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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069870
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】照明制御システムおよび照明制御機器
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/18 20200101AFI20230511BHJP
   H05B 47/195 20200101ALI20230511BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20230511BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B47/195
H05B47/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021182048
(22)【出願日】2021-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲菊▼地 史也
(72)【発明者】
【氏名】野坂 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】館山 涼
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA31
3K273SA04
3K273SA38
3K273SA46
3K273SA57
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA52
3K273TA55
3K273TA62
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】終端抵抗を容易に設定できる照明制御システムおよび照明制御機器を得ることを目的とする。
【解決手段】本開示に係る照明制御システムは、照明装置と、前記照明装置を制御し、他の照明制御機器と複数の通信線で接続される照明制御機器と、を備え、前記照明制御機器は、前記複数の通信線の間を、終端抵抗を介して接続可能な終端抵抗接続回路と、外部の操作端末からの信号に応じて、前記終端抵抗を介した前記複数の通信線の間の接続の有無を切り替える制御回路と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置と、
前記照明装置を制御し、他の照明制御機器と複数の通信線で接続される照明制御機器と、
を備え、
前記照明制御機器は、
前記複数の通信線の間を、終端抵抗を介して接続可能な終端抵抗接続回路と、
外部の操作端末からの信号に応じて、前記終端抵抗を介した前記複数の通信線の間の接続の有無を切り替える制御回路と、
を備えることを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記制御回路は、外部の操作端末からの信号に応じて、前記複数の通信線の間の抵抗を介した接続の有無についての情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記制御回路は、前記複数の通信線から信号を送信する際に、前記複数の通信線の間の抵抗を介した接続の有無を判別することを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記照明制御機器は、
前記複数の通信線のうち、1つの通信線と接続される第1端子と、
前記複数の通信線のうち、他の通信線と接続される第2端子と、
を備え、
前記終端抵抗接続回路は、前記第1端子と前記第2端子との間に接続されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記照明制御機器は、
前記複数の通信線のうち、1つの通信線と接続される第1端子と、
前記複数の通信線のうち、他の通信線と接続される第2端子と、
前記第1端子と検出抵抗を介して接続された第3端子と、
前記第2端子と電気的に接続された第4端子と、
を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記制御回路は、前記検出抵抗に発生する電圧から、前記第3端子と前記第4端子の間の電気的な接続の有無を判別することを特徴とする請求項5に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記制御回路は、前記操作端末からの信号を受信すると、前記第3端子と前記第4端子の間の電気的な接続が無い場合に、前記終端抵抗で前記複数の通信線の間を接続することを特徴とする請求項5または6に記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記複数の通信線による通信方式は、RS485をインターフェイスとする通信方式であることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項9】
