(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069744
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】シリカの分散評価値の算出方法、システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20230511BHJP
【FI】
G06T7/00 610Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181848
(22)【出願日】2021-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石神 直大
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096EA43
5L096FA32
5L096FA33
5L096FA37
5L096FA62
5L096FA69
5L096FA77
5L096GA19
5L096GA51
(57)【要約】
【課題】SEM画像を適切な閾値で二値化して評価値の精度を向上可能な、シリカの分散評価値の算出方法、システム、及びプログラムを提供する。
【解決手段】シリカの分散評価値の算出方法は、ゴム表面を撮像したグレースケール画像であるSEM画像内に設定された複数の第1領域毎に、前記SEM画像を二値化するための閾値を、前記SEM画像の強度分布に基づいてそれぞれ算出し、算出した前記閾値に基づいて前記SEM画像を二値化し、二値化した画像に基づいてシリカの分散評価値を算出する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のプロセッサが実行する方法であって、
ゴム表面を撮像したグレースケール画像であるSEM画像内に設定された複数の第1領域毎に、前記SEM画像を二値化するための閾値を、前記SEM画像の強度分布に基づいてそれぞれ算出し、
算出した前記閾値に基づいて前記SEM画像を二値化し、
二値化した画像に基づいてシリカの分散評価値を算出する、シリカの分散評価値の算出方法。
【請求項2】
前記第1領域の大きさは1画素であり、前記SEM画像の画素毎に、周囲所定数の複数の画素の強度に基づいて前記閾値を算出する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記二値化した画像を複数の第2領域に分割し、各々の前記第2領域毎に白色画素をカウントし、各々の前記第2領域それぞれの白色画素数に基づいて前記シリカの分散評価値を算出する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の第2領域は、互いに一部が重複している、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の方法を実行する1又は複数のプロセッサを備えるシステム。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の方法を1又は複数のプロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シリカの分散評価値の算出方法、システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴムにおけるシリカの分散評価を行うために、電子顕微鏡画像(SEM画像)でシリカの強度が高く(白く)写ることを利用して、SEM画像に基づき人の目で評価することが行われている。しかし、人手では経験値や人によるバラツキがあり、定量的に評価できる手法が望まれる。
【0003】
特許文献1の段落0056には、加硫ゴムの平均凝集アグリゲート面積を求めるとの記載がある。特許文献1では、SEM画像をOtsu法で決定した閾値で二値化し、二値化した画像に基づきシリカ部分の凝集アグリゲート面積を算出するとの記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ゴム表面を撮影したSEM画像は、撮影対象物が同一のゴムであっても撮影条件で強度ムラが異なり、適切な二値化をしなければ、評価値の精度が損なわれると考えられる。特許文献1に記載のOtsu法は、画像の強度ヒストグラムにおいて2つのピークが現れる画像であれば、二値化のための閾値を比較的適切に決定できるが、ゴム表面のSEM画像は強度に明確なピークがなく、Otsu法では適切な閾値を決定することができない。Otsu法に限らず、ゴムのSEM画像を二値化するための適切な閾値の決定方法が提案されていない。
【0006】
本開示は、SEM画像を適切な閾値で二値化して評価値の精度を向上可能な、シリカの分散評価値の算出方法、システム、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のシリカの分散評価値の算出方法は、1又は複数のプロセッサが実行する方法であって、ゴム表面を撮像したグレースケール画像であるSEM画像内に設定された複数の第1領域毎に、前記SEM画像を二値化するための閾値を、前記SEM画像の強度分布に基づいてそれぞれ算出し、算出した前記閾値に基づいて前記SEM画像を二値化し、二値化した画像に基づいてシリカの分散評価値を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】システムが実行する処理を示すフローチャート。
