(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069970
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】燻炭とアルカリ性環境を利用した廃棄食品処理方法
(51)【国際特許分類】
B09B 3/60 20220101AFI20230511BHJP
C05F 9/00 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
B09B3/00 D ZAB
C05F9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021193632
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】598059826
【氏名又は名称】平松 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】平松 勝彦
【テーマコード(参考)】
4D004
4H061
【Fターム(参考)】
4D004AA03
4D004BA04
4D004CA04
4D004CA19
4D004CA48
4D004CB03
4D004CC11
4H061CC55
4H061CC60
4H061GG41
4H061GG48
4H061HH42
(57)【要約】 (修正有)
【課題】籾殻から製造される燻炭を使用した廃棄食品(生ごみ)の処理方法を提供する。
【解決手段】本発明は燻炭の持つアルカリ性環境を利用した生ごみ処理方法であり、比較的多くの燻炭を有した容器に、ある程度細かく崩した生ごみを適量投入して混合し、全体が均一の混合状態になったら、さらに燻炭をそれらを覆うように再度投入し、雨のかからない状態で保管し、約四日ないし五日経過した後、容器の蓋を開け、生ごみの分解状態を確認して作業を終了する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は生活の中から発生する様々な廃棄食品(生ごみ)を、燻炭を用いて混合発酵させて廃棄食品を分解する方法である。
あらかじめ、一定の大きさに砕かれ且つ様々な分野からの廃棄食品を容器に投入された燻炭内にバラバラの状態で投入する。さらに、投入された廃棄食品と燻炭を均一な状態で混合する。混合された物体に再度燻炭を包み込むように投入して雨のかからない状態で保管、廃棄食品(生ごみ)の微生物分解(発酵状態)を促進する状態で一定期間保存することで結果的に廃棄食品(生ごみ)の分解処理作用を行う。また、一般的には廃棄食品(生ごみ)の悪臭取り除きに燻炭を散らす作業が見られるが、本方法では燻炭の中に廃棄食品を投入して発酵分解処理を行うなどの生ごみ分解処理方法。
【請求項2】
特許請求項1,の方法で処理された燻炭には、廃棄食品(生ごみ)の分解成分が含まれている。一般的に燻炭はそのままの形で農地に撒かれているが、本方法で処理された燻炭では燻炭内に廃棄食品分解から取り込まれた成分が含まれている。したがって、農地に撒かれた時の肥料的効果を期待できるなどの特徴を得ることは出来る。また、本方法の微生物発酵において燻炭内発酵でありアルカリ性環境内発酵でもある。したがって、発酵時に発生する悪臭を抑える働きが生じるため、環境に優しい本発明の生ごみ処理方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燻炭の性質(強アルカリ性環境)を利用して廃棄食品の処理を行う方法である。
【背景技術】
【0002】
近年になって廃棄食品(生ごみ)の排出量が多くなり社会問題化している。私どもは燻炭製造機械の製造販売を行っている関係上、多くの燻炭を所有している。そのような環境の中で、アルカリ性環境と微生物発酵に興味を持った。家庭から出る生ごみを燻炭の中に投入してみた。すると、四日が経過して容器のふたをとると、生ごみが綺麗になくなっていたことから燻炭を用いた生ごみの分解発酵処理の開発が始まった。
特許文献に付きましては、調べましたが本発明に関連した同種の文献はありませんでした。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、各地域において廃棄食品処理の課題は全国的に広がりを見せている。本発明はこれらの課題解消を目的に開発された生ごみの処理方法である。さらに、燻炭を大量に必要とする生ごみ処理方法であるが燻炭は籾殻から製造される関係上大量の籾殻も必要になるがわが国内において籾殻は大量に余っているのが現状、つまり、生ごみと籾殻は各地域で大量に余っているなどの処理の課題を呈している。これらの二つの物質を利用した廃棄食品処理方法である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、燻炭の持つアルカリ性環境を利用した生ごみ処理方法で、比較的多くの燻炭を有した容器に、ある程度細かく崩した生ごみを適量投入し混合する。全体が均一の混合状態になったら、さらに、燻炭でそれらを覆うように再度投入して雨のかからない状態で保管する。約四日ないし五日を経過して容器の蓋を開けて発酵状態を確認して生ごみの分解状態を確認して作業を終了する。
【発明の効果】
【0005】
通常の生ごみ発酵処理では、有毒物質が生じ悪臭が発生するが本発明の生ごみ分解処理方法では殆ど悪臭は発生しない。それらの因子は、燻炭発酵内部は強アルカリ性環境であり悪臭の発生を抑えているのである。また、燻炭の含水率は極めて低い値でありそれらの乾燥状態が悪臭発生の抑制作用にもなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
一般的に良好な発酵条件は、含水率が重要視される。燻炭の含水率は17%~20%であり水分調整機能を有している。さらに、燻炭の消臭作用は昔から言われている。つまり、燻炭内のアルカリ性環境が悪臭の発生抑制をしている。さらに、本方法の廃棄食品処理では生ごみに燻炭を散布するのではなく、多くの燻炭の中に生ごみを投入するのである。つまり、多くの燻炭を利用した生ごみ微生物分解処理方法である。
【実施例0007】
先ず、将棋の駒ほどの大きさになった生ごみをあらかじめ容器内部に燻炭を設けた状態の燻炭上に生ごみを投入する。道具を用いて全体が均一になる様に燻炭と生ごみを混合する。次に、できた混合物を覆うように燻炭を投入することで生ごみと燻炭の発酵状態が形成される。
次に、発酵を終了して出来上がった燻炭には、発酵時に微生物分解された生ごみ成分が含まれている。これらの発酵燻炭を用いて三年間にわたって植物栽培試験が行われた。生育試験植物は、ナス、トマト、キュウリ、ピーマン、唐辛子、小松菜、ホーレンソウ、などで試験栽培は行われ、発酵燻炭成分を用いた生育試験の結果は全体的に良好で病気や障害は無く、無農薬栽培試験の関係上味覚効果も良好な結果であった。
本方法で使用する燻炭は籾殻を原料に作られる。日本国内各地の籾殻の保有状態は余っている状態を示している。使われない籾殻の量は全国で二百万トンとも言われている。一方 廃棄食品(生ごみ)においても発生量が多すぎて処理に各自治体は困っている状態。本方法は籾殻の有効活用と生ごみの処理が同時に行われる特徴を有している。また、一部の生ごみは各処理場で燃焼処理も行われている。したがって、本方法を実行することで燃焼処理に伴う排気ガスの発生を抑制するなどの効果も得ることが出来る。