前記操作端末からの信号は赤外線信号であることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記複数の通信線の間の抵抗を介した接続の有無を通知する表示部を備えることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項11】
前記複数の通信線による通信が正常であるか否かを通知する表示部を備えることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の照明制御システム。
【請求項12】
他の照明制御機器と通信線で接続される第1端子と、
前記他の照明制御機器と通信線で接続される第2端子と、
前記第1端子と前記第2端子との間を、終端抵抗を介して接続可能な終端抵抗接続回路と、
照明装置を制御し、外部の操作端末からの信号に応じて、前記終端抵抗を介した前記第1端子と前記第2端子との間の接続の有無を切り替える制御回路と、
を備えることを特徴とする照明制御機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明制御システムおよび照明制御機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、RS485規格のシリアル通信が行われるアドレス設定システムが開示されている。このシステムの子機は、アドレス設定部により自デバイスの通信アドレスが設定されるまでは自デバイスの終端抵抗をオンとし、アドレス設定部により自デバイスの通信アドレスが設定されると、自デバイスの終端抵抗をオフにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-43502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、アドレスと終端抵抗の設定状態が紐づいている。ここで、レイアウトの変更等で子機の設置場所が変更されると、子機が終端ではなくなることが想定される。この場合、再度、子機に対してアドレス設定を行い、終端抵抗の設定状態を変更する必要がある。また、アドレスは親機から子機に設定されるため、ユーザーは各機器の親子関係を意識する必要がある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、終端抵抗を容易に設定できる照明制御システムおよび照明制御機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明制御システムは、照明装置と、前記照明装置を制御し、他の照明制御機器と複数の通信線で接続される照明制御機器と、を備え、前記照明制御機器は、前記複数の通信線の間を、終端抵抗を介して接続可能な終端抵抗接続回路と、外部の操作端末からの信号に応じて、前記終端抵抗を介した前記複数の通信線の間の接続の有無を切り替える制御回路と、を備える。
【0007】
本開示に係る照明制御機器は、他の照明制御機器と通信線で接続される第1端子と、前記他の照明制御機器と通信線で接続される第2端子と、前記第1端子と前記第2端子との間を、終端抵抗を介して接続可能な終端抵抗接続回路と、照明装置を制御し、外部の操作端末からの信号に応じて、前記終端抵抗を介した前記第1端子と前記第2端子との間の接続の有無を切り替える制御回路と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る照明制御システムおよび照明制御機器では、操作端末の操作によって、終端抵抗を介した複数の通信線の間の接続の有無を切り替えることができる。従って、終端抵抗を容易に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る照明制御システムを示すブロック図である。
図2】実施の形態1に係る照明制御機器の構成を示す図である。
図3】実施の形態1に係る照明制御機器の外観を示す図である。
図4】実施の形態1に係る照明制御機器の第1の接続例を示す図である。
図5】実施の形態1に係る照明制御機器の第2の接続例を示す図である。
図6】実施の形態1に係る表示部を用いた終端設定のモニタリング動作を示すフローチャートである。
図7】実施の形態1に係る終端設定のモニタ結果の保存動作を示すフローチャートである。
図8】実施の形態1に係る操作端末を用いた終端設定のモニタリング動作を示すフローチャートである。
図9】実施の形態1に係る終端抵抗をONするための動作を示すフローチャートである。
図10】実施の形態1に係る終端抵抗をOFFするための動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施の形態に係る照明制御システムおよび照明制御機器について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明制御システム100を示すブロック図である。照明制御システム100は、複数の照明装置50と複数の照明制御機器10を備える。各照明制御機器10は、照明装置50と有線81または無線82で通信し、照明装置50を制御する。また、各照明制御機器10は、他の照明制御機器10と複数の通信線80で接続される。なお、図1では、複数の通信線80は便宜上、一本の通信線として示されている。複数の通信線80による通信方式は、RS485をインターフェイスとする通信方式である。以下では、この通信方式による通信をRS485通信と呼ぶ。
