(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069969
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】マッサージ具
(51)【国際特許分類】
A61H 19/00 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
A61H19/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021193631
(22)【出願日】2021-11-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】501107466
【氏名又は名称】有限会社景松開発
(72)【発明者】
【氏名】藤田 義弘
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA01
4C074BB05
4C074CC13
4C074DD06
4C074EE01
4C074EE04
4C074FF05
4C074GG11
(57)【要約】
【課題】男性用のマッサージ具における効果を向上させる構造を得ること。
【解決手段】柔軟性シリコーン樹脂成型でなる、模擬膣たるインナー11の外側に二重構造として硬度の異なる合成樹脂体を積層構成することで、要所に高硬度の筋力体Gを融着設置し、それを様々に加圧操作することで、局部的に筋力的な収縮作用を機能させ、さらに、従来の摩擦操作を元部と先方部に分けて別操作として自在に操作を組合わせる構造としたことで複合的な効果の増大を実現し、さらに模擬膣壁の形状を換え備えたインナー13を交換自在構造として複合的操作機会を増大し、よって使用者は経験的に組合せによる操作法を学習し、それを感覚的に蓄積し、より良い選択を模索ができる構造とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低硬度柔軟性合成樹脂成型によってなる円筒体を男性器用マッサージ孔として、本来内なる内壁を円筒形の外側にして成型、これを裏返して模擬膣を形成する従来製法によって得たマッサージ具において、
これをインナー(11)として着脱自在に構成、二重構造でなる男性用マッサージ具であって、
前記インナー(11)の外側面に離型剤を被着し、その面に非着性を確保した後、これを中心に配置、
円筒体(15)の素材である低硬度柔軟性合成樹脂材と、中硬度柔軟性合成樹脂と、局部的加圧機能を保持する高硬度柔軟性合成樹脂とを、
前記インナー(11)と、仮枠である円筒外枠(32)との間に形成される空間に、前記インナー(11)の後端側から先端方向へ計画的に積層することで前記円筒体(15)を構成してなる、異なる硬度の柔軟性合成樹脂積層構造と、
前記積層構造は、ジェル状、又は液状素材の適当な連続注入によることで素材の隣接部を融着構成し、又は、両材融着に接着剤を介在させ、隣接する2素材の固着一体化を融着又は接着によって接合する設置構造と、
によって構成されることを特徴とした男性用マッサージ具。
【請求項2】
請求項1に記載の、高硬度柔軟性合成樹脂は少なくとも3種類の筋力体(G)を形成し、その第1筋力体(G1)、および第2筋力体(G2)は前記インナー(11)外周を囲み、断面長方形のリング状に形成し、そのリング形状が、前記第1筋力体(G1)は2個、又は3個に円周方向に分断され、前記第2筋力体(G2)は4個、又は5個に円周方向に分断され、いずれの分断箇所も中硬度柔軟性合成樹脂を充填することによりリング分断部が素材の連続一体化をなす筋力体(G)の分断設置構造と、
別途成型製作された、軸方向に沿う縦型でなる第3筋力体(G3)は、所定の長さと湾曲形状と先端の縦型凸部(39)でなる縦型筋力体片(42)を、3~16本の中から選ばれる一の数、望ましくは6本で構成し、その一端で集束リング(45)の外周に集束一体成型として縦型筋力体(41)を形成、その開放端部側を前記インナー(11)の先端から軸方向に沿って先方部に、これを囲むように包囲して設置、その周辺の未注入空間に中硬度柔軟性合成樹脂を充填、又は、接着剤を介在させて充填設置し一体化してなる前記第3筋力体(G3)の縦型筋力体配置構造と、
によってなる男性用マッサージ具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の筋力体(G)において、少なくとも3種類の、第1筋力体(G1)~第3筋力体(G3)の端部を、前記円筒体(15)の外周表面よりも突出させて一体成型でなる加圧用の指掛り(20)を設置した個別加圧操作構造と、
前記円筒体(15)を構成する主要材である中硬度柔軟性合成樹脂材中に融着接合により前記筋力体(G)を設置したことでその筋力体(G)が、周囲の中硬度柔軟性合成樹脂材の柔軟性により弾力的に支持され、前記指掛り(20)の加圧動作が前記インナー(11)を介してその関連する陰茎局部のみに、加圧力とその強弱性を直結的に伝達する局部加圧力伝達構造と、
によって構成される男性用マッサージ具。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載のインナー(11)は、円筒体(15)の中心に交換自在に設置され、
交換後の交換インナー(13)内壁の形状的特徴と、前記円筒体(15)構造の特徴との組合せ構成によって、前記交換インナー(13)固有の特徴に加えて、前記円筒体(15)構造の特徴が干渉し、当該組合せ特有の複合効果が生成される構造としたインナー交換構造でなる男性用マッサージ具。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項記載の円筒体(15)構造において、
