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特開2023-69376焼却システム及び被焼却物の粘度調整方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069376
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】焼却システム及び被焼却物の粘度調整方法
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/02 20060101AFI20230511BHJP
   C02F 11/06 20060101ALI20230511BHJP
   C02F 11/18 20060101ALI20230511BHJP
   F23G 5/50 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
F23G5/02 Z
C02F11/06 B ZAB
C02F11/06 A
C02F11/18
F23G5/50 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181170
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】507214083
【氏名又は名称】メタウォーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】西澤 ▲祥▼太
【テーマコード(参考)】
3K062
3K065
4D059
【Fターム(参考)】
3K062AA11
3K062AA23
3K062AB01
3K062AC02
3K062CB01
3K062DA40
3K062DB11
3K065AA11
3K065AA23
3K065AB01
3K065AC02
3K065CA08
4D059AA04
4D059AA05
4D059AA23
4D059BE00
4D059BJ00
4D059CA01
4D059EA04
4D059EB10
(57)【要約】
【課題】焼却炉内における被焼却物の均一分散に要するエネルギーを抑制することを可能とする焼却システム及び被焼却物の粘度調整方法を提供する。
【解決手段】焼却炉と、焼却炉において焼却する被焼却物に対して熱媒を供給する熱媒供給装置と、被焼却物の物性を測定する測定装置と、測定装置による物性の測定結果に基づき、熱媒供給装置において被焼却物に供給する熱媒の量及び温度のうちの少なくともいずれかを制御する制御装置と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼却炉と、
前記焼却炉において焼却する被焼却物に対して熱媒を供給する熱媒供給装置と、
前記被焼却物の物性を測定する測定装置と、
前記測定装置による前記物性の測定結果に基づき、前記熱媒供給装置において前記被焼却物に供給する前記熱媒の量及び温度のうちの少なくともいずれかを制御する制御装置と、を有する、焼却システム。
【請求項2】
前記熱媒は、水蒸気であって、
前記熱媒供給装置は、前記被焼却物に前記水蒸気を直接供給し、前記被焼却物を直接加熱する、請求項1に記載の焼却システム。
【請求項3】
前記熱媒は、流体であって、
前記熱媒供給装置は、
前記流体と前記被焼却物との間で熱エネルギーを交換する熱交換器を有し、
前記流体の熱により、前記熱交換器を介して前記被焼却物を間接加熱する、請求項1に記載の焼却システム。
【請求項4】
前記熱媒供給装置は、
前記被焼却物を貯留する反応槽と、
前記反応槽に貯留された前記被焼却物に対して前記熱媒として水蒸気を供給する第1供給管と、
前記第1供給管の側面から前記第1供給管の延伸方向と異なる方向に向けて延びる複数の第2供給管と、を有し、
前記第1供給管は、側面において前記水蒸気を噴出する複数の第1噴出孔を有し、
前記複数の第2供給管のそれぞれは、側面において前記第1供給管から供給された前記水蒸気を噴出する複数の第2噴出孔を有する、請求項1に記載の焼却システム。
【請求項5】
焼却炉において焼却する被焼却物の物性を測定し、
前記物性の測定結果に基づき、前記被焼却物に供給する熱媒の量及び温度のうちの少なくともいずれかを調整し、
量及び温度のうちの少なくともいずれかが調整された前記熱媒を前記被焼却物に対して供給し、
