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特開2023-69783充電ロッカー、バッテリ取出システム、及びバッテリ取出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069783
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】充電ロッカー、バッテリ取出システム、及びバッテリ取出方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230511BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230511BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230511BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
H02J7/00 303C
H02J13/00 301A
H02J13/00 311K
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181905
(22)【出願日】2021-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 博志
(72)【発明者】
【氏名】中田 充生
【テーマコード(参考)】
5G064
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G064AA01
5G064AC08
5G064AC09
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA08
5G503FA03
5G503GD04
5H030AS06
5H030AS08
5H030AS18
5H030BB01
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】登録や管理の手間を軽減できる、充電ロッカー、バッテリ取出システム、及びバッテリ取出方法を提供すること。
【解決手段】バッテリ取出システム1が、複数のバッテリ8を収容する複数のバッテリ収容部24を有して、バッテリ収容部24に収容されたバッテリ8を充電可能な充電ロッカー20と、近距離無線通信の信号に基づいて解錠する開閉扉12、及び複数の電動アシスト自転車用の鍵7を保管できる鍵保管部11を有するキーボックス10と、各鍵7に直接又は連結部材2を介して間接的に取り付けられ、充電ロッカー20と近接無線通信することで充電ロッカー20から1つのバッテリ8が取り出し可能となる通信タグ60と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリを収容する複数のバッテリ収容部を有して、前記バッテリ収容部に収容された前記バッテリを充電可能な充電ロッカーであって、
前記充電ロッカーが、二次電池を有し、
外部から前記充電ロッカーへ電力を供給できなくなった場合でも、前記二次電池の電力によって前記バッテリが前記充電ロッカーから所定期間取り出し可能となる、充電ロッカー。
【請求項2】
複数のバッテリを収容する複数のバッテリ収容部を有して、前記バッテリ収容部に収容された前記バッテリを充電可能な充電ロッカーであって、
前記充電ロッカーが、それが収容している前記バッテリから、前記バッテリの充電率に関する充電情報及び前記バッテリの劣化状態に関する劣化情報のうちの少なくとも一方を取得する、充電ロッカー。
【請求項3】
前記充電ロッカーが、前記複数のバッテリ収容部と一対一に対応する複数の発光装置を有し、
前記発光装置は、異なる複数の発光を選択的に実現でき、
前記複数の発光が、前記バッテリに対する異なる複数の情報に対応する、請求項1又は2に記載の充電ロッカー。
【請求項4】
前記発光装置は、前記バッテリ収容部における前記バッテリを差し込む差込口の周囲を全周に亘って発光させることが可能である、請求項3に記載の充電ロッカー。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載の充電ロッカーと、
近距離無線通信の信号に基づいて解錠する開閉扉、及び複数の電動アシスト自転車用の鍵を保管できる鍵保管部を有するキーボックスと、
前記各鍵に直接又は連結部材を介して間接的に取り付けられ、前記充電ロッカーと近接無線通信することで前記充電ロッカーから1つの前記バッテリが取り出し可能となる通信タグと、
を備える、バッテリ取出システム。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1つに記載の充電ロッカーと、
携帯電話との近距離無線通信に基づいて解錠する開閉扉、及び複数の電動アシスト自転車用の鍵を保管できる鍵保管部を有するキーボックスと、を備え、
前記携帯電話と充電ロッカーとの近距離無線通信に基づいて少なくとも1つの前記バッテリが前記充電ロッカーから取り出し可能となる、バッテリ取出システム。
【請求項7】
携帯電話に充電ロッカーに収容されている少なくとも1つの前記バッテリの予約を行うアプリケーションがインストールされており、
前記携帯電話で前記予約を行うと、クラウド上のサーバに前記予約に関する情報が記憶されると共に、前記携帯電話に前記予約を行っていることを表す情報が記憶され、
前記携帯電話が近距離無線通信によって前記予約を行っていることを表す情報を前記充電ロッカーに送信すると、前記充電ロッカーが前記サーバに記憶されている前記予約に関する情報に基づいて前記充電ロッカーから前記少なくとも1つのバッテリを取り出し可能とする、請求項6に記載のバッテリ取出システム。
【請求項8】
前記充電ロッカーが、前記バッテリから、前記バッテリの充電率に関する充電情報及び前記バッテリの劣化状態に関する劣化情報のうちの少なくとも一方を取得し、前記充電情報及び前記劣化情報のうちの少なくとも一方が、前記充電ロッカーの記憶部に記憶されるか、又はクラウド上のサーバの記憶部に記憶される、請求項5から7のいずれか1つに記載のバッテリ取出システム。
【請求項9】
前記充電ロッカーが、前記バッテリから、前記バッテリの充電率に関する充電情報及び前記バッテリの劣化状態に関する劣化情報のうちの少なくとも一方を取得し、前記充電ロッカーがそれに収容している1以上の前記バッテリのうちで前記充電率が最も高い前記バッテリを前記1つのバッテリとして取り出し可能とする、請求項5から7のいずれか1つに記載のバッテリ取出システム。
【請求項10】
前記充電ロッカーが、新規の前記通信タグを登録するための新規タグ登録用カードを読み取り可能なカードリーダを有し、
前記カードリーダが前記新規タグ登録用カードを読み取ると、前記充電ロッカーが前記新規の通信タグを登録可能になり、その新規の通信タグと前記充電ロッカーが近距離無線通信を行うことにで、前記充電ロッカーが前記新規の通信タグを認識可能になる、請求項5に記載のバッテリ取出システム。
【請求項11】
複数の電動アシスト自転車用の鍵を保管できる鍵保管部を有するキーボックスと近距離無線通信を行うことで前記キーボックスの開閉扉を解錠し、
前記キーボックスから取り出した前記鍵に直接又は連結部材を介して間接的に取り付けられた通信タグを、請求項1から4のいずれか1つに記載の充電ロッカーと近接無線通信させることで前記充電ロッカーから1つの前記バッテリを取り出し可能とする、バッテリ取出方法。
【請求項12】
携帯電話を、複数の電動アシスト自転車用の鍵を保管できる鍵保管部を有するキーボックスと近距離無線通信させることで前記キーボックスの開閉扉を解錠し、
