視カメラの映像データへのアクセス権限の追加の要求を受信すると、その要求に基づいて、その対象となる監視カメラの設定情報のデータとその監視カメラの映像データにアクセス可能となる一時的なユーザの設定情報のデータとを有するデータ(以下、「カメラアクセスユーザデータ」と称する)の追加をDBサーバS1に指示する。DBサーバS1は、この指示に基づいて、該当するカメラアクセスユーザデータを追加する。さらに、ユーザ管理サーバS3は、一時的なユーザ(例えば警察官U2)の対象となる対象施設(例えば店舗A)のお気に入りデータへのアクセス権限の追加をDBサーバS1に指示する。DBサーバS1は、この指示に基づいて、一時的なユーザ(例えば警察官U2)に該当するお気に入りデータへのアクセス権限を追加する。ユーザ管理サーバS3の詳細なハードウェア構成例は
図2を参照して後述する。
【0028】
配信制御サーバS4は、例えばサーバコンピュータにより構成され、監視カメラシステム100によるモニタリング対象となる機器ごと(例えば監視カメラ、レコーダ)のライセンスの情報をDBサーバS1から取得して参照し、クライアント端末PC1あるいはモバイル端末TB1への閲覧の可否を判定する。配信制御サーバS4は、判定対象となる機器(例えば監視カメラCa1)のライセンスが有効(つまり、ライセンス有効期間が経過する前)であると判定した場合、その監視カメラCa1が撮像した映像データをクライアント端末PC1あるいはモバイル端末TB1に閲覧することを許可すると判定する。一方、配信制御サーバS4は、判定対象となる機器(例えば監視カメラCa1)のライセンスが無効(つまり、ライセンス有効期間および録画猶予期間がともに経過した後)であってそのライセンスが更新されていないと判定した場合、その監視カメラCa1が撮像した映像データをクライアント端末PC1あるいはモバイル端末TB1に閲覧することを禁止すると判定する。
【0029】
(ハードウェア構成例)
図2は、機器管理サーバS2、DBサーバS1、ユーザ管理サーバS3のハードウェア構成例を示すブロック図である。DBサーバS1がデータベースDB1を備えることを除けば、機器管理サーバS2、DBサーバS1およびユーザ管理サーバS3は同様なハードウェア構成を有する。なお、DBサーバS1を設けずに、他のサーバ(つまり、機器管理サーバS2およびユーザ管理サーバS3)がそれぞれデータベースDB1を保持し、その保持されるデータベースDB1を管理する機能およびデータを有してもよい。機器管理サーバS2、DBサーバS1およびユーザ管理サーバS3のそれぞれは、例えば有線LANなどの有線ネットワークを用いて互いにデータ通信可能に接続される。
【0030】
DBサーバS1は、通信デバイス21と、プロセッサ22と、メモリ23と、データベースDB1と、を含む構成である。なお、添付図面ではインターフェースを便宜的に「IF」と簡略して記載している。
【0031】
通信デバイス21は、上述した有線ネットワーク(例えば有線LAN)などで接続された機器管理サーバS2あるいはユーザ管理サーバS3との間でデータ通信(つまり、データの送受信)を行う。通信デバイス21は、機器管理サーバS2あるいはユーザ管理サーバS3からの要求を受信すると、その要求に基づいてプロセッサ22が実行したことの応答(Acknowledge、以下「Ack」と略記する)を機器管理サーバS2あるいはユーザ管理サーバS3に返送する。なお、通信デバイス21は、プロセッサ22を介さず、メモリ23との間で直接にデータの保存あるいは読込の処理を実行してもよい。
【0032】
プロセッサ22は、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)もしくはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成される。プロセッサ22は、DBサーバS1の全体的な動作を司るコントローラとして機能し、DBサーバS1の各部の動作を統括するための制御処理、DBサーバS1の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理およびデータの記憶処理を行う。プロセッサ22は、メモリ23に記憶されたプログラムおよびデータに従って動作する。プロセッサ22は、動作時にメモリ23を使用し、プロセッサ22が作成または取得したデータもしくは情報(Ackを含む)をメモリ23に一時的に保存したり通信デバイス21に送ったりする。プロセッサ22が行う処理の具体例については、
図3以降の添付図面を参照して説明する。
【0033】
メモリ23は、例えばRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とを用いて構成され、DBサーバS1の動作の実行に必要なプログラム、更には、動作中に作成されたデータもしくは情報を一時的に保存する。RAMは、DBサーバS1の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、DBサーバS1を制御するためのプログラムおよびデータを予め記憶して保存する。
【0034】
データベースDB1は、記憶媒体(例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive))を用いて構成される。データベースDB1は、監視カメラシステム100によるモニタリング対象となる機器ごと(例えば監視カメラ、レコーダ)の各種の設定情報(上述参照)のデータ、監視カメラシステム100の利用が可能に登録されているユーザごとの各種の設定情報(上述参照)のデータ、さらに、お気に入りデータに関する各種のデータを保存する。
【0035】