前記熱媒が供給された前記被焼却物を前記焼却炉に供給する、被焼却物の粘度調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼却システム及び被焼却物の粘度調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汚泥等の被焼却物(以下、単に被焼却物とも呼ぶ)の焼却炉を含む焼却システムでは、焼却炉に対して被焼却物を投入する各種技術が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭56-157722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような焼却システムでは、焼却炉内における被焼却物の均一分散に要するエネルギーの抑制が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のようなエネルギーの抑制を達成するため、本発明における焼却システムは、焼却炉と、前記焼却炉において焼却する被焼却物に対して熱媒を供給する熱媒供給装置と、前記被焼却物の物性を測定する測定装置と、前記測定装置による前記物性の測定結果に基づき、前記熱媒供給装置において前記被焼却物に供給する前記熱媒の量及び温度のうちの少なくともいずれかを制御する制御装置と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明における焼却システム及び被焼却物の粘度調整方法によれば、焼却炉内における被焼却物の均一分散に要するエネルギーを抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施の形態における焼却システム100の構成について説明する図である。
図2図2は、第1の実施の形態における焼却システム100の構成について説明する図である。
図3図3は、第1の実施の形態における焼却システム100の構成について説明する図である。
図4図4は、熱媒制御処理について説明するフローチャート図である。
図5図5は、熱媒制御処理について説明するフローチャート図である。
図6図6は、熱媒制御処理について説明するフローチャート図である。
図7図7は、直接加熱が行われる場合の熱媒供給装置70の構成について説明する図である。
図8図8は、直接加熱が行われる場合の熱媒供給装置70の構成について説明する図である。
図9図9は、間接加熱が行われる場合の熱媒供給装置70の構成について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0009】
[第1の実施の形態における焼却システム100]
初めに、第1の実施の形態における焼却システム100について説明を行う。図1から図3は、第1の実施の形態における焼却システム100の構成について説明する図である。
【0010】
本実施の形態における焼却システム100は、図1及び図2に示すように、例えば、熱媒供給装置70と、焼却炉80と、制御装置90とを有する。また、焼却システム100は、図3に示すように、焼却炉80の後段設備として、例えば、白煙防止空気予熱器81と、スクラバ82と、排煙処理塔83と、煙突84と、熱交換器85とを有する。
【0011】
図1の説明に戻る。熱媒供給装置70は、例えば、焼却炉80において焼却する被焼却物(以下、汚泥とも表記する)に対して熱媒を供給する。被焼却物は、以下に例示する汚泥を脱水した脱水汚泥(脱水ケーキとも呼ぶ)である。例示する汚泥とは、例えば、最初沈殿池(図示せず)から排出された初沈汚泥を濃縮装置(図示せず)において濃縮した濃縮初沈汚泥や、最終沈殿池(図示せず)から排出された余剰汚泥を濃縮装置において濃縮した濃縮余剰汚泥や、また、例えば、嫌気性細菌によって濃縮初沈汚泥や濃縮余剰汚泥の消化を行う消化槽(図示せず)から排出された消化汚泥である。
【0012】
具体的に、熱媒供給装置70は、図1に示すように、例えば、前段設備から供給された被焼却物を内部において貯留し加熱する反応槽71と、水蒸気を加熱して反応槽71内に直接供給する蒸気加熱器72とを有する。そして、蒸気加熱器72は、例えば、反応槽71に貯留された被焼却物に対して水蒸気を噴出することによって被焼却物を加熱する。言い換えれば、蒸気加熱器72は、この場合、反応槽71に貯留された被焼却物についての直接加熱を行う。
【0013】
また、熱媒供給装置70は、図2に示すように、例えば、蒸気加熱器72に代えて、反応槽71の内部に設けられた熱交換器73を有する。そして、熱交換器73は、例えば、反応槽71に貯留された被焼却物を熱媒(例えば、水や熱媒油等の流体)の保有熱によって加熱する。言い換えれば、熱交換器73は、この場合、反応槽71に貯留された被焼却物についての間接加熱を行う。なお、被焼却物の加熱を行う熱媒は、後述するように、例えば、焼却炉80から排出された排ガスG(図3参照)の保有熱によって昇温された状態で熱交換器73に供給されるものであってよい。
【0014】
すなわち、被焼却物の焼却を行う焼却システムでは、焼却炉に対して被焼却物を投入する際に、焼却炉内において被焼却物が均一に分散されるように粘度を調整する。具体的に、焼却システムでは、例えば、被焼却物の排出口を回転させることによって、焼却炉内における被焼却物の均一分散が行われる(特許文献1を参照)。これにより、焼却システムでは、焼却炉内において被焼却物が局所的に集積されることの抑制が可能になる。
【0015】