前記携帯電話を、請求項1から4のいずれか1つに記載の充電ロッカーと近接無線通信させることで前記充電ロッカーから少なくとも1つの前記バッテリを取り出し可能とする、バッテリ取出方法。
【請求項13】
前記充電ロッカーが、それが収容している前記バッテリから、前記バッテリの充電率に関する充電情報及び前記バッテリの劣化状態に関する劣化情報のうちの少なくとも一方を取得し、
前記充電情報及び前記劣化情報のうちの少なくとも一方を、前記充電ロッカーの記憶部に記憶するか、又はクラウド上のサーバに記憶する、請求項11又は12に記載のバッテリ取出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電ロッカーに関する。また、本開示は、充電ロッカーから電動アシスト自転車のバッテリを取り出す際に用いるバッテリ取出システム及びバッテリ取出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充電ロッカーとしては、特許文献1に記載されているものがある。この充電ロッカーは、複数の収納部を有し、各収納部には、電源が設けられ、電源には、充電器が接続されている。利用者は、電動アシスト自転車から取り外したバッテリを充電器にセットして、空き時間を利用して当該バッテリを充電する。収納部の開閉扉は、鍵で施錠できる。バッテリの充電中は、収納部の開閉扉を閉じて、開閉扉を鍵で施錠する。これにより、バッテリと充電器の盗難を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-66315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のバッテリを収容する複数のバッテリ収容部を有して、バッテリ収容部に収容されたバッテリを充電可能な充電ロッカーを、マンション(集合住宅)の限られた住人が共有して使用するクロードシェアリングが知られている。クロードシェアリングでは、充電ロッカーを、例えば、マンション(集合住宅)の駐輪場周辺(例えば、駐輪場の入口等)に設置して、マンションの限られた住人が、充電ロッカーで充電されたバッテリを、電動アシスト自転車に装着した後に、電動アシスト自転車を使用する。
【0005】
クロードシェアリングにおいて、充電ロッカーを共有する全ての人に充電ロッカーからバッテリを取り出すためのICカードを配布する場合、充電ロッカーに多数のICカード(例えば、100戸、1戸4人の場合、400枚)の登録をする必要があり、登録や管理が大変なものになる。そこで、本開示の目的は、登録や管理の手間を軽減できる、バッテリ取出システムで使用し易い充電ロッカーを提供することにある。また、本開示の目的は、登録や管理の手間を軽減できる、バッテリ取出システム及びバッテリ取出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る充電ロッカーは、複数のバッテリを収容する複数のバッテリ収容部を有して、バッテリ収容部に収容されたバッテリを充電可能な充電ロッカーであって、充電ロッカーが、二次電池を有し、外部から充電ロッカーへ電力を供給できなくなった場合でも、二次電池の電力によってバッテリが充電ロッカーから所定期間取り出し可能となる。
【0007】
また、本開示に係る別の態様の充電ロッカーは、複数のバッテリを収容する複数のバッテリ収容部を有して、バッテリ収容部に収容されたバッテリを充電可能な充電ロッカーであって、充電ロッカーが、それが収容しているバッテリから、バッテリの充電率に関する充電情報及びバッテリの劣化状態に関する劣化情報のうちの少なくとも一方を取得する。
【0008】
また、本開示に係るバッテリ取出システムは、複数のバッテリを収容する複数のバッテリ収容部を有して、バッテリ収容部に収容されたバッテリを充電可能な充電ロッカーと、近距離無線通信の信号に基づいて解錠する開閉扉、及び複数の電動アシスト自転車用の鍵を保管できる鍵保管部を有するキーボックスと、各鍵に直接又は連結部材を介して間接的に取り付けられ、充電ロッカーと近接無線通信することで充電ロッカーから1つのバッテリが取り出し可能となる通信タグと、を備える。
【0009】
また、本開示に係る別の態様のバッテリ取出システムは、複数のバッテリを収容する複数のバッテリ収容部を有して、バッテリ収容部に収容されたバッテリを充電可能な充電ロッカーと、携帯電話との近距離無線通信に基づいて解錠する開閉扉、及び複数の電動アシスト自転車用の鍵を保管できる鍵保管部を有するキーボックスと、を備え、携帯電話と充電ロッカーとの近距離無線通信に基づいて少なくとも1つのバッテリが充電ロッカーから取り出し可能となる。
【0010】
また、本開示に係るバッテリ取出方法は、複数の電動アシスト自転車用の鍵を保管できる鍵保管部を有するキーボックスと近距離無線通信を行うことでキーボックスの開閉扉を解錠し、キーボックスから取り出した鍵に直接又は連結部材を介して間接的に取り付けられた通信タグを、複数のバッテリを収容する複数のバッテリ収容部を有して、バッテリ収容部に収容されたバッテリを充電可能な充電ロッカーと近接無線通信させることで充電ロッカーから1つのバッテリを取り出し可能とする。
【0011】
また、本開示に係る別の態様のバッテリ取出方法は、携帯電話を、複数の電動アシスト自転車用の鍵を保管できる鍵保管部を有するキーボックスと近距離無線通信させることでキーボックスの開閉扉を解錠し、携帯電話を、複数のバッテリを収容する複数のバッテリ収容部を有して、バッテリ収容部に収容されたバッテリを充電可能な充電ロッカーと近接無線通信させることで充電ロッカーから少なくとも1つのバッテリを取り出し可能とする。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る、充電ロッカー、バッテリ取出システム、及びバッテリ取出方法によれば、クロードシェアリングで用いた場合に、登録や管理の手間を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の第1実施形態のバッテリ取出システムの概略構成図である。
図2】キーボックスの概略構成を示すブロック図である。
図3】充電ロッカーの斜視図である。
図4】充電ロッカーの主要構成を示すブロック図である。
図5】バッテリの主要構成を示すブロック図である。
図6】バッテリ情報をクラウド上のサーバの記憶部に記憶する方法について説明する図である。
図7】サーバの主要構成を示すブロック図である。
図8】充電ロッカーへの新規の通信タグの登録方法について説明する図である。
図9】バッテリを用いた携帯電話の充電について説明する図である。
図10】通信タグの主要構成を示すブロック図である。
図11】施設がマンションである場合における、人がバッテリを借りて自転車を使用し、その後、バッテリを返却するまでの一連の流れについて説明する図である。
図12】本開示の第2実施形態のバッテリ取出システムの概略構成図である。
図13】第2実施形態における、バッテリの取り出し手順を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下で説明する、第1実施形態、第2実施形態、及びそれらの変形例の特徴部分を適宜、選択的に組み合わせて、新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。
【0015】
