(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069693
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】充電制御装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230511BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20230511BHJP
H02J 3/14 20060101ALI20230511BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20230511BHJP
B60L 53/67 20190101ALI20230511BHJP
B60L 53/63 20190101ALI20230511BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J13/00 311T
H02J3/14 130
B60L53/30
B60L53/67
B60L53/63
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181757
(22)【出願日】2021-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】計 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 勲
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC06
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB11
5G064CB12
5G064CB21
5G064DA05
5G064DA11
5G066AA02
5G066KA01
5G066KA04
5G066KA12
5G066KB01
5G066KB03
5G066KD01
5G066KD04
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA10
5G503DB03
5G503FA06
5G503GB01
5G503GD04
5H125AA01
5H125AC11
5H125AC22
5H125BC21
5H125BE01
5H125EE27
5H125EE61
(57)【要約】
【課題】1つの基準により把握された電力量のみに基づいて電気自動車への充電の制御を行う場合に比べ、電気自動車への充電に起因する不具合の発生を低減する。
【解決手段】第1消費電力量把握部61は、施設に設けられた電力計13からの出力を基に、例えば、5分が経過する度に、この5分の間に施設にて消費された消費電力量を把握する。第2消費電力量把握部62は、施設における消費電力量であって、予め定められた基準時刻からの消費電力量である累積電力量を把握する。制御部63は、第1消費電力量把握部61により把握された消費電力量である時間毎消費電力量と、第2消費電力量把握部62により把握された消費電力量である累積消費電力量とに基づき、充電設備12による電気自動車への充電の制御を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の充電設備を備えた施設の消費電力量を把握する第1消費電力量把握手段であって、予め定められた時間が経過する毎に、当該時間の間の消費電力量を把握する第1消費電力量把握手段と、
予め定められた基準時刻からの前記施設の消費電力量を把握する第2消費電力量把握手段と、
第1消費電力量把握手段により把握された消費電力量である時間毎消費電力量と、第2消費電力量把握手段により把握された消費電力量である累積消費電力量とに基づき、前記充電設備による前記電気自動車への充電の制御を行う制御手段と、
を備える充電制御装置。
【請求項2】
前記充電設備に接続されている電気自動車であって当該充電設備による充電が行われていない電気自動車である非充電電気自動車の充電に必要な電力量である必要電力量を把握する必要電力量把握手段をさらに備え、
前記制御手段は、特定の時間当たりの前記時間毎消費電力量と当該特定の時間当たりの前記必要電力量とを加算することにより得られた加算後第1電力量が予め定められた閾値を超えておらず、且つ、特定の時間当たりの前記累積消費電力量と当該特定の時間当たりの当該必要電力量とを加算することにより得られた加算後第2電力量が予め定められた閾値を超えていない場合、前記充電設備に接続されている全ての電気自動車への充電が行われるようにする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記加算後第1電力量が前記予め定められた閾値を超えるという条件、および、前記加算後第2電力量が前記予め定められた閾値を超えるという条件のうちの少なくとも一方の条件が満たされている場合、前記全ての電気自動車への前記充電が行われないようにする請求項2に記載の充電制御装置。
【請求項4】
前記充電設備による充電が行われている電気自動車への供給電力量を把握する供給電力量把握手段をさらに備え、
前記制御手段は、特定の時間当たりの前記時間毎消費電力量から当該特定の時間当たりの前記供給電力量を減じることにより得られた電力量が予め定められた閾値を超えるという条件、および、特定の時間当たりの前記累積消費電力量から当該特定の時間当たりの当該供給電力量を減じることにより得られた電力量が予め定められた閾値を超えるという条件のうちの少なくとも一方の条件が満たされている場合、前記充電設備による充電が行われている前記電気自動車への充電を停止する請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項5】
前記充電設備に接続されている電気自動車であって当該充電設備による充電が行われていない電気自動車である非充電電気自動車への充電に必要な電力量である必要電力量を把握する必要電力量把握手段と、
前記充電設備による充電が行われている電気自動車への供給電力量を把握する供給電力量把握手段と、
をさらに備え、
前記制御手段は、第1特定時間当たりの前記時間毎消費電力量と当該第1特定時間当たりの前記必要電力量とを加算することにより得られた電力量が予め定められた第1閾値を超えており、第2特定時間当たりの当該時間毎消費電力量から当該第2特定時間当たりの前記供給電力量を減じることにより得られた電力量である減算後電力量が予め定められた第2閾値を超えておらず、且つ、第3特定時間当たりの前記累積消費電力量と当該第3特定時間当たりの当該必要電力量とを加算することにより得られた値が予め定められた第3閾値を超えていない場合、前記充電設備に接続されている電気自動車である接続電気自動車のうちの一部の接続電気自動車への充電が行われるようにする請求項1に記載の充電制御装置。
【請求項6】
前記充電設備に接続される電気自動車への充電に必要な電力量であって、電気自動車1台あたりの充電に必要な電力量である1台毎電力量を把握する1台毎電力量把握手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第2閾値から前記減算後電力量を減じることにより得られた値を、前記第2特定時間当たりの前記1台毎電力量で割ることにより得られる商の値を、前記一部の接続電気自動車の台数として把握し、把握した当該台数の接続電気自動車の各々への充電が行われるようにする請求項5に記載の充電制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記充電設備に接続されている電気自動車である前記接続電気自動車の各々について、当該充電設備による充電が行われた時間を把握し、把握した当該時間に基づき、当該接続電気自動車の中から、把握した前記台数分の接続電気自動車の選定を行う請求項6に記載の充電制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記接続電気自動車の中から、前記充電設備による充電が行われた時間が短い接続電気自動車を優先して、把握した前記台数分の接続電気自動車の選定を行う請求項7に記載の充電制御装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記充電設備に接続されている電気自動車である接続電気自動車の各々の充電量を把握し、把握した当該充電量に基づき、当該接続電気自動車の中から、把握した前記台数分の接続電気自動車の選定を行う請求項6に記載の充電制御装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記接続電気自動車の中から、充電量が少ない接続電気自動車を優先して、把握した前記台数分の接続電気自動車の選定を行う請求項9に記載の充電制御装置。
