(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069966
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】防火シャッターおよび該シャッターに用いる駆動制御機構
(51)【国際特許分類】
A62C 2/06 20060101AFI20230511BHJP
B65G 65/40 20060101ALN20230511BHJP
【FI】
A62C2/06 503
B65G65/40 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021193628
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】500410123
【氏名又は名称】株式会社エルコム
(72)【発明者】
【氏名】相馬 督
【テーマコード(参考)】
3F075
【Fターム(参考)】
3F075AA08
3F075BA01
3F075BB01
3F075CA02
3F075CA06
3F075CA09
3F075CB13
3F075CC05
3F075CD02
3F075DA17
(57)【要約】
【課題】燃焼の逆流を防止するための防火シャッター機構を提供する。
【解決手段】粒状物提供装置における粒状物通路適所に、該粒状物の通過または非通過を選択するための、エアーシリンダーを用いた開閉式シャッター機構を設けるとともに、該シャッター機構を常に閉方向へと付勢するための引張コイルスプリングを設けて、停電時でも該シャッターを確実に閉方向へと導くよう構成し、該エアーシリンダーを駆動制御するために、電磁弁と管路を含む駆動制御機構を設けたことを特徴とする、粒状物提供装置におけるシャッター機構ならびに該機構を駆動制御するための駆動制御機構を有することを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物提供装置における粒状物通路適所に、該粒状物の通過または非通過を選択するための、エアーシリンダーを用いた開閉式シャッター機構を設けるとともに、該シャッター機構を常に閉方向へと付勢するための引張コイルスプリングを設けて、停電時でも該シャッターを確実に閉方向へと導くよう構成し、該エアーシリンダーを駆動制御するために、電磁弁と管路を含む駆動制御機構を設けたことを特徴とする、粒状物提供装置におけるシャッター機構ならびに該機構を駆動制御するための駆動制御機構を有する、防火シャッター。
【請求項2】
駆動制御機構を、エアーコンプレッサーからの流入エアーを制御するための第一電磁弁と、この第一電磁弁を通過したエアーを所定圧力にて駐留するためのエアータンクと、該エアータンクに通気接続されるシリンダー用管路と、該シリンダー用管路に接続される第二電磁弁と、この第二電磁弁に接続されるエアーシリンダーと、上記シリンダー用管路から分岐するエアーブロー用管路と、このエアーブロー用管路に接続される第三電磁弁と、エアーブロー用管路に接続される第四電磁弁とを有するものとした、防火シャッターに用いる駆動制御機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ペレット移送機に用いる防火シャッターおよび該シャッターに用いる駆動制御機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々のシャッター機構が用いられているが、本発明にて示すように、エアーシリンダーと引張コイルスプリングを組み合わせた防火シャッター機構と該シャッター機構を駆動させるための駆動制御機構は見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に燃焼対象物を移送させる場合においては、燃焼の逆流が発生することがあるが、これを防ぐ有効で簡便なる仕組みが望まれている。本発明は以上に鑑み、エアーシリンダーと引張コイルスプリングを組み合わせることにて、上記課題を解決する新規かつ有効なる手段を提供することを目的として発明されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、本発明の一つは、粒状物提供装置における粒状物通路適所に、該粒状物の通過または非通過を選択するための、エアーシリンダーを用いた開閉式シャッター機構を設けるとともに、該シャッター機構を常に閉方向へと付勢するための引張コイルスプリングを設けて、停電時でも該シャッターを確実に閉方向へと導くよう構成し、該エアーシリンダーを駆動制御するために、電磁弁と管路を含む駆動制御機構を設けたことを特徴とする、粒状物提供装置におけるシャッター機構ならびに該機構を駆動制御するための駆動制御機構を有する、防火シャッターである。