【
図4】
図3に示す画像本体部分の強度ヒストグラムを示す図。
【
図6】本願の手法に二値化した画像(上部右側画像)と、Otsu法により算出した1つの閾値で二値化した画像(下部右側画像)とを示す図。
【
図7】互いに重ならないように設定した第2領域を示す図。
【
図8】互いに一部の重複が許容される第2領域の設定の過程を示す図。
【
図9】
図7に示す第2領域が互いに重複していない例についての第2領域の白色画素数のヒストグラムを実線で示し、
図8に示す第2領域が互いに重複する例についての第2領域の白色画素数のヒストグラムを一点鎖線で示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
[システム]
本実施形態のシステム1(装置)は、ゴム表面を撮像したSEM画像からシリカの分散評価値を算出する。SEM画像は、電子顕微鏡で撮像したグレースケール画像である。グレースケール画像は、画素毎に強度を有し、強度が黒色の濃淡を示している。強度の階調は、例えば8bitであれば256であり、16bitであれば65536である。強度が低ければ黒く、強度が高ければ白い。シリカの単一粒子または粒子の凝集体は、SEM画像において相対的に白目の画素に写る。
【0011】
図1に示すように、システム1は、SEM画像取得部10と、第1領域設定部11と、閾値算出部12と、二値化実行部13と、第2領域設定部14と、評価値算出部15と、を有する。これら各部10~15は、プロセッサ1a、メモリ1b、各種インターフェイス等を備えたコンピュータにおいて予め記憶されている
図2に示す処理ルーチンをプロセッサ1aが実行することによりソフトウェア及びハードウェアが協働して実現される。本実施形態では、1つの装置におけるプロセッサ1aが各部を実現しているが、これに限定されない。例えば、ネットワークを用いて分散させ、複数のプロセッサが各部の処理を実行するように構成してもよい。すなわち、1又は複数のプロセッサが処理を実行する。メモリ1bは、SEM画像、SEM画像の画素毎の閾値、二値化した画像、第2領域の位置情報(座標、第2領域の識別子)、第2領域内の白色画素数、シリカの分散評価値などを記憶する。
【0012】
SEM画像取得部10は、グレースケール画像であり、ゴム表面を撮像したSEM画像を取得し、メモリ1bに記憶する。
図3は、ゴム表面を撮像したSEM画像を示し、強度を16bitの階調で表したグレースケール画像である。
図3は下部に撮像条件が記載されているが、二値化やシリカの分散評価値の算出は、下部を除いた画像本体に対して行う。以降、
図3以外のSEM画像又はSEM画像を二値化した画像は、
図3の下部を除いた画像本体に対応する画像を示す。
図4は、
図3に示す画像本体部分の強度ヒストグラムを示す。
図4の横軸が強度、縦軸が画素数(ピクセル数)である。
図4の横軸の左端が0(黒)を示し、横軸の右端が65535(白色)を示す。
図4に示すように、ゴム表面を撮像したSEM画像の強度分布は一様であり、明確なピークがなく画像全体に通用する適切な1つの閾値を決定することが難しい。
【0013】
第1領域設定部11は、SEM画像に対して複数の第1領域を設定する。本実施形態では、第1領域設定部11は、1画素を1つの第1領域に設定する。つまり、第1領域の数は、SEM画像の縦の画素数×横の画素数となる。
【0014】
閾値算出部12は、SEM画像に設定された複数の第1領域(本実施形態では1画素)毎に、SEM画像の強度分布に基づいて閾値を算出する。閾値は、SEM画像を二値化するために用いられる。本実施形態では、閾値算出部12は、SEM画像の画素毎に、周囲所定数の複数の画素の強度に基づいて閾値を算出する。例えば、
図5に示すように、注目画素G
ijの閾値を決定する例を説明する。iは画素の横軸の位置を示す(例えば、左下を原点とする横軸でi番目の画素を意味する)。jは画素の縦軸の位置を示す(例えば、左下を原点とする縦軸でj番目の画素を意味する)。
図5の例では、注目画素G
ijの閾値を決定するための周囲所定数の複数の画素は、注目画素G
ijを中心とするSEM画像全体の大きさの1/8の範囲(
図5にて一点鎖線で示す枠)内にある画素である。本実施形態では、閾値算出部12は、SEM画像全体の大きさに対する割合で周囲所定数の複数の画素の範囲を決定しているが、これに限定されない。例えば、閾値算出部12は、閾値を決定する注目画素G
ijを中心として所定数(例えば100画素×100画素)の範囲内の画素としてもよいし、閾値を決定する注目画素G
ijを中心とする所定半径の円の範囲内の画素としてもよい。
【0015】