【請求項11】
電気自動車の充電設備を備えた施設の消費電力量を把握する第1消費電力量把握機能であって、予め定められた時間が経過する毎に、当該時間の間の消費電力量を把握する第1消費電力量把握機能と、
予め定められた基準時刻からの前記施設の消費電力量を把握する第2消費電力量把握機能と、
第1消費電力量把握機能により把握された消費電力量である時間毎消費電力量と、第2消費電力量把握機能により把握された消費電力量である累積消費電力量とに基づき、前記充電設備による前記電気自動車への充電の制御を行う制御機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、充電時間のもっとも長い電気自動車が深夜電力時間帯の開始時刻に充電を開始し、かつ充電時間のもっとも短い電気自動車が深夜電力時間帯の終了時刻に充電を終了するよう充電時間帯を設定する処理が開示されている。
特許文献2には、買電電力が第1の設定値を超えないように第1の蓄電池への充電電力を制御する第1の制御部と、指示に基づいて第1の設定値の第2の設定値との大小関係を変更する変更部と、を有する第1の充放電器と、買電電力が第2の設定値を超えないように第2の蓄電池への充電電力を制御する第2の制御部を有する第2の充放電器とが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-80071号公報
【特許文献2】特開2019-110653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気自動車の充電設備を備えた施設では、例えば、契約電力量を超えないようにするため、この施設の消費電力量に基づき、電気自動車への充電の制御を行うことが考えられる。
ここで、1つの基準により把握された消費電力量のみに基づいて電気自動車への充電の制御を行うと、充電の制御を行っているにも関わらず、施設の契約電力量を超えるなどの不具合が生じるおそれがある。
本発明の目的は、1つの基準により把握された電力量のみに基づいて電気自動車への充電の制御を行う場合に比べ、電気自動車への充電に起因する不具合の発生を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が適用される充電制御装置は、電気自動車の充電設備を備えた施設の消費電力量を把握する第1消費電力量把握手段であって、予め定められた時間が経過する毎に、当該時間の間の消費電力量を把握する第1消費電力量把握手段と、予め定められた基準時刻からの前記施設の消費電力量を把握する第2消費電力量把握手段と、第1消費電力量把握手段により把握された消費電力量である時間毎消費電力量と、第2消費電力量把握手段により把握された消費電力量である累積消費電力量とに基づき、前記充電設備による前記電気自動車への充電の制御を行う制御手段と、を備える充電制御装置である。
【0006】
ここで、前記充電設備に接続されている電気自動車であって当該充電設備による充電が行われていない電気自動車である非充電電気自動車の充電に必要な電力量である必要電力量を把握する必要電力量把握手段をさらに備え、前記制御手段は、特定の時間当たりの前記時間毎消費電力量と当該特定の時間当たりの前記必要電力量とを加算することにより得られた加算後第1電力量が予め定められた閾値を超えておらず、且つ、特定の時間当たりの前記累積消費電力量と当該特定の時間当たりの当該必要電力量とを加算することにより得られた加算後第2電力量が予め定められた閾値を超えていない場合、前記充電設備に接続されている全ての電気自動車への充電が行われるようにしてもよい。
また、前記制御手段は、前記加算後第1電力量が前記予め定められた閾値を超えるという条件、および、前記加算後第2電力量が前記予め定められた閾値を超えるという条件のうちの少なくとも一方の条件が満たされている場合、前記全ての電気自動車への前記充電が行われないようにしてもよい。
また、前記充電設備による充電が行われている電気自動車への供給電力量を把握する供給電力量把握手段をさらに備え、前記制御手段は、特定の時間当たりの前記時間毎消費電力量から当該特定の時間当たりの前記供給電力量を減じることにより得られた電力量が予め定められた閾値を超えるという条件、および、特定の時間当たりの前記累積消費電力量から当該特定の時間当たりの当該供給電力量を減じることにより得られた電力量が予め定められた閾値を超えるという条件のうちの少なくとも一方の条件が満たされている場合、前記充電設備による充電が行われている前記電気自動車への充電を停止してもよい。
【0007】
また、前記充電設備に接続されている電気自動車であって当該充電設備による充電が行われていない電気自動車である非充電電気自動車への充電に必要な電力量である必要電力量を把握する必要電力量把握手段と、前記充電設備による充電が行われている電気自動車への供給電力量を把握する供給電力量把握手段と、をさらに備え、前記制御手段は、第1特定時間当たりの前記時間毎消費電力量と当該第1特定時間当たりの前記必要電力量とを加算することにより得られた電力量が予め定められた第1閾値を超えており、第2特定時間当たりの当該時間毎消費電力量から当該第2特定時間当たりの前記供給電力量を減じることにより得られた電力量である減算後電力量が予め定められた第2閾値を超えておらず、且つ、第3特定時間当たりの前記累積消費電力量と当該第3特定時間当たりの当該必要電力量とを加算することにより得られた値が予め定められた第3閾値を超えていない場合、前記充電設備に接続されている電気自動車である接続電気自動車のうちの一部の接続電気自動車への充電が行われるようにしてもよい。
また、前記充電設備に接続される電気自動車への充電に必要な電力量であって、電気自動車1台あたりの充電に必要な電力量である1台毎電力量を把握する1台毎電力量把握手段をさらに備え、前記制御手段は、前記第2閾値から前記減算後電力量を減じることにより得られた値を、前記第2特定時間当たりの前記1台毎電力量で割ることにより得られる商の値を、前記一部の接続電気自動車の台数として把握し、把握した当該台数の接続電気自動車の各々への充電が行われるようにしてもよい。
【0008】
また、前記制御手段は、前記充電設備に接続されている電気自動車である前記接続電気自動車の各々について、当該充電設備による充電が行われた時間を把握し、把握した当該時間に基づき、当該接続電気自動車の中から、把握した前記台数分の接続電気自動車の選定を行うようにしてもよい。
また、前記制御手段は、前記接続電気自動車の中から、前記充電設備による充電が行われた時間が短い接続電気自動車を優先して、把握した前記台数分の接続電気自動車の選定を行うようにしてもよい。
また、前記制御手段は、前記充電設備に接続されている電気自動車である接続電気自動車の各々の充電量を把握し、把握した当該充電量に基づき、当該接続電気自動車の中から、把握した前記台数分の接続電気自動車の選定を行うようにしてもよい。
前記制御手段は、前記接続電気自動車の中から、充電量が少ない接続電気自動車を優先して、把握した前記台数分の接続電気自動車の選定を行うようにしてもよい。
【0009】
本発明をプログラムとして捉えた場合、本発明が適用されるプログラムは、電気自動車の充電設備を備えた施設の消費電力量を把握する第1消費電力量把握機能であって、予め定められた時間が経過する毎に、当該時間の間の消費電力量を把握する第1消費電力量把握機能と、予め定められた基準時刻からの前記施設の消費電力量を把握する第2消費電力量把握機能と、第1消費電力量把握機能により把握された消費電力量である時間毎消費電力量と、第2消費電力量把握機能により把握された消費電力量である累積消費電力量とに基づき、前記充電設備による前記電気自動車への充電の制御を行う制御機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、1つの基準により把握された電力量のみに基づいて電気自動車への充電の制御を行う場合に比べ、電気自動車への充電に起因する不具合の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】充電制御装置が有する機能を示した図である。
【
図3】充電制御装置のハードウエアの構成例を示した図である。
【
図4】(A)、(B)は、処理の具体例を示した図である。
【
図5】(A)、(B)は、一方の加算後電力量のみを基に、全ての電気自動車への充電が行われるようにするか否かを判断する場合の処理例を示した図である。
【
図6】(A)、(B)は、一方の加算後電力量のみを基に、全ての電気自動車への充電が行われるようにするか否かを判断する場合における他の処理例を示した図である。
【
図7】(A)~(C)は、本実施形態の充電システムにて実行される他の処理例を説明する図である。
【
図8】(A)~(C)は、充電システムにて実行される他の処理例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る充電システム1を示した図である。
