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特開2023-6971模型航空機のサブスクリプションサービスシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006971
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】模型航空機のサブスクリプションサービスシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20230111BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230111BHJP
   G09F 21/08 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G06Q50/10
G09F21/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109881
(22)【出願日】2021-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】393010396
【氏名又は名称】エヌカント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085224
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 重隆
(72)【発明者】
【氏名】野澤 紀元
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】模型航空機の自動充電、飛行プラン、POPやメッセージカード等のサービスが、定期的な利用料を支払うことで、利用者の要望に応じて、リモートかつリアルタイムで自由に選択できるサブスクリプションサービスシステムを提供する。
【解決手段】飛行基地11に自動充電器20を設け、飛行式の模型航空機13と、契約管理手段47、充電器利用管理手段48、飛行パターン管理手段49および広告体管理手段50を配した管理サーバ15と、模型航空機13のサブスクリプションサービス用のアプリケーション16と、アプリケーション16がインストールされたスマートフォン17とを備えた。これにより、模型航空機13の自動充電、飛行パターン、POPやメッセージカード等のサービスが、定期的な利用料を支払うことで、利用者の要望に応じて、リモートかつリアルタイムで自由に選択できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行基地から離着陸し、かつ広告体が掛止される模型航空機を、利用者が定期的な利用料を支払うことにより、インターネット回線を介して管理サーバから送信された飛行プランデータに従って飛行させる模型航空機のサブスクリプションサービスシステムであって、
前記飛行基地には、前記模型航空機の自動充電器が設けられ、
前記模型航空機には、
前記インターネット回線を利用した通信を行う航空機側通信手段と、
前記飛行プランデータに従って前記模型航空機を飛行させる航空機側飛行手段と、
前記飛行プランデータを記憶する航空機側記憶部と、
前記模型航空機を制御する航空機側制御手段とが配設され、
前記管理サーバには、
前記インターネット回線を利用した通信を行うサーバ側通信手段と、
前記利用者と前記模型航空機のサービス提供者との間で締結される前記模型航空機の利用に関するサブスクリプションサービスの契約を管理する契約管理手段と、
前記自動充電器の利用を管理する充電器利用管理手段と、
前記模型航空機を飛行させる飛行プランデータを作成して管理する飛行プラン管理手段と、
前記広告体に関する広告体データを管理する広告体管理手段と、
前記広告体データ、前記飛行プランデータおよび前記契約管理手段から取得した前記サブスクリプションサービスの契約データをそれぞれ記憶するサーバ側記憶部と、
前記管理サーバを制御するサーバ側制御手段とが配設され、
前記サブスクリプションサービスを利用するためのアプリケーションを有し、
前記利用者が所有して、前記インターネット回線を利用した通信を行う利用者側通信手段と、インストールされた前記アプリケーションを記憶する利用者側記憶部と、利用者側情報通信端末を制御する利用者側制御手段とが配設された前記利用者側情報通信端末を備えたことを特徴とする模型航空機のサブスクリプションサービスシステム。
【請求項2】
前記広告体は複数で、これらの広告体は、形状、サイズおよび前記模型航空機における掛止位置のうち、少なくとも1つがそれぞれ異なるもので、
前記管理サーバには、選出された前記広告体の形状、サイズおよび前記模型航空機における掛止位置に応じて、障害物と接触しない前記模型航空機の安全飛行を確保するために、前記飛行プランデータを補正する飛行プラン補正手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の模型航空機のサブスクリプションサービスシステム。
【請求項3】
前記模型航空機の飛行エリアを、前記飛行基地の周辺に制限することで、障害物と接触しない前記模型航空機の安全飛行を確保するための飛行エリア制限装置を有したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の模型航空機のサブスクリプションサービスシステム。
【請求項4】
使用される前記模型航空機は複数で、
前記飛行プラン管理手段に、前記各模型航空機を編隊飛行させるための編隊飛行データの作成機能および管理機能を付加したことを特徴とする請求項1~請求項3のうち、何れか1項に記載の模型航空機のサブスクリプションサービスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、定期的に料金を支払うことで、模型航空機を一定期間利用するサービスを受けるための模型航空機のサブスクリプションサービスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
トイドローンやホビードローンと称される200g未満の模型航空機は、その手軽さから個人の趣味だけでなく、店舗の販売促進(例えば、特許文献1など)、イベント会場での広告、公共行事・会社行事・祝い事などの催物で利用されている。その他、プログラミング教育の教材としても用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6080143号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の模型航空機は、バッテリ1個あたりの飛行時間が数分~十数分と短く、充電時間は飛行時間の5~10倍程度必要としていた。そのため、模型航空機を長時間利用したい場合には、予備バッテリを数多く用意し、頻繁なバッテリ交換が必要で、複数の模型航空機を同時に飛行させる場合はさらに頻繁なバッテリ交換が必要だった。