本実施の形態では、被焼却物の流動性を高めて被焼却物の均一分散を実現する。本実施の形態における焼却システム100は、焼却炉80に投入される前の被焼却物を熱媒供給装置70において予め加熱することにより、焼却炉80に投入される被焼却物の粘度を抑えて流動性を高める。そして、焼却システム100は、流動性を高めた被焼却物を焼却炉80に投入することにより、焼却炉80内における被焼却物の均一分散を実現する。
【0016】
本実施の形態における焼却システム100では、焼却炉80内における被焼却物の均一分散に要するエネルギーは、後記するように焼却システム100の廃熱を利用することができる。そのため、焼却システム100では、焼却炉80内における被焼却物の均一分散を行うとともに、焼却炉80内における被焼却物の均一分散に要するエネルギーの抑制が可能になる。
【0017】
図1に戻り、制御装置90は、例えば、CPU(Central Computing Unit)及びメモリ等を有するコンピュータである。そして、制御装置90は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置(図示せず)に記憶されたプログラムとCPUとを協働させることによって、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する熱媒の量及び温度のうちの少なくともいずれかを制御(調整)する処理(以下、熱媒制御処理とも呼ぶ)を行う。
【0018】
具体的に、制御装置90は、図1及び図2に示すように、例えば、前段設備(被焼却物の供給元)と熱媒供給装置70(反応槽71)とを連通する配管L1に設けられた測定装置M1と、熱媒供給装置70(反応槽71)と焼却炉80とを連通する配管L2に設けられた測定装置M2とのうちの少なくともいずれかによる被焼却物の物性の測定結果を取得する。測定装置M1及び測定装置M2のそれぞれが測定する被焼却物の物性は、例えば、被焼却物の温度、粘度及び含水率のうちの少なくともいずれかである。そして、制御装置90は、例えば、取得した測定結果に基づいて熱媒制御処理を行う。
【0019】
さらに具体的に、制御装置90は、例えば、測定装置M1によって測定された被焼却物(配管L1を流動する被焼却物)の粘度に基づく熱媒制御処理を行う。また、制御装置90は、例えば、測定装置M1によって測定された被焼却物の含水率に基づく熱媒制御処理を行う。また、制御装置90は、例えば、測定装置M2によって測定された被焼却物(配管L2を流動する被焼却物)の粘度に基づく熱媒制御処理を行う。また、制御装置90は、例えば、測定装置M2によって測定された被焼却物の含水率に基づく熱媒制御処理を行う。さらに、制御装置90は、例えば、測定装置M2によって測定された被焼却物の温度に基づく熱媒制御処理を行う。
【0020】
すなわち、制御装置90は、例えば、測定装置M1または測定装置M2の測定結果から、配管L1または配管L2を流動する被焼却物の流動性が低下しているか否かを判定する。その結果、被焼却物の流動性が低下していると判定した場合、制御装置90は、例えば、被焼却物に供給する熱媒の量や温度を増加させることによって、被焼却物の粘度を低下させて被焼却物の流動性を高める。また、制御装置90は、被焼却物の流動性が高くなっていると判定した場合、熱媒の量や温度を低下させる。熱媒制御処理の詳細については後述する。
【0021】
次に、焼却炉80及び焼却炉80の後段設備について説明を行う。
【0022】
焼却炉80は、図3に示すように、例えば、熱媒供給装置70から供給された被焼却物を焼却する焼却炉である。具体的に、焼却炉80は、各種形態の焼却炉であり、例えば、流動床炉や流動床を有しない固定床炉であってよい。
【0023】
白煙防止空気予熱器81は、排ガスG用の熱交換器であり、焼却炉80から排出された高温の排ガスGの保有熱を用いることによって、大気を昇温して白煙防止空気Aを生成する。白煙防止空気Aは、煙突84から放出される排ガスG中の水蒸気が白煙として見えることを防止するために用いられる加熱空気である。
【0024】
スクラバ82は、白煙防止空気予熱器81の後段に設置され、白煙防止空気予熱器81から出力された排ガスGの不純物を除去する。
【0025】
排煙処理塔83は、塔の下部から排ガスGを導入し、上部の散水ノズル(図示せず)から散水される洗煙水と接触させることによって、排ガスG中のSO等の成分を洗煙水に含ませて除去する。
【0026】
排煙処理塔83が有する熱交換器(図示せず)は、排煙処理塔83から排出された洗煙水(以下、洗煙排水とも呼ぶ)から熱回収を行う。そして、洗煙排水から回収された熱エネルギーによって昇温された熱媒は、例えば、循環ポンプP11によって、配管L11を介して熱交換器73に供給される。
【0027】
また、排煙処理塔83の上部には、煙突84が設置される。排煙処理塔83において洗浄された排ガスGは、煙突84内で白煙防止処理が施された後、煙突84から大気に放出される。
【0028】
熱交換器85は、白煙防止空気Aから熱回収を行う。そして、白煙防止空気Aから回収された熱エネルギーによって昇温された熱媒は、例えば、循環ポンプP12によって、配管L12を介して熱交換器73に供給される。