本実施形態の充電システム1には、電気自動車3の駐車スペースSが設けられた施設10が設けられている。
この施設10には、住居やビルなどの建物11と、電気自動車3の充電を行う充電設備12と、施設10の全体の消費電力を把握する電力計13が設けられている。充電設備12には、複数の充電器15が設けられている。具体的には、本実施形態では、第1充電器151~第3充電器153の3台の充電器15が設けられている。
【0013】
また、本実施形態の充電システム1には、施設10に駐車された電気自動車3の充電の制御を行う充電制御装置60が設けられている。
施設10と、充電制御装置60とは、インターネット回線などの通信回線を介して接続される。なお、充電制御装置60は、施設10とは別の箇所に設けてもよいし、施設10内に設けてもよい。
【0014】
図2は、充電制御装置60が有する機能を示した図である。
充電制御装置60は、第1消費電力量把握部61と、第2消費電力量把握部62と、制御部63と、必要電力量把握部64と、供給電力量把握部65と、1台毎電力量把握部66とを備える。
第1消費電力量把握手段の一例としての第1消費電力量把握部61は、予め定められた時間が経過する毎に、この予め定められた時間の間の消費電力量である時間毎消費電力量を把握する。
【0015】
具体的には、第1消費電力量把握部61は、施設10(
図1参照)に設けられた電力計13からの出力を基に、例えば、5分が経過する度に、この5分の間に施設10(施設10の全体)にて消費された消費電力量を把握する。
なお、本実施形態では、予め定められた時間が5分である場合を一例に説明するが、この予め定められた時間は、5分に限らず、1分、3分、10分など、5分以外の他の時間としてもよい。
【0016】
第2消費電力量把握手段の一例としての第2消費電力量把握部62は、施設10(施設10の全体)における消費電力量であって、予め定められた基準時刻からの消費電力量である累積電力量を把握する。
ここで、予め定められた基準時刻としては、例えば、毎時0分や、毎時30分が一例に挙げられる。
第2消費電力量把握部62は、施設10に設けられた電力計13からの出力を基に、毎時0分からの施設10における累積電力量と、毎時30分からの施設10における累積電力量とを把握する。
【0017】
制御手段の一例としての制御部63は、第1消費電力量把握部61により把握された消費電力量である時間毎消費電力量と、第2消費電力量把握部62により把握された消費電力量である累積消費電力量とに基づき、充電設備12による電気自動車3への充電の制御を行う。
言い換えると、制御部63は、時間毎消費電力量と累積消費電力量とに基づき、充電設備12の制御のための制御信号を生成して、この制御信号を充電設備12へ出力する。
これにより、本実施形態では、充電設備12による電気自動車3への充電が行われる。
【0018】
必要電力量把握手段の一例としての必要電力量把握部64は、充電が行われていない電気自動車3である非充電電気自動車3の充電に必要な電力量である必要電力量を把握する。
具体的には、必要電力量把握部64は、充電設備12には接続されているが充電は行われていない電気自動車3である非充電電気自動車3の充電に必要な電力量である必要電力量を把握する。
【0019】
本実施形態では、充電設備12に設けられた複数の充電器15のうちの1台の充電器15による充電に必要な電力量についての情報が、情報記憶装置202(後述)に格納されている。
必要電力量把握部64は、この情報記憶装置202から、この必要な電力量についての情報を読み出して、この電力量(1台の充電器15による充電に必要な電力量)についての情報を取得する。
【0020】
そして、必要電力量把握部64は、1台の充電器15による充電に必要なこの電力量に対して、非充電電気自動車3の台数を乗じ、非充電電気自動車3の充電に必要な電力量である必要電力量を把握する。
より具体的には、必要電力量把握部64は、まず、充電設備12からの情報を基に、非充電電気自動車3の台数を把握する。そして、必要電力量把握部64は、1台の充電器15による充電に必要な電力量に対して、この台数を乗じ、非充電電気自動車3の充電に必要な電力量である必要電力量を把握する。
なお、その他に、必要電力量把握部64は、必要電力量についての情報を、例えば、充電設備12に接続されている非充電電気自動車3から取得してもよい。
【0021】
供給電力量把握手段の一例としての供給電力量把握部65は、充電設備12による充電が行われている電気自動車3への供給電力量を把握する。
具体的には、供給電力量把握部65は、例えば、充電設備12からの情報と、電気自動車3の充電に必要な電力量であって電気自動車1台当たりの充電に必要な電力量とに基づき、供給電力量を把握する。
より具体的には、供給電力量把握部65は、充電設備12からの情報を基に、この充電設備12に接続されている電気自動車3のうちの、実際に充電が行われている電気自動車3の台数を把握する。
そして、供給電力量把握部65は、この台数に対して、1台当たりの充電に必要な電力量を乗じて、供給電力量を把握する。
【0022】
より具体的には、この処理を行う場合は、例えば、予め、情報記憶装置202(後述)に、1台当たりの充電に必要な電力量についての情報を格納しておく。
そして、供給電力量把握部65は、実際に充電が行われている電気自動車3の台数に対して、情報記憶装置202から取得した、1台当たりの充電に必要な電力量を乗じて、供給電力量を把握する。
なお、その他に、供給電力量把握部65は、充電設備12からの情報のみを基に、供給電力量を把握してもよい。具体的には、供給電力量把握部65は、充電設備12から、この充電設備12の稼働状況についての情報を取得し、この稼働状況についての情報を基に、供給電力量を把握してもよい。
【0023】
1台毎電力量把握手段の一例としての1台毎電力量把握部66は、充電設備12に接続される電気自動車3への充電に必要な電力量であって、電気自動車1台あたりの充電に必要な電力量である1台毎電力量を把握する。
具体的には、本実施形態では、この1台毎電力量についての情報は、予め、情報記憶装置202(後述)に格納されており、1台毎電力量把握部66は、この情報記憶装置202から、1台毎電力量についての情報を読み出して取得する。
【0024】
図3は、充電制御装置60のハードウエアの構成例を示した図である。
充電制御装置60には、情報処理部201と、情報を記憶する情報記憶装置202と、LAN(=Local Area Network)ケーブル等を介した通信を実現するネットワークインターフェース203とが設けられている。
【0025】
情報処理部201は、コンピュータにより構成されている。
情報処理部201は、プロセッサの一例としてのCPU(=Central Processing Unit)211を有する。また、情報処理部201は、ソフトウエアが記憶されたROM(=Read Only Memory)212と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)213とを有する。
情報記憶装置202は、ハードディスクドライブ、半導体メモリ、磁気テープなど、既存の装置により実現される。
情報処理部201と、情報記憶装置202と、ネットワークインターフェース203とは、バス206や不図示の信号線を通じて接続される。
【0026】
CPU211によって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、充電制御装置60へ提供しうる。また、CPU211によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、充電制御装置60へ提供してもよい。
【0027】
本実施形態では、CPU211が、ROM212や情報記憶装置202に記憶されているプログラムを実行することで、
図2にて示した各機能部が実現される。
言い換えると、本実施形態では、CPU211が、ROM212や情報記憶装置202に記憶されているプログラムを実行することで、情報処理部201が、第1消費電力量把握部61、第2消費電力量把握部62、制御部63、必要電力量把握部64、供給電力量把握部65、1台毎電力量把握部66として機能する。
【0028】
本実施形態では、制御部63(
図2参照)が、第1消費電力量把握部61により把握された消費電力量である時間毎消費電力量と、第2消費電力量把握部62により把握された消費電力量である累積消費電力量とに基づき、充電設備12による電気自動車3への充電の制御を行う。
より具体的には、制御部63は、第1消費電力量把握部61により把握された時間毎消費電力量と、第2消費電力量把握部62により把握された累積消費電力量とに基づき、施設10の状態が第1の状態~第3の状態の何れに該当するかを特定する。