【0005】
また、模型航空機は、専門的な知識を有する者でなければ、希望する場所で希望の時間に、安全な飛行ができる飛行プランを設定することはできなかった。
さらには、例えば、模型航空機が店舗の販売促進、イベント会場での広告に利用される場合には、模型航空機に取り付けるPOPやメッセージカードなどが飛行の妨げにならないように、その形状、サイズ、取付位置(掛止位置)の試行錯誤が必要だった。
【0006】
また、上述した模型航空機の自動充電、飛行プラン、POPやメッセージカード等のサービスを得るためには、これらを個別に購入する(または利用料を支払う)必要があり、高額となっていた。
しかも、各サービスを利用したい場合には、一般的に模型航空機の販売店に出向くか、販売会社に郵送等で申し込むしかなく、サービス開始までに手間や日数(期間)を要していた。また、この不便さは、サービス解約時も同様であった。
【0007】
そこで、発明者は鋭意研究の結果、模型航空機の自動充電、飛行プラン、POPやメッセージカード等が、定額で自由に選べるサブスクリプションサービスシステムを提供し、各サービスの申込みや納品後の設定変更をリモートかつリアルタイムで行うことができるようにすれば、上述した課題はすべて解消されることを知見し、この発明を完成させた。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点に艦がみなされたもので、模型航空機の自動充電、飛行プラン、POPやメッセージカード等のサービスが、定期的な利用料を支払うことで、利用者の要望に応じて、リモートかつリアルタイムで自由に選択できるサブスクリプションサービスシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、飛行基地から離着陸し、かつ広告体が掛止される模型航空機を、利用者が定期的な利用料を支払うことにより、インターネット回線を介して管理サーバから送信された飛行プランデータに従って飛行させる模型航空機のサブスクリプションサービスシステムであって、前記飛行基地には、前記模型航空機の自動充電器が設けられ、前記模型航空機には、前記インターネット回線を利用した通信を行う航空機側通信手段と、前記飛行プランデータに従って前記模型航空機を飛行させる航空機側飛行手段と、前記飛行プランデータを記憶する航空機側記憶部と、前記模型航空機を制御する航空機側制御手段とが配設され、前記管理サーバには、前記インターネット回線を利用した通信を行うサーバ側通信手段と、前記利用者と前記模型航空機のサービス提供者との間で締結される前記模型航空機の利用に関するサブスクリプションサービスの契約を管理する契約管理手段と、前記自動充電器の利用を管理する充電器利用管理手段と、前記模型航空機を飛行させる飛行プランデータを作成して管理する飛行プラン管理手段と、前記広告体に関する広告体データを管理する広告体管理手段と、前記広告体データ、前記飛行プランデータおよび前記契約管理手段から取得した前記サブスクリプションサービスの契約データをそれぞれ記憶するサーバ側記憶部と、前記管理サーバを制御するサーバ側制御手段とが配設され、前記サブスクリプションサービスを利用するためのアプリケーションを有し、前記利用者が所有して、前記インターネット回線を利用した通信を行う利用者側通信手段と、インストールされた前記アプリケーションを記憶する利用者側記憶部と、利用者側情報通信端末を制御する利用者側制御手段とが配設された前記利用者側情報通信端末を備えたことを特徴とする模型航空機のサブスクリプションサービスシステムである。
【0010】
ここでいう「模型航空機のサブスクリプションサービスシステム」とは、定期的(例えば、毎月、毎年など)に料金を支払うことで、利用者に模型航空機を一定期間利用するサービスを提供するシステムである。
ここでいう「サービス」とは、模型航空機の利用に関するものであれば限定されない。例えば、模型航空機の利用、自動充電器の利用、アプリケーションがインストールされた情報通信端末の利用、アプリケーションのみの利用、飛行プラン(編隊飛行を含む)の作成・変更、広告体の作成・変更、エリア制限装置の利用などを採用することができる。
本発明では、各サービスについて、一括または個別に利用契約を締結または解除することができる。
なお、サブスクリプションサービスの契約解除後は、サービス提供者に対して、解除対象となる模型航空機、自動充電器、情報通信端末などを返還するだけでなく、各対象機器やサービスに対して、買い取り、新たなレンタル契約の締結またはリース契約の締結を行うようにしてもよい。
【0011】
模型航空機とは、改正航空法(平成27年12月10日施行)の規制がない200g未満のトイドローンやホビードローンと称される飛行ドローンで、例えば、プロペラ飛行方式のものを採用することができる。
なお、模型航空機の定義および重量等の規制は、最新の航空法に準ずるものとする。
模型航空機は、例えば、店舗の販売促進(広告)、イベント会場での広告、公共行事・会社行事・祝い事などの催物で利用することができる。
なお、店舗としては、例えば、百貨店、スーパーマーケット、総合スーパー(ショッピングセンター)などを採用することができる。
【0012】
飛行基地は任意である。例えば、店舗、イベント会場などの所定場所や、各種の移動可能なステージなどを採用することができる。
自動充電器の充電方式は任意である。ワイヤレス式または非接触式または接触式でもよい。ただし、模型航空機の飛行に支障や制約がないようにワイヤレス式が好ましい。また、送電部と受電部の接触による劣化を防ぐため非接触式が好ましい。非接触式の自動充電器の種類は限定されない。例えば、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界結合方式、電波受信方式などを採用することができる。
【0013】
広告体の種類は任意である。例えば、各種の広告紙媒体、各種の立体広告媒体などを採用することができる。広告紙媒体としては、POPシート、メッセージカード、ポスター、チラシ、ビラ、ラベル等を採用することができる。
広告体の模型航空機への掛止位置(取付け位置)は任意である。例えば、模型航空機の上面、周側面または下面でもよい。
