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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069400
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】加盟店入金処理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20230511BHJP
【FI】
G06Q20/08
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181216
(22)【出願日】2021-11-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安本 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】和氣 萌乃
(72)【発明者】
【氏名】福岡 融
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA21
(57)【要約】
【課題】加盟店口座への入金処理を柔軟に行うことを可能にする加盟店入金処理システムおよび方法を提供する。
【解決手段】加盟店口座への入金処理を行う加盟店入金処理システムは、加盟店口座に対する入金額を、決済金融機関のトンネル口座に移動する第1の入金手段であって、トンネル口座は、当該入金額を一時的に保持する口座である、第1の入金手段と、加盟店の任意のタイミングで、当該入金額をトンネル口座から加盟店口座へ入金する第2の入金手段とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加盟店口座への入金処理を行う加盟店入金処理システムであって、
前記加盟店口座に対する入金額を、決済金融機関のトンネル口座に移動する第1の入金手段であって、前記トンネル口座は、前記入金額を一時的に保持する口座である、第1の入金手段と、
加盟店の任意のタイミングで、前記入金額を前記トンネル口座から前記加盟店口座へ入金する第2の入金手段と
を備えた加盟店入金処理システム。
【請求項2】
前記第2の入金手段は、前記加盟店ごとに設定された入金サイクル情報に基づいて前記加盟店口座へ入金処理を行うことを特徴とする請求項1に記載に加盟店入金処理システム。
【請求項3】
前記入金サイクル情報は、対象の前記加盟店を識別するための加盟店コード、対象取引の集約期間を指定する取引集約日、前記加盟店口座への入金日、前記加盟店コードの入金処理を合算対象とするかしないかを指定するフラグ、および前記入金日が休日である場合に前営業日にするか、または翌営業日にするかを指定する休日コード、さらに前記対象取引の種類を指定するサービスコードを含むことを特徴とする請求項2に記載の加盟店入金処理システム。
【請求項4】
前記第1の入金手段は、前記入金サイクル情報が設定されていない加盟店に対する入金額を、前記トンネル口座へ移動せずに、前記加盟店口座に対して直接入金することを特徴とする請求項2または3に記載の加盟店入金処理システム。
【請求項5】
前記第2の入金手段は、前記加盟店ごとに、前記トンネル口座に保持された複数の取引の合計金額を前記入金額として前記加盟店口座へ入金することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の加盟店入金処理システム。
【請求項6】
前記入金額は、デビット決済によって生じたものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の加盟店入金処理システム。
【請求項7】
加盟店口座への入金処理を行う方法であって、
前記加盟店口座に対する入金額を、決済金融機関のトンネル口座に移動する第1の入金ステップであって、前記トンネル口座は、前記入金額を一時的に保持する口座である、第1の入金ステップと、
加盟店の任意のタイミングで、前記入金額を前記トンネル口座から前記加盟店口座へ入金する第2の入金ステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加盟店入金処理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デビット決済やクレジット決済、電子マネー決済など、決済手段が多様化している。このような決済手段に対応するため、多くの加盟店は、各決済手段を包括的に取扱う決済代行業者と契約をすることで、様々な決済手段を利用者に提供している。
【0003】