また、以下の説明において、各制御装置は、コンピュータ、例えば、マイクロコンピュータによって好適に構成され、制御部と、記憶部を含む。各制御部、すなわち、各種プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。また、各記憶部は、ハードディスクドライブ(HDD)や、半導体メモリ等で構成され、半導体メモリは、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリや、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成される。各記憶部は、一つのみの記憶媒体で構成されてもよく、複数の異なる記憶媒体で構成されてもよい。CPUは、記憶部に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する。また、不揮発性メモリは、制御プログラムや所定の閾値等を予め記憶する。また、揮発性メモリは、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する。
【0016】
以下、第1実施形態において、バッテリをネットワーク(インターネット)を用いずに取り出すオフラインのバッテリ取り出しシステム及びバッテリ取り出し方法について説明する。また、第2実施形態において、バッテリをネットワーク(インターネット)を用いて取り出すオンラインのバッテリ取り出しシステム及びバッテリ取り出し方法について説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本開示の第1実施形態のバッテリ取出システム1の概略構成図である。以下では、先ず、図1を用いて、バッテリ取出システム1におけるバッテリ8の取り出し方法の概要を簡単に説明する。バッテリ取出システム1は、施設、例えば、集合住宅(マンション)、オフィス、病院、又はテーマパーク等に所属する限られた人が用いる。図1に示すように、バッテリ取出システム1は、キーボックス10、充電ロッカー20、及び通信タグ60を備える。キーボックス10は、複数の電動アシスト自転車用の鍵7を保管できる鍵保管部11を有する。キーボックス10は、近距離無線通信の信号に基づいて開閉扉12が自動的に開くようになっている。より詳しくは、キーボックス10は、ICカード(integrated circuit card)5と近距離無線通信することで開閉扉12が自動的に開くようになっている。ICカード5は、CPU(中央演算処理装置)とメモリを含むICチップが搭載されたカードである。ICカード5は、キーボックス10のカードリーダ13(図2参照)と近距離無線通信を行うNFC(Near field communication)カードである。なお、キーボックス10は、近距離無線通信の信号に基づいて開閉扉12が解錠するようになっていて、開閉扉12の開閉動作は、人が行うようになっていてもよい。
【0018】
人は、施設の管理事務所等から借りたICカード5をキーボックス10にかざす。すると、キーボックス10が開き、人は、通信タグ60が取り付けられた鍵7(以下、通信タグ付鍵という)を取り出し可能になる。次に、人が、取り出した通信タグ付鍵を充電ロッカー20にかざすと、充電ロッカー20が、収容しているバッテリ8のうちでSOC(State Of Charge:充電率)が最も高いバッテリ8を取り出し可能にする。これにより、ユーザが、SOCが高いバッテリ8を電動アシスト自転車(以下、単に自転車)6のバッテリ装着部に装着することができ、自転車6が、SOCが高いバッテリ8によって長時間利用可能になる。以下、キーボックス10、充電ロッカー20、及び通信タグ60の構成、動作について順に詳細に説明する。
【0019】
<キーボックス>
図1に示すように、キーボックス10は、複数の電動アシスト自転車用の鍵7を保管できる鍵保管部11を有する。キーボックス10は、近距離無線通信の信号に基づいて開閉扉12が開くようになっている。キーボックス10は、ICカード(integrated circuit card)5と近距離無線通信することで開閉扉12が開くようになっている。ICカード5は、CPU(中央演算処理装置)とメモリを含むICチップが搭載されたカードである。ICカード5は、キーボックス10のカードリーダ13(図2参照)と近距離無線通信を行うNFC(Near field communication)カードである。
【0020】
図2は、キーボックス10の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、キーボックス10は、開閉扉12、カードリーダ13、モータ14、及び制御装置15を備え、制御装置15は、制御部15aと、記憶部15bを含む。カードリーダ13は、ICカード5を読み取る読取部を有し、例えば、読取部に近接する近接領域のみに常に電波を発している。ICカード5が近接領域に入った瞬間、ICカード5は当該電波の電力により作動して識別情報を発信する。制御部15aは、カードリーダ13を介して取得した識別情報が記憶部15bに予め記憶されている登録済みの複数のICカード5における複数の識別情報に含まれるか否かを判定する。制御部15aは、その判定で肯定判定すると、開閉扉12を開閉するモータ14を制御して開閉扉12を開く。これにより、図1に示すように、人が通信タグ60付きの鍵7を取り出し可能になる。
【0021】
<充電ロッカー>
図3は、充電ロッカー20の斜視図である。充電ロッカー20は、本体21と、土台22を備える。本体21は、細長い直方体の外形を有するハウジング23を有し、ハウジング23における1つの側面に開口24aを有する複数の同一のバッテリ収容部24を有する。複数のバッテリ収容部25は、高さ方向に間隔をおいて配置され、本実施形態では、5個のバッテリ収容部24が、高さ方向に略等間隔に配置される。土台22は、平面視が矩形の平板で構成され、本体21の底部は、土台22に固定され、土台22は、例えば、駐輪場の周辺に位置する設置個所に固定される。充電ロッカー20は、略鉛直方向に延在する細長いスマートなハウジング23を有してスリムであるので、場所を取らず小スペースの領域に設置できる。したがって、既存の施設に容易に後付けで設置できる。
【0022】
充電ロッカー20は、バッテリ収容部24に収容されたバッテリ8を充電する。充電ロッカー20は、100Vの商用電源(AC電源)に接続できるコンセント(図示せず)を有する。充電ロッカー20は、商用電源から供給された交流電力を直流電力に変換すると共に電圧を適宜変換する電力変換部35(図4参照)を有し、変換後の直流電力でバッテリ8を充電する。充電ロッカー20は、例えば、電動アシスト自転車用の8Ahバッテリの充電のみが可能であってもよく、電動アシスト自転車用の12Ahバッテリの充電のみが可能であってもよく、それら両方のバッテリを充電できてもよい。
【0023】
図4は、充電ロッカー20の主要構成を示すブロック図である。図4に示すように、充電ロッカー20は、タグリーダ31、カードリーダ32、複数のロック装置33、複数の発光装置34、電力変換部35、二次電池36、送受信部37、及び制御装置38を備え、制御装置38は、制御部38aと、記憶部38bを含む。バッテリ収容部24の数と、ロック装置33の数と、発光装置34の数は、一致する。複数のバッテリ収容部24と、複数のロック装置33は、一対一に対応し、複数のロック装置33と、複数の発光装置34も、一対一に対応する。
【0024】
タグリーダ31は、上述のカードリーダ13の動作と同様の動作を行って、後述する通信タグ60と近距離無線通信を行う。制御部38aは、読み取った通信タグ60が予め登録されている通信タグ60か否かを判定する。制御部38aは、その判定で肯定判定すると、SOC(充電率)%が最も高いバッテリ8をロックしているロック装置33を解除して、当該SOCが最も高いバッテリ8が取り出し可能となる。SOCは、次の(1)式で算出される。