【0012】
照明制御機器10は天井または壁に設置される。照明制御機器10には、例えば赤外線送受信機能、有線通信機能、接点入出力機能、外部調光信号入力機能、照度センサ、人感センサ等が搭載されている。これにより、照明制御機器10は、ワイヤレスリモコン、有線通信機器、無線通信機器、壁スイッチ、各種センサ等からの信号に応じて、照明装置50を制御する。有線通信にはRS485通信が含まれる。
【0013】
照明装置50は、照明制御機器10からの信号を受信して点灯状態を制御する調光ユニットを搭載している。照明制御機器10は、例えば外部機器またはセンサからの情報に応じて照明装置50の調光率を算出し、照明装置50に対して有線81または無線82によって調光率制御信号を送信する。調光率制御信号を受けた照明装置50は、調光率制御信号に含まれる調光率データに従って、自身の調光率を変化させる。調光率に限らず、照明制御機器10は、照明装置50の点灯、消灯、色温度等を制御しても良い。また、照明装置50は、照明制御機器10からの調光率モニタ、消費電力モニタ等のモニタ信号に応じて、応答信号を送信しても良い。
【0014】
RS485通信では、信号の反射を抑え、正常に照明制御機器10間で通信を行うために、通信経路上の両端の照明制御機器10に終端抵抗が接続される。終端抵抗は、照明制御機器10に接続される複数の通信線80間に接続される。図1の例では、最上と最下の照明制御機器10に終端抵抗が接続される。また、両端に位置しない照明制御機器10には終端抵抗は接続されない。
【0015】
操作端末60は、照明制御機器10と通信83により通信して、照明制御機器10を制御する。操作端末60は、例えばリモコンであり、操作端末60からの信号は赤外線信号である。これに限らず、操作端末60は携帯端末、タブレット端末、パソコン等であっても良い。操作端末60と照明制御機器10の間の通信83は赤外線通信以外の無線通信であっても良く、有線通信であっても良い。
【0016】
図2は、実施の形態1に係る照明制御機器10の構成を示す図である。照明制御機器10は、他の照明制御機器10と複数の通信線80で接続されるコネクタCN1を備える。コネクタCN1は、複数の通信線80のうち、1つの通信線と接続される端子T1と、複数の通信線80のうち他の通信線と接続される端子T2を有する。コネクタCN1には、RS485通信の信号を送受信するRS485通信回路16が接続される。制御マイコン12は、RS485通信回路16を介して、他の照明制御機器10とRS485通信を行う。
【0017】
端子T1、T2間には、終端抵抗接続回路20が接続される。終端抵抗接続回路20は、端子T1、T2の間を、終端抵抗R1を介して接続可能である。つまり、複数の通信線80の間は、終端抵抗R1を介して接続可能である。制御マイコン12は、外部の操作端末60からの信号に応じて、終端抵抗接続回路20を制御して、終端抵抗R1を介した端子T1、T2間の接続の有無を切り替える。図2では、終端抵抗接続回路20の一例として、制御マイコン12に制御されるスイッチSW1と、スイッチSW1に直列に接続される終端抵抗R1が示されている。これに限らず、終端抵抗接続回路20は、複数の通信線80の間を、終端抵抗を介して接続可能であれば良い。
【0018】
照明制御機器10は、操作端末60と赤外線信号で通信する赤外線送受信部14を備える。制御マイコン12は、操作端末60から赤外線送受信部14を介して終端抵抗設定信号を受信する。制御マイコン12は終端抵抗設定信号を解析し、終端抵抗R1を接続するか否かを判別する。制御マイコン12は、終端抵抗R1を接続すると判別すると、終端抵抗接続回路20を制御して終端抵抗R1を接続する。このように、制御マイコン12は、外部の操作端末60からの信号に応じて、終端抵抗R1を介した端子T1、T2間の接続の有無を切り替える。終端抵抗接続回路20による終端抵抗R1の接続は、後述するコネクタCN2の短絡が行われない場合に有効である。
【0019】
本実施の形態では、操作端末60の操作によって、終端抵抗R1を介した複数の通信線80の間の接続の有無を容易に切り替えることができる。さらに、ユーザーは操作端末60の操作により、照明制御機器10と離れた位置から終端抵抗R1の設定ができる。また、ユーザーは、操作端末60によって設定対象の照明制御機器10を操作すれば良く、RS485通信における機器の親子関係等を意識する必要が無い。また、照明制御機器10を天井等から取り外すことなく、容易に終端抵抗R1の接続ができる。このように、本実施の形態では終端抵抗R1を容易に設定できる。
【0020】
照明制御機器10は照明装置50と通信するための図示しない通信回路を有しても良い。制御マイコン12は、この通信回路を介して照明装置50を制御する。
【0021】
また、照明制御機器10は、2極の端子T3、T4を有するコネクタCN2を備える。端子T4は、検出抵抗R2を介して端子T1と接続される。端子T3は、端子T2と電気的に接続される。この構成によれば、照明制御機器10の外部からリード線等で端子T3、T4間を短絡することで、検出抵抗R2を終端抵抗として接続できる。従って、終端抵抗を容易に設定できる。
【0022】