広告体を模型航空機に掛止する掛止手段は限定されない。例えば、各種の掛止具(クリップ、フック等)、吊下部材(紐、糸等)を採用することができる。
【0014】
飛行プランデータとは、模型航空機を飛行させるデータで、例えば、所定の飛行路に沿って模型航空機を目的地まで飛行させるための飛行ルートデータ、飛行速度データ、模型航空機にパターン化された飛行をさせるための飛行パターンデータなどを採用することができる。
航空機側飛行手段とは、飛行プランデータに従って、模型航空機を飛行させるためのプログラムである。模型航空機の飛行方式の種類は限定されない。例えば、模型航空機に搭載したカメラのカメラ画像に基づき、店内通路を画像認識して自律飛行を行うものでもよい。例えば、前方、左右、上空の障害物を検知する4つの超音波センサを有し、各超音波センサにより周囲の障害物を感知し、飛行中の模型航空機が障害物に近づくと、自動的に模型航空機が回避移動して衝突(接触)を回避するものなどを採用することができる。
航空機側記憶部(利用者側記憶部も同じ)としては、例えば、メインメモリ(RAM,ROM)などを採用することができる。
航空機側制御手段(利用者側制御手段も同じ)としては、例えば、各種のCPU(中央演算処理装置)などを採用することができる。
【0015】
管理サーバとしては、例えば、このサブスクリプションサービスの運営会社などが所有する各種のコンピュータ、各種のクラウドコンピュータなどを採用することができる。
模型航空機のサービス提供者および利用者は、個人でも法人でもよい。
契約管理手段とは、模型航空機の利用に関するサブスクリプションサービスの契約を管理するプログラムである。例えば、サービス提供者に代わって利用者との間で契約関連情報をやり取りして当該契約を締結したり、締結後の契約データを管理する。
充電器利用管理手段とは、自動充電器の利用および利用解除を管理するプログラムである。
【0016】
飛行プラン管理手段とは、サブスクリプションサービスの範囲において、利用者の要望に応じて模型航空機を飛行させる飛行プランデータを作成して管理するプログラムである。
広告体管理手段とは、広告体に関する広告体データを管理するプログラムである。
ここでいう広告体データとしては、例えば、広告体の形状、サイズ、模型航空機に対する掛止位置、広告の表示内容などを採用することができる。
サーバ側記憶部としては、例えば、データベースのメインメモリ(RAM,ROM)などを採用することができる。
サーバ側制御手段としては、例えば、管理サーバを構成するコンピュータに搭載されたCPUなどを採用することができる。
利用者側情報通信端末としては、パソコンの他、スマートフォン、タブレットなどの各種のモバイルを採用することができる。
【0017】
アプリケーションとは、模型航空機のサブスクリプションサービスを利用するためのソフトウェアである。このアプリケーションは、利用者側情報通信端末からインターネット回線を介して管理サーバにアクセスするアクセスプログラムと、サービス提供者に代わり利用者との間でサブスクリプションサービスの利用契約の締結および解除を行う利用契約プログラムと、利用者が所望する飛行プラン(飛行条件)を管理サーバに指定する飛行プラン指定プログラムと、自動充電器の利用の有無を管理サーバに指定する充電器使用指定プログラムと、模型航空機に掛止される広告体の作成条件を管理サーバに指定する広告体データ指定プログラムとを有している。
利用者側情報通信端末からの各種データの入力方法は限定されない。例えば、キー入力(ソフトウェアキー入力を含む)の他、手軽な音声入力を採用することができる。
【0018】
また、請求項2に記載の本発明は、前記広告体は複数で、これらの広告体は、形状、サイズおよび前記模型航空機における掛止位置のうち、少なくとも1つがそれぞれ異なるもので、前記管理サーバには、選出された前記広告体の形状、サイズおよび前記模型航空機における掛止位置に応じて、障害物と接触しない前記模型航空機の安全飛行を確保するために、前記飛行プランデータを補正する飛行プラン補正手段が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の模型航空機のサブスクリプションサービスシステムである。
【0019】
広告体の数は2つ以上であれば任意である。
各広告体は、互いに形状のみ、サイズのみ、広告体の掛止位置のみが異なってもよいし、これらのうちの2つまたは3つ全部が異なってもよい。
広告体の形状としては、例えば、円形、楕円形、三角形または四角形以上の多角形の他、任意形状でもよい。
広告体のサイズとしては、例えば、名刺サイズ、はがきサイズなどでもよい。
飛行プラン補正手段とは、障害物と接触しない模型航空機の安全飛行を確保するために、広告体の形状、サイズおよび模型航空機に対する広告体の掛止位置に応じて飛行プランデータを補正するプログラムである。
【0020】
さらに、請求項3に記載の本発明は、前記模型航空機の飛行エリアを、前記飛行基地の周辺に制限することで、障害物と接触しない前記模型航空機の安全飛行を確保するための飛行エリア制限装置を有したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の模型航空機のサブスクリプションサービスシステムである。
【0021】
飛行エリア制限装置の構造は、飛行基地の周辺に障害物と接触しない模型航空機の安全飛行を確保できるものであれば限定されない。
例えば、飛行基地の上方に配された細いワイヤ(例えば、テグスワイヤなど)により吊下するタイプのものでも、飛行基地の周りを縦長な複数本のフレームで囲い、各フレームと模型航空機とを、複数本の紐(例えば、テグスなど)により連結したものなどを採用することができる。
【0022】
さらにまた、請求項4に記載の本発明は、使用される前記模型航空機は複数で、前記飛行プラン管理手段に、前記各模型航空機を編隊飛行させるための編隊飛行データの作成機能および管理機能を付加したことを特徴とする請求項1~請求項3のうち、何れか1項に記載の模型航空機のサブスクリプションサービスシステムである。
編隊飛行される模型航空機の数は、2台以上であれば任意である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の発明によれば、まず、利用者が利用者側情報通信端末にアプリケーションをインストールし、その後、利用者がアプリケーションを起動して、インターネット回線を介して、利用者側情報通信端末の利用者側通信手段から管理サーバにアクセスする。
