(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006951
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1093 20230101AFI20230111BHJP
【FI】
G06Q10/10 344
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109842
(22)【出願日】2021-07-01
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】519113882
【氏名又は名称】株式会社メトロリー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】ワカマツ ケン カンジ
(72)【発明者】
【氏名】大城 祐介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA13
(57)【要約】
【課題】予定されるイベントの重要度を容易に把握可能とする技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、取得ステップと、評価ステップと、表示制御ステップとを実行するように構成される。取得ステップでは、ユーザの参加を要するイベントを含むスケジュール情報を取得する。評価ステップでは、参照情報に基づき、イベントの重要度を評価する。参照情報は、実施済イベントの参加情報を含む。表示制御ステップでは、評価結果に基づき、イベントの参加価値を示す推奨情報を表示するように制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
制御部を備え、
前記制御部は、取得ステップと、評価ステップと、表示制御ステップとを実行するように構成され、
前記取得ステップでは、ユーザの参加を要するイベントを含むスケジュール情報を取得し、
前記評価ステップでは、参照情報に基づき、前記イベントの重要度を評価し、
前記参照情報は、実施済イベントの参加情報を含み、
前記表示制御ステップでは、前記評価結果に基づき、前記イベントの参加価値を示す推奨情報を表示するように制御する、
もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、特定ステップを実行するように構成され、
前記特定ステップでは、スケジュール上で複数のイベントが重複する場合、重複した前記複数のイベントを比較して、重要度の高い前記イベントを特定し、
前記表示制御ステップでは、特定された前記イベントを強調表示するように制御する、
もの。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、さらに学習ステップを実行するように構成され、
前記取得ステップは、前記ユーザによる実施済イベントの評価結果を取得し、
前記学習ステップでは、前記評価結果の良い実施済イベントを、前記重要度の高い前記イベントとして学習する、
もの。
もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記制御部は、さらに分析ステップを実行するように構成され、
前記取得ステップでは、前記実施済イベントの実行情報を取得し、
前記実行情報は、音声データと、文字データとのうち少なくとも一つを含み、
前記分析ステップでは、前記実行情報に基づき、前記実施済イベントの活気度を分析し、
前記評価ステップでは、前記活気度に基づき、前記イベントの重要度を評価する、
もの。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記分析ステップでは、前記実行情報に基づき、前記ユーザの発言寄与度を分析し、
前記評価ステップでは、前記発言寄与度に基づき、前記イベントの重要度を評価する、
もの。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記参加情報は、前記実施済イベントの参加者の氏名と、前記参加者の役職を含む、
もの。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記制御部は、さらに分析ステップを実行するように構成され、
前記取得ステップでは、前記ユーザによる実施済イベントの評価結果を取得し、
前記分析ステップでは、前記評価結果に基づき、前記イベントの最適参加人数と、参加推奨者と、最適所要時間とのうち少なくとも1つを分析し、
前記表示制御ステップでは、分析結果に基づき、推奨情報を表示するように制御する、
もの。
【請求項8】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理装置における各ステップを備える、
方法。
【請求項9】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理装置における各ステップを実行させる、
もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、生産性を高めるためには、多くの仕事の中から優先的に取り組むべき仕事を取捨選択し、臨機応変にスケジュールを調整しながら仕事を進める必要がある。特許文献1には、利用者のスケジュール調整を支援するスケジュール管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-187392号公報特開