SOC=(残容量/満充電時の容量)×100・・・(1)
【0025】
制御部38aは、記憶部38bに記憶されているタイミングでバッテリ8からSOCとSOH(State of health)を取得する。図5は、バッテリ8の主要構成を示すブロック図である。図5に示すように、バッテリ8は、例えば、電流検出センサ41、バッテリ情報読取用端子42、及び制御装置43を備え、制御装置43は、制御部43aと、記憶部43bを含む。各バッテリ8に関し、SOCとSOH(バッテリの健全性(劣化状態))が、例えば、記憶部43bに記憶されているプログラムにより記憶部43bに経時的に記憶される。SOH(劣化状態)%は、次の(2)式で算出される。
SOH=(劣化時の満充電容量(Ah)/初期の満充電容量(Ah))×100・・・(2)
【0026】
電流検出センサ41は、バッテリ8内を流れる電流の電流値を検出する。制御部43aは、その電流値に基づいてSOCとSOHを算出する。当該電流値とSOCは、一対一に対応するため、電流値を検出すればSOCを推定できる。充電ロッカー20の制御部38aは、バッテリ情報読取用端子42を介してSOCとSOHを記憶部43bから取得する。これにより、制御部38aは、バッテリ8毎にSOCとSOHを取得でき、SOCが最も高いバッテリ8を認識できる。制御部38aは、ロック装置33を次のように施錠又は解錠する。
【0027】
ロック装置33(図4参照)は、図示しないソレノイドを有し、ソレノイドは、プランジャ及びコイルを含む。コイルに電流を流すか否かを制御することで、プランジャを進退させる。プランジャが伸長すると、プランジャから力を受けた係止部材がバッテリ8に係止し、その結果、バッテリ8がバッテリ収容部24から取り出し不可能になる。他方、プランジャが引き込むと係止部材がバッテリ8に非接触となって、バッテリ8がバッテリ収容部24から取り出し可能になる。なお、ロック装置33は、バッテリ8をバッテリ収容部24から着脱可能になる状態と着脱不可能になる状態とを選択的に実現できる如何なる機構を有してもよく、ソレノイドを有さなくてもよい。
【0028】
図3に示すように、発光装置34は、LEDリングライトである。発光装置34は、略矩形枠状の形状を有してバッテリ収容部24の矩形形状の開口24aの周縁部に配置される発光部34aを有する。発光部34aは、例えば、各バッテリ収容部24の矩形形状の開口の周縁部に略等間隔に配置された複数のLED素子と、LED素子の出射側に配置された拡散板とを含む。
【0029】
発光装置34は、制御部38a(図4参照)による制御によって異なる複数の発光(シーン)を選択的に実現でき、複数の発光が、バッテリ8に対する異なる複数の情報に対応する。例えば、発光部34aは、ロックが外されて人が取り出し可能となったバッテリ8を認識させるため、通信タグ60が充電ロッカー20のタグリーダ31にかざされたとき、人がバッテリ8を取り出すまで全点灯してもよく、また、充電開始時に、所定時間(例えば、3秒)全点灯してもよい。また、発光部34aは、充電完了時に、薄点灯してもよい。また、発光部34aは、エラー時に、複数回(例えば、3回)点滅してもよい。
【0030】
ここで、エラー時とは、ソレノイドが故障して、プランジャが移動しなくなり、バッテリ8を引き出すことができなくなった場合をさす。例えば、人が、発光部34aが全灯しているバッテリ8を所定時間(例えば、10秒)以内に引き出せなかったら、1回目のエラーとなる。それが、N回(例えば、3回)続くと、制御部38aは、ソレノイドの故障を認識し、対応する発光部34aを複数回点滅させる。
【0031】
なお、異なる複数の発光(シーン)は、この例に限らず無数存在し、バッテリ8に対する異なる複数の情報も、この例にかぎらず、無数存在する。他の発光(シーン)としては、第1時間の点灯と、第1時間よりも短い第2時間の点灯と、を交互に繰り返す発光や、発光装置34が、発光色が異なる複数のLEDを有する場合には、出射光の色を変えることで、異なる発光を実現できる。また、バッテリ8に対する他の情報としては、例えば、所定時間(例えば、30分)後に満充電となる情報や、SOHが所定以下となった情報等がある。人は、SOHが所定以下となった情報を知ることで、対応するバッテリ8の寿命が尽きたことを認識できる。
【0032】
なお、発光装置は、上記矩形枠状の形態に限らず、各バッテリ収容部24に対応していることを人が認識できる形態であれば如何なる形態でもよい。例えば、発光装置は、バッテリ収容部24の開口の片側の側方に設置される、円形、楕円形、又は矩形状等の発光部を有してもよい。
【0033】
また、発光装置が、LEDを有する場合について説明した。しかし、発光装置は、LEDチップ以外の半導体発光素子、例えば、半導体レーザ素子を有してもよく、有機EL(Electro Luminescence)素子もしくは無機EL素子等の固体発光素子を有してもよい。又は、発光装置は、白熱灯や蛍光灯で構成されてもよい。
【0034】
また、上記エラー時に、制御部38aは、次にSOCが高いバッテリ8を取り出し可能にすると共に、対応する発光部を全灯させるようにしてもよい。更には、上記エラーが発生した場合、故障したソレノイドに関する情報を送受信部37がクラウド上のサーバに送信して、サーバの記憶部に記憶することで、サービサーが当該情報にアクセス可能としてもよい。
【0035】
図4に示すように、送受信部37は、充電ロッカー20に接続されたネットワークを介して外部の装置とデータを送受信するためのインターフェースであり、例えば、イーサネットに対応したインターフェースで構成される。図6に示すように、充電ロッカー20は、送受信部37を用いてネットワーク(インターネット)を介してクラウド上に存在するサーバ50と通信を行う。図7は、サーバ50の主要構成を示すブロック図である。図7に示すように、サーバ50は、送受信部51と、制御装置52を備え、制御装置52は、制御部52aと、記憶部52bを含む。
【0036】
充電ロッカー20の制御部38aは、充電ロッカー20に収容されているバッテリ8の制御部43aに、バッテリ8の記憶部43bに記憶されているSOCを送信させる信号(コマンド)を、定期的、例えば、1分毎、1時間毎、1日毎、又は1週間毎に送信する。すると、バッテリ8の制御部43aが、バッテリ8の記憶部43bに記憶されているSOCをバッテリ情報読取用端子42を介して充電ロッカー20に送信し、充電ロッカー20の制御部38aが、取得したSOCを対応するバッテリ8の識別情報に紐づけられた状態で送受信部37にサーバ50に送信させる。これにより、SOCが対応するバッテリ8の識別情報に紐づけられた状態でサーバ50の記憶部52bに記憶される。
【0037】
又は、サーバ50の制御部52aは、定期的、例えば、1分毎、1時間毎、1日毎、又は1週間毎に、充電ロッカー20に収容されているバッテリ8のSOCの情報を送信させる信号(コマンド)を送受信部51に送信させる。すると、充電ロッカー20の制御部38aが、充電ロッカー20に収容されているバッテリ8の制御部43aに、記憶部43bに記憶されているSOCを送信させる信号(コマンド)を送信する。すると、バッテリ8の制御部43aが、バッテリ8の記憶部43bに記憶されているSOCをバッテリ情報読取用端子42を介して充電ロッカー20に送信し、充電ロッカー20の制御部38aが、取得したSOCを対応するバッテリ8の識別情報に紐づけられた状態で送受信部37にサーバ50に送信させる。これにより、SOCが対応するバッテリ8の識別情報に紐づけられた状態でサーバ50の記憶部52bに記憶される。
【0038】