図6に示すインナー(11)を含む前記円筒体(15)中間部の前記第2筋力体(G2)を取り込んで切断した円筒体(15a)と、円筒体(15b)に分離し、これを、陰茎を案内軸として兼ねて挿入組合わせ構造とすることによって、又は、
全長における中間部3分の1区間のインナー(11)を含む構成素材を、硬度1度又は、硬度2度とし、かつ延伸性を有する柔軟性合成樹脂素材をもって構成し、それによって前記円筒体(15)の元部対先方部を伸縮自在とした伸縮構造とすることによって、
前記円筒体(15)元部、又は前記円筒体(15a)を手に横持ちした時における、先方部に渡る支持力を無力化、又は消失させ、それにより、元部及び、先方部を其々両手で支持することを必然とする構成によって、元部と先方部其々のマッサージ操作が各々自在となす元部対先方部の個別マッサージ操作構造と、
前記筋力体(G)による元部と先方部の其々を個別に加圧する前記局部加圧構造と、を自在に交えて操作する複合的操作構造
によって構成される男性用マッサージ具。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項記載の円筒体(15)における外周構造に、当該男性用マッサージ具を身体的に保持するための、補助具を装着する欠き込み(50)を備えてなる男性用マッサージ具。
【請求項7】
柔軟性合成樹脂成型によって、円筒形にしてマッサージ孔を形成してなる男性用マッサージ具の、本来的に内壁である模擬膣を外側にして成型、これを裏返して模擬膣を形成する従来製法を採用してなる、男性用マッサージ具の製造方法であって、
基盤(30)の上に仮設された治具支持棒(31)に、前記模擬膣を被着支持し、これをインナー(11)とし、
前記インナー(11)の空洞部奥行きは140~200mmのうちから選ばれる一の数、望ましくは170mmでなり、
前記インナー(11)の外側面には離型剤が被着してあり、更なる外側に型枠として、円筒体(15)を形成するための円筒空間を確保して、指掛り(20)成型用の凹型部(21)を形成してなる第1円筒外枠(32a)を被せて基盤(30)上に立設する型枠設置工程と、
ジェル状、又は液状の低硬度柔軟性合成樹脂を3~10mm高さのうちから選ばれる一の数値を、望ましくは5mmを注入して、初層である前記円筒体(15)の後端部(16)を低硬度で形成する初層工程と、
2層目として、初層の上に高さ10~20mmの中から選ばれる一の数値でなる第1仕切枠(35)を2個、又は3個によって円周上平均的に間隔を空けて配設、その配設間隔部を筋力体(G)用の空間として構成することで、前記仕切枠(35)の設置数がその階層における分断数となる筋力体(G)の分断配置工程と、
配設された前記仕切枠(35)内に中硬度柔軟性合成樹脂を注入充填し、前記筋力体(G)用の空間に、可撓性を有する高硬度柔軟性合成樹脂を注入設置する筋力体(G)の設置工程と、
前記柔軟性合成樹脂と前記柔軟性合成樹脂の注入後、前記第2仕切枠(36)を速やかに抜去して隣接材の融着を実現してなる2層目工程と、
3層目として2層目の上に、10~50mmのうちから選ばれる一の数値、望ましくは30mm高でなる、前記円筒体(15)の一部として形成される前記中硬度柔軟性合成樹脂層を設置する3層目工程と、
4層目として、3層の上に高さ10~20mmの中から選ばれる一の数値でなる仕切枠(35)を、4個又は、5個を円周上平均的な間隔を空けて配設、
5層目は先に、高さ50mmに形成される第2円筒外枠(32b)を、前記第1円筒外枠(32a)の上端部に嵌合増設する型枠増設工程と、
前記4層目の上に前記中硬度柔軟性合成樹脂、又は柔軟性合成樹脂の硬度1、又は2でなる素材を、30~60mmのうちから選ばれる一の数値、望ましくは50mm高で積層充填して前記円筒体(15)の全長における中間部を形成する5層目工程と、
6層目は、別途成型製作された縦型第3筋力体(G3)の部分である複数の縦型筋力体片(42)と、その先端部内側に縦型凸部(39)を備え、その長さは40~70mmのうちから選ばれる一の数値、望ましくは55mmであり、3~16本の中から選ばれる一の数、望ましくは6本で形成される集合体形として、その一端を集束リング(45)の外周へ一体に成型して構成される縦型第3筋力体(G3)の別途成型体製作工程と、
この縦型第3筋力体(G3)の開放端部側を、前記インナー(11)の先端から軸方向に沿って、これを囲むように包囲嵌入する第3筋力体(G3)設置工程と、
変形枠である第3円筒外枠(32c)を、前記第2円筒外枠(32b)の上端部に増設する第3円筒外枠(32c)設置工程と、
前記第3円筒外枠(32c)が構成する前記円筒体(15)の未注入空間に前記中硬度柔軟性合成樹脂を充填し、又は接着剤を介してこれを充填して、積層完了する前記円筒体(15)積層工程と、
硬化後の脱型工程を経て製造される
ことを特徴とした男性用マッサージ具の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する産業分野】
【0001】
本発明は、男性器をマッサージする男性用マッサージ具に関する。
【背景技術】
【0002】
男性器のマッサージ具は、基本的に円筒形でなる、マッサージ孔を備えたタイプが多く提案され、市販されている。マッサージ孔の内部が柔軟性合成樹脂材で形成され模擬膣を構成しており、収容した陰茎を模擬膣の柔軟性合成樹脂材製内壁でマッサージし、その効果が得られるようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】再表2010/082316
【特許文献2】特開2015-139626
