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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069965
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20230511BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20230511BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20230511BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20230511BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/25
A61K8/36
A61Q1/12
A61Q1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021192541
(22)【出願日】2021-11-04
(71)【出願人】
【識別番号】391015373
【氏名又は名称】大東化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】白戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】服部 春香
(72)【発明者】
【氏名】太田 敦子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB362
4C083AB431
4C083AB432
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC092
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC532
4C083AC692
4C083AC842
4C083AC931
4C083AC932
4C083AD152
4C083AD261
4C083AD262
4C083CC12
4C083DD32
4C083EE03
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】マイクロプラスチックビーズフリーでありながら、滑らかでしっとりとした感触を有する化粧料を提供することを目的とするものである。
【解決手段】炭素数8~20の脂肪酸とマグネシウム、カリウム、バリウム、亜鉛などの金属の一種とで合成された金属石けんで表面処理された平均粒子径が3~30μmの球状セルロース粉体(成分A)及び、炭素数8~20の脂肪酸とマグネシウム、カリウム、バリウム、亜鉛などの金属の一種とで合成された金属石けんで表面処理された粒子径が1~30μmのマイカまたは合成金雲母(成分B)を含有するマイクロプラスチックビーズを含まないことを特徴とする化粧料を開発するに至った。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数8~20の脂肪酸とマグネシウム、カリウム、バリウム、亜鉛などの金属の一種とで合成された金属石けんで表面処理された平均粒子径が3~30μmの球状セルロース粉体(成分A)、及び炭素数8~20の脂肪酸とマグネシウム、カリウム、バリウム、亜鉛などの金属の一種とで合成された金属石けんで表面処理された粒子径が1~30μmのマイカまたは合成金雲母(成分B)を含有するマイクロプラスチックビーズをなくても滑らかでしっとり感を有することを特徴とする化粧料。
【請求項2】
化粧料中の成分A:成分Bの含有割合を1:1~1:3とする請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
成分Aの含有量が、化粧料の総量に対して1.0~10.0質量%の範囲にあることを特長とする請求項1~2に記載の化粧料。
【請求項4】
成分Bの含有量が、化粧料の総量に対して1.0~30.0質量%の範囲にあることを特長とする請求項1~3に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンデーション、アイシャドウ、ほほ紅、口紅、化粧下地、サンスクリーン等の感触に優れた化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧料に毛穴ぼかし効果、塗布時の感触や滑り性を向上させる目的で、いわゆるマイクロプラスチックビーズと呼ばれるシリコーン粉体(特許文献1)、ナイロン粉体(特許文献2)、アクリル粉体(特許文献3)などの非水溶性の球状プラスチック粉体を配合することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-20631
【特許文献2】特開2015-193564
【特許文献3】特開2014-172864
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、マイクロプラスチックビーズは、海洋環境において大きな社会問題となっており、マイクロプラスチックビーズの化粧料への配合が規制されつつある。すでに洗い流しのスクラブ製品におけるマイクロプラスチックビーズの使用について自主規制が促されており、この動きは全世界で広まりつつある。また洗い流し化粧料のみならず、すべての化粧料に関してマイクロプラスチックビーズの配合を禁止する動きもある。そのため、マイクロプラスチックビーズフリーの化粧料の開発が、課題となっている。
【0005】
従って、本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、マイクロプラスチックビーズフリーでありながら、滑らかでしっとりとした感触を有する化粧料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明人は鋭意検討した結果、炭素数8~20の脂肪酸とマグネシウム、カリウム、バリウム、亜鉛などの金属の一種とで合成された金属石けんで表面処理された平均粒子径が3~30μmの球状セルロース粉体(成分A)、及び炭素数8~20の脂肪酸とマグネシウム、カリウム、バリウム、亜鉛などの金属の一種とで合成された金属石けんで表面処理された粒子径が1~30μmのマイカまたは合成金雲母(成分B)を含有し、マイクロプラスチックビーズを含まなくても滑らかでしっとり感を有することを特徴とする化粧料を得ることができる事を見出した。
【発明の効果】
【0007】
本発明の化粧料は、マイクロプラスチックビーズフリーでありながら、滑らかでしっとりとした感触を有する化粧料を得ることができる事を見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の化粧料は、炭素数8~20の脂肪酸とマグネシウム、カリウム、バリウム、亜鉛などの金属の一種とで合成された金属石けんで表面処理された平均粒子径が3~30μmの球状セルロース粉体(成分A)、及び炭素数8~20の脂肪酸とマグネシウム、カリウム、バリウム、亜鉛などの金属の一種とで合成された金属石けんで表面処理された粒子径が1~30μmのマイカまたは合成金雲母(成分B)を含有するマイクロプラスチックビーズを含まないことを特徴とする。