端子T3、T4間の接続は、例えば工事業者が複数の照明制御機器10を設置し、RS485通信の通信線80を接続する際に、末端の照明制御機器10に対して行われる。なお、コネクタCN2は照明制御機器10の外部から短絡することができれば良く、例えばスイッチ等で短絡できても良い。
【0023】
照明制御機器10は、検出抵抗R2の電圧を監視する終端抵抗検出回路22を備える。制御マイコン12は、検出抵抗R2に発生する電圧から、端子T3、T4間の電気的な接続の有無を判別する。制御マイコン12は、内蔵する記憶部12aに判別結果を記憶する。
【0024】
赤外線送受信部14は、操作端末60から終端抵抗の設定状態をモニタするモニタ信号を受信する。制御マイコン12は、モニタ信号に応じて記憶部12aに記憶した判別結果を参照する。制御マイコン12は、赤外線送受信部14を介して判別結果を操作端末60に応答する。このように、制御マイコン12は、操作端末60からの信号に応じて、複数の通信線80の間の抵抗を介した接続の有無についての情報を出力する。これにより、照明制御機器10を設置した後、照明制御機器10を天井等から取り外すことなく、容易に終端抵抗が接続されているか否かをモニタすることが可能となる。
【0025】
ここでは、終端抵抗として検出抵抗R2が接続されているか否かの情報を外部に出力する例について説明した。これに限らず、制御マイコン12は、操作端末60からの信号に応じて、複数の通信線80の間の終端抵抗R1を介した接続の有無についての情報を出力しても良い。
【0026】
照明制御機器10は、複数の通信線80の間の抵抗を介した接続の有無を通知する表示部30を備えても良い。図2に示される例では、表示部30としてLEDが設けられる。LEDは、電流制限抵抗R3を介して電源V1と接続されて点灯する。制御マイコン12は表示部30を制御する。制御マイコン12は、例えば表示部30の点灯パターンを変化させる。制御マイコン12は、異なる色のLEDを照明制御機器10の動作状態に合わせて制御しても良い。
【0027】
図3は、実施の形態1に係る照明制御機器10の外観を示す図である。照明制御機器10には、表示部30として、終端抵抗の接続状態を表す複数のLED30a、30b、30cが搭載されている。例えば、LED30aは赤色、LED30bは黄色、LED30cは緑色である。照明制御機器10は終端抵抗が接続されているか否かを、LED30a、30b、30cの点灯パターンを変化させて、ユーザーに通知できる。
【0028】
表示部30は、複数の通信線80による通信が正常であるか否かを通知しても良い。この通知に用いられるLEDは、終端抵抗の接続状態を表す複数のLED30a、30b、30cと別に設けられても良く、同じLEDであっても良い。このように、ユーザーは終端抵抗の設定状態とRS485通信の状態を目視で確認できる。従って、容易に照明制御システム100に異常がないことを確認できる。
【0029】
このように、本実施の形態では終端抵抗の設定および設定状態の確認が容易に実施できる。これにより、終端抵抗の設定のための作業時間および費用を削減できる。
【0030】
図4は、実施の形態1に係る照明制御機器10の第1の接続例を示す図である。ここでは複数の照明制御機器10として4台の照明制御機器10-1~10-4が接続される例について説明する。各照明制御機器10では、両側の照明制御機器10との通信線80による接続のために、端子T1として端子T1-1、T1-2が設けられ、端子T2として端子T2-1、T2-2が設けられている。照明制御機器10-1、10-4は複数の照明制御機器10の末端に設けられる。このため、工事業者により端子T3、T4が短絡され、終端設定が行われている。これにより、RS485通信を安定して行うことができる。
【0031】
図5は、実施の形態1に係る照明制御機器10の第2の接続例を示す図である。末端の照明制御機器10-1では、工事業者により端子T3、T4が短絡され、終端設定が行われている。一方、末端の照明制御機器10-4では、端子T3、T4による終端設定が行われていない。この場合、終端抵抗接続回路20により終端設定を行う。つまり、終端抵抗R1を介して端子T1、T2間を接続する。これにより、RS485通信を安定して行うことができる。
【0032】
図6は、実施の形態1に係る表示部30を用いた終端設定のモニタリング動作を示すフローチャートである。制御マイコン12は、RS485通信による信号送信を開始すると(ステップ1)、検出抵抗R2による終端設定の有無を判別する(ステップ2)。照明制御機器10がRS485通信による信号送信を開始すると、コネクタCN2が短絡されている場合、検出抵抗R2に電圧が発生する。制御マイコン12は終端抵抗検出回路22を用いて、信号送信時に検出抵抗R2に発生する電圧の有無から終端設定の有無を判別する。
【0033】
なお、RS485通信による信号受信時にも検出抵抗R2には電圧が発生する。送信時に終端設定の有無を判別することで、RS485のような長距離通信が可能な通信方式において、配線長における電圧降下の影響を抑制して、確実に終端設定の判別を行うことができる。
【0034】
制御マイコン12は、検出抵抗R2による終端設定がONの場合、終端設定ありと判別する(ステップ4)。このとき、制御マイコン12は例えばLED30aを点灯させ、LED30b、30cを消灯させる(ステップ5)。
【0035】