【0029】
その後、熱交換器73は、例えば、配管L11及び配管L12を介して供給された熱媒の保有熱を用いることによって、反応槽71に貯留された被焼却物の間接加熱を行う。なお、白煙防止空気Aから回収された熱エネルギーによって昇温された熱媒が水蒸気の場合、蒸気加熱器72を介さずにこの水蒸気を反応槽71に直接供給しても良い。
【0030】
なお、蒸気加熱器72において蒸気を発生させる熱源や、熱交換器73に供給する熱媒を昇温する熱源としては、焼却炉80の廃熱を熱交換器で回収し、回収した廃熱を利用しても良い。かかる廃熱利用により、省エネを実現できる。焼却炉80の廃熱は、例えば、排ガスGの保有熱、白煙防止空気Aの保有熱である。他にも、焼却炉80の廃熱は、排煙処理塔83の洗煙排水の保有熱を例えばヒートポンプ等により昇温した熱であっても良い。
【0031】
[熱媒制御処理の詳細]
次に、熱媒制御処理の詳細について説明を行う。図4から図6は、熱媒制御処理について説明するフローチャート図である。
【0032】
[被焼却物の粘度に基づく熱媒制御処理]
初めに、測定装置M2において測定された被焼却物の粘度に基づく熱媒制御処理について説明を行う。なお、測定装置M1において測定された被焼却物の粘度に基づく熱媒制御処理については、測定装置M2において測定された被焼却物の粘度に基づく熱媒制御処理と同様の処理であるため説明を省略する。
【0033】
制御装置90は、図4に示すように、例えば、所定のタイミングにおいて、測定装置M2において測定された被焼却物の粘度を取得する(S11)。所定のタイミングは、例えば、測定装置M2が測定可能な範囲内において連続的なタイミングであってよい。また、所定のタイミングは、例えば、1分間隔等の定期的なタイミングであってもよい。
【0034】
そして、取得した粘度が予め定められた所定範囲以上である場合、制御装置90は、例えば、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する熱媒の量または熱媒の温度を増加させる(S14)。
【0035】
具体的に、熱媒供給装置70において被焼却物の直接加熱が行われる場合、制御装置90は、蒸気加熱器72から被焼却物に噴出する水蒸気の量または水蒸気の温度を増加させる。また、熱媒供給装置70において被焼却物の間接加熱が行われる場合、制御装置90は、熱交換器73に供給する熱媒の量または熱媒の温度を増加させる。
【0036】
すなわち、制御装置90は、取得した粘度が予め定められた所定範囲以上である場合、焼却炉80に投入する被焼却物の流動性が低下していると判定する。そのため、制御装置90は、この場合、被焼却物に対して供給する熱媒の量と熱媒の温度とのうちの少なくともいずれかを増加させることで、焼却炉80に投入する被焼却物をより加熱して流動性を高める。
【0037】
また、取得した粘度が予め定められた所定範囲内である場合、制御装置90は、例えば、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する熱媒の量及び温度を維持する(S13)。
【0038】
具体的に、熱媒供給装置70において被焼却物の直接加熱が行われる場合、制御装置90は、蒸気加熱器72から被焼却物に噴出する水蒸気の量及び水蒸気の温度を維持する。また、熱媒供給装置70において被焼却物の間接加熱が行われる場合、制御装置90は、熱交換器73に供給する熱媒の量及び熱媒の温度を維持する。
【0039】
すなわち、制御装置90は、取得した粘度が予め定められた所定範囲内である場合、焼却炉80に投入する被焼却物の流動性をさらに高める必要がないと判定する。そのため、制御装置90は、この場合、被焼却物に対して供給する熱媒の量及び熱媒の温度を維持する。
【0040】
一方、取得した粘度が予め定められた所定範囲未満である場合、制御装置90は、例えば、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する熱媒の量または熱媒の温度を減少させる(S12)。
【0041】
具体的に、熱媒供給装置70において被焼却物の直接加熱が行われる場合、制御装置90は、蒸気加熱器72から被焼却物に噴出する水蒸気の量または水蒸気の温度を減少させる。また、熱媒供給装置70において被焼却物の間接加熱が行われる場合、制御装置90は、熱交換器73に供給する熱媒の量または熱媒の温度を減少させる。
【0042】
すなわち、制御装置90は、取得した粘度が予め定められた所定範囲未満である場合、焼却炉80に投入する被焼却物の流動性をさらに高める必要がないと判定するともに、被焼却物に対して供給する熱媒の量と熱媒の温度とのうちの少なくともいずれかを減少させることか可能であると判定する。そのため、制御装置90は、この場合、被焼却物に対して供給する熱媒の量と熱媒の温度とのうちの少なくともいずれかを減少させる。
【0043】