このアクセスをサーバ側通信手段が受信した後、インターネット回線を介して、利用者側情報通信端末と管理サーバとの間でサービス締結に関する情報(データ)のやり取りを行い、利用者とサービス提供者との間で、模型航空機に関してのサブスクリプションサービスの利用契約を締結する。その後、得られたサブスクリプションサービスの契約データは、サーバ側記憶部に記憶されて契約管理手段により管理される一方、インターネット回線を介して、利用者側情報通信端末に送信される。
【0024】
契約締結後は、利用者が定期的に利用料を支払うことで、サブスクリプションサービスの利用を行うことができる。すなわち、インターネット回線を介して、利用者側情報通信端末から管理サーバに対して、例えば、利用者が所望する模型航空機の飛行プランや充電プランなどに応じた、模型航空機および自動充電器(必要時)の提供信号、模型航空機の飛行プラン指定データ、広告体の作成条件指定データなどをそれぞれ送信する。なお、利用者側情報通信端末でのデータ入力に音声入力を採用すれば、各データの入力操作が簡便となる。
その後、これらの信号やデータを管理サーバ側が受信することで、充電器利用管理手段が自動充電器の利用を許可し、飛行プラン管理手段が模型航空機の飛行プランデータを作成して管理するとともに、広告体を作製するための広告体データを広告体管理手段が作成して管理する。
【0025】
その後、サービス提供者から利用者に対して、例えば、航空機側記憶部に利用者が所望する飛行プランデータが記憶された模型航空機と、利用可能に設定された自動充電器と、広告体データに基づき製作された広告体と、利用者から申込みがあった場合はアプリケーションがインストールされた情報通信端末とをそれぞれ提供(輸送、納品)する。
次いで、利用者は、自動充電器により充電された模型航空機を飛行基地から離陸させ、航空機側記憶部に記憶された飛行プランデータにしたがって、利用者が所望する飛行プランで模型航空機を航空機側飛行手段によって飛行させる。
【0026】
また、模型航空機等の納品後に、飛行プラン、充電プランおよび広告プランについて変更したい場合には、上述したように利用者がアプリケーションを起動し、利用者側情報通信端末から管理サーバにアクセスする。
その後、変更したいプランに応じた、模型航空機の飛行プラン指定データ、広告体の作成条件指定データ、広告体データなどを、インターネット回線を介して、管理サーバに各々送信し、対応するプランの変更を行う。
得られた変更後の飛行プランデータ、変更後の自動充電器の利用停止(または利用許可)の信号は、インターネット回線を介して、管理サーバから利用者側情報通信端末に送信され、これにより模型航空機の飛行プラン、充電プラン、自動充電器の利用状況が変更される。
【0027】
一方、広告プランの変更に関しては、広告体管理手段において変更後の広告体データが作成され、これに基づき、新たに広告体が作製されて、利用者に提供される。
また、サブスクリプションサービスを解約する際には、利用者側情報通信端末から管理サーバにサービス解約信号を送信し、これを受信した管理サーバにおいて、契約管理手段によりサブスクリプションサービスの契約が解除される。
以上のことから、本発明では、模型航空機の自動充電、飛行プラン、POPやメッセージカード等のサービスが、定期的な利用料を支払うことで、利用者の要望に応じて、リモートかつリアルタイムで自由に選択することができる。
【0028】
特に、請求項2に記載の本発明によれば、複数の広告体は、形状、サイズおよび模型航空機における掛止位置のうち、少なくとも1つがそれぞれ異なっている。
そのため、模型航空機に掛止された広告体を変更した際には、変更後の広告体付模型航空機は、変更前のものに比べて全体形状や全体サイズが異なることとなり、変更前の飛行プランのままでは、模型航空機の安全飛行を確保できなくなるおそれがある。
そこで、広告体変更後は、飛行プラン補正手段より、その広告体付模型航空機の全体形状や全体サイズに応じて、周囲の障害物に接触しない模型航空機の安全飛行が確保される飛行プランデータの補正を行う。
これにより、広告体の変更に拘わらず、常時、模型航空機の安全飛行を確保することができる。
【0029】
また、請求項3に記載の本発明によれば、模型航空機の飛行エリアを、飛行エリア制限装置により飛行基地の周辺に制限したため、障害物と接触しない模型航空機の安全飛行を物理的に確保することができる。
【0030】
さらに、請求項4に記載の本発明によれば、飛行プラン管理手段により編隊飛行データを作成して管理するため、利用者の所望により、複数の模型航空機を編隊飛行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施例1に係る模型航空機のサブスクリプションサービスシステムの全体図である。
図2】実施例1のサービスシステムに利用される模型航空機の自動充電器を示す要部拡大斜視図である。
図3】実施例1のサービスシステムの電気系統を示す全体模式図である。
図4】実施例1のサービスシステムに利用される別の飛行エリア制限装置の使用状態の斜視図である。
図5】(a)は、実施例1のサービスシステムに利用される、さらに別の飛行エリア制限装置における模型航空機の着陸状態を示す斜視図である。(b)は、実施例1のサービスシステムに利用される、さらに別の飛行エリア制限装置における模型航空機の飛行状態を示す斜視図である。
図6】実施例1のサービスシステムに利用される模型航空機の斜視図であえる。
図7】実施例1のサービスシステムに利用される4枚1組の広告体の正面図である。
図8】実施例1のサービスシステムに利用される2枚1組の大判な広告体の正面図である。
図9】実施例1のサービスシステムに利用される別の模型航空機の斜視図であえる。
図10】実施例1のサービスシステムに利用されるアプリケーションを示す模式図である。
図11】実施例1のサービスシステムを利用したサブスクリプションサービスの利用契約の締結工程を示すフローシートである。
図12】実施例1のサービスシステムを利用したサブスクリプションサービスの利用契約の解除工程を示すフローシートである。
図13】本発明の実施例2に係る模型航空機のサブスクリプションサービスシステムの電気系統を示す全体模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
【実施例0033】
図1において、10はこの発明の実施例1に係る模型航空機のサブスクリプションサービスシステム(以下、サブスクリプションサービスシステム)である。