また、終端抵抗検出回路22で検出抵抗R2の電圧が検出されない場合、制御マイコン12は終端抵抗接続回路20による終端設定の有無を確認する(ステップ3)。終端抵抗接続回路20による終端設定がONの場合、制御マイコン12は終端設定ありと判別する(ステップ7)。このとき、制御マイコン12は例えばLED30bを点灯させ、LED30a、30cを消灯させる(ステップ8)。
【0036】
検出抵抗R2および終端抵抗接続回路20において終端設定がOFFの場合、制御マイコン12は終端設定なしと判別する(ステップS9)。このとき、制御マイコン12は例えばLED30cを点灯させ、LED30a、30bを消灯させる(ステップ10)。ステップ5、8、10の後、制御マイコン12は再びRS485通信回路16から信号の送信を行う(ステップ6)。
【0037】
図7は、実施の形態1に係る終端設定のモニタ結果の保存動作を示すフローチャートである。ステップ4、7、9までは図6で示した動作と同様である。制御マイコン12は、ステップ4、7、9で得られたモニタ結果を記憶部12aに保存する(ステップ5a)。これにより、記憶部12aの情報を読み出すことで、使用者は終端設定の状態を確認できる。
【0038】
図8は、実施の形態1に係る操作端末60を用いた終端設定のモニタリング動作を示すフローチャートである。制御マイコン12は終端設定の状態を確認するためのモニタ信号の受信の有無を判別する(ステップ11)。モニタ信号は、操作端末60から照明制御機器10に送信される。操作端末60はタブレット等の情報端末であっても良い。制御マイコン12はモニタ信号を受信すると、記憶部12aに記憶された終端設定のモニタ結果を呼び出す(ステップ12)。さらに制御マイコン12は呼び出したモニタ結果を操作端末60に出力する(ステップ13)。これに限らず、制御マイコン12はモニタ信号を受信すると、ステップ2~4、7、9の手順で終端設定の状態を判別し、判別結果を出力しても良い。
【0039】
図9は、実施の形態1に係る終端設定をONするための動作を示すフローチャートである。制御マイコン12は、終端抵抗設定信号として終端抵抗ON設定信号を受信したかを判別する(ステップ21)。終端抵抗ON設定信号は、操作端末60から送信され、赤外線送受信部14で受信される。制御マイコン12は終端抵抗ON設定信号を受信すると、終端抵抗検出回路22を用いて、検出抵抗R2による終端設定の有無を確認する(ステップ22)。このとき、制御マイコン12は複数の通信線80から信号を送信する際に、複数の通信線80の間の抵抗を介した接続の有無を判別しても良い。また、制御マイコン12は記憶部12aから検出抵抗R2による終端設定の有無についての情報を読み出しても良い。
【0040】
検出抵抗R2により終端設定されている場合、制御マイコン12は終端抵抗接続回路20による終端設定をOFFする(ステップS23)。検出抵抗R2により終端設定されていない場合、制御マイコン12は終端抵抗接続回路20による終端設定をONする(ステップ24)。
【0041】
このように、制御マイコン12は、操作端末60からの信号を受信すると、端子T3、T4の間の電気的な接続がない場合に、終端抵抗R1で複数の通信線80の間を接続する。検出抵抗R2による終端設定の有無の判別の後に終端抵抗R1を設定することで、重複した終端設定を避けることができる。これにより、通信線80に流れる不要な電流を抑制でき、安定した通信ができる。
【0042】
図10は、実施の形態1に係る終端設定をOFFするための動作を示すフローチャートである。制御マイコン12は終端抵抗設定信号として終端抵抗OFF設定信号を受信したかを判別する(ステップ31)。終端抵抗OFF設定信号は、操作端末60から送信され、赤外線送受信部14で受信される。制御マイコン12は終端抵抗OFF設定信号を受信すると、終端抵抗接続回路20による終端設定をOFFにする(ステップS33)。つまり、終端抵抗R1を介した端子T1、T2間の接続を解除する。ステップS33の実行前には、検出抵抗R22による終端設定のON、OFFの判別、および、終端抵抗接続回路20のON、OFFの判別は行わない。
【0043】
本実施の形態では、制御マイコン12が、終端抵抗R1を介した複数の通信線80の間の接続の有無を切り替える制御回路に該当する。制御回路は上記機能を実現できれば、記憶部12a、プロセッサ等を有するマイコン以外の回路であっても良い。また、赤外線送受信部14、RS485通信回路16、終端抵抗接続回路20、終端抵抗検出回路22の一部の機能が制御マイコン12に組み込まれていても良い。また、本実施の形態はRS485通信以外の終端抵抗が必要な通信にも適用できる。
【0044】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いても良い。
【符号の説明】
【0045】
10 照明制御機器、12 制御マイコン、12a 記憶部、14 赤外線送受信部、16 RS485通信回路、20 終端抵抗接続回路、22 終端抵抗検出回路、30 表示部、50 照明装置、60 操作端末、80 通信線、81 有線、82 無線、83 通信、100 照明制御システム、CN1、CN2 コネクタ、R1 終端抵抗、R2 検出抵抗、R3 電流制限抵抗、SW1 スイッチ、T1、T2、T3、T4 端子、V1 電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10