お気に入りデータに関する各種のデータは、例えば、お気に入りデータ、ユーザデータ、お気に入り紐づきカメラデータ、お気に入りアクセスユーザデータ、カメラアクセスユーザデータである。
【0036】
お気に入りデータは、対象施設(例えば店舗A、店舗B)ごとに設けられて作成され、ユーザデータ、お気に入り紐づきカメラデータ、お気に入りアクセスユーザデータ、カメラアクセスユーザデータのうち少なくとも1つを用いて構成されるデータである。より具体的には、お気に入りデータは、対象施設(例えば店舗A、店舗B)ごとに、監視カメラシステム100のユーザ(例えば、正規ユーザ、あるいは警察官U2などの一時的なユーザ)がリモートモニタリングする対象として選択した、対象施設(例えば店舗)の設定情報とその対象施設に配置されている機器(例えば監視カメラ)の設定情報(上述参照)とアクセス可能なユーザの設定情報(上述参照)とを含むデータである。なお、対象施設(例えば店舗)の設定情報は省かれてもよい。なお、お気に入りデータは、店舗ごとに作成されなくてもよく、例えば全店舗のレジスター前に配置された監視カメラを対象とするように作成されてもよい。
【0037】
ユーザデータは、お気に入りデータを構成するデータであり、お気に入りデータにアクセスできるユーザの設定情報のデータである。ユーザデータは、例えばユーザU1の設定情報(例えば名称、ユーザの種別、アクセス有効期間)を有する。ユーザの種別は、正規ユーザであるか、一時的なユーザであるかを示す。アクセス有効期間は、そのユーザデータに対応するお気に入りデータにアクセスできる所定期間(例えば1時間)を示す。なお、所定期間は1時間に限定されず、自動的に設定されてもよいし、ユーザの操作によって指定されてもよい。正規ユーザは、その正規ユーザとしての登録が削除されない限り、監視カメラシステム100へのログインが許可されればいつでもアクセス可能である。一方、一時的なユーザは、監視カメラシステム100へのログインが許可されれば、ユーザデータにより特定されるアクセス有効期間内のみアクセス可能であり、アクセス有効期間が切れた後は一時的なユーザのユーザデータ(言い換えると、アカウント)も削除されるのでアクセス不可となる。
【0038】
お気に入り紐づきカメラデータは、お気に入りデータを構成するデータであり、お気に入りデータへのアクセスによってモニタリング用途の閲覧の対象となる監視カメラの設定情報(上述参照)のデータである。例えばユーザU1が店舗Aの監視カメラCa1,Ca2の設定情報を含めるようお気に入りデータを作成した場合(
図3参照)、そのお気に入りデータを構成するお気に入り紐づきカメラデータは、対象施設(例えば店舗A)の設定情報のデータと、監視カメラCa1,Ca2の設定情報(例えば名称)のデータとを有する。
【0039】
お気に入りアクセスユーザデータは、お気に入りデータを構成するデータであり、お気に入りデータへのアクセスが可能なユーザの設定情報(上述参照)のデータである。例えばユーザU1がアクセス可能となるようお気に入りデータを作成した場合(
図3のステップSt1参照)、そのお気に入りデータを構成するお気に入りアクセスユーザデータは、対象施設(例えば店舗A)の設定情報のデータと、ユーザU1の設定情報(例えば名称)となる。また、ユーザU1が警察官U2もアクセス可能となるようお気に入りデータの共有操作を行った場合(
図7参照)、そのお気に入りデータを構成するお気に入りアクセスユーザデータは、対象施設(例えば店舗A)の設定情報のデータと、ユーザU1,警察官U2のそれぞれの設定情報(例えば名称)のデータを有する。
【0040】
カメラアクセスユーザデータは、お気に入りデータを構成するデータであり、お気に入り紐づきカメラデータにより特定される機器(例えば監視カメラ)の映像データにアクセスが可能なユーザの設定情報(上述参照)のデータと、その機器(例えば監視カメラ)の設定情報のデータとを有する。例えばお気に入り紐づきカメラデータにより特定される監視カメラの映像データに警察官U2が新たにアクセス可能となるようユーザU1の操作がなされた場合(
図7参照)、DBサーバS1は、その監視カメラの設定情報のデータと新たな警察官U2の設定情報のデータとにより構成されるカメラアクセスデータを作成する。
【0041】
機器管理サーバS2は、通信デバイス31と、プロセッサ32と、メモリ33と、を含む構成である。
【0042】
通信デバイス31は、上述した有線ネットワーク(例えば有線LAN)などで接続されたDBサーバS1との間でデータ通信(つまり、データの送受信)を行う。通信デバイス31は、ネットワークNW2を介して接続されたクライアント端末PC1あるいはモバイル端末TB2との間でデータ通信を行う。通信デバイス21は、クライアント端末PC1あるいはモバイル端末TB1からの要求を受信すると、その要求に基づいてDBサーバS1との間でプロセッサ32が実行したことの応答(Ack)をクライアント端末PC1あるいはモバイル端末TB1に返送する。なお、通信デバイス31は、プロセッサ32を介さず、メモリ33との間で直接にデータの保存あるいは読込の処理を実行してもよい。
【0043】
プロセッサ32は、例えばCPU、DSP、GPUもしくはFPGAを用いて構成される。プロセッサ32は、機器管理サーバS2の全体的な動作を司るコントローラとして機能し、機器管理サーバS2の各部の動作を統括するための制御処理、機器管理サーバS2の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理およびデータの記憶処理を行う。プロセッサ32は、メモリ33に記憶されたプログラムおよびデータに従って動作する。プロセッサ32は、動作時にメモリ33を使用し、プロセッサ32が作成または取得したデータもしくは情報(Ackを含む)をメモリ33に一時的に保存したり通信デバイス31に送ったりする。プロセッサ32が行う処理の具体例については、