上記決済手段において、決済後の加盟店口座への入金は、基本的に決済代行業者経由で行われ、決済代行業者が決済手段毎の入金額を纏めて加盟店口座に入金するケースが大半である。
【0004】
図8は、従来の加盟店入金スキームを説明する図である。ここでは、デビット決済による加盟店入金スキームを例として説明する。
【0005】
従来の加盟店入金スキーム800では、まず、加盟店での取引が発生すると、利用者口座801から代金が引き落とされ、その発生日から2営業日後に決済金融機関の別段預金口座(デビット用)802へ入金がなされる。次いで、複数の金融機関の決済情報を集中管理し、各手数料、入金額、および出金額を相殺した決済金額を提供するクリアリングセンタ803から決済金融機関へ伝送されるクリアリングデータ804(いわゆる、決済尻データ)に基づいてクリアリング処理805が行われ、別段預金口座(デビット用)802への入金日の翌営業日、すなわち、加盟店での取引発生日から3営業日後に、加盟店口座806に入金がなされる。従来の加盟店入金スキーム800では、このような入金処理が、加盟店口座に対して日次に行われている。
【0006】
例えば、特許文献1には、取りまとめ口座(別段預金口座)を利用して加盟店への入金を行う決済システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-055669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したように、加盟店での取引発生日から3営業日後に加盟店口座へ日次に入金がなされると、加盟店側の資金管理が煩雑になってしまうという問題があった。
【0009】
本開示は、このような問題に鑑みてなされたものであり、加盟店口座への入金処理を柔軟に行うことを可能にする加盟店入金処理システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態によると、加盟店口座への入金処理を行う加盟店入金処理システムは、前記加盟店口座に対する入金額を、決済金融機関のトンネル口座に移動する第1の入金手段であって、前記トンネル口座は、前記入金額を一時的に保持する口座である、第1の入金手段と、前記加盟店の任意のタイミングで、前記入金額を前記トンネル口座から前記加盟店口座へ入金する第2の入金手段とを備える。
【0011】
また、一実施形態によると、加盟店口座への入金処理を行う方法は、前記加盟店口座に対する入金額を、決済金融機関のトンネル口座に移動する第1の入金ステップであって、前記トンネル口座は、前記入金額を一時的に保持する口座である、第1の入金ステップと、前記加盟店の任意のタイミングで、前記入金額を前記トンネル口座から前記加盟店口座へ入金する第2の入金ステップとを含む。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、加盟店口座への入金処理を柔軟に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態に係る加盟店入金スキームの概要を説明する図である。
図2】一実施形態に係る加盟店入金処理システムの概略構成図である。
図3】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
図4】一実施形態に係る決済金融機関システムの機能構成例を示す図である。
図5】一実施形態に係る加盟店入金処理のフローチャートである。
図6】一実施形態に係る入金サイクル情報の例を示す図である。
図7】一実施形態に係る加盟店入金処理の具体例を説明する図である。
図8】従来の加盟店入金スキームの概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して、本開示の実施形態について詳細に説明する。本明細書及び添付の図面を通して同じ要素には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
(概要)
図1は、一実施形態に係る加盟店入金スキームの概要を説明する図である。ここでは、図8と同様に、デビット決済による加盟店入金スキームを例として説明する。なお、デビット決済としては、J-Debit(登録商標)やBank Pay(登録商標)などの方式が知られており、カードに限らず、スマートフォンなどの端末装置にインストールされたアプリケーションプログラムを利用して決済を行うことも可能である。
【0016】
加盟店入金スキーム100は、図8の加盟店入金スキーム800と比較すると、クリアリング処理105の後、決済金融機関の別段預金口座107(以下、トンネル口座とも称する)を介して、各金融機関の加盟店口座108へ入金処理を行うことを可能にした点で異なる。
【0017】
