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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069784
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】セルフレジ装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20230511BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
G07G1/12 301A
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021181908
(22)【出願日】2021-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】398040158
【氏名又は名称】株式会社ビジュアルジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 徳廣
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142BA01
3E142BA07
3E142BA11
3E142CA12
3E142DA08
3E142DA09
3E142EA04
3E142FA03
3E142FA08
3E142GA02
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】操作ミスを少なくし、利用者の利便性を向上させることができるセルフレジ装置を提供する。
【解決手段】セルフレジ装置1は、水平に設けられたモニタ3と、モニタ3に表示された操作ガイドGへの操作を検出するモーションセンサ9と、を備え、モニタ3には、顧客Uに対する操作ガイドGが表示されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に設けられた第1の表示面と、
前記第1の表示面の表示領域外に設けられ、前記第1の表示面に表示された操作部への操作を検出する検出部と、
を備え、
前記第1の表示面には、利用者に対する操作ガイドが表示される、
ことを特徴とするセルフレジ装置。
【請求項2】
前記操作ガイドは、矢印及び文字情報にて操作すべき機器の位置を示す表示を含むことを特徴とする請求項1に記載のセルフレジ装置。
【請求項3】
前記操作すべき機器として、購入する商品から商品情報を読み取るスキャナ、現金の投入口、お釣りの排出口及びレシートプリンタを含み、
前記スキャナ、前記現金の投入口、前記お釣りの排出口及び前記レシートプリンタは、上方から見て前記第1の表示面と同一平面上に設置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のセルフレジ装置。
【請求項4】
前記操作ガイドは、前記第1の表示面上の商品を避けて表示されることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載のセルフレジ装置。
【請求項5】
前記第1の表示面へ前記操作ガイドを投影する投影部を備えることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載のセルフレジ装置。
【請求項6】
前記第1の表示面より上方かつ前記利用者に正対するように設けられた第2の表示面を備え、
前記第2の表示面は、人型の案内画像が表示される、
ことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載のセルフレジ装置。
【請求項7】
前記検出部は、前記利用者の指先の位置を検出し、
前記検出部の検出結果に基づいて前記操作ガイドの操作を判定する判定部を更に備えることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載のセルフレジ装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記第1の表示面の表面から第1距離以内に前記指先が近づいた場合に、前記操作ガイドの操作を判定することを特徴とする請求項7に記載のセルフレジ装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記第1の表示面の表面から前記第1距離よりも長い距離である第2距離以内に