図3以降の添付図面を参照して説明する。
【0044】
メモリ33は、例えばRAMとROMとを用いて構成され、機器管理サーバS2の動作の実行に必要なプログラム、更には、動作中に作成されたデータもしくは情報を一時的に保存する。RAMは、機器管理サーバS2の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、機器管理サーバS2を制御するためのプログラムおよびデータを予め記憶して保存する。
【0045】
ユーザ管理サーバS3は、通信デバイス41と、プロセッサ42と、メモリ43と、を含む構成である。
【0046】
通信デバイス41は、上述した有線ネットワーク(例えば有線LAN)などで接続されたDBサーバS1との間でデータ通信(つまり、データの送受信)を行う。通信デバイス41は、ネットワークNW2を介して接続されたクライアント端末PC1あるいはモバイル端末TB2との間でデータ通信を行う。通信デバイス41は、クライアント端末PC1あるいはモバイル端末TB1からの要求を受信すると、その要求に基づいてDBサーバS1との間でプロセッサ42が実行したことの応答(Ack)をクライアント端末PC1あるいはモバイル端末TB1に返送する。なお、通信デバイス41は、プロセッサ42を介さず、メモリ43との間で直接にデータの保存あるいは読込の処理を実行してもよい。
【0047】
プロセッサ42は、例えばCPU、DSP、GPUもしくはFPGAを用いて構成される。プロセッサ42は、ユーザ管理サーバS3の全体的な動作を司るコントローラとして機能し、ユーザ管理サーバS3の各部の動作を統括するための制御処理、ユーザ管理サーバS3の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理およびデータの記憶処理を行う。プロセッサ42は、メモリ43に記憶されたプログラムおよびデータに従って動作する。プロセッサ42は、動作時にメモリ43を使用し、プロセッサ42が作成または取得したデータもしくは情報(Ackを含む)をメモリ43に一時的に保存したり通信デバイス41に送ったりする。プロセッサ42が行う処理の具体例については、
図3以降の添付図面を参照して説明する。
【0048】
メモリ43は、例えばRAMとROMとを用いて構成され、ユーザ管理サーバS3の動作の実行に必要なプログラム、更には、動作中に作成されたデータもしくは情報を一時的に保存する。RAMは、ユーザ管理サーバS3の動作時に使用されるワークメモリである。ROMは、ユーザ管理サーバS3を制御するためのプログラムおよびデータを予め記憶して保存する。
【0049】
次に、実施の形態1に係る監視カメラシステム100のお気に入りデータの共有処理の動作概要について、
図3を参照して説明する。
図3は、お気に入りデータの共有処理の動作概要を示す図である。お気に入りデータDt1は、監視カメラシステム100の正規ユーザであるユーザU1により作成される。
【0050】
図3に示すように、ユーザU1が監視カメラシステム100の正規ユーザとして予め登録されており、監視カメラシステム100の一時的なユーザとして新規に登録された警察官U2に、ユーザU1が作成したお気に入りデータDt1に紐づく店舗Aの監視カメラCa1,Ca2にアクセス可能に設定する例を説明する。
【0051】
(St1)ユーザU1は、店舗Aに配置された監視カメラ(例えば、4台の監視カメラCa1,Ca2,Ca3,Ca4)の映像データをリモート閲覧可能に設定されている。つまり、ユーザU1の設定情報(例えば権限、もしくは、ログインIDおよびパスワードのペア)は、店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2,Ca3,Ca4のそれぞれの映像データへアクセス可能な権限を有しており、ユーザU1が使用するクライアント端末PC1は、ユーザU1の設定情報(例えばログインIDおよびパスワード)によりユーザU1として監視カメラシステム100へのログインが許可されたユーザ端末の一例であり、以下同様である。このクライアント端末PC1は、ユーザU1の操作により、店舗Aの監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータを含むお気に入りデータDt1を作成する。このお気に入りデータDt1は、ユーザU1により選択された店舗Aの監視カメラCa1,Ca2の映像データにアクセス可能となる権限の役割を有するデータである。なお、ここではお気に入りデータDt1の作成を説明したが、クライアント端末PC1は、ユーザU1の操作により、お気に入りデータDt1の編集あるいは削除を行うことも可能である。
【0052】
(St2)クライアント端末PC1は、ユーザU1の共有操作により、ステップSt1で作成されたお気に入りデータDt1を、警察官U2に共有する(言い換えると、警察官U2が使用するモバイル端末TB1からアクセス可能とする)ための共有処理を実行する。なお、警察官U2が使用するモバイル端末TB1は、警察官U2の設定情報(例えばログインIDおよびパスワード)により一時的なユーザとしての警察官U2が監視カメラシステム100へのログインが許可されたユーザ端末の一例であり、以下同様である。これにより、警察官U2が使用するモバイル端末TB1は、お気に入りデータDt1と実質的に同様なお気に入りデータを取得できる。
【0053】