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】刊行物「株式会社講談社」発行週刊誌2020年4月6日発売「週刊現代4月11・18日号」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
市販されている電力を使わない自力型男性用マッサージ具は、円筒形の基本的な形を踏襲しながら、シリコーン製などの内壁の凸起形状を変化させることによって、其々の性感が得られる工夫がなされている。然るに一般的な従来品を超えた特徴的といえる人気製品の実現には至っていないとされる状況がある。
【0006】
自然体の膣においては、当然にその性能力は深奥なものであり、その域へ工業的に単に凸起形状を変化させることで近付こうとしても、それは全く不十分な構造であると云うことができ、そこからは自ずと新たな効果の生成は期待されない。
【0007】
前記[特許文献1]については本願発明とは目的と技術的手段が異なるものである。
また、[特許文献2]においては、模擬膣たる空洞部の形状が内径の異なる同心円を連続設置することが特徴的に記載されているが、これは設計段階で種々試行される程度の技術であると思料される。したがって本願発明とは次元の異なるものである。
【0008】
本願発明は、男性用マッサージ具を新たな構造をもって構成することで、使用者に、これを操作するにあたって多くの選択肢を提供し、体験的学習効果から最善の操作を模索できる構造としてこれを提供することを目的とし、課題とする。
【0009】
また、前掲[非特許文献1]に示す「週刊現代」誌、掲載記事140頁~143頁、181頁~187頁において、我が国文化における少なくとも200年に渡って歴史的に保持されてきた概念として伝えられるところの、極めて希少とされる一部女性器の性能力について、茶道具などの名品名器の貴重性に習い、同様に名器と表現され言い伝えられて来た概念があり、これを当該誌の183頁において6種類の図をもってその特徴の詳細が解説されている。その記載によれば、6種類に分類される例は、所謂「締まり型」と所謂「ひだ型」に大別され、名器とされるものの存在率は6種類合わせても1%未満である、とその希少性が記載されている。何れにせよ名器としての希少性と性能力が類推されて現実的に解説されており、本願発明においては前記所謂「締まり型」について収縮を試行することのできる構造を、また、所謂「ひだ型」については自然体から得られる複製体などを含め、従来にはなかったひだや壁面となる形状を得たとき、これをもって試行のできる構造を実現することや、またその形状体を着脱自在な交換構造にするなどの試行構造を提案することで、前記概念の希少性に対して、全現役男性においてあまねく恩恵を受ける機会拡大となるよう、その可能性を新規構造として実現することも課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
低硬度柔軟性合成樹脂成型によってなる円筒体を男性器用マッサージ孔として、本来内なる内壁を円筒形の外側にして成型、これを裏返して模擬膣を形成する従来製法によって得たマッサージ具において、
これをインナー(11)として着脱自在に構成、二重構造でなる男性用マッサージ具であって、
前記インナー(11)の外側面に離型剤を被着し、その面に非着性を確保した後、これを中心に配置、
円筒体(15)の素材である低硬度柔軟性合成樹脂材と、中硬度柔軟性合成樹脂と、局部的加圧機能を保持する高硬度柔軟性合成樹脂とを、
前記インナー(11)と、仮枠である円筒外枠(32)との間に形成される空間に、前記インナー(11)の後端側から先端方向へ計画的に積層することで前記円筒体(15)を構成してなる、異なる硬度の柔軟性合成樹脂積層構造と、
前記積層構造は、ジェル状、又は液状素材の適当な連続注入によることで素材の隣接部を融着構成し、又は、両材融着に接着剤を介在させ、隣接する2素材の固着一体化を融着又は接着によって接合する設置構造と、
によって構成されることを特徴とした男性用マッサージ具である。
【0011】
請求項1に記載の、高硬度柔軟性合成樹脂は少なくとも3種類の筋力体(G)を形成し、その第1筋力体(G1)、および第2筋力体(G2)は前記インナー(11)外周を囲み、断面長方形のリング状に形成し、そのリング形状が、前記第1筋力体(G1)は2個、又は3個に円周方向に分断され、前記第2筋力体(G2)は4個、又は5個に円周方向に分断され、いずれの分断箇所も中硬度柔軟性合成樹脂を充填することによりリング分断部が素材の連続一体化をなす筋力体(G)の分断設置構造と、
別途成型製作された、軸方向に沿う縦型でなる第3筋力体(G3)は、所定の長さと湾曲形状と先端の縦型凸部(39)でなる縦型筋力体片(42)を、3~16本の中から選ばれる一の数、望ましくは6本で構成し、その一端で集束リング(45)の外周に集束一体成型として縦型筋力体(41)を形成、その開放端部側を前記インナー(11)の先端から軸方向に沿って先方部に、これを囲むように包囲して設置、その周辺の未注入空間に中硬度柔軟性合成樹脂を充填、又は、接着剤を介在させて充填設置し一体化してなる前記第3筋力体(G3)の縦型筋力体配置構造と、
によってなる男性用マッサージ具である。
【0012】
請求項1または請求項2に記載の筋力体(G)において、少なくとも3種類の、第1筋力体(G1)~第3筋力体(G3)の端部を、前記円筒体(15)の外周表面よりも突出させて一体成型でなる加圧用の指掛り(20)を設置した個別加圧操作構造と、
前記円筒体(15)を構成する主要材である中硬度柔軟性合成樹脂材中に融着接合により前記筋力体(G)を設置したことでその筋力体(G)が、周囲の中硬度柔軟性合成樹脂材の柔軟性により弾力的に支持され、前記指掛り(20)の加圧動作が前記インナー(11)を介してその関連する陰茎局部のみに、加圧力とその強弱性を直結的に伝達する局部加圧力伝達構造と、