前記指先が近づいた場合に、当該指先が指していると推定される前記操作ガイド上の位置にマークを表示させることを特徴とする請求項7または8に記載のセルフレジ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客自身が購入する商品の精算を行うセルフレジ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から顧客自身が購入する商品の精算を行うために、顧客自身が商品情報をスキャンするスキャナ等を備えたセルフレジ装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、以下のようなセルフレジ端末の発明が記載されている。特許文献1に記載のセルフレジ端末は、ディスプレイやバーコードスキャナ等を備えている。そして、商品を一時的に乗せるためのテーブルや、買い物かご載置台が設けられることが記載されている。また、テーブルの下部には、硬貨投入口、紙幣入出口、硬貨返金口、硬貨出金口が設けられることも記載されている。
【0004】
特許文献1に記載のセルフレジ端末においては、顧客はバーコードが貼付された商品について、自らバーコードスキャナ等を操作して登録を行い、セルフレジ端末は、読み取った情報に基づいて商品を精算対象として会計登録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-153324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のセルフレジ端末は、ディスプレイは顧客(利用者)に正対するように設けられており、さらに、テーブルや硬貨投入口等はディスプレイよりも下に設けられている。そのため、顧客の精算作業時に、精算方法が表示されるディスプレイと、商品のスキャンや現金の投入等を行うテーブルや硬貨投入口等と、で視線移動が大きくなり、操作ミスが発生する場合があった。
【0007】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、操作ミスを少なくし、利用者の利便性を向上させることができるセルフレジ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載された発明は、水平に設けられた第1の表示面と、前記第1の表示面の表示領域外に設けられ、前記第1の表示面に表示された操作部への操作を検出する検出部と、を備え、前記第1の表示面には、利用者に対する操作ガイドが表示される、ことを特徴とするセルフレジ装置である。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、水平に設けられた第1の表示面に利用者に対する操作ガイドが表示され、その第1の表示面に表示された操作部への操作を検出する検出部は、第1の表示面の表示領域外に設けられている。そのため、水平な第1の表示面を商品を載置するテーブル等として利用することも可能となり、そのテーブルに操作ガイドが表示されることで、視線を商品に合わせた状態で操作ガイドを視認することができ、視線の移動が殆ど生じなくなる。したがって、操作ミスが減少し、利用者の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態にかかるセルフレジ装置の側面から見た概略構成図である。
図2図1に示されたセルフレジ装置の上面から見た概略構成図である。
図3】セルフレジ装置の利用イメージを示した図である。
図4】購入作業時の操作ガイドの変化を示した図(その1)である。
図5】購入作業時の操作ガイドの変化を示した図(その2)である。
図6】ビデオカメラによる商品検知についての説明図である。
図7】モーションセンサによる商品検知についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態にかかるセルフレジ装置を図1図5を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるセルフレジ装置1の側面から見た概略構成図である。また、図2は、セルフレジ装置1の上面から見た概略構成図である。
【0012】
セルフレジ装置1は、筐体2と、モニタ3、4と、顔認識カメラ5と、ビデオカメラ6と、スキャナ7と、プリンタ8と、モーションセンサ9と、プロジェクタ10と、決済端末11と、自動釣銭機12と、PC13と、SUBPC14と、を備えている。
【0013】