このサブスクリプションサービスシステム10は、飛行基地11から離着陸し、かつ広告体12が掛止される模型航空機13を、利用者が定期的な利用料を支払うことにより、インターネット回線14を介して管理サーバ15から送信された飛行パターンデータ(飛行プランデータ)に従って飛行させるもので、サブスクリプションサービスを利用するためのアプリケーション16がインストールされたスマートフォン(利用者側情報通信端末)17を備えている。
【0034】
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
図1に示すように、飛行基地11は、縦長な矩形状の架台18を有している。この架台18の周側面には、広告を表示してもよい。架台18の上面は一段(10数cm)下がった上げ底面である。この陥没した空間には、プラスチック製でお椀型の離着陸ステージ19が格納されている。一方、離着陸ステージ19の中央部の直下には、模型航空機13のバッテリBを充電する非接触式の自動充電器20が配されている。
【0035】
自動充電器20は、非接触式の一般的なもの(電磁誘導タイプ)で、離着陸ステージ19の中央部に配された送電部(送電側コイル)21と、模型航空機13の中央下部に配された受電部(受電側コイル)22とを有している(図2を参照)。
また、架台18の内部空間には、自動充電器20とデータ通信可能に接続された架台側情報通信端末(パソコン)23が収納されている。
図3に示すように、架台側情報通信端末23には、インターネット回線14を利用した通信を行う架台側情報通信手段24と、架台側記憶部25と、パソコン23を制御する架台側制御手段26とが配設されている。
インターネット回線14を介して、管理サーバ15から送信された自動充電器20の利用または利用解除の指令を架台側情報通信手段24が受信し、それに基づき、架台側制御手段26から自動充電器20に充電ON/OFFの指令を送信する。
【0036】
さらに、図1に示すように、架台18の上側には、模型航空機13の飛行エリアを飛行基地11の周辺に制限する、フレームタイプの飛行エリア制限装置27が立設されている。
この飛行エリア制限装置27は、架台18の上面の四隅に立設された4本の長尺な縦枠28と、隣接する各縦枠28の上端部を連結する4本の短尺な横枠29とを矩形枠状に組んだ矩形フレーム30と、この矩形フレーム30を覆う透明ネット31とから構成されている。模型航空機13は、この矩形フレーム30内でのみ飛行可能となっている。
なお、別タイプの飛行エリア制限装置27Aとして、例えば、図4に示す模型航空機13を1本のテグスワイヤTにより吊下するテグスワイヤ方式のものを採用することができる。
【0037】
その他、図5に示すさらに別の飛行エリア制限装置27Bを採用してもよい。この飛行エリア制限装置27Bは、上端にテグス挿通用のリング32が固定された4本の縦枠28を架台18の上面の四隅に立設し、基端部に棒状のストッパ33が固定された4本の同一長さのテグスワイヤTを、対応するリング32に各挿通した状態で、これらのテグスワイヤTの先端部を、ここでは形状が異なる模型航空機13Aの四隅に連結した4本ワイヤ方式のものである。
模型航空機13Aの着陸時には、各ストッパ33が対応するリング32付近に配された状態で引き下げられ、飛行時には各テグスワイヤTの長さの範囲で模型航空機13Aが上昇する。
【0038】
次に、前記模型航空機13について説明する。
図6に示すように、模型航空機13は、中央に配置された飛行機本体34を有し、飛行機本体34から90°間隔で4本の支持アーム35が放射状に延出している。飛行機本体34にはバッテリBが内蔵されている。
各支持アーム35の先端部には、プロペラ36と、これを回転させるモータ37とを有した合計4つの推進ユニット38が配設されている。
各推進ユニット38の下部には、着地用の支脚39が配設されている。
【0039】
模型航空機13には、各推進ユニット38を一括収納する略半球枠状のドーム型バンパ40を有している。ドーム型バンパ40は、対応する支持アーム35の先端から放射状に延びた2本の細長い支持枠41を介して、飛行機本体34に連結されている。なお、このドーム型バンパ40を図示しないネットで覆うことで、回転中のプロペラ36による指の怪我を防止できる。
【0040】
ドーム型バンパ40の上部周側面には、上端部が円弧状にカットされた幅(高さ)の狭い蒲鉾状の広告紙シートからなる4枚の広告体12が掛止されている(図7も参照)。各広告紙シート12の下辺の両端部には、先端部に先端爪12aが突設され、かつ基端部に先端爪12aが掛止される基端スリット12bがそれぞれ形成された一対の掛止突片12cがそれぞれ一体形成されている。各広告体12の掛止時には、各掛止突片12cを内折りしてドーム型バンパ40の中間リング枠40aの対峙部分を包み込み、この状態で各先端爪12aを対応する基端スリット12bに差し込むことで、各広告紙シート(広告体)12が模型航空機13に掛止される。なお、各広告紙シート状の広告体12を模型航空機13に掛止する掛止手段としては、各掛止突片12cに代えて、ドーム型バンパ40に配設された図示しない複数のクリップなどを採用してもよい。
【0041】
また、広告体は、4枚使用の広告紙シート12に代えて、例えば、図8に示すような幅(高さ)の広い蒲鉾状の2枚使用の大判広告紙シートからなる別の広告体12Aを採用してもよい。その他にも、この広告体12に代えて、例えば、図示しない吊下式のPOPシートや、キャラクタ人形、商品パッケージ等の立体物などを採用してもよい。
さらに、図9に示すように、このドーム型バンパ40に代えて、各推進ユニット38を個別にガードする4つの円弧バンパ40Aを採用してもよい。ここでは、4枚の広告紙シートの広告体12に代えて、飛行機本体34の上面に、上下反対向きのY字クリップ42を介して、1枚の横長なカード状の広告体12Bが傾斜状態で掛止されている。
【0042】
図3に示すように、模型航空機13には、インターネット回線14を利用した通信を行う航空機側通信手段43と、飛行パターンデータに従って模型航空機13を飛行させる航空機側飛行手段44と、飛行パターンデータを記憶する航空機側記憶部45と、模型航空機13を制御する航空機側制御手段46とが配設されている。
航空機側飛行手段44は、模型航空機13を飛行させるためのプログラムである。
【0043】
ここでの航空機側飛行手段44は、航空機側制御手段46からの指令に基づき、模型航空機13を所定の飛行パターンデータに従って飛行させ、かつ模型航空機13に搭載した図示しないリニアアクチュエータによる重心移動によって空中での姿勢制御を行う図示しない姿勢制御部を有している。すなわち、航空機側飛行手段44は、航空機側制御手段46からの指令に基づき、4つの推進ユニット38のモータ37、図示しない障害物回避手段および姿勢制御部のリニアアクチュエータをコントロールする。