によって構成される男性用マッサージ具である。
【0013】
請求項1~3のいずれか1項記載のインナー(11)は、円筒体(15)の中心に交換自在に設置され、
交換後の交換インナー(13)内壁の形状的特徴と、前記円筒体(15)構造の特徴との組合せ構成によって、前記交換インナー(13)固有の特徴に加えて、前記円筒体(15)構造の特徴が干渉し、当該組合せ特有の複合効果が生成される構造としたインナー交換構造でなる男性用マッサージ具である。
【0014】
請求項1~4のいずれか1項記載の円筒体(15)構造において、
図6に示すインナー(11)を含む前記円筒体(15)中間部の前記第2筋力体(G2)を取り込んで切断した円筒体(15a)と、円筒体(15b)に分離し、これを、陰茎を案内軸として兼ねて挿入組合わせ構造とすることによって、又は、
全長における中間部3分の1区間のインナー(11)を含む構成素材を、硬度1度又は、硬度2度とし、かつ延伸性を有する柔軟性合成樹脂素材をもって構成し、それによって前記円筒体(15)の元部対先方部を伸縮自在とした伸縮構造とすることによって、
前記円筒体(15)元部、又は前記円筒体(15a)を手に横持ちした時における、先方部に渡る支持力を無力化、又は消失させ、それにより、元部及び、先方部を其々両手で支持することを必然とする構成によって、元部と先方部其々のマッサージ操作が各々自在となす元部対先方部の個別マッサージ操作構造と、
前記筋力体(G)による元部と先方部の其々を個別に加圧する前記局部加圧構造と、を自在に交えて操作する複合的操作構造
によって構成される男性用マッサージ具である。
【0015】
請求項1~5のいずれか1項記載の円筒体(15)における外周構造に、当該男性用マッサージ具を身体的に保持するための、補助具を装着する欠き込み(50)を備えてなる男性用マッサージ具である。
【0016】
柔軟性合成樹脂成型によって、円筒形にしてマッサージ孔を形成してなる男性用マッサージ具の、本来的に内壁である模擬膣を外側にして成型、これを裏返して模擬膣を形成する従来製法を採用してなる、男性用マッサージ具の製造方法であって、
基盤(30)の上に仮設された治具支持棒(31)に、前記模擬膣を被着支持し、これをインナー(11)とし、
前記インナー(11)の空洞部奥行きは140~200mmのうちから選ばれる一の数、望ましくは170mmでなり、
前記インナー(11)の外側面には離型剤が被着してあり、更なる外側に型枠として、円筒体(15)を形成するための円筒空間を確保して、指掛り(20)成型用の凹型部(21)を形成してなる第1円筒外枠(32a)を被せて基盤(30)上に立設する型枠設置工程と、
ジェル状、又は液状の低硬度柔軟性合成樹脂を3~10mm高さのうちから選ばれる一の数値を、望ましくは5mmを注入して、初層である前記円筒体(15)の後端部(16)を低硬度で形成する初層工程と、
2層目として、初層の上に高さ10~20mmの中から選ばれる一の数値でなる第1仕切枠(35)を2個、又は3個によって円周上平均的に間隔を空けて配設、その配設間隔部を筋力体(G)用の空間として構成することで、前記仕切枠(35)の設置数がその階層における分断数となる筋力体(G)の分断配置工程と、
配設された前記仕切枠(35)内に中硬度柔軟性合成樹脂を注入充填し、前記筋力体(G)用の空間に、可撓性を有する高硬度柔軟性合成樹脂を注入設置する筋力体(G)の設置工程と、
前記柔軟性合成樹脂と前記柔軟性合成樹脂の注入後、前記第2仕切枠(36)を速やかに抜去して隣接材の融着を実現してなる2層目工程と、
3層目として2層目の上に、10~50mmのうちから選ばれる一の数値、望ましくは30mm高でなる、前記円筒体(15)の一部として形成される前記中硬度柔軟性合成樹脂層を設置する3層目工程と、
4層目として、3層の上に高さ10~20mmの中から選ばれる一の数値でなる仕切枠(35)を、4個又は、5個を円周上平均的な間隔を空けて配設、
5層目は先に、高さ50mmに形成される第2円筒外枠(32b)を、前記第1円筒外枠(32a)の上端部に嵌合増設する型枠増設工程と、
前記4層目の上に前記中硬度柔軟性合成樹脂、又は柔軟性合成樹脂の硬度1、又は2でなる素材を、30~60mmのうちから選ばれる一の数値、望ましくは50mm高で積層充填して前記円筒体(15)の全長における中間部を形成する5層目工程と、
6層目は、別途成型製作された縦型第3筋力体(G3)の部分である複数の縦型筋力体片(42)と、その先端部内側に縦型凸部(39)を備え、その長さは40~70mmのうちから選ばれる一の数値、望ましくは55mmであり、3~16本の中から選ばれる一の数、望ましくは6本で形成される集合体形として、その一端を集束リング(45)の外周へ一体に成型して構成される縦型第3筋力体(G3)の別途成型体製作工程と、
この縦型第3筋力体(G3)の開放端部側を、前記インナー(11)の先端から軸方向に沿って、これを囲むように包囲嵌入する第3筋力体(G3)設置工程と、
変形枠である第3円筒外枠(32c)を、前記第2円筒外枠(32b)の上端部に増設する第3円筒外枠(32c)設置工程と、
前記第3円筒外枠(32c)が構成する前記円筒体(15)の未注入空間に前記中硬度柔軟性合成樹脂を充填し、又は接着剤を介してこれを充填して、積層完了する前記円筒体(15)積層工程と、
硬化後の脱型工程を経て製造される
ことを特徴とした男性用マッサージ具の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