筐体2は、箱状の第1筐体部2aと、第1筐体部の上面から立設されている平板状の第2筐体部2bと、からなる。第1筐体部2aには、上面部2a1にモニタ3と、決済端末11と、が設けられている。また、上面部2a1には、自動釣銭機12が備える紙幣投入口12a1、紙幣出金口12a2、硬貨投入口12b1、硬貨出金口12b2、硬貨返却口12b3等(図4及び図5参照)が設けられている。
【0014】
モニタ3は、筐体2の上面部2a1に設けられている。即ち、モニタ3は、水平に設けられた第1の表示面として機能する。モニタ3は、本実施形態では、プロジェクタ10のスクリーンとして構成されている。また、モニタ3は、後述するように、表示面であるとともに商品をスキャン等精算作業時に利用するテーブル等として利用可能な強度を有している。したがって、モニタ3は、テーブル等として利用されるため、載置された商品等による誤動作のおそれがあることから自身がタッチパネルとしての機能を有していない。タッチパネルに代わる機能は、後述するようにモーションセンサ9を用いて実現している。
【0015】
また、モニタ3には、セルフレジ装置1を利用するための操作ガイドが表示される。操作ガイドについては後述する。
【0016】
決済端末11は、例えばクレジットカードや電子マネー等の決済機能を司る端末装置である。
【0017】
また、第1筐体部2a内には、自動釣銭機12と、PC13と、SUBPC14と、が設けられている。
【0018】
自動釣銭機12は、紙幣取扱装置12a及び硬貨取扱装置12bからなり(図2を参照)、PC13からの制御により現金の精算を行う。また、自動釣銭機12は、後述する図4及び図5に示したように、紙幣投入口12a1、紙幣出金口12a2、硬貨投入口12b1、硬貨出金口12b2、硬貨返却口12b3等を備える。即ち、自動釣銭機12は、現金の投入口、お釣りの排出口を備えている。
【0019】
PC13は、小型のコンピュータとして構成され、商品購入にかかる精算処理全般を行う。即ち、PC13は、内蔵するPOS(Point of sale)アプリケーションプログラム等により、POS機能を有するキャッシュレジスタとして機能することができる。
【0020】
SUBPC14は、小型のコンピュータとして構成され、客層の自動認識や動作自動解析及び音声認識等の処理を行う。SUBPC14は、PC13と別のPC(コンピュータ)として構成しているが、1つのPCにまとめてもよい。PC13とSUBPC14とを分けることで、既存のシステムに客層の自動認識や動作自動解析及び音声認識等の処理を追加することが容易になる。
【0021】
客層の自動認識は、顔認識カメラ5で撮像された顔画像から周知の方法により顧客の性別や年齢を識別する。動作自動解析は、ビデオカメラ6で撮像された顧客(利用者)の動作(顔の向き、手の動作等)を周知の方法により認識する。音声認識は、顧客の発した音声を認識する。これら客層自動認識、動作自動解析、音声認識は、それぞれの処理結果を後述するロボットアシスタント処理部22に送信する。
【0022】
第2筐体部2bには、モニタ4と、顔認識カメラ5と、ビデオカメラ6と、スキャナ7と、プリンタ8と、モーションセンサ9と、プロジェクタ10と、が設けられている(図2も参照)。つまり、これらの機器はモニタ3の表示領域外に設けられている。
【0023】
モニタ4は、表示面が顧客Uに正対(対面)するように略鉛直に設けられている。即ち、モニタ4は、モニタ3(第1の表示面)より上方かつ顧客U(利用者)に向かって設けられている。モニタ4は、本実施形態では、液晶ディスプレイとして構成されている。また、モニタ4は、タッチパネルとしての機能は有していない。また、モニタ4には、ロボットアシスタントとなる実写またはCG(Computer Graphics)等による人物画像(人型の案内画像)が表示される。モニタ4に表示される具体的な内容については後述する。
【0024】
顔認識カメラ5は、顧客Uの顔画像を撮像して性別や年齢を認識するためのカメラであり、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを有するカメラモジュールである。
【0025】
ビデオカメラ6は、顧客Uの動作の認識するためのビデオカメラ及び顧客Uの発した音声を認識するためのマイクを有する。ビデオカメラ6は、ビデオカメラとマイクが一体的に構成されるに限らず、別体であってもよい。
【0026】
スキャナ7は、レーザ走査線を商品に照射したり、CCDスキャナ等により、商品に付されたバーコード等の各種コードを読み取る。また、スキャナ7は、会員カードやポイントカード等のバーコード等が付されているカードであればスキャンすることができる。