航空機側記憶部45は、メインメモリ(RAM,ROM)である。
航空機側制御手段46は、模型航空機13の電気系統の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)である。
【0044】
次に、管理サーバ15について説明する。
図3に示すように、管理サーバ15は、サブスクリプションサービスの運営会社が所有する大型のコンピュータである。
この管理サーバ15は、インターネット回線14を利用した通信を行うサーバ側通信手段53と、利用者と模型航空機13のサービス提供者との間で締結される模型航空機13の利用に関するサブスクリプションサービスの契約を管理する契約管理手段47と、自動充電器20の利用を管理する充電器利用管理手段48と、模型航空機13を飛行させる飛行パターンデータを作成して管理する飛行パターン管理手段(飛行プラン管理手段)49と、広告体12に関する広告体データを管理する広告体管理手段50と、広告体データ、飛行パターンデータ、および、この契約管理手段47から取得したサブスクリプションサービスの契約データをそれぞれ記憶するサーバ側記憶部51と、管理サーバ15を制御するサーバ側制御手段52とを有している。
【0045】
契約管理手段47は、模型航空機13の利用に関するサブスクリプションサービスの契約を管理するプログラムである。例えば、サービス提供者に代わって利用者との間で契約関連情報をやり取りして、当該契約書を作成して契約を締結したり、反対に契約を解除したりするとともに、締結後の契約データを管理する。
充電器利用管理手段48は、自動充電器20の利用および利用解除を管理するプログラムである。すなわち、充電器利用管理手段48は、スマートフォン17からの自動充電器20の利用請求信号または利用停止請求信号に基づき、自動充電器20の利用を許可または禁止する。
飛行パターン管理手段49は、利用者の要望に応じて模型航空機13を飛行させる飛行パターンデータを作成して管理するプログラムである。すなわち、飛行パターン管理手段49は、スマートフォン17からの飛行パターン指定データに基づき、飛行パターンデータを作成するとともに、この飛行パターンデータを管理する。
【0046】
広告体管理手段50は、広告体12のサイズ、広告体12の形状、模型航空機13に対する広告体12の掛止位置、広告内容などの広告体データを作成して管理するプログラムである。すなわち、広告体管理手段50は、スマートフォン17からの広告体指定データに基づき、広告体データを作成するとともに、この広告体データを管理する。
サーバ側記憶部51は、データベースのメインメモリ(RAM)である。
サーバ側制御手段52は、管理サーバ15を構成するコンピュータに搭載されたCPUである。
【0047】
次に、アプリケーション16について説明する。
図1および図10に示すように、アプリケーション16は、アプリケーション16をスマートフォン17にインストールして得られた管理サーバ15のアドレスに、インターネット回線14を介して、スマートフォン17からアクセスするアクセスプログラム54と、サービス提供者に代わって利用者との間でサブスクリプションサービスの契約関連の情報をやり取りすることで、このサービスの利用契約の締結および解除を行う契約プログラム55と、利用者が所望する飛行パターン(飛行条件)を管理サーバ15に対して指定する飛行パターン指定プログラム(飛行プラン指定プログラム)56と、模型航空機13の自動充電器20の使用の有無を管理サーバ15に指定する充電器使用指定プログラム57と、模型航空機13に掛止される広告体12の作成条件を指定する広告体作成指定プログラム58とを有している。
これらのアクセスプログラム54、契約プログラム55、飛行パターン指定プログラム56、充電器使用指定プログラム57、広告体作成指定プログラム58の各プログラム構成は、それぞれの機能を果たせば限定されない。
【0048】
次に、スマートフォン17について説明する。
図1および図3に示すように、スマートフォン17には、利用者が所有して、インターネット回線14を利用した通信を行う利用者側通信手段59と、インストールされたアプリケーション16を記憶する利用者側記憶部60と、スマートフォン17を制御する利用者側制御手段61とが配設されている。
また、スマートフォン17は、デジタル式のカメラ62と、ディスプレイ63および音声入力用のマイク64を有している。スマートフォン17でのデータ入力に音声入力を採用すれば、各データの入力操作が簡便となる。
【0049】
なお、このサブスクリプションサービスで、スマートフォン17を利用したリモート操作が可能なサービスメニュー(各メニューにおける設定可能な範囲を含む)としては、例えば、(1)飛行コマンド(15種類)、(2)編集可能な飛行パターン(3種類)、(3)飛行する空間サイズ(囲いの大きさ:0.2m(デフォルト)~5m、天井の高さ:0.93m(デフォルト)~4.60m、(4)インターバル動作(オフ(デフォルト)、1分間~15分間まで30秒刻み)、(5)タイマ(開始の年月日時分、終了の年月日時分)、(6)自動充電(ON/OFF)、(7)POP/メッセージカード(4枚セット、2枚セット、1枚)、(8)編隊飛行(2~4代の編隊飛行を1台のスマートフォン17により設定、(9)一般的なメニュー(保険、修理、問い合わせ等)が挙げられる。
【0050】
ここで、(1)飛行コマンドの例としては、以下のものが挙げられる。
command: スクリプト実行の最初に呼ぶ必要がある(スマートフォン17のマイク64を利用した音声入力の場合)。
takeoff: 離陸
land: 着陸
up: 上昇(以下、「天井の高さ」設定に応じて上昇)
down: 下降(以下、「天井の高さ」設定に応じて下降)
left: 左へ移動(以下、「囲いの大きさ」設定に応じて移動)
right: 右へ移動(以下、「囲いの大きさ」設定に応じて移動)
forward: 前方へ移動(以下、「囲いの大きさ」設定に応じて移動)
back: 後方へ移動(以下、「囲いの大きさ」設定に応じて移動)
cw: 時計回りに360度回転
ccw: 反時計回りに360度回転
flip l: 左向きに宙返り
flip r: 右向きに宙返り
flip f: 前向きに宙返り
flip b: 後ろ向きに宙返り
sleep: 1秒停止
【0051】
また、(2)飛行パターンの例としては、以下の3種類が挙げられる。
<パターン1のデフォルト動作>