従来製法によって作製した模擬膣をインナー11として構成し、その背面に被着した離型剤を介してこれを内枠として成型に共用することから、その外周部に円筒体15を構成する中硬度柔軟性合成樹脂と筋力体(G)とを、ジェル状、又は液状素材で積層設置して、インナー11と一体に組合せ、前記中硬度柔軟性合成樹脂をもって上下から挟持融着することで、筋力体(G)を潜在させ、筋力体(G)の機能を保持した状態での一体構造を実現したものである。
【0018】
前記一体構造によって異なる硬度の柔軟性合成樹脂の積層構造と隣接する2素材の融着構造や接着構造を実効したことによって、
筋力体(G)に外部から加圧した時、前記2素材は一体物でありながら、中硬度柔軟性合成樹脂の中で高硬度の筋力体(G)が潜在したことにより、より柔軟な素材である前記柔軟性合成樹脂の撓みによる調整力が生じて、局部的加圧力がインナーを介して局部に直結的に伝達するという効果を得た。
【0019】
前記により、併せて、部材間を融着構造や接着構造としたことから、潤滑剤や放出された体液が染入る隙間が発生しないという効果を創出した。これにより、マッサージ具を継続使用するうえで装具清掃の容易性と、清潔な維持管理性を実現し易くしたものである。
【0020】
其々に分断による特徴のある筋力体を、全体における少なくとも3箇所の適所に配置したことにより、使用者はマッサージにおいて箇所ごとの異なる加圧刺激を自在に調整し試行体験することが出来る構造であり、特徴の体験学習を積上げられることの効果を得た。
【0021】
さらに、縦型の第3筋力体G3は、縦型筋力体片42によりインナーの周囲を面的に囲み配置し、縦型凸部39を設置したことで、先方部の加圧における点的、面的、円筒的、そのいずれにおいても局所的、全円的に収縮させることが出来、縦型筋力体片42による先方部全体を収縮し、吸着する構造として、少なくとも所謂「締まり型」における3種を試行する収縮構造を実現したものである。
【0022】
円筒外枠32による突出した指掛り20を一体に設置したことに合わせて、柔軟性素材間の融着構造の作用として部分的加圧操作が確実にインナーを介して局所へ伝達されるものであり、自在な個別操作や組合せ加圧操作が確実に伝達された。
【0023】
本願発明の特徴である加圧による収縮機能の作用を、筋力体(G)によって、自然体における膣の収縮作用を模擬膣において再現すること、すなわち課題において大別されている所謂「締まり型」の図示される3種類をイメージとして、1例毎に試行することのできる構造として実現したものである。これによって、第1筋力体(G1)~第3筋力体(G3)の其々と、及び組合せた場合との収縮効果を試行することができるものとなった。
【0024】
さらに、縦型配置の第3筋力体(G3)構造は、加圧部の面積を広くカバーし、マッサージにおいて主に陰茎の先方2分の1乃至3分の1程度を、局部加圧を含む面的な加圧が自在にできる形状であり、これは性交時における膣の急激な波状収縮現象をインナー11の波状収縮として先方部位で再現を試行する構造として実現されたものであり、並びに、[非特許文献1]に参考とする課題の大別における所謂「締まり型」概念の一部である所謂「俵締め」の締め付け具合が、波打ちながら奥へ引き込もうとするといわれる、波状収縮の再現を試行する構造で所謂「吸着力」機能の試行を可能としたものである。
【0025】
本願発明の局所的圧迫構造と組合せた交換インナー13を、より多彩な表面形状でなる部材として別途用意し、これをその例数とともにその交換も、自在に対応可能な構造としたことによって、複合的操作の一端として他の本願発明の特徴、例えば複合的操作構造と組合わせることで実に無限的ともいえる数の感覚的効果例を潜在的に保持するものとなった。このことは、[非特許文献1]に参考とする課題の大別における所謂「ひだ型」を、交換自在な試行性構造を備えた複合的操作と関連付けた、新しい構造として実現したものである。
【0026】
前記実現した構造は、従来品に無かった新たな所謂「ひだ型」を、本願発明交換インナーとして構成し試行をすることを可能とするもので、例えば、
図7に示す構造でなるひだ、すなわち適宜設置された突起44がその円筒形内壁に適宜設置されたインナーであるならば、ひだの芯材である中硬度柔軟性合成樹脂の有する可撓性が、その可撓力の程度に沿って軸方向からの力を受け流し、この適当な撓み力がインナー内壁の収縮力として固有の作用となる。この上に円筒体15の加圧機能が干渉的に加わることで、組合せ効果が生成される。
【0027】
実施例2の効果は、円筒体の中間部を切断分離、又は伸縮自在化したことによって、使用時、併せて行う基本的マッサージ動として、円筒体は元部と先方部を其々に両手で支持し個別にマッサージ操作しながら、そこに其々の刺激要素、すなわち加圧やその加減、またマッサージ速度に差をつける、などにより局部刺激が絡み合う作用となって、従来には無かった複合的マッサージ作用となることから、先進的な複合効果が得られるものとなった。
【0028】
本願発明によって得られる複合的効果として、
図9に示す作用の組合せ数とその内容に見られるように多彩な刺激効果を生成するものとなり、組合せによる機会の無限的増大が形成する未知の学習領域として提供できるものとなった。
【0029】
本願発明のマッサージ具を、身体の不自由な人の希望に添って提供するとき、介護者は当該マッサージ具を袋状、又は筐体でなる被覆補助具(図示していない)をもって欠き込み50を介して係止、全体に袋を被せるようにカバーすることで当該者がカバー上から容易に扱うことが出来るものとなる。
【0030】
身体の不自由な人の希望に介護者が寄り添い、高い意識で使用に助力することを可能としたものであり、寝たきりなどの不自由者であっても射精を促がすことが容易に実施でき、健常者同様の健康的な日常の維持に役立てることができる。
【0031】