【0027】
プリンタ8は、購入した商品名、商品単価、預かり金額、釣銭金額などの情報が記載されたレシートを印刷する。
【0028】
モーションセンサ9は、顧客の手指の形状や移動する方向を検出する。本実施形態では、モーションセンサ9はカメラで構成され、撮像した手指を画像解析することで動きを検知する。即ち、モーションセンサ9は、モニタ3(第1の表示面)に表示されたボタン等(操作部)への操作を検出する検出部として機能する。
【0029】
SUBPC14では、モーションセンサ9の検出結果に基づいてモニタ3に表示(投影)されたボタン等の画像(操作部)のうち、どの画像が操作されたかが判定される。そして、判定結果に基づいて、操作に応じた処理(精算等)をPC13に実行させたり、モニタ3に表示する画像の変更やモニタ4に表示される映像を変化させたりする。
【0030】
また、本実施形態では、PC13において、特定された指先の位置に基づいて、指先が、例えばモニタ3の表面から3cm以内に近づいたと判定されると、当該指先が指していると推定されるモニタ3上の位置にマークを表示させる。そして、例えばモニタ3の表面から1cm以内に近づいたと判定されると、PC13は、その位置のボタンをタッチした(操作された)ものと判定する。これらの距離等の判定は、モーションセンサ9の特定結果に基づいて行うことができる。
【0031】
即ち、PC13(判定部)は、モニタ3(第1の表示面)の表面から3cm以内(第1距離よりも長い距離である第2距離以内)に指先が近づいた場合に、当該指先が指していると推定される操作ガイド上の位置にマークを表示させる。また、PC13(判定部)は、モニタ3(第1の表示面)の表面から1cm以内(第1距離以内)に指先が近づいた場合に、操作ガイドの操作を判定する。
【0032】
プロジェクタ10は、PC13からの制御によりモニタ3へ操作ガイドを投影する。即ち、プロジェクタ10は、モニタ3(第1の表示面)へ操作ガイドを投影する投影部として機能する。なお、スキャナ7、プリンタ8、モーションセンサ9、プロジェクタ10は、第2筐体部2bに設置されるに限らず、第1筐体部2a(ただし、上面部2a1の投影部分を除く)に設置してもよい。
【0033】
クラウドサービス20は、セルフレジ装置1とインターネット等のネットワークを介して接続されたサーバ装置等から構成されている。即ち、セルフレジ装置1(PC13及びSUBPC14)は通信機能を有している。クラウドサービス20は、POSDATA21と、ロボットアシスタント処理部22と、を有している。
【0034】
POSDATA21は、セルフレジ装置1を含む複数のPOS端末で収集された販売データ等が蓄積される。
【0035】
ロボットアシスタント処理部22は、SUBPC14から送信された客層自動認識、動作自動解析、音声認識に結果に基づいて、学習済みのシナリオから顧客Uの次の動作を予測してSUBPC14に送信する。SUBPC14では、受信した予測動作に基づいてモニタ4に映像を表示させる。
【0036】
次に、モニタ3に表示される操作ガイド及びモニタ4に表示されるロボットアシスタント画像について図3図5を参照して説明する。図3は、セルフレジ装置1の利用イメージを示した図である。図3においては、図1及び図2に示した機器のうち、スキャナ7やプリンタ8等の一部の機器は図示を省略している。
【0037】
図3に示したように、顧客Uが例えば書籍等の商品Pを購入する際には、モニタ4には、ロボットアシスタント画像Rが表示される。また、モニタ3には、操作ガイドGが表示される。顧客Uは、モニタ3に表示された操作ガイドGに従って精算作業をし、必要に応じてロボットアシスタント画像Rからのアシストを受けることができる。
【0038】
図4及び図5に、購入作業時の操作ガイドGの変化を示す。まず、待機状態では、SUBPC14で顔認識カメラ5等により顧客Uがセルフレジ装置1に近づくことを検出し、PC13は、SUBPC14の検出結果を受けてモニタ3に挨拶や商品Pのスキャンのための誘導等の文章や画像等を表示させる。
【0039】
次に、商品スキャン状態として、PC13はスキャンの方法を説明する画面をモニタ3に表示させる。このとき、支払いに移行する場合は、支払いを示すボタン等を表示し、そのボタンへのタッチ操作を可能とする。タッチ操作は、上述したようにモーションセンサ9による手指の位置等の検出によって行われる。そのため、モニタ3のボタン以外の部分に商品等を載置しても構わない。