"command", "takeoff", "up","forward", "cw", "sleep", "sleep", "sleep","left", "ccw", "sleep", "sleep", "sleep","back", "cw", "sleep", "sleep", "sleep","right", "ccw", "sleep", "sleep", "sleep","land"
<パターン2のデフォルト動作>
"command", "takeoff", “up”, "land"
<パターン3のデフォルト動作>
"command", "takeoff", "up", "right", "flip r", "back", "flip b", "left", "flip l", "forward", "land"
【0052】
次に、図1および図3を参照して、この発明の実施例1に係る模型航空機13のサブスクリプションサービスシステム10の利用方法を説明する。
図1および図3に示すように、まず、利用者がスマートフォン17にアプリケーション16をインストールし、その後、利用者がアプリケーション16を起動して、インターネット回線14を介して、スマートフォン17の利用者側通信手段59から管理サーバ15にアクセスをする。
このアクセスをサーバ側通信手段53が受信した後、インターネット回線14を介して、スマートフォン17と管理サーバ15の契約管理手段47との間でサービス締結に関する情報(データ)のやり取りを行い、利用者とサービス提供者との間で、模型航空機13に関してのサブスクリプションサービスの利用契約を締結する。
こうして得られたサブスクリプションサービスの契約データは、サーバ側記憶部51に記憶されて契約管理手段47により管理される一方、インターネット回線14を介して、スマートフォン17に送信されて、利用者側記憶部60に記憶される。
【0053】
契約締結後は、利用者が定期的に利用料を支払うことで、サブスクリプションサービスの利用を行うことができる。すなわち、インターネット回線14を介して、スマートフォン17から管理サーバ15に対して、例えば、利用者が所望する模型航空機13および自動充電器20の指定信号、模型航空機13の飛行パターン指定データ、広告体12の作成条件指定データなどをそれぞれ送信する。
その後、これらの信号やデータを管理サーバ15側が受信することで、充電器利用管理手段48が自動充電器20の利用を許可し(充電器使用許可の発令)、飛行パターン管理手段49が模型航空機13の飛行パターンデータを作成して管理するとともに、所定の広告体12を作製するための広告体データを広告体管理手段50が作成して管理する。これらのデータは、サーバ側記憶部51に記憶される。なお、広告体12は、この広告体データに基づき、サービス提供者側が作製するものとする。
【0054】
次いで、サービス提供者から利用者に、自動充電器20付きの模型航空機13である自動充電器付模型航空機セットを郵送(宅配)する。
ここでいう自動充電器付模型航空機セットとは、搭載する航空機側記憶部45に利用者が所望する飛行パターンデータが記憶された模型航空機13と、飛行エリア制限装置27と、この装置に内蔵する架台側情報通信端末23を用いて利用可能に設定された自動充電器20と、広告体12の作成条件指定データに基づき製作された広告体(ここでは、4枚の広告紙シート)12と、バッテリBと、取扱説明書とまとめて梱包したものである。
その後、自動充電器付模型航空機セットを受け取った利用者は、所望の場所に飛行エリア制限装置27を設置し、自動充電器20により充電された模型航空機13を飛行基地11から離陸させ、航空機側記憶部45に記憶された飛行パターンデータにしたがって、利用者が所望する飛行パターンで、かつ模型航空機13を飛行エリア制限装置27のエリア内で、航空機側飛行手段44により飛行させる。
なお、使用される模型航空機13を複数台とし、編隊飛行データを作成・管理する飛行パターン管理手段49を利用して、利用者の所望により、複数の模型航空機13を編隊飛行させてもよい。
利用後は、模型航空機13を飛行基地11の離着陸ステージ19に着陸させ、離着陸ステージ19の送電部21から模型航空機13の受電部22に非接触で充電を行い、次回の飛行のために準備する。
【0055】
また、模型航空機13等の納品後、飛行パターン、充電プランおよび広告プランについて変更したい場合には、利用者がアプリケーション16を起動し、スマートフォン17から管理サーバ15にアクセスする。
その後、変更したいプラン内容に応じた、各々別の模型航空機13の飛行パターン指定データ、広告体12の作成条件指定データ、広告体データなどを、インターネット回線14を介して、管理サーバ15に送信し、対応するプランの変更を行う。
得られた変更後の飛行パターンデータ、変更後の自動充電器20の利用停止(または利用許可)の信号は、インターネット回線14を介して、管理サーバ15からスマートフォン17に送信され、これにより当初の模型航空機13の飛行パターン、充電プラン、自動充電器20の利用状況などが変更される。
【0056】
一方、広告プランの変更に関しては、広告体管理手段50において変更後の広告体データが作成され、これに基づき、新たに広告体12が作製されて利用者に郵送される。
また、サブスクリプションサービスを解約する際には、スマートフォン17から管理サーバ15にサービス解約信号を送信し、これを受信した管理サーバ15において、契約管理手段47によりサブスクリプションサービスの契約が解除される。
このように、サブスクリプションサービスシステム10では、模型航空機13の自動充電、飛行パターン、POPやメッセージカード等のサービスが、定期的な利用料を支払うことで、利用者の要望に応じて、リモートかつリアルタイムで自由に選択することができる。
また、模型航空機13の飛行エリアを、飛行エリア制限装置27により飛行基地11の周辺に制限したため、障害物と接触しない模型航空機13の安全飛行を物理的に確保することができる。
【0057】
ここで、図11および図12のフローシートに基づき、リモートによるサブスクリプションサービスの利用契約締結とその解除との一例を具体的に説明する。
まず、図11のフローシートに示すように、サービス利用開始に際しては、スマートフォン17のアプリケーション16を起動し、インターネット回線14を介して管理サーバ15にアクセスし、キー操作でサブスクリプションサービスの利用を申し込む(S100)。このとき、利用者が所望する模型航空機13および自動充電器20の提供、模型航空機13の飛行パターン指定データ、広告体12の作成条件指定データなどをそれぞれ送信する。