請求項7に記載の製造工程によって製造することにより、従来の製品に無い新たな本願発明の機能を備えた男性用マッサージ具の構造が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】(イ)本発明マッサージ具の斜視図 (ロ)本発明縦型筋力体の斜視図
【
図3】(ハ)本発明マッサージ具の縦断面図におけるA-A線断面図 (ニ)本発明マッサージ具仕切枠の斜視図
【
図4】(ホ)本発明マッサージ具の縦断面図におけるB-B線断面図 (ヘ)本発明マッサージ具仕切枠を示す斜視図
【
図5】本発明マッサージ具の縦断面図におけるC-C線断面図
【
図6】本発明マッサージ具の切断分離型を表す斜視図
【
図8】本発明マッサージ具を保持するための補助具取り付け部を現す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0033】
従来、男性用マッサージ具は柔軟性シリコーンを含むエストラマをもって円筒形状を形成し、それをもってマッサージすることが一般的であり、電池など電源からの動力を用いることのない自助力で完結するマッサージ具においては、その円筒内壁、すなわち模擬膣の形状や壁面に形成される凹凸形状などの外部的マッサージ要素が個別マッサージ具の特徴となり、その特徴の如何が、従来的な自力型男性マッサージ具における最重要課題とされ、その改善に注力されるも特徴的技術は示されていない現状がある。
【0034】
自力型である本願発明男性マッサージ具の特徴は、
中央に模擬膣たる低硬度でなる柔軟性合成樹脂インナーを交換自在に配設、その外側に低・中・高、硬度の柔軟性合成樹脂を積層して外筒たる円筒形状体を構成する二重構造であり、その積層された中硬度柔軟性合成樹脂の中に、高硬度でなる筋力体を融着/接着により設置し、
それを介して手指による加圧力を局所的局部的に、自在にマッサージに影響させること、従来のマッサージを組合わせること、
インナーの有する特徴を組合せること、
により、効果の向上を図る男性用マッサージ具の新しい構造にある。
【0035】
本願発明の大きな特徴として、硬度の異なる柔軟性合成樹脂素材をもって、インナー構造と積層構造によって装具体を一体に構成していることであり、その素材組替えなどにより効果に違いが出る可能性を含むものであることから、最良を得るために試行学習を重ねる構造としたことである。以下、実施例を図面とともに詳述する。
【実施例0036】
図2断面図において、円筒体の筒状空洞を模擬膣とするもので、低硬度でなる柔軟性合成樹脂成型により別途形成される従来技術をもって、柔軟性合成樹脂を袋状又は筒状に成型し、これを裏返しに反転形成する公知技術を採用、それによって形成されるものを模擬膣とするもので、これを二重構造の内筒、すなわち着脱自在なインナー11とするものである。
【0037】
本願発明におけるインナーは中硬度素材と低硬度素材を特徴的な波形状で一体に重ねてインナー11を構成するもので、前記インナー11を中央に立設、これに円筒体15を成型するための円筒外枠32a~32cを被せて仮設、前記インナー11の外側全面に離型剤を介し、その空間にジェル状、又は液状の柔軟性合成樹脂を注入、異なる硬度の樹脂素材を積層しながら円筒体15を一体に形成することを基本構造としている。
【0038】
始めの製作工程である、マッサージ使用時の挿入口周辺は、円筒体15の後端部であり、その挿入口周辺を前記インナー11の内面と同じ低硬度柔軟性合成樹脂素材をもって、前記インナー11と円筒外枠32との空間に、概ね高さ(厚み)を3~10mmの範囲で、望ましくは5mm程度の高さに注入、初層として円筒体後端部16を形成する。
本願発明においてはこの段階を説明上1層目とし、以降同様に階層を順次増設する。
【0039】
図3(ハ)に示す2層目は、第1筋力体G1を形成するもので、1層目の上にリング状に設置される第1筋力体G1を複数に分断設置するために、第1筋力体G1の分断される箇所へ2層目高となる略15mm高でなる、
図3(ニ)に示す所定形状の仕切枠35を、2個又は3個を略等分に配置することで、その枠の中と外に空間を分け、その仕切枠35の中には円筒体15の一部を形成する中硬度柔軟性合成樹脂を注入、その他周辺の2層目空間を高硬度柔軟性合成樹脂を充填する。これにより第1筋力体G1を分断したリング状体として形成するもので、次いで前記仕切枠35を抜き去り、注入済み素材ジェル状の流動接触により異なる硬度の両素材を接触面で融着させた
図3(ハ)に示すものとなる。この段階で、円筒外枠32の型枠形状により第1筋力体G1の外周には指掛り20が形成される。
【0040】
第3層目は第2層目の上に円筒体15の一部として形成するもので、中硬度柔軟性合成樹脂を、10~50mmのうちから選ばれる一の数、望ましくは40mmの厚さに積層する。
【0041】
その上に
図4(ホ)に示す4層目を設置する。階層と同じ高さでなる第2仕切枠36(ヘ)の複数を設置、その中に中硬度柔軟性合成樹脂を充填、前記仕切枠空間以外の残り空間は、前記2層目と同様に高硬度柔軟性合成樹脂を充填する。これにより4個、又は5個によって筋力体片40としてこれを形成するもので、充填後速やかに第2仕切枠36を抜去、両材を融着させて4層目を終る。
【0042】
第1筋力体G1と第2筋力体G2は基本的に同じ機能を有するが、その特徴として分断されるその数の違いがあり、加圧位置と加圧操作、及び操作のし易さによる作用の効果が異なることから配置がなされている。いずれの階層であっても第2層目と同様に外周に指掛り20を成型し、個別に局部加圧を独自に操作できる構造であり、後述の[実施例2]における、元部と先方部の個別マッサージ構造に並ぶ、複合的操作、複合効果、に拘る要となるものである。
【0043】
5層目は全長における中間部となり、中硬度柔軟性合成樹脂をもって
図2に示す第2円筒外枠32bの上端まで充填、これにより円筒体15の中間部を5層目として形成する。