【0040】
次に、支払い方法選択として、PC13は支払い方法を説明する画面をモニタ3に表示させる。図4では支払い方法として複数の選択肢があるが、例えば現金のみ等選択の余地が無い場合はこの表示を省略して次の画面に遷移してもよい。
【0041】
次に、支払い方法で現金が選択されると、現金の投入方法を説明する画面をモニタ3に表示させる(図5)。図5の支払い画面においては、操作ガイドGとして矢印と文字情報を用いて実際の硬貨投入口12b1と紙幣投入口12a1の位置を示す。硬貨投入口12b1と紙幣投入口12a1は上から見てモニタ3と同一平面上に位置している(モニタ3の周縁部に位置している)。即ち、操作ガイドGは、矢印及び文字情報にて操作すべき機器の位置を示す表示をしている。本実施形態における機器の操作とは、硬貨の投入といった対象となる機器が何らかの動作をするような行動も含むものである。
【0042】
次に、精算作業終了として、操作ガイドGとして矢印を用いて実際のレシートプリンタ(プリンタ8)と紙幣出金口12a2や硬貨出金口12b2の位置を示す。レシートプリンタやスキャナ7も上から見てモニタ3と同一平面上に位置している(モニタ3の端部に位置している)。
【0043】
ロボットアシスタント画像Rは、例えば実写の人物画像とすることができる(CGでもよいが実写のほうがより親近感を与えるため好ましい)。この人物画像は予め応答パターンに応じて複数種類収録されている。そして、ロボットアシスタント画像Rは、顔認識カメラ5で撮像された画像から認識された顧客Uに対応した人物像(性別、年齢)に切り替え可能となっている。また、ロボットアシスタント画像Rは、ビデオカメラ6で撮像された画像から認識された顧客Uの動作及びビデオカメラ6が有するマイクで取得された音声から認識された顧客Uの発話内容に基づいて、顧客Uが円滑な精算作業を行うことができるようにアシストする。
【0044】
具体的には、例えば顧客Uの動作が早過ぎる場合は、「ゆっくり操作してください」といった案内をすることができる。また、例えば支払い方法の選択に時間がかかっている場合は「お支払は現金ですか」といった案内をし、顧客Uが「はい」等の肯定的な返答をした場合は「現金と表示されている部分をタッチしてください」と案内をすることができる。あるいは操作に手間取っている場合は「オペレータを呼び出しましょうか」といった案内をしてもよい。そして、顧客Uが「はい」等の肯定的な返答をした場合は、モニタ4の映像をオペレータに切り替えてもよい。以後はテレビ電話として実在するオペレータとやり取りをすることができる。
【0045】
以上説明した本実施形態によれば、セルフレジ装置1は、水平に設けられたモニタ3と、モニタ3の表示領域外に設けられ、モニタ3に表示された操作ガイドGへの操作を検出するモーションセンサ9と、を備え、モニタ3には、顧客Uに対する操作ガイドGが表示されている。このようにすることにより、水平に設けられたモニタ3に顧客Uに対する操作ガイドGが表示されるので、水平なモニタ3を商品Pを載置するテーブル等として利用することも可能となり、そのテーブルに操作ガイドGが表示されることで、視線を商品Pに合わせた状態で操作ガイドGを視認することができ、視線の移動が殆ど生じなくなる。したがって、操作ミスが減少し、利用者の利便性が向上する。
【0046】
また、操作用ガイドGは、矢印及び文字情報にて硬貨投入口12b1や紙幣投入口12a1等の利用(操作)すべき機器の位置を示す表示を行うので、どこを利用すればよいか直感的に理解することができ、利便性が向上する。
【0047】
また、利用(操作)すべき機器として、購入する商品から商品情報を読み取るスキャナ7、プリンタ8、紙幣投入口12a1、紙幣出金口12a2、硬貨投入口12b1、硬貨出金口12b2、硬貨返却口12b3を含み、これらは、上から見てモニタ3と同一平面上に設置されている。このようにすることにより、上記した各機器をモニタ3上に表示する矢印等を用いて示すことが容易となり、利用者に分かり易く案内することができる。
【0048】
また、モニタ3へ操作用ガイドGを投影するプロジェクタ10を備えているので、モニタ3はスクリーンとして構成すればよく、商品を載置するテーブルと兼ねるのが容易になる。
【0049】
また、モニタ3より上方かつ顧客Uに正対するように設けられたモニタ4を備え、モニタ4は、人型の案内画像が表示されるので、セルフレジでありながらレジ係が対応する対面式のレジに近い親近感を得ることができる。このように、人型の案内画像はレジ係の代わりともいえるものであり、顧客Uの正面に表示するのが望ましく、そのため、モニタ3に表示するのではなく別途モニタ4を設置することで、顧客Uの利便性を向上させることができる。