これにより、制御装置90は、焼却炉80に投入する被焼却物の流動性を維持しながら、被焼却物の加熱に要する熱量(エネルギー)を抑制することが可能になる。
【0044】
なお、制御装置90は、例えば、S11からS14までの各処理をPID制御(Proportional Integral Differential Controller)によって繰り返し実行するものであってよい。
【0045】
また、制御装置90は、取得した粘度が予め定められた所定範囲未満である場合、例えば、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する熱媒の量及び熱媒の温度を維持するものであってもよい。この場合、制御装置90は、例えば、熱媒制御処理の実行に伴う処理負担を軽減させることが可能になる。
【0046】
[被焼却物の温度に基づく熱媒制御処理]
次に、測定装置M2において測定された被焼却物の温度に基づく熱媒制御処理について説明を行う。汚泥が被焼却物の場合、汚泥の温度が高いと流動性が高くなり、汚泥の温度が低いと流動性が低くなる傾向がある。そこで、この汚泥の性状を利用して熱媒の温度や供給量を制御する。
【0047】
制御装置90は、図5に示すように、例えば、所定のタイミングにおいて、測定装置M2において測定された被焼却物の温度を取得する(S21)。
【0048】
そして、取得した温度が予め定められた所定範囲未満である場合、制御装置90は、例えば、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する熱媒の量または熱媒の温度を増加させる(S24)。
【0049】
すなわち、制御装置90は、この場合、S14の処理の場合と同様に、焼却炉80に投入する被焼却物の流動性が低下していると判定する。そのため、制御装置90は、この場合、被焼却物に対して供給する熱媒の量と熱媒の温度とのうちの少なくともいずれかを増加させることで、焼却炉80に投入する被焼却物をより加熱して流動性を高める。
【0050】
また、取得した温度が予め定められた所定範囲内である場合、制御装置90は、例えば、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する熱媒の量または熱媒の温度を維持する(S23)。
【0051】
すなわち、制御装置90は、この場合、S13の処理の場合と同様に、焼却炉80に投入する被焼却物の流動性をさらに高める必要がないと判定する。そのため、制御装置90は、この場合、被焼却物に対して供給する熱媒の量及び熱媒の温度を維持する。
【0052】
一方、取得した温度が予め定められた所定範囲以上である場合、制御装置90は、例えば、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する熱媒の量または熱媒の温度を減少させる(S22)。
【0053】
すなわち、制御装置90は、この場合、S12の処理の場合と同様に、焼却炉80に投入する被焼却物の流動性をさらに高める必要がないと判定するともに、被焼却物に対して供給する熱媒の量と熱媒の温度とのうちの少なくともいずれかを減少させることか可能であると判定する。そのため、制御装置90は、この場合、被焼却物に対して供給する熱媒の量と熱媒の温度とのうちの少なくともいずれかを減少させる。
【0054】
これにより、制御装置90は、被焼却物の粘度に基づく熱媒制御処理の場合と同様に、焼却炉80に投入する被焼却物の流動性を維持しながら、被焼却物の加熱に要する熱量(エネルギー)を抑制することが可能になる。
【0055】
なお、制御装置90は、例えば、S21からS24までの各処理をPID制御によって繰り返し実行するものであってよい。
【0056】
また、制御装置90は、例えば、取得した温度が予め定められた所定範囲以上である場合、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する熱媒の量及び熱媒の温度を維持するものであってもよい。この場合、制御装置90は、例えば、熱媒制御処理の実行に伴う処理負担を軽減させることが可能になる。
【0057】
[被焼却物の加熱に必要な熱媒の量の算出方法]
次に、被焼却物の加熱に必要な熱媒の量の算出に用いる各式について説明を行う。
【0058】
反応槽71に貯留された被焼却物の加熱(昇温)に要する熱量は、例えば、以下の式(1)に従って算出することが可能である。
【0059】
被焼却物の加熱に必要な熱量(kJ)=(被焼却物中の固形物の比熱(kJ/(kg・℃))×被焼却物中の固形物の重量(kg)+水の比熱(kJ/(kg・℃))×被焼却物中の水分の重量(kg)+空気の比熱(kJ/(kg・℃))×反応槽71中の空気の重量(kg))×被焼却物を昇温させる温度(℃)・・・式(1)
【0060】
なお、空気の加温に必要な熱量は小さいので、式(1)における、空気の比熱(kJ/(kg・℃))×反応槽71中の空気の重量(kg)については削除しても良い。
【0061】
また、反応槽71に貯留された被焼却物の加熱に要する熱量は、例えば、上記の式(1)に必要な補正係数を乗算することによって算出するものであってもよい。