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、予定されるイベントが詰まっているような場合には、生産性低下につながる懸念がある。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、予定されるイベントの重要度を容易に把握可能とする技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、取得ステップと、評価ステップと、表示制御ステップとを実行するように構成される。取得ステップでは、ユーザの参加を要するイベントを含むスケジュール情報を取得する。評価ステップでは、参照情報に基づき、イベントの重要度を評価する。参照情報は、実施済イベントの参加情報を含む。表示制御ステップでは、評価結果に基づき、イベントの参加価値を示す推奨情報を表示するように制御する。
【0007】
これにより、予定されるイベントの重要度を容易に把握可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1の構成概要を示す図である。
【
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。
【
図4】情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図11】ユーザ端末2に表示されるスケジュール画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成概要を示す図である。
【0014】
1.1 情報処理システム1
情報処理システム1は、複数のユーザ端末2(ユーザ端末2-1~ユーザ端末2-N)と、情報処理装置3とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。情報処理装置3は、ユーザ端末2-1~ユーザ端末2-Nのそれぞれと、インターネット等のネットワークを介して相互に通信可能となっている。これらの構成要素についてさらに説明する。
【0015】
1.2 ユーザ端末2
ユーザ端末2は、スケジュール管理を行うユーザが操作するものであり、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0016】
ユーザ端末2は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。
【0017】
表示部は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、表示部は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0018】
入力部は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部が、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バスを介して制御部に転送され、制御部が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行し得る。
【0019】
通信部、記憶部及び制御部の具体的な説明については、次に説明する情報処理装置3における通信部31、記憶部32及び制御部33の記載を参照されたい。
【0020】
1.3 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備え、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0021】
(通信部31)
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0022】
(記憶部32)
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0023】
(制御部33)
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部(
図3参照)として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0024】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。
図3は、情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0025】
具体的には、制御部33は、各機能部として、取得部331と、評価部332と、特定部333と、学習部334と、表示制御部335と、分析部336とを備える。
【0026】
(取得部331)
取得部331は、取得ステップを実行可能に構成される。取得ステップにおいて、取得部331は、通信部31又は記憶部32を介して情報を取得し、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、取得部331は、ユーザ端末2からネットワーク及び通信部31を介して種々の情報を取得するように構成される。本実施形態では、取得部331が取得した種々の情報は、記憶部32に記憶されるものとして説明する。
【0027】