(St3)これにより、警察官U2が使用するモバイル端末TB1は、お気に入りデータDt1により特定される店舗Aの監視カメラCa1,Ca2の映像データに一時的にアクセス可能となり、リモート閲覧を実行できる。なお、どの程度の期間アクセス可能となるかについては、お気に入りデータDt1を構成するユーザデータ(
図5あるいは
図7参照)に含まれるアクセス有効期間により決定される。また、リモート閲覧に限らず、一時的にアクセス可能となった場合、必要な監視カメラの映像データのダウンロードも可能となる。
【0054】
(第1動作例)
図4は、第1動作例に係る警察官U2のモバイル端末TB1に表示される画面遷移例を示す図である。
図4では、監視カメラを単にカメラと略記している。
【0055】
図3のステップSt1に相当するクライアント端末PC1の初期状態Cn11では、ユーザU1が使用する(つまり、ユーザU1の設定情報に基づいてユーザU1としてログインが許可された)クライアント端末PC1は、店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2,Ca3,Ca4の映像データをリモート閲覧可能であることを示すサムネイルThm1,Thm2,Thm3,Thm4をカメラ一覧画面WD1に表示する。
【0056】
ここで、ユーザU1のクライアント端末PC1を用いた操作により、監視カメラシステム100の一時的なユーザとなる警察官U2のユーザデータが作成されたとする(St11)。
【0057】
次に、
図3のステップSt2に対応して、ユーザU1のクライアント端末PC1を用いた操作により、警察官U2に、監視カメラCa1の共有操作がなされたとする(St12)。
図4の例では、
図3に示すお気に入りデータDt1の共有ではなく、監視カメラシステム100の対象施設の中から警察官U2の捜査要請などによってユーザU1により指定された特定の機器(例えば監視カメラCa1)が共有の対象となっている。
【0058】
モバイル端末TB1の初期状態Cn21では、モバイル端末TB1は、ステップSt12の監視カメラCa1の共有操作に基づく共有処理(
図7参照)により、監視カメラCa1の映像データのみアクセスが可能となる。したがって、警察官U2が使用する(つまり、警察官U2の設定情報に基づいて警察官U2としてログインが許可された)モバイル端末TB1は、監視カメラCa1の映像データをリモート閲覧可能であることを示すサムネイルThm1をカメラ一覧画面WD3に表示する。
【0059】
図5は、第1動作例に係るアクセス権限の付与の設定処理の動作手順を時系列に示すシーケンス図である。
図5の説明において、各サーバが行う処理は主にそのサーバが有するプロセッサにより実行される。
【0060】
図5において、警察官U2からユーザU1に、捜査のために閲覧が必要となる監視カメラ(例えば監視カメラCa1)のアクセス権限が要求される。なお、アクセス権限の要求方法は、オンラインでの要求フォームへの入力でもいいし、メールや電話などによる問い合わせ、あるいは現場検証などによる訪問時に口頭で要求する形でもよい。
【0061】
この要求を受けたユーザU1は、クライアント端末PC1に、監視カメラシステム100の一時的なユーザの作成のための操作を行う。この操作では、警察官U2がアクセス権限を要求する対象となる監視カメラCa1の設定情報のデータが指定される。ユーザU1の操作により、クライアント端末PC1は、警察官U2からの要求の対象となっている監視カメラCa1の映像データにアクセス可能とするため、警察官U2を一時的なユーザとするための一時的なユーザの作成要求を作成してユーザ管理サーバS3に送る(St21)。ユーザ管理サーバS3は、ステップSt21の作成要求にしたがい、警察官U2を一時的なユーザとするユーザデータDt11の追加をDBサーバS1に指示する(St22)。DBサーバS1は、この指示にしたがい、警察官U2のユーザデータDt11をデータベースDB1に追加する。ユーザデータDt11は、例えば、警察官U2が2021年9月10日の21時00分までアクセスが許可されることを示す。つまり、ユーザデータDt11が作成された時点(2021年9月10日の20時00分)から所定時間(例えば1時間)後の2021年9月10日の21時00分までアクセス有効期間が設定される。警察官U2のユーザデータDt11のデータベースDB1への追加が完了したことのAckがユーザ管理サーバS3ならびにクライアント端末PC1に返送される。
【0062】
クライアント端末PC1は、DBサーバS1からのAck受信に基づいて、警察官U2に紐づく監視カメラ(例えば監視カメラCa1)の設定要求をユーザ管理サーバS3に送る(St23)。ユーザ管理サーバS3は、ステップSt23の設定要求にしたがい、警察官U2と監視カメラCa1とを紐づけるためのデータの追加をDBサーバS1に指示する(St24)。DBサーバS1は、この指示にしたがい、警察官U2が監視カメラCa1の映像データに一時的にアクセス可能となるために、警察官U2の設定情報のデータと監視カメラCa1の設定情報のデータとを有するカメラアクセスユーザデータDt12を作成してデータベースDB1に追加する。カメラアクセスユーザデータDt12のデータベースDB1への追加が完了したことのAckがユーザ管理サーバS3およびクライアント端末PC1に返送される。なお、ユーザU1は、クライアント端末PC1のAck受信を確認した上で、一時的なユーザの作成が完了したこと、警察官U2が特定の監視カメラCa1の映像データへのアクセス権限の設定ができたことを把握でき、警察官U2に警察官U2自身のアカウントが作成されたことを伝達する。なお、アカウントが作成されたことの伝達方法として、例えば、ユーザ管理サーバS3から警察官の使用するモバイル端末TB1に対し、アカウントと初期パスワードが記載されたメールを自動送信してよい。