【0009】
本発明の化粧料中の成分A:成分Bの含有割合は、1:1~1:3であることが好ましい。
【0010】
本発明の化粧料では、成分Aの含有量が化粧料の総量に対して1.0~10.0質量%の範囲にあることが好ましい。
【0011】
本発明の化粧料では、成分Bの含有量が化粧料の総量に対して1.0~30.0質量%の範囲にあることが好ましい。
【0012】
本発明の化粧料で用いる球状セルロース粉体とは、真球状から略球状までの形態を含み、より真球状に近い形状であると、化粧料に配合した際の滑りの改善効果に優れるメリットがある。また、平均粒子径としては、1.0~30.0μmの範囲にあることが好ましい。この範囲であると、滑り、唇や肌への付着性、発色の向上にも優れているメリットがある。例えば市販品として、CELLULOBEADS D-5、CELLULOBEADS D-10、CELLULOBEADS D-30[大東化成工業株式会社製]を用いる事ができる。CELLUBEADS D-5の平均粒子径は8.7μm(レーザー回折式粒度分布計を用いて測定)、CELLUBEADS D-10の平均粒子径は14.3μm(レーザー回折式粒度分布計を用いて測定)、CELLUBEADSD-30の平均粒子径は28.8μm(レーザー回折式粒度分布計を用いて測定)であった。
【0013】
本発明で用いる球状セルロース粉体におこなう表面処理は、炭素数8~20の脂肪酸とマグネシウム、カリウム、バリウム、亜鉛などの金属の一種とで合成された金属石けんなどが挙げられ、より好ましくは炭素数18のステアリン酸とマグネシウム塩での金属石鹸で表面処理されることが好ましい。
【0014】
本発明の化粧料で用いるマイカおよび合成金雲母は、板状粉末であり、平均粒子径としては、1.0~30.0μmであることが好ましく、15.0~30.0μmの範囲にあることがより好ましい。この範囲であると、シリコーンエラストマー様のしっとりした感触を付与するのに優れる。
【0015】
本発明で用いるマイカ及び、合成金雲母におこなう表面処理は、炭素数8~20の脂肪酸とマグネシウム、カリウム、バリウム、亜鉛などの金属の一種とで合成された金属石けんなどが挙げられ、より好ましくは炭素数18のステアリン酸とマグネシウム塩での金属石鹸で表面処理されることが好ましい。
【0016】
本発明で用いる球状セルロース粉体、及び、マイカまたは合成金雲母に行う表面処理濃度は0.5~20.0%であることが好ましく、5.0~15.0%であることがより好ましい。
【0017】
〔化粧料用粉体の製造方法〕
本発明の化粧料用粉体は、下記の工程を実施することにより製造される。表面処理方法は、球状セルロース粉体、マイカまたは合成金雲母とステアリン酸マグネシウムを攪拌混合したのち、熱処理することにより行われる。分散方法の好適な例としては、ディスパー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー、ニーダー、V型混合機、ロールミル、ビーズミル、2軸混練機等の混合機による方法が挙げられる。混合後に粉砕を行う場合においては、ハンマーミル、ボールミル、サンドミル、ジェットミル等の通常の粉砕機を用いることができる。何れの粉砕機によっても同等の品質のものが得られるため、特に限定されるものではない。熱処理方法としては、棚型乾燥による方法が挙げられ、80~130℃程度の熱条件で処理することにより、ステアリン酸マグネシウムが処理された粉体を得ることができる。
【0018】
本発明の化粧料では、通常、化粧料に用いられる表面処理顔料、油剤、界面活性剤、増粘剤、水性成分、防腐剤、香料、保湿剤、紫外線吸収剤、塩類、溶媒、樹脂、酸化防止剤、キレート剤、中和剤等の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
【0019】
本発明で用いる顔料に行う表面処理の好ましい例として、親油性表面処理があげられる。例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン処理、オクチルトリエトキシシラン処理、金属石けん処理、シリコーンレジン処理、シリコーンガム処理、アクリルシリコーン処理などのオルガノシロキサン処理、ステアリン酸亜鉛、アシル化アミノ酸金属塩処理などの金属石鹸処理、シランカップリング剤処理、アルキルシラン処理などのシラン処理、有機チタネート処理、有機アルミネート処理、N-ラウロイル-L-リジン処理などのアミノ酸処理、エステル処理などの油剤処理などが挙げられ、これらの1種以上を組み合わせて使用することが可能である。
【0020】
本発明にて処理される顔料としては、通常化粧料に配合される粉体成分であれば全て適用できる。その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料等があげられ、具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、セルロース、シルクパウダー、デンプン末等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、微粒子酸化チタン、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化亜鉛等の微粒子粉体、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。また、タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。
【0021】
油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、キョウニン油、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2-デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、2-エチルヘキサン酸セチル、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ビフェニルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、アルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン等が挙げられる。また、グリセリン、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン、マルチトール、マルビット液などの多価アルコールも挙げられる。
【0022】