(評価部332)
評価部332は、評価ステップを実行可能に構成される。評価ステップにおいて、評価部332は、評価部332は、参照情報6に基づき、イベント51の重要度を評価する。具体的な例については、次節でさらに詳述する。
【0028】
(特定部333)
特定部333は、特定ステップを実行可能に構成される。特定ステップにおいて、特定部333は、取得部331が取得した種々の情報の中から記憶部32に予め記憶された条件を満たす情報を特定する。具体的な例については、次節でさらに詳述する。
【0029】
(学習部334)
学習部334は、学習ステップを実行可能に構成される。学習ステップにおいて、学習部334は、スケジュールとして設定されたイベント51の重要度判定ついての学習を実行可能に構成される。具体的には、ユーザによって決定された実施済イベント52の評価結果7を教師データとして、イベント51の詳細情報に含まれる各項目の共通性と、ユーザによる評価結果7との相関案系を計算することにより、イベント51の重要度の大小を学習する。特に、学習部334は、評価結果7の良い実施済イベント52を、重要度の高いイベント51として学習する。また、ユーザ端末2で選択肢として示された実施済イベント52の参加価値に関する選択肢を選択するまでの時間、カーソルの動き等についても学習の教師データとしてもよい。さらにこのとき、ユーザによって実施済イベント52の評価が行われた日時、時間帯、実施済イベント52の終了時刻からの経過時間等を考慮してもよい。
【0030】
(表示制御部335)
表示制御部335は、表示制御ステップを実行可能に構成される。表示制御ステップにおいて、表示制御部335は、記憶部32に記憶された種々の情報又はこれらを含む画面等を、ユーザ端末2で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部335は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、ユーザ端末2の表示部に表示させるように制御する。表示制御部335は、視覚情報をユーザ端末2に表示させるためのレンダリング情報だけを生成してもよい。
【0031】
(分析部336)
分析部336は、表示制御ステップを実行可能に構成される。分析ステップにおいて、分析部336は、実行情報9に基づき、イベント51の活気度またはユーザの発言寄与度93を分析する。
【0032】
3.情報処理の詳細
第3節では、アクティビティ図を参照しながら、情報処理装置3が実行する情報処理方法について説明する。下記に示す通り、情報処理方法は、情報処理装置3における各ステップを備える。
【0033】
図4は、情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。なお、以下の処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、その全ての処理を実行しなくてもよい。
【0034】
まず、ユーザは、ユーザ自身の参加を要するイベント51を含むスケジュール情報5を作成し、ユーザ端末2から通信部およびネットワークを介してスケジュール情報5を情報処理装置3に送信する(A101)。
図5は、スケジュール情報5の一例を示す図である。
図5には、一人のユーザのイベント予定が含まれるスケジュールが示される。なお、イベント51は、ユーザ自身だけでなく、第三者に作成及び送信されたものであってもよい。
図6は、イベント51の一例を示す図である。
図6に示されるように、例えば、イベント51は、イベント名、実施される日時、実施場所、予定開始時間、予定所要時間、イベント51の参加者名、議題となる商品名及び商品価格等の詳細情報が関連付けられている。
【0035】
続いて、取得部331は、スケジュール情報5を取得する(A102)。取得部331により取得されたスケジュール情報5は、記憶部32に記憶される。
【0036】
特定部333は、参照情報6を参照し、取得したイベント51と同種類又は類似の実施済イベント52を特定し、記憶部32は、新たに作成されたイベント51を実施済イベント52と関連するイベント51として記憶する(A103)。同種類の実施済イベント52とは、例えば、定期的に実施される定例会議であって、日時が異なるものである。また、類似の実施済イベント52とは、例えば、イベント名の一部や実施される時間帯、参加者等、イベント51と詳細情報に共通する項目を有する実施済イベント52である。
【0037】
図7に示されるように、参照情報6は過去に行われた実施済イベント52それぞれの情報を含む。特に、参照情報6は、実施済イベント52の参加情報61を含むことが好ましい。参加情報61は、実施済イベント52の参加者の氏名と、参加者の役職(不図示)を含む情報である。
図7は、参照情報6の一例を示す図である。評価部332は、イベント51の詳細情報に含まれる各項目が実施済イベント52の参加情報61とより多く共通するものを実施済イベント52として特定する。参加情報61は、実施済イベント52がオンライン上でユーザ端末2からアクセス可能なWeb会議である場合、ユーザが実施済イベント52に参加したか否かを示す参加可否情報を含んでもよい。
【0038】