【0050】
また、セルフレジ装置1は、モニタ3を操作する手指の位置を検出するモーションセンサ9と、モーションセンサ9の検出結果に基づいて操作ガイドGの操作を判定するPC13を備えている。このようにすることにより、タッチパネルを必要とせず、タッチパネルと同等の機能を実現することができる。したがって、モニタ3をテーブルと兼ねることができる。
【0051】
また、PC13は、モニタ3の表面から例えば1cm以内に指先が近づいた場合に、操作ガイドGの操作を判定するので、画面に指が触れる直前に操作の判定をすることができる。また、タッチパネルと同等の操作感を得ることができる。
【0052】
また、PC13は、モニタ3の表面から例えば3cm以内に指先が近づいた場合に、当該指先が指していると推定されるモニタ3上の位置にマークを表示させるので、指がどこを指そうとしているかを顧客U等に提示することができる。
【0053】
なお、上述した実施形態では、モニタ4を設けていたが必須ではない。モニタ4を設けない場合、ロボットアシスタント画像Rに代えて、音声のみを出力して顧客Uをアシストしてもよい。
【0054】
また、モニタ3は、プロジェクタ10のスクリーンとして構成しなくてもよい。例えば、モニタ3として液晶ディスプレイで構成し、当該液晶ディスプレイ上に強度がある透明カバーを設けることで、商品等を載置するテーブルとして利用可能に構成することができる。
【0055】
また、操作ガイドGは、モニタ3上に載置された商品を避けて表示してもよい。即ち、操作ガイドGは、第1の表示面上の商品を避けて表示される。これは、プロジェクタ等で表示した場合に操作ガイドGが商品で隠れたり、商品に映りこむことで表示が見づらくなることを防止できる。避けるのは、上下左右にずらすのでもよいし、縮小表示でもよく、或いは商品位置に応じて操作ガイドGの表示パターンを複数用意してもよい。
【0056】
商品を避けて操作ガイドGを表示するためにはモニタ3上の商品を検知する必要がある。商品検知の方法の例について図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7では、ビデオカメラ6とモーションセンサ9を利用するものである。ビデオカメラ9は、図6のビデオカメラ6から延びた破線で示したエリアA1の範囲を撮影可能となっている。したがって、ビデオカメラ6で商品を認識することで当該商品の位置を検知することができる。商品の認識は、物体形状を学習することで検出してもよいが、少なくとも平面でない部分を検出することで検知してもよい。
【0057】
また、ビデオカメラ6だけでなく、モーションセンサ9も併用することで、商品の検出精度を向上させることができる。モーションセンサ9は、図7のモーションセンサ9から延びた破線よりも下側のセルフレジ装置1の各機器(モニタ3、紙幣投入口12a1等)を含む領域であるエリアA2の範囲が認識可能となっている。また、モーションセンサ9は、上記したように、手指の動きでモニタ3のどの位置を操作したかを認識することに加えて、商品かご等からモニタ3上に載置されたなど商品がどのように移動したかも認識できる。したがって、モーションセンサ9の検出結果も利用することで、商品の位置を高精度に認識することができる。そして、認識された商品を避けて操作ガイドGを表示させればよい。
【0058】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のセルフレジ装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0059】
1 セルフレジ装置
3 モニタ(第1の表示面)
4 モニタ(第2の表示面)
7 スキャナ(操作すべき機器)
8 プリンタ(レシートプリンタ)
9 モーションセンサ(検出部)
10 プロジェクタ(投影部)
12 自動釣銭機
12a1 紙幣投入口(操作すべき機器)
12a2 紙幣出金口(操作すべき機器)
12b1 硬貨投入口(操作すべき機器)
12b2 硬貨出金口(操作すべき機器)
12b3 硬貨返却口(操作すべき機器)
13 PC(判定部)
14 SUBPC
G 操作ガイド
R ロボットアシスタント画像(人型の案内画像)
U 顧客(利用者)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7