【0063】
これにより、警察官U2が使用する(つまり、警察官U2の設定情報に基づいて警察官U2としてログインが許可された)モバイル端末TB1は、ユーザU1が使用するクライアント端末PC1の共有操作により、警察官U2の要請によってユーザU1により選択(指定)された特定の監視カメラCa1の映像データに一時的にアクセス可能となる。したがって、警察官U2は、監視カメラCa1の映像データを捜査などにおいてリモートで閲覧できて業務効率化を図ることができる。また、警察官U2自身がリモートで閲覧できるので、ユーザU1が立ち合いの下で警察官U2に代わって操作してあげる必要もなくなる。
【0064】
(第2動作例)
図6は、第2動作例に係る警察官U2のモバイル端末TB1に表示される画面遷移例を示す図である。
図6では、
図4と同様に、監視カメラを単にカメラと略記している。
図6の説明において、
図4の要素と同一の要素については同一の符号を用いて説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
【0065】
図3のステップSt1に相当するクライアント端末PC1の初期状態Cn11では、ユーザU1が使用する(つまり、ユーザU1の設定情報に基づいてユーザU1としてログインが許可された)クライアント端末PC1は、店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2,Ca3,Ca4の映像データをリモート閲覧可能であることを示すサムネイルThm1,Thm2,Thm3,Thm4をカメラ一覧画面WD1に表示する。また、クライアント端末PC1は、お気に入りデータDt1の作成に応じて、お気に入りデータDt1の内容(例えば、店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2の映像データをリモート閲覧可能であること)を示すサムネイルThm1f,Thm2fをお気に入り画面WD2に表示する。
【0066】
ここで、ユーザU1のクライアント端末PC1を用いた操作により、監視カメラシステム100の一時的なユーザとなる警察官U2のユーザデータ(
図5参照)が作成されたとする(St11)。すると、
図3のステップSt1に相当するモバイル端末TB1の初期状態Cn21では、警察官U2が使用するモバイル端末TB1は、お気に入りデータDt1の共有処理が実行される前であってモバイル端末TB1がアクセス可能な監視カメラが設定されていないため、監視カメラのサムネイルが表示されないカメラ一覧画面WD3およびお気に入り画面WD4を表示する。
【0067】
次に、
図3のステップSt2に対応して、ユーザU1のクライアント端末PC1を用いた操作により、警察官U2へのお気に入りデータDt1の共有操作がなされたとする(St12)。
図6の例では、
図4の例と異なり、
図3に示すお気に入りデータDt1(つまり、店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2の映像データへのアクセス権限)が共有の対象となっている。
【0068】
モバイル端末TB1の状態Cn22では、警察官U2が使用する(つまり、警察官U2の設定情報に基づいて警察官U2としてログインが許可された)モバイル端末TB1は、ステップSt12のお気に入りデータDt1の共有操作に基づく共有処理(
図7参照)により、お気に入りデータDt1にアクセスでき、店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2の映像データへのアクセスが可能となる。したがって、モバイル端末TB1は、店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2の映像データをリモート閲覧可能であることを示すサムネイルThm1a,Thm2aをカメラ一覧画面WD3aに表示更新する。また、モバイル端末TB1は、お気に入りデータDt1の内容(例えば、店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2の映像データをリモート閲覧可能であること)を示すサムネイルThm1f,Thm2fをお気に入り画面WD4aに表示更新する。
【0069】
図7は、第2動作例に係るアクセス権限の付与の設定処理の動作手順を時系列に示すシーケンス図である。
図7の説明において、各サーバが行う処理は主にそのサーバが有するプロセッサにより実行される。なお、
図7の説明の前提として、店舗Aのお気に入りデータDt1は既に作成されており、店舗Aのお気に入りデータDt1を構成するお気に入り紐づきカメラデータとして、店舗Aの設定情報のデータと、その店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータとが登録されている。
【0070】
図7において、ユーザU1は、クライアント端末PC1を用いて、監視カメラシステム100の一時的なユーザを作成するための操作を行う。この操作では、警察官U2がアクセス権限を要求する対象となる店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータが指定される。ユーザU1の操作により、クライアント端末PC1は、警察官U2からの要求の対象となっている監視カメラCa1,Ca2の映像データにアクセス可能とするため、警察官U2を一時的なユーザとするための一時的なユーザの作成要求を作成してユーザ管理サーバS3に送る(St31)。ユーザ管理サーバS3は、ステップSt31の作成要求にしたがい、警察官U2を一時的なユーザとするユーザデータDt11の追加をDBサーバS1に指示する(St32)。DBサーバS1は、この指示にしたがい、警察官U2のユーザデータDt11aをデータベースDB1に追加する。ユーザデータDt11aは、例えば、警察官U2が2021年9月10日の21時00分までアクセスが許可されることを示す。つまり、ユーザデータDt11aが作成された時点(2021年9月10日の20時00分)から所定時間(例えば1時間)後の2021年9月10日の21時00分までアクセス有効期間が設定される。警察官U2のユーザデータDt11aのデータベースDB1への追加が完了したことのAckがユーザ管理サーバS3およびクライアント端末PC1に返送される。