本実施形態では、閾値算出部12は、閾値を決定する注目画素Gijの周囲所定数(所定範囲)の画素のうち、注目画素Gij以外の画素の強度の平均値に基づき、閾値を決定している。具体的には、平均値のt倍(tは0を超え且つ1未満の数である)を閾値としている。本実施形態では、t=0.4であり、平均値の40%が閾値となることを意味するが、tは上記範囲内で適宜変更可能である。これにより、画素毎に閾値が算出される。算出される閾値は、画素数と同数である。各々の画素Gijと閾値Thijは対応している。閾値Thijは、画素Gijに対応する閾値であることを示す。
【0016】
二値化実行部13は、閾値算出部12が算出した閾値に基づいてSEM画像を二値化する。具体的には、二値化実行部13は、SEM画像を構成する各々の画素について、対応する閾値に基づき二値(黒または白)のいずれにするかを決定し(判定処理)、決定結果に基づいて各々の画素の強度を二値のいずれかに変換する(変換処理)。具体的には、注目画素G
ijの強度が、注目画素G
ijに対応する閾値Th
ijよりも小さければ、注目画素G
ijを黒色とする。注目画素G
ijの強度が、注目画素G
ijに対応する閾値Th
ij以上であれば、注目画素G
ijを白色とする。二値化実行部13は、閾値による判定処理と変換処理とをSEM画像を構成する全ての画素に対して実行する。これにより、SEM画像を二値画像に変換する処理が完了する。
図6は、本願の手法に二値化した画像(上部右側画像)と、Otsu法により算出した1つの閾値で二値化した画像(下部右側画像)とを示す。
図6の上部左側画像及び下部左側画像は、
図3に示す画像本体と同一であり、SEM画像を示す。
【0017】
第2領域設定部14は、二値化した画像を分割して複数の第2領域を設定する。
図7に示すように、二値化した画像に対して複数の第2領域Ar2を、各々の第2領域Ar2が互いに重ならないように設定してもよいし、
図8に示すように各々の第2領域Ar2が一部の重なりを許容して設定してもよい。
図7の例では、1つの二値化した画像が64分割され、64個の第2領域Ar2が設定された例である。第2領域Ar2は二値化した画像よりも小さく且つ複数画素が含まれる。設定後の第2領域Ar2は多数となり図示できないため、
図8は、第2領域Ar2の設定の過程を示している。
図8に示す第2領域が重複を許容する場合は、各々の第2領域を5画素(ピクセル)ずつ縦および横にスライドさせてずらしている。第2領域Ar2をずらす量(重複量)は、画像内で均一であれば5画素に限定されず、変更可能である。
図8に示す各々の第2領域Ar2の重複が許容される場合の第2領域Ar2の数は、
図7に示す各々の第2領域Ar2の重複が許容されない場合の第2領域Ar2の数よりも多くなる。第2領域Ar2の大きさは、二値化した画像の大きさをu倍(uは0より大きく且つ1未満の数)であればよい。
【0018】
評価値算出部15は、第2領域設定部14が設定した各々の第2領域Ar2毎に白色画素をカウントし、各々の第2領域Ar2それぞれの白色画素数に基づいてシリカの分散評価値を算出する。具体的な一例として、第2領域の数がN個の場合、N個の第2領域それぞれの白色画素をカウントする。k=1~Nとして、k番目の第2領域内にある白色画素数をX
kとする。各々の第2領域内それぞれの白色画素数は、X
1,X
2,…,X
N-1,X
Nで表される。
本実施形態では、評価値算出部15は、変動係数CVを分散評価値として算出する。変動係数CV(評価値)は、各第2領域の白色画素数(X
k;k=1~N)に基づき算出可能である。変動係数CVは次の式で表現される。Sは標準偏差を示し、X
avは全ての第2領域の白色画素数の平均値を示す。
【数1】
【0019】
図9は、
図7に示す第2領域が互いに重複していない例についての第2領域の白色画素数のヒストグラムを実線で示し、
図8に示す第2領域が互いに重複する例についての第2領域の白色画素数のヒストグラムを一点鎖線で示す。横軸が1つの第2領域内の白色画素数を示し、縦軸が第2領域の数を示す。一点鎖線と実線を比較すると、実線の歪な分布形状が、一点鎖線では慣らされ対称な形状に近づいているものである。分散評価を行う際の第2領域の数が増えることで、統計量が増え、分散評価値の精度が向上すると考えられる。一点鎖線と実線を比べて、白色画素数の分散度が類似していることから、第2領域のいずれの設定方法でも正しく評価できると理解できる。
【0020】
[シリカの分散評価値の算出方法]
上記システム1が実行する、シリカの分散評価値の算出方法を、
図2を用いて説明する。
【0021】
まず、ステップST1において、SEM画像取得部10は、ゴム表面を撮像したグレースケール画像であるSEM画像を取得する。次のステップST2において、第1領域設定部11は、SEM画像に対して複数の第1領域を設定する。本実施形態では、1画素が1つの第1領域としているので、第1領域を設定する処理をステップST3の閾値算出処理と分けておらず、一体に実行している。
【0022】
次のステップST3において、閾値算出部12は、SEM画像内の複数の第1領域毎に、SEM画像を二値化するための閾値を、SEM画像の強度分布に基づいてそれぞれ算出する。次のステップST4において、二値化実行部13は、算出した閾値に基づいてSEM画像を二値化し、二値化した画像を得る。