そして、制御部63は、特定した状態に基づき、電気自動車3の充電の制御を行う。
【0029】
〔第1の状態〕
制御部63は、加算後第1電力量(後述)が予め定められた閾値を超えておらず、且つ、加算後第2電力量(後述)が予め定められた閾値を超えていない場合、施設10の状態が第1の状態にあると判断する。
この場合、制御部63は、充電設備12に接続されている全ての電気自動車3への充電が行われるようにする。
【0030】
加算後第1電力量とは、特定の時間当たりの時間毎消費電力量と、この特定の時間当たりの必要電力量とを加算することにより得られた電力量を言う。
また、加算後第2電力量とは、特定の時間当たりの累積消費電力量と、この特定の時間当たりの必要電力量とを加算することにより得られた電力量を言う。
また、必要電力量とは、上記の通り、充電が行われていない電気自動車3である非充電電気自動車3の充電に必要な電力量を言う。
【0031】
本実施形態では、必要電力量把握手段の一例としての必要電力量把握部64が、この必要電力量を把握する。
具体的には、必要電力量把握部64は、上記の通り、1台の充電器15による充電に必要な電力量に対して、非充電電気自動車3の台数を乗じて、必要電力量を把握する。
【0032】
また、本実施形態では、第1消費電力量把握部61が、電力計13からの出力を基に、時間毎消費電力量を把握する。また、本実施形態では、第2消費電力量把握部62が、電力計13からの出力を基に、累積消費電力量を把握する。
そして、本実施形態では、制御部63が、特定の時間当たりのこの時間毎消費電力量と、この特定の時間当たりの必要電力量とを加算し、加算後第1電力量を得る。
また、制御部63は、特定の時間当たりの累積消費電力量と、この特定の時間当たりの必要電力量とを加算し、加算後第2電力量を得る。
【0033】
そして、制御部63は、加算後第1電力量が予め定められた閾値を超えておらず、且つ、加算後第2電力量が予め定められた閾値を超えていない場合、施設10の状態が第1の状態にあると判断する。
この場合、制御部63は、充電設備12に接続されている全ての電気自動車3への充電が行われるようにする。
【0034】
図4(A)、(B)は、処理の具体例を示した図である。
図4にて示す処理例では、充電設備12に、合計で3台の電気自動車3が接続されている状況を示している。
また、この処理例では、
図4(A)の符号4Aで示すように、3台の電気自動車3のうちの、2台の電気自動車3に対して充電が行われている状態となっている。この処理例では、2台の電気自動車3に対して充電が行われているようにする指示である充電指示が制御部63から出力され、この2台の電気自動車3に対して充電が行われている状態となっている。
また、この処理例では、符号4Bで示すように、3台の電気自動車3うちの、1台の電気自動車3に対する充電は行われていない状態となっている。
【0035】
符号4Bで示す欄に表示されている「充電制限中」とは、充電を停止している状態を示しており(充電指示がなされていない状態を示しており)、この処理例では、3台の電気自動車3うちの、1台の電気自動車3に対する充電が行われていない状態となっている。
言い換えると、この処理例では、充電設備12には接続されているものの充電は行われていない非充電電気自動車3が1台存在する状態となっている。
さらに、この処理例では、
図4(A)の符号4Cで示すように、この1台の非充電電気自動車3の充電に必要な電力は、3kWとなっている。ここで、この3kWは、1時間当たりに必要な電力を指している。
【0036】
この場合、必要電力量把握部64が把握する必要電力量は、3kWhとなる。
より具体的には、必要電力量把握部64は、情報記憶装置202から3kWhという情報を読み出し、次いで、非充電電気自動車3の台数である「1」に対して、この3kWhを乗じる。
これにより、必要電力量把握部64は、必要電力量が3kWhであることを把握する。
【0037】
また、この処理例では、
図4(A)の符号4Dに示すように、施設10(施設10の全体)における1時間当たりの利用可能電力が83kWとなっている。本実施形態では、この83kWが、後述する閾値となる。
より具体的には、本実施形態では、施設10(施設10の全体)の契約電力は、100kWであるが、1時間当たりに実際に利用可能な電力である利用可能電力は、この100kWの5/6である83kWとなっている。
【0038】
また、この処理例では、
図4(B)に示すように、第1消費電力量把握部61により把握された時間毎消費電力量が、6kWhである場合を例示している。
具体的には、この処理例では、現在時刻が14:20であり、14:15から14:20までの5分の間における時間毎消費電力量が、6kWhである場合を例示している。
言い換えると、この処理例では、14:15から14:20までの5分の間における施設10(施設10の全体)の消費電力量が、6kWhとなっている。
【0039】
ここで、施設10における消費電力量は、建物11(
図1参照)における消費電力量と、充電設備12における消費電力量とを合算した値となっている。
時間毎消費電力量として得られた上記の6kWhは、建物11における消費電力量と、充電設備12における消費電力量とを合算した値となっている。
【0040】
また、この処理例では、
図4(B)に示すように、第2消費電力量把握部62により把握された累積消費電力量が、25kWhである場合を例示している。
より具体的には、この処理例では、現在時刻が14:20であり、基準時刻である14:00から14:20までの間における累積消費電力量が、25kWhである場合を例示している。
言い換えると、この処理例では、14:00から14:20までの20分の間における施設10(施設10の全体)の消費電力量が、25kWhとなっている。
ここで、上記と同様、この累積消費電力量は、建物11における消費電力量と、充電設備12における消費電力とを合算した値となっている。
【0041】
この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量と、この特定の時間である60分当たりの必要電力量とを加算することにより得られた加算後第1電力量は、75kWhとなる。
時間毎消費電力量は、上記の通り、6kWhとなっている。また、必要電力量は、3kWhとなっている。
時間毎消費電力量である6kWhを、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量に換算すると、72kWhとなる。
より具体的には、6kWh*(60/5)という式により求められ、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量は、72kWhとなる。
【0042】
また、上記の通り、必要電力量3kWhは、元々、特定の時間の一例である60分当たりの必要電力量である。
この場合、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量と、この特定の時間である60分当たりの必要電力量とを加算することにより得られた加算後第1電力量は、75kWhとなる。
【0043】
言い換えると、時間毎消費電力量を、60分当たりの時間毎消費電力量に換算した後の値と、元々60分当たりの電力量となっている必要電力量とを加算することにより得られた加算後第1電力量は、75kWhとなる。
そして、この場合、加算後第1電力量である75kWhは、予め定められた閾値の一例である、利用可能電力量83kWhを超えていない状態となる。
【0044】
また、この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの累積消費電力量と、この特定の時間である60分当たりの必要電力量とを加算することにより得られた加算後第2電力量は、78kWhとなる。
具体的には、60分当たりの累積消費電力量は75kWh(=25kWh*(60/20))であり、60分当たりの必要電力量は、3kWhであり、その合計である加算後第2電力量は、78kWhとなる。
この場合、加算後第2電力量である78kWhは、予め定められた閾値の一例である、利用可能電力量83kWhを超えていない状態となる。
【0045】
このように、加算後第1電力量および加算後第2電力量の各々が、利用可能電力量である83kWhを超えていない場合、制御部63は、施設10の状態が第1の状態にあると判断する。
この場合、制御部63は、充電設備12に接続されている全ての電気自動車3への充電が行われるようにする。言い換えると、この場合、制御部63は、上記の1台の非充電電気自動車3への充電も行われるようにする。
【0046】
加算後第1電力量および加算後第2電力量の各々が、利用可能電力量を超えない場合、非充電電気自動車3への充電を行っても、利用可能電力量を超えないことになり、この場合、電力に余裕がある状態といえる。