【0071】
クライアント端末PC1は、DBサーバS1からのAck受信に基づいて、店舗Aのお気に入りデータを構成するお気に入り紐づきカメラデータを構成するための機器データ(例えば、監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータ)の取得要求を作成して機器管理サーバS2に要求する(St33)。機器管理サーバS2は、ステップSt33の要求にしたがい、店舗Aのお気に入りデータを構成するお気に入り紐づきカメラデータに追加するための監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータ取得をDBサーバS1に指示する(St34)。DBサーバS1は、この指示にしたがい、店舗Aのお気に入りデータDt1を構成するお気に入り紐づきカメラデータから、アクセス可能となる対象の機器(例えば監視カメラCa1,Ca2)の設定情報のデータを取得して機器管理サーバS2に応答する(St35)。機器管理サーバS2は、ステップSt35でDBサーバS1から応答された監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータをクライアント端末PC1に転送する。
【0072】
クライアント端末PC1は、機器管理サーバS2からの監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータを受信すると、その監視カメラCa1,Ca2の映像データへの一時的なユーザ(つまり警察官U2)のアクセス権限の追加をユーザ管理サーバS3に要求する(St36)。ユーザ管理サーバS3は、ステップSt36の要求にしたがい、店舗Aのお気に入りデータDt1に追加されている監視カメラCa1,Ca2の映像データへのアクセス権限を追加するため、警察官U2の設定情報のデータと監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータとを有するカメラアクセスユーザデータDt12aの作成をDBサーバS1に指示する(St37)。DBサーバS1は、この指示にしたがい、店舗Aのお気に入りデータDt1を構成するカメラアクセスユーザデータDt12aに、警察官U2の設定情報のデータと監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータとを追加(登録)する。カメラアクセスユーザデータDt12aのデータベースDB1への追加(登録)が完了したことのAckがユーザ管理サーバS3に返送される。
【0073】
ユーザ管理サーバS3は、DBサーバS1からのAck受信に基づいて、店舗Aのお気に入りデータDt1への警察官U2によるアクセス権限を追加するため、警察官U2の設定情報のデータと店舗Aの設定情報のデータとを有するお気に入りアクセスユーザデータDt13の作成をDBサーバS1に指示する(St38)。DBサーバS1は、この指示にしたがい、店舗Aのお気に入りデータDt1を構成するお気に入りカメラアクセスユーザデータDt12aに、警察官U2の設定情報のデータと監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータとを追加(登録)する。カメラアクセスユーザデータDt12aのデータベースDB1への追加(登録)が完了したことのAckがユーザ管理サーバS3およびクライアント端末PC1に返送される。なお、ユーザU1は、クライアント端末PC1のAck受信を確認した上で、一時的なユーザの作成が完了したこと、警察官U2がお気に入りデータDt1の共有を受けたことで店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2の映像データへのアクセス権限の設定ができたことを把握でき、警察官U2に警察官U2自身のアカウントが作成されたことを伝達する。
【0074】
これにより、警察官U2が使用する(つまり、警察官U2の設定情報に基づいて警察官U2としてログインが許可された)モバイル端末TB1は、ユーザU1が使用する(つまり、ユーザU1の設定情報に基づいてユーザU1としてログインが許可された)クライアント端末PC1の共有操作により、警察官U2の要請によってユーザU1により選択(指定)された店舗Aに配置された監視カメラCa1,Ca2の映像データに一時的にアクセス可能となる。したがって、警察官U2は、監視カメラCa1,Ca2の映像データを捜査などにおいてリモートで閲覧できて業務効率化を図ることができる。
【0075】
図8は、アクセス有効期間切れによるお気に入りデータの削除処理の動作手順を時系列に示すシーケンス図である。
図8の説明において、各サーバが行う処理は主にそのサーバが有するプロセッサにより実行される。なお、
図8の説明の前提として、一時的なユーザ(例えば警察官U2)のユーザデータに含まれるアクセス有効期間のデータを常時あるいは定期的にユーザ管理サーバS3はDBサーバS1から取得している。
【0076】