加盟店入金スキーム100では、まず、加盟店での取引が発生すると(すなわち、デビット決済が行われると)、利用者口座101から代金が引き落とされ、その発生日から2営業日後に決済金融機関の別段預金口座(デビット用)102へ入金がなされる。次いで、複数の金融機関の決済情報を集中管理し、各手数料、入金額、および出金額を相殺した決済金額を提供するクリアリングセンタ103から決済金融機関へ伝送されるクリアリングデータ104(いわゆる、決済尻データ)に基づいてクリアリング処理105が行われ、別段預金口座(デビット用)102への入金日の翌営業日、すなわち、加盟店での取引発生日から3営業日後に、予め登録された入金サイクル情報に基づいて加盟店口座106に入金がなされ、あるいは、決済金融機関の別段預金口座(トンネル口座)107に入金がなされる。次いで、入金サイクル情報に基づいて、各加盟店の任意のタイミングで、トンネル口座107から加盟店口座108への入金がなされる。また、入金がなされると、入金データが累積して記憶され、入金データに基づいて加盟店宛の入金明細が作成される。なお、入金サイクルとは、加盟店に対する月ごとの入金処理のサイクルを意味する。また、入金サイクル情報については後述する。
【0018】
クリアリングセンタ103は、CAFIS(Credit and Finance Information Switching system)から受信するデータに基づいて、加盟店と金融機関との間でデビット決済の取引データを連携させることができる。取引データのうち、「加盟店売上入金データファイル」(クリアリングデータ104)に基づいて、加盟店入金処理(クリアリング処理)が実施される。
【0019】
このように、本実施形態による加盟店入金スキーム100では、いったん、トンネル口座107に加盟店の入金額を移動させ、次いで、当該加盟店が指定する入金サイクルに応じて任意のタイミングで、トンネル口座107から加盟店口座108への入金処理を実施する。すなわち、トンネル口座107は、入金額を一時的に保持する口座である。また、入金サイクルが設定されていない加盟店口座への入金額は、トンネル口座107に移動せずに、従来通り取引発生日から3営業日後に加盟店口座に対して直接入金する。こうすることで、加盟店口座への入金処理を柔軟に行うことを可能にし、加盟店側の資金管理をより容易にすることができる。
【0020】
(システム構成例)
図2は、一実施形態に係る加盟店入金処理システムの概略構成図である。加盟店入金システム200において、クリアリングセンタ201と決済金融機関システム202とは、外部からのアクセスが制限される専用回線又は暗号化通信網などのセキュアなネットワーク206を介して通信可能に接続されている。決済金融機関システム202は、別段預金口座(デビット用)102、およびトンネル口座107を管理し、クリアリングセンタ201から受信したクリアリングデータ104を受信してクリアリング処理105を行う。クリアリング処理105は、加盟店口座106およびトンネル口座107に対する入金処理を含む。また、加盟店入金システム200では、決済金融機関システム202と金融機関システム203、204、205とが、外部からのアクセスが制限される専用回線又は暗号化通信網などのセキュアなネットワーク207を介して通信可能に接続され、クリアリング処理105を行った後に、決済金融機関システム202は金融機関システム203、204、205が管理する加盟店口座への入金指示データを送信する(すなわち、入金処理を実施する)。
【0021】
クリアリングセンタ201、決済金融機関システム202、および金融機関システム203、204、205は、1つまたは複数のサーバコンピュータによって構成され、上述したような各種処理を行う。なお、加盟店口座を管理する金融機関システムの数は、図2に示された3つに限定されるわけではない。
【0022】
(コンピュータのハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成例を示す。コンピュータ300は、クリアリングセンタ201、決済金融機関システム202、および金融機関システム203、204、205を構成する1つまたは複数のサーバコンピュータとすることができる。
【0023】
本実施形態におけるコンピュータ300は、プロセッサ301と、メモリ302と、記憶装置303と、通信インターフェース(I/F)305と、入力装置306と、表示装置307とを備え、これらはバス310を介して通信可能に接続されている。
【0024】