【0044】
6層目においては、
図5に示す第3円筒外枠32cを設置後、別途成型作製された、外周面に指掛り20を備えた縦型筋力体41を設置するもので、その形体は、3~16本の中から選ばれる一の数、望ましくは6本によって、
図1(ロ)、及び
図2に示す長さは50~80mmの中から選ばれる一の数、望ましくは70mmによって、6本の縦型筋力体片42の一方を湾曲させてその一端を集束リング45の輪郭に集束して一体成型した集合体とし、縦型筋力体片42の開放側端部はその内側、つまり軸心方向に縦型凸部39を設置する。
【0045】
縦型凸部39の作用は、先方方向から亀頭冠部を越えた竿部マッサージを実効するものであり、前記70mmの一部湾曲した縦型筋力体片42は、その円筒形曲面形状で亀頭部のマッサージを実効するものである。これらの構成は複合的刺激効果生成に強く作用するものとなる。
縦型の第3筋力体を形成する集束リング45の中央には通気孔49がある。
【0046】
図1(ロ)に示す縦型筋力体41は、前記インナー11への加圧作用が、他の筋力体Gのような円周上の収縮/締付方式であるリング形に加えて、先端部から軸方向にも圧迫面を広げた形状であり、面的にも作用するための構造として
図2に示すようにインナー11との接点での必要な凸部面積を保持している。
【0047】
縦型筋力体片42の形状と設置個数は、操作のし易さや、収縮的効果の度合いなどからその数が勘案設計されるが、その操作は先行技術における[非特許文献1]の所謂「締まり型」における所謂「吸着力」を試行させる構造である。
【0048】
前記縦型筋力体41の開放端部側を前記インナー11の先端から軸方向に沿って、これを囲むように包囲設置後、残る周辺空間に仕上の中硬度柔軟性合成樹脂を充填して
図5に示す前記円筒外枠32c内を充満し、前記縦型筋力体41との関係を癒着設置して6層目を終り、男性用マッサージ具の成型体とする。
【0049】
本願発明の目的である体験的学習を積上げながら、より良い使用効果が得られる構造を実現する手段として、少なくとも3種類の第1筋力体G1~第3筋力体G3に其々特徴的な加圧機能を保持し、マッサージと合わせながら其々を個別に、すなわち局部的に加圧操作する構造とすることによって、学習による好ましい操作が選択できるようにしたものである。
【0050】
3種類の特徴ある加圧筋力体を積層により、其々円筒体15の元部、中間部、先方部に配置、各筋力体には指掛り20が一体に設置、各部、各所ごとに加圧操作がなされ、局所毎に加圧力をインナー内壁に作用させるもので、このときインナー内壁の特徴的形状と作用が組合わさって、特有の効果を生成する。
【0051】
インナーの交換構造は、それが前記筋力体G機能と組合せて使用される時、その作用、効果を劇的に変更するためのものであり、インナー11は
図2に示す、空洞内にひだ17を備えたインナー内壁12とインナー支持部14からなり、円筒体15の内筒として密接にセットされ、円筒体15から自在に抜き出して、交換インナー13と交換される。
【0052】
交換インナー13のひだ形状について本願発明においては
図7に実施例を示し、交換インナー13の特徴と円筒体15の機能とを使用時に干渉的に絡めて、効果を特有化するものである。交換インナー13の特徴的ひだである突起44を構成する断面構造として、成型により得た中硬度柔軟性合成樹脂材でなる支持材凸部43の大きさは幅3~10mmの中から選ばれる一の数値でなり、高さは5~12mmの中から選ばれる一の数値でなり、厚みは下部を2~5mmの中から選ばれる一の数値とし、上方への厚みを漸減しながら0mmにして立設する。この時立設した支持材凸部43の大なる面は交換インナー13の軸方向に略直角とし、軸方向の曲げに対して柔軟に可撓性を有し、内壁周囲に適宜配置されその可撓性が周囲からの締め付ける力、収縮力として作用する。
【0053】
このようにして支持材凸部43を群生構成するマット状のインナー支持部14の表面にジェル状低硬度柔軟性合成樹脂材を厚めに塗布、又は浸漬被着し、模擬膣壁面の凹凸変化やクッション性を確保するもので、その塗布面を下向きにして前記支持材凸部43の先端へ滴状に流動的に誘導し、硬化後、この作業を必要回数繰返して前記支持材凸部43の先端部から必要な長さ/高さまで成長させる。
【0054】
突起44は低硬度柔軟性合成樹脂材の表面接触によるマッサージの円滑性を維持しながら、その可撓性の強度によって内壁周囲から締付力としての力を発生せしめ、交換インナー13の特徴と円筒体15の有する加圧機能を組合せた特有の効果を生成される。
【0055】
このようにして形成されたひだを備え、この突起44の大小を取り混ぜ群生してなる平面的マット状の前記インナー支持部14の左右端部を接着によって円筒形に形成、硬化後これを裏返して模擬膣としての交換インナー13を構成する。
【0056】
本願発明の男性用マッサージ具が備える特徴や利点を享受しようとするとき、身体的不自由な人であってもこれを自在に保持し易くなる構造を備える。すなわち、当該マッサージ具の外形であり操作部である指掛り20の端部に、複数の欠き込み、すなわち欠き込み50を設置し、この欠き込み50に、合致する凸起を備えた別途補助具を挿着することで、これを介して当該マッサージ具を保持し、操作することが容易に可能となる。
例えば、前記合致する凸起を備えた合成樹脂でなる袋体(図示していない)をもってマッサージ具全体に覆い被せて装着することで、その上からも操作は容易に可能となる。