また、同様に、充電ロッカー20の制御部38aは、充電ロッカー20に収容されているバッテリ8の制御部43aに、バッテリ8の記憶部43bに記憶されているSOHを送信させる信号(コマンド)を、定期的、例えば、1時間毎、1日毎、1週間毎、又は1か月毎に送信する。すると、バッテリ8の制御部43aが、バッテリ8の記憶部43bに記憶されているSOHをバッテリ情報読取用端子42を介して充電ロッカー20に送信し、充電ロッカー20の制御部38aが、取得したSOHを対応するバッテリ8の識別情報に紐づけられた状態で送受信部37にサーバ50に送信させる。これにより、SOHが対応するバッテリ8の識別情報に紐づけられた状態でサーバ50の記憶部52bに記憶される。
【0039】
又は、サーバ50の制御部52aは、定期的、例えば、1時間毎、1日毎、1週間毎、又は1か月毎に、充電ロッカー20に収容されているバッテリ8のSOCの情報を送信させる信号(コマンド)を送受信部51に送信させる。すると、充電ロッカー20の制御部38aが、充電ロッカー20に収容されているバッテリ8の制御部43aに、記憶部43bに記憶されているSOHを送信させる信号(コマンド)を送信する。すると、バッテリ8の制御部43aが、バッテリ8の記憶部43bに記憶されているSOHをバッテリ情報読取用端子42を介して充電ロッカー20に送信し、充電ロッカー20の制御部38aが、取得したSOHを対応するバッテリ8の識別情報に紐づけられた状態で送受信部37にサーバ50に送信させる。これにより、SOHが対応するバッテリ8の識別情報に紐づけられた状態でサーバ50の記憶部52bに記憶される。
【0040】
図6に示すように、サーバ50には、例えば、充電ロッカー20やバッテリ8の販売会社やメンテナンス会社の情報処理装置55がネットワーク9を介してアクセスできるようになっている。情報処理装置55は、例えば、パーソナルコンピュータ又はワークスステーション等で構成される。したがって、販売会社やメンテナンス会社の人が、SOC及びSOHの時系列情報を対応するバッテリ8の識別情報に紐づけられた状態で取得できるようになっている。これにより、販売会社やメンテナンス会社のサービサーは、各バッテリの使用頻度の情報や、バッテリ8の劣化情報を取得でき、バッテリ8の新製品の開発等に活かすことができる。
【0041】
なお、SOC及びSOHの時系列情報を対応するバッテリ8の識別情報に紐づけた状態でクラウド上のサーバ50の記憶部52bに記憶する場合について説明したが、SOC及びSOHの時系列情報を対応するバッテリ8の識別情報に紐づけた状態で充電ロッカー20の記憶部38bに記憶してもよい。また、SOC及びSOHの時系列情報を対応するバッテリ8の識別情報に紐づけた状態でクラウド上のサーバ50の記憶部52b又は充電ロッカー20の記憶部38bに記憶する場合について説明した。しかし、SOC及びSOHのうちの一方のみの時系列情報を、対応するバッテリ8の識別情報に紐づけた状態でクラウド上のサーバ50の記憶部52b又は充電ロッカー20の記憶部38bに記憶してもよい。
【0042】
又は、SOC及びSOHの両方を、サーバ50の記憶部52bに記憶せず、充電ロッカー20の記憶部38bにも記憶できなくてもよい。そして、充電ロッカーは、例えば、単に、各バッテリ8の電圧を測定することで、SOCが最も高いバッテリ8を推察してもよい。また、充電ロッカーは、クラウド上のサーバと通信できなくてよい。
【0043】
自転車6を利用したい住人の数が後で増加して、自転車6の数を後で追加し、それに伴って、バッテリ8の数を追加することが必要になって、充電ロッカー20の数を後で増やす場合がある。このとき、既存のバッテリ8に、後で追加した鍵7に取り付けられた通信タグ60の識別情報を登録して、既存のバッテリ8が新規の通信タグ60を認識可能にする必要がある。
【0044】
充電ロッカー20は、このような場合に、新規の通信タグ(後で詳細に説明)60を容易に登録できるようになっている。詳しくは、図8に示すように、バッテリ取出システム1は、充電ロッカー20のカードリーダ32(図4参照)と近距離無線通信を行うNFCカードで構成されるICカード3を備える。ICカード3は、近距離無線通信により充電ロッカー20を新規の通信タグ60の登録モードにする情報をカードリーダ32に送信し、それにより、充電ロッカー20が新規の通信タグ60の登録モードとなる。この状態で、新規の通信タグ60がタグリーダ31(図4参照)にかざされると、新規の通信タグ60の識別情報が、充電ロッカー20の記憶部38bに記憶され、その結果、充電ロッカー20が新規の通信タグ60を認識可能になる。
【0045】
再度、図4を参照して、充電ロッカー20は、二次電池36を有する。二次電池36は、例えば、鉛蓄電池やリチウイオン電池等で構成される。ロック装置33を解除するためには、プランジャを動作させる必要があり、電力が必要になる。二次電池36は、停電等により電力が落ちたとき、所定期間、例えば、一日の間、ロック装置33を解除できる電力を蓄積し、これにより、停電等が生じて、外部からの電力が充電ロッカー20に供給できなくなったとしても、人が所定期間、バッテリ8を充電ロッカー20から取り出す可能になる。
【0046】
なお、外部からの電力が充電ロッカー20に供給できなくなった場合に、充電ロッカー20の制御部38aが、二次電池36の電力の残量を算出して、二次電池36の電力が、充電ロッカー20が収容している全てのバッテリ8のロック装置33のロックを解除するための電力よりも小さくなる前に、収容している全てのバッテリ8のロック装置33のロックを解除してもよい。また、図9に示すように、バッテリ8は、携帯電話70に電気的に接続できるケーブル又はアダプタ(例えば、USBケーブル又はUSBアダプタ)19を差し込み可能な端子を有してもよい。そして、バッテリ8が満充電の状態で複数回(例えば、15回)携帯電話を満充電に充電できるようになっていてもよい。
【0047】
<通信タグ>
図1に示すように、通信タグ60は、各鍵7に、直接、又は連結部材2、例えば、紐、鎖、金属製のワッカ等を介して間接的に取り付けられる。図10は、通信タグ60の主要構成を示すブロック図である。図10に示すように、通信タグ60は、制御装置を構成するICチップ61を備え、ICチップ61は、制御部61aと、記憶部61bを含む。通信タグ60は、近距離無線通輪を行うNFCタグである。通信タグ60は、ICカード5とキーボックス10のカードリーダ13が行う近距離無線通信と同様な近距離無線通信を、タグリーダ31(図4参照)との間で行う。充電ロッカー20は、通信タグ60を認識すると、SOCが最も高い1つのバッテリ8が充電ロッカー20から取り出し可能となる。通信タグ60は、充電ロッカー20と如何なるタイプの近接無線通信を行ってもよく、例えば、Type-FのFelica(フェリカ)(登録商標)を用いたフェリカタグで構成される。
【0048】
<バッテリの貸出から返却までの手順>
次に、施設がマンションである場合における、人がバッテリ8を借りて自転車6を使用し、その後、バッテリ8を返却するまでの一連の流れについて説明する。図11を参照して、ユーザは、先ず、管理人室にいって、バッテリ8の利用申請を行い、ICカード5を借り受ける(1)。管理人は、例えば、ICカード5の貸し出しを、台帳を用いて管理する。なお、管理人が不在である場合、所定の操作、例えば、ICカード保管装置にパスワードを入力することで、ユーザがICカード保管装置からICカード5を取得できるようにしてもよい。次に、ユーザは、ICカード5をキーボックス10のカードリーダ13にかざして、キーボックス10の開閉扉12を自動的に開けて、タグ付鍵7を取り出し、開閉扉12を手動で閉じ、キーボックス10の開閉扉12を施錠する(2)。
【0049】