【0023】
次のステップST5において、第2領域設定部14は、二値化した画像に対して複数の第2領域を設定する。ステップST6において、評価値算出部15は、各々の第2領域の白色画素数に基づいて、シリカの分散評価値を算出する。
【0024】
以上のように、本実施形態のシリカの分散評価値の算出方法は、1又は複数のプロセッサが実行する方法であって、ゴム表面を撮像したグレースケール画像であるSEM画像内に設定された複数の第1領域毎に、SEM画像を二値化するための閾値を、SEM画像の強度分布に基づいてそれぞれ算出し、算出した閾値に基づいてSEM画像を二値化し、二値化した画像に基づいてシリカの分散評価値を算出する、としてもよい。
このように、SEM画像全体で一つの閾値ではなく、強度分布に基づいてSEM画像内に設定された複数の領域毎に閾値を算出するので、1画像を一つの閾値で二値化する場合に比べて、撮像毎に変化し得る強度分布や画像内の強度分布を考慮でき、シリカの分散評価値の精度を向上可能となる。
【0025】
特に限定されないが、本実施形態のように、第1領域の大きさは1画素であり、SEM画像の画素毎に、周囲所定数の複数の画素の強度に基づいて閾値を算出する、としてもよい。
このように、画素毎に周囲の強度分布に基づいて閾値を算出し、画素毎に算出した閾値でSEM画像を二値化するので、周囲の強度分布に基づく適切なSEM画像の二値化が可能となる。
【0026】
特に限定されないが、本実施形態のように、前記二値化した画像を複数の第2領域に分割し、各々の第2領域毎に白色画素をカウントし、各々の第2領域それぞれの白色画素数に基づいてシリカの分散評価値を算出する、としてもよい。
二値化した画像を複数の第2領域に分割したうえで分散評価することにより、画像全体内の白色領域の偏り具合を精度良く評価でき、シリカの分散評価値の精度を向上可能となる。
【0027】
特に限定されないが、本実施形態のように、複数の第2領域は、互いに一部が重複している、としてもよい。
このようにすれば、第2領域の数が増え、局所的な第2領域毎の白色画素の数が増えるので、シリカの分散評価値の精度を向上可能となる。
【0028】
本実施形態に係るプログラムは、上記方法を1又は複数のコンピュータに実行させるプログラムである。
これらプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。
【0029】
以上、本開示の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0030】
(1)前記実施形態では、第1領域設定部11は、1画素に対して1つの第1領域を設定しているが、これに限定されない。例えば、第1領域設定部11は、2画素以上の画素塊に対して1つの第1領域を設定してもよい。
【0031】
(2)前記実施形態では、閾値算出部12は、1画素の閾値を、周囲所定数(所定範囲)の複数の画素の平均値に基づき決定しているが、複数の画素の統計値であれば、平均値に限定されない。例えば、最頻値、中央値などの値であってもよい。
【0032】
(3)前記実施形態の二値化手法を実行するのであれば、二値化した後の画像のシリカの分散評価値の算出方法は、本明細書に記載の方法に限定されず、種々の方法を採用可能である。
【0033】
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0034】
例えば、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現できる。特許請求の範囲、明細書、および図面中のフローに関して、便宜上「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【0035】
図1に示す各部は、所定プログラムを1又は複数のプロセッサで実行することで実現しているが、各部を専用メモリや専用回路で構成してもよい。上記実施形態のシステム1は、一つのコンピュータのプロセッサ1aにおいて各部が実装されているが、各部を分散させて、複数のコンピュータやクラウドで実装してもよい。すなわち、上記方法を1又は複数のプロセッサで実行してもよい。
【0036】
システム1は、プロセッサ1aを含む。例えば、プロセッサ1aは、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、またはコンピュータ実行可能命令の実行が可能なその他の処理ユニットとすることができる。また、システム1は、システム1のデータを格納するためのメモリ1bを含む。一例では、メモリ1bは、コンピュータ記憶媒体を含み、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、CD-ROM、DVDまたはその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたはその他の磁気記憶デバイス、あるいは所望のデータを格納するために用いることができ、そしてシステム1がアクセスすることができる任意の他の媒体を含む。
【符号の説明】
【0037】
Ar2…第2領域。