【0062】
そして、例えば、反応槽71に貯留された被焼却物の加熱を水蒸気による直接加熱によって行う場合、被焼却物の加熱に要する水蒸気の量(被焼却物に対して噴出する必要がある水蒸気の量)は、以下の式(2)に従って算出することが可能である。
【0063】
被焼却物の加熱に必要な水蒸気の量(kg)=被焼却物の加熱に必要な熱量(kJ)÷水蒸気の全熱(kJ/kg)・・・式(2)
【0064】
また、例えば、反応槽71に貯留された被焼却物の加熱を水蒸気による間接加熱によって行う場合、被焼却物の加熱に要する水蒸気の量(熱交換器73に対して供給する必要がある水蒸気の量)は、以下の式(3)に従って算出することが可能である。
【0065】
被焼却物の加熱に必要な水蒸気の量(kg)=被焼却物の加熱に必要な熱量(kJ)÷水蒸気の潜熱(kJ/kg)・・・式(3)
【0066】
さらに、例えば、反応槽71に貯留された被焼却物の加熱を水蒸気以外の熱媒(例えば、熱媒油)による間接加熱によって行う場合、被焼却物の加熱に要する熱媒の量(熱交換器73に対して供給する必要がある熱媒の量)は、以下の式(4)に従って算出することが可能である。
【0067】
被焼却物の加熱に必要な熱媒の量(kg)=被焼却物の加熱に必要な熱量(kJ)÷(熱媒の比熱(kJ/(kg・℃))×被焼却物の加熱前後における熱媒の温度差)・・・式(4)
【0068】
本実施の形態の制御装置90は、式(1)から式(4)に基づき、被焼却物の加熱に必要な熱媒の量を演算し、この演算結果に基づき、熱媒の供給量を決定する。
【0069】
[被焼却物の含水率に基づく熱媒制御処理]
次に、測定装置M2において測定された被焼却物の含水率に基づく熱媒制御処理について説明を行う。被焼却物の含水率に基づく熱媒制御処理は、例えば、熱媒供給装置70において被焼却物の直接加熱が行われる場合に行われる処理である。なお、測定装置M1において測定された被焼却物の含水率に基づく熱媒制御処理については、測定装置M2において測定された被焼却物の含水率に基づく熱媒制御処理と同様の処理であるため説明を省略する。
【0070】
制御装置90は、図6に示すように、例えば、所定のタイミングにおいて、測定装置M2において測定された被焼却物の含水率を取得する(S31)。
【0071】
そして、取得した含水率が予め定められた所定閾値以上である場合、制御装置90は、例えば、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する水蒸気の量を減少させるとともに、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する水蒸気の温度を増加させる(S32)。
【0072】
一方、取得した含水率が予め定められた所定閾値未満である場合、制御装置90は、例えば、S32の処理を行わない。
【0073】
すなわち、制御装置90は、取得した含水率が予め定められた所定閾値以上である場合、被焼却物の含水率が高く、熱媒供給装置70において被焼却物に対する水蒸気の供給を継続することにより、被焼却物の含水率が焼却炉80において自燃可能な含水率の範囲を上回る可能性があると判定する。そのため、制御装置90は、この場合、水蒸気の量を減少させる。また、温度を維持したまま水蒸気の量を減少すると、被焼却物が所望の粘度にならない場合があるので、水蒸気の温度を増加させる。
【0074】
これにより、制御装置90は、加熱によって被焼却物に供給する熱量を維持しながら、焼却炉80に投入される被焼却物の含水率を自燃可能な範囲内に抑えることが可能になる。
【0075】
また、被焼却物の含水率を被焼却物の流動性の判断指標として利用し、被焼却物の直接加熱に適用することもできる。例えば、水蒸気により被焼却物を直接加熱する場合、測定装置M1は直接加熱前の被焼却物の含水率を測定し、測定装置M2は直接加熱後の被焼却物の含水率を測定し、制御装置90は、直接加熱前後の被焼却物の含水率の差分を算出する。制御装置90は、算出した差分が所定の閾値以上の場合、被焼却物の流動性が高いと判断し、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する水蒸気の量、温度の少なくとも1つを減少させる。また、制御装置90は、算出した差分が所定の閾値未満の場合、被焼却物の流動性が低いと判断し、熱媒供給装置70において被焼却物に供給する水蒸気の量、温度の少なくとも1つを増加させる。
【0076】
なお、制御装置90は、例えば、S31及びS32の各処理をPID制御によって繰り返し実行するものであってよい。
【0077】
[熱媒供給装置70の変形例]
次に、熱媒供給装置70の変形例について説明を行う。
【0078】
制御装置90は、例えば、反応槽71に貯留された被焼却物が可溶化するように制御を行うものであってもよい。
【0079】