この場合、実施済イベント52に参加したか否かは、そのユーザが予定実施時間中や予定開始時間から所定時間前におけるWeb会議へのアクセス履歴をもとに判定する。また、別の方法として、表示制御部335は、実施済イベント52の予定終了時間経過後に、ユーザに対して実施済イベント52に参加したか否かを質問する質問情報53をユーザ端末2に表示し、その回答結果を取得部331が予め取得することによって判定してもよい。
図8は、質問情報53の一例を示す図である。
図8のように、表示制御部335は、スケジュール上で予定されるイベント51の実施予定時間経過後、所定期間内に質問情報53をユーザ端末2に表示する。
【0039】
その後、評価部332は、参照情報6に基づき、イベント51の重要度を評価する(A104)。例えば、評価部332は、イベント51と関連する実施済イベント52の参加者の役職が高い場合や、顧客として参加する参加者の会社規模が大きい場合、議題となる商品金額が大きい場合に、重要度を高く評価する。また、評価部332は、参加者が社内の人間だけのイベント51よりも、顧客等の外部の人間が参加するイベント51をより重要なものとして評価する。
【0040】
さらに、学習部334は、ユーザによって参加価値が高いと判断された実施済イベント52と関連するイベント51を、重要度の高いイベント51として学習し、評価部332は、この学習結果に基づいてイベント51の重要度を評価してもよい。
図9は、質問情報54の一例を示す図である。具体的には、表示制御部335が実施済イベント52の参加価値に関する質問情報54をユーザ端末2に表示させ、取得部331は、ユーザによる実施済イベント52の評価結果7を予め取得する。学習部334は、評価結果7の良い実施済イベント52を、重要度の高いイベント51として学習する。また、スケジュール上で複数のイベント51が重複していた場合、ユーザにどのイベント51を優先したのか質問することで参加情報61を取得し、優先して参加した実施済イベント52を重要度の高いイベント51として学習してもよい。その後、A104において、評価部332は、この学習結果に基づいてイベント51の重要度を評価する。
【0041】
表示制御部335は、評価結果7に基づき、イベント51の参加価値を示す推奨情報8を表示するように制御する(A105)。
図10は、推奨情報8の一例を示す図である。
図10に示されるように、表示制御部335は、ユーザ端末2に、実施が予定されるイベント51の重要度を示す推奨情報8をイベント51とともに表示する。そして、ユーザは、ユーザ端末2を介して、イベント51に参加するか否かを最終決定したり、イベント51の前後のスケジュール調整を行う(A106)。
【0042】
このような態様により、スケジュールの調整を行うユーザは、予定されるイベント51の重要度を容易に把握することができる。なお、推奨情報8の表示態様はこれに限らず、スケジュール(
図5参照)に記載されたイベント51のタイトル名に、重要度を示すマークを表示する態様等でもよい。
【0043】
4.変形例
第4節では、
図11を用いて、前述した情報処理システム1の情報処理方法の変形例について説明する。
【0044】
4.1 変形例1
スケジュール上で複数のイベント51が重複する場合、より重要度の高いイベント51を強調表示してもよい。具体的には、評価部332は、重複した複数のイベント51それぞれについての重要度を評価し(A104)、特定部333は、重複した複数のイベント51を比較して、重要度の高いイベント51を特定する。その後、表示制御部335は、特定されたイベント51を強調表示するように制御する(A105)。
【0045】
図11は、ユーザ端末2に表示されるスケジュール画面の一例を示す図である。
図11に示される例では、7月15日の午前中に実施時間帯バッティングしている2件のイベント51のうち、より重要度が高いと評価された一方のイベント51を、太字で強調表示してもよい。なお、この表示態様は特に限定されず、色や文字の大きさを変化させて表示させてもよい。
【0046】
4.2 変形例2
さらに、ユーザ端末2から実施済イベント52に関する評価を取得し、参加者やイベント51の設定時間等に関する推奨情報8を表示してもよい。例えば、例えば、ユーザ端末2から、イベント51と関連する実施済イベント52について、「会議時間が短かった」等の評価結果7を取得した場合、「会議時間を前回より短くしませんか?」「所要時間は20分がおすすめです」等の推奨情報8を表示する。
【0047】
具体的には、取得部331は、ユーザ端末2から実施済イベント52の日時設定、所要時間、参加人数、推奨参加者に関する評価結果7を取得する。その後、分析部336は、評価結果7に基づき、実施済イベント52の最適参加人数と、参加推奨者と、最適所要時間とのうち少なくとも1つを分析する。このとき、複数のユーザからイベント51の評価結果7を取得していた場合、分析部336は、評価結果7を集計して最適な開催スケジュールや内容を特定する。その後、表示制御部335は、分析結果に基づき、実施済イベント52と関連するイベント51の最適参加人数と、参加推奨者と、最適所要時間を示す推奨情報8を表示するように制御する。
【0048】
4.3 変形例3