界面活性剤としては、分散剤、乳化助剤、感触調整剤等の目的で用いられるものであり、具体的にはグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステルおよびそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤類、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α-スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N-メチル-N-アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミンおよびアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤類、レシチン、N,N-ジメチル-N-アルキル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
【0023】
有機紫外線吸収剤としては、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;2-{4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロシベンゾイル}安息香酸ヘキシル、パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル等のPABA系;4-(2-β-グルコピラノシロキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-硫酸、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2、2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-N-オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、2,5-ジイソプロピルケイ皮酸メチル、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p-メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2-フェニル-ベンズイミダゾール-5-硫酸、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系;2-シアノ-3,3-ジフェニルプロパン-2-エン酸2-エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、シノキサート、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、4-(3,4-ジメトキシフェニルメチレン)-2,5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン(別名;オクチルトリアゾン)、2,4-ビス[{4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン、2-2‘-メチレンビス{6-(ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3、-テトラメチルブチル)フェノール}、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸等があげられ、更に、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上を用いることができる。
【0024】
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等が挙げられ、水溶性高分子としては、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体類、アルギン酸ソーダ、カラギーナン、クインスシードガム、寒天、ゼラチン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ペクチン、ジェランガム等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、カルボシキビニルポリマー、アルキル付加カルボシキビニルポリマー、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸グリセリンエステル、ポリビニルピロリドン等の合成高分子類等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
【0025】
本発明の化粧料は、一般に従来の粉体を含有する化粧料であれば特に限定されない。例えば、パウダーファンデーション、アイシャドウ、ほほ紅等のケーキ状メイクアップ化粧料、リクイドファンデーション、化粧下地、サンスクリーン等の油中水型化粧、または水中油型化粧料に使用するものが好ましい。
【0026】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【実施例0027】
次に、本発明による化粧料の実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0028】
(実施例1及び比較例1~3)
表1の処方と製造方法に従い油中水型ファンデーションを得た。尚、表中の単位は質量%である。
【0029】
(油中水型ファンデーションの製法)
先ず、油性成分である成分Aに、均一に混合した成分Bを添加し、ディスパーを用いて均一になるまでよく撹拌混合した。次に、水性成分である成分Cを成分A及びBの混合物中に徐々に添加することで乳化させた。最後に成分Dを添加し、ディスパーで混合し、油中水型ファンデーションを得た。
【0030】
【表1】
(注1):MAKIBASE SEB(大東化成工業社製)
(注2):MAKIGREEN D10(大東化成工業社製)
(注3):PGQ TiO2 R250(大東化成工業社製)
(注4):PGQ YELLOW No.602P(大東化成工業社製)
(注5):PGQ RED No.211P(大東化成工業社製)
(注6):PGQ BLACK No.710P(大東化成工業社製)
(注7):S-STM MICA SY20(大東化成工業社製)
(注8):SI01-5 MICA SY20(大東化成工業社製)
(注9):S-STM CELLULOBEADS D-10(大東化成工業社製)
(注10):CELLULOBEADS D-10(大東化成工業社製)
【0031】
(試験方法)
官能評価試験はアンケート形式で実施し、化粧料を皮膚に塗布したときの滑り性、付着性、及び化粧崩れ等の総合的な使用感、並びに保湿感について、パネラー10名により0点から5点の間の評価点で評価した。0点は評価が最も悪く、5点は最も優れるものとした。官能評価試験における全パネラーの平均点を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
表2に示した通り実施例1の油中水型化粧料は、滑り性及び、しっとり感の何れも評価点が4.5点以上と極めて高く、マイクロプラスチックビーズフリーでありながら、非常に優れた滑り性としっとり感を有する使用感であった。
【0034】
一方、比較例1~3の化粧料は、滑り性、またはしっとり感のどちらか一方は優れているものの、両方の特性を有する化粧料を得ることは出来なかった。