具体的に、制御装置90は、例えば、反応槽71に設けられた温度計(図示せず)によって測定された反応槽71内の温度と、反応槽71に設けられた圧力計(図示せず)によって測定された反応槽71内の圧力とを取得するものであってよい。そして、制御装置90は、例えば、取得した温度及び圧力のそれぞれが予め定められた条件(以下、可溶化条件とも呼ぶ)を満たすように、反応槽71に貯留された被焼却物に対して供給される熱媒の量及び熱媒の温度の制御(例えば、PID制御)を行うものであってもよい。
【0080】
これにより、制御装置90は、図4等で説明した場合と同様に、焼却炉80に投入する被焼却物の流動性を維持することが可能になる。
【0081】
[直接加熱が行われる場合の熱媒供給装置70の構成]
次に、直接加熱が行われる場合の熱媒供給装置70の構成について説明を行う。図7及び図8は、直接加熱が行われる場合の熱媒供給装置70の構成について説明する図である。具体的に、図7は、熱媒供給装置70の斜視図である。また、図8(A)は、第1供給管74及び第2供給管75の正面図であり、図8(B)は、図8(A)におけるA-A断面図である。
【0082】
反応槽71は、図7に示すように、前段設備(被焼却物の供給元)から供給された被焼却物を反応槽71内に排出する第1配管71aと内部において連通する。また、反応槽71は、反応槽71内に貯留した被焼却物を焼却炉80に排出する第2配管71bと内部において連通する。そして、反応槽71に貯留された被焼却物は、例えば、反応槽71の外部に設けられた引抜ポンプ(図示せず)等によって反応槽71内から排出される。
【0083】
なお、図7に示す例では、反応槽71が円筒形状である場合について説明を行うがこれに限られない。具体的に、反応槽71は、例えば、後述する図9に示すように、矩形形状であるものであってもよい。また、図7に示す例では、第1配管71aが反応槽71の内側底面71c付近において反応槽71の内部と連通しており、第2配管71bが反応槽71の内側天井部71d付近において反応槽71の内部と連通しているがこれに限られない。具体的に、第1配管71aは、例えば、反応槽71の天井部71dにおいて反応槽71の内部と連通するものであってもよい。また、第2配管71bは、例えば、反応槽71の内側底面71cにおいて反応槽71の内部と連通するものであってもよい。
【0084】
さらに、反応槽71は、図7に示すように、蒸気加熱器72から供給された水蒸気を反応槽71に貯留された被焼却物に対して供給する第1供給管74と、第1供給管74と内部において連通し、第1供給管74から流入した水蒸気を反応槽71に貯留された被焼却物に対して供給する複数の第2供給管75とを有する。
【0085】
複数の第2供給管75のそれぞれは、一端(根本)において第1供給管74と連通し、他端(先端)が第1供給管74の延伸方向と異なる方向に向けて延びる配管である。具体的に、第1供給管74は、図7に示すように、例えば、垂直方向に延びる配管であり、複数の第2供給管75のそれぞれは、例えば、水平方向に延びる配管である。
【0086】
第1供給管74は、例えば、熱媒供給装置70の外部に設けられたモータ(図示せず)によって長軸周りに回転可能に設けられている。すなわち、第1供給管74が回転することにより、複数の第2供給管75は、反応槽71に貯留された被焼却物を撹拌する撹拌翼としても機能する。
【0087】
また、第1供給管74は、図8(A)及び図8(B)に示すように、例えば、側面において水蒸気を噴出する複数の第1噴出孔74aを有する。さらに、複数の第2供給管75のそれぞれは、図8(A)及び図8(B)に示すように、例えば、側面において第1供給管74から供給された水蒸気を噴出する複数の第2噴出孔75aを有する。
【0088】
そして、図7に示す例において、第1供給管74の垂直下方向から供給された水蒸気は、図7の実線矢印に示すように、例えば、第1供給管74内を垂直上方向に向けて流動する。これに伴い、第1供給管74内を流動する水蒸気の少なくとも一部は、図7の実線矢印に示すように、例えば、複数の第2供給管75の第1供給管74側の一端(根本)から他端(先端)に向けて流動する。
【0089】
その結果、第1供給管74内に供給された水蒸気は、第1供給管74に設けられた複数の第1噴出孔74aから被焼却物に向けて噴出されるとともに、複数の第2供給管75のそれぞれに設けられた複数の第2噴出孔75aからも被焼却物に向けて噴出される。
【0090】
すなわち、本実施の形態における熱媒供給装置70では、第1供給管74に設けられた複数の第1噴出孔74aからのみでなく、複数の第2供給管75のそれぞれに設けられた複数の第2噴出孔75bからも被焼却物に対する水蒸気の噴出が行われる。そのため、熱媒供給装置70では、水蒸気と被焼却物との接触効率を高めることが可能になり、反応槽71に貯留された被焼却物の加熱を効率的に行うことが可能になる。
【0091】
また、熱媒供給装置70では、第1供給管74が回転しながら水蒸気を噴出することにより、水蒸気と被焼却物との接触効率をさらに高めることが可能になる。
【0092】