続いて、ユーザが、タグ付鍵7の通信タグ60を充電ロッカー20のタグリーダ31にかざすと、充電ロッカー20が、SOCが最も高いバッテリ8に対応する発光装置34を全灯させると共にそのSOCが最も高いバッテリ8に対応するロック装置33を解除する。また、充電ロッカー20の制御部38aが、記憶部38bにかざされた通信タグ60の識別情報を記憶し、その識別番号を有する通信タグ60でバッテリ8が借りだされたことを表す情報が記憶部38bに記憶される。これにより、ユーザが、SOCが最も高いバッテリ8を特定でき、そのSOCが最も高いバッテリ8を取り出すことができる(3)。続いて、ユーザは、SOCが最も高いバッテリ8を自転車6のバッテリ装着部に装着すると共に自転車6の施錠を鍵7で解錠し(4)、自転車6を利用する(5)。
【0050】
自転車6の利用が完了すると、人は、鍵7で自転車6を施錠し(6)、バッテリ8をバッテリ装着部から取り外す(7)。その後、鍵7に取り付けられている通信タグ60を充電ロッカー20のタグリーダ31にかざすと、制御部38aが1つのロック装置33をバッテリ8を返却可能な状態とし、その返却可能な状態となったロック装置33に対応する発光装置34を全灯させる(8)。
【0051】
ユーザが、そのロック装置33に対応するバッテリ収容部24にバッテリ8を返却すると、そのバッテリ8がロック装置33の施錠により取り出し不可能になる。なお、ユーザが通信タグ60をタグリーダ31にかざさなくても、バッテリ8を返却できるようにしてもよい。また、この場合、ユーザが開いているバッテリ収容部24にバッテリ8を返却すると、返却したバッテリ8がロック装置33で取り出し不可能になってもよい。その後、ユーザが、管理人から借り受けたICカード5をキーボックス10のカードリーダ13にかざすと、キーボックス10の開閉扉12が自動的に開く。ユーザが、鍵保管部11に鍵を返却し、開閉扉12を手動で閉じると、キーボックス10の開閉扉12が自動で施錠される(9)。その後、ユーザが、ICカード5を管理人室の管理人が返却すると(管理人がいない場合、返却口に返却してもよい)、一連の手続きが終了する。
【0052】
[第1実施形態(オフラインのバッテリ取り出しシステム及び方法)における必須の構成と、その作用効果]
バッテリ取出システム1は、複数のバッテリ8を収容する複数のバッテリ収容部24を有して、バッテリ収容部24に収容されたバッテリ8を充電可能な充電ロッカー20を備える。また、バッテリ取出システム1は、近距離無線通信の信号に基づいて開く開閉扉12、及び複数の電動アシスト自転車用の鍵7を保管できる鍵保管部11を有するキーボックス10を備える。また、バッテリ取出システム1は、各鍵7に直接又は連結部材2を介して間接的に取り付けられ、充電ロッカー20と近接無線通信することで充電ロッカー20から1つのバッテリ8が取り出し可能となる通信タグ60を備える。
【0053】
また、本開示のバッテリ取出方法は、複数の電動アシスト自転車用の鍵7を保管できる鍵保管部11を有するキーボックス10と近距離無線通信を行うことでキーボックス10の開閉扉12の施錠を解除する。また、本開示のバッテリ取出方法は、キーボックス10から取り出した鍵7に直接又は連結部材2を介して間接的に取り付けられた通信タグ60を、複数のバッテリ8を収容する複数のバッテリ収容部24を有して、バッテリ収容部24に収容されたバッテリ8を充電可能な充電ロッカー20と近接無線通信させることで充電ロッカー20から1つのバッテリ8を取り出し可能とする。
【0054】
本開示によれば、キーボックス10に収容される自転車6の鍵7に取り付けられている通信タグ60を充電ロッカー20にかざすことにより、バッテリ8が取り出し可能になる。したがって、自転車の数と一致する数の通信タグ60の識別情報のみを充電ロッカー20に登録すればよく、充電ロッカー20に多数のICカード(例えば、100戸、1戸4人の場合、400枚)の識別情報を登録する必要がない。よって、バッテリ取出システム1を、クロードシェアリングで用いた場合に、登録や管理の手間を大幅に軽減できる。
【0055】
[第1実施形態(オフラインのバッテリ取り出しシステム及び方法)において採用されると好ましい構成と、その作用効果]
充電ロッカー20が、それが収容しているバッテリ8から、バッテリのSOCに関する充電情報(第1実施形態では、SOCそのもの)及びバッテリ8のSOHに関する劣化情報(第1実施形態では、SOHそのもの)のうちの少なくとも一方を取得してもよい。
【0056】
本構成において、充電ロッカー20が、バッテリ8のSOCに関する充電情報を取得する場合、充電ロッカー20が、SOCが最も高いバッテリ8を取り出し可能にすることができ、ユーザが自転車6をより長い時間、利用することができる。また、充電ロッカー20が、バッテリ8のSOHに関する劣化情報を取得する場合、充電ロッカー20が、人にバッテリ8の寿命が尽きたこと等を報知することができる。
【0057】
また、上記充電情報及び上記劣化情報のうちの少なくとも一方が、充電ロッカー20の記憶部38bに記憶されるか、又はクラウド上のサーバ50の記憶部52bに記憶されてもよい。
【0058】
本構成によれば、販売会社やメンテナンス会社のサービサーが、各バッテリの使用頻度の情報や、バッテリ8の劣化情報を、所望の時期に取得できる。したがって、例えば、取得した情報に基づいて、バッテリ8の新製品の開発、バッテリ8の取り換え時期の推定、施設毎のユーザのバッテリ使用の動向の特定等を行うことができる。
【0059】
また、充電ロッカー20がそれに収容している1以上のバッテリ8のうちでSOCが最も高いバッテリ8を1つのバッテリとして取り出し可能とするようにしてもよい。
【0060】
本構成によれば、ユーザが自転車6をより長い時間、利用することができる。
【0061】
また、充電ロッカー20が、複数のバッテリ収容部24と一対一に対応する複数の発光装置34を有し、発光装置34は、異なる複数の発光を選択的に実現できてもよい。そして、上記複数の発光が、バッテリ8に対する異なる複数の情報に対応してもよい。
【0062】
本構成によれば、ユーザが発光装置34の発光によってバッテリ8に対する異なる複数の情報を取得することができる。
【0063】
また、発光装置34は、バッテリ収容部24におけるバッテリ8を差し込む差込口の周囲を全周に亘って発光させることが可能でもよい。
【0064】
上記構成によれば、人がバッテリ収容部24に対応する発光装置34を誤認なく容易に特定できる。
【0065】
また、充電ロッカー20が、新規の通信タグ60を登録するための新規タグ登録用カード(ICカード3)を読み取り可能なカードリーダ32を有してもよい。また、カードリーダ32が新規タグ登録用カードを読み取ると、充電ロッカー20が新規の通信タグ60を登録可能になり、その新規の通信タグ60と充電ロッカー20が近距離無線通信を行うことにで、充電ロッカー20が新規の通信タグ60を認識可能になるようにしてもよい。
【0066】
本構成によれば、充電ロッカー20を容易に増設でき、利用者の増加に柔軟に対応できる。また、充電ロッカー20に新規の通信タグ60を容易に登録できる。
【0067】
また、充電ロッカー20が、二次電池36を有してもよい。そして、外部から充電ロッカー20へ電力を供給できなくなった場合でも、二次電池36の電力によってバッテリ8が充電ロッカー20から所定期間取り出し可能となるようにしてもよい。
【0068】
上記構成によれば、停電等によって、外部から充電ロッカー20へ電力を供給できなくなった場合でも、人が所定時間の間、充電ロッカー20からバッテリ8を取り出すことができ、自転車6を使用することができる。
【0069】
(第2実施形態)