また、他の手段として、従来の男性用マッサージ具は片手に持って使用されるものであるが、実施例1に述べた本願発明によるマッサージ具の機能的可能性を有効に発揮しようとする時、その円筒体15の構造において、全長における、少なくとも中間部一定区間の素材を、柔軟度が低硬度の延伸性を有する柔軟性合成樹脂素材、硬度2°以下の樹脂素材を主用材として構成する。それによって、元部を持った支持力が先方部までも支持する力が無力化されたものが出来上がる(図示していない)。これを支持使用するためには両手での支持が必然となる。
このようなマッサージ具構造によって使用時に、元部と先方部が支持力において一体をなさないことから元部、先方部別々に支持し操作するものとなり、そこへ前述した他の機能、すなわち筋力体機能と従来の摩擦操作をそれぞれに組合せることにより、多彩な効果を生む複合的な刺激手段として実現する。
[非特許文献1]の記載によるところの大別から所謂「締まり型」を現すものとして、本願発明においては(B+b),の通常操作に加えて前記筋力体Gを備えた(C),(c)の局部的締付機能を絡めた動作を操作することで(C),(c)の絡む操作の結果を体験学習することが出来る構造として実現したものである。
本願発明に使用するシリコーン樹脂は、低硬度1°~10°、中硬度20°~30°、高硬度50°~65°、に分類してその範囲内で設計されるが、そのいずれも注入時はジェル状、又は液状であり、その硬化時の柔軟程度を表す記載である。
本願発明の製造方法について、柔軟性合成樹脂成型によって、円筒形にしてマッサージ孔を形成してなる男性用マッサージ具の、本来的に内壁である低硬度柔軟性合成樹脂によって形成される模擬膣を外側にして成型、これを裏返して模擬膣を形成する従来製法を採用してなる、男性用マッサージ具の製造方法であって、
基盤(30)の上に仮設された治具支持棒(31)に、前記模擬膣を被着支持し、これをインナー(11)とし、その空洞部奥行きは140~200mmのうちから選ばれる一の数、望ましくは170mmでなり、その外側面に離型剤を被着した後中央に配置、その外側に型枠として、円筒体(15)を形成するための円筒空間を確保して、指掛り(20)成型用の凹型部(21)を形成してなる第1円筒外枠(32a)を被せて基盤(30)上に立設する又は液状の低硬度柔軟性合成樹脂を3~10mm高さのうちから選ばれる一の数値を型枠設置工程と、
ジェル状、、望ましくは5mmを注入して初層である前記円筒体(15)の後端部(16)を低硬度で形成する初層工程と、
2層目として、初層の上に高さ10~20mmの中から選ばれる一の数値でなる仕切枠(35)を、2個又は3個によって円周上平均的に間隔を空けて配設、その配設間隔部を筋力体(G)用の空間として構成することで、前記仕切枠(35)の設置数がその階層における分断数となる筋力体の分断配置工程と、
配設された前記仕切枠(35)内に中硬度柔軟性合成樹脂を注入充填し、前記筋力体(G)用の空間に、可撓性を有する高硬度柔軟性合成樹脂を注入設置する筋力体(G)の設置工程と、
前記柔軟性合成樹脂と前記柔軟性合成樹脂の注入後、前記仕切枠(35)を速やかに抜去して隣接材の融着を実現してなる2層目工程と、
3層目として2層目の上に、10~50mmのうちから選ばれる一の数値、望ましくは30mm高でなる、前記円筒体(15)の一部として形成される前記柔軟性合成樹脂層を設置する3層目工程と、
4層目は、前記2層目と同等の工程を繰返して設置され、
5層目は、高さ50mmに形成される第2円筒外枠(32b)を、前記第1円筒外枠(32a)の上端部に嵌め合せて増設する型枠増設工程と、
前記4層目の上に前記柔軟性合成樹脂、又は柔軟性合成樹脂の硬度1でなる素材を、30~60mmのうちから選ばれる一の数値、望ましくは50mm高で積層充填して前記円筒体(15)の全長における中間部を形成する5層目工程と、
6層目は、別途成型製作された縦型第3筋力体(G3)の部分である複数の縦型筋力体片(42)でなり、その長さは40~70mmのうちから選ばれる一の数値、望ましくは55mmであり、3~16本の中から選ばれる一の数値、望ましくは6本で形成される集合体形として、その一端を集束リング(45)の外周へ一体に成型してなる別途成型体製作工程と、
この縦型第3筋力体(G3)の開放端部側を、前記インナー(11)の先端から軸方向に沿って、これを囲むように包囲嵌入する第3筋力体(G3)設置工程と、
変形枠である第3円筒外枠(32c)を、前記第2円筒外枠(32b)の上端部に増設する第3円筒外枠設置工程と、
前記円筒体(15)の未注入空間に前記柔軟性合成樹脂を充填し、又は接着剤を介してこれを充填して、完了する前記円筒体(15)積層工程と、
硬化後の脱型工程を経て得る
ことを特徴とした男性用マッサージ具の製造方法である。
これに対して、本願発明マッサージ具は実施例2における、円筒体15の伸縮機能については、明確に異なる目的と作用効果を構成したものであり、本願発明は新規性、進歩性においてより優れた構造とした。さらに本願発明は繰返し使用する用具であり、特許文献1は使い捨て方式の物であることからも、全体として異なることが明白である。
特許文献2においては、その特徴的とする構造は、柔軟かつ弾性に富む素材によって、円筒状に形成し、内部空間の形状に、内径が異なる同心円の連続によって、また、空洞部には、連続して、複数のなだらか凹凸を連続させてなる襞部を形成する、ことが記載されている。
前記の主たる構成による刺激性の発生的要素は、すべて設計時における選択的事項であると思料される。本願発明は明細書に記載する通り、新規性、進歩性、を充分に満たした上に創造がなされたものであり、よって特許文献2とは目的を同じくするものであるが、本願発明とは全く異なる別のものと判断できる。
[非特許文献1]に示す「週刊現代」誌掲載記事の概念を明示した所謂「名器」に、本願発明においては人工装具の組合せ構造によってその可能性を実現した。すなわち、所謂「締まり型」機能をマッサージ具によって再現を試行することが可能な構造を具現化したものである。