さらに、熱媒供給装置70では、第1供給管74が回転しながら水蒸気を噴出することにより、反応槽71内における各位置の被焼却物に対して水蒸気を均等に接触させることが可能になる。そのため、熱媒供給装置70では、水蒸気によって加熱されない被焼却物の発生を抑制することが可能になり、被焼却物の流動性を均等に高めることが可能になる。
【0093】
なお、熱媒供給装置70は、例えば、反応槽71に対する被焼却物の供給、反応槽71における被焼却物の加熱及び反応槽71からの被焼却物の排出を間欠的に行うものであってもよいし、反応槽71に対する被焼却物の供給、反応槽71における被焼却物の加熱及び反応槽71からの被焼却物の排出を連続的に行うものであってもよい。
【0094】
また、図7及び図8に示す例では、第1供給管74が垂直方向に延びており、第1供給管74内に対して垂直下方向から水蒸気が供給される場合について説明を行ったがこれに限られない。具体的に、熱媒供給装置70では、例えば、第1供給管74が水平方向に延びており、第1供給管74内に対して水平方向から水蒸気が供給されるものであってもよい。
【0095】
また、図7及び図8に示す例では、反応槽71に第1供給管74が1本のみ設けられる場合について説明を行ったがこれに限られない。具体的に、反応槽71には、2本以上の本数の第1供給管が設けられるものであってもよい。
【0096】
さらに、図7及び図8に示す例では、第1供給管74の側面において6本の第2供給管75が設けられている場合について説明を行ったがこれに限られない。具体的に、第1供給管74の側面には、6本以外の本数の第2供給管75が設けられるものであってもよい。
【0097】
[間接加熱が行われる場合の熱媒供給装置70の構成]
次に、間接加熱が行われる場合の熱媒供給装置70の構成について説明を行う。図9は、間接加熱が行われる場合の熱媒供給装置70の構成について説明する図である。具体的に、図9は、熱媒供給装置70の斜視図である。
【0098】
熱媒供給装置70は、図9に示すように、例えば、反応槽71の内部において熱交換器73を有する。
【0099】
そして、熱交換器73は、図9に示すように、例えば、少なくとも一部が反応槽71内に設けられた配管73aを有する。具体的に、配管73aは、例えば、反応槽71の内側底面71eに沿って複数回折り返しながら延びる。なお、図9に示す例では、配管73aが反応槽71の内側底面71eのみに沿って複数回折り返しながら延びているが、配管73aは、例えば、反応槽71の内側底面71e及び内側壁面71fのそれぞれに沿って複数回折り返しながら延びるものであってもよい。
【0100】
そして、熱媒供給装置70(熱交換器73)では、例えば、配管73a内に熱媒を流入させることによって、反応槽71内に貯留された被焼却物の加熱(間接加熱)を行う。
【0101】
また、熱交換器73は、例えば、反応槽71に蓄えられた被焼却物を撹拌する撹拌棒73bと、撹拌棒73bを長軸周りに回転させるモータ73dとを有する。さらに、撹拌棒73bには、例えば、被焼却物の撹拌を促進するための撹拌翼73cが取り付けられている。
【0102】
なお、図9に示す例では、2枚の矩形の撹拌翼73cが撹拌棒73bに取り付けられているがこれに限られない。撹拌棒73bには、2枚以外の枚数の撹拌翼73cが取り付けられるものであってもよく、矩形以外の形状の撹拌翼73c(例えば、円弧形状の撹拌翼73c)が取り付けられるものであってもよい。
【0103】
そして、熱交換器73は、例えば、配管73a内を流れる熱媒によって被焼却物を加熱する際に、モータ73dによる撹拌棒73bの回転によって被焼却物を撹拌する。
【0104】
これにより、熱媒供給装置70は、反応槽71に貯留された被焼却物の加熱を効率的に行うことが可能になる。
【0105】
なお、図9において、撹拌棒73bおよび撹拌翼73cを熱媒用の伝熱管として機能させ、熱媒の流入口、流出口、及び、流入口と流出口とを連結する配管を設けるようにしてもよい。
【0106】
また、汚泥の流入口と流出口とを備えた反応槽71に、汚泥の流入口から流出口に汚泥を搬送するスクリューを設け、さらに、このスクリューを熱媒用の伝熱管として機能させてもよい。
【符号の説明】
【0107】
70:熱媒供給装置 71:反応槽
71a:第1配管 71b:第2配管
71c:内側底面 71d:天井部
71e:内側底面 71f:内側側面
72:蒸気加熱器 73:熱交換器
73a:配管 73b:撹拌棒
73c:撹拌翼 73d:モータ
72:加熱器 74:第1供給管
74a:第1噴出孔 75:第2供給管
75a:第2噴出孔 80:焼却炉
81:白煙防止空気予熱器 82:スクラバ
83:排煙処理塔 84:煙突
85:熱交換器 90:制御装置
100:焼却システム A:白煙防止空気
G:排ガス L1:配管
L2:配管 L11:配管
L12:配管 P11:ポンプ
P12:ポンプ M1:測定装置
M2:測定装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9