図8において、ユーザ管理サーバS3は、一時的なユーザ(例えば警察官U2)のユーザデータに含まれるアクセス有効期間が切れているか否かを監視している(St41)。ユーザ管理サーバS3は、アクセス有効期間が切れているユーザデータ(例えば警察官U2のユーザデータ)を抽出したと判定した場合、そのアクセス有効期間が切れている一時的なユーザ(例えば警察官U2)に紐づく店舗Aのお気に入りデータへのアクセス権限を示すお気に入りアクセスユーザデータDt13の削除をDBサーバS1に指示する(St42)。DBサーバS1は、ステップSt42の指示にしたがい、該当するお気に入りアクセスユーザデータDt13を削除し、その旨のAckをユーザ管理サーバS3に応答する。
【0077】
ユーザ管理サーバS3は、DBサーバS1からのAck受信に基づいて、アクセス有効期間が切れている一時的なユーザ(例えば警察官U2)に紐づく監視カメラの映像データへのアクセス権限を示すカメラアクセスユーザデータの削除をDBサーバS1に指示する(St43)。DBサーバS1は、ステップSt43の指示にしたがい、該当するカメラアクセスユーザデータDt12aを削除し、その旨のAckをユーザ管理サーバS3に応答する。
【0078】
ユーザ管理サーバS3は、DBサーバS1からのAck受信に基づいて、そのアクセス有効期間が切れている一時的なユーザ(例えば警察官U2)のユーザデータの削除をDBサーバS1に指示する(St44)。DBサーバS1は、ステップSt44の指示にしたがい、警察官U2のユーザデータDt11aを削除し、その旨のAckをユーザ管理サーバS3に応答する。
【0079】
ステップSt44の後、監視カメラシステム100の一時的なユーザとしてのアクセス有効期間が経過している。モバイル端末TB1は、このアクセス有効期間が経過した後、警察官U2の操作により監視カメラシステム100にアクセスするためにユーザ管理サーバS3にログインを要求したとする(St45)。ユーザ管理サーバS3は、ステップSt45の要求にしたがい、警察官U2のユーザデータの要求をDBサーバS1に指示する(St46)。ところが、警察官U2のユーザデータはステップSt42の処理によってDBサーバS1によって削除されているため、DBサーバS1は、警察官U2のユーザデータが存在しない旨の結果をユーザ管理サーバS3に返送する(St47)。ユーザ管理サーバS3は、ステップSt45のログインは失敗した旨の通知をモバイル端末TB1に返送する(St48)。つまり、警察官U2は、監視カメラシステム100へのログインができない(言い換えると、アクセス拒否されたことになる)。これにより、一時的なユーザとしての警察官U2のユーザデータに含まれているアクセス有効期間が経過した場合、警察官U2は一時的なユーザとしての権限を失う。したがって、監視カメラシステム100は、この権限を失った警察官U2に対する監視カメラシステム100へのアクセスを適切に拒否できて、セキュリティの向上に資することができる。
【0080】
以上により、実施の形態1に係る監視カメラシステム100は、対象施設に配置される複数の監視カメラの映像データの閲覧を行う1台以上のユーザ端末と、複数の監視カメラのうち、一時的な利用が可能に登録された外部ユーザの要請に基づいて選択された少なくとも1台の選択監視カメラの情報を示す監視カメラ情報と、選択監視カメラの映像データへのアクセス権限を有する正規ユーザの正規ユーザ情報と、を少なくとも含むアクセス許可データを保存するサーバと、を備える。正規ユーザは、例えばユーザU1である。正規ユーザ情報は、例えば正規ユーザであるユーザU1の設定情報(例えば、ログインIDおよびパスワード)である。対象施設は、例えば店舗である。選択監視カメラは、例えば監視カメラCa1,Ca2である。監視カメラ情報は、例えば監視カメラCa1,Ca2の設定情報のデータである。外部ユーザは、例えば警察官U2である。外部ユーザ情報は、例えば警察官U2の設定情報(例えば、ログインIDおよびパスワード)のデータである。アクセス許可データは、例えばお気に入りデータである。サーバは、例えばDBサーバS1、機器管理サーバS2、ユーザ管理サーバS3である。サーバは、外部ユーザの外部ユーザ情報に基づくユーザ端末(例えばモバイル端末TB1)へのアクセス許可データの共有処理に基づいて、アクセス許可データへのアクセス有効期間を含む外部ユーザ情報をアクセス許可データに追加してアクセス許可データを更新し、アクセス許可データに紐づく監視カメラ情報により特定される選択監視カメラの映像データをアクセス有効期間のみ外部ユーザ情報に基づくユーザ端末にアクセス可能に設定する。
【0081】
これにより、監視カメラシステム100は、一時的な利用が可能に登録された外部ユーザの要請に基づいて選択された少なくとも1台の監視カメラのお気に入りデータの共有操作によって、正規ユーザ(例えばユーザU1)と異なる第三者(例えば警察官U2)に監視カメラの映像データの一時的な共有を可能にできる。したがって、監視カメラシステム100は、正規ユーザではない第三者が使用するモバイル端末TB1に監視カメラの映像データへ一時的にアクセス可能に設定できるので、第三者の業務効率化を支援できる。
【0082】
また、サーバは、アクセス許可データの共有処理の後、アクセス許可データに紐づく監視カメラ情報により特定される選択監視カメラを示すサムネイルを有する表示画面を、第2のユーザ端末に表示させる。これにより、監視カメラシステム100は、警察官U2の捜査などで必要となる特定の監視カメラの映像データにのみアクセスさせることで、警察官U2の捜査などで必要とならない映像データへのアクセスを防げるので、不要な映像データの流出を防ぐことができる。
【0083】