本発明の他の一つは、駆動制御機構を、エアーコンプレッサーからの流入エアーを制御するための第一電磁弁と、この第一電磁弁を通過したエアーを所定圧力にて駐留するためのエアータンクと、該エアータンクに通気接続されるシリンダー用管路と、該シリンダー用管路に接続される第二電磁弁と、この第二電磁弁に接続されるエアーシリンダーと、上記シリンダー用管路から分岐するエアーブロー用管路と、このエアーブロー用管路に接続される第三電磁弁と、エアーブロー用管路に接続される第四電磁弁とを有するものとした、防火シャッターに用いる駆動制御機構である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、簡便なシャッター機構にて燃焼の逆流を防止する有用なる手段を得ることができる。また、引張コイルスプリングを用いることにて、シャッターの確実なる閉状態を得ることができ、このシャッター箇所に近接してエアーブロー手段を設けることにて、シャッターに挟まるペレットを回避して、円滑なる閉状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1~
図2は、本発明の構造説明図である。本発明は後述するテーブルフィーダーに組み込まれて使用するものである。1は支持板、2は該支持板に取り付けられるシリンダーブラケット、3はこのシリンダーブラケットにその後部が軸支されるエアーシリンダー、4は該シリンダーの軸に適宜部材を介して回動可能に軸支される駆動レバー、5はシャッター駆動軸、6は投入シュート、7は板状の防火シャッターで、5のシャッター駆動軸と一体化している。8は引張コイルスプリングで、前記の駆動レバー適所に突設したピンと、前記投入シュートに適宜部材を介して突設したピンの間に係止される。9はエアーブロー管で、投入シュート上方に位置するホッパー10の側壁に下向き斜方に設けられる。
11はホッパー内に対向配置されるスクリューコンベア、12はホッパー上方に位置するフィーダ出口エアーブロー孔である。
【0008】
図4は、前記の本発明構成に関わるエアーシリンダー駆動のための回路図である。
図示を略したエアーコンプレッサーからの圧縮エアーは第一電磁弁20を通ってエアータンク21に貯留される。このエアータンクから出た圧縮エアーはレギュレータ22とエアーフィルタ23を通り、管路にて二つに分岐される。一つはシリンダー用管路24に入り、圧力スイッチ25を介して第二電磁弁26を経てエアーシリンダーに入る。
他方のエアーはエアーブロー用管路27に入り、第三電磁弁28を経てエアーブロー管9より噴気される。また、エアーブロー用管路のもう一つは、第四電磁弁29および、エアーブロー量調整のためのスピードコントローラ30を経て、フィーダ出口エアーブロー孔12に至って噴気される。以上の各電磁弁にて、これら電磁弁に接続される各部の作動や噴気が制御される。なお、図示を略した制御盤にてこれらがコントロールされる。なお、以上の各装置は、
図5にて示すテーブルフィーダに組み込まれて使用される。
すなわち、テーブルフィーダ本体40内に粒状物が投入され、電動による攪拌羽根41にて攪拌された粒状物は、前記の装置を介して出口42より吐出される。
【0009】
次ぎに、本発明の作動と機能について説明する。
ペレット形状の燃焼対象物を燃焼炉に送り出す場合において、ペレットの流量調整や遮断が必要であり、また、前記したような燃焼の逆流を防止する必要があり、本装置はそのためのものである。
シリンダーロッドが縮のときは防火シャッター7は
図2にて示すように、開状態となり、該ロッドが伸のときは閉状態となる。この閉状態を確実なものとするために、既述の引張コイルスプリングが設けられている。このスプリングの引張作用にて、例えば停電時にて電磁弁が機能停止となっても、このシャッターは閉となり、燃焼逆流は防止される。
なお、停電時には電磁弁26は機能停止となるために、エアーシリンダーのシリンダーロッド露出部分は短方向へと向かい、防火シャッター7は自然に開く方向へと向かうので、エアータンクに蓄積されている圧縮エアーのエアーシリンダーへの供給にて、この防火シャッター7は閉方向へと向かう。従って、前記の引張コイルスプリングとこのエアータンクからのエアー供給の双方の作用にて、停電時においてもこの防火シャッター7の閉方向への付勢力にて、防火シャッターの確実な閉状態を得ることができる。
また、防火シャッターが閉となるときに、隙間にペレットが挟まると不完全な閉となるために、これを防ぐためにエアーブロー管9を設けて、ここからエアーを噴出させ、ペレットの付着が防止されて、完全なる閉状態を得ることができる。
また、ホッパー上部にも同様にエアーブロー孔12が設けられて、ペレット搬送の詰まりは防止される。なお、ホッパー内には既述のスクリューコンベア(
図3は該コンベアを軸方向から見た図である)が設けられ、これにてペレット移送がなされる。
【0010】
以上、本発明について記したが、本発明はシンプルな機構にて防火の機能を有する、新規かつ有用なる手段を提供するものである。なお、既述の例は実施の一例であって近似の他の構成としてもよい。以上のごとく、本発明にてペレット移送時における防火機能を有する装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0011】
1 支持板
2 シリンダーブラケット
3 エアーシリンダー
4 駆動レバー
5 シャッター駆動軸
6 投入シュート
7 防火シャッター
8 引張コイルスプリング
9 エアーブロー管
10 ホッパー
11 スクリューコンベア
12 ホッパー出口エアーブロー孔
20 第一電磁弁
21 エアータンク
22 レギュレータ
23 エアーフィルタ
24 シリンダー用管路
25 圧力スイッチ
26 第二電磁弁
27 エアーブロー用管路
28 第三電磁弁
29 第四電磁弁
30 スピードコントローラ
40 テーブルフィーダ本体
41 攪拌羽根
42 ホッパー出口