プロセッサ301は、CPU(Central Processing Unit)とすることができ、バス310を介して接続された他の各構成要素を制御し、データを処理する。また、プロセッサ301は、メモリ302または記憶装置303に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、本実施形態に係る各種処理を実行する。
【0025】
メモリ302は、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、本実施形態に係る各種処理を実行するためのプログラム及びデータを記憶する。RAMは、ワークメモリとして動作し、プロセッサ301が読み出したプログラムをロードすることができる。
【0026】
記憶装置303は、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)などの大容量記憶装置とすることができ、本実施形態に係る各種処理を実行するためのプログラム及びデータを記憶する。
【0027】
通信インターフェース(I/F)305は、有線または無線ネットワークに接続し、データを送受信するためのインターフェースであって、他のコンピュータとの通信を可能にする。
【0028】
入力装置306は、キーボード、マウス、表示装置307を兼ねるタッチパネルディスプレイなどとすることができる。
【0029】
表示装置307は、液晶ディスプレイや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどとすることができる。
【0030】
尚、コンピュータのハードウェア構成は上述した構成例に限定されるものではなく、その他の構成要素を含んでよい。
【0031】
(機能構成)
図4は、一実施形態に係る決済金融機関システムの機能構成例を示す図である。決済金融機関システム400は、クリアリングデータ受信部401、第1入金処理部403、および第2入金処理部405を含む。これらの機能部は、図3を参照して説明したように、コンピュータ300のプロセッサ301がメモリ302または記憶装置303に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実装され得る。ここでは、特に本実施形態に関する機能部について説明するが、当然ながら決済金融機関システム400はその他の機能部も含み得る。
【0032】
クリアリングデータ受信部401は、クリアリングセンタ410からクリアリングデータを受信し、記憶する。
【0033】
第1入金処理部403は、受信したクリアリングデータと、予め記憶された入金サイクル情報とに基づいて、入金額を加盟店口座またはトンネル口座に入金する。ここでの入金処理は、取引発生日から3営業日後に行われる。また、入金サイクル情報が設定された加盟店の入金額は、トンネル口座に入金され、入金サイクル情報が設定されていない加盟店の入金額は、加盟店口座に入金される。
【0034】
第2入金処理部405は、入金サイクル情報に基づいて、入金対象の加盟店口座を管理する金融機関システムに、トンネル口座から加盟店口座への入金指示データを送信する(すなわち、入金処理を実施する)。ここでは、入金サイクル情報で指定された加盟店の所望の入金サイクルに従って、入金指示データが送信される。詳細は後述する。
【0035】
(加盟店入金処理)
図5は、一実施形態に係る加盟店入金処理のフローチャートを示す。以下に説明する加盟店入金処理の各ステップは、図4を参照して上述した決済金融機関システム400の機能部によって実施される。
【0036】
ステップS501において、決済金融機関システム400のクリアリングデータ受信部401は、クリアリングセンタ410からクリアリングデータを受信する。受信したクリアリングデータは、決済金融機関システム400に記憶される。
【0037】
次いで、ステップS502において、決済金融機関システム400の第1入金処理部403は、S501にて受信したクリアリングデータと、決済金融機関システム400に予め記憶された入金サイクル情報とに基づいて、入金額を加盟店口座またはトンネル口座に入金する。具体的には、処理対象の加盟店についての入金サイクル情報が設定されている場合、当該加盟店の入金額はトンネル口座に入金される。一方、処理対象の加盟店に入金サイクル情報が設定されていない場合、当該加盟店の入金額は直接、加盟店口座へ入金される。本ステップにおける入金処理は、取引発生日、すなわち、利用者が加盟店でデビット決済を利用した日から3営業日後に行われる。
【0038】
ステップS503において、決済金融機関システム400の第2入金処理部405は、入金サイクル情報に基づいて、入金対象の加盟店口座を管理する金融機関システムに、トンネル口座から加盟店口座への入金指示データを送信する。より具体的には、入金サイクル情報が設定された加盟店の所望の入金サイクルに従って、入金指示データが送信される。