上述のように、第2実施形態では、バッテリ8をネットワーク(インターネット)を用いて取り出すオンラインのバッテリ取り出しシステム及びバッテリ取り出し方法について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同一の構成に第1実施形態と同一の参照番号を付して説明を省略する。また、第2実施形態でも、第1実施形態で説明した種々の構成及び動作を実行してもよい。例えば、第2実施形態でも、SOCとSOHのうちの少なくとも一方を、クラウド上のサーバ50の記憶部52b又は充電ロッカー20の記憶部38bに記憶する動作を行ってもよい。第2実施形態では、第1実施形態と同様の作用効果及び変形例についての説明を省略する。
【0070】
図12は、本開示の第2実施形態のバッテリ取出システム101の概略構成図である。また、図13は、第2実施形態における、バッテリ8の取り出し手順を説明するフローチャートである。図12に示すように、バッテリ取出システム101は、キーボックス110、及び充電ロッカー120を備える。第2実施形態のバッテリ取出システム101では、第1実施形態で説明したICカード5の替わりに携帯電話70を用いて充電ロッカー120からバッテリ8を取り出す。
【0071】
携帯電話70は、表示部71、操作部72、送受信部73、及び制御装置74を備え、制御装置74は、制御部74aと、記憶部74bを含む。表示部71及び操作部72は、タッチパネル等で構成される。携帯電話70には、充電ロッカー20に収容されている少なくとも1つのバッテリ8の予約(予約できるバッテリ8は2以上でもよい)を行うアプリケーションがインストールされている。
【0072】
キーボックス110は、第1実施形態のキーボックス10との比較において、カードリーダ13を有する代わりに、ブルートゥース(登録商標)信号読取部113を有する。また、充電ロッカー120は、第1実施形態の充電ロッカー20との比較において、タグリーダ31を有する代わりに、ブルートゥース信号読取部131を有する。
【0073】
図13を参照して、バッテリ取出システム101が構築された後、人は携帯電話にバッテリ予約を行うためのアプリケーションをクラウド上の所定のサーバ等からダウンロードする。その後、人が、当該アプリケーションを用いて、携帯電話の識別情報を予約サイトに新規利用登録すると、バッテリ8の取り出し手続きが可能になる。
【0074】
人が上記アプリケーションを用いてバッテリ8の予約を行う(ステップS1)と、その予約の識別情報に紐づけられた状態のバッテリ8の予約情報がサーバ50の記憶部52bに記憶される(ステップS2)。なお、上記アプリケーションは、表示部71に充電ロッカー120に収容されているバッテリ8とバッテリ8毎のSOCの情報を表示してもよく、人は、ステップS1で、当該アプリケーションによって最もSOCが高いバッテリ8を予め予約できるようになっていてもよい。また、人は、当該アプリケーションによって期日時間を指定した予約(例えば、10分後に予約、又は2日後のPM1時に予約等)ができるようになっていてもよい。また、複数の人がバッテリ8を使用したい場合、人は、ステップS1で、当該アプリケーションによって、SOCが高い順に複数のバッテリ8を予め予約できるようになっていてもよい。
【0075】
続いて、サーバ50の制御部52aが暗号キーを発行し、サーバ50の送受信部51が、暗号キーの情報を携帯電話70に送信し、携帯電話70の記憶部74bに暗号キーが記憶される(ステップS3)。暗号キーには、予約の識別情報が含まれる。
【0076】
ステップS4では、キーボックス110の制御部15aが、ブルートゥース信号読取部113が携帯電話70が発するブルートゥース信号を読み取ったか否かを判定する。ステップS4で否定判定されると、ステップS4が繰り返され、ステップS4で肯定判定されると、キーボックス110の制御部15aが開閉扉12を自動的に開き(ステップS5)、人が鍵7を取り出す。
【0077】
ステップS6では、充電ロッカー120の制御部38aが、ブルートゥース信号読取部131がブルートゥース信号に含まれる暗号キーの情報を読み取ったか否かを判定する。携帯電話70を携帯している人が充電ロッカー120に所定距離以下の距離まで近づくと、携帯電話70がブルートゥース信号読取部131とが自動的にペアリングして通信を行う。携帯電話70が充電ロッカー120と自動的にペアリングして近距離無線通信を行うので、人の手が塞がっている場合でも、バッテリ8が充電ロッカー120からを取り出し可能となり、利便性を向上できる。
【0078】
ステップS6で否定判定されると、ステップS6が繰り返され、ステップS6で肯定判定されると、充電ロッカー120の制御部38aが、暗号キーに含まれる予約の識別情報に紐づけられた予約情報をサーバ50に充電ロッカー120へ送信させる信号を送受信部37に送信させる。そして、充電ロッカー120の制御部38aが、上記予約の識別情報に紐づけられた予約情報を取得する(ステップS7)。
【0079】
続く、ステップS8では、充電ロッカー120の制御部38aが上記予約の識別情報に紐づけられた予約情報に基づいてロック装置33を制御する。例えば、ステップS1で、その時点で最もSOCが高かった1番のバッテリ8が予約された場合には、当該1番のバッテリ8に対応するロック装置33を解錠し、当該1番のバッテリ8に対応する発光装置34を全灯させてもよい。なお、ステップS1で、人は、単に1以上のバッテリ8の予約のみを行ってもよい。そして、ステップS8で、充電ロッカー120の制御部38aが、収容している複数のバッテリ8のうちでSOCが高い1以上のバッテリに対応する1以上のロック装置33を解錠し、SOCが高い1以上のバッテリに対応する1以上の発光装置34を全灯させてもよい。ステップS8が終了すると、バッテリ8の取り出しが完了する。
【0080】
なお、第2実施形態において、人がバッテリ8を借りて自転車6を使用し、その後、バッテリ8を返却するまでの手続きを行う場合、図11の(1)のICカード5の借り受けの替わりに、図11に(α)で示す、携帯電話でのバッテリの予約を行う。また、バッテリ8が充電ロッカー120に返却されると、図11に(β)で示すように、充電ロッカー120からバッテリ返却の情報が、予約サイトのサーバ50に送信されてもよく、更に、バッテリ8の利用終了情報がサーバ50から携帯電話70に例えばメールによって送信されてもよい。このようにして、人がバッテリ8の利用終了情報を確認できてもよい。
【0081】
[第2実施形態(オンラインのバッテリ取り出しシステム及び方法)における必須の構成と、その作用効果]
バッテリ取出システム101は、複数のバッテリ8を収容する複数のバッテリ収容部24を有して、バッテリ収容部24に収容されたバッテリ8を充電可能な充電ロッカー120を備える。また、バッテリ取出システム101は、携帯電話70との近距離無線通信に基づいて解錠する開閉扉12、及び複数の電動アシスト自転車用の鍵7を保管できる鍵保管部11を有するキーボックス110を備える。また、携帯電話70と充電ロッカー120との近距離無線通信に基づいて少なくとも1つのバッテリ8が充電ロッカー120から取り出し可能となる。
【0082】
また、本開示のバッテリ取出方法は、携帯電話70を、複数の電動アシスト自転車用の鍵7を保管できる鍵保管部11を有するキーボックス110と近距離無線通信させることでキーボックス110の開閉扉12を解錠し、携帯電話70を、複数のバッテリ8を収容する複数のバッテリ収容部24を有して、バッテリ収容部24に収容されたバッテリ8を充電可能な充電ロッカー120と近接無線通信させることで充電ロッカー120から少なくとも1つのバッテリを取り出し可能とする。
【0083】
