(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023069971
(43)【公開日】2023-05-18
(54)【発明の名称】取り付け具
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20230511BHJP
【FI】
A47G29/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021193633
(22)【出願日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】517232419
【氏名又は名称】長谷川 真之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 真之
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AB10
3K100AE01
3K100AE14
3K100AF01
(57)【要約】
【課題】壁や家具、キャビットなどにものを取り付ける手段として、ループ面を壁面側に貼り、取り付けるものにフック面を貼り付けて圧着する方法があるが、圧着する際は、壁面と取り付けるものの間に、フック面もループ面も隠れるため、対向して圧着するための正確に位置を合わせる必要がある。この問題は、壁面側に、取り付けるものより大きなシートのループ材を貼り付けることで解消されるが、壁面に損傷を与えず、容易に原状復帰できる貼り付け手段を持ったループ材が好ましい。
【解決手段】ループ材の背面に、微細な吸着構造を持った軟質の樹脂部分を形成し、更にシートの最上部に剥がれを防止するための弱粘着性の粘着材を取り付けることにより、壁面から剥がれることを防止する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細な吸着構造を持った軟質の樹脂部と、補強のための粘着部を備えた、フック&ループ構造のフック材を取り付けるためのシート状のループ材。
【請求項2】
上記第1項の粘着部の構造として、壁面とシート背面の間に、粘着剤付きフック&ループ材料を用いたもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面や家具、キャビネットなどにものを取り付ける際に使用する、取り付け具に関する。
【背景技術】
【0002】
ものを取り付ける際に使用する取り付け手法として、古くは釘やネジ、近年では、両面テープや接着剤が用いられる。
【0003】
一方、欧米ではフック&ループ(面ファスナー)の片方を壁面に貼り付け、もう片方を取り付け物に貼り付けることで、壁面に物体を取り付ける方法が普及している。
【0004】
フック&ループを使用した取り付け方法は、取り付け位置や角度の修正が可能であり、容易に取り外し・再取り付けを繰り返すことが出来る。
【0005】
市販されているフック&ループ材料は、一般に粘着剤付きのループ面を壁面に、フック面を物体側に貼り、対面させて押し付けて取り付ける。
【先行技術文献】
【0006】
【非特許文献1】https://ja.wikipedia.org/wiki/面ファスナー
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
フック&ループ材料を用いて取り付ける場合、
図1に示すごとく、取り付けるもの(2)に貼るフック面(3)は、取り付ける際には、取り付けるもの(2)と、壁面(1)の間に隠れるので、壁面(1)に貼り付けたループ面(4)と位置を合わせて対面させることが難しい。
【0008】
この解決策として、
図2に示すごとく、物体の背面より大きな面積の、ループ材(5)を壁側に貼り付け、それに取り付けるもの(2)を押し付けて取り付ける手法がある。
【0009】
大面積のループ材は、恒久的に壁面に貼り付けることは容易であるが、賃貸住宅などで退去する際に原状復帰を要する場合は、壁面にダメージを与えずに取り外せることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ループ材の背面に、カーペット固定に使われる微細吸着構造を持つ軟質樹脂の吸着部と、上端部の吸着強度を補強する粘着構造を付加する。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、壁面に大きなループ素材を原状復帰が容易な手段で取り付けることが可能となり、フック材を貼り付けたものを壁面に取り付けるのが容易になる。また、ループ材のどの部分にも取り付けることが可能となり、さらに
図3にしめすごとく、1つのループ材に複数のものを取り付けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
ループ材の布もしくはシートを、壁面などに取り付ける手法として、ループ材の背面に微細な吸着構造を持った軟質のアクリル樹脂を付加することで、ガラス面や床面などに吸着させることが出来る。
【0013】
しかしながら、この構造で壁面に貼り付けたループ素材は、貼り付けのシェア強度(水平ずれに対する強度)が大きい一方、ピール強度(垂直にはがす強度)は弱く、上端部からめくれが生じ、経時的に剥がれて落下しやすい。
【0014】
剥がれの起点は、ループ素材の上端のピール(めくれ)から発生するため、ループ素材の上端の吸着を粘着構造などで補強し、めくれを防止する事により落下を防止出来る。
【0015】
ループ素材上端の吸着の補強の手段として、壁面にダメージを与えにくいフック&ループを採用することで、ループ素材を他の場所に移設して使用することが可能となり、住居内での使用に適する構造を実現出来る。
【実施例0016】
【0017】
シート状のループ材(5)の背面に、微細な吸着構造を持った軟質のアクリル樹脂(6)を形成し、更にシートの最上部に弱粘着性の粘着テープ(7)を取り付けることにより、壁面から剥がれることを防止する。
【0018】
【0019】
シート状のループ材(5)の背面に、微細な吸着構造を持った軟質のアクリル樹脂(6)を形成し、更にシートの最上部に粘着剤付きフックテープ(8)を取り付け、壁面側には、粘着剤付きループテープ(きれいに剥がせるタイプ)(9)を貼り、フック&ループの取り付けによって壁面から剥がれることを防止する。