【0039】
(具体例)
図6は、一実施形態に係る入金サイクル情報の例を示す図である。入金サイクル情報600は、取扱開始日601、取扱終了日602、入金口座情報603、フラグ604、加盟店コード605、加盟店サブコード606、取引集約日607、入金日608、休日コード609、サービスコード610を含む。なお、入金サイクル情報600に含まれる情報は、これらに限定されるものではない。
【0040】
取扱開始日601および取扱終了日602は、設定された入金サイクルが有効である期間を示す。
【0041】
入金口座情報603は、入金店番号、科目、および口座番号を含み、加盟店の入金口座(すなわち、加盟店口座)を示す。
【0042】
フラグ604は、同一入金口座かつ同一入金サイクルである複数の加盟店コードに関し、一部の加盟店コードを対象に入金を纏めて処理するか、別々に処理するかを示す。フラグ604が「0」の場合は、対象の加盟店コードに対応する入金口座にそれぞれ入金処理を行う。フラグ604が「1」の場合は、対象の加盟店コードに対応する入金口座が同一の場合に、対象先については纏めて入金処理を行う。フラグ604が「 」(空白)の場合は、加盟店コード毎にそれぞれ入金処理を行う。このように、フラグ604を用いることで、同一入金口座かつ同一入金サイクルの入金明細を統一するか、または別々とするかを選択することができる。
【0043】
加盟店コード605および加盟店サブコード606は、加盟店を一意に識別するためのコードである。
【0044】
取引集約日607は、開始日および終了日を含み、トンネル口座から加盟店口座へ入金するために集約する対象取引の開始日および終了日(すなわち、集約期間)を指定する。例えば、毎月の入金を2回に分けて集約する場合、1日から15日までと、16日から31日までとを設定することができる。これに限らず、毎月の入金を3回に分けて集約する場合は、1日から10日までと、11日から20日までと、21日から31日までとを設定したり、6回に分けて集約する場合は、1日から5日までと、6日から10日までと、11日から15日までと、16日から20日までと、21日から25日までと、26日から31日までとを設定したりしてもよい。
【0045】
入金日608は、集約された対象取引の入金が加盟店口座へなされる入金日を示す。入金日608は、取引集約日ごとに、毎月5日、10日、15日、20日、25日、31日などと設定することができる。
【0046】
休日コード609は、入金日608が休日の場合に、入金日を前営業日にするか、または、翌営業日にするかを示す。例えば、休日コード609が「1」の場合は、入金日を前営業日に変更し、休日コード609が「2」の場合は、入金日を翌営業日に変更する。すなわち、休日コード609は、入金日が休日である場合の入金日を指定する。
【0047】
サービスコード610は、対象取引の種類を指定する。例えば、サービスコード610が「1」の場合は、Bank Pay取引を対象とし、サービスコード610が「2」の場合は、J-Debit取引を示す。Bank Pay取引およびJ-Debit取引は、いずれもデビット決済の取引である。
【0048】
例えば、入金サイクル情報600の第1~2行目では、加盟店コード「2a00001」、および加盟店サブコード「0001」で識別される加盟店について、毎月1日から15日までの取引を集約し、集約した取引の入金は31日(月末)に実施すること、そして、毎月16日~31日(月末)までの取引を集約し、集約したと取引の入金は15日に実施することが示されている。また、いずれも、フラグが「 」(空白)となっているので、合算対象はないものとして入金処理を実施する。また、いずれも、休日コード609が「1」となっているので、指定された入金日が休日の場合は前営業日に入金処理を実施する。また、いずれも、サービスコード610が「1」となっているので、対象取引はBank Pay取引となっている。
【0049】
例えば、入金サイクル情報600の第14~16行目では、加盟店コード「2c00001」、および加盟店サブコード「1111」および「2222」、「3333」で識別される加盟店について、毎月1日から31日(月末)までの取引を集約し、集約した取引の入金は10日に実施することが示されている。加盟店コード「2c00001」、および加盟店サブコード「1111」で識別される加盟店について、フラグが「0」となっているので、こちらは個別に入金処置を実施する。一方、加盟店コード「2c00001」、および加盟店サブコード「2222」、「3333」で識別される加盟店について、フラグが「1」となっているので、これらは纏めて入金処理を実施する。また、いずれも、休日コード609が「1」となっているので、指定された入金日が休日の場合は前営業日に入金処理を実施する。また、いずれも、サービスコード610が「1」となっているので、対象取引はBank Pay取引となっている。この例では、加盟店コード「2c00001」、および加盟店サブコード「2222」、「3333」で識別される加盟店について、入金明細を統一することができる。