また、アクセス許可データは、選択監視カメラが配置された対象施設の情報を示す施設情報、をさらに含む。これにより、お気に入りデータは、第1のユーザ端末(例えばクライアント端末PC1)により選択された店舗Aの設定情報のデータを有するので、ユーザU1だけでなく警察官U2も、どこの監視カメラの映像データであるかの確認が簡易化できる。
【0084】
また、サーバは、アクセス許可データの共有処理の後、アクセス許可データに紐づく監視カメラ情報により特定される選択監視カメラの映像データと対象施設の情報とを有する表示画面を、第1のユーザ端末および第2のユーザ端末のそれぞれに同一画面レイアウトで表示させる。これにより、お気に入りデータを作成したユーザU1の嗜好性が反映された形で、そのお気に入りデータの共有を受けた警察官U2は同一のレイアウトによる画面形態で選択監視カメラの映像データを閲覧できる。
【0085】
また、アクセス許可データは、正規ユーザ情報に基づく第1のユーザ端末(例えばクライアント端末PC1)のみによる作成、編集およびアクセスのうち少なくとも1つが可能に設けられる第1のアクセス許可データと、外部ユーザ情報に基づく第2のユーザ端末(例えばモバイル端末TB1)のみによるアクセスが可能に設けられる第2のアクセス許可データと、を含む。サーバは、第1のアクセス許可データの共有処理の後、第1のアクセス許可データに紐づく監視カメラ情報により特定される選択監視カメラの映像データと対象施設の情報とを有する第1の表示画面を第1のユーザ情報に基づく第1のユーザ端末(例えばクライアント端末PC1)に表示させるとともに、第2のアクセス許可データに紐づく監視カメラ情報により特定される選択監視カメラの映像データと対象施設の情報とを有する第2の表示画面を第2のユーザ情報に基づく第2のユーザ端末(例えばモバイル端末TB1)に表示させる。第1の表示画面および第2の表示画面のそれぞれは、同一のレイアウトで構成される。これにより、お気に入りデータの作成、編集およびアクセスが正規ユーザ、外部ユーザごとに個別に設定されるので、ユーザごとの嗜好性が反映された形で自由度の高いお気に入りデータの運用が可能となる。また、お気に入りデータはユーザごとに異なるようデータベースDB1に保存されつつも、お気に入りデータを作成した一方のユーザの表示画面のレイアウトの嗜好性が反映された形で、そのお気に入りデータの共有を受けた他方のユーザは同一の表示画面のレイアウトによる画面形態で選択監視カメラの映像データを閲覧できる。
【0086】
また、アクセス許可データは、正規ユーザ情報に基づく第1のユーザ端末(例えばクライアント端末PC1)のみによる作成、編集およびアクセスのうち少なくとも1つが可能に設けられる第1のアクセス許可データと、外部ユーザ情報に基づく第2のユーザ端末(例えばモバイル端末TB1)のみによるアクセスが可能に設けられる第2のアクセス許可データと、を含む。サーバは、第1のアクセス許可データの共有処理の後、第1のアクセス許可データに紐づく監視カメラ情報により特定される選択監視カメラの映像データと対象施設の情報とを有する第1の表示画面を第1のユーザ端末(例えばクライアント端末PC1)に表示させるとともに、第2のアクセス許可データに紐づく監視カメラ情報により特定される選択監視カメラの映像データを有する第2の表示画面を第2のユーザ端末(例えばモバイル端末TB1)に表示させる。これにより、お気に入りデータの作成、編集およびアクセスが正規ユーザ、外部ユーザごとに個別に設定されるので、ユーザごとの嗜好性が反映された形で自由度の高いお気に入りデータの運用が可能となる。また、監視カメラシステム100は、警察官U2自身のお気に入りデータを作成しなくても、正規ユーザであるユーザU1のお気に入りデータでモニタリング対象となっている監視カメラの映像データをリモートでモニタリング用の閲覧できる。
【0087】
また、サーバは、アクセス有効期間の経過を検知すると、そのアクセス有効期間に対応するアクセス許可データを削除する。これにより、監視カメラシステム100は、アクセス有効期間が経過してアクセスさせるべきでないユーザのためのユーザデータの無駄な保存を回避でき、データベースDB1の容量を効果的に確保できる。
【0088】
また、サーバは、アクセス許可データの削除処理の後、第2のユーザ端末からのアクセスを拒否する処理を実行する。これにより、監視カメラシステム100は、アクセス有効期間が経過してアクセスさせるべきでないユーザによるログインを拒否でき、監視カメラの映像データへの不正アクセスを回避できる。
【0089】
また、外部ユーザは、警察官U2である。選択監視カメラの映像データは、警察官U2の職務上一時的なアクセスが許可されるデータである。これにより、監視カメラシステム100は、警察官U2の事件などの捜査のために職務遂行上必要となる監視カメラの映像データへの閲覧を一時的に許可できるので、捜査効率の向上に資することができる。
【0090】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本開示は、ユーザと異なる第三者に監視カメラの映像データの一時的な共有を可能として第三者の業務効率化を支援する監視カメラ映像共有システムおよび監視カメラ映像共有方法として有用である。
【符号の説明】
【0092】
21、31、41 通信デバイス
22、32、42 プロセッサ
23、33、43 メモリ
100 監視カメラシステム
Ca1、Ca2、Cb1、Cb2 監視カメラ
DB1 データベース
TB1 モバイル端末
NW1、NW2 ネットワーク
PC1 クライアント端末
RD レコーダ
S1 DBサーバ
S2 機器管理サーバ
S3 ユーザ管理サーバ
S4 配信制御サーバ