このように、加算後第1電力量および加算後第2電力量の各々が、利用可能電力量を超えない場合、制御部63は、全ての充電器15がオンとなるようにし、充電設備12に接続されている全ての電気自動車3への充電が行われるようにする。
【0047】
一方、制御部63は、上記の2つの条件のうちの少なくとも一方の条件が満たされている場合、全ての電気自動車3への充電が行われないようにする。
即ち、制御部63は、加算後第1電力量が、予め定められた閾値である83kWhを超えるという条件、および、加算後第2電力量が、予め定められた閾値である83kWhを超えるという条件のうちの少なくとも一方の条件が満たされている場合、全ての電気自動車3への充電が行われないようにする。
【0048】
2つの条件のうちの少なくとも一方の条件が満たされている場合、充電が行われていない非充電電気自動車3への充電を開始してしまうと、利用可能電力量である83kWhを超えてしまうおそれがある。言い換えると、契約電力量を超えてしまうおそれがある。
このため、本実施形態では、上記の2つの条件のうちの、少なくとも一方の条件が満たされている場合、全ての電気自動車3への充電が行われないようにする。
言い換えると、上記の2つの条件のうちの、少なくとも一方の条件が満たされている場合、非充電電気自動車3への充電が行われないようにする。
【0049】
本実施形態では、このように、加算後第1電力量が予め定められた閾値を超えておらず、且つ、加算後第2電力量が予め定められた閾値を超えていない場合、充電設備12に接続されている全ての電気自動車3への充電が行われるようにする。
言い換えると、本実施形態では、加算後第1電力量、加算後第2電力量の2つの加算後電力量の各々が予め定められた閾値を超えていない場合、充電設備12に接続されている全ての電気自動車3への充電が行われるようにする。
【0050】
ここで、上記の2つの加算後電力量のうちの一方の加算後電力量のみを基に、全ての電気自動車3への充電が行われるようにするか否かを判断する場合を考える。
この場合、2つの加算後電力量の両方を用いる場合に比べ、施設10における消費電力量が、利用可能電力量を超える事態が生じやすくなる。
言い換えると、この場合、2つの加算後電力量の両方を用いる場合に比べ、施設10における消費電力量が、契約電力量を超える事態が生じやすくなる。
【0051】
図5(A)、(B)は、一方の加算後電力量のみを基に、全ての電気自動車3への充電が行われるようにするか否かを判断する場合の処理例を示した図である。
図5に示すこの処理例では、
図5(B)に示すように、現在時刻が14:20であり、14:15から14:20までの5分の間における時間毎消費電力量が、6kWhである場合を例示している。
言い換えると、この処理例では、14:15から14:20までの5分の間における、施設10(施設10の全体)の消費電力量が、6kWhとなっている。
【0052】
また、この処理例では、第2消費電力量把握部62により把握された累積消費電力量が、30kWhである場合を例示している。
より具体的には、この処理例では、現在時刻が14:20であり、基準時刻である14:00から14:20までの間における累積消費電力量が、30kWhである場合を例示している。
言い換えると、この処理例では、14:00から14:20までの20分の間における施設10(施設10の全体)の消費電力量が、30kWhである場合を例示している。
【0053】
また、この処理例では、必要電力量把握部64により把握された必要電力量が、上記と同様、3kWhである場合を例示している。
より具体的には、この処理例でも、
図5(A)の符号5Aで示すように、充電が行われていない電気自動車3が1台存在する。このため、電気自動車3の充電に必要な必要電力量は、3kWhとなる。
また、この処理例では、上記と同様、契約電力が、100kWであり、利用可能電力が、83kWとなっている。
【0054】
この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量と、この特定の時間である60分当たりの必要電力量とを加算することにより得られた加算後第1電力量は、75kWhとなる。
具体的には、60分当たりの時間毎消費電力量は、6kWh*(60/5)で求められ、72kWhとなる。また、60分当たりの必要電力量は、3kWhとなる。このため、加算後第1電力量は、75kWhとなる。
この場合、加算後第1電力量である75kWhは、予め定められた閾値である83kWhを超えない状態となる。
【0055】
一方、この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの累積消費電力量と、この特定の時間である60分当たりの必要電力量とを加算することにより得られた加算後第2電力量は、93kWhとなる。
具体的には、60分当たりの累積消費電力量は、30kWh*(60/20)で求められ、90kWhとなる。また、60分当たりの必要電力量は、3kWhである。このため、加算後第2電力量は、93kWhとなる。
この場合、加算後第2電力量である93kWhは、予め定められた閾値である83kWhを超える。
【0056】
ここで、加算後第1電力量のみを基に、全ての電気自動車3への充電が行われるようにするか否かを判断する場合、上記のように、加算後第2電力量が予め定められた閾値を超え、契約電力を超える事態が生じうる。
言い換えると、加算後第1電力量のみを基に、全ての電気自動車3への充電が行われるようにするか否かを判断する場合、非充電電気自動車3への充電が開始され、施設10における使用電力量が契約電力量を超える事態が生じうる。
【0057】
これに対し、本実施形態のように、加算後第1電力量、加算後第2電力量の両者に基づく場合、加算後第2電力量が利用可能電力量を超えていることが検知される。
この場合、非充電電気自動車3への充電がなされず、施設10における使用電力量が契約電力量を超える事態が生じにくくなる。
【0058】
図6(A)、(B)は、一方の加算後電力量のみを基に、全ての電気自動車3への充電が行われるようにするか否かを判断する場合における他の処理例を示した図である。
この処理例では、
図6(B)に示すように、現在時刻が14:20であり、14:15から14:20までの5分の間における時間毎消費電力量が、8kWhとなっている。
言い換えると、この処理例では、14:15から14:20までの5分の間における施設10(施設10の全体)の消費電力量が、8kWhとなっている。
【0059】
また、この処理例では、第2消費電力量把握部62により把握された累積消費電力量が、20kWhとなっている。
より具体的には、この処理例では、現在時刻が14:20であり、基準時刻である14:00から14:20までの間における累積消費電力量が、20kWhである場合を例示している。
言い換えると、この処理例では、14:00から14:20までの20分の間における施設10(施設10の全体)の消費電力量が、20kWhとなっている。
【0060】
また、この処理例でも、必要電力量把握部64が把握する必要電力量は、3kWhとなる。
具体的には、この処理例でも、
図6(A)の符号6Aで示すように、充電が行われていない電気自動車3が1台存在し、この場合、電気自動車3の充電に必要な必要電力量は、3kWhとなる。
また、この処理例では、上記と同様、契約電力が100kWなっている。また、利用可能電力が83kWとなっている。
【0061】
この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量と、この特定の時間である60分当たりの必要電力量とを加算することにより得られた加算後第1電力量は、99kWhとなる。
具体的には、60分当たりの時間毎消費電力量は、8kWh*(60/5)で求められ、96kWhとなる。また、60分当たりの必要電力量は、3kWhである。このため、これらの合計である加算後第1電力量は、99kWhとなる。
この場合、加算後第1電力量である99kWhが、予め定められた閾値である83kWhを超える。
【0062】
また、この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの累積消費電力量と、この特定の時間である60分当たりの必要電力量とを加算することにより得られた加算後第2電力量は、63kWhとなる。
具体的には、60分当たりの累積消費電力量は、20kWh*(60/20)で求められ、60kWhとなる。また、60分当たりの必要電力量は、3kWhとなる。このため、加算後第2電力量は、63kWhとなる。
この場合、加算後第2電力量である63kWhが、予め定められた閾値である83kWhを超えない状態となる。
【0063】
ここで、加算後第2電力量のみを基に、全ての電気自動車3への充電が行われるようにするか否かを判断する場合、上記のように、加算後第1電力量が予め定められた閾値を超え、契約電力を超過しうる事態が生じうる。