【0050】
このように、いったん、トンネル口座に加盟店の入金額を移動させ、トンネル口座から加盟店口座への入金処理に対して、加盟店が指定する入金サイクル情報を設定することができるようにしたことで、加盟店口座への入金処理を柔軟に行うことを可能にし、加盟店側の資金管理をより容易にすることができる。
【0051】
図7は、一実施形態に係る加盟店入金処理の具体例を説明する図である。図7(a)は、取引発生日から3営業日後の第1入金処理を示す。図7(a)では、別段預金口座(デビット用)701(本店営業部:200)から、加盟店A+B+Cの合計金額が出金され、A加盟店口座702、B加盟店口座703、およびトンネル口座704へ入金されている。
【0052】
図7(b)は、入金サイクル情報によって指定された入金日に行われる第2入金処理を示す。図7(b)では、トンネル口座704において対象の5つの取引(1)~(5)が集約され、トンネル口座704から出金されるとともに、C加盟店口座705へ入金されている。
【0053】
以上説明したように、本実施形態によると、加盟店口座への入金処理を柔軟に行うことを可能にする加盟店入金処理システムおよび方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0054】
400 決済金融機関システム
401 クリアリングデータ受信部
403 第1入金処理部
405 第2入金処理部
410 クリアリングセンタ
420 各金融機関システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加盟店口座への入金処理を行う加盟店入金処理システムであって、
クリアリングセンタから、デビット決済による取引データを受信する受信手段と、
前記取引データに基づいて、前記加盟店口座に対する入金額を、決済金融機関のトンネル口座に移動する第1の入金手段であって、前記トンネル口座は、前記入金額を一時的に保持する口座である、第1の入金手段と、
加盟店の任意のタイミングで、前記入金額を前記トンネル口座から前記加盟店口座へ入金する第2の入金手段と
を備え
前記第2の入金手段は、複数の加盟店に関して同一入金口座かつ同一入金サイクルの入金処理をまとめて行い、同一入金口座かつ同一入金サイクルの入金明細を統一する、加盟店入金処理システム。
【請求項2】
前記第2の入金手段は、前記加盟店ごとに設定された入金サイクル情報に基づいて前記加盟店口座へ入金処理を行うことを特徴とする請求項1に記載に加盟店入金処理システム。
【請求項3】
前記入金サイクル情報は、対象の前記加盟店を識別するための加盟店コード、対象取引の集約期間を指定する取引集約日、前記加盟店口座への入金日、前記加盟店コードの入金処理を合算対象とするかしないかを指定するフラグ、および前記入金日が休日である場合に前営業日にするか、または翌営業日にするかを指定する休日コード、さらに前記対象取引の種類を指定するサービスコードを含むことを特徴とする請求項2に記載の加盟店入金処理システム。
【請求項4】
前記第1の入金手段は、前記入金サイクル情報が設定されていない加盟店に対する入金額を、前記トンネル口座へ移動せずに、前記加盟店口座に対して直接入金することを特徴とする請求項2または3に記載の加盟店入金処理システム。
【請求項5】
前記第2の入金手段は、前記加盟店ごとに、前記トンネル口座に保持された複数の取引の合計金額を前記入金額として前記加盟店口座へ入金することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の加盟店入金処理システム。
【請求項6】
加盟店口座への入金処理を行う方法であって、
クリアリングセンタから、デビット決済による取引データを受信する受信ステップと、
前記取引データに基づいて、前記加盟店口座に対する入金額を、決済金融機関のトンネル口座に移動する第1の入金ステップであって、前記トンネル口座は、前記入金額を一時的に保持する口座である、第1の入金ステップと、
加盟店の任意のタイミングで、前記入金額を前記トンネル口座から前記加盟店口座へ入金する第2の入金ステップと
を含み、
前記第2の入金ステップは、複数の加盟店に関して同一入金口座かつ同一入金サイクルの入金処理をまとめて行い、同一入金口座かつ同一入金サイクルの入金明細を統一する、方法。