【0058】
次に、申し込みを受け付けた管理サーバ15は(S101)、利用者の返済能力の信用度を審査する与信審査を行い(S102)、審査が通った場合には、初回利用料の入金確認ステップ(S103)へと進む。一方、審査が通らなかった場合には、インターネット回線14を介して、スマートフォン17にサービス利用不可通知を送信し(S104)、これをスマートフォン17が受信することで、利用者がサービス利用不可通知を受理する(S105)。
次に、S103において、初回入金が確認されたならば、利用者が所望した自動充電器付模型航空機セットを利用者に郵送(宅配)し(S106)、かつインターネット回線14を介して、模型航空機13の利用開始日をスマートフォン17に送信する(S107)。
【0059】
その後、自動充電器20付模型航空機13が利用者側に到着する(S108)と、通知された利用開始日に合わせて、自動充電器20および模型航空機13の動作チェックを行う(S109)。ここで、これらの機器の動作に問題がなければ、インターネット回線14を介して、管理サーバ15に動作チェック(OK)の信号を送信する。
次いで、管理サーバ15がこれを受信し、動作に問題がないことを確認したならば(S110)、インターネット回線14を介して、スマートフォン17にサービス利用開始を通知する(S111)。その後、利用者は、模型航空機13および自動充電器20などの利用を開始する。なお、S109の動作チェックにおいて、何らかの不良個所が発見されたならば(S112)、この自動充電器付模型航空機セットをサービス提供者に返品する。
【0060】
次に、図12のフローシートに示すサブスクリプションサービスの利用終了に際しては、スマートフォン17のアプリケーション16を起動し、インターネット回線14を介して管理サーバ15にアクセスして、スマートフォン17のディスプレイ63画面上のキーにより、サブスクリプションサービスの利用終了の操作を行う(S200)。その後、アプリケーション16において、このサービスの終了操作をチェックする(S201)。
操作に問題がなければ、インターネット回線14を介して、その終了信号が管理サーバ15に送信され、これを受信した管理サーバ15は、サービス終了を確認したのち(S203)、インターネット回線14を介して、スマートフォン17にサービス利用の終了信号を送信することなる(S204)。一方、操作に問題があれば、終了操作失敗となる(S202)。
なお、このサービスの解約後は、サービス提供者に対して、解除対象となる模型航空機13、自動充電器20といった機器などを返還するだけでなく、各解約対象の機器やサービスに対して、買い取り、新たなレンタル契約の締結またはリース契約の締結を行うようにしてもよい。
【0061】
次に、図13を参照して、本発明の実施例2に係る模型航空機のサブスクリプションサービスシステム10Aを説明する。
図13に示すように、本発明の実施例2のサブスクリプションサービスシステム10Aの特徴は、1台の模型航空機13に対して用意された広告体12が複数で、これらの広告体12は、形状、サイズおよび模型航空機13における掛止位置のうち、少なくとも1つがそれぞれ異なるものであり、また、管理サーバ15Aには、選出された広告体12の形状、サイズおよび模型航空機13(の露出面)における掛止位置に応じて、障害物と接触しない模型航空機13の安全飛行を確保するために、飛行パターンデータを補正する飛行パターン補正手段(飛行プラン補正手段)65を設けるようにした点である。
【0062】
すなわち、ここでは、“広告体”として、模型航空機13の周側面に掛止される図7に示す幅狭な蒲鉾状の4枚の広告紙シート12と、同じく模型航空機13の周側面に掛止される図8に示す幅広な蒲鉾状の2枚の大判広告紙シート12Aと、模型航空機(図9参照)13Aの上面に下向きY字クリップ42を介して掛止される図9に示す1枚の名刺状の広告カード12Bとを用意している。その他、模型航空機13の上面に掛止される、キャラクタ人形、商品パッケージといった図示しない立体物などを採用してもよい。
また、飛行パターン補正手段65とは、障害物と接触しない模型航空機13,13Aの安全飛行を確保するために、広告体12,12A,12Bの形状、サイズおよび模型航空機13,13Aに対する広告体12,12A,12Bの掛止位置に応じて飛行パターンデータを補正するためのプログラムである。
【0063】
このように、複数の広告体12,12A,12Bは、形状、サイズおよび模型航空機13,13Aにおける掛止位置のうち、少なくとも1つがそれぞれ異なっている。そのため、模型航空機13,13Aに掛止された広告体12,12A,12Bを変更した際には、変更後の広告体付きの模型航空機13,13Aは、変更前のものに比べて全体形状や全体サイズが異なることとなり、変更前の飛行パターンのままでは、模型航空機13,13Aの安全飛行を確保できなくなるおそれがある。
そこで、この実施例2では、広告体12,12A,12Bの変更後は飛行パターン補正手段65より、その変更後の広告体付きの模型航空機13,13Aの全体形状や全体サイズに応じて、周囲の障害物に接触しない模型航空機13,13Aの安全飛行が確保されるように調整した飛行パターンデータに補正する。
これにより、広告体12,12A,12Bの変更に拘わらず、常時、模型航空機13,13Aの安全飛行を確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
この発明は、定期的に料金を支払うことで、模型航空機を一定期間利用するサービスを受けるための模型航空機のサブスクリプションサービスシステムとして有用な技術である。
【符号の説明】
【0065】
10,10A 模型航空機のサブスクリプションサービスシステム
11 飛行基地
12,12A,12B 広告体
13,13A 模型航空機
14 インターネット回線
15,15A 管理サーバ
16 アプリケーション
17 スマートフォン(利用者側情報通信端末)
20 自動充電器
27,27A,27B 飛行エリア制限装置
43 航空機側通信手段
44 航空機側飛行手段
45 航空機側記憶部
46 航空機側制御手段
47 契約管理手段
48 充電器利用管理手段
49 飛行パターン管理手段(飛行プラン管理手段)
50 広告体管理手段
51 サーバ側記憶部
52 サーバ側制御手段
53 サーバ側通信手段
59 利用者側通信手段
60 利用者側記憶部
61 利用者側制御手段
65 飛行パターン補正手段(飛行プラン補正手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13