言い換えると、加算後第2電力量のみを基に、全ての電気自動車3への充電が行われるようにするか否かを判断する場合、非充電電気自動車3への充電が開始され、施設10における使用電力量が契約電力量を超える事態が生じうる。
【0064】
これに対し、本実施形態のように、加算後第1電力量、加算後第2電力量の両者に基づく場合、加算後第1電力量が利用可能電力を超えていることが検知される。
この場合、非充電電気自動車3への充電がなされず、施設10における使用電力量が契約電力量を超える事態が生じにくくなる。
【0065】
なお、本実施形態では、上記の特定の時間が、60分である場合を一例に説明したが、この特定の時間は、10分や30分など、60分以外であってもよい。
また、加算後第1電力量を求める際の単位換算の基準となる上記の特定の時間と、加算後第2電力量を求める際の単位換算の基準となる上記の特定の時間とが異なっていてもよい。
【0066】
加算後第1電力量を求める際に、単位換算の基準が揃っており、また、加算後第2電力量を求める際に、単位換算の基準が揃っていればよい。
加算後第1電力量を求める際の単位換算の基準となる特定の時間と、加算後第2電力量を求める際の単位換算の基準となる特定の時間とは、異なっていてもよい。
言い換えると、電力量同士を比較する際の基準となる上記の単位時間が、異なっていてもよい。より具体的には、加算後第1電力量と上記の閾値とを比較する際の基準となる単位時間と、加算後第2電力量と上記の閾値とを比較する際の基準となる単位時間とが異なっていてもよい。
【0067】
ここで、例えば、
図4にて示した例において、加算後第1電力量を求める際の単位換算の基準となる特定の時間が30分である場合を想定する。
この場合、30分当たりの時間毎消費電力量は、36kWh(=6kWh*(30/5))となり、30分当たりの必要電力量は、1.5kWh(=3kWh*(30/60))となり、その合計である加算後第1電力量は、37.5kWhとなる。
また、この場合、30分当たりの利用可能電力量は、41.5kWh(=83kWh/2)となる。
この場合、加算後第1電力量である37.5kWhが、予め定められた閾値の一例である、利用可能電力量41.5kWhを超えていない状態となる。
【0068】
また、例えば、
図4にて示した例において、加算後第2電力量を求める際の単位換算の基準となる特定の時間が10分である場合を想定する。
加算後第2電力量を求める際の単位換算の基準となる特定の時間が10分である場合、10分当たりの累積消費電力量は、12.5kWh(=25kWh*(10/20))となる。また、10分当たりの必要電力量は、0.5kWh(=3kWh*(10/60))である。この場合、加算後第2電力量は、13kWhとなる。
また、この場合、10分当たりの利用可能電力量は、13.8kWh(=83kWh*(10/60))となる。
この場合、加算後第2電力量である13kWhが、予め定められた閾値の一例である、利用可能電力量13.8kWhを超えていない状態となる。
【0069】
〔第2の状態〕
制御部63は、特定の時間当たりの時間毎消費電力量からこの特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量が予め定められた閾値を超えるという条件、および、特定の時間当たりの累積消費電力量からこの特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量が予め定められた閾値を超えるという条件の2つの条件のうちの少なくとも一方の条件が満たされている場合、施設10の状態が第2の状態にあると判断する。
この場合、制御部63は、充電設備12による充電が行われている電気自動車3への充電を停止する。
【0070】
図7を参照して具体的に説明する。
図7(A)~(C)は、本実施形態の充電システム1にて実行される他の処理例を説明する図である。
図7にて示す処理例では、
図7(B)に示すように、第1消費電力量把握部61により把握された時間毎消費電力量が、8kWhである場合を例示している。
より具体的には、この処理例では、現在時刻が15:10であり、15:05から15:10までの5分の間における時間毎消費電力量が、8kWhである場合を例示している。
【0071】
また、この処理例では、第2消費電力量把握部62により把握された累積消費電力量が、14kWhである場合を例示している。
より具体的には、この処理例では、現在時刻が15:10であり、基準時刻である15:00から15:10までの間における累積消費電力量が、14kWhである場合を例示している。
【0072】
また、この処理例では、供給電力量把握手段の一例としての供給電力量把握部65により把握された供給電力量が、6kWhである場合を例示している。
この処理例では、
図7(A)の符号7Aで示すように、充電が行われている最中の電気自動車3が2台存在し、この2台の電気自動車3に供給されている供給電力は、6kW(=3kW+3kW)となっている。
この場合、供給電力量把握部65は、供給電力量として、6kWhを把握する。この6kWhは、1時間当たりの供給電力量となっている。
また、この処理例では、上記と同様、契約電力が100kWとなっており、利用可能電力が、83kWとなっている。
【0073】
図7(A)、(B)にて示すこの処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量から、この特定の時間である60分当たりの供給電力量を減じることにより得られる電力量は、90kWhとなる。
具体的には、この処理例では、60分当たりの時間毎消費電力量は、96kWh(=8kWh*(60/5))であり、特定の時間の一例である60分当たりの供給電力量は、6kWhとなっている。
この場合、特定の時間当たりの時間毎消費電力量である96kWhから、この特定の時間当たりの供給電力量である6kWhを減じることにより得られた電力量は、90kWhとなる。
【0074】
ここで、特定の時間当たりの時間毎消費電力量から、この特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量であるこの90kWhは、この特定の時間当たりに、建物11(
図1参照)にて消費されている消費電力量となる。
この電力量90kWhは、予め定められた閾値である83kWhを超え、予め定められた閾値を超えるという第1条件が満たされる。
言い換えると、この処理例では、特定の時間当たりの時間毎消費電力量から、この特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量が、予め定められた閾値を超えるという第1条件が満たされる。
【0075】
この場合、契約電力を超えるおそれがあるため、本実施形態では、制御部63が、充電設備12による充電が行われている最中の電気自動車3への充電を停止する。
この処理例では、建物11のみで、利用可能電力を超えうる電力が消費されている状態となっている。このため、本実施形態では、この場合、充電設備12による充電が行われている最中の全ての電気自動車3への充電を停止する。
【0076】
また、この処理例では、特定の時間当たりの累積消費電力量から、この特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量は、78kWhとなる。
この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの累積消費電力量は84kWh(=14kWh*(60/10))であり、特定の時間当たりの供給電力量は6kWhである。
この場合、この累積消費電力量である84kWhから、供給電力量である6kWhを減じることにより得られる電力量は、78kWhとなる。
【0077】
この場合、特定の時間当たりの累積消費電力量から、この特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量が、予め定められた閾値(83kWh)を超えるという第2条件は、満たされない。
しかしながら、この処理例では、上記の通り、第1条件が満たされているため、制御部63が、充電設備12による充電が行われている最中の全ての電気自動車3への充電を停止する。
【0078】
図7(C)を参照し、他の処理例を説明する。
図7(C)では、第1消費電力量把握部61により把握された時間毎消費電力量が、7kWhである場合を例示している。
より具体的には、この処理例では、現在時刻が16:15であり、16:10から16:15までの5分の間における時間毎消費電力量が、7kWhである場合を例示している。
【0079】
また、この処理例では、第2消費電力量把握部62により把握された累積消費電力量が、23kWhである場合を例示している。
より具体的には、この処理例では、現在時刻が16:15であり、基準時刻である16:00から16:15までの間における累積消費電力量が、23kWhである場合を例示している。