施設に管理人室が存在しない場合がある。また、管理人が24時間常駐していない施設もある。係る背景において、バッテリ取出システム101は、第1実施形態で説明したICカード5を用いることなく、充電ロッカー120からバッテリ8を取り出すことができる。したがって、管理人による管理が一切必要なく、所望の時間に充電ロッカー120からバッテリ8を自在に取り出すことができる。
【0084】
[第2実施形態(オンラインのバッテリ取り出しシステム及び方法)において採用されると好ましい構成と、その作用効果]
携帯電話に充電ロッカー120に収容されている少なくとも1つのバッテリ8の予約を行うアプリケーションがインストールされていてもよい。また、携帯電話70で予約を行うと、クラウド上のサーバ50に予約に関する情報が記憶されると共に、携帯電話70に予約を行っていることを表す情報が記憶されてもよい。また、携帯電話70が近距離無線通信によって予約を行っていることを表す情報を充電ロッカー120に送信すると、充電ロッカー120がサーバ50に記憶されている予約に関する情報に基づいて充電ロッカー120から少なくとも1つのバッテリ8を取り出し可能としてもよい。
【0085】
本構成によれば、予約情報の管理等をクラウド上の専用のサーバ50で管理できる。したがって、充電ロッカー120に予約に関する複雑な管理や制御をさせる必要がなく、複数の施設に跨る広範なシステムを構築し易い。
【0086】
また、充電ロッカー120が、それが収容しているバッテリ8から、バッテリ8のSOCに関する充電情報及びバッテリのSOHに関する劣化情報のうちの少なくとも一方を取得してもよい。そして、充電情報及び劣化情報のうちの少なくとも一方を、充電ロッカー120の記憶部38bに記憶するか、又はクラウド上のサーバ50に記憶してもよい。
【0087】
本構成によれば、取得した情報に基づいて、バッテリ8の新製品の開発、バッテリ8の取り換え時期の推定、施設毎のユーザのバッテリ使用の動向の特定等を行うことができる。
【0088】
[充電ロッカーの開示]
二次電池36を有し、外部から電力が供給されなくなった場合でも、バッテリ8が、所定期間の間、二次電池36の電力によってバッテリ収容部24から取り出し可能となる、充電ロッカー20は、停電時等で電源が供給されなくなった場合でも、所定期間の間、バッテリ8をバッテリ収容部24から取り出すことができるという顕著な作用効果を奏する。
【0089】
複数のバッテリ8を収容する複数のバッテリ収容部24を有して、バッテリ収容部24に収容されたバッテリ8を充電可能な充電ロッカー20であって、充電ロッカー20が、それが収容しているバッテリ8から、バッテリ8の充電率に関する充電情報及びバッテリ8の劣化状態に関する劣化情報のうちの少なくとも一方を取得する、充電ロッカー20は、バッテリ8の充電情報及びバッテリ8の劣化状態のうちの少なくとも一方を取得できるため、サービサー等がその情報を後で活用できるという顕著な作用効果を奏する。
【0090】
[変形例]
本開示は、上記第1及び第2実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0091】
例えば、第2実施形態において、携帯電話70とキーボックス110との通信及び携帯電話70と充電ロッカー120との通信のうちの少なくとも一方を、ブルートゥース以外の近距離無線通信の規格に基づいておこなってもよい。
【0092】
また、キーボックスがネットワークを介してサーバ50と情報を送受信できてもよい。そして、キーボックスの制御部が暗号キーに含まれる予約の識別情報に関する情報がサーバ50の記憶部52bに記憶されていることを確認することで開閉扉12の解錠をおこなってもよい。
【0093】
また、キーボックスの解錠を携帯電話とキーボックスとの近距離無線通信に基づいて行う一方、充電ロッカーからのバッテリの取り出しは、鍵に取り付けられた通信タグと充電ロッカーとの近距離無線通信に基づいて行ってもよい。
【0094】
また、充電ロッカーは、異なる2以上のバッテリ収容部を有してもよく、異なる2以上の形状のバッテリの充電を行うことできてもよい。
【0095】
また、第2実施形態において、予約情報がクライド上のサーバの記憶部でなくて、充電ロッカーの記憶部に記憶されてもよい。
【0096】
[本願の独立請求項と無関係に単独で自然法則を利用した技術的創作のうち高度なものとなり得る本願における開示]
充電ロッカー20が、それが収容しているバッテリ8から、バッテリ8の充電率に関する充電情報及びバッテリの劣化状態に関する劣化情報のうちの少なくとも一方を取得し、充電情報及び劣化情報のうちの少なくとも一方が、充電ロッカー20の記憶部38bに記憶されるか、又はクラウド上のサーバ50の記憶部52bに記憶される、バッテリ情報記憶システム及びバッテリ情報記憶方法は、本願の独立請求項と無関係に単独で自然法則を利用した技術的創作のうち高度なものとなり得る。
【0097】
また、複数のバッテリ収容部24と一対一に対応する複数の発光装置34を有し、発光装置34が、異なる複数の発光を選択的に実現でき、複数の発光が、バッテリ8に対する異なる複数の情報に対応する、充電ロッカー20及び充電ロッカー20の発光装置34の発光方法は、本願の独立請求項と無関係に単独で自然法則を利用した技術的創作のうち高度なものとなり得る。
【0098】
また、新規の通信タグ60を登録するための新規タグ登録用カード(ICカード3)を読み取り可能なカードリーダ32を有し、カードリーダ32が新規タグ登録用カードを読み取ると、新規の通信タグ60を登録可能になり、その新規の通信タグ60と近距離無線通信を行うことにで、新規の通信タグ60を認識可能になる、充電ロッカー20は、本願の独立請求項と無関係に単独で自然法則を利用した技術的創作のうち高度なものとなり得る。
【0099】
また、充電ロッカー20が、新規の通信タグ60を登録するための新規タグ登録用カード(ICカード3)を読み取り可能なカードリーダ32を有し、カードリーダ32が新規タグ登録用カードを読み取ると、充電ロッカー20が新規の通信タグを登録可能になり、その新規の通信タグ60と充電ロッカー20が近距離無線通信を行うことにで、充電ロッカー20が新規の通信タグ60を認識可能になる、充電ロッカー20に対する通信タグ60の登録方法は、本願の独立請求項と無関係に単独で自然法則を利用した技術的創作のうち高度なものとなり得る。
【符号の説明】
【0100】
1,101 バッテリ取出システム、 2 連結部材、 3,5 ICカード、 6 自転車、 7 鍵、 8 バッテリ、 9 ネットワーク、 10,110 キーボックス、 11 鍵保管部、 12 開閉扉、 13 カードリーダ、 14 モータ、 15 キーボックスの制御装置、 20,120 充電ロッカー、 21 本体、 22 土台、 23 ハウジング、 24 バッテリ収容部、 24a 開口、 25 バッテリ収容部、 31 タグリーダ、 32 カードリーダ、 33 ロック装置、 34 発光装置、 34a 発光部、 35 電力変換部、 36 二次電池、 37 送受信部、 38 充電ロッカーの制御装置、 41 電流検出センサ、 42 バッテリ情報読取用端子、 43 バッテリの制御装置、 50 サーバ、 サーバの送受信部、 52 サーバの制御装置、 55 情報処理装置、 60 通信タグ、 61 ICチップ、 70 携帯電話、 71 表示部、 72 操作部、 73 送受信部、 74 携帯電話の制御装置、 113 キーボックスのブルートゥース信号読取部、 131 充電ロッカーのブルートゥース信号読取部。
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