さらに、情報処理装置3は、実施済イベント52の実施内容を分析し、この分析結果を考慮してイベント51の重要度の評価を行なってもよい。具体的には、例えば、取得部331は、実施済イベント52の実行情報9を取得する。実行情報9は、実施済イベント52の音声データ91と、文字データ92とのうち少なくとも一つを含み、例えば、議事録として記録されたものである。文字データ92は、実施済イベント52に紐付けられた文書データだけでなく、特定のグループのチャット情報でもよい。また、分析部336は、実行情報9に基づき、イベント51の活気度を分析する。具体的には例えば、分析部336は、音声データ91の波形や、文字データ92に含まれる単語や発言者数、文字データ92の分量等を分析し、実行情報9の盛り上がり度を評価する。このようにして、評価部332は、イベント51と類似する実施済イベント52の活気度に基づき、イベント51の重要度を評価する。このような態様により、積極的に議論が交わされる有意義な会議と、形骸化された会議を判別し、より的確にイベント51の重要度を評価して、有意義なイベント51を優先手コンテンツにユーザに示唆を与えることができる。
【0049】
4.4 変形例4
さらに、情報処理装置3は、ユーザの発言寄与度93を分析して、ユーザが積極的に参加している実施済イベント52を考慮して、重要度の高いイベント51を評価してもよい。具体的には、
分析部336は、実行情報9に含まれる音声データ91と、文字データ92とのうち少なくとも一つ
に基づき、分析対象とするユーザによる音声又は文字を特定し、実施済イベント52全体における対象ユーザの発言が占める割合を分析することによって、ユーザの発言寄与度93を分析する。この場合、A105において、評価部332は、発言寄与度93に基づき、イベント51の重要度を評価する。
【0050】
5.その他
本実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0051】
(1)本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。プログラムは、コンピュータに、情報処理装置3における各ステップを実行させる。
(2)本実施形態では、参照情報6がルックアップテーブル等のデータベースであるものとし、それに含まれる詳細な項目を説明したが、あくまでも一例でありこの限りではない。さらに、参照情報6は、そもそもルックアップテーブル等のデータベースに限定されず、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデルでもよいし、さらに好ましくは、複数の情報の相関性を予め機械学習させた学習済みモデルであってもよい。
【0052】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記制御部は、特定ステップを実行するように構成され、前記特定ステップでは、スケジュール上で複数のイベントが重複する場合、重複した前記複数のイベントを比較して、重要度の高い前記イベントを特定し、前記表示制御ステップでは、特定された前記イベントを強調表示するように制御する、もの。
前記情報処理装置において、前記制御部は、さらに学習ステップを実行するように構成され、前記取得ステップは、前記ユーザによる実施済イベントの評価結果を取得し、前記学習ステップでは、前記評価結果の良い実施済イベントを、前記重要度の高い前記イベントとして学習する、もの。もの。
前記情報処理装置において、前記制御部は、さらに分析ステップを実行するように構成され、前記取得ステップでは、前記実施済イベントの実行情報を取得し、前記実行情報は、音声データと、文字データとのうち少なくとも一つを含み、前記分析ステップでは、前記実行情報に基づき、前記実施済イベントの活気度を分析し、前記評価ステップでは、前記活気度に基づき、前記イベントの重要度を評価する、もの。
前記情報処理装置において、前記分析ステップでは、前記実行情報に基づき、前記ユーザの発言寄与度を分析し、前記評価ステップでは、前記発言寄与度に基づき、前記イベントの重要度を評価する、もの。
前記情報処理装置において、前記参加情報は、前記実施済イベントの参加者の氏名と、前記参加者の役職を含む、もの。
前記情報処理装置において、前記制御部は、さらに分析ステップを実行するように構成され、前記取得ステップでは、前記ユーザによる実施済イベントの評価結果を取得し、前記分析ステップでは、前記評価結果に基づき、前記イベントの最適参加人数と、参加推奨者と、最適所要時間とのうち少なくとも1つを分析し、前記表示制御ステップでは、分析結果に基づき、推奨情報を表示するように制御する、もの。
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記情報処理装置における各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理装置における各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0053】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
1 :情報処理システム
2 :ユーザ端末
2-1 :ユーザ端末
2-N :ユーザ端末
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :取得部
332 :評価部
333 :特定部
334 :学習部
335 :表示制御部
336 :分析部
5 :スケジュール情報
51 :イベント
52 :実施済イベント
53 :質問情報
54 :質問情報
6 :参照情報
61 :参加情報
7 :評価結果
8 :推奨情報
9 :実行情報
91 :音声データ
92 :文字データ
93 :発言寄与度