【0080】
図7(C)に示すこの処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量から、この特定の時間である60分当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量は、78kWhとなる。
具体的には、この処理例では、60分当たりの時間毎消費電力量は、84kWh(=7kWh*(60/5))であり、特定の時間の一例である60分当たりの供給電力量は、6kWhとなっている。
この場合、特定の時間当たりの時間毎消費電力量である84kWhから、この特定の時間当たりの供給電力量である6kWhを減じることにより得られる電力量は、78kWhとなる。
【0081】
ここで、特定の時間当たりの時間毎消費電力量から、この特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られたこの電力量であるこの78kWhは、この特定の時間当たりに、建物11にて消費されている消費電力量となる。
また、本実施形態では、予め定められた閾値である、この特定の時間当たりの利用可能電力量は、83kWhである。
【0082】
この場合、特定の時間当たりの時間毎消費電力量から、この特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量が、予め定められた閾値を超えるという第1条件は満たされない。
具体的には、特定の時間当たりの時間毎消費電力量から、この特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた上記の電力量78kWhは、予め定められた閾値である83kWhを超えず、予め定められた閾値を超えるという第1条件は満たされない。
【0083】
また、この処理例では、特定の時間当たりの累積消費電力量から、この特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量は、86kWhとなる。
具体的には、この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの累積消費電力量は、92kWh(=23kWh*(60/15))であり、特定の時間の一例である60分当たりの供給電力量は、6kWhである。
この累積消費電力量である92kWhから、供給電力量である6kWhを減じることにより得られる電力量は、86kWhとなる。
【0084】
この場合、特定の時間当たりの累積消費電力量から、この特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量が、予め定められた閾値を超えるという第2条件が満たされる。
この処理例では、第1条件は満たされないが、第2条件が満たされる。
この場合、制御部63は、充電設備12による充電が行われている最中の全ての電気自動車3への充電を停止する。
【0085】
ここでは、第1条件および第2条件の2つの条件のうちの、一方の条件のみが満たされ、他方の条件が満たされていない場合について説明した。
この場合、上記の通り、制御部63が、充電設備12による充電が行われている最中の全ての電気自動車3への充電を停止する。
但し、これに限らず、本実施形態では、2つの条件の両方が満たされた場合にも、充電設備12による充電が行われている全ての電気自動車3への充電が停止される。
【0086】
他の処理例として、第1条件および第2条件の2つの条件の両方が満たされたら、電気自動車3への充電が停止されるようにし、一方の条件しか満たされていない場合には、電気自動車3への充電が継続されるようにする処理も考えられる。
但し、2つの条件のうちの一方の条件のみが少なくとも満たされたら、電気自動車3への充電を停止する処理とする方が、2つの条件の両方が満たされたら、充電を停止する処理を行う場合に比べ、消費電力が契約電力を超えるという事態が生じにくくなる。
なお、上記と同様、特定の時間当たりの時間毎消費電力量からこの特定の時間当たりの供給電力量を減じる際のこの特定の時間と、特定の時間当たりの累積消費電力量からこの特定の時間当たりの供給電力量を減じる際のこの特定の時間とは、異なっていてもよい。
【0087】
〔第3の状態〕
制御部63は、特定の時間当たりの時間毎消費電力量とこの特定の時間当たりの必要電力量とを加算することにより得られた電力量が予め定められた第1閾値を超えており、特定の時間当たりの時間毎消費電力量からこの特定の時間当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量である減算後電力量が予め定められた第2閾値を超えておらず、且つ、特定の時間当たりの累積消費電力量とこの特定の時間当たりの必要電力量とを加算することにより得られた値が予め定められた第3閾値を超えていない場合、施設10の状態が、第3の状態にあると判断する。
【0088】
この場合、制御部63は、充電設備12に接続されている電気自動車3である接続電気自動車3のうちの一部の接続電気自動車3への充電が行われるようにする。
本実施形態では、上記の第1の状態、第2の状態のいずれにも該当しない場合、第3の状態となる。この場合、接続電気自動車3のうちの一部の接続電気自動車3への充電が行われる。
【0089】
第3の状態では、非充電電気自動車3への充電を仮に行うと(全ての電気自動車3への充電を仮に行うと)、施設10(施設10の全体)にて消費される電力量が、予め定められた閾値である、利用可能電力量を超えてしまう状態にある。
その一方で、第3の状態では、建物11のみで消費されている電力の電力量が、予め定められた閾値を超えておらず、余裕分の電力がある。
また、第3の状態では、累積消費電力量も、予め定められた閾値に達するほどの大きさではなく、余裕分の電力がある。
この場合、本実施形態では、接続電気自動車3のうちの一部の接続電気自動車3への充電が行われるようにする。
【0090】
図8を参照して具体的に説明する。
図8(A)~(C)は、充電システム1にて実行される他の処理例を説明する図である。
図8に示すこの処理例では、
図8(B)に示すように、第1消費電力量把握部61により把握された時間毎消費電力量が、7kWhである場合を例示している。
具体的には、この処理例では、現在時刻が17:00であり、16:55から17:00までの5分の間における時間毎消費電力量が、7kWhである場合を例示している。
【0091】
また、この処理例では、第2消費電力量把握部62により把握された消費電力量である累積消費電力量が、38kWhである場合を例示している。
具体的には、この処理例では、現在時刻が17:00であり、基準時刻である16:30から17:00までの間における累積消費電力量が、38kWhである場合を例示している。
【0092】
また、この処理例では、必要電力量把握部64が把握する必要電力量が、3kWhである場合を例示している。
具体的には、この処理例では、
図8(A)の符号8Aで示すように、充電設備12に接続されているが充電は行われていない電気自動車3である非充電電気自動車3が1台存在する。この場合、この1台の非充電電気自動車3の充電に必要な必要電力量は、3kWhとなる。
【0093】
また、この処理例では、供給電力量把握部65が把握する供給電力量が、6kWhである場合を例示している。
より具体的には、この処理例では、
図8(A)の符号8Bで示すように、充電が行われている電気自動車3が2台存在する。この場合、供給電力量把握部65が把握する供給電力量は、6kWhとなる。
また、この処理例では、上記と同様、契約電力が100kWとなっている。また、利用可能電力が83kWとなっている。
【0094】
この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量と、この特定の時間である60分当たりの必要電力量とを加算することにより得られる電力量が87kWhであり、予め定められた第1閾値である83kWhを超える。
具体的には、この処理例では、60分当たりの時間毎消費電力量は、84kWh(=7kWh*(60/5))であり、60分当たりの必要電力量は、3kWhである。
【0095】
この場合、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量と、この特定の時間である60分当たりの必要電力量とを加算することにより得られた電力量は、87kWhとなり、予め定められた第1閾値である83kWhを超える。
これは、充電が行われていない非充電電気自動車3への充電を行い、全ての電気自動車3への充電を行うと、利用可能電力を超えてしまうことを意味する。
言い換えると、非充電電気自動車3を含めた全ての電気自動車3への充電を行うための電力の余裕がないことを意味する。
【0096】
また、この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの時間毎消費電力量から、この特定の時間である60分当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量である減算後電力量が78kWhであり、予め定められた第2閾値の一例である83kWhを超えない。
具体的には、この処理例では、60分当たりの時間毎消費電力量は、84kWh(=7kWh*(60/5))であり、60分当たりの供給電力量は、6kWhである。
【0097】
この場合、特定の時間の一例であるこの60分当たりの時間毎消費電力量から、この60分当たりの供給電力量を減じることにより得られた電力量(減算後電力量)は、78kWhとなり、予め定められた第2閾値の一例である83kWhを超えない。
言い換えると、この処理例では、建物11のみで消費されている電力が78kWhであり、利用可能電力量である83kWh以下となっている。この場合、電気自動車3への充電のための余裕電力が存在する。
【0098】
また、この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの累積消費電力量と、この特定の時間の一例である60分当たりの必要電力量とを加算することにより得られる値が79kWhであり、予め定められた第3閾値である83kWhを超えない。
具体的には、この処理例では、特定の時間の一例である60分当たりの累積消費電力量は、76kWh(=38kWh*(60/30))となる。また、特定の時間の一例である60分当たりの必要電力量は、3kWhとなる。
【0099】
この場合、累積消費電力量と必要電力量とを加算することにより得られた値が79kWhとなり、予め定められた第3閾値である83kWhを超えない。
この場合、消費電力の実績値が、予め定められた閾値を超えておらず、余裕電力が存在する状態となる。
以上の状態の場合、本実施形態では、制御部63は、充電設備12に接続されている電気自動車3である接続電気自動車3のうちの一部の接続電気自動車3への充電が行われるようにする。
【0100】
なお、上記と同様、単位換算の基準となる上記の特定の時間の各々は、例えば60分など、全て同じ時間であってもよいし、この特定の時間の各々は、互いに異なる時間であってもよい。
言い換えると、この処理例では、3つの特定の時間が存在するが、この3つの特定の時時間は、全て同じ時間であってもよいし、互いに異なる時間であってもよい。また、例えば、この3つの特定の時間のうちの2つの特定の時間が同じであり、他の1つの特定の時間が異なっていてもよい。
【0101】
本実施形態では、時間毎消費電力量と必要電力量とを加算することにより得られた電力量が第1閾値を超えているか否かの上記の判断の際に行われる単位換算の基準となる特定の時間(以下、「第1特定時間」と称する)が存在する。
また、本実施形態では、時間毎消費電力量から供給電力量を減じることにより得られた減算後電力量が第2閾値を超えているか否かの上記の判断の際に行われる単位換算の基準となる特定の時間(以下、「第2特定時間」と称する)が存在する。
【0102】
また、本実施形態では、累積消費電力量と必要電力量とを加算することにより得られた値が第3閾値を超えているか否かの上記の判断の際に行われる単位換算の基準となる特定の時間(以下、「第3特定時間」と称する)が存在する。
即ち、本実施形態では、第1特定時間~第3特定時間の3つの特定時間が存在する。
この第1特定時間~第3特定時間は、同じ時間であってもよいし、互いに異なる時間であってよい。また、この第1特定時間~第3特定時間のうちの2つの特定時間が同じであり、他の1つの特定時間が異なっていてもよい。
【0103】
制御部63は、施設10の状態が第3の状態にあり、一部の接続電気自動車3への充電が行われるようにする場合、上記の第2閾値から、上記の減算後電力量を減じることにより得られた値(以下、「減算後値」と称する)を基に、上記の一部の電気自動車3の台数を把握する。
言い換えると、制御部63は、この場合、利用可能電力量を示す第2閾値から、建物11のみで消費されている電力量を示す減算後電力量を減じて、電気自動車3の充電に用いることができる電力量を把握する。そして、この把握したこの電力量を基に、上記の一部の電気自動車3の台数を把握する。
【0104】
より具体的には、この場合、制御部63は、上記の減算後値を、電気自動車3の充電に必要な電力量であって1台当たりの充電に必要な電力量である1台毎電力量で割ることにより得られる商の値を、一部の電気自動車3の台数として把握する。
より具体的には、この場合、制御部63は、上記の減算後値を、上記の第2特定時間当たりの1台毎電力量で割ることにより得られる商の値を、一部の電気自動車3の台数として把握する。
そして、制御部63は、把握したこの台数の電気自動車3の各々への充電が行われるようにする。
【0105】
より具体的には、台数の把握にあたっては、まず、把握手段の一例である1台毎電力量把握部66が、上記の1台毎電力量を把握する。すなわち、1台毎電力量把握部66は、充電設備12に接続されている電気自動車3への充電に必要な電力量であって1台当たりの充電に必要な電力量を把握する。
次いで、制御部63が、減算後値を、第2特定時間当たりのこの1台毎電力量で割り、この割り算により得られる商の値を、一部の電気自動車3の台数として把握する。
そして、制御部63は、把握したこの台数の電気自動車3の各々への充電が行われるようにする。
【0106】
具体的に説明すると、この処理例では、第2閾値は、上記の通り、例えば、83kWhとなる。また、この処理例では、減算後電力量は、上記の通り、78kWhとなる。さらに、1台毎電力量が、例えば、3kWhである場合を想定する。
この場合、減算後値は、5kWh(=83kWh-78kWh)となる。
そして、この場合、第2特定時間の一例である60分当たりの電力量であるこの減算後値(5kWh)を、第2特定時間の一例である60分当たりの1台毎電力量(=3kWh)で割る。この場合、この割り算により得られる商の値は、「1」となる。
この場合、制御部63は、1台を、上記の一部の電気自動車3の台数として把握する。
【0107】
次いで、制御部63は、充電の対象となる上記の一部の電気自動車3を選定する。言い換えると、制御部63は、充電器15(
図1参照)をオンして充電を行う一部の電気自動車3を選定する。具体的には、この処理例では、制御部63は、1台の電気自動車3を選定する。
この選定にあたっては、制御部63は、例えば、充電設備12に接続されている電気自動車3の各々について、充電設備12による充電が行われた時間を把握する。
そして、制御部63は、把握したこの時間に基づき、電気自動車3の中から一部(この処理例では1台)の電気自動車3を選定する。
【0108】
具体的には、制御部63は、例えば、充電設備12に接続されている電気自動車3の中から、充電設備12による充電が行われた時間が短い電気自動車3を優先して、上記の一部の電気自動車3を選定する。
言い換えると、この場合、制御部63は、充電時間が少ない電気自動車3から順に、電気自動車3の選定を行って、上記の一部の電気自動車3を選定する。
【0109】
図8(C)を参照して具体的に説明すると、
図8(C)に示す処理例では、第3充電器153に接続されている電気自動車3の充電時間は、1時間となっている。また、第2充電器152に接続されている電気自動車3の充電時間は、2時間となっている。また、第1充電器151に接続されている電気自動車3の充電時間は、3時間となっている。
この場合、制御部63は、充電の対象となる上記の一部の電気自動車3として、第3充電器153に接続されている電気自動車3を選定する。
【0110】
そして、この場合、制御部63は、第3充電器153をオンし、残りの充電器15である第1充電器151、第2充電器152をオフにする。
言い換えると、制御部63は、充電の対象となる上記の一部の電気自動車3が接続されている充電器15をオンし、残りの充電器15をオフにする。
【0111】
なお、その他の処理例として、制御部63は、例えば、充電設備12に接続されている電気自動車3の各々の充電量を把握し、把握したこの充電量に基づき、充電設備12に接続されている電気自動車3の中から、一部の電気自動車3を選定してもよい。
具体的には、この場合、制御部63は、例えば、充電設備12に接続されている電気自動車3の中から、充電量が少ない電気自動車3を優先して、上記の一部の電気自動車3を選定する。
言い換えると、この場合、制御部63は、充電量が少ない電気自動車3から順に、電気自動車3の選定を行って、上記の一部の電気自動車3を選定する。
【符号の説明】
【0112】
3…電気自動車、10…施設、12…充電設備、60…充電制御装置、61…第1消費電力量把握部、62…第2消費電力量把握部、63…制御部、64…必要電力量把握部、65…供給電力量把握部、66…1台毎電力量把握部